JP2005134226A - ガス濃度センサのヒータ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヒータの通電を好適に制御し、ひいてはセンサ素子の保護を図ること。
【解決手段】エンジン10の排気管11にはA/Fセンサ21が配設されている。A/Fセンサ21を構成するセンサ素子には、当該素子を活性状態とするヒータが付設されている。ECU30は、センサ素子の昇温過程でヒータへの供給電力を所定の昇温時電力で制御する。また、排気管内を流れる排ガス流量の変化を推測し、排ガス流量が増加したと推測される時、センサ冷却条件が成立したとしてヒータ供給電力を一時的に抑制する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ガス濃度センサのヒータ制御装置に関するものである。
例えば自動車用エンジンにおいては、一般にA/Fセンサ等のガス濃度センサによる検出結果に基づき空燃比制御が実施される。ガス濃度センサはジルコニア製の固体電解質体を用いたセンサ素子を有し、このセンサ素子により空燃比(酸素濃度)を精度良く検出するにはセンサ素子の温度を所定の活性温度に維持する必要がある。通常は同センサにヒータを内蔵しヒータの通電量(デューティ比)を制御している。こうしたヒータ制御の手法として、例えばヒータへの供給電力を制御したり、センサ素子の活性温度相当の目標値に素子抵抗をフィードバック制御したりするものが知られている。
より具体的には、ガス濃度センサの早期活性化のために、エンジン始動当初は最大電力(例えばデューティ比100%)でヒータを通電し、その後、素子抵抗(素子温)の検出値と目標値との偏差に応じてフィードバック制御を実施するものが知られている。例えば特許文献1では、ヒータ温が所定の初期加熱温度に到達するまで電源よりヒータに全電力を投入し、初期加熱温度への到達後にヒータ温に応じてヒータへの通電を制御し、素子温が所定値に達すると検出された素子温に応じてヒータへの通電を制御するようにしている。
しかしながら、前記ガス濃度センサのセンサ素子では、ヒータによる素子温上昇時においてヒータ近傍とそれ以外とで温度勾配が生じる。つまり、ヒータ近傍では比較的高温になり、それ以外では比較的低温になるという事態が生じる。センサ素子内で温度勾配が発生すると、それに伴い内部応力が発生する。また本願発明者によれば、排ガス流の増加によりセンサ素子が冷却されると、内部応力が増大することが確認されている。この内部応力により、センサ素子の劣化が進む、又は破壊が生じる等の不具合が生じるおそれがあった。
特開平8−278279号公報
本発明は、ヒータの通電を好適に制御し、ひいてはセンサ素子の保護を図ることができるガス濃度センサのヒータ制御装置を提供することを主たる目的とするものである。
請求項1に記載の発明では、排気管内を流れる排ガスによるセンサ冷却条件が判定され、センサ冷却条件が成立したと判定された時、その時のヒータ供給電力が一時的に抑制される。要するに、排ガス流によりセンサ素子が冷却されると、ヒータ近傍とそれ以外とで温度勾配(温度不均衡)が大きくなり、その温度勾配に伴い多大な内部応力が発生する。多大な内部応力の発生により素子割れ等の不都合が懸念されるが、本発明によれば、排ガス流によるセンサ素子の冷却時にはヒータ供給電力が抑制されるため、温度勾配を低減するようなヒータ通電が実現できる。故に、ヒータの通電を好適に制御し、ひいてはセンサ素子の保護を図ることができる。
請求項2に記載の発明では、内燃機関の始動時等、センサ素子の昇温過程において、昇温時制御手段によりヒータへの供給電力が所定の昇温時電力で制御される。また、排気管内を流れる排ガスによるセンサ冷却条件が判定され、センサ冷却条件が成立したと判定された時、昇温時制御手段によるヒータ供給電力が一時的に抑制される。要するに、センサ素子の昇温過程においては当該センサ素子をいち早く活性化させるべく比較的大きな昇温時電力で電力制御が行われる。例えば、請求項3に記載したように、ヒータ電源より供給される全電力又は全電力近傍の電力を昇温時電力としてヒータ制御が行われる。この場合、排ガス流によりセンサ素子が冷却されると、ヒータ近傍とそれ以外とで温度勾配(温度不均衡)が大きくなり、その温度勾配に伴い多大な内部応力が発生する。多大な内部応力の発生により素子割れ等の不都合が懸念されるが、本発明によれば、排ガス流によるセンサ素子の冷却時にはヒータ供給電力が抑制されるため、温度勾配を低減するようなヒータ通電が実現できる。故に、ヒータの通電を好適に制御し、ひいてはセンサ素子の保護を図ることができる。
