JP2005134258A - アフィニティクロマト方法およびアフィニティクロマト吸着体 - Google Patents

アフィニティクロマト方法およびアフィニティクロマト吸着体 Download PDF

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嘉弘 大津
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Sukehiro Hino
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Abstract

【課題】合成が容易で穏和な条件で切断でき、アフィニティクロマト吸着体の構成成分として極めて優れたクリーバブルリンカーを有するアフィニティクロマト吸着体の提供。
【解決手段】アフィニティクロマト吸着体は、式(I)で表される。

[X1は担体を、Y1は置換基を有していてもよいシクロアルキル基を、Z1は特定化合物基を、R1およびR2はスペーサーを示す。]
【選択図】なし

Description

本発明は、特定化合物と親和性を示す化合物の探索や精製に用いられるアフィニティクロマト方法に関するものである。
アフィニティークロマトグラフィー(以下、「アフィニティクロマト」という)は、化合物間の特異的な親和性(アフィニティ)を利用することによって、リガンドに対するタンパク質やタンパク質に対するリガンドを探索したり、また、これらリガンドやタンパク質,更には抗体を精製するため等に用いられる。
斯かるアフィニティクロマトでは、高分子からなる担体にリンカーを介してリガンド等の特定化合物を結合させたアフィニティクロマト吸着体に試料を作用させ、当該特定化合物へ特異的に結合する化合物を試料中から分離した後、溶出液によってこの特異的結合化合物を溶出する。
ここで、従来のアフィニティクロマト方法では、特異的結合化合物を得るに当たって、溶出液により塩濃度等を変化させて特異的結合化合物を特定化合物から分離したり、トリフルオロ酢酸等を用いてリンカーを切断するなどしていた。しかし、これら従来の溶出条件では、タンパク質の高次構造変化を誘起することによって、特異的結合化合物の回収率や活性を低下させることがあった。
そこで、斯かる問題を解決すべく、より穏和な条件で溶出が可能なアフィニティクロマト方法が検討されている。例えば、特許文献1に開示されているアフィニティクロマト吸着体は、特定化合物に対して特異的親和性を有する物質のみならず、当該物質に対して特異的親和性を示す物質および刺激応答性高分子を有し、この構造的特徴によって、温度変化等の穏和な刺激で刺激応答性高分子の構造が可逆的に変化し、吸着された特異的結合化合物が溶出される。しかし、当該アフィニティクロマト吸着体は構造が複雑であるために、合成が容易でないという欠点を有する。
また、極めて高い活性を有する特定化合物の中には、特異的結合化合物と不可逆な共有結合を形成して強固に結合することから、通常の条件では溶出できないものがある。この様な場合には、クリーバブルリンカー(Cleavable Linker)を介して担体と特定化合物を結合させ、この特定化合物と特異的結合化合物で複合体を形成させた後にクリーバブルリンカーを選択的に切断し、複合体として特異的結合化合物を溶出する方法が有用である。そこで、従来でも、穏和な条件で切断可能なクリーバブルリンカーを応用したアフィニティクロマト吸着体は開発されている。しかし、構造が複雑で合成が困難であったり、光による構造変化を利用するものであるためにクロマトグラフ中は遮光が必要であるなど、利便性が低いものであった。
ところで、非特許文献1には、Dde(ビス-N-[1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキシリデン)エチル)基が、第1級アミノ基の保護基として開示されており、ヒドラジンの2%ジメチルホルムアミド溶液という穏和な条件で脱保護できる旨が記載されている。
また、非特許文献2と3には、L-グルタミン酸受容体のアンタゴニストを固相合成するに当たって、Dde基をリンカーとして用いた例が記載されている。しかし、これら文献には、Dde基をアフィニティクロマト吸着体のクリーバブルリンカーとして応用する旨に関しては、記載も示唆もされていない。
