JP2005134265A - カレンダー機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】 日付表示をより大きく見易くし視認性に優れる小型のカレンダー機構を提供する。
【解決手段】 「1」から「31」までの日付の一部が設けられている第1の日付円盤と、残部の日付が設けられている第2の日付円盤とを備え、第1、第2の日付円盤はそれぞれ所定の角度で切り欠かれた切欠部を有し、該切欠部によって形成される第1、第2の日付円盤におけるそれぞれの両端部の近傍に前記第1、第2の日付円盤を互いに連結するための引掛部を有し、一方の日付円盤の切欠部から他方の日付円盤の日付を露出させるように第1、第2の日付円盤を同心円上の同じ回転軌道上に上下に重ね合せて配置し、引掛部が連結状態にある時は一方の日付円盤の回転に伴って他方の日付円盤をも回転させ、引掛部が解除状態にある時は一方の日付円盤のみ回転させることによって、「1」から「31」までの日付を送るように構成されていることを特徴とする。
【選択図】 図1


Description

本発明は、カレンダー機構に関し、特に日付、曜日等のカレンダー表示の視認性を向上させるカレンダー機構に関するものである。
従来、この種のカレンダー機構は、腕時計・掛け時計に組み込まれており、「1」から「31」までの日付が設けられた日付円盤と、日付円盤を回転駆動する日付駆動機構を備え、日付駆動機構により前記日付円盤を回転駆動し、「1」から「31」までの日付を送るように構成されている。この場合、日付円盤の限られた面に1から31までの日付を印刷していたため、文字の大きさに制限があり小さい文字体となって見にくく視認性が悪いという問題があった。日付表示を大きく見やすくして視認性を良くするために、日付の10の単位を示す数字が設けられた第1の円盤と、1の単位とを示す数字が設けられた第2の円盤とを設け、それぞれの円盤を独立したモータで駆動する例が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−107466号報(第3−4頁、第1−2図)
しかしながら、日付の10の単位と1の単位とを別の円盤にした従来例においては、10の単位の円盤を内輪に配置し1の単位の円盤を外輪に配置する必要があり、1の単位の日付文字の大きさを10の単位の日付文字の大きさと同じ大きさにする必要があり、日付文字の大きさが制限され視認性が悪いという問題があった。また、日付送り機構に表示桁上げ機構を備えるか、それぞれ単独の駆動機構が必要になり、機構が複雑で且つ小型化が難しいため小型の女性用腕時計に採用出来ないという課題があった。
(発明の目的)
本発明の目的は、上記従来技術における課題を解決し、日付表示をより大きく見易くすることによって視認性を改善すると共に、女性用腕時計等に採用可能な小型のカレンダー機構を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明のカレンダー機構は、日付を表示する日付円盤と、該日付円盤を回転駆動する日付駆動機構を備え、該日付駆動機構により前記日付円盤を回転駆動することによって日付を送るカレンダー機構において、「1」から「31」までの日付の一部が設けられている第1の日付円盤と、残部の日付が設けられている第2の日付円盤とを備え、第1、第2の日付円盤はそれぞれ所定の角度で切り欠かれた切欠部を有し、該切欠部によって形成される第1、第2の日付円盤におけるそれぞれの両端部の近傍に前記第1、第2の日付円盤を互いに連結するための引掛部を有し、一方の日付円盤の切欠部から他方の日付円盤の日付を露出させるように第1、第2の日付円盤を同心円上の同じ回転軌道上に上下に重ね合せて配置し、引掛部が連結状態にある時は一方の日付円盤の回転に伴って他方の日付円盤をも回転させ、引掛部が解除状態にある時は一方の日付円盤のみ回転させることによって、「1」から「31」までの日付を送るように構成されていることを特徴とする。
また、第1、第2の日付円盤のうち上段に配置されている日付円盤の引掛部が当該日付円盤の下面側から突出する凸状の形状をなし、下段に配置されている日付円盤の引掛部が
当該日付円盤の上面側から突出する凸状の形状をなすことを特徴とする。
