JPH08310809A - 新規な変性シリカゲル - Google Patents

新規な変性シリカゲル

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JPH08310809A
JPH08310809A JP7142586A JP14258695A JPH08310809A JP H08310809 A JPH08310809 A JP H08310809A JP 7142586 A JP7142586 A JP 7142586A JP 14258695 A JP14258695 A JP 14258695A JP H08310809 A JPH08310809 A JP H08310809A
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勉 岩田
Kunio Takiuchi
邦雄 瀧内
Masami Fukumoto
昌巳 福本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 製造が容易でしかも分離能、再現性及び耐
久性にすぐれた、生体試料(血清、尿等)中の各種成分
の分析に用いられるカラムクロマト用充填剤と、これを
用いた生体試料中の成分の分析方法を提供。 【構成】 シリカゲルの表面のシラノール基の水素原子
の一部又は全部が、ケイ素原子を介して、一般式[1] 【化1】 [式中、nは3以上の整数を表し、R1及びR2は何れか
一方が水素原子で、他方は−(CH2)mOH(式中、
mは2以上の整数を表す。)を表す。]で示される基で
置換された変性シリカゲル、又はシラノール基の水素原
子の一部が上記一般式[1]で示される基で置換され、
残りの一部又は全部が置換基を有していてもよいアルキ
ル基で置換された変性シリカゲル及びこれを含んでなる
カラムクロマトグラフィー用充填剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は、クロマトグラフィー用
充填剤、特に高速液体クロマトグラフィー(HPLC)用の
充填剤として有用な変性シリカゲル、及び該変性シリカ
ゲルを含んでなるクロマトグラフィー用充填剤、並びに
これを用いた生体試料(血清、尿等)中の各種成分の分
析方法に関する。
【0002】
【発明の背景】HPLCは、生体試料中の各種成分(薬物、
代謝物等)の分析手段として広く利用されている。しか
しながら、血清等のタンパク質成分を多量に含有する生
体試料中の薬物や代謝物等をHPLCを用いて定量する場合
には、タンパク質のカラム充填剤への吸着等による弊害
を除去するため、従来は除タンパク質処理等の前処理を
必要とした。
【0003】しかし、このような前処理操作は、多大の
時間と労力を要し、且つ分析誤差及び再現性の悪さの原
因となっている。そこで、除タンパク質処理を行うこと
なく、直接生体試料を分析するためのクロマトグラフィ
ー用充填剤が種々開発されている。しかしながら、いず
れの充填剤も一長一短があり満足できるものではない。
【0004】それらのいくつかの例を以下に示す。この
ような特性を有する充填剤の先駆けとしては、H.Yoshid
a,I.Morita and G.Tamai, Chem.Pharm.Bull.,30,3827(1
982)やH.Yoshida,I.Morita,G.Tamai,T.Masujima,T.Tsur
u,N.Takai and H.Imai, Chromatographia,19,466(198
4).に記載のタンパク質 コート オクタデシルシリル(pr
otein-coated ODS)充填剤がある。この充填剤はオクタ
デシルシリル基(ODS基)を有するシリカ表面を変性し
た血漿タンパク質でコートしたものであり、この充填剤
を使用することにより、血清試料の直接注入による薬物
の分析が可能であることが示されている。しかしなが
ら、これら充填剤では、使用が長期にわたると、吸着さ
せた変性血漿タンパク質が溶離してくる等の耐久性の面
での問題点や高分離効率のカラムが得られない等の分離
能の面での問題点を有している。
【0005】これらの問題点を解決することを目的とし
て、多孔性担体の内表面に疎水性基、外表面に親水性基
を導入した充填剤、所謂、内面逆相(internal-surface
reversed phase)充填剤が開発された。この充填剤を用
いると、巨大分子である血清中のタンパク質(アルブミ
ンやグロブリン)は充填剤の細孔内に入らず且つ親水性
の外表面に吸着されることなくカラムを素通りし、しか
も比較的小さな薬物等の分子は疎水性の内表面に吸着さ
せて分離することが可能となる。このような内面逆相の
充填剤としては、例えばI.H.Hagestam,T.C.Pinkerton,
Anal.Chem.,57,1757(1985).や特開昭61-65159号公報等
に掲載されているPinkertonカラムと呼ばれているもの
がある。これは、グリセリルプロピルシリル基を導入し
た多孔性シリカゲルを原料として、これにカルボニルジ
イミダゾールを介してオリゴペプチド(グリシル−フェ
ニルアラニル−フェニルアラニン等)を結合させた後、
タンパク質加水分解酵素であるカルボキシペプチダーゼ
Aを作用させて外表面のフェニルアラニル側鎖を切断す
ることにより得られる。即ち、充填剤の内表面には、疎
水性リガンドであるグリシル−フェニルアラニル−フェ
ニルアラニンを有し、外表面には、親水性リガンドであ
るグリシル−グリセリルプロピルシリル基を有する充填
剤がそれである。しかしながら、この充填剤は、疎水性
が低いため、親水性薬物や代謝物の分離には不向きであ
る。また、外表面のグリシル残基のカルボキシル基の解
離のために使用可能な移動相のpH範囲がpH6〜7.5と限
定されるという問題点、更には製造に酵素反応を利用し
ているため、工程が複雑化し、且つ品質がばらつき易い
等の問題点も有している。
【0006】また、類似の原理で製造された充填剤とし
て、特開平1ー123145号公報に記載のものがある。これ
は、アミノプロピルシリル基を導入した多孔性シリカを
出発原料として、トリエチルアミン存在下、オクタノイ
ルクロライドを反応させることによりアミド結合を介し
て疎水性基を導入し、次に、ポリミキシンアシラーゼに
より外表面のアシル基を加水分解して、外表面にアミノ
基を生成させ、これをグリシドールと反応させて外表面
を親水性とすることにより得られる充填剤である。しか
しながら、この充填剤も、製造に酵素反応を利用してい
るため、工程が複雑化し、且つ品質がばらつき易いとい
う問題点がある。
【0007】更にまた、類似の原理で製造された充填剤
として、特開平5ー203636号公報記載のものがある。これ
は、グリセリルプロピルシリル基を導入した多孔性シリ
カゲルを原料とし、トリエチルアミン存在下、脂肪酸塩
化物と反応させて、脂肪酸エステルからなる疎水性基を
導入した後、リパーゼにより外表面のアシル基を加水分
解する方法により得られる(内表面には疎水性の脂肪酸
エステルが残り、外表面には、親水基であるグリセリル
プロピルシリル基を有する充填剤)。しかしながら、こ
の充填剤も製造に酵素反応を利用しているため、工程が
複雑化し、且つ品質がばらつき易いという問題点があ
る。
【0008】このような問題点を解決するために酵素の
代わりにプラズマを用いて充填剤を製造することも試み
られている(特公平4ー68244号公報、特公平4ー61809号公
報等)。即ち、例えば疎水性基(ODS基等)を導入した
多孔性シリカをプラズマ処理して、外表面のODS基を選
択的に脱離させ、次に外表面にγ−グリシドキシプロピ
ルシリル基を導入して、酸によりエポキシ環を開環させ
てグリセリルプロピルシリル基としてシリカ外表面に親
水性のグリセリルプロピルシリル基、内表面に疎水性の
ODS基を導入した内面逆相の充填剤を製造する方法がそ
れである。しかしながら、このような製造方法も前記の
酵素を用いた製造方法と同様に、工程が複雑化し、且つ
品質がばらつき易いという問題点を依然として有してい
る。
【0009】また、プラズマの代わりに酸を用いて充填
剤を製造する方法も試みられている(特開平2ー59415号
公報等)。即ち、ODS基を導入した多孔性シリカを酸処
理することにより、選択的に外表面のODS基を脱離さ
せ、次にγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
を用いてシリカ外表面に親水性のグリセリルプロピルシ
リル基を導入するという方法である。この製法は、簡便
であるという利点は有しているものの、依然として充填
剤の品質がばらつき易いという問題点を有している。
【0010】また、シリル化剤の反応性の差を利用した
内面逆相充填剤の製造も試みられている(特開昭64ー169
62号公報等)。即ち、シリカ細孔内への拡散速度に比べ
て、反応速度が大であるシリル化剤(例えば脱離基とし
てN-メチルアセトイミド基を持つ非常に反応性に富んだ
ペルフルオロブチルエチレンジメチルシリル-N-メチルア
セトイミド)を用いることにより細孔外表面だけを選択
的にシリル化し、次に、オクタデシルジメチルシリルク
ロライドで内表面を修飾することにより外表面に親水性
のペルフルオロブチルエチレンジメチルシリル基、内表
面にODS基を有する充填剤を製造する方法である。しか
し、この製法についても得られる充填剤の品質がばらつ
き易いという問題点が依然としてある。
【0011】多孔性担体の内表面と外表面の反応性の差
を利用した内面逆相充填剤の製造方法としては特開平3ー
