JP2005133494A - 建設機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】 フレームに対して熱交換装置を取付け、取外しするときの作業性を高める。
【解決手段】 旋回フレーム5の底板5A1に、熱交換装置15が上,下方向に通過可能な長孔21を設け、この長孔21を通じて旋回フレーム5に対する熱交換装置15の取付け、取外しを行う構成とする。これにより、熱交換装置15の前部側が、キャブ14の後面部14Bに設けられた凹窪部14F内に収容されている場合でも、熱交換装置15の取付け、取外し作業を行うときの作業スペースを確保するために予めキャブ14、カウンタウエイト6等を旋回フレーム5から取外しておく必要がなく、熱交換装置15の取付け、取外しを行うときの作業性を高めることができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、例えば油圧ショベル等の建設機械に関し、特に、上部旋回体の旋回フレームに熱交換装置が設けられた建設機械に関する。
一般に、油圧ショベル等の建設機械は、自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体とにより大略構成されている。ここで、上部旋回体は、支持構造体をなす旋回フレームを有し、該旋回フレームの前部側には作業装置が設けられ、旋回フレームの後部側には作業装置との重量バランスをとるためのカウンタウエイトが設けられている。
そして、カウンタウエイトの前側にはエンジンが設けられ、該エンジンの前側で作業装置の側方には運転室を画成するキャブが設けられている。また、エンジンの側方でキャブとカウンタウエイトとの間には、エンジンの冷却水を冷却するラジエータ、油圧ショベルに搭載された油圧アクチュエータの作動油を冷却するオイルクーラ等からなる熱交換装置が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−341533号公報
一方、例えば狭い路地、山岳地等での掘削作業に用いるため、上部旋回体の後端部の旋回半径を小さくした後方超小旋回式の油圧ショベルが知られている。そして、この後方超小旋回式の油圧ショベルは、上部旋回体が下部走行体上で旋回するときに、カウンタウエイトの後端面が下部走行体の左,右の履帯幅の120%の寸法内に収まるように、カウンタウエイトがキャブに接近して配置され、かつ、カウンタウエイトの後端面が旋回中心を中心とした円弧状に形成されている。
従って、後方超小旋回式の油圧ショベルは、カウンタウエイトがキャブに接近して配置された分、エンジン、熱交換装置等を収容するためにカウンタウエイトとキャブとの間に形成される機器収容スペースが狭くなってしまう。
これに対し、他の従来技術による後方超小旋回式の油圧ショベルとして、キャブ内の居住スペースを大きく確保しつつ、キャブとカウンタウエイトとの間に形成される機器収容スペースを拡張するため、キャブの後面部の下側部位に、前方に向けて窪んだ凹窪部を設けたものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
実開平5−61246号公報
そして、他の従来技術による後方超小旋回式の油圧ショベルは、キャブの凹窪部内に熱交換装置の一部(前側部位)を収容することにより、カウンタウエイトとキャブの後面との間に形成される狭隘な機器収容スペースを有効に利用して熱交換装置を配置することができる構成となっている。
しかし、上述した他の従来技術による後方超小旋回式の油圧ショベルは、熱交換装置の一部(前側部位)が、キャブの後面部に形成された凹窪部内に収容されているので、保守、点検作業等を行うために熱交換装置を上方に持上げて旋回フレームから取外そうとしても、該熱交換装置の前部側がキャブの凹窪部に干渉してしまう。
このため、保守、点検作業等を行うために熱交換装置を旋回フレームから取外す場合、あるいは保守、点検作業等が終了した熱交換装置を再び旋回フレームに取付ける場合には、この作業スペースを確保するために、予め旋回フレームからキャブ、カウンタウエイト等を取外しておく必要がある。