また、第1の日付円盤における一方の端部が前記第2の日付円盤の下側に位置し、前記第1の日付円盤における他方の端部が前記第2の日付円盤の上側に位置するように配置されてなることを特徴とする。
また、互いに連結されている引掛部の近傍における前記第1の日付円盤の上面と、前記第2の日付円盤の上面とがほぼ同一平面上にあることを特徴とする。
また、第1、第2の日付円盤のうち少なくとも下段に配置される日付円盤の上面は傷防止手段が設けられていることを特徴とする。
以上本発明は上記の構成により、下記の様な効果を創出することができる。
本発明におけるカレンダー機構は、所定の角度で切り欠かれた切欠部を有する2枚の日付円盤を同心円上の同じ回転軌道上に上下に重ね合せて配置することより、1列の日付円盤で日付表示の文字を大きく見やすくすることが可能となり日付表示の視認性を向上させることができる。
また、本発明におけるカレンダー機構は、従来例における日付送り機構、表示桁上げ機構や、2枚の日付円盤のそれぞれに単独の駆動機構を備える必要もなく、構造が簡単で部品点数も少ないため小型化が可能となり、小型の女性用腕時計に採用することができる。
また、本発明におけるカレンダー機構は、時計の大きさから容易に予想できない大きな日付文字を表示することが可能となるため、意外性があり、楽しさも倍増できるからくり腕時計等のからくり表示体にも応用できる。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態におけるカレンダー機構を示す平面図、図2は第1の日付円盤を示す平面図、図3は第2の日付円盤を示す平面図、図4は第1、第2の日付円盤の引掛部を示す斜視図、図5,図6はカレンダー機構の部分断面図である。以下、本実施形態を図1から図6に基づき詳細に説明する。
本実施形態におけるカレンダー機構は図1に示すように第1の日付円盤1と第2の日付円盤2とを備えている。第1の日付円盤1は、図2に示すように所定の角度で切り欠かれた切欠部11を有し、切欠部11によって形成される第1の日付円盤1における両端部12、13の近傍にはそれぞれ第2の日付円盤2と連結するための引掛部1a、1bを有している。さらに、第1の日付円盤1における一方の端部12から他方の端部13に向かう時計回りの方向にその円周に沿って「1」から「16」までの日付が所定の間隔で印刷形成されている。また、引掛部1aは第1の日付円盤1における日付「1」側の端部12の下面側(日付印刷面の反対側)に設けられ、日付「1」に対応する位置の下面から突出する凸状の形状に形成されている。また、引掛部1bは、第1の日付円盤1における日付「16」側の端部13の上面側(日付印刷面側)に設けられ、日付「16」から端部13の方向に離れた位置にあり上面から突出する凸状の形状に形成されている。
第2の日付円盤2は、図3に示すように所定の角度で切り欠かれた切欠部21を有し、切欠部21によって形成される第2の日付円盤2における両端部22、23のうち一方の端部22の近傍には第1の日付円盤1の引掛部1bと連結するための引掛部2a、他方の
端部23の近傍には第1の日付円盤1の引掛部1aと連結するための引掛部2bを有している。さらに、第2の日付円盤2における一方の端部22から他方の端部23に向かう時計回りの方向にその円周に沿って「17」から「31」までの日付が所定の間隔で印刷形成されている。また、引掛部2aは第2の日付円盤2における日付「17」側の端部22の下面側(日付印刷面の反対側)に設けられており、日付「17」に対応する位置の下面から突出する凸状の形状に形成されている。また、引掛部2bは、日付「31」から端部23の方向に離れた位置にあり上面から突出する凸状の形状に形成されている。図4に引掛部1a、2bの形状、配置を分かり易くするために、第1、第2の日付円盤1、2における端部12、23付近の斜視図を示す。引掛部1a、2bは第1、第2の日付円盤1、2におけるそれぞれの端部の外周付近に設けてある。尚、引掛部1b、2aについても同様である。