107759号公報記載のものもある。即ち、先ず多孔性シリ
カに緩和な条件(無触媒)でγ−グリシドオキシプロピ
ルトリメトキシシランを反応させて実質的に外表面のみ
に修飾を行い、次いで、N,Nージイソプロピルエチルアミ
ン(縮合触媒)存在下の強い反応条件で、フェニルトリ
メトキシシランを内表面に導入し、更に、これを酸で処
理してエポキシ環を開環させ、外表面に親水性のグリセ
リルプロピルシリル基、内表面に疎水性のフェニル基を
導入した内面逆相の充填剤を製造する方法がそれであ
る。しかしながら、この方法に於ても、細孔の内外表面
における反応性の差が少ないために反応条件設定が難し
く、得られる充填剤の品質にばらつきが生じ易いという
問題点がある。
【0012】以上に述べた如く、内面逆相充填剤は、親
水性基と疎水性基とを内表面及び外表面に別々に導入し
て製造される為、得られる充填剤の品質がばらつき、そ
の結果これらの充填剤を用いても再現性の良いデータを
得難いという問題点があった。
【0013】そこで、多孔性担体の内表面及び外表面に
親水性基相と疎水性基相が存在する混成機能相(mixed
functional phase)充填剤が開発された。この種の充填
剤では、タンパク質のような巨体分子は親水性基には吸
着されずに素通りし、薬物等の比較的小さな分子は疎水
性基に分離吸着されることになる。
【0014】このような混成機能相充填剤としては、特
開平4ー40366号公報記載のものがある。これは、多孔性
シリカの内表面及び外表面に親水性のγ−グリシドキシ
プロピルシリル基を導入し、次に、疎水性のアルキル基
(ブチル基、オクチル基等)やフェニル基を導入する。
そして、グリシドキシ基を加水分解してジオール基を生
成させた後、再度、グリシドキシ基を酸加水分解させな
がら、γ−グリシドキシプロピルシリル基を導入してい
る。しかしながら、この方法に於ても、疎水基と親水基
の導入量を調製することが困難であるという問題点はか
なり改善されてきてはいるが、得られる充填剤の分離能
等がよくないという問題点が残る。
【0015】また、シリコンポリマーで被覆された多孔
性担体に親水性基と疎水性基が導入された混成機能相充
填剤として特開平5ー72190号記載のものもある。これ
は、多孔性担体をSiH基を有するポリマーで被覆し、こ
のポリマーのSiH基に二重結合を有する疎水性基(スチ
レン、1ーオクテン、1ーオクタデセン等)、及び親水性基
(ポリオール)を反応させて製造する。しかしながら、
この方法に於ても、製造時の操作が複雑であること、親
水性基と疎水性基の導入量を調製するのが困難であるこ
と、且つ、多孔性担体のSiH基を有するポリマーでの被
覆率を上げるのが困難なため得られる充填剤の塩基性物
質の分離等がよくないこと等の問題点がある。
【0016】一方、多孔性単体を、親水性基としての機
能と疎水性基としての機能という異なった二つの機能を
併せ持つアルキルシリル基で修飾した充填剤、即ち、二
村等によりBinary-Layered Phase充填剤と呼ぶことが提
案されている充填剤がある〔第36回液体クロマトグラフ
ィー研究会講演要旨集p.68(1993).〕。この種の充
填剤は、タンパク質等の巨大分子は、親水性部分には吸
着されず素通りし、薬物等の比較的小さな分子は、疎水
性部分に吸着され分離されるという機能を有するもので
ある。このような充填剤としては例えば特開昭64ー16961
号公報記載の充填剤がある。即ち、多孔性担体にリービ
ング原子団としてN-メチルアセタミド基等を有するシリ
ル化剤を用いて、グリセリルプロピルジメチルシランの
ジオールをケタール型に修飾した官能基を導入した充填
剤を得ている。しかし、この充填剤の性能は、上記公開
公報中に記載された如く特開昭64ー16962号公報記載の親
水性基と疎水性基を別々に導入した充填剤(二区域逆相
充填剤)より劣るというものであった。
【0017】また、多孔性シリカの内表面及び外表面
に、親水性基としての機能と疎水性基としての機能と異
なった二つの機能を併せ持つ基を導入し、且つその親水
性基としての機能を有する部分がジオールの形になって
いる充填剤として、特開平2ー45758号公報記載の充填剤
がある。これは、例えばシリカゲルに5、6-エポキシヘキ
シルシリル基等を導入した後、酸処理することにより得
られる、5、6-ジヒドロキシヘキシルシリル基で修飾した
充填剤である。また、Y.Sudoらにより、従来から使われ
ていたγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの
プロピル部分をブチル、メチルブチル、ヘキシルに変え
たものを合成し、これを用いてγ−グリシドキシアルキ
ル基を多孔性シリカに導入した後、酸でエポキシ環を開
環することにより得られる充填剤も報告されている(Y.
Sudo,M.Akiba,T.Sakaki and Y.Takahata,J.Liq.Chromat
ogr.17,1743(1994))。これらの充填剤は疎水性基と親
水性基の導入量の調整が簡単であるという利点はある
が、親水性薬物の分析に於て、薬物のピークの分離か良
好でないという問題点を有している。
【0018】
【発明の目的】本発明は、上記した如き状況に鑑みなさ
れたもので、製造が容易でしかも分離能、再現性及び耐
久性がすぐれた、生体試料(血清、尿等)中の各種成分
の分析に用いられるカラムクロマト用充填剤として有用
な変性シリカゲルと、該変性シリカゲルを含んでなるク
ロマトグラフィー用充填剤及びこれを用いた生体試料中
の成分の分析方法並びに該充填剤を含んでなるクロマト
グラフィー用カラムを提供することを目的とする。
【0019】
【発明の構成】本発明は、(1)シリカゲルの表面のシ
ラノール基の水素原子の一部又は全部が、ケイ素原子を
介して、一般式[1]
【0020】
【化3】
【0021】[式中、nは3以上の整数を表し、R1
びR2は何れか一方が水素原子で、他方は−(CH2)m
OH(式中、mは2以上の整数を表す。)を表す。]で
示される基で置換された変性シリカゲルの発明である。
【0022】また、(2)本発明は、シリカゲルの表面
のシラノール基の水素原子の一部が、ケイ素原子を介し
て、一般式[1]
【0023】
【化4】
【0024】[式中、nは3以上の整数を表し、R1
びR2は何れか一方が水素原子で、他方は−(CH2)m
OH(式中、mは2以上の整数を表す。)を表す。]で
示される基で置換され、残りの一部又は全部が置換基を
有していてもよいアルキル基で置換された変性シリカゲ
ルの発明である。
【0025】更に、本発明は、(3)上記(1)又は
(2)に記載の変性シリカゲルを含んでなるクロマトグ
ラフィー用充填剤の発明である。
【0026】更にまた、本発明は、(4)上記(3)に
記載のクロマトグラフィー用充填剤を用いる生体試料中
の成分の分析方法の発明である。
【0027】また、本発明は、(5)上記(3)に記載
のクロマトグラフィー用充填剤を用いる成分分析用生体
試料の前処理方法の発明である。
【0028】更に、本発明は、(6)上記(3)に記載
のクロマトグラフィー用充填剤を充填してなるクロマト
グラフィー用カラムの発明である。
【0029】即ち、本発明者らは、上記目的を達成すべ
く鋭意研究を重ねた結果、シリカゲルの表面(内表面及
び外表面)のシラノール基の水素原子の一部又は全部
を、ケイ素原子を介して、本発明に係る上記一般式
[1]で示される基で置換させる、又はシリカゲルの表
面(内表面及び外表面)のシラノール基の水素原子の一
部をケイ素原子を介して、本発明に係る上記一般式
[1]で示される基で置換させ、残りの一部又は全部を
置換基を有していてもよいアルキル基で置換させること
により、生体試料(血清、尿等)中のタンパク質と薬物
との分離能が高く、且つ、薬物間の分離能も高いクロマ
トグラフィー用充填剤として有用な変性シリカゲルが得
られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0030】本発明の変性シリカゲルの原料として用い
られるシリカゲルは、最終的に得られる本発明の変性シ
リカゲルのクロマトグラフィー用充填剤としての機能に
影響を与えるものでなければ特に限定されないが、例え
ば粒子径2〜50μm、比表面積300〜800m2/g、細孔径50
〜100オングストロームの球形、或は破砕形のシリカゲ
ルが好ましく挙げられる。
【0031】本発明の変性シリカゲルに於て、ケイ素原
子を介して導入される一般式[1]
【0032】
【化5】
【0033】で示される基のR1及びR2は、何れか一方
が水素原子で、他方は−(CH2)mOHを表わす。こ
こで、mは2以上の整数を表し、好ましくは2〜15の整
数を表す。また、上記一般式[1]に於て、nは3以上
の整数を表し、好ましくは3〜5の整数を表す。
【0034】本発明の変性シリカゲルに於て、ケイ素原
子を介して導入される置換基を有していてもよいアルキ
ル基のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、
ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアル
キル基が挙げられ、(直鎖状、分枝状の何れでも
可。)、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、
ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の低級アルキル基
が挙げられる。置換基としては例えば、フェニル基、ト
リル基、キシリル基等の芳香族の基が好ましく挙げられ