前記供給電力抑制手段として、請求項4に記載したように、排ガスによる冷却度合に応じて電力抑制時のヒータ供給電力が決定されると良い。又は、請求項5に記載したように、センサ冷却条件の成立時点におけるセンサ素子の活性状態に応じて電力抑制時のヒータ供給電力が決定されると良い。要は、排ガス流による素子冷却の程度が大きくなる場合やセンサ素子内の温度不均衡が大きくなる場合など、内部応力の問題が大きくなると想定される場合において、内部応力を確実に抑えるべく電力抑制時のヒータ供給電力を小さくすれば良い。
請求項6に記載の発明では、ヒータ供給電力が抑制された後、当該供給電力が徐々に増加される。これにより、温度不均衡を大きくすることなく元のヒータ供給電力に復帰させることが可能となる。
請求項7に記載の発明では、ヒータ供給電力を制限するためのガード値を強制的に小さくすることにより、ヒータ供給電力が抑制される。この場合、ガード値の操作によりヒータ供給電力の抑制が可能となる。
請求項8に記載の発明では、排気管内を流れる排ガス流量の変化に基づいてセンサ冷却条件が判定される。排ガス流量が増加するとセンサ素子の冷却度合が大きくなることから、センサ冷却条件が好適に判定できる。
請求項9に記載の発明では、車両又は内燃機関の運転状態に基づいて排気管内を流れる排ガス流量の変化が推測され、その排ガス流量の変化に基づいてセンサ冷却条件が判定される。具体的には、アクセル操作量(アクセル開度)、スロットル開度、吸入空気量、エンジン回転数等をパラメータとして排ガス流量の変化が推測される。この場合特に、アクセル操作量から排ガス流量の変化が推測されれば、現実に排ガス流量が増える前に、排ガス流量の増加予測が可能となり、電力抑制の制御がいち早く実施できる。それ故に、センサ素子の保護を図る上で優位となる。
請求項10に記載したように、固体電解質層と内部ガス室を形成する絶縁層とを積層して構成され、内部ガス室を挟んで固体電解質層と反対側にヒータが配置されるセンサ素子では、ガス濃度検出部に相当する固体電解質層とヒータとが離れていることから、この両者間で温度勾配が生じやすく、上述した内部応力による問題が生じる傾向にあると考えられる。しかしながら、上述した各発明により上記問題が解消できる。
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図面に従って説明する。本実施の形態は、内燃機関である車載多気筒ガソリンエンジンを対象とする制御システムに具体化しており、先ずは、図1を用いて当該制御システムの概略構成図を説明する。
エンジン10より延びる排気管11には、排出ガス中のCO,HC,NOx等を浄化するための三元触媒等の触媒12が設けられ、この触媒12の上流側には排ガスを検出対象として混合気の空燃比を検出するためのA/Fセンサ21が設けられている。A/Fセンサ21の検出結果はECU(電子制御ユニット)30に取り込まれる。その他、ECU30には、吸入空気量を検出するためのエアフローメータ22、スロットル開度を検出するためのスロットル開度センサ23、エンジン10の所定クランク角毎に(例えば30°CA周期で)矩形状のクランク角信号を出力するクランク角度センサ24、アクセルペダルの踏み込み操作量(アクセル開度)を検出するアクセルセンサ25等より検出信号が取り込まれる。
ECU30は、CPU、ROM、RAM等よりなるマイクロコンピュータを主体として構成され、ROMに記憶された各種の制御プログラムを実行することで、エンジン運転状態に応じて図示しない燃料噴射弁の燃料噴射量や点火プラグによる点火時期を制御する。特に燃料噴射量制御では、A/Fセンサ21の検出値からその都度の空燃比(A/F)を検出し、その検出空燃比と目標空燃比との偏差に基づいて空燃比F/B制御を実施することとしている。
ここで、A/Fセンサ21の構成を図2を用いて説明する。本A/Fセンサ21は積層型構造のセンサ素子50を有し、図2にはセンサ素子50の断面構成を示す。実際には当該センサ素子50は図2の紙面直交方向に延びる長尺状をなし、素子全体がハウジングや素子カバー内に収容される構成となっている。