さらに、本実施形態におけるカレンダー機構においては、図1に示すように第2の日付円盤2の切欠部21から第1の日付円盤1における日付の一部を露出させるように、第1、第2の日付円盤1、2を同心円上の同じ回転軌道上に上下に重ね合せて配置し、第1、第2の日付円盤1、2が引掛部で互いに連結状態にある時は一方の日付円盤の回転に伴って他方の日付円盤を回転させ、引掛部が解除状態にある時は一方の日付円盤のみ回転させることによって、「1」から「31」までの日付を送るように構成されている。以下、図1、図5、図6用いて本実施形態におけるカレンダーの日付表示の具体例を説明する。
図1に示すように第1の日付円盤1は日付「1」側の端部12が第2の日付円盤2の日付「31」側の端部23の上段に配置され日付「1」から「6」までが第2の日付円盤2の切欠部21により露出されている状態にあり、日付「7」から「16」までが第2の日付円盤2の日付「17」側の端部22から下面側に入り込み、下段に配置されている。尚、日窓4は日付円盤の上面に配置される文字盤に設けられる窓であるが、今回は図面を簡潔にする為に省略し角窓のみの表現にしてある。日回し車3は筒車5と噛み合っており、筒車5の2回転で日回し車3が1回転し、1日1回転で日付1日分を駆動する。躍制レバー6は、第1の日付円盤1又は第2の日付円盤2の内側に設けられた歯形を利用して、日付1日分を駆動する際、勢いで日付円盤が日付2日分回転しないように働くと共に、日付表示状態において表示している日付円盤を動かないように押さえる役割を兼ね備えたばね性を持った部品である。巻真7は腕時計のリューズと接続される部品である。
図1において第1の日付円盤1は日回し車3で駆動される直前の状態、即ち反時計方向に日付1日分回転する直前であり日窓4より「1」の日付を表示している。この時、第2の日付円盤2の日付「31」と第1の日付円盤1の日付「1」との部分で第1の日付円盤1と第2の日付円盤2とが連結されている。この状態を図5の断面図に示す。第1の日付円盤1における日付「1」側の端部12が第2の日付円盤2の日付「31」側の端部23の上段に重なって配置されている。第1の日付円盤1は、日付「1」側の端部12の下面側(日付印刷面の反対側)に引掛部1aを有し、引掛部1aは日付「1」に対応する位置の下面から突出する凸状の形状をなしている。第2の日付円盤2は、日付「31」側の端部23の上面側(日付印刷面側)に引掛部2bを有し、引掛部2bは、日付「31」から端部23の方向に離れた位置にあり上面から突出する凸状の形状をなしている(図2、図3参照)。このように、引掛部1aと引掛部2bとが連結されることによって第1の日付円盤1と第2の日付円盤2とが連結され、日付「1」を表示している状態においては、日回し車3が第1、第2の日付円盤1、2の両方と噛み合い同時に矢印Aの方向に回転移動する。次の日付「2」を表示している状態においては、日回し車3が第1の日付円盤1のみと噛み合い、第1、第2の日付円盤1、2における引掛部1aと引掛部2bとの連結が解除され、これ以後、第1の日付円盤1のみが矢印Aの方向に回転移動し次々と日付を切り替え表示する。尚、日付「31」を表示している状態、及びそれ以前の日付表示をしている状態においては、日回し車3が第2の日付円盤2のみと噛み合い、第2の日付円盤2
が矢印Aの方向に回転移動するのに伴い、連結されている第1の日付円盤1も一緒に回転移動する。
一方、図1において第2の日付円盤2の日付「17」側の端部22は第1の日付円盤1の日付「7」の上段に重なる様に配置されている。この状態を図6の断面図に示す。第2の日付円盤2における日付「17」側の端部22が第1の日付円盤1の日付「16」側の端部13の上段にあって互いに離れた位置にある。第2の日付円盤2における日付「17」側の端部22の下面側(日付印刷面の反対側)には引掛部2aが形成されており、引掛部2aは日付「17」に対応する位置の下面から突出する凸状の形状をなしている。第1の日付円盤1における日付「16」側の端部13の上面側(日付印刷面側)には引掛部1bが形成されており、引掛部1bは、日付「16」から端部13の方向に離れた位置にあり上面から突出する凸状の形状をなしている(図2、図3参照)。このように引掛部1bと引掛部2aとは連結解除された状態にあり、この場合下段の第1の日付円盤1のみ矢印Aの方向に回転移動し、その後引掛部1bと引掛部2aとが連結されることによって第1の日付円盤1と第2の日付円盤2とが連結され、第1、第2の日付円盤が一緒に回転移動する。