る。また、導入される置換基を有していてもよいアルキ
ル基は、1種類に限定されることなく複数種の基が導入
されていてもよい。
【0035】本発明の変性シリカゲルの製法は、特に限
定されるものではないが、例えば、下記のような製法が
挙げられる。
【0036】・製法1 先ず、上述した如きシリカゲルと一般式[2]
【0037】
【化6】
【0038】[式中、R3、R4、R5は夫々独立して炭
素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ
基を表し、R3、R4、R5の少なくとも1つはアルコキ
シ基である。また、nは3以上の整数を表す。]で示さ
れるシランカップリング剤とを酸性又は塩基性触媒存在
下で反応させる。
【0039】次いで、得られた変性シリカゲルを酸性又
は塩基性触媒存在下で炭素数2以上のジオール化合物と
反応させれば、シリカゲルの内表面及び外表面のシラノ
ール基の水素原子の一部又は全部が、ケイ素原子を介し
て一般式[1]で示される基で置換された本発明の変性
シリカゲルが得られる。
【0040】これを更に、アルキル基を有するシランカ
ップリング剤と反応させ、然る後、一般式[1]で示さ
れる基の水酸基に結合したアルキルシリル基を酸で加水
分解させれば、シリカゲルの内表面及び外表面のシラノ
ール基の水素原子の一部がケイ素原子を介して本発明に
係る一般式[1]で示される基で置換され、残りの一部
又は全部がアルキル基で置換された本発明の変性シリカ
ゲルが得られる。
【0041】シラノール基の水素原子の一部が、ケイ素
原子を介して、一般式[1]で示される基で置換され、
残りの一部又は全部がアルキル基で置換された変性シリ
カゲルは、また、下記の方法でも製造することができ
る。
【0042】・製法2 即ち、先ず、上述した如きシリカゲルとアルキル基を有
するシランカップリング剤とを反応させる。
【0043】次いで、得られた変性シリカゲルに酸性又
は塩基性触媒存在下、一般式[2]
【0044】
【化7】
【0045】[式中、R3、R4、R5及びnは前記と同
じ。]で示されるシランカップリング剤を反応させる。
【0046】得られた変性シリカゲルを酸性又は塩基性
触媒存在下に炭素数2以上のジオール化合物と反応させ
れば目的の変性シリカゲルを得ることができる。
【0047】これら製造方法に於て用いられる試薬類に
ついてさらに詳細に説明すると下記の通りである。
【0048】上記製法1及び製法2で用いられる一般式
[2]で示されるシランカップリング剤の具体例として
は、例えばグリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
ジエトキシグリシドキシプロピルメチルシラン、ジメチ
ルグリシドキシプロピルエトキシシラン等の市販品が挙
げられるが、市販されていないものについては、例えば
Y.Sudo, M.Akiba,T.Sakaki and Y.Takahata, J.Liq.Chr
omatogr.17,1743(1994)等に記載の方法により容易に得
ることができる。
【0049】即ち、例えば一般式[3]
【0050】
【化8】
【0051】[式中、nは3以上の整数を示す。]で示
されるアルコールとエピクロロヒドリンとを例えば濃硫
酸、三フッ化ホウ素エーテラート等の酸性触媒存在下で
縮合させ、一般式[4]
【0052】
【化9】
【0053】[式中、nは前記と同じ。]で示される化
合物とする。
【0054】次いで、一般式[4]で示される化合物を
水酸化ナトリウムで処理し、一般式[5]
【0055】
【化10】
【0056】[式中、nは前記と同じ。]で示されるエ
ポキシ体とする。このエポキシ体と一般式[6]
【0057】
【化11】
【0058】[式中、R3、R4及びR5は前記と同
じ。]で示されるシラン化合物とを塩化白金酸等を触媒
として縮合させることにより容易に一般式[2]で示さ
れるシランカップリング剤を得ることができる。
【0059】シリカゲルと一般式[2]で示されるシラ
ンカップリング剤との反応は、一般には日本分析化学会
関東支部編、“高速液体クロマトグラフィーハンドブッ
ク”丸善、東京(1985)p.195記載の様に無水の溶媒中
で行われる。シランカップリング剤の導入量は使用する
シランカップリング剤の種類や、反応条件等より任意に
変えることが可能である。
【0060】この際に用いられる塩基性触媒としては、
ピリジン、トリエチルアミン等が挙げられ、また、酸性
触媒としては、p-トルエンスルホン酸、三フッ化ほう素
エーテラート等が挙げられる。
【0061】反応溶媒としてはベンゼン、トルエン、キ
シレン等が好ましいものとして挙げられる。反応温度は
通常室温から200℃が好ましい範囲である。
【0062】また、製法1及びは製法2に於て用いられ
る炭素数2以上のジオール化合物としては、具体的には
エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオー
ル、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジ
オール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジ
オール、ウンデカンジオール、ドデカンジオール、トリ
デカンジオール、テトラデカンジオール、ペンタデカン
ジオール等が挙げられる。
【0063】また、該ジオールを反応させる際に使用さ
れる酸性触媒としては、例えば塩酸、硫酸、リン酸等の
鉱酸、三フッ化ほう素エーテラート等のルイス酸が挙げ
られ、また、塩基性触媒としては、例えば水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、ナトリ
ウムエチラート、炭酸カリウム等が挙げられる。
【0064】尚、村橋俊一、“新実験化学講座14(I)”
日本化学会編、丸善、東京(1977)p.582に記載されて
いるようにオキシラン(エポキシ)化合物とアルコール
を酸性又は塩基性触媒の存在下反応させて、β-ヒドロ
キシエーテルを製造することは、この技術分野において
よく知られている。また、非対称オキシランでは、酸性
と塩基性条件とで環の開環方向が異なってくるので、酸
性触媒を用いることにより、本発明に係る一般式[1]
で示される基のR1に置換基、R2に水素原子を導入する
ことができ、一方、塩基性触媒を用いることにより、本
発明に係る一般式[1]のR1に水素原子、R2に置換基
を導入することができる(下記式1参照。)。
【0065】
【式1】
【0066】変性シリカゲルとジオールとの反応は、無
溶媒で行なってもよいが、適当な溶媒を使用して行なっ
てもよい。この際に用いられる好適な溶媒としては、例
えばジクロロメタン、クロロホルム、1,2ージクロロエタ
ン、1,1,1ートリクロロエタン、N,Nージメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。また、この
際の反応温度は通常室温から200℃の範囲から適宜選択
される。この様にして容易にシリカゲルの内表面及び外
表面のシラノール基の水素原子の一部又は全部が、ケイ
素原子を介して、一般式[1]で示される基で置換され
た本発明の変性シリカゲルを製造することができる。
【0067】また、製法1及び製法2で用いられるアル
キル基を有するシランカップリング剤としては、ヘキサ
メチルジシラザン、ヘキサメチルシクロトリシラザン、
オクタメチルシクロテトラシラザン、一般式[7]
【0068】
【化12】
【0069】[式中、R6、R7、R8は夫々独立して炭
素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基
又はハロゲン原子を表す。但し、R6、R7、R8の少な
くとも1つはアルコキシ基又はハロゲン原子である。R
9は炭素数1〜6のアルキル基を表し、また、置換基と
して芳香族基が置換していてもよい。]で示されるシラ
ンカップリング剤等が挙げられる。
【0070】尚、一般式[7]で示されるシランカップ
リング剤の具体例としては、トリメチルクロロシラン、
トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラ
ン、トリメチルーn-プロポキシシラン、ジメチルジクロ
ロシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエト
キシシラン、メチルトリクロロシラン、メチルトリメト
キシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリーn
-プロポキシシラン、トリエチルクロロシラン、ジエチ
ルジクロロシラン、ジエチルジエトキシシラン、エチル
ジメチルクロロシラン、エチルメチルジクロロシラン、
エチルトリクロロシラン、エチルトリメトキシシラン、
エチルトリエトキシシラン、トリーn-プロピルクロロシ
ラン、ジーn-プロピルジクロロシラン、n-プロピルジメ
チルクロロシラン、メチルーn-プロピルジクロロシラ
ン、n-プロピルトリクロロシラン、n-プロピルトリメト
キシシラン、トリイソプロピルクロロシラン、ジイソプ
ロピルジクロロシラン、イソプロピルジメチルクロロシ
ラン、メチルイソプロピルジクロロシラン、トリーn-ブ
チルクロロシラン、ジーn-ブチルメチルクロロシラン、
ジーn-ブチルジクロロシラン、n-ブチルジメチルクロロ
シラン、n-ブチルメチルジクロロシラン、n-ブチルトリ
クロロシラン、iーブチルトリクロロシラン、i-ブチルト
