JP2005133336A - 鋼管柱とh形鋼梁の接合構造とその接合施工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】鋼管柱とH形鋼梁の高力ボルト接合構造において、上下階で柱サイズの使い分けによる柱材の軽量化、低コスト化を可能にするとともに、特殊ボルトや難易度の高い施工技術を用いることなく、例えばトルシア型高力ボルトと簡易な施工技術を用いて、安価に実現可能な鋼管柱とH形鋼梁の高力ボルト接合構造とその接合施工方法を提供する。
【解決手段】上下の鋼管柱を梁接合部を有する通しダイアフラム2を介して接合してなり、H形鋼梁5の一方のフランジを、通しダイアフラム2の梁接合部に高力ボルト6接合し、他方のフランジをT形金物3を介して鋼管柱に高力ボルト6接合したことを特徴とする鋼管柱とH形鋼梁5の高力ボルト接合構造と、鋼管柱とT形金物3を高力ボルト接合する場合、T形金物3を接合する鋼管柱の内側で、ボルトの挿入や、ナット7の螺合・仮締め作業を鋼管柱1の開口端(接合端)からの手作業で容易に行える施工方法である。
【選択図】図1
【解決手段】上下の鋼管柱を梁接合部を有する通しダイアフラム2を介して接合してなり、H形鋼梁5の一方のフランジを、通しダイアフラム2の梁接合部に高力ボルト6接合し、他方のフランジをT形金物3を介して鋼管柱に高力ボルト6接合したことを特徴とする鋼管柱とH形鋼梁5の高力ボルト接合構造と、鋼管柱とT形金物3を高力ボルト接合する場合、T形金物3を接合する鋼管柱の内側で、ボルトの挿入や、ナット7の螺合・仮締め作業を鋼管柱1の開口端(接合端)からの手作業で容易に行える施工方法である。
【選択図】図1
Description
本発明は、鋼構造建築物を構築する際の鋼管柱とH形鋼梁の接合構造およびその施工方法に関するものである。
近年、柱材として、例えば中空断面を有する角形鋼管柱(板材や形材を溶接加工して得られるものを含む)を用い、梁材としてH形鋼梁(板材や形材を溶接加工して得られたものを含む)を用いた両方向ラーメン構造が多用されており、例えば、両方向ラーメン構造を得るための鋼管柱とH形鋼梁との接合構造としては、
(1)角形鋼管柱をH形鋼の上下フランジレベルで切断し、そこにダイアフラムプレートを挟み込んで再接合し、現場で梁をボルト接合するためのH形鋼ブラケットをダイアフラムおよび柱に溶接し、このH形鋼ブラケットにH形鋼梁を添板を介してボルト接合する、ダイアフラム形式の接合構造が一般に知られている。
このような通しダイアフラム形式の接合構造においては、ダイアフラムとH形鋼ブラケットの梁フランジ溶接部は最も大きな応力が作用する部分であり、ここに溶接部がある場合、形状的な不連続性や溶接品質に起因して鉄骨が破壊する可能性がある。また、ダイアフラム、ブラケット形成のための切断加工や溶接作業負担が大きいという問題がある。
(1)角形鋼管柱をH形鋼の上下フランジレベルで切断し、そこにダイアフラムプレートを挟み込んで再接合し、現場で梁をボルト接合するためのH形鋼ブラケットをダイアフラムおよび柱に溶接し、このH形鋼ブラケットにH形鋼梁を添板を介してボルト接合する、ダイアフラム形式の接合構造が一般に知られている。
このような通しダイアフラム形式の接合構造においては、ダイアフラムとH形鋼ブラケットの梁フランジ溶接部は最も大きな応力が作用する部分であり、ここに溶接部がある場合、形状的な不連続性や溶接品質に起因して鉄骨が破壊する可能性がある。また、ダイアフラム、ブラケット形成のための切断加工や溶接作業負担が大きいという問題がある。
(2)また、上下ダイアフラムプレートに梁フランジ接合用の突出部を設け、上下の突出部間に梁ウエブ接合用のウエブプレートを設けた一体型のブラケットを形成し、このブラケットにH形鋼梁を溶接するダイアフラム形式の接合構造も発案されている。このダイアフラム形式の接合構造においては、ダイアフラムとH形鋼ブラケットの梁フランジ溶接部がなくなった点において、この部分での耐破断性能は向上する。
しかし、ブラケット部が溶接組み立てされるため、その組み立て精度やこのブラケットに接合されるH形鋼梁の形状精度によっては、両者の接合面にずれが生じる可能性があり、その場合、安定した接合部形成が困難という問題がある。また、ダイアフラム、ブラケット形成のため切断加工や溶接作業に加え、ブラケットと梁の溶接作業負担が大きいという問題もある。
(3)また、図12、図13に示すように、ダイアフラムやブラケットを用いず、角形鋼管柱1にT形金物3を、高力ボルト4で接合し、このT形金物3にH形鋼梁5を高力ボルト4で接合して溶接負担を軽減する、溶接レスの接合構造も実用化されている。
ただし、柱の内部に手が入らないため、柱1とT形金物3との接合にはワンサイドボルトのような特殊なボルトを用いるか、事前に特殊な方法で柱内部にボルトやナットを設置しておく必要がある。
また、一般に柱は上階側になるほど地震時の作用力が小さくなるので、径を小さくしたり板厚を薄くすることができるが、柱を切断しない接合構造であるため上下階の柱の断面を同じとせざるを得ず、柱の重量を軽減できないという問題もある。
特開2002−266830号公報 (頭締め高力ボルトの構造例を記載)