その後、日付「16」から日付「17」へと切り替わり、引掛部1bと引掛部2aとが再び連結解除され、第2の日付円盤2のみが回転移動し日付を切り替え表示する。尚、第1、第2の日付円盤1、2は図5、図6に示すように日付円盤押え8と地板9との間に上下方向から挟まれるように配置され、日付円盤押え8と地板9とで確保される円周軌道内を回転するように構成されている。また、それぞれの日付円盤が相手の上部に連結が解除されて乗り上げ移動する時、日付印刷面を傷めない様にするための傷防止手段として、日付円盤の上面に段部を形成し低段部に日付を印刷形成する。これによって印刷面が日付円盤の上面より低い位置となり日付印刷面を保護することができる。
上述したように第1、第2の日付円盤1、2は引掛部1a、2b、または引掛部2a、1bでの連結、連結解除を互いに繰り返し、同じ円周軌道内を常に重なり部分を持ちながら日回し車3の反時計回転の日付送り駆動で反時計方向に駆動され、日窓4より日付を順次表示する。これによって日付「1」から「31」までを繰り返し日窓4より表示する。
以上のように、本実施形態によれば、第1、第2の日付円盤1、2を同心円上の同じ回転軌道上に上下に重ね合せて配置した事により、図1に示すように、円周上に日付「1」から「6」までの6日分と、日付「17」から「31」までの15日分とを加えた21日分の日付で対応する。即ち、1日の日付を表示する領域として円周360度を21日分の21等分した角度領域を使用できることになる。これに対して、従来例の日付円盤1枚の場合には、1日の日付を表示する領域として円周360度を31日分の31等分した角度領域分しか使用できない。このように、本実施形態のカレンダー機構によれば従来例の約1.5倍の角度領域を1日分の日付表示に使用でき、日付表示をより大きく見易くすることができる。
また、第1の日付円盤1における一方の端部13が第2の日付円盤2の下側に位置し、第1の日付円盤1における他方の端部12が第2の日付円盤2の上側に位置するように第1の日付円盤1と第2の日付円盤2とを重ね合わせた配置とすることによって日窓4で日付を表示する日付円盤が上段に位置するようにできる。これによって、日付の一部が日窓4から奥まった位置となり見づらくなることを防止して視認性に優れたカレンダー機構を実現できる。
(第2の実施形態)
次に本発明の第2の実施形態におけるカレンダー機構として引掛部の形状の異なる例について説明する。本実施形態は引掛部以外の基本的な構成は第1の実施形態と同様である。従って、第1の実施形態と同様の構成については、同一番号を付与し説明を省略する。図7、図8はカレンダー機構の部分断面図、図9は引掛部を示す斜視図である。また、図
10、図11は、引掛部の連結、連結解除のステップを説明するための断面図である。以下、本実施形態を図7から図11に基づき説明する。
図8は本実施形態において第1の日付円盤1と第2の日付円盤2が連結解除されている状態を示す。第1の実施形態での説明と同様、図8に示すように第2の日付円盤2の日付「17」側の端部22は第1の日付円盤1の日付「7」の上段に重なる様に配置され、第1の日付円盤1の日付「16」側の端部13は、第2の日付円盤2の下段に配置されている。この第1の日付円盤1の日付「16」側の端部13の上面側に引掛部31bが形成されている。また、第2の日付円盤2の日付「17」側の端部22の下面側に引掛部32aが形成されている。このように、第1の日付円盤1の日付「16」側の端部13と第2の日付円盤2における日付「17」側の端部22とは互いに離れた位置にあり、引掛部31bと引掛部32aとが連結解除された状態にある。
図9は、第1、第2の日付円盤1、2における引掛部31a、32bの形状、配置を示す斜視図である。図9に示すように、引掛部31a、32bは第1、第2の日付円盤1、2の端部12、23におけるそれぞれの外周から内周に至るその全幅に亘って形成されている。尚、引掛部31b、32aについても同様である。また、図8に示すように第1の日付円盤1における端部13の上面側には低段部36が設けられ、端部13の板厚が小さく形成されている。この端部13における上面側の低段部36に引掛部31bが設けられており引掛部31bは、この端部13の低段部36から上方に向かって突出する凸状の形状に形成されている。この時、引掛部31bの突出した頂点31dは、第1の日付円盤1の下面31eを基準として、第1の日付円盤1の上面31cと比較して所定の高さaだけ低い位置に設定されている。