特開2002−119854号公報(特許請求の範囲) Ian A.Nashら,テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedron Letters),第37巻,第15号,第2625〜2628頁(1996年) Siri Ram Chhabraら,テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedron Letters),第41巻,第1095〜1098頁(2000年) Siri Ram Chhabraら,テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedron Letters),第41巻,第1099〜1102頁(2000年)
上述した様に、これまでにも様々なアフィニティクロマト吸着体が知られていたが、その合成が容易であり且つ穏和で利便性の高い条件により切断できるクリーバブルリンカーを有するものはなかった。
そこで、本発明が解決すべき課題は、合成が容易で穏和な条件で切断できる上に、アフィニティクロマト吸着体の構成成分として極めて優れたクリーバブルリンカーを有するアフィニティクロマト吸着体を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく、アフィニティクロマト吸着体に応用可能なクリーバブルリンカーにつき鋭意研究を重ねた。その結果、Dde基がアフィニティクロマト吸着体のクリーバブルリンカーとして極めて優れていることを見出して、本発明を完成した。
即ち、本発明のアフィニティクロマト方法は、アフィニティクロマト吸着体として、下記式(I)で表される化合物を使用することを特徴とする。
[上記式中、X1は担体を示し、Y1は置換基を有していてもよいシクロアルキル基を示し、Z1は特定化合物基を示し、R1およびR2はスペーサーを示す。]。
上記方法においては、溶出液としてヒドラジン溶液を使用することが好ましい。トリフルオロ酢酸等を用いて溶出する場合とは異なり、極めて穏和な条件だからである。
また、式(I)で表される化合物はアフィニティクロマト吸着体として優れていることから、本発明の方法は、式(I)で表される化合物をアフィニティクロマト吸着体として使用するものであり、本発明のアフィニティクロマト吸着体は、式(I)で表されることを特徴とする。
更に、本発明に係るアフィニティクロマト吸着体用の合成中間体は、下記式(II)で表される。
[上記式中、X2は担体を示し、Y2は置換基を有していてもよいシクロアルキル基を示し、R3およびR4はスペーサーを示し、Zは下記の群から選択される基を示す。
因みに化合物(II)は、その塩であってもよい。
上記式中、「担体」とは、不溶性の高分子からなり表面にスペーサーと結合するための官能基を有するものをいう。斯かる「担体」としては、カラム充填剤として公知のものを特に制限なく使用できるが、その材料としては、例えばシリカゲル等の無機系のもの;アガロース,デキストラン,セルロース等の天然高分子系のもの;グリシジルメタクリレート,ポリスチレン,ポリアクリルアミド;これらのコポリマーなどを挙げることができ、多層構造を有するものであってもよい。
「シクロアルキル基」とは、炭素数3〜8を有する環状飽和炭化水素基であって、具体的にはシクロプロパン,シクロブタン,シクロペンタン,シクロヘキサン,シクロヘプタンまたはシクロオクタンをいう。これらのうち、炭素数4〜6のシクロアルキル基が好ましく、更に好適にはシクロペンタンまたはシクロヘキサンであり、シクロヘキサンが最適である。
当該シクロアルキル基が有していてもよい「置換基」は、特定化合物と特異的結合化合物との相互作用を阻害することなく、特異的結合化合物と非特異的に結合するものでなければ特に制限されないが、例えば低級アルキル基,低級アルコキシ基,オキソ基等を挙げることができる。また、置換基数は1つに限らず複数でもよく、複数である場合には、置換基は互いに同一であっても異なるものであってもよい。
「低級アルキル基」とは炭素数1〜6の飽和炭化水素基をいい、例えばメチル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,イソブチル,sec-ブチル,tert-ブチル等を挙げることができ、これらのうち好適なものは炭素数1〜4のアルキル基であり、更に炭素数1〜2のアルキル基が好適であり、最適にはメチル基である。
「低級アルコキシ基」とは、上記低級アルキル基に置換されたオキシ基をいい、例えばメトキシ,エトキシ,プロポキシ,イソプロポキシ等を挙げることができ、これらのうち好適なものは炭素数1〜4のアルコキシ基であり、更に炭素数1〜2のアルコキシ基が好適であり、最適にはメトキシ基である。