しかし、ブラケット部が溶接組み立てされるため、その組み立て精度やこのブラケットに接合されるH形鋼梁の形状精度によっては、両者の接合面にずれが生じる可能性があり、その場合、安定した接合部形成が困難という問題がある。また、ダイアフラム、ブラケット形成のため切断加工や溶接作業に加え、ブラケットと梁の溶接作業負担が大きいという問題もある。
(3)また、図12、図13に示すように、ダイアフラムやブラケットを用いず、角形鋼管柱1にT形金物3を、高力ボルト4で接合し、このT形金物3にH形鋼梁5を高力ボルト4で接合して溶接負担を軽減する、溶接レスの接合構造も実用化されている。
ただし、柱の内部に手が入らないため、柱1とT形金物3との接合にはワンサイドボルトのような特殊なボルトを用いるか、事前に特殊な方法で柱内部にボルトやナットを設置しておく必要がある。
また、一般に柱は上階側になるほど地震時の作用力が小さくなるので、径を小さくしたり板厚を薄くすることができるが、柱を切断しない接合構造であるため上下階の柱の断面を同じとせざるを得ず、柱の重量を軽減できないという問題もある。
本発明は、鋼管柱とH形鋼梁の接合構造において、従来のボルト接合構造での問題点を有利に解消するものであり、より具体的には、鋼管柱とT形金物の接合に難易度の高い施工技術を用いることなく、例えば、トルシア型高力ボルトと簡易な施工技術を用いて安価に実現可能であり、また、上下階で柱サイズの使い分けによる柱材の軽量化、低コスト化も可能にする鋼管柱とH形鋼梁の接合構造と接合施工方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記の目的を達成するために、以下の(1)〜(8)を要旨とするものである。
(1) 鋼管柱とH形鋼梁の接合構造において、H形鋼梁の一方のフランジを、梁接合部を有する通しダイアフラムに高力ボルト接合し、H形鋼梁の他方のフランジを、T形金物を介して鋼管柱に高力ボルト接合したことを特徴とする鋼管柱とH形鋼梁の接合構造。
(2) (1)において、鋼管柱とT形金物側のいずれか一方または双方のボルト孔が、梁せい方向の孔径をボルト軸径より(10〜50%程度)過大径にした長孔もしくは過大孔とし、T形金物の位置を梁せい方向で調整可能としたことを特徴とする鋼管柱とH形鋼梁の接合構造。
(3) (1)または(2)の接合構造を構成する鋼管柱であって、通しダイアフラムを溶接する前に、鋼管柱の開口端からの手作業で、内部に高力ボルトを挿入し、ボルト孔からその先端部を鋼管柱の外側に当接したT形金物のボルト孔から外部に突出させてナットを仮締めしてから通しダイアフラムおよびそれにつながる柱を溶接接合したことを特徴とする鋼管柱。
(4) (1)または(2)の接合構造を得るための接合施工方法であって、現場で、(3)の鋼管柱の通しダイアフラムの梁接合部とT形金物の間に、H形鋼梁を挿入して、H形鋼梁の一方のフランジを通しダイアフラムの梁接合部に高力ボルト接合してから、H形鋼梁の他方のフランジをT形金物に高力ボルトで接合し、同時に、仮締めしておいた鋼管柱とT形金物を本締めして締結することを特徴とする鋼管柱とH形鋼梁の接合施工方法。
(1) 鋼管柱とH形鋼梁の接合構造において、H形鋼梁の一方のフランジを、梁接合部を有する通しダイアフラムに高力ボルト接合し、H形鋼梁の他方のフランジを、T形金物を介して鋼管柱に高力ボルト接合したことを特徴とする鋼管柱とH形鋼梁の接合構造。
(2) (1)において、鋼管柱とT形金物側のいずれか一方または双方のボルト孔が、梁せい方向の孔径をボルト軸径より(10〜50%程度)過大径にした長孔もしくは過大孔とし、T形金物の位置を梁せい方向で調整可能としたことを特徴とする鋼管柱とH形鋼梁の接合構造。
(3) (1)または(2)の接合構造を構成する鋼管柱であって、通しダイアフラムを溶接する前に、鋼管柱の開口端からの手作業で、内部に高力ボルトを挿入し、ボルト孔からその先端部を鋼管柱の外側に当接したT形金物のボルト孔から外部に突出させてナットを仮締めしてから通しダイアフラムおよびそれにつながる柱を溶接接合したことを特徴とする鋼管柱。
(4) (1)または(2)の接合構造を得るための接合施工方法であって、現場で、(3)の鋼管柱の通しダイアフラムの梁接合部とT形金物の間に、H形鋼梁を挿入して、H形鋼梁の一方のフランジを通しダイアフラムの梁接合部に高力ボルト接合してから、H形鋼梁の他方のフランジをT形金物に高力ボルトで接合し、同時に、仮締めしておいた鋼管柱とT形金物を本締めして締結することを特徴とする鋼管柱とH形鋼梁の接合施工方法。
(5) (1)または2の接合構造を構成する鋼管柱であって、通しダイアフラムを溶接する前に、鋼管柱の開口端からの手作業で、ナット(座金)をボルト孔位置に共回り防止策を講じて固定してから通しダイアフラムおよびそれにつながる柱を溶接接合したことを特徴とするナット内設鋼管柱。
(6) (1)または(2)の接合構造を得るための接合施工方法であって、(5)のナット内設鋼管柱の通しダイアフラムの梁接合部に、他方のフランジにT形金物を高力ボルトで仮締めしたH形鋼梁の一方のフランジを高力ボルト接合し、同時に、鋼管柱に梁の他方のフランジのT形金物を当接して、その外部側からボルト孔に挿入した頭締め高力ボルトと鋼管柱の内部に固定したナットを螺合して締結し、仮締めしておいたH形鋼梁の他方のフランジとT形金物を本締めして締結することを特徴とする鋼管柱とH形鋼梁の接合施工方法。