このように、他の従来技術による後方超小旋回式の油圧ショベルは、旋回フレームに対して熱交換装置を取付け、取外しするときには、まず、熱交換装置の周囲に作業スペースを確保するため、旋回フレームからキャブ、カウンタウエイト等を取外す煩雑な前作業が必要となり、熱交換装置の取付け、取外し作業全体の作業性が著しく低下してしまうという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、旋回フレームに対して熱交換装置を取付け、取外しするときの作業性を高めることができるようにした建設機械を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するため本発明は、自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体とからなり、該上部旋回体は、支持構造体をなす旋回フレームと、該旋回フレームの前部側に設けられた作業装置と、該作業装置とバランスさせるために旋回フレームの後部側に設けられたカウンタウエイトと、該カウンタウエイトの前側に位置して旋回フレームに設けられたエンジンと、該エンジンの前側で作業装置の側方に位置して旋回フレームに設けられたキャブと、該キャブの後側でエンジンの側方に位置して旋回フレームに設けられた熱交換装置とを備えてなる建設機械に適用される。
そして、請求項1の発明の特徴は、旋回フレームには熱交換装置が上,下方向に通過可能な開口部を設け、旋回フレームに対する熱交換装置の取付け、取外しを開口部を通じて行う構成としたことにある。
請求項2の発明は、キャブの後部側には、カウンタウエイトとの間に形成される機器収容スペースを拡張するため前方に向けて窪んだ凹窪部を設け、熱交換装置は、その一部を該凹窪部内に収容する構成としたことにある。
請求項3の発明は、旋回フレームの下面側には開口部を閉塞する蓋体を着脱可能に取付け、該蓋体の上面側には熱交換装置を取付ける構成としたことにある。
請求項4の発明は、熱交換装置は、少なくともエンジンの冷却水を冷却するラジエータと、作動油を冷却するオイルクーラとを一体的に組付けることにより構成し、開口部はラジエータとオイルクーラとが一体化された状態で通過可能な大きさに形成したことにある。
請求項5の発明は、熱交換装置は、少なくともエンジンの冷却水を冷却するラジエータと、作動油を冷却するオイルクーラとを一体的に組付けることにより構成し、開口部はラジエータ、オイルクーラがそれぞれ単独で通過可能な大きさに形成したことにある。
請求項1の発明によれば、旋回フレームの開口部を通じて熱交換装置を旋回フレームの上面側から下面側へと通過させることにより、該熱交換装置を旋回フレームから容易に取外すことができ、また、旋回フレームの開口部を通じて熱交換装置を旋回フレームの下面側から上面側へと通過させることにより、該熱交換装置を旋回フレームに容易に取付けることができる。このため、熱交換装置の取付け、取外し作業を行うときの作業スペースを確保するために、予めキャブ、カウンタウエイト等を旋回フレームから取外しておく必要がなく、熱交換装置の取付け、取外し作業の作業性を高めることができる。
また、請求項2の発明によれば、キャブの後部側に前方に窪んだ凹窪部を設け、この凹窪部内に熱交換装置の一部を収容する構成となった後方超小旋回式の油圧ショベル等の建設機械においても、旋回フレームに設けた開口部を通じて熱交換装置を旋回フレームに対して取付け、取外しすることができる。従って、熱交換装置の周囲に作業スペースを確保するために予め旋回フレームからキャブ等を取外すといった煩雑な前作業を不要にでき、熱交換装置の取付け、取外し作業の作業性を高めることができる。
また、請求項3の発明によれば、開口部を閉塞する蓋体に熱交換装置を取付けることにより、旋回フレームの下面側に蓋体を取付けるときに同時に旋回フレームに対して熱交換装置を取付けることができ、旋回フレームの下面側から蓋体を取外すときに同時に旋回フレームから熱交換装置を取外すことができる。従って、旋回フレームに対する熱交換装置の取付け、取外し作業を一層容易に行うことができる。