センサ素子50は、固体電解質層51、拡散抵抗層52、遮蔽層53及び絶縁層54を有し、これらが図の上下に積層されて構成されている。同センサ素子50の周囲には図示しない保護層が設けられている。長方形板状の固体電解質層51は部分安定化ジルコニア製のシートよりなり、その固体電解質層51を挟んで上下一対の電極55,56が対向配置されている。電極55,56は白金Pt等により形成されている。拡散抵抗層52は電極55へ排ガスを導入するための多孔質シートからなり、遮蔽層53は排ガスの透過を抑制するための緻密層からなる。これら各層52,53は何れも、アルミナ、ジルコニア等のセラミックスをシート成形法等により成形したものであるが、ポロシティの平均孔径及び気孔率の違いによりガス透過率が相違するものとなっている。
絶縁層54はアルミナ、ジルコニア等のセラミックスからなり、電極56に対面する部位には大気ダクト57が形成されている。また、同絶縁層54には白金Pt等により形成されたヒータ58が埋設されている。ヒータ58はバッテリ電源からの通電により発熱する発熱体よりなり、その発熱により素子全体が加熱される。なお以下の説明では、電極55を拡散層側電極、電極56を大気側電極とも言う。
上記センサ素子50において、その周囲の排ガスは拡散抵抗層52の側方部位から導入されて拡散層側電極55に達する。排ガスがリーンの場合、排ガス中の酸素は電極55,56間の電圧印加により拡散層側電極55で分解され、イオン化されて固体電解質層51を通過した後、大気側電極56より大気ダクト57に排出される。このとき、大気側電極56→拡散層側電極55の向きに電流が流れ、その電流レベルに応じたセンサ信号が出力される。また、排ガスがリッチの場合、逆に大気ダクト57内の酸素が大気側電極56で分解され、イオン化されて固体電解質層51を通過した後、拡散層側電極55より排出される。そして、排ガス中のHCやCO等の未燃成分と触媒反応する。このとき、拡散層側電極55→大気側電極56の向きに電流が流れ、その電流レベルに応じたセンサ信号が出力される。
A/Fセンサ21により正確に空燃比を検出するには、センサ素子50を所定の活性状態に保持する必要があり、そのためにECU30によりヒータ58が通電制御される。本実施の形態では、センサ素子50の活性状態に応じて100%通電制御、電力制御及び素子温F/B制御の何れかにより通電制御が実施される。センサ素子50の活性状態を検出するには素子温を検出すれば良く、本実施の形態では素子温検出の手段として、素子インピーダンスZacを検出する。なお、ヒータ制御として実施される100%通電制御、電力制御及び素子温F/B制御は本実施の形態の要部でなく、簡単に説明すれば、100%通電制御では、ヒータ58への制御デューティ比dutyが100%に維持される。電力制御では、その都度の素子インピーダンスZacに基づいて電力指令値が決められ、その電力指令値に対応する制御デューティ比dutyによりヒータ通電が制御される。素子温F/B制御では、その都度の検出Zacと目標Zacとの偏差に応じて、PI又はPID等の制御手法により制御デューティ比dutyが演算され、該dutyによりヒータ通電が制御される。
ところで、ヒータ通電に伴うセンサ素子50の昇温時には、ヒータ58近傍とそれ以外とで温度勾配(温度不均衡)が生じ、その温度勾配によって内部応力(熱応力)が発生する。この内部応力によって素子破壊等の不具合が発生することが懸念されている。図9には、センサ素子50の昇温過程における素子温の変化を示しており、特に遮蔽層53の上部温度(遮蔽層上部温)とヒータ58近傍の温度(ヒータ部温)とで生じる温度差を示す。図9によれば、ヒータ部温の上昇に伴い遮蔽層上部温も上昇するが、それらには温度差が生じ、センサ素子50内に生じる温度勾配が確認できる。また図9では、排ガス流量の増加により素子温が一時的に下降する様子を示している。この場合、ヒータ部温よりも遮蔽層上部温の低下が急峻となることから内部応力が一層増大する。そこで本実施の形態では、温度勾配による素子破壊の問題を解消すべく、内部応力の低減を可能とするヒータ58の通電制御を提案する。
次に、A/Fセンサ21に関するECU30の演算処理について説明する。図3は、ECU30により実施されるメインルーチンの概要を示すフローチャートであり、同ルーチンはECU30への電源投入に伴い起動される。