リメトキシシラン、ジーt-ブチルメチルクロロシラン、
ジーt-ブチルジクロロシラン、t-ブチルジメチルクロロ
シラン、t-ブチルトリクロロシラン、ペンチルトリクロ
ロシラン、ペンチルトリメトキシシラン、ペンチルトリ
エトキシシラン、ヘキシルトリクロロシラン、ヘキシル
メチルジクロロシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、
ヘキシルトリエトキシシラン、ベンジルトリクロロシラ
ン、ベンジルジメチルエトキシシラン、βーフェネチル
トリクロロシラン、メチルーβーフェネチルジクロロシラ
ン等が挙げられる。
【0071】アルキル基を有するシランカップリング剤
との反応は、一般には無水条件下で実施されるが、少量
の水を加えるのは任意である。また、この反応に使用さ
れる好適な反応溶媒の例としてはベンゼン、トルエン、
キシレン等が挙げられる。また、反応温度としては通常
室温から200℃の範囲である。尚、シリカゲルに一般式
[1]で示される基を導入した後に、アルキル基を有す
るシランカップリング剤を反応させると、一般式[1]
で示される基の水酸基もアルキルシリル化されるので、
この水酸基に結合したアルキルシリル基を、例えばアセ
トニトリル、メタノール、エタノール等を含む酸の水溶
液で処理する等により除去する必要がある。この処理に
用いられる酸としては、例えば、塩酸、硫酸、過塩素
酸、燐酸、p-トルエンスルホン酸等が挙げられ、反応温
度は通常室温から200℃の範囲である。この様にして容
易にシリカゲルの内表面及び外表面のシラノール基の水
素原子の一部が本発明に係る一般式[1]で示される基
で置換され、残りの一部又は全部がアルキル基で置換さ
れた変性シリカゲルを製造することができる。
【0072】本発明の変性シリカゲルに於て、シラノー
ル基の水素原子にケイ素原子を介して前記一般式[1]
で示される基あるいは置換されていてもよいアルキル基
が導入される態様としては、例えば下記式2〜式5に示
される態様等が挙げられる。これらは、使用するシラン
カップリング剤の種類や反応条件等により左右される。
【0073】
【式2】
【0074】
【式3】
【0075】
【式4】
【0076】
【式5】
【0077】尚、Zは前記一般式[1]又は置換されて
いてもよいアルキル基を示す。本発明のクロマトグラフ
ィー用充填剤は、上述した如き本発明の変性シリカゲル
を含んでなることを特徴とする。
【0078】本発明の変性シリカゲルを含んでなる充填
剤は一般の逆相カラム充填剤と同様に用いることができ
るが、特にタンパク質成分を多量に含有する生体試料中
の成分の分析及び濃縮に有効である。
【0079】本発明のクロマトグラフィー用カラムは上
記本発明のクロマトグラフィー用充填剤を充填してなる
ことを特徴とする。
【0080】本発明のクロマトグラフィー用カラムは、
例えば、内径(φ)1〜10mm、好ましくは2〜6mm、長
さ10〜500mm、好ましくは10〜300mmのステンレス製のカ
ラムに本発明の変性シリカゲルをスラリー法等、常法に
従って充填することにより得られる。
【0081】本発明のクロマトグラフィー用充填剤を用
いて生体試料中の成分を分析する際の移動相としては、
タンパク質が変性しない溶媒、好ましくは有機溶媒含有
量が30%以下のアセトニトリル、イソプロピルアルコー
ル、テトラヒドロフラン、エタノール等や水溶媒等が好
ましく挙げられ、特に好ましいものとしてはアセトニト
リルと水との混合溶媒又は水が挙げられる。また、移動
相には、有機溶媒や水以外に必要に応じて例えばリン酸
塩、酢酸塩、ギ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等、通常こ
の分野で用いられる緩衝剤が入っていても良い。また、
グラジエント操作を行うことにより有機溶媒の濃度を順
次変えることも任意である。また、移動相のpHは目的物
質を分析し得る範囲であれば特に限定されないが、カラ
ムライフを考慮するとpH2〜7.5が好ましい範囲として
挙げられる。
【0082】本発明の充填剤を用いた分析方法に於て、
溶出時の流速は、通常、0.1〜5ml/min、好ましくは0.5
〜2ml/minの範囲から適宜選択される。カラム温度は、
通常、0〜60℃、好ましくは20〜50℃の範囲から適宜選
択される。
【0083】上記した如き条件下で分析を行うことによ
り、タンパク質成分を大量に含有する生体試料中の薬物
等(例えば、フェノバルビタール、カルバマゼピン、フ
ェニトイン、リドカイン、プリミドン、イミプラミン、
インドメタシン、クロラムフェニコール、トリメトプリ
ム、ニトラゼパム、フロセミド、エテンザミド、サリチ
ルアミド、イブプロフェン、トルブタミド、アセトアミ
ノフェン等)の成分を除タンパク質処理することなく容
易に且つ簡便に分析することが可能となる。即ち、シリ
カゲルに本発明に係る一般式[1]で示される置換基を
導入することにより、タンパク質等の巨大分子は、本発
明に係る一般式[1]で示される基中の末端水酸基及び
エーテル部分構造によって、変性することなく素通り
し、そのままカラム外に排出される。一方、比較的分子
の小さい化合物(薬物等)は、本発明に係る一般式
[1]で示される基、又は本発明に係る一般式[1]で
示される基とアルキル基によって、疎水性の差に従い、
分離溶出される。尚、この際、本発明に係る一般式
[1]で示される基とアルキル基とが共に導入された本
発明の変性シリカゲルを含んでなる充填剤を用いた場合
の方が薬物等の分離能が高い。
【0084】本発明の変性シリカゲルを含んでなる充填
剤は、また、タンパク質が変性せずに素通りし、薬物等
の低分子化合物は保持されるということを利用して、除
タンパク質用前処理カラム充填剤としても、用いること
が出来る。
【0085】即ち、本発明の変性シリカゲルを充填剤と
して充填したカラムに生体試料を通すことにより、生体
試料中の薬物等の微量成分を濃縮すると共に、タンパク
質成分をカラム外に排除する。次に、本発明のカラム内
で濃縮された薬物等の微量成分を一般の逆相カラム(分
析用カラム)に導き分析を行うのである。この時カラム
スイッチング法として知られている移動相の流路を高圧
六方バルブ等を用いて自動的に切り換える手法等を用い
ることも任意である。
【0086】以上のように本発明の変性シリカゲルを充
填剤として充填したカラムを除タンパク質用前処理カラ
ムとし、一般の逆相系カラムを分析用カラムとしてこれ
らを組合せて用いることにより、生体試料中等の濃度の
低い薬物等を高感度に分析することができる。勿論、本
発明の変性シリカゲルを充填剤として充填したカラムを
そのまま分析用カラムとして用いても良いことは言うま
でもない。
【0087】次に本発明を実施例及び参考例によって具
体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定され
るものではない。
【0088】
【実施例】
参考例1 3ーグリシドキシプロピルシリル基を有するシ
リカゲルの合成(細孔径約80オングストローム、平均粒
子径5μmのシリカゲルを用いた場合) 細孔径約80オングストローム、平均粒子径 5μmの球形
シリカゲル 20gにトルエン 400mlを加え、共沸により水
を除いた後、水 0.82ml、3ーグリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン 19.67g及びトリエチルアミン 6mlを加
えて8時間還流させた。冷却後、得られたシリカゲルを
濾取し、トルエン 400ml、メタノール 400ml、水 1000m
l、アセトン 400ml及びメタノール 400mlの順で洗浄し
た後、真空乾燥機にて85℃で乾燥し、3ーグリシドキシプ
ロピルシリル基を有するシリカゲル 25.8gを得た。
【0089】参考例2 2,3-ジヒドロキシプロポキシプ
ロピルシリル基を有するシリカゲルの合成(細孔径約80
オングストローム、平均粒子径5μmのシリカゲルを用
いた場合) 参考例1で得られた変性シリカゲル 4gに0.7%過塩素
酸水溶液 180ml及びアセトニトリル 20mlを加え、6時
間還流させた。冷却後、得られたシリカゲルを濾取し、
メタノール 200ml、水 500ml、アセトン 200ml及びメタ
ノール 200mlの順で洗浄した後、真空乾燥機にて85℃で
乾燥し、2,3-ジヒドロキシプロポキシプロピルシリル基
を有するシリカゲル 2.7gを得た。
【0090】参考例3 5,6ージヒドロキシヘキシルシリ
ル基を有するシリカゲルの合成(細孔径約80オングスト
ローム、平均粒子径5μmのシリカゲルを用いた場合) 細孔径約80オングストローム、平均粒子径 5μmの球形
シリカゲル 7.5g、トルエン 150ml、水 0.46ml、5,6ーエ
ポキシヘキシルトリメトキシシラン 6.9g、トリエチル
アミン 2.25mlを用いて参考例1と同様に処理を行って
5,6-エポキシヘキシルシリル基を有するシリカゲル 9.6
gを得た。このシリカゲル 8.0g、0.7%過塩素酸水溶液
360.45ml及びアセトニトリル 40.05mlを用いて参考例2
と同様に処理を行って5,6-ジヒドロキシヘキシルシリル
基を有するシリカゲル 7.9gを得た。
【0091】実施例1 2ー(2ーヒドロキシエトキシ)ー3ー
ヒドロキシプロポキシプロピルシリル基を有するシリカ
ゲルの合成(細孔径約80オングストローム、平均粒子径
5μmのシリカゲルを用いた場合) 参考例1で得られた変性シリカゲル 3.5gにクロロホル
ム 5ml、エチレングリコール 4.34g、及びBF3・Et2O 0.