「特定化合物」は、本発明のアフィニティクロマト方法によって相互作用を示す物質(特異的結合化合物)を探索或いは精製するために用いられる化合物をいい、あるタンパク質に対する特異的リガンド,リガンドの受容体タンパク質,抗体に対する抗原などをいう。従って、何等かの生理活性を有する点で、単なる合成中間体化合物とは区別できる。尚、当該「特定化合物」は、リンカーとの結合を容易にするために、その生理活性を喪失しない範囲で末端構造に修飾や変換が加えられていてもよい。例えば、当該「特定化合物」として、免疫抑制作用などの優れた生理活性を有するタクロリムスを使用する場合には、末端構造に下記に示す様な修飾や保護基を導入し、リンカーへの結合を容易にすることができる。
[上記式中、TBSはt-ブチルジメチルシリル基を示す。]。
「リンカー」は、担体が特定化合物と特異的結合化合物との相互作用を阻害しない様に担体と特定化合物との距離を保ち、また、アフィニティクロマト吸着体の合成を容易にする作用を有するものをいう。この様な「リンカー」としては、例えば、アルキレン基であって、アミド基(−NHCO−または−CONH−),エステル基(−CO2−または−OCO−),エーテル基(−O−),アミノ基(−NH−や−NR−)などで部分的に置換されていてもよいものを挙げることができ、当該「リンカー」は、その作用を損なわない範囲で水酸基等により置換されていてもよい。また、その長さは、R1,R3の場合、ヘプタメチレン基(−(CH2)7−)に相当する長さ以上とすることが好ましい。
本発明のアフィニティクロマト吸着体は、クリーバブルリンカー部分に構造的な特徴を有し、このクリーバブルリンカーは、以下の特性を有する。即ち、
(i) 特定化合物と特異的結合化合物との結合を阻害せず、
(ii) クリーバブルリンカー自体が特異的結合化合物と非特異的に吸着せず、
(iii) その切断条件が穏和であり、特異的結合化合物等に悪影響を与えない。
上記特性の中でも、特に穏和な条件で切断が可能であることによって、本発明に係る吸着体は、アフィニティクロマト用の試薬として、極めて優れた特性を発揮することができる。即ち、従来の吸着体では、リガンド等の特定化合物を固定化して吸着体を製造するに当たり、当該固定化の確認を、未反応試薬や固定化に際して遊離する化合物の定量など、間接的に行なうしかなかった。しかし本発明では、予備的な実験においてクリーバブルリンカーを切断することによって、当該固定化を定性的或いは定量的に確認することができる。また、当該固定化においては特定化合物が一部分解や修飾を受けるおそれがあるが、本発明では、やはり予備的な実験で当該特定化合物を切り出して分析することによって、この分解や修飾の有無を調べることが可能になる。更に、特定化合物と特異的結合化合物が不可逆な共有結合を形成する場合であっても、これを複合体として得ることができる。
また、本発明に係るアフィニティクロマト吸着体用の合成中間体は、この様なアフィニティクロマト吸着体が容易に合成できるものとして、非常に有用である。
本発明に係るアフィニティクロマト方法とアフィニティクロマト吸着体が享有する最大の特徴は、以下に示す反応によって穏和な条件でクリーバブルリンカーを切断できる点にある。
即ち、従来のクリーバブルリンカーは、切断に過酷な条件が必要であるか或いは利便性に欠けるものであったが、本発明者らは、クリーバブルリンカーとして、アミノ基の保護基や固相合成中間体のリンカーとして用いられていたDdeを用いれば、合成が容易な上に極めて優れたアフィニティクロマト吸着体が得られることを見出し、本発明を完成した。
以下に、先ず、本発明のアフィニティクロマト吸着体を製造する方法について説明する。
本発明のアフィニティクロマト吸着体は、その製造を容易にするリンカー部を有するため、その部分で製造中間体を結合することによって製造することができる。例えば、リンカー部にアミド結合が含まれる場合には、通常のアミド結合形成方法を採用することができる。
上記式中、X1,Y1,Z1,R1,R2は、前述したものと同義を示し、R2'とR2''は、リンカー部R2の一部であって、それぞれに隣接するカルボキシル基とアミノ基が縮合してアミド結合を形成することによってR2となる基を示す。
上記反応条件は、通常のアミド化反応と同様のものを採用すればよく、例えば、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド(EDC)等の縮合剤の存在下、反応を行なえばよい。
反応温度や反応時間は、使用する原料化合物等に依存するが、例えば室温下で1〜12時間反応させる。
上記反応例の他、リンカー部にエステル基が存在する場合には、カルボン酸中間体とアルコール中間体から脱水エステル化反応によって、エーテル基が存在する場合にはウィリアムソンのエーテル合成反応によるなど、通常の有機化学反応を採用することによって、アフィニティクロマト吸着体(I)を製造することができる。
