JP2005135323A - 開発工期短縮支援方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 (イ)生成されたDSMの各作業項目のうち、生産準備開始前に基準が設定されている既標準化作業項目をDSMの先頭側に移動させるステップ、(ロ)生産準備フェーズ毎にフェーズ内の各作業項目を管理・測定項目等の順に並べ替えるステップ、(ハ)設計・調整項目で修正時間が短い作業項目を最終フェーズにコピーするステップ、(ニ)前記設計構造行列における、同じ管理・測定項目に依存している設計・調整項目問に依存関係追加情報の付与を受け付けるステップ、(ホ)依存関係情報等を有する作業項目を、設計構造行列の主対角線の下方且つ主対角近傍に位置するよう配置して作業フローを生成するステップが演算手段により行われる開発工期短縮支援方法。
【選択図】 図6
Description
DSMには作業項目間の依存関係がマトリクス形式で表現されており、工程開発等の開発工期の短縮支援では、このDSMの行と列とを入れ替える操作を繰り返すことにより、戻りの少ない作業順序を生成するなどして解析を実施し、より望ましい作業手順を導くことが行われる。行と列との入れ替え操作は、マトリックスの対角線で区切られた右上の領域に位置する依存関係情報の数をできるだけ少なくし、且つ依存関係情報をできるだけ対角線に近い位置に配置するという方針に基づいて行われる(非特許文献1参照)。
また、従来の手法では、DSMを作成する際に、プロセス設計者が各作業項目間の依存関係をDSMに直接入力していたが、通常プロセス設計者は各作業項目を依存関係という視点で捉えていない。従って、プロセス設計者にとっては、各作業項目間の依存関係をどのように付加するか等、入力事項を最初から整理する必要があり、入力するための負荷が非常に大きいという問題があった。特に、開発工程の数が増大するとともにプロセス設計者の検討時間が大幅に増加する傾向にある。
即ち、請求項1記載の如く、複数の作業項目間の依存関係情報を表現する設計構造行列を用いて、開発工期を短縮するための検証計画を、コンピュータを用いて支援する方法であって、
該コンピュータの演算手段により行われる以下のステップを備えることを特徴とする開発工期短縮支援方法。
(イ)演算手段により生成された設計構造行列における各作業項目のうち、生産準備開始前に基準が設定されている既標準化作業項目を、設計構造行列の先頭側に移動させるステップ
(ロ)生産準備フェーズ毎に、フェーズ内の各作業項目を管理・測定項目および設計・調整項目の順に並べ替えるステップ
(ハ)設計・調整項目で修正に要する時間が短い作業項目を最終フェーズにコピーするステップ
(ニ)前記設計構造行列における、同じ管理・測定項目に依存している設計・調整項目間に依存関係追加情報の付与を受け付けるステップ
(ホ)依存関係情報及び依存関係追加情報を有する作業項目を、設計構造行列の主対角線の下方且つ主対角近傍に位置するよう配置して作業フローを生成するステップ
これにより、工程開発において、手戻りの少ない作業フローを生成することができ、生産準備のリードタイムの短縮や総工数の削減を図ることができる。
(へ)生成された作業フローに基づいて、独立して実施すべき作業項目と、独立して実施することが望ましくない作業項目とを導出し、出力手段にて表示するステップ
(ト)各作業項目を実施するときに考慮すべき作業項目と、各作業項目を実施するときには考慮せずに後のフェーズで確認をすればよい作業項目とを導出し、出力手段にて表示するステップ
これにより、独立して実施すべき作業項目を容易に把握することができて、生産準備のリードタイムの短縮や工数の削減を図ることができるとともに、各作業項目の基準値等を決定する際に考慮すべき作業項目を容易に把握することができて、考慮すべき作業項目の抜け・漏れを無くすことができ、大きな手戻りが発生することを防止することができる。
(チ)設計構造行列の作業フローにおける実機検証回数を定量評価するステップと、
(リ)定量評価した実機検証回数の良否判断を行うステップ
(ヌ)基準設定を行うべき作業項目を決定するステップ
これにより、標準化等の基準設定を行わない場合と行った場合との実機検証回数の差を定量的に示すことができ、リードタイム短縮等の効果が大きく、質の良い標準化計画を短時間で作成することができる。