(6) (1)または(2)の接合構造を得るための接合施工方法であって、(5)のナット内設鋼管柱の通しダイアフラムの梁接合部に、他方のフランジにT形金物を高力ボルトで仮締めしたH形鋼梁の一方のフランジを高力ボルト接合し、同時に、鋼管柱に梁の他方のフランジのT形金物を当接して、その外部側からボルト孔に挿入した頭締め高力ボルトと鋼管柱の内部に固定したナットを螺合して締結し、仮締めしておいたH形鋼梁の他方のフランジとT形金物を本締めして締結することを特徴とする鋼管柱とH形鋼梁の接合施工方法。
(7) 複数の(3)の鋼管柱または複数の(5)のナット内設鋼管柱を、通しダイヤフラムを介して溶接して一方の鋼管柱ユニットとし、これを施工現場に搬送して他方の鋼管柱ユニットと高力ボルト接合する鋼管柱の接合施工方法において、一方の鋼管柱ユニットの上端部側の鋼管柱の通しダイアフラムに、他方の鋼管柱ユニットの下端部側の鋼管柱と同じ製造ロットの短寸の鋼管柱を溶接しておき、施工現場で、短寸の鋼管柱と他方の鋼管柱ユニットの下端部側の鋼管柱を、添板を介して高力ボルト接合することを特徴とする鋼管柱の現場接合工法。
(8) (4)または(6)において、高力ボルトとして締め付けトルクを管理可能なトルシア型高力ボルトを使用する場合において、T形金物と鋼管柱を接合する高力ボルトセット(ボルト・ナット・座金)の全てもしくはいずれかに対して、鋼管柱とT形金物を本締めするまでの過程で、トルク係数値が変化しないように、防錆(潤滑)処理することを特徴とする鋼管柱とH形鋼梁の接合施工方法。
(8) (4)または(6)において、高力ボルトとして締め付けトルクを管理可能なトルシア型高力ボルトを使用する場合において、T形金物と鋼管柱を接合する高力ボルトセット(ボルト・ナット・座金)の全てもしくはいずれかに対して、鋼管柱とT形金物を本締めするまでの過程で、トルク係数値が変化しないように、防錆(潤滑)処理することを特徴とする鋼管柱とH形鋼梁の接合施工方法。
本発明による鋼管柱とH形鋼梁の高力ボルト接合構造においては、接合する上下の鋼管柱を、通しダイアフラムを介して接合するものであり、鋼管柱を接合する前に、T形金物を接合する側の鋼管柱の開口端からT形金物に容易に手が届くため、鋼管柱の内側でのボルトの挿入や、ナットの螺合などを手作業で容易にできることから、ボルトの選択幅を拡大して、鋼管柱とT形金物の接合が容易にできる。
また、上下の鋼管柱のいずれかの側にT形金物を高力ボルト接合して、H形鋼梁を通しダイアフラムとT形金物との間に高力ボルト接合するものであり、上下の柱の板厚の変更が容易であり、柱材の効率的な使用ができ接合部材の加工度を最小限に抑え、材料および加工コストを節減可能である。
また、T形金物のボルト孔径を梁せい方向で過大径にすることにより、通しダイアフラムとT形金物との間にH形鋼梁を挿入する場合に挿入しやすいようにT形金物の位置を調整しながら安定で円滑な締結ができ、接合強度を安定確保できるとともに、施工工期の短縮も可能である。
また、上下の鋼管柱のいずれかの側にT形金物を高力ボルト接合して、H形鋼梁を通しダイアフラムとT形金物との間に高力ボルト接合するものであり、上下の柱の板厚の変更が容易であり、柱材の効率的な使用ができ接合部材の加工度を最小限に抑え、材料および加工コストを節減可能である。
また、T形金物のボルト孔径を梁せい方向で過大径にすることにより、通しダイアフラムとT形金物との間にH形鋼梁を挿入する場合に挿入しやすいようにT形金物の位置を調整しながら安定で円滑な締結ができ、接合強度を安定確保できるとともに、施工工期の短縮も可能である。
本発明は、中空角形断面を有する角形鋼管(板材や形材を溶接加工して得られるものを含むみ、以下「鋼管柱」という。)を柱材とし、この鋼管柱の一側面〜四側面に、梁材としてH形鋼梁(板材や形材を溶接加工して得られたものを含む、以下「H形鋼梁」という。)を接合する鋼管柱とH形鋼梁の接合構造において適用されるものである。
本発明の接合構造例を、鋼管柱の相対する二側面にH形鋼梁を接合する場合の例を、その側断面図に基づいて説明する。
本発明の接合構造は、基本的には、図1に示すように、例えば下階用の柱となる下側の鋼管柱1aと上階用の柱となる上側の鋼管柱1bを、梁接合部2aを有する通しダイアフラム2を介して溶接w接合し、H形鋼梁5の上フランジ5aを、通しダイアフラム2の梁接合部2aに高力ボルト6で接合し、下フランジ5bを、下側の鋼管柱1aに高力ボルト4で接合したT形金物3を介して高力ボルト6で接合するものである。
また、下側の鋼管柱1aにT形金物3を高力ボルト4接合する場合、通しダイアフラム2を下側の鋼管柱1aに溶接wする前に、この接合側の開口端からの手作業で、内部側に高力ボルト4(またはナット)のセットを可能にすることによって、下側の鋼管柱1aにT形金物3を高力ボルト4で接合する際に、高力ボルト4として、ナット7締めのトルシア型高力ボルト4、または頭締めのトルシア型高力ボルト4a(図2の接合構造参照)を用いることが容易であり、特殊ボルトや難易度の高い施工技術を用いることなくナット締め、あるいは頭締めのトルシア型高力ボルトを用い、簡易な施工技術で安価な鋼管柱とH形鋼梁の高力ボルト接合構造を実現可能にする。(請求項1に相当)。