得られたアフィニティクロマト吸着体は、水や緩衝液で洗浄した後、更に緩衝液に懸濁し、吸引等の手段により脱気する。次に、吸着体を静かにカラムへ流し込む。こうしてアフィニティカラムを作成した後、予め調製した試料をアプライし、緩衝液を流すことによって非吸着画分を除去する。そして、溶出液を流してクリーバブルリンカーを切断して、吸着体中の特定化合物と共にこれに特異的結合していた化合物を溶出する。
ここで使用される「溶出液」は、クリーバブルリンカー部分で吸着体を切断できるものであり、例えばn-プロピルアミン等の揮発性第1級アミンやヒドラジン溶液を使用するが、より利便性の高いヒドラジン溶液を使用することが好ましい。当該溶液で使用する溶媒としては、ジメチルホルムアミドや水を挙げることができ、タンパク質に与える影響を考慮すれば、水が好適である。また、ヒドラジン溶液の濃度は10%以下とし、好適には5%以下とする。
以下に、実施例を示すことにより本発明を更に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
実施例1 9H-フルオレン-9-イルメチル[8-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキシリデン)-8-ヒドロキシオクチル]カルバメート(3)の製造
ジメドン(1) 1gをジクロロエタン(DCE)に溶解し、8-[[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]アミノ]オクタン酸(2),ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)および4-(ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)を加え、室温下で18時間攪拌した。
反応終了後、生じた固形物を濾別し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣を酢酸エチルで希釈し、これを水,5%クエン酸水溶液,飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン中20−50%酢酸エチル)で精製し、標記化合物(2.5g,74%)を得た。
1H-NMR(500MHz, CDCl3) δ 1.06(6H, s), 1.30-1.64(10H, m), 2.35(2H, s), 2.53(2H, s), 3.02(2H, t, J=9.5Hz), 3.19(2H, q, J=8.6Hz), 4.22(1H, dd, J=8.6, 8.6Hz), 4.39(2H, d, J=9.2Hz), 4.81(1H, br), 7.31(2H, dd, J=9.8, 9.8Hz), 7.40(2H, dd, J=9.8, 9.8Hz), 7.60(2H, d, J=9.8Hz), 7.76(2H, d, J=9.8Hz)
MS 504.3 (M+H)。
実施例2 9H-フルオレン-9-イルメチル[8-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキシリデン)-8-[[2-(トリチルアミノ)エチル]アミノ]オクチル]カルバメート(5)の製造
実施例1で得た化合物(3) 100mgをジクロロエタン:N,N-ジメチルホルムアミド=1:1の混合溶媒に溶解後、N,N―ジイソプロピルエチルアミン 35μl、N-トリチル-1,2-エタンジアミン(4) 66.1mgを加え、室温下で18時間攪拌した。
反応溶液を減圧下濃縮後、得られた残渣を酢酸エチルで希釈し、これを水,飽和食塩水で洗浄し、更に硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤;ヘキサン中10−30%酢酸エチル)で精製し、標記化合物(5)(145mg,93%)を得た。
1H-NMR(500MHz, CDCl3)δ = 1.01(6H, s), 1.36-1.57(10H, m), 2.35-2.44(6H, m), 2.98(2H, t, J=9.5Hz), 3.20(2H, q, J=8.6Hz), 3.48(2H, dd, J=8.0, 8.0Hz), 4.22(1H, dd, J=8.6, 8.6Hz), 4.38(2H, d, J=9.2Hz), 5.05(1H, br), 7.18-7.49(19H, m), 7.60(2H, d, J=9.8Hz), 7.76(2H, d, J=9.8Hz)。