図3において、先ずステップS100では、前回のA/F検出時から所定時間Taが経過したか否かを判別する。所定時間Taは、A/F値の検出周期に相当する時間であって、例えばTa=4msec程度に設定される。そして、ステップS100がYESであることを条件にステップS110に進み、A/F値の検出処理を実施する。このA/F値の検出処理では、その時々のセンサ電流に応じた印加電圧Vpを設定すると共に、その電圧VpをA/Fセンサ21の電極55,56間に印加してその時のセンサ電流を検出する。そして、該検出したセンサ電流をA/F値に変換する。
A/F値の検出後、ステップS120では、前回の素子インピーダンス検出時から所定時間Tbが経過したか否かを判別する。所定時間Tbは、素子インピーダンスZacの検出周期に相当する時間であって、例えばエンジン運転状態に応じて128msec、2sec等の時間が選択的に設定される。そして、ステップS120がYESであることを条件に、ステップS130で素子インピーダンスZacを検出すると共に、続くステップS140でヒータ通電制御を実施する。
前記ステップS130における素子インピーダンスZacの検出手順を図4のフローチャートを用いて説明する。なお本実施の形態では、素子インピーダンスZacの検出に際し、掃引法を用いていわゆる「交流インピーダンス」を求めることとしている。
図4において、先ずステップS131では、A/Fセンサ21の印加電圧VpをそれまでのA/F検出用の印加電圧に対して正側に数10〜100μsec程度の時間で単発的に変化させる。また、ステップS132では、その時の電圧変化量ΔVとセンサ電流の変化量ΔIとを読み取る。続くステップS133では、ΔV値及びΔI値から素子インピーダンスZacを算出し(Zac=ΔV/ΔI)、その後元の図3のルーチンに戻る。
次に、前記図3のステップS140におけるヒータ制御手順を図5のフローチャートに基づいて説明する。
図5において、ステップS141では、今現在、エンジン始動時等のセンサ昇温過程にあるか否かを判別する。YESの場合、ステップS142に進み、今現在の素子インピーダンスZacがセンサ素子50(固体電解質層51)の半活性状態を判定するための所定の判定値K1(例えば200Ω程度)未満であるか否かを判別する。例えばエンジン始動当初はステップS142がNO(Zac≧K1)となり、ステップS143に進んでヒータ58の「100%通電制御」を実施する。このとき、昇温時電力として制御デューティ比duty=100%が設定される。本実施の形態では、ステップS143が「昇温時制御手段」に相当する。
また、ステップS142がYESの場合、ステップS144では、今現在の素子インピーダンスZacが素子温F/B制御を開始するための所定の判定値K2(例えば40Ω程度)未満であるか否かを判別する。そして、Zac≧K2であればステップS145に進み、「電力制御」を実施し、Zac<K2であればステップS146に進み、「素子温F/B制御」を実施する。このとき、電力制御では、電力指令値に応じて制御デューティ比dutyが設定され、素子温F/B制御では、その都度の素子インピーダンスZacの偏差に応じて制御デューティ比dutyが設定される。
上記の如くステップS143,S145,S146の何れかで制御デューティ比dutyが演算された後、ステップS200では、後述するduty出力ルーチンにより出力dutyを演算する。その後、ステップS147では、出力dutyに基づいてヒータ通電を実施し、その後本ルーチンを終了して元の図3のルーチンに戻る。A/Fセンサ21の昇温によりセンサ活性化が完了すると、ステップS141が毎回NOとなり、以後素子温F/B制御が繰り返し実行される。
次に、前記図5のステップS200におけるduty出力ルーチンを図6のフローチャートに基づいて説明する。なおduty出力ルーチンでは、急冷ガードフラグの状態に応じて制御デューティ比dutyをガード(制限)することとしており、当該duty出力処理の説明の前に、図7の急冷条件判定ルーチンを説明する。図7の急冷条件判定ルーチンは所定時間毎に実行される。図6のルーチンが「供給電力抑制手段」に相当し、図7のルーチンが「冷却条件判定手段」に相当する。