(ル)ある生産準備フェーズの終了時点での、当該生産準備フェーズにおける各作業項目の基準決定状況を、入力手段にて入力するステップ
(ヲ)入力された基準決定状況が未決定であった作業項目を、演算手段により次フェーズに移動させるステップ
これにより、計画通りに実機検証が進まないときに、現在の進捗状況に合わせて、実機検証の計画を調整し直すことが可能となる。
(カ)複数の作業項目間の依存関係を、入力手段から入力するステップ、
(ヨ)入力された複数の作業項目間の依存関係に基づいて、演算手段により前記設計構造行列を生成するステップ
この入力手段から複数の作業項目間の依存関係が入力される入力表には、入力すべきデータがプロセス設計者に馴染み易いデータと同様の形式で表現されているため、プロセス設計者の入力事項に対する検討時間や入力負荷が少なくて済む。
また、リードタイム短縮等の効果が大きく、質の良い標準化計画を短時間で作成することができる。
さらに、計画通りに実機検証が進まないときに、現在の進捗状況に合わせて、実機検証の計画を調整し直すことが可能となる。
また、プロセス設計者の入力事項に対する検討時間や入力負荷が少なくて済む。
本発明にかかる開発工期短縮支援方法に用いられる設計構造行列(DSM)について簡単に説明する。
DSMは、複数の作業項目を有する開発工程における、作業項目間の依存関係をマトリクス形式で表現したものであり、このDSMの行と列とを入れ替える操作を繰り返すことにより、戻りの少ない作業順序を生成するなどして解析を実施し、より望ましい作業手順を導くことができるものである。行と列との入れ替え操作を行う場合は、マトリックスの対角線で区切られた右上の領域に位置する依存関係情報の数をできるだけ少なくし、且つ依存関係情報をできるだけ対角線に近い位置に配置するという方針に基づいて行われる。
ここで、各作業項目間の依存関係とは、ある作業項目の作業が別の作業項目からの情報を受けて行われる関係となっていること、すなわちある作業項目が別の作業項目の影響を受ける関係にあることをいい、依存関係の有無を、各行列成分xijの値がそれぞれ“○”(:依存する)であるか、“ ”(空欄:依存しない)であるか、にて表現している。
例えば、成分xij(1≦i≦m、1≦j≦n)で構成されるDSMの行番号iの作業項目が、列番号jの作業項目からの情報を受けて行われるものである場合には、行列成分xijに“○”が表示される(すなわち、xij=“○”となる)。
また、作業項目A〜作業項目Dは、行番号が小さな作業項目から順に行われるので、図1に示すDSMでは行番号が作業項目A、作業項目B、作業項目Cおよび作業項目Dの順となっている。
まず、最初に「作業項目A」が行われる。「作業項目A」は「作業項目B」に依存しているが、「作業項目B」は未だ行われていないので、「作業項目B」からの影響を仮定して行われる。
次に、「作業項目B」が行われる。「作業項目B」は「作業項目C」に依存しているが、「作業項目C」は未だ行われていないので、「作業項目C」からの影響を仮定して行われる。また、「作業項目B」が行われたことにより、「作業項目B」の結果によっては(「作業項目B」の結果が「作業項目A」を行う際の仮定と異なっていた場合)、「作業項目A」を、その内容を変更して再度行う必要が出てくる場合がある。
このように、既に行われた「作業項目A」を、依存関係にある「作業項目B」の結果によって再度やり直すことを「手戻り」という。
最後に、「作業項目D」が行われる。「作業項目D」は「作業項目C」に依存しており、「作業項目C」は既に行われているので、「作業項目D」は「作業項目C」の結果に基づいて行われる。このように、「作業項目D」は「作業項目C」の結果を受けて行われるので、後に再度「作業項目D」を行う必要はない。
なお、DSMでは、主対角線(DSMの左上から右下に至る対角線)より上方に位置する三角領域{xij|i<j}内に位置する成分がxij=“○”となっている場合に、当該i行における作業項目が「手戻り」が発生する作業項目となる。
また、主対角線より上方に位置する三角領域内に存在するxij=“○”となる成分が、主対角線から離れた位置にあると、それだけ「手戻り」の距離が長くなるため、xij=“○”となる成分ができるだけ対角線に近い位置に配置されるように行および列の入れ替えを行う。