実施例3 9H-フルオレン-9-イルメチル[8-[(2-アミノエチル)アミノ]-8-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキシリデン)オクチル]カルバメート(6)の製造
実施例2で得た化合物(5) 130mgを10%トリフルオロ酢酸−ジクロロメタン(TFA/DCM)に溶解し、室温下で5時間攪拌した。
反応溶液を減圧下濃縮後、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤;クロロホルム中0−10%メタノール)で精製し標記化合物(6) (90mg,100%)を得た。
1H-NMR(500MHz, CDCl3) δ = 0.95(6H, s), 1.27-1.47(10H, m), 2.30(4H, br), 2.93-3.23(6H, m), 3.78(2H, m), 4.19(1H, dd, J=8.6, 8.6Hz), 4.35(2H, d, J=9.2Hz), 5.10(1H, br), 7.28(2H, dd, J=9.8, 9.8Hz), 7.38(2H, dd, J=9.8, 9.8Hz), 7.57(2H, d, J=9.8Hz), 7.74(2H, d, J=9.8Hz)。
実施例4 9H-フルオレン-9-イルメチル [8-[(2-[[(2-[(3S,4S,5S,8R,12S,14S, 15R,16S,18R,19R,26aS)-5-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ]-3-[(E)-2-((1R,3R,4R)-4-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ]-3-メトキシシクロヘキシル)-1-メチルビニル]-19-ヒドロキシ-14,16-ジメトキシ-4,10,12,18-テトラメチル-1,7,20,21-テトラオキソ-1,4,5,6,7,8,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,23,24,25,26,26a-ドコサヒドロ-3H-15,19-エポキシピリド[2,1-c][1,4]オキサザシクロトリコシン-8-イル]エトキシ)カルボニル]アミノ]エチル)アミノ]-8-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキシリデン)オクチル]カルバメート(8)の製造
タクロリムス誘導体(7) 170mgをN,N-ジメチルホルムアミドに溶解し、当該溶液へN,N―ジイソプロピルエチルアミン 25μlおよび実施例3で得た化合物(6) 102mgを加え、室温下8時間攪拌した。
反応溶液を酢酸エチルで希釈し、水と飽和食塩水で順次洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤;ヘキサン中20−50%酢酸エチル)で精製し、標記化合物(8) (190mg)を得た。
1H-NMR(500MHz, CDCl3) δ = 0-0.08(30H, m), 0.7-2.5(66H, m), 2.72-4.13(28H, m), 4.23(1H, dd, J=8.6, 8.6Hz), 4.39(2H, d, J=9.2Hz), 4.87-5.31(6H, m), 7.31(2H, dd, J=9.8, 9.8H), 7.39(2H, dd, J=9.8, 9.8Hz), 7.59(2H, d, J=9.8Hz), 7.76(2H, d, J=9.8Hz)。
実施例5 2-[(3S,4S,5S,8R,12S,14S,15R,16S,18R,19R,26aS)-5-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ]-3-[(E)-2-((1R,3R,4R)-4-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ]-3-メトキシシクロヘキシル)-1-メチルビニル]-19-ヒドロキシ-14,16-ジメトキシ-4,10,12,18-テトラメチル-1,7,20,21-テトラオキソ-1,4,5,6,7,8,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,23, 24,25,26,26a-ドコサヒドロ-3H-15,19-エポキシピリド[2,1-c][1,4] オキサザシクロトリコシン-8-イル]エチル (2-[[8-アミノ-1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキシリデン)オクチル]アミノ]エチル)カルバメート(9)の製造