同様に、第2の日付円盤2における端部22の下面側には低段部37が設けられ、端部22の板厚が小さく形成されている。この端部22における下面側の低段部37に引掛部32aが設けられており引掛部32aは、この端部22の低段部37から下方に向かって突出する凸状の形状に形成されている。この時、第2の日付円盤2における引掛部32aの突出した頂点32dは、第2の日付円盤2の上面32eを基準として第2の日付円盤2の下面32cと比較して所定の高さaだけ低い位置に設定されている。
図7は本実施形態において、第1の実施形態の図5に相当する図で、日窓4より「1」の日付を表示し、第1の日付円盤1と第2の日付円盤2が連結されている状態を示す。図7に示すように、第1の日付円盤1における日付「1」側の端部12が第2の日付円盤2の日付「31」側の端部23の上段に重なって配置されており、第1の日付円盤1の日付「1」側の端部12の下面側に引掛部31aが形成されている。また、第2の日付円盤2の日付「31」側の端部23の上面側に引掛部32bが形成されている。この引掛部31aと引掛部32bとは前述の引っ掛け部32a、31bと同様の形状に形成されている。この引掛部31aと引掛部32bとが連結されることによって第1の日付円盤1と第2の日付円盤2とが連結されている。この連結されている時の第1の日付円盤1における端部12の上面の位置と第2の日付円盤2における端部23の上面の位置との差bの値が日付円盤の板厚より小さい値となるように各部の寸法が設定されている。この差bの値は小さいほど第1の日付円盤1と第2の日付円盤2との連結部における段差が小さくなり日付表示の視認性が良く好ましい。本実施形態においては、第1の日付円盤1と第2の日付円盤2との連結部におけるそれぞれの上面がほぼ同一平面上に配置されるように各部の寸法を設定した。尚、第1の日付円盤1の端部31bと第2日付円盤2の端部32aが連結された状態においても同様である。
また、連結されている時の引掛部31aと引掛部32bとの総厚の値は第1、第2の日付円盤1、2の板厚を加えた値より小さくなるように設定されるため、引掛部31aと引掛部32bとの連結を確実にするために、地板9の日窓4に対応する位置の近傍に凸部9
aを設けてある。本実施形態においては、この凸部9aの高さは日付円盤の厚さとほぼ同じ値に設定した。また、この凸部9aは地板9の日窓4に対応する位置から時計回り方向に所定の位置まで延長して設けることが好ましい。本実施形態においては、日窓4の位置を文字板における時刻表示の3時の位置とし、凸部9aを3時の位置から5時の位置まで延長して設けてある。また、それぞれの日付円盤が相手の上部に連結が解除されて乗り上げ移動する時、日付印刷面を傷めない様にするための傷防止手段として日付円盤の上面には硬質で透明な保護膜が設けられている。
次に、第1の日付円盤1と第2の日付円盤2とが日付送り動作を行う時、引掛部において連結、解除が行われるステップについて図1、図10、図11を用いて説明する。まず、日付円盤の一方の端部12に形成されている引掛部31aと引掛部32bとを連結し第1の日付円盤1と第2の日付円盤2とが連結されている状態から日付送り動作を行う時、引掛部31aと引掛部32bと連結解除が行われるステップを図1、図10、に基づいて説明する。図1に示すように、連結状態で下段に配置されている第2の日付円盤2が日回し車3と噛み合っている時、第2の日付円盤2の回転に伴って第1の日付円盤1が回転移動する(「17」から「31」の日付を表示する時の後半に相当)。この回転移動が進み第1の日付円盤1の日付「1」が日窓4に表示されている状態を図10(a)に示す。この時、日回し車3は第1の日付円盤1と第2の日回し車2の双方と噛み合い矢印Aの方向に回転移動し図10(b)に示すように日付「2」を日窓4に表示する。この時、日回し車3は第1の日付円盤1のみと噛み合うことになり、第2の日付円盤2との噛み合いが解除される。また、地板9の日窓4に対応する位置近傍に設ける凸部9aに支えられていた第2の日付円盤2の端部32bは、凸部9aからはずれ、地板9の上面に下がり引掛部31aと引掛部32bとの連結が解除される。次に、図10(c)に示すように、第1の日付円盤1のみが回転移動し日付「3」を表示する。このように上段に配置されている第1の日付円盤1と日回し車3と噛み合っている時は、引掛部31aと引掛部32bとが連結が解除され第1の日付円盤1のみ回転移動する(「1」から「16」の日付を表示する時の前半に相当)。