本発明の接合構造例を、鋼管柱の相対する二側面にH形鋼梁を接合する場合の例を、その側断面図に基づいて説明する。
本発明の接合構造は、基本的には、図1に示すように、例えば下階用の柱となる下側の鋼管柱1aと上階用の柱となる上側の鋼管柱1bを、梁接合部2aを有する通しダイアフラム2を介して溶接w接合し、H形鋼梁5の上フランジ5aを、通しダイアフラム2の梁接合部2aに高力ボルト6で接合し、下フランジ5bを、下側の鋼管柱1aに高力ボルト4で接合したT形金物3を介して高力ボルト6で接合するものである。
また、下側の鋼管柱1aにT形金物3を高力ボルト4接合する場合、通しダイアフラム2を下側の鋼管柱1aに溶接wする前に、この接合側の開口端からの手作業で、内部側に高力ボルト4(またはナット)のセットを可能にすることによって、下側の鋼管柱1aにT形金物3を高力ボルト4で接合する際に、高力ボルト4として、ナット7締めのトルシア型高力ボルト4、または頭締めのトルシア型高力ボルト4a(図2の接合構造参照)を用いることが容易であり、特殊ボルトや難易度の高い施工技術を用いることなくナット締め、あるいは頭締めのトルシア型高力ボルトを用い、簡易な施工技術で安価な鋼管柱とH形鋼梁の高力ボルト接合構造を実現可能にする。(請求項1に相当)。
本発明の接合構造では、T形金物3を接合した下側の鋼管柱1aに、通しダイアフラム2を工場で溶接wした後に、施工現場で通しダイアフラム2の梁接合部2aとT形金物3間にH形鋼梁5を高力ボルト6で接合するが、この場合、T形金物3を下側の鋼管柱1aに高力ボルト4で接合した状態では、通しダイアフラム2の梁接合部2aとT形金物3との間隔が固定されることになり、梁接合部2aとT形金物3間への形鋼梁5のセット作業が難しくなる。
また、例えば各部材やボルト孔に寸法誤差がある場合には、通しダイアフラム2の梁接合部2aとT形金物3間にH形鋼梁のフランジ5aおよび5bをセット不能になったり、通しダイアフラム2の梁接合部2aおよびT形金物3とH形鋼梁5のフランジ5aおよび5b間に過度の隙間を生じて安定した接合ができなくなることがある。
また、例えば各部材やボルト孔に寸法誤差がある場合には、通しダイアフラム2の梁接合部2aとT形金物3間にH形鋼梁のフランジ5aおよび5bをセット不能になったり、通しダイアフラム2の梁接合部2aおよびT形金物3とH形鋼梁5のフランジ5aおよび5b間に過度の隙間を生じて安定した接合ができなくなることがある。
そこで、本発明においては、通しダイアフラム2の梁接合部2aとT形金物3間にH形鋼梁5を挿入不能になったり、通しダイアフラム2の梁接合部2aおよびT形金物3とH形鋼梁5のフランジ5aおよび5b間に隙間を生じないように、T形金物3を鋼管柱1aに高力ボルト4で接合する場合に、T形金物3の位置をH形鋼梁5の梁せい方向に調整可能に仮締めすることを考慮する。
例えば、鋼管柱1a、T形金物3のいずれか一方または双方のボルト孔を、H形鋼梁5の梁せい方向の孔径を高力ボルト4の軸径より(10〜50%程度)過大径にした長孔もしくは過大孔とし、T形金物3の位置を梁せい方向でボルト孔の過大分の範囲において調整可能にする。ボルト軸径に対してボルト孔径が過大になると座面面積の減少などによる悪影響が懸念されるので、座金を大きく厚めにするなどの措置を講じることが好ましい。
過大径が高力ボルト4の軸径の10%未満である場合には、位置調整幅が充分ではなく、充分な効果が得られない。また、過大径が高力ボルト4の軸径の50%超である場合には、鋼管柱1a自体またはT形金物3自体の強度低下に加え、ナット(座金)の座面面積を充分に確保できなくなり、接合強度を安定確保が困難になる。(請求項2に相当)
例えば、鋼管柱1a、T形金物3のいずれか一方または双方のボルト孔を、H形鋼梁5の梁せい方向の孔径を高力ボルト4の軸径より(10〜50%程度)過大径にした長孔もしくは過大孔とし、T形金物3の位置を梁せい方向でボルト孔の過大分の範囲において調整可能にする。ボルト軸径に対してボルト孔径が過大になると座面面積の減少などによる悪影響が懸念されるので、座金を大きく厚めにするなどの措置を講じることが好ましい。
過大径が高力ボルト4の軸径の10%未満である場合には、位置調整幅が充分ではなく、充分な効果が得られない。また、過大径が高力ボルト4の軸径の50%超である場合には、鋼管柱1a自体またはT形金物3自体の強度低下に加え、ナット(座金)の座面面積を充分に確保できなくなり、接合強度を安定確保が困難になる。(請求項2に相当)
本発明の接合構造を得る接合施工方法としては、上記のようにT形金物3の位置をH形鋼梁5の梁せい方向に調整可能にするため、例えば、図1のように、鋼管柱1aとT形金物3をナット締め高力ボルト4で締結する接合構造の場合では、下側の鋼管柱1aに通しダイアフラム2を接合する前に、下側の鋼管柱1aとT形金物3を高力ボルト4で仮締め状態にしておき、通しダイアフラム2の梁接合部2aとT形金物3間にH形鋼梁5をセットして高力ボルト6で接合する過程で、T形金物3の位置を確定してから下側の鋼管柱1aとT形金物3を本締めして接合を完了することを考慮するものである。