2gを加え、4時間還流させた。冷却後、得られたシリカ
ゲルを濾取し、メタノール 200ml、水 500ml、アセトン
200ml及びメタノール200mlの順で洗浄した後、真空乾
燥機にて85℃で乾燥し、2ー(2ーヒドロキシエトキシ)ー3ー
ヒドロキシプロポキシプロピルシリル基を有するシリカ
ゲル 3.3gを得た。
【0092】実施例2 2ー(2ーヒドロキシエトキシ)ー3ー
ヒドロキシプロポキシプロピルシリル基及びトリメチル
シリル基を有するシリカゲルの合成(細孔径約80オング
ストローム、平均粒子径5μmのシリカゲルを用いた場
合) 実施例1で得られた変性シリカゲル 2.3gにトルエン 1
1.5ml及び1,1,1,3,3,3ーヘキサメチルジシラザン 4.6ml
を加え、8時間還流させた。冷却後、得られたシリカゲ
ルを濾取し、トルエン 200ml、メタノール 200ml、水 5
00ml、アセトン 200ml及びメタノール 200mlの順で洗浄
した後、真空乾燥機にて85℃で乾燥した。このシリカゲ
ルに0.7%過塩素酸水溶液 93.15ml及びアセトニトリル
10.35mlを加え、2時間還流させた。冷却後、得られた
シリカゲルを濾取し、メタノール 200ml、水 500ml、ア
セトン 200ml及びメタノール 200mlの順で洗浄した後、
真空乾燥機にて85℃で乾燥し、2ー(2ーヒドロキシエトキ
シ)ー3ーヒドロキシプロポキシプロピルシリル基及びトリ
メチルシリル基を有するシリカゲル1.7gを得た。
【0093】実施例3 2ー(4ーヒドロキシブトキシ)ー3ー
ヒドロキシプロポキシプロピルシリル基を有するシリカ
ゲルの合成(細孔径約80オングストローム、平均粒子径
5μmのシリカゲルを用いた場合) 参考例1で得られた変性シリカゲル 3.5g、クロロホル
ム 5ml、ブタンジオール 6.31g、及びBF3・Et2O 0.2gを
用いて実施例1と同様に処理を行い2ー(4ーヒドロキシブ
トキシ)ー3ーヒドロキシプロポキシプロピルシリル基を有
するシリカゲル 3.3gを得た。
【0094】実施例4 2ー(4ーヒドロキシブトキシ)ー3ー
ヒドロキシプロポキシプロピルシリル基及びトリメチル
シリル基を有するシリカゲルの合成(細孔径約80オング
ストローム、平均粒子径5μmのシリカゲルを用いた場
合) 実施例3で得られた変性シリカゲル 2.2gにトルエン 11
ml及び1,1,1,3,3,3ーヘキサメチルジシラザン 4.4mlを用
いて実施例2と同様の処理を行って2ー(4ーヒドロキシブ
トキシ)ー3ーヒドロキシプロポキシプロピルシリル基及び
トリメチルシリル基を有するシリカゲル 1.8gを得た。
【0095】実施例5 2ー(6ーヒドロキシヘキシルオキ
シ)ー3ーヒドロキシプロポキシプロピルシリル基を有する
シリカゲルの合成(細孔径約80オングストローム、平均
粒子径5μmのシリカゲルを用いた場合) 参考例1で得られた変性シリカゲル 3.5g、クロロホル
ム 5ml、ヘキサンジオール8.27g、及びBF3・Et2O 0.2g
を用いて実施例1と同様の処理を行って2ー(6ーヒドロキ
シヘキシルオキシ)ー3ーヒドロキシプロポキシプロピルシ
リル基を有するシリカゲル 3.3gを得た。
【0096】実施例6 2ー(6ーヒドロキシヘキシルオキ
シ)ー3ーヒドロキシプロポキシプロピルシリル基及びトリ
メチルシリル基を有するシリカゲルの合成(細孔径約80
オングストローム 、平均粒子径5μmのシリカゲルを
用いた場合) 実施例5で得られた変性シリカゲル 2.3gにトルエン 1
1.5ml及び1,1,1,3,3,3ーヘキサメチルジシラザン 4.6ml
を用いて実施例2と同様の処理を行って2ー(6ーヒドロキ
シヘキシルオキシ)ー3ーヒドロキシプロポキシプロピルシ
リル基及びトリメチルシリル基を有するシリカゲル 1.9
gを得た。
【0097】参考例4 2-ブトキシー3ーヒドロキシプロ
ポキシプロピルシリル基を有するシリカゲルの合成(細
孔径約80オングストローム、平均粒子径5μmのシリカ
ゲルを用いた場合) 参考例1で得られた変性シリカゲル 3.5g、クロロホル
ム 5ml、ブタノール5.19g、及びBF3・Et2O 0.2gを用い
て実施例1と同様の処理を行って2ーブトキシー3ーヒドロ
キシプロポキシプロピルシリル基を有するシリカゲル
3.4gを得た。
【0098】参考例5 3ーグリシドキシプロピルシリル
基を有するシリカゲルの合成(細孔径約60オングストロ
ーム、平均粒子径5μmのシリカゲルを用いた場合) 細孔径約60オングストローム、平均粒子径5μmの球形
シリカゲル 20g、トルエン 400ml、水 1.03ml、グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン 26.14g、トリエチ
ルアミン 6mlを用いて参考例1と同様の処理を行って3-
グリシドキシプロピルシリル基を有するシリカゲル 27.
7gを得た。
【0099】参考例6 2,3-ジヒドロキシプロポキシプ
ロピルシリル基を有するシリカゲルの合成(細孔径約60
オングストローム、平均粒子径5μmのシリカゲルを用
いた場合) 参考例5で得られた変性シリカゲル 3.5g、0.7%過塩素
酸水溶液 157.5ml及びアセトニトリル 17.5mlを用いて
参考例2と同様の処理を行って2,3-ジヒドロキシプロポ
キシプロピルシリル基を有するシリカゲル 3.4gを得
た。
【0100】参考例7 5,6ージヒドロキシヘキシルシリ
ル基を有するシリカゲルの合成(細孔径約60オングスト
ローム、平均粒子径5μmのシリカゲルを用いた場合) 細孔径約60オングストローム、平均粒子径5μmの球形
シリカゲル 7.5g、トルエン 150ml、水 0.59ml、5,6ーエ
ポキシヘキシルトリメトキシシラン 13.0g、トリエチル
アミン 2.25mlを用いて参考例1と同様の処理を行って
5,6-エポキシヘキシルシリル基を有するシリカゲル 10.
6gを得た。このシリカゲル 8.7g、0.7%過塩素酸水溶液
390.6ml及びアセトニトリル 43.4mlを用いて参考例2
と同様の処理を行って5,6-ジヒドロキシヘキシルシリル
基を有するシリカゲル 8.5gを得た。
【0101】参考例8 2ー(3,4ージヒドロキシシクロヘ
キシル)エチルシリル基を有するシリカゲルの合成(細
孔径約60オングストローム、平均粒子径5μmのシリカ
ゲルを用いた場合) 細孔径約60オングストローム、平均粒子径5μmの球形
シリカゲル 5.0g、トルエン 100ml、水2.0ml、2-(3,4-
エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン
5.0g、トリエチルアミン 1.50mlを用いて参考例1と同
様の処理を行って2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エ
チルシリル基を有するシリカゲル 6.2gを得た。このシ
リカゲル 2.0g、0.7%過塩素酸水溶液 80.0ml及びアセ
トニトリル20.0mlを用いて参考例2と同様の処理を行っ
て2-(3,4-ジヒドロキシシクロヘキシル)エチルシリル
基を有するシリカゲル 1.9gを得た。
【0102】実施例7 2ー(2ーヒドロキシエトキシ)ー3ー
ヒドロキシプロポキシプロピルシリル基を有するシリカ
ゲルの合成(細孔径約60オングストローム、平均粒子径
5μmのシリカゲルを用いた場合) 参考例5で得られた変性シリカゲル 3.5g、クロロホル
ム 5.0ml、エチレングリコール 5.65g、及びBF3・Et2O
0.26gを用いて実施例1と同様の処理を行って2ー(2ーヒド
ロキシエトキシ)ー3ーヒドロキシプロポキシプロピルシリ
ル基を有するシリカゲル 3.4gを得た。
【0103】実施例8 2ー(2ーヒドロキシエトキシ)ー3ー
ヒドロキシプロポキシプロピルシリル基及びトリメチル
シリル基を有するシリカゲルの合成(細孔径約60オング
ストローム、平均粒子径5μmのシリカゲルを用いた場
合) 実施例7で得られた変性シリカゲル 2.3gにトルエン 1
1.5ml及び1,1,1,3,3,3ーヘキサメチルジシラザン 4.6ml
を用いて実施例2と同様の処理を行って2ー(2ーヒドロキ
シエトキシ)ー3ーヒドロキシプロポキシプロピルシリル基
及びトリメチルシリル基を有するシリカゲル 1.9gを得
た。
【0104】実施例9 2ー(4ーヒドロキシブトキシ)ー3ー
ヒドロキシプロポキシプロピルシリル基を有するシリカ
ゲルの合成(細孔径約60オングストローム、平均粒子径
5μmのシリカゲルを用いた場合) 参考例5で得られた変性シリカゲル 3.5g、クロロホル
ム 5ml、ブタンジオール 8.20g、及びBF3・Et2O 0.26g
を用いて実施例1と同様の処理を行って2ー(4ーヒドロキ
シブトキシ)ー3ーヒドロキシプロポキシプロピルシリル基
を有するシリカゲル 3.3gを得た。
【0105】実施例10 2ー(4ーヒドロキシブトキシ)ー3
ーヒドロキシプロポキシプロピルシリル基及びトリメチ
ルシリル基を有するシリカゲルの合成(細孔径約60オン
グストローム、平均粒子径5μmのシリカゲルを用いた
場合) 実施例9で得られた変性シリカゲル 2.3gにトルエン 1
1.5ml及び1,1,1,3,3,3ーヘキサメチルジシラザン 2.3ml
を用いて実施例2と同様の処理を行って2ー(4ーヒドロキ
シブトキシ)ー3ーヒドロキシプロポキシプロピルシリル基
及びトリメチルシリル基を有するシリカゲル 1.9gを得
た。
【0106】実施例11 2ー(6ーヒドロキシヘキシルオ
キシ)ー3ーヒドロキシプロポキシプロピルシリル基を有す
るシリカゲルの合成(細孔径約60オングストローム、平
均粒子径5μmのシリカゲルを用いた場合) 参考例5で得られた変性シリカゲル 3.5g、クロロホル
ム 5ml、ヘキサンジオール10.75g、及びBF3・Et2O 0.26
gを用いて実施例1と同様の処理を行って2ー(6ーヒドロキ
シヘキシルオキシ)ー3ーヒドロキシプロポキシプロピルシ