図7の急冷条件判定ルーチンにおいて、ステップS301〜S304では、排ガスによる急冷条件の判定を実施する。すなわち、ステップS301では、制御デューティ比dutyが70%未満から70%超に変化したか否かを判別し、ステップS302では、エンジン始動からの経過時間が20秒に達していないか否かを判別し、ステップS303では、アクセル開度ACLが30%超であるか否かを判別し、ステップS304では、アクセル開度の所定時間当たりの変化量ΔACLが1%超であるか否かを判別する。ステップS301〜S304の全てがYESとならない場合、急冷ガードフラグに1をセットすることなく本ルーチンを終了する。このとき、急冷ガードフラグは初期状態(=0)のまま保持される。
ステップS301〜S304が全てYESの場合、センサ昇温過程においてセンサ素子50が急冷状態にあると推測される。かかる場合、ステップS305に進み、急冷ガードフラグを1とする。またその後、エンジン始動からの経過時間が20秒に達すると、ステップS302がNOとなり、ステップS306で急冷ガードフラグを0とする。
また、図6のduty出力ルーチンでは、急冷ガードフラグの状態に応じて電力抑制のためのガードdutyを設定する。制御デューティ比dutyがガードdutyで制限されることで、ヒータ供給電力が一時的に抑制されるようになっている。なお以下の説明では便宜上、前記図5のルーチンで演算した制御デューティ比dutyを演算dutyと記載し、実際に出力するdutyを出力dutyと記載する。
ステップS201では、急冷ガードフラグが1であるか否かを判別する。急冷ガードフラグ=0の場合ステップS202に進み、ガードdutyを100%(最大値)とする。また、急冷ガードフラグ=1の場合ステップS203に進み、電力抑制の制御において今回が初回時であるか否かを判別する。YESの場合、ガードdutyを0%とし(ステップS204)、NOの場合、ガードdutyの前回値にΔdutyを加算した値をガードdutyとする(ステップS205)。但しガードdutyの上限は100%である。
ガードdutyの設定後、ステップS206では、演算dutyがガードdutyよりも小さいか否かを判別する。演算duty<ガードdutyの場合、その時の演算dutyをそのまま出力dutyとする(ステップS207)。また、演算duty≧ガードdutyの場合、その時のガードdutyを出力dutyとする(ステップS208)。最後に、ステップS209では、出力dutyを出力する。
図8は、エンジン始動直後のセンサ昇温過程において、電力抑制の制御が実施される様子を具体的に示すタイムチャートである。
図8において、t1では、エンジン始動に伴いヒータ通電(100%通電制御)が開始され、出力duty=100%に制御される。それにより、センサ素子温が次第に上昇する。その後、運転者のアクセル操作によりアクセル開度ACLが増加し、このとき、急冷判定条件(前記図7のステップS301〜S304の各条件)が成立すれば、排ガス流量が増量側に変化すると推測され、図示の如く急冷ガードフラグに1がセットされる(図のt2)。なお、アクセル開度ACLの変化に対して若干遅れて吸入空気量が変化し、実際には吸入空気量の変化にあわせて排ガス流量が変化する。
急冷ガードフラグがセットされると、ガードdutyが0%とされることからそのガードduty(=0%)で演算dutyが制限され、出力dutyが一旦0%にまで低減される。すなわち、t2以降、電力抑制の制御が開始される。その後、ガードdutyが徐々に増加されていき、ガードduty=100%に戻った時点で通常の100%通電制御が再開される。センサ素子温は、排ガス流量の増加に伴い一旦は低下するが、再上昇し始める。
その後、t3では、センサ素子温の上昇に伴い100%通電制御から電力制御へと移行する。t4では、エンジン始動からの経過時間が20秒となり、急冷ガードフラグが0にクリアされる。その後、素子温F/B制御によりヒータ通電制御が行われる。なお、電力抑制制御によりヒータ供給電力が一度低減されると、急冷判定条件が再度成立したとしても(排ガス流量が増加しても)ガードdutyが再び0%とされることはない。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
センサ素子50の昇温過程において、排ガス流量の変化に基づいてヒータ供給電力が一時的に抑制されるため、センサ素子50内における温度勾配(温度不均衡)を低減するようなヒータ通電が実現できる。かかる場合、温度勾配の低減により内部応力の増加が抑制でき、センサ素子50の破壊や劣化の進行等が防止できる。以上により、ヒータ58の通電を好適に制御し、ひいてはセンサ素子50の保護を図ることができるようになる。