また、請求項4の発明によれば、熱交換装置を構成するラジエータ、オイルクーラを一体化したまま、開口部を通じて旋回フレームに対して取付け、取外しすることができ、その作業性を高めることができる。
さらに、請求項5の発明によれば、熱交換装置を構成するラジエータ、オイルクーラ等を分離した状態で、これらラジエータ、オイルクーラをそれぞれ単独で開口部を通じて旋回フレームに対して取付け、取外しすることができる。この場合、旋回フレームの開口部を、ラジエータ、オイルクーラが単独で通過できる大きさに抑えることができるので、旋回フレームの強度を高めることができる。
以下、本発明に係る建設機械の実施の形態を後方超小旋回式の油圧ショベルに適用した場合を例に挙げ、図1ないし図14を参照しつつ詳細に説明する。まず、図1ないし図7は本発明の第1の実施の形態を示している。
図中、1は後方超小旋回式の油圧ショベルで、該油圧ショベル1は、自走可能な履帯式の下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3とにより大略構成され、該上部旋回体3の前部側には、土砂等の掘削作業を行う作業装置4が俯仰動可能に設けられている。そして、上部旋回体3は、後述の旋回フレーム5、カウンタウエイト6、エンジン7、キャブ14、熱交換装置15等により構成されている。
5は上部旋回体3のベースとなる旋回フレームで、該旋回フレーム5は、図3に示すように、左,右方向の中央部に位置して前,後方向に延びるセンタフレーム5Aと、該センタフレーム5Aの左,右両側に位置して前,後方向に延びる左,右のサイドフレーム5B,5Cと、左,右方向に延びてセンタフレーム5Aとサイドフレーム5B,5Cとの間を連結する複数の張出しビーム5Dとにより構成され、強固な支持構造体をなしている。
ここで、センタフレーム5Aは、厚肉な鋼板材等を用いてほぼ四角形状に形成された底板5A1と、該底板5A1上に立設され前,後方向に延びた左,右の縦板5A2,5A3とにより構成されている。そして、センタフレーム5Aを構成する各縦板5A2,5A3の前端側には、作業装置4のフート部が回動可能にピン結合され、各縦板5A2,5A3の後端側には、後述のカウンタウエイト6がボルト等を用いて取付けられる構成となっている。また、センタフレーム5Aを構成する底板5A1の後部左側には、後述の長孔21が形成されている。
6は旋回フレーム5の後端側に設けられたカウンタウエイトで、該カウンタウエイト6は、旋回フレーム5を構成する左,右の縦板5A2,5A3の後端側にボルト等を用いて取付けられ、作業装置4との重量バランスをとるものである。
ここで、後方超小旋回式の油圧ショベル1は、上部旋回体3が旋回動作を行うときに、カウンタウエイト6の後面が常に下部走行体2の左,右の履帯幅の120%の寸法内に収まる必要がある。このため、図2に示すように、カウンタウエイト6は、後述のキャブ14に接近した位置に配置され、かつ、カウンタウエイト6の後面は、上部旋回体3の旋回中心Oを中心とした半径Rの円弧面として形成されている。
7はカウンタウエイト6の前側に位置して旋回フレーム5上に搭載されたエンジンで、該エンジン7は、旋回フレーム5の各縦板5A2,5A3上に左,右方向に延在する横置き状態で取付けられている。ここで、エンジン7の右側には油圧ポンプ8が取付けられ、該油圧ポンプ8は、エンジン7によって駆動されることにより走行装置の油圧モータ、旋回装置の油圧モータ(いずれも図示せず)、作業装置4に設けられた油圧シリンダ等の各種油圧アクチュエータに作動油(圧油)を供給するものである。また、エンジン7の左側には冷却ファン9が取付けられ、該冷却ファン9は、エンジン7によって回転駆動されることにより後述の熱交換装置15に向けて冷却風を供給するものである。
10はカウンタウエイト6の前側から後述するキャブ14の右側に亘って旋回フレーム5上に配設された外装カバーで、該外装カバー10は、旋回フレーム5上に機器収容スペース11を画成するものである。そして、外装カバー10は、図2に示すように、カウンタウエイト6の前側に位置して左,右方向に延び、エンジン7、後述の熱交換装置15等を覆う後カバー10Aと、キャブ14の右側に位置して前,後方向に延び、燃料タンク12、作動油タンク13等を覆う右カバー10Bとにより大略構成されている。