また、第1の日付円盤1における他方の端部13に形成されている引掛部31bと第2の日付円盤2の引掛部32aは図11(a)に示すように連結解除の状態にある。前述した図10において、第1の日付円盤1の一方の端部12の引掛部31aは上段、第2の日付円盤2の引掛部32bは下段に配置されていたが、図11(a)に示すように、第1の日付円盤1における他方の端部13の引掛部31bは下段に、第2の日付円盤2の引掛部32aは上段に配置され、上下関係が逆転するように配置されている。この連結解除された状態から日付送り動作が行われる時、引掛部32aと引掛部31bとの連結が行われるステップを図11を用いて説明する。図11(a)に示すように、この連結解除された状態で下段に配置されている第1の日付円盤1のみが矢印Aの方向に回転移動する。この時、日付円盤押え8の所定の位置に地板9の方向に向かって突出する凸部8aを設け、上段に位置する第2の日付円盤2の端部22を凸部8aに当接させ、第2の日付円盤2の誤動作を防止することが好ましい。本実施形態においては凸部8aを文字板における時刻表示の6時の位置に対応する位置の近傍に設けてある。この第1の日付円盤1の回転移動が進み、図11(b)に示すように、引掛部32aと引掛部31bとが近づくと、第1の日付円盤1が地板9に設ける凸部9aに支えられ上昇し、図11(c)に示すように、引掛部32aと引掛部31bとが連結し、第1の日付円盤1と第2の日付円盤2とが連結する。その後、第1の日付円盤1の回転に伴って第2の日付円盤2も回転移動する(「1」から「16」の日付を表示する時の後半に相当)。
さらに、引掛部32aと引掛部31bとが連結している状態で回転移動が進み、上段に配置されている第2の日付円盤2が日回し車3と噛み合い、引掛部32aと引掛部31bとの連結が解除され第2の日付円盤2のみ回転移動する(「17」から「31」の日付を
表示する時の前半に相当)。
その後、引掛部31aと引掛部32bとが連結し、第1の日付円盤1と第2の日付円盤2とが連結する。その後、第2の日付円盤2の回転に伴って第1の日付円盤1も回転移動する(「17から「31」の日付を表示する時の後半に相当)。
上述したように第1、第2の日付円盤1、2は第1の実施形態と同様に引掛部31a、32b、または引掛部32a、31bでの連結、連結解除を互いに繰り返し、同じ円周軌道内を常に重なり部分を持ちながら日回し車3の反時計回転の日付送り駆動で反時計方向に駆動され、日窓4より日付を順次表示する。これによって日付「1」から「31」までを繰り返し日窓4より表示する。
以上のように本実施形態においても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第1、第2の日付円盤におけるそれぞれの端部に段部を設け、低段部に引掛部を形成することにより、互いに連結されている引掛部の近傍における第1の日付円盤の上面と、第2の日付円盤の上面とをほぼ同一平面上とすることができる。これによって、第1の日付円盤と第2の日付円盤とが連結される部分における段差をなくなり、日付表示の視認性をさらに向上させることができる。
尚、各実施形態においては、第1の日付円盤における一方の端部が第2の日付円盤の下側に位置し、第1の日付円盤における他方の端部が第2の日付円盤の上側に位置するように重ね合わせた例で説明したが、第1、第2の日付円盤のいずれか一方を上段とし、他方を下段とした配置にしても良い。この場合、上段に配置する日付円盤の両端部の下面側に引掛部を形成し、下段に配置する日付円盤の両端部の上面側に引掛部を形成する。但し、視認性を良くするために、第2の実施形態で説明した引掛部の構造を採用し、互いに連結されている引掛部の近傍における第1の日付円盤の上面と、第2の日付円盤の上面とがほぼ同一平面上となるように配置することが好ましい。