リル基を有するシリカゲル 3.3gを得た。
【0107】実施例12 2ー(6ーヒドロキシヘキシルオ
キシ)ー3ーヒドロキシプロポキシプロピルシリル基及びト
リメチルシリル基を有するシリカゲルの合成(細孔径約
60オングストローム、平均粒子径5μmのシリカゲルを
用いた場合) 実施例11で得られた変性シリカゲル 2.4gにトルエン
12ml及び1,1,1,3,3,3ーヘキサメチルジシラザン 4.8mlを
用いて実施例2と同様の処理を行って2ー(6ーヒドロキシ
ヘキシルオキシ)ー3ーヒドロキシプロポキシプロピルシリ
ル基及びトリメチルシリル基を有するシリカゲル 2.0g
を得た。
【0108】実施例13 2ー(6ーヒドロキシヘキシルオ
キシ)ー3ーヒドロキシプロポキシプロピルシリル基及びジ
メチルシリル基を有するシリカゲルの合成(細孔径約60
オングストローム、平均粒子径5μmのシリカゲルを用
いた場合) 実施例11で得られた変性シリカゲル 4.0gにトルエン
20ml及び1,1,3,3,5,5ーヘキサメチルシクロトリシラザン
8.4gを用いて実施例2と同様の処理を行って2ー(6ーヒド
ロキシヘキシルオキシ)ー3ーヒドロキシプロポキシプロピ
ルシリル基及びジメチルシリル基を有するシリカゲル
3.7gを得た。
【0109】実施例14 牛血清アルブミンの回収試験 実施例1、3、5及び参考例2、3、4で製造した変性
シリカゲルを内径4.6mm、長さ50mmのHPLC用ステンレス
カラムにスラリー法によって充填した。各カラムを用い
て下記に示した分析条件で牛血清アルブミン(以下、BS
Aと略記する。)を処理し、その回収率を求めた。表1
にその結果を示す。
【0110】〔分析条件〕 移動相:100mM リン酸緩衝液(pH=6.9)/アセトニトリル
=90/10(v/v) 流速:0.5ml/min 測定温度:30℃ 検出波長:254nm 試料:BSA 15mg/mlを上記移動相に溶解した液 注入量:20μl
【0111】
【0112】表1の結果から、実施例1、3及び5の本
発明の変性シリカゲルを充填剤として充填したカラムに
於けるBSA回収率は従来の充填剤、即ち参考例2及び3
で得られた親水性基の部分が従来のジオール形になって
いる充填剤を充填したカラムと同様に良好なBSA回収率
を示した。尚、実施例1、3及び5の変性シリカゲルを
充填剤として充填したカラムで得られたクロマトグラム
のBSAのピーク形状は従来の参考例2及び3の充填剤を
充填したカラムで得られるそれよりテーリングが少なく
良好な形状であった。また、実施例3の変性シリカゲル
を充填剤として用いた場合のBSA回収率と、これと炭素
数が同数の修飾シリル基が導入された参考例4のシリカ
ゲル(但し、末端には1つしか水酸基が導入されていな
い。)を充填剤として用いた場合のBSA回収率を比較す
ると、実施例3の変性シリカゲルを充填剤とした場合の
方が極めて高い回収率を示していることが判る。このこ
とから良好なタンパク質回収率を得るためには、本発明
に係る充填剤にように一般式[1]で示される基のR1
の末端に水酸基が導入されていることが必要であること
が判る。
【0113】実施例15 ウラシル、ベンゼン、ナフタ
レンの分析試験 実施例14で調製した各カラムを用いて下記の条件でウ
ラシル、ベンゼン及びナフタレンの分析を行い、それぞ
れの保持時間を求めた。表2にその結果を示す。 〔分析条件〕 移動相:CH3CN/H2O=30/70(v/v) 流速:0.5ml/min 測定温度:30℃ 検出波長:254nm 試料:ウラシル 0.77mg、ベンゼン 145μl及びナフタレ
ン 20mgを60%CH3CN水溶液 100mlに溶解した液 注入量:2μl
【0114】
【0115】表2の結果から、実施例1、3及び5の本
発明の変性シリカゲルを充填剤として充填したカラムを
使用することにより、ウラシル、ベンゼン、ナフタレン
を参考例2、3及び4の充填剤を充填したカラムと同様
に良好に分離し得ることが判る。また、本発明に係る充
填剤の場合は、本発明に係る一般式[1]で示される基
のR1のメチレン鎖の炭素数を変えることによりベンゼ
ン及びナフタレンの保持時間を容易に調整することがで
きることも判る(実施例1:炭素数2、実施例3:炭素
数4、実施例5:炭素数6)。
【0116】実施例16 フェノバルビタール、カルバ
マゼピン、フェニトインの分析試験 実施例14で調製した各カラムを用いて下記の条件でフ
ェノバルビタール、カルバマゼピン及びフェニトインの
分析を行い、それぞれの保持時間を求めた。表3にその
結果を示す。 〔分析条件〕 移動相:100mM リン酸緩衝液(pH=6.9)/アセトニトリル
=90/10(v/v) 流速:0.5ml/min 測定温度:30℃ 検出波長:254nm 試料:フェノバルビタール 2mg、カルバマゼピン 0.5m
g及びフェニトイン 4mgを上記移動相100mlに溶解した
液 注入量:20μl
【0117】
【0118】表3の結果から、実施例1、3及び5の本
発明の変性シリカゲルを充填剤として充填したカラム
は、フェノバルビタール、カルバマゼピン及びフェニト
インを良好に分離していることが判る。一方、従来の充
填剤である参考例2及び3の充填剤(シリカゲルの内表
面及び外表面に導入された親水性基の部分が従来のジオ
ール形になっている充填剤)を充填したカラムでは、同
じ条件でカルバマゼピンとフェニトインのピークが一部
重なり、これらを良好に分離することはできなかった。
これらのことから、実施例1、3及び5の変性シリカゲ
ルを充填した充填剤には本発明に係る一般式[1]で示
される基が導入されているために上記3種の薬物を良好
に分離することができると考えられる。また、表3の結
果から、本発明に係る一般式[1]で示される基のR1
のメチレン鎖の炭素数を変えることによりこれら薬物の
保持時間を容易に調整することができることも判る(実
施例1:炭素数2、実施例3:炭素数4、実施例5:炭
素数6)。
【0119】実施例17 牛血清アルブミンの回収試験 実施例2、4、及び6で製造した変性シリカゲルを内径
4.6mm、長さ50mmのHPLC用ステンレスカラムにスラリー
法によって充填した。これらのカラムを用いて実施例1
4と同様の条件でBSAの回収率を求めた。表4にその結
果を示す。
【0120】
【0121】表4の結果から、シリカゲルに本発明に係
る一般式[1]で示される基とトリメチルシリル基とを
導入した本発明の変性シリカゲルを充填剤として充填し
たカラムは良好なBSA回収率を示すことが判る。
【0122】実施例18 ウラシル、ベンゼン、ナフタ
レンの分析試験 実施例17で調製したした各カラムを用いて実施例15
と同様の条件でウラシル、ベンゼン及びナフタレンの分
析を行い、それぞれの保持時間を求めた。表5にその結
果を示す。
【0123】
【0124】表5の結果から、実施例2、4及び6で調
製された本発明の変性シリカゲルを充填剤として充填し
たカラムにより、ウラシル、ベンゼン及びナフタレンを
良好に分離することができることが判る。また、表2と
表5のデータの比較から、トリメチルシリル基が導入さ
れていない本発明に係る充填剤(実施例1、3及び5)
の代わりにトリメチルシリル基が導入された本発明に係
る充填剤(実施例2、4及び6)を使用すると各化合物
の保持時間が長くなることも判る。また、表5の結果か
ら、トリメチルシリル基が共存する場合であっても、本
発明に係る一般式[1]で示される基のR1のメチレン
鎖の素数を変えることにより、ベンゼン及びナフタレン
の保持時間を容易に調整することができることも判る
(実施例2:炭素数2、実施例4:炭素数4、実施例
6:炭素数6)。
【0125】実施例19 フェノバルビタール、カルバ
マゼピン、フェニトインの分析試験 実施例17で調製した各カラムを用いて実施例16と同
様の条件でフェノバルビタール、カルバマゼピン及びフ
ェニトインの分析を行い、それぞれの保持時間を求め
た。表6にその結果を示す。
【0126】
【0127】表6の結果から、実施例2、4及び6で調
製された本発明の変性シリカゲルを充填剤として充填し
たカラムを用いることにより、それぞれの薬物を良好に
分離し得ることが判る。また、表3と表6のデータの比
較から、トリメチルシリル基が導入されていない本発明
に係る充填剤(実施例1、3及び5)を使用した場合よ
りも、トリメチルシリル基が導入された本発明に係る充
填剤(実施例2、4及び6)を使用した場合の方が各薬
物の保持時間が長くなることも判る。また、表6の結果
から、トリメチルシリル基が導入された場合でも、本発
明に係る一般式[1]で示される基のR1のメチレン鎖
の炭素数を変えることにより各薬物の保持時間を容易に
調整することができることも判る(実施例2:炭素数
2、実施例4:炭素数4、実施例6:炭素数6)。
【0128】実施例20 牛血清アルブミンの回収試験 実施例7、9、11及び参考例6、7、8で製造したシ
リカゲルを内径4.6mm、長さ50mmのHPLC用ステンレスカ
ラムにスラリー法によって充填した。各カラムを用いて
実施例14と同様の条件でBSAの回収率を求めた。表7
にその結果を示す。
【0129】
【0130】表7の結果から、実施例7、9及び11の
本発明の変性シリカゲルを充填剤として充填したカラム
に於けるBSA回収率は、従来のジオール形の充填剤、即
ち参考例6、7及び8で調製された充填剤を充填したカ
ラムに於けるそれと同様に良好であることが判る。ま
た、実施例7、9及び11の変性シリカゲルを充填剤と
して充填したカラムで得られたクロマトグラムのBSAの
ピーク形状はテーリングが少ない良好な形状であった。
【0131】実施例21 ウラシル、ベンゼン、ナフタ
レンの分析試験 実施例20で調製した各カラムを用いて実施例15と同
様の条件でウラシル、ベンゼン及びナフタレンの分析を
行い、それぞれの保持時間を求めた。表8にその結果を
示す。
【0132】
【0133】表8の結果から、実施例7、9及び11の
本発明の変性シリカゲルを充填剤として充填したカラム