基本的には、例えば、下側の鋼管柱1aに通しダイアフラム2を溶接する前に、鋼管柱1aの開口端からの手作業で、高力ボルト4を内部側からボルト孔1oに挿入し、その先端部を鋼管柱1aの外側に当接したT形金物3のボルト孔3oから外部に突出させてナット7を螺合して仮締めしてから、通しダイアフラム2を溶接するようにし、施工現場で、通しダイアフラム2の梁接合部2aとT形金物3間にH形鋼梁5を挿入し、通しダイアフラム2の梁接合部2aにフランジ5aを、T形金物3にフランジ5bを高力ボルト6で接合してから、仮締めしておいたナット7を本締めして鋼管柱1aとT形金物3の接合を完了することが有効である。(請求項3および4に相当)。
基本的には、例えば、下側の鋼管柱1aに通しダイアフラム2を溶接する前に、鋼管柱1aの開口端からの手作業で、高力ボルト4を内部側からボルト孔1oに挿入し、その先端部を鋼管柱1aの外側に当接したT形金物3のボルト孔3oから外部に突出させてナット7を螺合して仮締めしてから、通しダイアフラム2を溶接するようにし、施工現場で、通しダイアフラム2の梁接合部2aとT形金物3間にH形鋼梁5を挿入し、通しダイアフラム2の梁接合部2aにフランジ5aを、T形金物3にフランジ5bを高力ボルト6で接合してから、仮締めしておいたナット7を本締めして鋼管柱1aとT形金物3の接合を完了することが有効である。(請求項3および4に相当)。
また、例えば、図2のように、下側の鋼管柱1aとT形金物3を頭締め高力ボルト4a(頭部座金10を使用)で接合する接合構造の場合では、通しダイアフラム2を溶接接合する前に、下側の鋼管柱1aの開口端からの手作業でナット7(座金)を内部側のボルト孔1o位置に共回り防止策を講じて固定してから通しダイアフラム2を溶接wしてナット12を内設した鋼管柱1aとする。
施工現場で、通しダイアフラム2の梁接合部2aに、下フランジ5bにT形金物3を高力ボルト6で仮締めしたH形鋼梁3の上フランジ5aを当接して高力ボルト6で接合し、同時に、下側の鋼管柱1aにT形金物3を当接して、外部側からボルト孔3o、1oに頭締め高力ボルト4aを挿入し、下側の鋼管柱1aに内設したナット7に螺合して頭締めすることにより下側の鋼管柱1aとT形金物3とを接合する。同時に、仮締めしておいたH形鋼梁5の下のフランジ5bとT形金物3を本締めして接合を完了することが有効である。(請求項5および6に相当)。
施工現場で、通しダイアフラム2の梁接合部2aに、下フランジ5bにT形金物3を高力ボルト6で仮締めしたH形鋼梁3の上フランジ5aを当接して高力ボルト6で接合し、同時に、下側の鋼管柱1aにT形金物3を当接して、外部側からボルト孔3o、1oに頭締め高力ボルト4aを挿入し、下側の鋼管柱1aに内設したナット7に螺合して頭締めすることにより下側の鋼管柱1aとT形金物3とを接合する。同時に、仮締めしておいたH形鋼梁5の下のフランジ5bとT形金物3を本締めして接合を完了することが有効である。(請求項5および6に相当)。
上記の図1と図2に示す接合構造の施工方法例での施工手順例を、図3に基づき概要説明する。
(1)図1の接合構造(ナット締め高力ボルト使用の場合)
a.上側の鋼管柱1bと下側の鋼管柱1aの上端に、それぞれ、通しダイアフラム2を溶接wする前に、T形金物3を接合する上部側の開口端からの手作業で、高力ボルト4を鋼管柱の内部に挿入して内部側からボルト孔1oに挿入し、鋼管柱の外側に当接したT形金物3のボルト孔3o(長孔もしくは過大孔)から外部に突出させ、ナット7を仮締めして、上端部に通しダイアフラム2を溶接する。ここで用いる高力ボルト4としては、ナット締め付け側にピンテールを有しトルク管理ができる従来のトルシア型高力ボルトを用いることができる。
b.上部側の開口端に通しダイアフラム2を溶接した下側の鋼管柱1a、上側の鋼管柱1bを、搬送の際の長さ制限内で、数階分溶接し1本に組み立てた柱ユニットとして施工現場まで搬送し、ユニット間の接合は現場で溶接する。なお一階分づつで搬送し、現場で溶接接合してもよい。
(1)図1の接合構造(ナット締め高力ボルト使用の場合)
a.上側の鋼管柱1bと下側の鋼管柱1aの上端に、それぞれ、通しダイアフラム2を溶接wする前に、T形金物3を接合する上部側の開口端からの手作業で、高力ボルト4を鋼管柱の内部に挿入して内部側からボルト孔1oに挿入し、鋼管柱の外側に当接したT形金物3のボルト孔3o(長孔もしくは過大孔)から外部に突出させ、ナット7を仮締めして、上端部に通しダイアフラム2を溶接する。ここで用いる高力ボルト4としては、ナット締め付け側にピンテールを有しトルク管理ができる従来のトルシア型高力ボルトを用いることができる。
b.上部側の開口端に通しダイアフラム2を溶接した下側の鋼管柱1a、上側の鋼管柱1bを、搬送の際の長さ制限内で、数階分溶接し1本に組み立てた柱ユニットとして施工現場まで搬送し、ユニット間の接合は現場で溶接する。なお一階分づつで搬送し、現場で溶接接合してもよい。