14はエンジン7の前側に位置して作業装置4の左側に設けられたキャブで、該キャブ14は、前面部14A、後面部14B、左側面部14C、右側面部14D、上面部14E等によって囲まれた箱状に形成され、運転室を画成するものである。ここで、キャブ14の後側にはカウンタウエイト6が接近して配置されているため、両者間に形成される機器収容スペース11が小さくなっている。
これに対し、図4に示すように、キャブ14の後面部14Bの下側部位には、カウンタウエイト6との間に形成される機器収容スペース11を拡張するため、前方に向けて窪んだ凹窪部14Fが形成され、該凹窪部14F内には後述する熱交換装置15の前側部分が収容される構成となっている。一方、キャブ14の後面部14Bの上側部位には、後方に向けて張出す張出し部14Gが形成され、この張出し部14Gによってキャブ14内の居住スペースを大きく確保し、居住性を高めることができる構成となっている。
15はキャブ14の後側でエンジン7の左側に配設された熱交換装置で、該熱交換装置15は、図6に示すように、旋回フレーム5の底板5A1に固着された断面コ字状の支持台16上に複数のボルト17を用いて固定され、冷却ファン9と対面して配置されている。そして、熱交換装置15は、後述のラジエータ18とオイルクーラ19とを一体的に組付けることにより構成され、カウンタウエイト6とキャブ14との間の機器収容スペース11内に収容されている。
18は冷却ファン9と対面して設けられたラジエータで、該ラジエータ18は、エンジン冷却水が流通する複数の流通管及び多数の放熱フィン(いずれも図示せず)を備えた放熱部18Aを有している。そして、ラジエータ18は、冷却ファン9による冷却風が放熱部18Aを通過するときに、エンジン冷却水の熱を冷却風中に放熱することにより、該エンジン冷却水を冷却するものである。
19はラジエータ18と共に熱交換装置15を構成するオイルクーラで、該オイルクーラ19は、ボルト等を用いてラジエータ18に一体的に固定されている。ここで、オイルクーラ19は、各油圧アクチュエータからの戻り油が流通する複数の流通管及び多数の放熱フィン(いずれも図示せず)を備えた放熱部19Aを有している。そして、オイルクーラ19は、冷却ファン9による冷却風が放熱部19Aを通過するときに、各油圧アクチュエータからの戻り油の熱を冷却風中に放熱することにより作動油を冷却するものである。
ここで、図4に示すように、ラジエータ18、オイルクーラ19によって構成された熱交換装置15の前部側は、キャブ14の後面部14Bに形成された凹窪部14F内に収容されている。これにより、カウンタウエイト6とキャブ14との間に形成された機器収容スペース11を拡張し、熱交換装置15を配置することができる構成となっている。
なお、本実施の形態では、熱交換装置15を構成するラジエータ18とオイルクーラ19のうち、ラジエータ18を冷却ファン9側に配置した場合を例示しているが、これとは逆にオイルクーラ19を冷却ファン9側に配置する構成としてもよいものである。
20は冷却ファン9と熱交換装置15との間に設けられたシュラウドで、該シュラウド20は、冷却ファン9を外周側から覆う筒状をなし、例えば熱交換装置15側に取付けられている。そして、シュラウド20は、冷却ファン9の回転によって機器収容スペース11内に導入された冷却風を、ラジエータ18の放熱部18A、オイルクーラ19の放熱部19Aへと導くものである。
21は旋回フレーム5に形成された開口部としての長孔で、該長孔21は、図3ないし図6に示すように、センタフレーム5Aを構成する底板5A1のうち、熱交換装置15を挟んで冷却ファン9とは反対側(支持台16の左側)となる部位に形成されている。ここで、長孔21は、支持台16に沿って前,後方向に延びるように底板5A1に穿設された長方形の貫通孔として形成され、前,後方向の長さ寸法Aは熱交換装置15の長さ寸法aよりも大きく、左,右方向の幅寸法Bは熱交換装置15の幅寸法bよりも大きく設定されている。