行および列の入れ替えを行った図3のDSMに基づいて作業を行えば、図4に示すように、作業項目B、作業項目A、作業項目C、および作業項目Dの順で作業を行うこととなる。
まず、最初に「作業項目B」が行われ、「作業項目B」は「作業項目C」に依存しているが、「作業項目C」は未だ行われていないので、「作業項目C」からの影響を仮定して行われる。
次に、「作業項目A」が行われる。「作業項目A」は「作業項目B」に依存しており、「作業項目B」は既に行われているので、「作業項目A」は「作業項目B」の結果に基づいて行われる。従って、「作業項目A」に「手戻り」は発生しない。
最後に、「作業項目D」が行われる。「作業項目D」は「作業項目C」に依存しており、「作業項目C」は既に行われているので、「作業項目D」は「作業項目C」の結果に基づいて行われる。従って、「作業項目D」に「手戻り」は発生しない。
図5には、開発工期短縮支援方法が実施される開発工期短縮支援装置として機能するコンピュータ1を示している。
コンピュータ1は、DSMの生成等を行う演算手段11や、生成したDSM等が記憶される記憶手段12を備えており、該コンピュータ1には、工程開発における複数の管理・測定項目および設計・調整項目の間に存在する依存関係等を入力するための入力手段2、および生成したDSMの内容の出力等を行うための出力手段3が接続されている。
入力手段2としては、例えばキーボードやマウスを用いることができ、出力手段3としては、例えばディスプレイやプリンタを用いることができる。
まず、開発工程にて行われる作業項目である、管理・測定項目および設計・調整項目間の依存関係を入力して、図7に示すようなDSMに展開するための入力表を作成する。
ここで、具体的に「管理・測定項目」とは、製品の品質やコスト等の所定の基準を満足するべく行われる、製品の管理作業や測定作業の項目であり、例えば実機検証時に、鍛造時の型温度の基準値を設定したり、所定の基準温度内に収まっているかを管理したりする作業であったり、切断面のバリ高さを測定する作業であったりする。
また、「設計・調整項目」とは、製品の品質やコスト等の所定の基準を満足するべく、製品の設計を行ったり、一旦設定された寸法値等の調整を行ったりする作業の項目であり、例えば鍛造時の型構造を最適な構造に設計する設計作業や、潤滑剤塗布量を最適量に調整する調整作業である。
この行列成分への入力は、本例の場合、該当箇所に「○」印を入力することで行われる。例えば、原因となる設計・調整項目1が、結果となる管理・測定項目6に影響を与えるという依存関係が存在するときには、行列成分x6,10=“○”となる入力を行う。
このDSMには、前述のように各作業項目間の依存関係が表されている。例えば、設計・調整項目6は、管理・測定項目2に依存しているので、x15,2=“○”となっている。
これに対し、図8に示すDSMは、入力表に入力されたデータを展開した、作業フローを生成するためのマトリックスであり、プロセス設計者に対する入力負荷等は考慮されていない。従って、入力表を用いずに直接DSMにデータ入力することは、プロセス設計者にとって負担が大きくなるので、望ましくない。
決定フェーズ欄に表示される「標準」とは、その作業項目の値等が、試作工程におけるトライ(実機検証)が開始される前に決定されて標準化されていることをいう。
また、決定フェーズ欄における「試作機トライ」とは、その作業項目の値等を、試作専用機によるトライが終了するまでに決定することを目標としていることをいう。
同様に、決定フェーズ欄における「国内事前トライ」とは、その作業項目の値等を、国内工場でのラインによるトライが終了するまでに決定することを目標としていることをいう。
また、決定フェーズ欄における「海外現地トライ」とは、その作業項目の値等を、海外の現地工場でのラインによるトライが終了するまでに決定することを目標としていることをいう。
各管理・測定項目および各設計・調整項目の決定フェーズ欄には、それぞれ「標準」、「試作機トライ」、「国内事前トライ」、または「海外現地トライ」の何れかが表示されている。