ヒータ供給電力を抑制した後、当該供給電力を徐々に増加する構成としたため、温度不均衡を大きくすることなく元のヒータ供給電力に復帰させることが可能となる。
排ガス流量の変化を推測する際にアクセル開度ACLをパラメータとしたため、現実に排ガス流量が増える前に、排ガス流量の増加予測が可能となり、電力抑制制御がいち早く実施できる。それ故に、センサ素子50の保護を図る上で優位となる。
なお、本発明は上記実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施しても良い。
上記実施の形態では、急冷ガードフラグがセットされると、すなわちセンサ冷却条件が成立すると、初回のduty出力時においてガードdutyを0%としたが、その初回ガードdutyを排ガス冷却度合やセンサ活性状態に応じて可変設定する構成としても良い。具体的には、例えば図10に示すように、アクセル開度ACL(又はその変化量ΔACLでも可)に応じて初回ガードdutyを設定する。この場合、アクセル開度ACLが大きいほど初回ガードdutyを小さくする。初回ガードdutyが小さいことは電力抑制の程度が大きいことに相当する。つまり、アクセル開度ACLが大きい場合(すなわち排ガス流量の変化大の場合)にヒータ供給電力がより小さくされ、内部応力が確実に抑えられる。但し、アクセル開度ACL>a1では初回ガードduty=0%に固定される。
又は、図11に示すように、エンジン始動時からの運転時間に応じて初回ガードdutyを設定する。この場合、運転時間が大きいほど初回ガードdutyを小さくし、1秒経過後は0%固定とする。運転時間に代えて素子インピーダンスZacでも良く、要はセンサ活性状態のパラメータとなり得るものであればよい。前記図10と同様、初回ガードdutyが小さいことは電力抑制の程度が大きいことに相当する。つまり、運転時間が大きくなり、センサ活性化が進んだ状態(すなわち温度上昇により内部応力大となる場合)にヒータ供給電力がより小さくされ、内部応力が確実に抑えられる。
上記実施の形態では、ガードdutyの設定により電力抑制の制御を実現したが、制御デューティ比dutyを演算する時点でセンサ冷却条件に応じてduty削減の補正処理を実施する構成でも良い。
上記実施の形態では、昇温時制御として、制御デューティ比duty=100%とする100%通電制御を実施したが、これに限定されない。要は、センサ素子50の早期活性化を図るべく高デューティで通電制御が実施されるものであれば良く、例えば、昇温時電力を段階的に設定するものであっても良い。より具体的には、昇温時電力たる制御デューティ比dutyを100%→90%→80%に変化させるものであっても良い。
電力抑制の制御は、エンジン始動時のセンサ昇温過程のみならず、活性化後のセンサ冷却条件成立時にも適用可能である。かかる場合にも、電力抑制の制御の適用により、内部応力の発生を抑制しセンサ素子50の保護を図ることができる。
上記実施の形態では、センサ冷却条件として、アクセル開度ACLの変化量及び変化速度に基づいて排ガス流量の変化を推測したが、これに代えて、スロットル開度、吸入空気量、エンジン回転数等のエンジン運転状態をパラメータとして排ガス流量の変化を推測しても良い。また、排気管に流量センサを設置し、該流量センサによる計測結果から排ガス流量の変化を検出する構成としても良い。その他、排ガスに含まれる水分量を推測し、その水分量によりセンサ冷却条件を判定しても良い。更に、エンジン10への燃料噴射を停止する燃料カット時であることによりセンサ冷却条件を判定しても良い。
酸素濃度を検出対象とするA/Fセンサ以外にも、他のガス濃度を検出対象とするガス濃度センサにも本発明が適用できる。例えば、NOxセンサとして具体化されるガス濃度センサは、固体電解質体にて形成された複数のセルを有し、そのうち第1セル(ポンプセル)では排ガス中の酸素を排出又はくみ出すと共に酸素濃度を検出し、第2セル(センサセル)では酸素排出後のガスからNOx濃度を検出する。また、上記第1セル、第2セルに加え、酸素排出後の残留酸素濃度を検出するための第3セル(モニタセル、若しくは第2ポンプセル)等の複数のセルを有するNOxセンサであっても良い。NOx濃度を検出可能とする他に、排ガス中のHC濃度やCO濃度を検出可能とするガス濃度センサにも適用できる。この場合、ポンプセルにて排ガス中の余剰酸素を排出し、センサセルにて余剰酸素排出後のガスからHCやCOを分解してHC濃度やCO濃度を検出する。