そして、長孔21は、図7に示すように、ラジエータ18とオイルクーラ19とを一体的に組付けた熱交換装置15を、旋回フレーム5(底板5A1)の上面側と下面側との間で上,下方向に通過させるものである。これにより、例えば熱交換装置15の保守、点検等を行うために該熱交換装置15を旋回フレーム5から取外すときには、熱交換装置15を長孔21を通じて旋回フレーム5の下面側へと下ろすことができ、保守、点検等が終了した熱交換装置15を再び旋回フレーム5に取付けるときには、熱交換装置15を長孔21を通じて旋回フレーム5の上面側へと持上げることができる構成となっている。
22は旋回フレーム5の下面側に着脱可能に取付けられた蓋体で、該蓋体22は、例えば鋼板材等を用いて長孔21よりも一回り大きな長方形の平板状に形成されている。そして、蓋体22は、旋回フレーム5を構成する底板5A1の下面にボルト23を用いて取付けられることにより、長孔21を閉塞するものである。
本実施の形態による後方超小旋回式の油圧ショベル1は上述の如き構成を有するもので、次に、熱交換装置15の保守、点検等を行うため、該熱交換装置15を旋回フレーム5から取外す作業について説明する。
まず、エンジン7、熱交換装置15等を覆う後カバー10Aを旋回フレーム5の上方から取外し、熱交換装置15の上方に作業スペースを形成する。一方、旋回フレーム5の底板5A1の下面から蓋体22を取外し、長孔21を開放する。
そして、熱交換装置15に取付けられたシュラウド20を取外すと共に、熱交換装置15を構成するラジエータ18、オイルクーラ19に接続された配管類(図示せず)を取外した状態で、支持台16に熱交換装置15を固定している各ボルト17を取外す。
この状態で、ラジエータ18とオイルクーラ19とを一体化したままで熱交換装置15を支持台16から長孔21の上方へと移動させた後、図7に示すように、長孔21を通過させることにより、該長孔21を通じて熱交換装置15を旋回フレーム5の下方へと下ろすことができる。
かくして、熱交換装置15の前部側がキャブ14の凹窪部14F内に収容されることにより、該熱交換装置15を旋回フレーム5から上方に持上げることができない場合でも、キャブ14やカウンタウエイト6を旋回フレーム5から取外すといった煩雑な前作業を行うことなく、熱交換装置15を長孔21を通じて旋回フレーム5の下方へと取外すことができ、このときの作業性を高めることができる。
一方、旋回フレーム5から取外した熱交換装置15に対する保守、点検作業が終了した後には、上述した手順とは逆に、熱交換装置15を長孔21を通じて旋回フレーム5の上方へと持上げ、支持台16上に載置した後、ボルト17を用いて熱交換装置15を支持台16に固定する。
そして、熱交換装置15を構成するラジエータ18、オイルクーラ19に配管類(図示せず)を接続し、熱交換装置15にシュラウド20を取付けた後、蓋体22を旋回フレーム5の底板5A1に取付けることにより長孔21を閉塞する。
かくして、本実施の形態によれば、旋回フレーム5の底板5A1に、熱交換装置15が上,下方向に通過可能な長孔21を設け、この長孔21を通じて旋回フレーム5に対する熱交換装置15の取付け、取外しを行う構成としている。これにより、熱交換装置15の前部側が、キャブ14の後面部14Bに設けられた凹窪部14F内に収容されている場合でも、熱交換装置15の取付け、取外し作業を行うときの作業スペースを確保するために、予めキャブ14、カウンタウエイト6等を旋回フレーム5から取外しておく必要がない。従って、本実施の形態による後方超小旋回式の油圧ショベル1は、旋回フレーム5に対して熱交換装置15を取付け、取外すときの作業性を著しく高めることができる。
次に、図8は本発明の第2の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、旋回フレームの開口部を閉塞する蓋体の上面側に熱交換装置を取付ける構成としたことにある。なお、本実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図中、31は第1の実施の形態による蓋体22に代えて本実施の形態に用いた蓋体で、該蓋体31は、第1の実施の形態による蓋体22と同様に、旋回フレーム5の底板5A1に形成された長孔21を閉塞するものである。しかし、蓋体31の上面側には、後述の支持台32を介して熱交換装置15が取付けられている。