具体的には、まず、管理・測定項目のうち、管理基準が標準化されている作業項目(前記決定フェーズ欄に「標準」が表示されている作業項目:既標準化作業項目)が、演算手段11により、行および列の先頭側に移動される。
次に、作業項目値等が標準化されていない管理・測定項目および設計・調整項目を、演算手段11により、先頭側に移動させた標準化された作業項目の下側に(行/列番号が大きい側に)、作業項目値等の決定フェーズの早い順に並べ替える。決定フェーズの順番は、「試作機トライ」、「国内事前トライ」、および「海外現地トライ」の順に早く、「試作機トライ」が表示された作業項目の決定フェーズを「第1フェーズ」、「国内事前トライ」が表示された作業項目の決定フェーズを「第2フェーズ」、および「海外現地トライ」が表示された作業項目の決定フェーズを「第3フェーズ」としている。
なお、標準化されている作業項目を先頭側へ移動させるとき、標準化されていない作業項目を決定フェーズの早い順に並べ替えるとき、およびフェーズ内で管理・測定項目を上側に配置して、設計・調整項目を下側に配置するときには、各作業項目間の依存関係を保持したままの状態で並べ替えを行う。
図10に示すDSMの場合は、第2フェーズの設計・調整項目1および設計・調整項目9が、第3フェーズにコピーされている。
つまり、修正に要する時間が短い作業項目が最終フェーズに追加され、コピー元のフェーズと最終フェーズとで重複して行われることとなる。
なお、この場合、各作業項目間の依存関係は保持したままとする。
同じ管理・測定項目に依存している設計・調整項目とは、例えば同じ管理・測定項目4に依存している、第2フェーズの設計・調整項目4、設計・調整項目9、設計・調整項目15、および第3フェーズの設計・調整項目9である。
この場合、加熱時ワーク温度101を一定とした状態で、加熱電圧102を変化させると、必然的に加熱時間103も変化せざるを得ない。逆に、加熱時間103を変化させると、必然的に加熱電圧102も変化せざるを得ない。つまり、加熱電圧102と加熱時間103とは、相互に依存関係にある。
従って、DSMにおける加熱電圧102の行と加熱時間103の列との交点に該当する行列成分と、加熱時間103の行と加熱電圧102の列との交点に該当する行列成分との両方に“△”が入力される。
このように、同じ管理・測定項目に依存している設計・調整項目間での依存関係を、双方向から追加する。
作業フローは、DSMの行/列の入れ替えにより生成された、各作業項目の作業を行う順序であり、上流側(上側)の行の作業項目から下流側(下側)の行の作業項目へ向かって順に作業が行われる。
図14においては、依存関係追加情報が、行列成分xij(11≦i≦13、11≦j≦13)の範囲51内に、行列成分xij(14≦i≦16、14≦j≦16)の範囲52内に、行列成分xij(17≦i≦22、17≦j≦22)の範囲53内に、および行列成分xij(22≦i≦24、22≦j≦24)の範囲54内にかたまって配置されているが、各範囲内にかたまって配置されている依存関係追加情報を有する作業項目を独立して実施することは望ましくない。例えば、範囲51に依存関係追加情報が表示されている設計・調整項目9、設計・調整項目4、および設計・調整項目15は順次実施され、設計・調整項目9、設計・調整項目4、および設計・調整項目15の全ての作業項目における基準が決定するまで繰り返される。
このような独立して実施可能な作業項目同士を同時に実施すると、工程開発期間を短縮することができるため、同時に実施すべきである。
このように、独立して実施することが望ましくない作業項目や独立して実施すべき作業項目が導出されて、その作業項目名等が表示手段3に表示される。
この場合、設計・調整項目2は管理・測定項目7に依存しているが、設計・調整項目2を実施するときには、まだ管理・測定項目7の基準は決定されていないため、とりあえず依存する管理・測定項目7の基準を仮に決定する等して、設計・調整項目2を実施する。
その後、管理・測定項目7を実施して基準決定を行った際に、仮に決定等した設計・調整項目2の基準が妥当であったか否かを、決定された管理・測定項目7の基準により確認する。
これにより、独立して実施すべき作業項目を容易に把握することができて、生産準備のリードタイムの短縮や工数の削減を図ることができるとともに、各作業項目の基準値等を決定する際に考慮すべき作業項目を容易に把握することができて、考慮すべき作業項目の抜け・漏れを無くすことができ、大きな手戻りが発生することを防止することができる。