c.施工現場では通しダイアフラム2の梁接合部2aとT形金物3間にH形鋼梁5を挿入する。この場合、T形金物3の位置を、ボルト孔3oの過大分の範囲で通しダイアフラム2の梁接合部2aより最も遠い位置に調整して置く。
d.通しダイアフラム2の梁接合部2aにH形鋼梁5の上フランジ5aを当接して高力ボルト6で接合するとともに、T形金物3にH形鋼梁5の下フランジ5bを当接して高力ボルト6で接合する。
e.aで仮締めしてある鋼管柱1とT形金物3を本締めして接合する。
d.通しダイアフラム2の梁接合部2aにH形鋼梁5の上フランジ5aを当接して高力ボルト6で接合するとともに、T形金物3にH形鋼梁5の下フランジ5bを当接して高力ボルト6で接合する。
e.aで仮締めしてある鋼管柱1とT形金物3を本締めして接合する。
(2)図2の接合構造(頭締め高力ボルト使用の場合)
a.上側の鋼管柱1bと下側の鋼管柱1aの上端に、それぞれ、通しダイアフラム2を溶接wする前に、T形金物3を接合する上部側の開口端からの手作業でナット12をボルト孔1o位置に共回り防止策(接着、溶接、あるいはナット保持具使用など)を講じて固定してから通しダイアフラム2を溶接してナット12を内設した鋼管柱1aとする。
b.上部側の開口端に通しダイアフラム2を溶接した下側の鋼管柱1a、上側の鋼管柱1bを、搬送の際の長さ制限内で、数階分溶接し1本に組み立てた柱ユニットとして施工現場まで搬送し、ユニット間の接合は現場で溶接する。一階分づつで搬送し、現場で溶接接合してもよい。
a.上側の鋼管柱1bと下側の鋼管柱1aの上端に、それぞれ、通しダイアフラム2を溶接wする前に、T形金物3を接合する上部側の開口端からの手作業でナット12をボルト孔1o位置に共回り防止策(接着、溶接、あるいはナット保持具使用など)を講じて固定してから通しダイアフラム2を溶接してナット12を内設した鋼管柱1aとする。
b.上部側の開口端に通しダイアフラム2を溶接した下側の鋼管柱1a、上側の鋼管柱1bを、搬送の際の長さ制限内で、数階分溶接し1本に組み立てた柱ユニットとして施工現場まで搬送し、ユニット間の接合は現場で溶接する。一階分づつで搬送し、現場で溶接接合してもよい。
c.通しダイアフラム2の梁接合部2aに、下フランジ5bにT形金物3を高力ボルト6で仮締めしたH形鋼梁5の上フランジ5aを当接して高力ボルト6で接合する。
d.同時に、下側の鋼管柱1aにT形金物3を当接して位置合わせし、外部側かボルト孔3o、1oに頭締め高力ボルト4aを挿入して、下側の鋼管柱1aに内設したナット12に螺合して接合する。ここで用いる頭締め高力ボルト4aとしては、特許文献1に示すような頭部にピンテール4pを有し締め付けトルク管理ができる頭締めトルシア型高力ボルト4aを、頭部座金10とともに用いることができる。
e.aで仮締めしておいたH形鋼梁5の下フランジ5bとT形金物3を本締めして接合する。
d.同時に、下側の鋼管柱1aにT形金物3を当接して位置合わせし、外部側かボルト孔3o、1oに頭締め高力ボルト4aを挿入して、下側の鋼管柱1aに内設したナット12に螺合して接合する。ここで用いる頭締め高力ボルト4aとしては、特許文献1に示すような頭部にピンテール4pを有し締め付けトルク管理ができる頭締めトルシア型高力ボルト4aを、頭部座金10とともに用いることができる。
e.aで仮締めしておいたH形鋼梁5の下フランジ5bとT形金物3を本締めして接合する。
なお、上記の図1、図2の接合構造例では、H形鋼梁5の上フランジ5a側を通しダイアフラム2に接合し、H形鋼梁5の下フランジ5bをT形金物3に接合するようにしているが、H形鋼梁5の上フランジ5a側をT形金物3に接合し、H形鋼梁5の下フランジ5bを通しダイアフラム2に接合するようにしてもよい。
図3では、鋼管柱間の接合は全て溶接接合にしたが、図4に示すように、鋼管柱ユニット11aと他方の鋼管柱ユニット11b、鋼管柱ユニット11aと鋼管柱ユニット11xとを、それぞれ高力ボルト接合することが有効になる場合がある。この場合、鋼管柱ユニット11aの上端部側の鋼管柱1bの通しダイアフラム2に、鋼管柱ユニット11bの下端部側の鋼管柱1aと同じ製造ロットの短寸の鋼管柱1sを溶接し、また、鋼管柱ユニット11xの上端部側の鋼管柱1bの通しダイアフラム2に、鋼管柱ユニット11aの下端部側の鋼管柱1cと同じ製造ロットの短寸の鋼管柱1sを溶接しておき、施工現場で、鋼管柱ユニット11bの下端部側の鋼管柱1aと鋼管柱ユニット11aの短寸の鋼管柱1s、および鋼管柱ユニット11aの下端部側の鋼管柱1cと鋼管ユニット11xの上端部側の短寸の鋼管柱1sを、それぞれ、ボルト孔14oを有する添板14を介して高力ボルト接合することが有効である。
ここで、鋼管柱ユニット11aの短寸の鋼管柱1sと鋼管柱ユニット11bの下端部側の鋼管柱1a、および鋼管柱ユニット11aの下端部側の鋼管柱1cと鋼管ユニット11xの上端部側の短寸の鋼管柱1sを同じ製造ロットにするのは、添板12を介して高力ボルト接合するために突き合わせた場合に、断面形状、寸法に食い違いを生じないようにするためである。製造ロットが異なる場合には、断面形状、寸法に食い違いが生じる場合があり、その場合、食い違いを調整するためにフィラープレートが必要になり接合施工負担が増えるという問題がある。
