JP2005133711A - 排気管の接続方法 - Google Patents

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弘二 松岡
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Abstract

【課題】応力集中を防止し、簡単に接続できると共に、材質の制約を受けることなく作業環境も改善できる排気管の接続方法を得る。
【解決手段】排気管10の端を拡管して、徐々に拡管するテーパ管部12と、テーパ管部12に連接するストレート管部14を形成する。拡管加工した後、排気管10を所定の形状の屈曲形成する。そして、サブマフラ6の接続部20の外周にストレート管部14を装着する際に、テーパ管部12をチャック22により保持して圧入する。圧入後、ストレート管部14と接続部20との一部を重ね溶接してもよい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内燃機関の排気系に設けられる排気管とコンバータ又はマフラとを接続する排気管の接続方法に関する。
従来より、内燃機関の排気系は、特許文献1に示すように、排気の流れる方向に沿って、エギゾーストマニホールド、コンバータ、サブマフラ、メインマフラがこの順序で配置されると共に、各々が排気管で接続されている。排気管とコンバータ、排気管とサブマフラ、排気管とメインマフラのそれぞれは、溶接により接続していた。
特開2001−221043号公報
しかしながら、こうした従来の接続方法では、溶接箇所に応力が集中しやすく、十分な強度を持たせるために、排気管の板厚等に十分な厚さが必要となり、重量低減上の問題となっていた。また、排気の漏れを防止するために、排気管の全周を溶接しなければならず、加工に時間がかかるという問題もあった。更に、溶接により接続するために、排気管等の材質を溶接に適したものを選定しなければならず、排気管等の材質に制約を受けると共に、溶接作業時には、ガスが発生するので、作業環境上も好ましくないという問題があった。
本発明の課題は、応力集中を防止し、簡単に接続できると共に、材質の制約を受けることなく作業環境も改善できる排気管の接続方法を提供することにある。
かかる課題を達成すべく、本発明は課題を解決するため次の手段を取った。即ち、
内燃機関の排気系に設けられる排気管とコンバータ又はマフラとを接続する排気管の接続方法において、
前記排気管の端を拡管して、徐々に拡管するテーパ管部と、該テーパ管部に連接するストレート管部を形成し、前記コンバータ又は前記マフラの接続部に前記ストレート管部を装着する際に、前記テーパ管部をチャックにより保持して圧入することを特徴とする排気管の接続方法がそれである。前記マフラの両側に設けられた接続部に、それぞれ上流側の前記排気管の前記ストレート管部と下流側の前記排気管の前記ストレート管部とを同時に圧入してもよい。また、前記チャックは割型構造であるのが好ましい。更に、前記圧入後に、前記ストレート管部と前記コンバータ又は前記マフラの接続部との一部を溶接するようにしてもよい。
本発明の排気管の接続方法によると、接続強度を向上させることができ、また、加工時間を短縮できると共に、材質の制約を受けることなく作業環境も改善できるという効果を奏する。
以下本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図5に示すように、内燃機関1の排気系には、排気の流れる方向に向かって、エギゾーストマニホールド2、コンバータ4、サブマフラ6、メインマフラ8が、この順序で配置されている。また、コンバータ4とサブマフラ6及びサブマフラ6とメインマフラ8がそれぞれ排気管10,12により接続されると共に、メインマフラ8には最後尾の排気管13が接続されて、大気中に排気を放出するように配置されている。車両に搭載される内燃機関1の排気系は、車両の床下に配置されるので、コンバータ4、サブマフラ6、メインマフラ8の配置に応じて、各排気管10,12が複雑に屈曲形成されていると共に、その長手方向の長さも長い。
本実施形態のコンバータ4と排気管10の接続、排気管10とサブマフラ6との接続、サブマフラ6及びメインマフラ8と排気管11との接続、メインマフラ8と排気管13との接続が圧入により行われており、これらは同じ接続方法であるので、排気管10とサブマフラ6との接続方法について、詳細に説明する。
図1(イ)(ロ)に示すように、まず、素材としてのパイプを所定の長さに切断した排気管10の端を拡管加工する。拡管加工では、排気管10の径が徐々に拡大するテーパ管部12と、テーパ管部12に連接し排気管10の端にまで達するストレート管部14とを形成する。尚、排気管10は、拡管加工する前に、所定の形状に屈曲形成すればよい。
サブマフラ6は、サブマフラ6の外郭を形成する外管16と、外管16内に挿入された内管18とを備え、サブマフラ6の入口側及び出口側の接続部20は外管16が縮径されて、内管18の外周に密着された二重管構造となっている。この接続部20はストレート状に形成されている。
図1(ハ)に示すように、拡管加工後、排気管10のストレート管部14をサブマフラ6の接続部20に装着する。装着は圧入により行われ、圧入時には、排気管10のテーパ管部12をチャック22により保持する。本実施形態では、チャック22は、上型22aと下型22bとの割型構造のもので、上型22aと下型22bとを排気管10の径方向に移動して、これらを突き合わせたときにはテーパ管部12の外周を把持することができるように構成されている。