積層構造のセンサ素子以外にも適用できる。また、センサ素子にヒータを内蔵した構成の他、センサ素子とは別にヒータユニットを設け、このヒータユニットによりセンサ素子の加熱を行う構成のガス濃度センサにも適用できる。
発明の実施の形態におけるエンジン制御システムの概略を示す構成図である。 センサ素子の断面構造を示す断面図である。 メインルーチンを示すフローチャートである。 素子インピーダンス検出ルーチンを示すフローチャートである。 ヒータ制御ルーチンを示すフローチャートである。 duty出力ルーチンを示すフローチャートである。 急冷条件判定ルーチンを示すフローチャートである。 センサ昇温過程における挙動を説明するためのタイムチャートである。 素子温上昇の挙動を示すタイムチャートである。 初回ガードdutyを設定するための特性図である。 初回ガードdutyを設定するための特性図である。
符号の説明
10…エンジン、11…排気管、21…A/Fセンサ、30…ECU、50…センサ素子、51…固体電解質層、54…絶縁層、57…大気ダクト、58…ヒータ。

Claims (10)

  1. 固体電解質体等よりなるセンサ素子を有するガス濃度センサを内燃機関の排気管に設置し、前記センサ素子に付設したヒータへの供給電力を制御することにより当該センサ素子を活性状態とするガス濃度センサのヒータ制御装置において、
    前記排気管内を流れる排ガスによるセンサ冷却条件を判定する冷却条件判定手段と、
    前記冷却条件判定手段によりセンサ冷却条件が成立したと判定された時、その時のヒータ供給電力を一時的に抑制する供給電力抑制手段と、
    を備えたことを特徴とするガス濃度センサのヒータ制御装置。
  2. 固体電解質体等よりなるセンサ素子を有するガス濃度センサを内燃機関の排気管に設置し、前記センサ素子に付設したヒータへの供給電力を制御することにより当該センサ素子を活性状態とするガス濃度センサのヒータ制御装置において、
    前記センサ素子の昇温過程で前記ヒータへの供給電力を所定の昇温時電力で制御する昇温時制御手段と、
    前記排気管内を流れる排ガスによるセンサ冷却条件を判定する冷却条件判定手段と、
    前記冷却条件判定手段によりセンサ冷却条件が成立したと判定された時、前記昇温時制御手段によるヒータ供給電力を一時的に抑制する供給電力抑制手段と、
    を備えたことを特徴とするガス濃度センサのヒータ制御装置。
  3. 前記昇温時制御手段は、ヒータ電源より供給される全電力又は全電力近傍の電力を前記昇温時電力としてヒータ制御を実施するものである請求項2記載のガス濃度センサのヒータ制御装置。
  4. 排ガスによる冷却度合を判定する手段を更に備え、前記供給電力抑制手段は、前記判定した冷却度合に応じて電力抑制時のヒータ供給電力を決定する請求項1乃至3の何れかに記載のガス濃度センサのヒータ制御装置。
  5. 前記供給電力抑制手段は、前記センサ冷却条件の成立時点における前記センサ素子の活性状態に応じて電力抑制時のヒータ供給電力を決定する請求項1乃至4の何れかに記載のガス濃度センサのヒータ制御装置。
  6. 前記供給電力抑制手段は、ヒータ供給電力を抑制した後、当該供給電力を徐々に増加させる請求項1乃至5の何れかに記載のガス濃度センサのヒータ制御装置。
  7. ヒータ供給電力を制限するためのガード値を設定する手段を更に備え、前記供給電力抑制手段は、前記ガード値を強制的に小さくすることでヒータ供給電力を抑制する請求項1乃至6の何れかに記載のガス濃度センサのヒータ制御装置。
  8. 前記冷却条件判定手段は、前記排気管内を流れる排ガス流量の変化に基づいてセンサ冷却条件を判定する請求項1乃至7の何れかに記載のガス濃度センサのヒータ制御装置。
  9. 前記冷却条件判定手段は、車両又は内燃機関の運転状態に基づいて前記排気管内を流れる排ガス流量の変化を推測し、その排ガス流量の変化に基づいてセンサ冷却条件を判定する請求項1乃至7の何れかに記載のガス濃度センサのヒータ制御装置。
  10. 前記センサ素子は、固体電解質層と内部ガス室を形成する絶縁層とを積層して構成され、前記内部ガス室を挟んで前記固体電解質層と反対側に前記ヒータを配置した請求項1乃至9の何れかに記載のガス濃度センサのヒータ制御装置。
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