により、ウラシル、ベンゼン及びナフタレンを、参考例
6、7及び8の従来の充填剤(シリカの内表面及び外表
面に導入された親水性基の部分が従来のジオールの形に
なっている充填剤)を充填したカラムと同様に良好に分
離できることが判る。また、本発明に係る充填剤に於て
本発明に係る一般式[1]で示される基のR1のメチレ
ン鎖の炭素数を変えることにより保持時間を容易に調整
することができることも判る(実施例7:炭素数2、実
施例9:炭素数4、実施例11:炭素数6)。
【0134】実施例22 フェノバルビタール、カルバ
マゼピン、フェニトインの分析試験 実施例20で調製した各カラムを用いて実施例16と同
様の条件でフェノバルビタール、カルバマゼピン及びフ
ェニトインの分析を行い、それぞれの保持時間を求め
た。表9にその結果を示す。
【0135】
【0136】表9の結果から、実施例7、9及び11の
本発明の変性シリカゲルを充填剤として充填したカラム
により、各薬物を参考例6、7及び8の充填剤を充填し
たカラムを使用した場合と同等以上に良好に分離し得る
ことが判る。特に、実施例11の充填剤を充填したカラ
ムを用いると、参考例6、7及び8の充填剤を充填した
カラムを用いた場合よりもカルバマゼピンとフェニトイ
ンをより良好に分離し得ることが判る。また、表9の結
果から本発明に係る一般式[1]で示される基のR1
メチレン鎖の炭素数を変えることにより、各薬物の保持
時間を容易に調整することができることも判る(実施例
1:炭素数2、実施例3:炭素数4、実施例5:炭素数
6)。
【0137】実施例23 牛血清アルブミンの回収試験 実施例8、10、12及び13で製造したシリカゲルを
内径4.6mm、長さ50mmのHPLC用ステンレスカラムにスラ
リー法によって充填した。各カラムを用いて実施例14
と同様の条件でBSAの回収率を求めた。表10にその結
果を示す。
【0138】
【0139】表10の結果から、実施例8、10、12
及び13の変性シリカゲルを充填剤として充填したカラ
ムに於けるBSA回収率は何れも良好であることが判る。
【0140】実施例24 ウラシル、ベンゼン、ナフタ
レンの分析試験 実施例23で調製した各カラムを用いて実施例15と同
様の条件でウラシル、ベンゼン及びナフタレンの分析を
行い、それぞれの保持時間を求めた。表11にその結果
を示す。
【0141】
【0142】表11の結果から、実施例8、10及び1
2の本発明の変性シリカゲルを充填剤(トリメチルシリ
ル基が導入されている)として充填したカラムと、実施
例13の本発明の変性シリカゲルを充填剤(ジメチルシ
リル基が導入されている)として充填したカラムの何れ
を用いた場合でも、ウラシル、ベンゼン及びナフタレン
を良好に分離し得ることが判る。また、表8と表11の
データの比較から、トリメチルシリル基やジメチルシリ
ル基が導入されていない本発明に係る充填剤(実施例
7、9及び11の充填剤)に比較して、トリメチルシリ
ル基等が導入された本発明に係る充填剤(実施例8、1
0、12及び13の充填剤)を用いた方が、各化合物の
保持時間が長くなることも判る。また、表11の結果か
ら、本発明に係る一般式[1]で示される基のR1のメ
チレン鎖の炭素数を変えることにより保持時間を容易に
調整することができることも判る(実施例8:炭素数
2、実施例10:炭素数4、実施例12:炭素数6)。
【0143】実施例25 フェノバルビタール、カル
バマゼピン、フェニトインの分析試験 実施例23で調製した各カラムを用いて実施例16と同
様の条件でフェノバルビタール、カルバマゼピン及びフ
ェニトインの分析を行い、それぞれの保持時間を求め
た。表12にその結果を示す。
【0144】
【0145】表12の結果から、実施例8、10及び1
2の本発明の変性シリカゲルを充填剤(トリメチルシリ
ル基が導入されている)として充填したカラムと、実施
例13の本発明の変性シリカゲルを充填剤(ジメチルシ
リル基が導入されている)として充填したカラムの何れ
を用いても、それぞれの薬物を良好に分離し得ることが
判る。また、表9と表12のデータの比較から、トリメ
チルシリル基やジメチルシリル基が導入されていない本
発明に係る充填剤(実施例7、9及び11の充填剤)を
用いた場合よりも、トリメチルシリル基等が導入された
本発明に係る充填剤(実施例8、10、12及び13の
充填剤)を用いた場合の方が、各薬物の保持時間を長く
することができることや、実施例8、10、12及び1
3の変性シリカゲルを充填剤として充填したカラムを用
いると、従来の充填剤(参考例6、7及び8の充填剤)
を充填したカラムを用いた場合よりもカルバマゼピンと
フェニトインをより良好に分離することができることも
判る。また、表12のデータから、本発明に係る一般式
[1]で示される基のR1のメチレン鎖の炭素数を変え
ることにより保持時間を容易に調整することができるこ
とや(実施例8:炭素数2、実施例10:炭素数4、実
施例12:炭素数6)、表12の実施例12及び13の
変性シリカゲルを充填剤として用いた場合のデータの比
較から、トリメチルシリル基をジメチルシリル基に変え
ると保持時間は減少するが、薬物の分離は良好であるこ
とも判る。
【0146】実施例26 血清試料の直接注入によるフ
ェノバルビタール、カルバマゼピン、フェニトインの分
析試験 実施例12で製造したシリカゲルを内径4.6mm、長さ150
mmのHPLC用ステンレスカラムにスラリー法によって充填
した。このカラムを用いて下記に示した分析条件で牛胎
児血清、及び牛胎児血清にフェノバルビタール 20μg/m
l、カルバマゼピン 5μg/ml及びフェニトイン 40μg/m
lを添加したものを試料として分析した。
【0147】〔分析条件〕 移動相:100mM リン酸緩衝液(pH=6.9)/アセトニトリル
=90/10(v/v) 流速:1.2ml/min 測定温度:30℃ 検出波長:254nm 試料注入量:20μl
【0148】得られたクロマトグラムを図−1及び図−
2に示す。図−1は牛胎児血清を試料としたもので、牛
胎児血清タンパク質のピークが注入後直ちに出現するこ
と、即ち、牛胎児血清タンパク質は、カラムに吸着され
ることなく溶出することが判る。図−2は、牛胎児血清
に上記3種(フェノバルビタール、カルバマゼピン、フ
ェニトイン)の薬物を添加したものを試料としたもの
で、牛胎児血清タンパク質のピークの後に、フェノバル
ビタール、カルバマゼピン及びフェニトインの各ピーク
が溶出し、良好に分離されることが判る。尚、図2中、
1はフェノバルビタールのピークを、2はカルバマゼピ
ンのピークを3はフェニトインのピークを夫々示す。
【0149】実施例27 血清試料の直接注入によるリ
ドカインの分析試験 実施例26で調製したカラムを用いて下記に示した分析
条件で牛胎児血清、及び牛胎児血清にリドカイン 150μ
g/mlを添加したものを試料として分析した。 〔分析条件〕 移動相:100mM リン酸緩衝液(pH=6.9)/アセトニトリル
=95/5(v/v) 流速:1.0ml/min 測定温度:30℃ 検出波長:254nm 試料注入量:20μl
【0150】得られたクロマトグラムを図−3及び図−
4に示す。図−3は牛胎児血清を試料としたもので、牛
胎児血清タンパク質のピークが注入後直ちに出現するこ
と、即ち、牛胎児血清タンパク質はカラムに吸着される
ことなく溶出することが判る。図−4は、牛胎児血清に
リドカインを添加したものを試料としたもので、牛胎児
血清タンパク質のピークの後に、リドカインのピーク
(↓印)が溶出し、血清成分と良好に分離されることが
判る。
【0151】実施例28 血清試料の直接注入によるプ
リミドンの分析試験 実施例26で調製したカラムを用いて下記に示した分析
条件で牛胎児血清及び牛胎児血清にプリミドン 100μg/
mlを添加したものを試料として分析した。 〔分析条件〕 移動相:100mM リン酸緩衝液(pH=6.9)/アセトニトリル
=98/2(v/v) 流速:1.0ml/min 測定温度:30℃ 検出波長:230nm 試料注入量:20μl
【0152】得られたクロマトグラムを図−5及び図−
6に示す。図−5は牛胎児血清を試料としたもので、牛
胎児血清タンパク質のピークが注入後直ちに出現するこ
とが判る。図−6は、牛胎児血清にプリミドンを添加し
たものを試料としたもので、牛胎児血清タンパク質のピ
ークの後に、プリミドンのピーク(↓印)が溶出し、血
清成分と良好に分離されることが判る。
【0153】実施例29 カラムスイッチング法による
血清試料中のフェノバルビタール、カルバマゼピン、フ
ェニトインの分析試験 実施例12で製造したシリカゲルを内径4.6mm、長さ35m
mのHPLC用ステンレスカラムにスラリー法によって充填
し前処理用カラムとした。図−7に示す装置を用いてカ
ラムスイッチング法によって試料(人血清にフェノバル
ビタール 20μg/ml、カルバマゼピン 5μg/ml及びフェ
ニトイン 40μg/mlを添加したもの)を分析した。即
ち、前処理用移動相をバルブの点線で示す流路に流すこ
とにより前処理用カラムにより試料中の薬物を濃縮する
と共に血清タンパク質をカラム外に排除した。次に、バ
ルブを切り替えて、試料注入後4分から5分の間、分析
用移動相をバルブの実線で示す流路に流すことにより前
処理用カラム中の薬物を分析用カラムに導入して分析を
行った。尚、前処理条件及び分析条件を下記に示す。
【0154】〔前処理条件〕 移動相:100mM リン酸緩衝液(pH=6.9) 流速:1.0ml/min 測定温度:30℃ 試料注入量:20μl
【0155】〔分析条件〕 分析用カラム:WakosilーII 5C18RS,4.6φ×250mm(和光
純薬工業(株)製) 移動相:100mM リン酸緩衝液(pH=6.9)/アセトニトリル
=65/35(v/v) 流速:1.0ml/min 測定温度:30℃ 検出波長:254nm
【0156】得られたクロマトグラムを図−8に示す。
図−8から明から如く、1.フェノバルビタール、2.