ここで、蓋体31は、第1の実施の形態による蓋体22よりも厚肉な鋼板材等を用いて長孔21よりも一回り大きな長方形の平板状に形成されている。そして、蓋体31は、旋回フレーム5を構成する底板5A1の下面にボルト23を用いて着脱可能に取付けられるものである。
32は蓋体31の上面31Aに固着された支持台で、該支持台32は、長孔21よりも一回り小さなコ字状の断面形状をもって前,後方向に延び、その上面には、複数のボルト17を用いて熱交換装置15が固定される構成となっている。
従って、蓋体31の上面31A側には、支持台32を介して熱交換装置15が取付けられており、蓋体31を旋回フレーム5の底板5A1に取付けて長孔21を閉塞した状態では、熱交換装置15が冷却ファン9と対面した位置に固定される構成となっている。
本実施の形態は上述の如き構成を有するもので、旋回フレーム5に対する熱交換装置15の取付け、取外しを、旋回フレーム5に設けた長孔21を通じて容易に行うことができる基本的な作用については、上述した第1の実施の形態と格別差異はない。
然るに、本実施の形態によれば、長孔21を閉塞するために旋回フレーム5の底板5A1に着脱可能に取付けられる蓋体31の上面31A側に、支持台32を介して熱交換装置15を取付ける構成としている。
このため、旋回フレーム5の底板5A1から蓋体31を取外すだけで、この蓋体31と一緒に熱交換装置15を旋回フレーム5から取外すことができ、かつ、旋回フレーム5の底板5A1に蓋体31を取付けるだけで、同時に熱交換装置15を旋回フレーム5に取付けることができる。従って、本実施の形態によれば、旋回フレーム5に対して熱交換装置15を取付け、取外しするときの作業性を一層高めることができる。
次に、図9及び図10は本発明の第3の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、旋回フレームの開口部を、熱交換装置を構成するラジエータ、オイルクーラがそれぞれ単独で通過できる大きさに形成したことにある。なお、本実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図中、41は第1の実施の形態による長孔21に代えて本実施の形態に用いた開口部としての長孔で、該長孔41は、第1の実施の形態による長孔21と同様に、旋回フレーム5の底板5A1に穿設された長方形の貫通孔からなっている。
ここで、長孔41の前,後方向の長さ寸法A′は、第1の実施の形態による長孔21の長さ寸法Aとほぼ等しく、熱交換装置15の長さ寸法aよりも大きく設定されている。また、長孔41の左,右方向の幅寸法B′は、第1の実施の形態による長孔21の幅寸法Bよりも小さく、熱交換装置15の幅寸法bよりも小さく設定されている。しかし、長孔41の幅寸法B′は、熱交換装置15を構成するラジエータ18とオイルクーラ19とを分離したときに、これらラジエータ18単体の幅寸法b1、オイルクーラ19の単体の幅寸法b2よりも大きく設定されている。
従って、熱交換装置15をラジエータ18とオイルクーラ19とに分離することにより、図10中に二点鎖線で示すように、これらラジエータ18とオイルクーラ19とを、それぞれ単独で長孔41を通過させることができる構成となっている。これにより、長孔41の幅寸法B′を可及的に小さく設定することができ、旋回フレーム5の強度を高めることができる構成となっている。
本実施の形態は上述の如き構成を有するもので、熱交換装置15を旋回フレーム5から取外す場合には、まず、熱交換装置15をラジエータ18とオイルクーラ19とに分離する。そして、ラジエータ18のみを支持台16から取外し、単独で長孔41を通過させることにより、該長孔41を通じてラジエータ18を旋回フレーム5の下方へと下ろすことができる。また、オイルクーラ19のみを支持台16から取外し、単独で長孔41を通過させることにより、該長孔41を通じてオイルクーラ19を旋回フレーム5の下方へと下ろすことができる。