本発明の第1の実施形態におけるカレンダー機構を示す平面図である。 本発明の第1の実施形態における第1の日付円盤を示す平面図である。 本発明の第1の実施形態における第2の日付円盤を示す平面図である。 本発明の第1の実施形態における第1、第2の日付円盤の引掛部を示す部分斜視図である。 本発明の第1の実施形態における第1、第2の日付円盤の連結状態を示す部分断面図である。 本発明の第1の実施形態における第1、第2の日付円盤の連結解除状態を示す部分断面図である。 本発明の第2の実施形態における第1、第2の日付円盤の連結状態を示す部分断面図である。 本発明の第2の実施形態における第1、第2の日付円盤の連結解除状態を示す部分断面図である。 本発明の第2の実施形態における第1、第2の日付円盤の引掛部を示す部分斜視図である。 本発明の第2の実施形態における第1、第2の日付円盤の連結、解除のステップを説明するための断面図である。 本発明の第2の実施形態における第1、第2の日付円盤の連結、解除のステップを説明するための断面図である。
符号の説明
1 第1の日付円盤
1a、1b 第1の日付円盤の引掛部
2 第2の日付円盤
2a、2b 第2の日付円盤の引掛部
3 日回し車
4 日窓
5 筒車
6 躍制レバー
7 巻真
8 日付円盤押え
8a 凸部
9 地板
9a 凸部
11 第1の日付円盤の切欠部
12、13 第1の日付円盤の端部
21 第2の日付円盤の切欠部
22、23 第2の日付円盤の端部
31a、31b 第1の日付円盤の引掛部
31c 第1の日付円盤の上面
31d 引掛部の頂点
31e 第1の日付円盤の下面
32a、32b 第2の日付円盤の引掛部
32c 第2の日付円盤の下面
32d 引掛部の頂点
32e 第2の日付円盤の上面
36 第1の日付円盤の低段部
37 第2の日付円盤の低段部

Claims (5)

  1. 日付を表示する日付円盤と、該日付円盤を回転駆動する日付駆動機構を備え、該日付駆動機構により前記日付円盤を回転駆動することによって日付を送るカレンダー機構において、
    「1」から「31」までの日付の一部が設けられている第1の日付円盤と、残部の日付が設けられている第2の日付円盤とを備え、前記第1、第2の日付円盤はそれぞれ所定の角度で切り欠かれた切欠部を有し、該切欠部によって形成される第1、第2の日付円盤におけるそれぞれの両端部の近傍に前記第1、第2の日付円盤を互いに連結するための引掛部を有し、一方の日付円盤の切欠部から他方の日付円盤の日付を露出させるように前記第1、第2の日付円盤を同心円上の同じ回転軌道上に上下に重ね合せて配置し、前記引掛部が連結状態にある時は一方の日付円盤の回転に伴って他方の日付円盤をも回転させ、前記引掛部が解除状態にある時は一方の日付円盤のみ回転させることによって、「1」から「31」までの日付を送るように構成されていることを特徴とするカレンダー機構。
  2. 前記第1、第2の日付円盤のうち上段に配置されている日付円盤の引掛部が当該日付円盤の下面側から突出する凸状の形状をなし、下段に配置されている日付円盤の引掛部が当該日付円盤の上面側から突出する凸状の形状をなすことを特徴とする請求項1記載のカレンダー機構。
  3. 前記第1の日付円盤における一方の端部が前記第2の日付円盤の下側に位置し、前記第1の日付円盤における他方の端部が前記第2の日付円盤の上側に位置するように配置されてなることを特徴とする請求項1または請求項2のカレンダー機構。
  4. 互いに連結されている引掛部の近傍における前記第1の日付円盤の上面と、前記第2の日付円盤の上面とがほぼ同一平面上にあることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のカレンダー機構。
  5. 前記第1、第2の日付円盤のうち少なくとも下段に配置される日付円盤の上面は傷防止手段が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のカレンダー機構。


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