そして、排気管10とサブマフラ6とを相対的に移動して接近させ、図1(ニ)に示すように、排気管10のストレート管部14をサブマフラ6の接続部20の外周に圧入する。その際、例えば、ストレート管部14の外径が40〜60mm程度及び板厚が1〜2mm程度の場合、挿入代が20〜50mm程度となるように、予めストレート管部14の長さや接続部20の長さを形成する。また、圧入代(=接続部20の外径−ストレート管部14の内径)が0.6〜1.5mmとなるように、いわゆる締め代となるように、予めストレート管部14の内径や接続部20の外径を形成する。
圧入の際には、排気管10側では、テーパ管部12を介してチャック22で反力を受ける。テーパ管部12を介してチャック22で受けることにより、圧入代が大きくても、チャック22と排気管10との間で滑りが発生することがなく、また、排気管10が変形することがなく、圧入できる。しかも、圧入するだけなので、加工時間が短く、テーパ管部12をチャック22により保持するので、排気管10が長手方向に長く、屈曲形成されていても、容易に圧入できる。
また、図2に示すように、サブマフラ6の入口側と出口側の接続部20に同時に排気管10,11のストレート管部14を圧入するようにしてもよい。これにより、作業時間が更に短縮されると共に、圧入時の反力を両チャック22で受けられるので、サブマフラ6は簡単に保持する程度でよい。更に、図3に示すように、テーパ管部12をチャック22により把持することにより、排気管10の直径が変わっても、テーパ管部12の傾斜が共通であれば、同じチャック22を用いてテーパ管部12を把持することができる。
前述したように、ストレート管部14と接続部20とを圧入することにより、溶接することなく、排気管10とサブマフラ6とを接続することができる。他のコンバータ4やメインマフラ8でも同様であり、いわゆるテールパイプといわれる排気管13でも同じように圧入できる。
圧入により接続することにより、図4に示すように、溶接により接続した場合に比べて、その接続強度が向上する。図4は縦軸に接続箇所に加えた曲げモーメントの大きさを、横軸にその繰り返し回数を示したグラフである。圧入により接続した場合(実線)と、溶接により接続した場合(破線)とを示しており、強度で約1.8倍向上した。
また、適切な挿入代、圧入代とすることにより、圧入による接続により排気の漏れが生じることはない。前述したサブマフラ6のように、外管16の外側にストレート管部14を圧入することにより、サブマフラ6の外管16と内管18との間からの排気の漏れを招くこともない。しかも、圧入によるので、加工時間を短縮することができ、無溶接であるので、排気管10やサブマフラ6の板厚を低減でき、溶接時の有毒ガスの発生もない。
更に、図2に示すように、圧入後に、排気管10,11,13のストレート管部14とサブマフラ6の入口側と出口側の接続部20との一部を溶接により固定するようにしてもよい。溶接は、ストレート管部14の全周を溶接する必要はなく、周方向に沿って10〜20mm程度の長さの溶接ビード24,26を円周上に2箇所程度対称位置に形成できればよく、一部を溶接すれば足りる。また、レーザ溶接、スポット溶接、プラズマ溶接等により、ストレート管部14の外周側から、ストレート管部14を貫通して、接続部20に溶接する、重ね溶接を行えばよい。
ストレート管部14と接続部20との一部を重ね溶接により固定することにより、床下に配置されているコンバータ4、サブマフラ6、メインマフラ8が、地面上の岩等の突起に接触し、コンバータ4、サブマフラ6、メインマフラ8に外力が加わり、排気管10,11,13との間に引き抜き方向の作用力や回転力が働いても、ストレート管部14と接続部20とが外れたり、コンバータ4、サブマフラ6、メインマフラ8や排気管10,11,13が回転するのを防止する。
以上本発明はこの様な実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得る。
本発明の一実施形態としての排気管の接続方法の工程順を示す説明図である。 本実施形態のサブマフラの両側に排気管を接続する説明図である。 本実施形態のチャックとテーパ管部との関係を示す説明図である。 本実施形態の圧入による場合と溶接による場合との強度を比較したグラフである。 本実施形態の内燃機関の排気系を示す構成図である。
符号の説明
1…内燃機関
2…エギゾーストマニホールド 4…コンバータ
6…サブマフラ 8…メインマフラ
10,11,13…排気管 12…テーパ管部
14…ストレート管部 16…外管
18…内管 20…接続部
22…チャック

Claims (4)

  1. 内燃機関の排気系に設けられる排気管とコンバータ又はマフラとを接続する排気管の接続方法において、
    前記排気管の端を拡管して、徐々に拡管するテーパ管部と、該テーパ管部に連接するストレート管部を形成し、前記コンバータ又は前記マフラの接続部に前記ストレート管部を装着する際に、前記テーパ管部をチャックにより保持して圧入することを特徴とする排気管の接続方法。
  2. 前記マフラの両側に設けられた接続部に、それぞれ上流側の前記排気管の前記ストレート管部と下流側の前記排気管の前記ストレート管部とを同時に圧入することを特徴とする請求項1に記載の排気管の接続方法。
  3. 前記チャックは割型構造であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の排気管の接続方法。
  4. 前記圧入後に、前記ストレート管部と前記コンバータ又は前記マフラの接続部との一部を溶接することを特徴とする請求項1ないし請求項3に記載の排気管の接続方法。
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