実施例4で得た化合物(8) 32mgを10%ピペリジン−ジメチルホルムアミドに溶解し、室温下30分間攪拌した。
反応溶液を濃縮後、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤;クロロホルム中0−10%メタノール)で精製し、標記化合物(9) (27mg)を得た。
1H-NMR(500MHz, CDCl3) δ = 0-0.08(30H, m), 0.79-2.60(66H, m), 2.67-4.39(25H, m), 4.86-5.28(5H, m)
MS 1385.9 (M+H)。
実施例6 SGN粒子のスクシニル化
SGN粒子(10)[グリシジルメタアクリレート(GMA)−スチレン コポリマーがGMAで被覆され、表面にエポキシ基を有する粒子(SG粒子)の当該エポキシ基を、アミノリシスしたもの,NATURE BIOTECHNOLOGY, VOL18, pp877-881(2000)を参照] 10mgを水で2回洗浄後、ジメチルホルムアミド(DMF)で5回洗浄することによって、DMFで完全に置換した。当該洗浄操作は、遠心分離(15,000rpm,5分間)することにより行なった。この粒子をDMF 300μlに懸濁し、ここにトリエチルアミン 100μlと0.5M 無水コハク酸(11,DMF溶液) 600μlを添加し、室温で15時間、撹拌反応させた。
反応後、DMFで1回洗浄し、次いでDMF 430μlに懸濁した後に、トリエチルアミン 50μlと無水酢酸 20μlを添加し、室温で2時間、撹拌反応させた。反応後、脱イオン水で1回洗浄後、脱イオン水 450μlに懸濁させ、1N NaOH 50μlを添加し、室温で30分間、撹拌反応させた。反応後、脱イオン水で5回洗浄することによりスクシニル化SGN粒子(12)を得た。
実施例7 スクシニル化SGN粒子のNHS活性化
実施例6で得たスクシニル化SGN粒子(12) 5mgをメタノールで1回洗浄後、ジオキサンで3回洗浄することにより完全にジオキサンに置換した。この粒子をジオキサン1mlに懸濁させ、ここにN-ヒドロキシスクシンイミド(HOSu) 23mgと1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC) 38.4mgを添加し、室温で2時間、撹拌反応させた。
反応後、ジオキサンで3回洗浄した後、DMFで3回洗浄し、NHS活性化スクシニル化SGN粒子(13)を得た。
実施例8 本発明に係るアフィニティクロマト吸着体
実施例5で得たタクロリムス誘導体(9)と実施例7で得たNHS活性化スクシニル化SGN粒子(13) 5mgを、DMF 500μl中室温で3時間反応させ、反応後、1M エタノールアミン(pH8.0)で室温下一晩ブロッキング処理した。その後にアセトニトリル洗浄し、次いで保護基を除去するためにアセトニトリル中5%フッ化水素処理(室温,6時間)し、水洗することによって、本発明に係るアフィニティクロマト吸着体(14)を得た。
実施例9 「特定化合物」(タクロリムス)固定化の確認試験
得られた吸着体にタクロリムスが固定されていることを確認するために、吸着体 0.5mgをヒドラジン1水和物の2%DMF溶液または2%水溶液で室温下10分間処理し、その遠心上清をマススペクトル解析した。
2%ヒドラジン1水和物/DMFで処理した上清には、予想した部位で切断されたタクロリムスの誘導体フラグメントが確認された。
また、2%ヒドラジン1水和物/H2Oで処理した上清は、タクロリムスの水に対する溶解性が低いため、DMFで希釈して可溶化することによりフラグメントを確認することができた。
実施例10 アフィニティクロマト吸着体の性能確認試験
実施例8で得たアフィニティクロマト吸着体の性能を確認するために、タンパク質源としてUMR106細胞の細胞質抽出液を用いてアフィニティクロマトグラフィーを行なった。因みに、実施例8において、タクロリムス誘導体(9)とNHS活性化スクシニル化SGN粒子(13)が縮合することにより遊離してくるN-ヒドロキシスクシンイミドを定量することによって、タクロリムスの固定化量を測定し、当該固定化量が、実施例8においてタクロリムス誘導体(9)を加えずに同様の処理をした場合に得られる化合物に相当する部分(以下、当該部分を「latex」という) 1mg当たり24,72,240ナノモルであるアフィニティクロマト吸着体(以下、それぞれを「製造例1〜3」という)が得られていることを確認しており、各吸着体につき性能を確認した。また、比較例として、クリーバブルリンカーを介さずにタクロリムスとlatexを直結した下記化合物を用いた。