カルバマゼピン、及び3.フェニトインの各ピークが順
に良好に分離して出現し、それぞれの薬物を良好に定量
し得ることが判る。
【0157】実施例30 カラムスイッチング法による
血清試料中のイミプラミンの分析試験 実施例29で調製した前処理用カラムを用い、図−9に
示す示す装置によるカラムスイッチング法によって試料
(人血清に塩酸イミプラミン 200ng/mlを添加したも
の)を分析した。即ち、前処理用移動相をバルブの点線
で示す流路に流すことにより前処理用カラムにより試料
中の薬物を濃縮すると共に血清タンパク質をカラム外に
排除した。次に、バルブを切り替えて、試料注入後6分
から11分の間、前処理用移動相をバルブの実線で示す
流路に流すことにより前処理用カラム中の薬物を分析用
カラムに導入した。再び、バルブを切り替えて分析用移
動相をバルブの点線を示す流路に戻し分析を行った。
尚、前処理条件及び分析条件を下記に示す。
【0158】〔前処理条件〕 移動相:100mM リン酸緩衝液(pH=6.9)/アセトニトリル
=98/2(v/v) 流速:1.0ml/min 測定温度:30℃ 試料注入量:100μl
【0159】〔分析条件〕 分析用カラム:Wakosil-II 5C18RS,4.6φ×250mm(和光
純薬工業(株)) 移動相:100mM リン酸緩衝液(pH=2.5)/アセトニトリル
=65/35(v/v) 流速:1.0ml/min 測定温度:30℃ 検出波長:254nm
【0160】得られたクロマトグラムを図−10に示す
(イミプラミンのピーク:↓印)。この結果から、本発
明の変性シリカゲルを充填剤として含んでなるカラムを
血清試料の前処理カラムとして利用することにより血清
中の微量成分を容易に濃縮できるので、本発明に係るカ
ラムは血清中の微量成分の分析に有用であることが判
る。
【0161】実施例31 カラムスイッチング法による
血清試料中のインドメタシンの分析試験 実施例29で調製した前処理用カラムを用い、図−9に
示す装置によるカラムスイッチング法によって試料(人
血清にインドメタシン 1μg/mlを添加したもの)を分
析した。即ち、前処理用移動相をバルブの点線で示す流
路に流すことにより前処理用カラムにより試料中の薬物
を濃縮すると共に血清タンパク質をカラム外に排除し
た。次に、バルブを切り替えて、試料注入後4.5分から
8.5分の間、前処理用移動相をバルブの実線で示す流路
に流すことにより前処理用カラム中の試料を分析用カラ
ムに導入した。再びバルブを切り替えて分析用移動相を
バルブの点線で示す流路に戻し分析を行った。尚、前処
理条件及び分析条件を下記に示した。
【0162】〔前処理条件〕 移動相:100mM リン酸緩衝液(pH=6.9)/アセトニトリル
=87/13(v/v) 流速:1.0ml/min 測定温度:30℃ 試料注入量:20μl
【0163】〔分析条件〕 分析用カラム:Wakosil-II 5C18RS,4.6φ×250mm 移動相:100mM リン酸緩衝液(pH=2.5)/アセトニトリル
=45/55(v/v) 流速:1.0ml/min 測定温度:30℃ 検出波長:254nm
【0164】得られたクロマトグラムを図−11に示す
(インドメタシンのピーク:↓印)。この結果から、本
発明の変性シリカゲルを充填剤として含んでなるカラム
を血清試料の前処理カラムとして利用することにより血
清中の微量成分を容易に濃縮できるので、本発明に係る
カラムは血清中の微量成分の分析に有用であることが判
る。
【0165】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明は、血清等のタ
ンパク質成分を多量に含有する生体試料中の薬物や代謝
物を分析するためのクロマトグラフィー用充填剤として
有用な、変性シリカゲルと、該変性シリカゲルを含んで
なるクロマトグラフィー用充填剤及びこれを用いた生体
試料中の成分の分析方法並びに該充填剤を充填してなる
クロマトグラフィー用カラムを提供するものであり、本
発明の変性シリカゲルを充填剤として充填したカラムを
用いて血清等の生体試料の分析を行えば、タンパク質等
の巨大分子は変性することなく素通りしてカラム外に排
出され、一方試料中の薬物等の比較的低分子の化合物は
濃縮、分離溶出されるため、除タンパク質操作を行うこ
となく生体試料中の薬物等の分析を行うことができると
いう効果を奏する。また、本発明の変性シリカゲルを充
填剤として充填したカラムは、上記した如き性質を利用
して、試料の除タンパク質用前処理カラムとしても有用
なものであり、これと一般の逆相系カラムとを組合せる
ことにより、血清等の生体試料中の低濃度の薬物等を高
感度に分析することを可能とする、という効果を奏す
る。
【0166】更に、本発明の変性シリカゲルは、シリカ
ゲルの内表面及び外表面に同一の修飾基を導入すること
により得られるものであるため、製造が容易で且つ同一
の品質の充填剤を再現性良く得ることが可能である。更
にまた、本発明の変性シリカゲルは、導入する修飾基の
メチレン鎖の長さを調整することにより、目的の分析対
象物の保持時間を適宜調整することができるという効果
をも奏する。
【0167】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例26で得られた、牛胎児血清を試
料とした場合のクロマトグラムを示す。
【図2】図2は実施例26で得られた牛胎児血清に各種
薬物を添加したものを試料とした場合のクロマトグラム
を示す。
【図3】図3は実施例27で得られた牛胎児血清を試料
とした場合のクロマトグラムを示す。
【図4】図4は実施例27で得られた牛胎児血清にリド
カインを添加したものを試料とした場合クロマトグラム
を示す。
【図5】図5は実施例28で得られた牛胎児血清を試料
とした場合のクロマトグラムを示す。
【図6】図6は実施例28で得られた牛胎児血清にプリ
ミドンを添加したものを試料とした場合クロマトグラム
を示す。
【図7】図7は実施例29のカラムスイッチング法で用
いた装置を示す。
【図8】図8は実施例29で得られたクロマトグラムを
示す。
【図9】図9は実施例30及び実施例31のカラムスイ
ッチング法で用いた装置を示す。
【図10】図10は実施例30で得られたクロマトグラ
ムを示す。
【図11】図11は実施例31で得られたクロマトグラ
ムを示す。
【0168】
【符号の説明】
1・・・フェノバルビタールのピーク、2・・・カルバマゼピ
ンのピーク、3・・・フェニトインのピーク。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリカゲルの表面のシラノール基の水素
    原子の一部又は全部が、ケイ素原子を介して、一般式
    [1] 【化1】 [式中、nは3以上の整数を表し、R1及びR2は何れか
    一方が水素原子で、他方は−(CH2)mOH(式中、
    mは2以上の整数を表す。)を表す。]で示される基で
    置換された変性シリカゲル。
  2. 【請求項2】 シリカゲルの表面のシラノール基の水素
    原子の一部が、ケイ素原子を介して、一般式[1] 【化2】 [式中、nは3以上の整数を表し、R1及びR2は何れか
    一方が水素原子で、他方は−(CH2)mOH(式中、
    mは2以上の整数を表す。)を表す。]で示される基で
    置換され、残りの一部又は全部が置換基を有していても
    よいアルキル基で置換された変性シリカゲル。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の変性シリカゲル
    を含んでなるクロマトグラフィー用充填剤。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のクロマトグラフィー用
    充填剤を用いる生体試料中の成分の分析方法。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載のクロマトグラフィー用
    充填剤を用いる成分分析用生体試料の前処理方法。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載のクロマトグラフィー用
    充填剤を充填してなるクロマトグラフィー用カラム。 【0001】
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