ここで、鋼管柱ユニット11aの短寸の鋼管柱1sと鋼管柱ユニット11bの下端部側の鋼管柱1a、および鋼管柱ユニット11aの下端部側の鋼管柱1cと鋼管ユニット11xの上端部側の短寸の鋼管柱1sを同じ製造ロットにするのは、添板12を介して高力ボルト接合するために突き合わせた場合に、断面形状、寸法に食い違いを生じないようにするためである。製造ロットが異なる場合には、断面形状、寸法に食い違いが生じる場合があり、その場合、食い違いを調整するためにフィラープレートが必要になり接合施工負担が増えるという問題がある。
上記のような施工方法例のいずれの場合でも、高力ボルトとして締め付けトルクを管理可能なナット締め高力ボルト4、あるいは頭締めトルシア形高力ボルト4aを使用する場合においては、これらの高力ボルトセット(ボルト・ナット・座金)の全てもしくはいずれかに対して、工場での高力ボルトやナット挿入から、施工現場で、本締めするまでの過程で、締め付けのトルク係数値が変化する懸念を解消するために、防錆(潤滑)処理することを考慮することが好ましい。(請求項8の実施形態例に相当)。
本発明による鋼管柱とH形鋼梁の高力ボルト接合構造の実施例1を図5〜図7に基づいて説明する。
この実施例1は、図5、図6に示すように、鋼管柱1は、厚みの異なる上下の鋼管柱1bと1aを、三方に梁接合部2aを有する通しダイアフラム2を介して溶接接合してなり、下側の鋼管柱1aの3面にT形金物3を高力ボルト4で接合し、この各T形金物3と通しダイアフラム2の各梁接合部2a間に、それぞれH形鋼梁5を高力ボルト6で接合する鋼管柱とH形鋼梁の高力ボルト接合構造の例を示している。ここでは、鋼管柱1の三側面にH形鋼梁5を高力ボルト6で順次接合する場合の例を示しているが、鋼管柱の二側面を示す側断面図に基づいて一側面で代表説明し、他の側面については説明を省略する。
この実施例1は、図5、図6に示すように、鋼管柱1は、厚みの異なる上下の鋼管柱1bと1aを、三方に梁接合部2aを有する通しダイアフラム2を介して溶接接合してなり、下側の鋼管柱1aの3面にT形金物3を高力ボルト4で接合し、この各T形金物3と通しダイアフラム2の各梁接合部2a間に、それぞれH形鋼梁5を高力ボルト6で接合する鋼管柱とH形鋼梁の高力ボルト接合構造の例を示している。ここでは、鋼管柱1の三側面にH形鋼梁5を高力ボルト6で順次接合する場合の例を示しているが、鋼管柱の二側面を示す側断面図に基づいて一側面で代表説明し、他の側面については説明を省略する。
上側の鋼管柱1bは、ここでは負荷が小さいので下側の鋼管柱aの板厚9mmより薄い6mmの板厚を有し、接合端に通しダイアフラム2を溶接wする開先を有するものである。また、下側の鋼管柱1aは、ここでは9mmの板厚を有し、上部の接合端には通しダイアフラム2を溶接wする開先を有し、その直下にT形金物3と接合するためのボルト孔1oを有するものである。
通しダイアフラム2は、板体であり、ここでは三方にH形鋼梁5の上フランジ5aを高力ボルト6で接合するボルト孔2oを有する梁接合部2aを形成したものであり、ボルト孔1oを有する下側の鋼管柱1aとボルト孔を有しない上側の鋼管柱1bの開口端間に、開口を閉塞するように介挿して上下鋼管柱1a、1bの開先部に溶接wして接合するものである。
通しダイアフラム2は、板体であり、ここでは三方にH形鋼梁5の上フランジ5aを高力ボルト6で接合するボルト孔2oを有する梁接合部2aを形成したものであり、ボルト孔1oを有する下側の鋼管柱1aとボルト孔を有しない上側の鋼管柱1bの開口端間に、開口を閉塞するように介挿して上下鋼管柱1a、1bの開先部に溶接wして接合するものである。
T形金物3は、ボルト孔3oを有する垂直フランジ3aと水平ウエブ3bからなるもので、垂直フランジ3aを下側の鋼管柱1aに当接して高力ボルト4で接合し、水平ウエブ3bをH形鋼梁5の下フランジ5bと高力ボルト6で接合するものである。
ただし、垂直フランジ3aのボルト孔3oは、鋼管柱1aの軸方向の孔径がボルト軸径に対して10〜50%の範囲で過大径になっている長孔もしくは過大孔であり、H形鋼梁5を通しダイアフラム2の梁接合部2aとT形金物3間に高力ボルト6で接合する際に、T形金物3の位置を過大径の過大分の範囲内でH形鋼梁5の梁せい方向に調整して、H形鋼梁5の挿入を容易にするとともに、鋼管柱1aとの締結位置を調整可能にして施工性、接合強度の安定確保を可能にしている。
下側の鋼管柱1aにT形金物3の垂直フランジ3aを接合する高力ボルト4は、下側の鋼管柱1aの内側から挿入され、下側の鋼管柱1aに当接のT形金物3の垂直フランジ3aの外側に突出させ座金8を挿通しナット7を螺合して締め付け締結するものであり、この高力ボルト4を先端側にトルク導入構造(ピンテール)を有する従来型のトルシア形の高力ボルトにすれば、締め付けトルクを管理した締結ができ、接合部強度をより安定的に確保可能である。