図15のステップS101、S102、S103、S104、S105およびS106は、それぞれ図6におけるフローのステップS001、S002、S003、S004、S005およびS006と同様である。
実機検証回数の定量評価とは、各フェーズの管理・測定項目群および設計・調整項目群において、基準を決定するために行う必要がある実機検証の回数を求め、全ての各フェーズの管理・測定項目群および設計・調整項目群における実機検証回数を加えた回数を算出する。
実機検証回数は、独立して実施することが望ましくない作業項目群に関して、実験計画法の2水準におけるパラメータの数と実験回数の対応テーブル(対応テーブルは記憶手段12に格納されている)から求めて、DSM(図14参照)に表示するようにしている。
同様に、第1フェーズの設計・調整項目群では、実機検証回数は2回となる。
第2フェーズの設計・調整項目群には、範囲51内の作業項目、範囲52内の作業項目、および範囲55内の作業項目が存在し、実験計画法によると、範囲51内の作業項目に必要な実機検証回数は8回であり、範囲52内の作業項目に必要な実機検証回数は8回であり、範囲55内の作業項目に必要な実機検証回数は16回である。
そして、これらの範囲51内の作業項目、範囲52内の作業項目、および範囲55内の作業項目は、互いに独立して実施することができるので、第2フェーズの設計・調整項目群に必要な実機検証回数としては、最も多い範囲55内の作業項目の回数が採用されて、16回となる。
このように、管理・測定項目群および設計・調整項目群の実機検証回数を合計すると26回となる。
次に、演算手段11により、この値が目標の実機検証回数以下に収まっているか否かの判定を行う(S108)。なお、この目標の実機検証回数は、開発工程の目標リードタイム等の関係から、プロセス設計者により予め設定されている。
図15に示すように、標準化する作業項目は、実機検証回数が最も多かった範囲55内の作業項目を対象とし、その中で最も多くの管理・測定項目に依存している作業項目を抽出する。本例の場合は、第2フェーズの設計・調整項目12を標準化する項目として抽出している。
範囲56内の作業項目の実機検証回数は実験計画法により求めると8回となり、範囲57内の作業項目の実機検証回数は4回となるので、第2フェーズの設計・調整項目群での実機検証回数は最も多い回数の8回となる。
新たに実機検証回数を求めた後に、実機検証回数合計を再度算出して、目標実機検証回数以下であるかを判定する。
図16に示すDSMの場合は新たな実機検証回数合計が18回であって、目標実機検証回数以下となっている。
また、前述のように標準化した作業項目がある場合には、標準化した作業項目も表示する。さらに、最初から実機検証回数合計が目標実機検証回数以下であって、標準化した作業項目がない場合であっても、標準化すべき作業項目があれば表示することもできる。
まず、前記図14に示すように作業フローを作成して実機検証計画をDSMによりマトリクス表現し(S201)、この計画に沿って実機検証を進める。
第1フェーズの終了時点で未決定の作業項目があった場合(図18では設計・調整項目14)、図19に示すように、その未決定の作業項目を次のフェーズ(図19では第2フェーズ)へ移動させる(S203)。
次に、図20に示すように、設計・調整項目14が第1フェーズから第2フェーズに移動したことによって、設計・調整項目間に間接的に存在することとなった依存関係を追加する。図20では、管理・測定項目9が、設計・調整項目14と設計・調整項目15とに依存しているため、設計・調整項目14と設計・調整項目15との間に双方向の依存関係を追加する(S204)。
図22においては、依存関係追加情報が、行列成分xij(10≦i≦11、10≦j≦11)の範囲61内に、行列成分xij(12≦i≦13、12≦j≦13)の範囲62内に、行列成分xij(14≦i≦16、14≦j≦16)の範囲63内に、および行列成分xij(17≦i≦23、17≦j≦23)の範囲64内にかたまって配置されているが、各範囲内にかたまって配置されている依存関係追加情報を有する作業項目を独立して実施することはできない。逆に、何れかの範囲に属する作業項目と、別の範囲に属する作業項目とは独立して実施することができ、このような独立して実施可能な作業項目同士を同時に実施すると、工程開発期間を短縮することができるため、同時に実施すべきである。