UMR106細胞抽出液 0.1mgと、製造例1〜3,比較例のそれぞれを、4℃で2時間反応させ、バッファーEにより洗浄後1M NaClで洗浄した。その後、バッファーEまたはSDS−PAGE ローディング バッファーにより98℃で5分間処理することにより溶出させた。
ここで使用した「バッファーE」の組成は、次の通りである。
10mM Tris-HCl pH 7.4, 100mM NaCl, 1mM MgCl2, 1mM CaCl2, 0.2mM EDTA, 10% Glycerol, 0.1% Nonidet-P40, 0.5mM Dithiothreitol (DTT), 1mM PMSF, 1μM Pepstatin, 1μg/ml Leupeptin。
それぞれの画分をSDS−PAGE解析したところ、予想に反して、製造例1〜3では固定化量とタクロリムス受容体(FKBP12)結合量が反比例していた(図1を参照)。この理由として、製造例1〜3では、固定化量が多くなると凝集してくる傾向がみられ、タンパク質精製能が低下することが考えられる。また、製造例1(固定量24ナノモル/1mg latex)と比較例(固定量40ナノモル/1mg latex)とがほぼ同等のFKBP12精製能(FKBP12に対する結合能)を持つことが明らかとなった。
次に、製造例1と比較例の微粒子を用いて、バックグラウンドの比較およびFKBP12/タクロリムス会合体の切り出しの検討を行った(図2)。UMR106細胞抽出液 0.1mgと、製造例1,比較例のそれぞれ0.2mgを4℃で2時間反応させ、洗浄後1M NaClで洗浄した。その後、バッファーEまたは2%ヒドラジン1水和物/バッファーEにより室温で10分間反応させた。続いて、SDS−PAGE ローディングバッファーにより98℃で5分間処理した。また、競合阻害剤としては、タクロリムスを使用した。
それぞれの画分をSDS−PAGE解析したところ、1M NaClによる洗浄で表われるバンドのパターンは、製造例1,比較例およびlatexのみ(コントロール)との間に大きな差は見られなかった。
また、2%ヒドラジン1水和物/バッファーEによる溶出では、製造例1でのみFKBP12のバンドが確認された。この場合において、競合阻害剤であるタクロリムスを存在せしめた6の場合にはFKBP12のバンドが消失していることから、FKBP12は、タクロリムスと強く結合することがわかる。
バッファーEのみにより室温で10分間処理した場合においては、製造例1および比較例のみならず、コントロールでも、わずかに溶出されるバンド(非特異的吸着タンパク質)が観察された。この非特異的吸着タンパク質は、温度や時間に依存して徐々に溶出されてくることも明らかとなった。このことから、共有結合するタイプの薬剤・レセプタータンパク質会合体であれば、SDS−PAGE ローディングバッファーによる加熱溶出後切り出し処理をすることで、より選択的な溶出ができるものと予想される。
本発明アフィニティクロマト吸着体の性能を示すSDS−PAGE解析結果。 本発明アフィニティクロマト吸着体の性能を示すSDS−PAGE解析結果。

Claims (5)

  1. アフィニティクロマト方法であって、
    アフィニティクロマト吸着体として、下記式(I)で表される化合物を使用することを特徴とする方法。
    [上記式中、X1は担体を示し、Y1は置換基を有していてもよいシクロアルキル基を示し、Z1は特定化合物基を示し、R1およびR2はスペーサーを示す。]
  2. 溶出液としてヒドラジン溶液を使用する請求項1に記載のアフィニティクロマト方法。
  3. 下記式(I)で表される化合物をアフィニティクロマト吸着体として使用する方法。
    [上記式中、X1は担体を示し、Y1は置換基を有していてもよいシクロアルキル基を示し、Z1は特定化合物基を示し、R1およびR2はスペーサーを示す。]
  4. 下記式(I)で表されるアフィニティクロマト吸着体。
    [上記式中、X1は担体を示し、Y1は置換基を有していてもよいシクロアルキル基を示し、Z1は特定化合物基を示し、R1およびR2はスペーサーを示す。]
  5. 下記式(II)で表されるアフィニティクロマト吸着体用の合成中間体。
    [上記式中、X2は担体を示し、Y2は置換基を有していてもよいシクロアルキル基を示し、R3およびR4はスペーサーを示し、Wは下記の群から選択される基を示す。
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