そして、旋回フレーム5から取外したラジエータ18、オイルクーラ19に対する保守、点検作業が終了した後には、上述した手順とは逆に、ラジエータ18、オイルクーラ19を、それぞれ単独で長孔41を通じて旋回フレーム5の上方へと持上げる。そして、分離されたラジエータ18とオイルクーラ19とを一体的に組付けて熱交換装置15を構成し、該熱交換装置15を支持台16に固定する。
かくして、本実施の形態によれば、旋回フレーム5の底板5A1に設けた長孔41を通じて、熱交換装置15を構成するラジエータ18、オイルクーラ19を、それぞれ単独で旋回フレーム5に対して取付け、取外しすることができる。従って、これらラジエータ18、オイルクーラ19の取付け、取外し作業を行うときの作業スペースを確保するために、予めキャブ14、カウンタウエイト6等を旋回フレーム5から取外しておく必要がなく、ラジエータ18、オイルクーラ19を取付け、取外すときの作業性を高めることができる。
しかも、本実施の形態によれば、熱交換装置15を構成するラジエータ18とオイルクーラ19とを、それぞれ単独で長孔41を通過させることにより、旋回フレーム5に形成される長孔41を可及的に小さくすることができ、旋回フレーム5の強度を高めることができる。
なお、上述した第1の実施の形態では、旋回フレーム5の底板5A1に穿設された長方形の長孔21によって開口部を構成した場合を例示している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば図11に示す第1の変形例のように、底板5A1の左端縁部を熱交換装置15側にコ字状に切欠くことにより形成された切欠部51によって開口部を構成してもよい。
また、上述した第1の実施の形態では、旋回フレーム5の底板5A1に形成される長孔21を、熱交換装置15を挟んで冷却ファン9とは反対側(支持台16の左側)となる部位に形成している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば図12に示す第2の変形例のように、底板5A1のうち熱交換装置15と冷却ファン9との間となる部位に長孔21を設ける構成としてもよい。
また、上述した第1の実施の形態では、旋回フレーム5の底板5A1のうち熱交換装置15を支持する支持台16から左側にずれた位置に、熱交換装置15が通過可能な長方形の長孔21を設けた場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図13に示す第3の変形例のように、底板5A1にボルト締めされる4個のブラケット16A′を備えた支持台16′を用い、この支持台16′よりも一回り大きな形状を有するほぼH型の長孔21′を底板5A1に形成する構成としてもよい。この場合には、支持台16′を左,右方向に僅かにずらすだけで長孔21′に容易に位置合わせすることができ、支持台16′と熱交換装置15とを一緒に、長孔21′を通じて旋回フレーム5から下方に取外すことができる。
また、上述した第3の実施の形態では、熱交換装置15を構成するラジエータ18、オイルクーラ19を単独で通過させる長孔41を、旋回フレーム5の底板5A1に1個設けた場合を例示している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば図14に示す第4の変形例のように、ラジエータ18を単独で通過させる長孔41と、オイルクーラ19を単独で通過させる長孔41′とからなる2個の長孔41,41′を設ける構成としてもよい。
また、上述した各実施の形態では、熱交換装置15をラジエータ18とオイルクーラ19とによって構成した場合を例示している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば図6中に二点鎖線で示すように、空気調和装置の冷媒(被冷却流体)を冷却するためのコンデンサ、ターボ過給機によって圧縮された圧縮空気(被冷却流体)を冷却するためのインタクーラ等を含む熱交換装置51を構成してもよい。