このように、独立して実施することが望ましくない作業項目や独立して実施すべき作業項目が導出されて、その作業項目名等が表示手段3に表示される。
特に、従来は、各作業項目のリードタイムや各作業項目の開始予定時刻や各作業項目のリードタイムの中で最もリードタイムが長い作業項目を視覚化することで日程調整作業者の作業効率を向上させていたが、作業項目数が多くなってくると視覚化したものが複雑となって調整者に把握しにくくなるとともに、作業項目間の依存関係が複雑になるが、本開発工期短縮支援方法では、現在の進捗状況に合わせて実機検証の計画が自動的に調整されるため、日程調整作業者にとっても新たな実機検証の計画をすぐに把握することができ、日程調整の作業効率を容易に向上させることができる。
2 入力手段
3 出力手段
11 演算手段
12 記憶手段
Claims (5)
- 複数の作業項目間の依存関係情報を表現する設計構造行列を用いて、開発工期を短縮するための検証計画を、コンピュータを用いて支援する方法であって、
該コンピュータの演算手段により行われる以下のステップを備えることを特徴とする開発工期短縮支援方法。
(イ)演算手段により生成された設計構造行列における各作業項目のうち、生産準備開始前に基準が設定されている既標準化作業項目を、設計構造行列の先頭側に移動させるステップ
(ロ)生産準備フェーズ毎に、フェーズ内の各作業項目を管理・測定項目および設計・調整項目の順に並べ替えるステップ
(ハ)設計・調整項目で修正に要する時間が短い作業項目を最終フェーズにコピーするステップ
(ニ)前記設計構造行列における、同じ管理・測定項目に依存している設計・調整項目間に依存関係追加情報の付与を受け付けるステップ
(ホ)依存関係情報及び依存関係追加情報を有する作業項目を、設計構造行列の主対角線の下方且つ主対角近傍に位置するよう配置して作業フローを生成するステップ - 前記開発工期短縮支援方法は、
前記演算手段により行われる以下のステップを、さらに備えることを特徴とする請求項1に記載の開発工期短縮支援方法。
(へ)生成された作業フローに基づいて、独立して実施すべき作業項目と、独立して実施することが望ましくない作業項目とを導出し、出力手段にて表示するステップ
(ト)各作業項目を実施するときに考慮すべき作業項目と、各作業項目を実施するときには考慮せずに後のフェーズで確認をすればよい作業項目とを導出し、出力手段にて表示するステップ - 前記開発工期短縮支援方法は、
前記演算手段により行われる以下のステップを、さらに備えることを特徴とする請求項2に記載の開発工期短縮支援方法。
(チ)設計構造行列の作業フローにおける実機検証回数を定量評価するステップと、
(リ)定量評価した実機検証回数の良否判断を行うステップ
(ヌ)基準設定を行うべき作業項目を決定するステップ - 前記開発工期短縮支援方法は、
以下のステップを、さらに備えることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の開発工期短縮支援方法。
(ル)ある生産準備フェーズの終了時点での、当該生産準備フェーズにおける各作業項目の基準決定状況を、入力手段にて入力するステップ
(ヲ)入力された基準決定状況が未決定であった作業項目を、演算手段により次フェーズに移動させるステップ
(ワ)演算手段により、次フェーズへ移動させた作業項目の他の作業項目との依存関係情報を付与するステップ - 前記開発工期短縮支援方法は、
前記設計構造行列を生成するために以下のステップを備えることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の開発工期短縮支援方法。
(カ)複数の作業項目間の依存関係を、入力手段から入力するステップ、
(ヨ)入力された複数の作業項目間の依存関係に基づいて、演算手段により前記設計構造行列を生成するステップ
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