さらに、上述した実施の形態では、建設機械として油圧ショベル1を例に挙げている。しかし、本発明はこれに限らず、例えば油圧クレーン、ホイールローダ等の他の建設機械にも広く適用することができる。
本発明の実施の形態が適用された油圧ショベルを示す正面図である。 作業装置を取外した状態で油圧ショベルを上方からみた平面図である。 油圧ショベルの旋回フレームをエンジン、熱交換装置等を取付けた状態で示す平面図である。 キャブに設けた凹窪部と熱交換装置との位置関係を一部破断にして示す拡大正面図である。 図3中の熱交換装置、長孔等の要部を拡大して示す要部拡大の平面図である。 旋回フレーム、熱交換装置、長孔等を図5中の矢示VI−VI方向からみた断面図である。 旋回フレームから取外した熱交換装置が長孔を通過する状態を示す図6と同様な断面図である。 第2の実施の形態による旋回フレーム、熱交換装置、長孔、蓋体等を示す図6と同様な断面図である。 第3の実施の形態による旋回フレーム、熱交換装置、長孔等を示す図5と同様な要部拡大の平面図である。 第3の実施の形態による旋回フレーム、熱交換装置、長孔等を図9中の矢示X−X方向からみた断面図である。 第1の変形例による旋回フレーム、熱交換装置、切欠部等を示す要部拡大の平面図である。 第2の変形例による旋回フレーム、熱交換装置、長孔等を示す断面図である。 第3の変形例による旋回フレーム、熱交換装置、長孔等を示す要部拡大の平面図である。 第4の変形例による旋回フレーム、熱交換装置、長孔等を示す断面図である。
符号の説明
2 下部走行体
3 上部旋回体
4 作業装置
5 旋回フレーム(フレーム)
6 カウンタウエイト
7 エンジン
11 機器収容スペース
14 キャブ
14B 後面部
14F 凹窪部
15 熱交換装置
18 ラジエータ
19 オイルクーラ
21,21′,41,41′ 長孔(開口部)
22,31 蓋体
51 切欠部(開口部)

Claims (5)

  1. 自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体とからなり、該上部旋回体は、支持構造体をなす旋回フレームと、該旋回フレームの前部側に設けられた作業装置と、該作業装置とバランスさせるために前記旋回フレームの後部側に設けられたカウンタウエイトと、該カウンタウエイトの前側に位置して前記旋回フレームに設けられたエンジンと、該エンジンの前側で前記作業装置の側方に位置して前記旋回フレームに設けられたキャブと、該キャブの後側で前記エンジンの側方に位置して前記旋回フレームに設けられた熱交換装置とを備えてなる建設機械において、
    前記旋回フレームには前記熱交換装置が上,下方向に通過可能な開口部を設け、前記旋回フレームに対する前記熱交換装置の取付け、取外しを該開口部を通じて行う構成としたことを特徴とする建設機械。
  2. 前記キャブの後部側には、前記カウンタウエイトとの間に形成される機器収容スペースを拡張するため前方に向けて窪んだ凹窪部を設け、前記熱交換装置は、その一部を該凹窪部内に収容する構成としてなる請求項1に記載の建設機械。
  3. 前記旋回フレームの下面側には前記開口部を閉塞する蓋体を着脱可能に取付け、該蓋体の上面側には前記熱交換装置を取付ける構成としてなる請求項1または2に記載の建設機械。
  4. 前記熱交換装置は、少なくとも前記エンジンの冷却水を冷却するラジエータと、作動油を冷却するオイルクーラとを一体的に組付けることにより構成し、前記開口部は前記ラジエータとオイルクーラとが一体化された状態で通過可能な大きさに形成してなる請求項1,2または3に記載の建設機械。
  5. 前記熱交換装置は、少なくとも前記エンジンの冷却水を冷却するラジエータと、作動油を冷却するオイルクーラとを一体的に組付けることにより構成し、前記開口部は前記ラジエータ、オイルクーラがそれぞれ単独で通過可能な大きさに形成してなる請求項1,2または3に記載の建設機械。
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