ただし、垂直フランジ3aのボルト孔3oは、鋼管柱1aの軸方向の孔径がボルト軸径に対して10〜50%の範囲で過大径になっている長孔もしくは過大孔であり、H形鋼梁5を通しダイアフラム2の梁接合部2aとT形金物3間に高力ボルト6で接合する際に、T形金物3の位置を過大径の過大分の範囲内でH形鋼梁5の梁せい方向に調整して、H形鋼梁5の挿入を容易にするとともに、鋼管柱1aとの締結位置を調整可能にして施工性、接合強度の安定確保を可能にしている。
下側の鋼管柱1aにT形金物3の垂直フランジ3aを接合する高力ボルト4は、下側の鋼管柱1aの内側から挿入され、下側の鋼管柱1aに当接のT形金物3の垂直フランジ3aの外側に突出させ座金8を挿通しナット7を螺合して締め付け締結するものであり、この高力ボルト4を先端側にトルク導入構造(ピンテール)を有する従来型のトルシア形の高力ボルトにすれば、締め付けトルクを管理した締結ができ、接合部強度をより安定的に確保可能である。
実施例1の鋼管柱とH形鋼梁の高力ボルト接合構造を得るための施工方法(手順)例について図7に基づいて説明する。
a.図7(a)に示すように、所定の長さに採尺し整端した上側の鋼管柱1bの開口端(下端)に、溶接開先を形成し、図7(b)に示すように、下側の鋼管柱1aとの接合部側にボルト孔1oを設け、接合端(上端)に溶接開先を形成する。
b.図7(b)に示すように、下側の鋼管柱1aに、梁接合部2aを有する通しダイアフラム2を溶接wする前に、この下側の鋼管柱1aの開口端(上端)から手作業で高力ボルト4を挿入して、この鋼管柱1aの内側からボルト孔1oに挿入し、下側の鋼管柱1aの外側に当接したT形金物3のボルト孔3oから外側に突出させ、ナット7を螺合し仮締めする。
c.通しダイアフラム2を、図7(b)に示すように、下側の鋼管柱1aの開口端(上端)に溶接wし、上側の鋼管柱1bを通しダイアフラム2に溶接し、鋼管柱ユニットを製作する。
a.図7(a)に示すように、所定の長さに採尺し整端した上側の鋼管柱1bの開口端(下端)に、溶接開先を形成し、図7(b)に示すように、下側の鋼管柱1aとの接合部側にボルト孔1oを設け、接合端(上端)に溶接開先を形成する。
b.図7(b)に示すように、下側の鋼管柱1aに、梁接合部2aを有する通しダイアフラム2を溶接wする前に、この下側の鋼管柱1aの開口端(上端)から手作業で高力ボルト4を挿入して、この鋼管柱1aの内側からボルト孔1oに挿入し、下側の鋼管柱1aの外側に当接したT形金物3のボルト孔3oから外側に突出させ、ナット7を螺合し仮締めする。
c.通しダイアフラム2を、図7(b)に示すように、下側の鋼管柱1aの開口端(上端)に溶接wし、上側の鋼管柱1bを通しダイアフラム2に溶接し、鋼管柱ユニットを製作する。
d.施工現場ではc項の鋼管柱ユニットを建方後、通しダイアフラム2の梁接合部2aとT形金物3の水平ウエブ3b間にH形鋼梁5を挿入する。この場合、鋼管柱1aのボルト孔1oの過大径の過大分の範囲内でT形金物3の位置を通しダイアフラム2の梁接合部2aの下面から最も遠い位置に調整して隙間xを形成しH形鋼梁5の挿入を容易にして置く。
e.通しダイアフラム2の梁接合部2aの下面にH形鋼梁5の上フランジ5aの上面を当接して高力ボルト6で接合し、T形金物3の位置を調整して、水平ウエブ3bの上面をH形鋼梁5の下フランジ5bの下面に当接して高力ボルト6で接合する。または、H形鋼梁5の下フランジ5bの下面をT形金物3の水平ウエブ3bの上面に当接して高力ボルト6で接合した後に、T形金物3の位置を調整して、通しダイアフラム2の梁接合部2aの下面にH形鋼梁5の上フランジ5aの上面を当接して高力ボルト6で接合する。
f.仮締めしてある下側の鋼管柱1aとT形金物3を、ナット7を本締めして接合を完了する。
g.上記の梁の接合と前後して、柱ユニット間の接合を現場溶接にておこなう。
上記のようにして図5に示すような鋼管柱とH形鋼梁の接合構造を得ることができる。
e.通しダイアフラム2の梁接合部2aの下面にH形鋼梁5の上フランジ5aの上面を当接して高力ボルト6で接合し、T形金物3の位置を調整して、水平ウエブ3bの上面をH形鋼梁5の下フランジ5bの下面に当接して高力ボルト6で接合する。または、H形鋼梁5の下フランジ5bの下面をT形金物3の水平ウエブ3bの上面に当接して高力ボルト6で接合した後に、T形金物3の位置を調整して、通しダイアフラム2の梁接合部2aの下面にH形鋼梁5の上フランジ5aの上面を当接して高力ボルト6で接合する。
f.仮締めしてある下側の鋼管柱1aとT形金物3を、ナット7を本締めして接合を完了する。
g.上記の梁の接合と前後して、柱ユニット間の接合を現場溶接にておこなう。
上記のようにして図5に示すような鋼管柱とH形鋼梁の接合構造を得ることができる。
本発明による鋼管柱とH形鋼梁の接合構造の実施例2を図8〜図9に基づいて説明する。
この実施例2は、図8(a)、(b)に示すように、鋼管柱1は、厚みの同じ上下の鋼管柱1aと1bを、三方に梁接合部2aを有する通しダイアフラム2を介して接合してなり、上側の鋼管柱1bの三側面にT形金物3を従来のトルシア型高力ボルト4で接合し、このT形金物3と、その下方に位置する通しダイアフラム2の各梁接合部2a間にそれぞれH形鋼梁5を高力ボルト6で接合する場合の例を示している。ここでは、鋼管柱1の三側面にH形鋼梁5を順次接合する場合の例を示しているが、鋼管柱1の二側面を側断面図に基づいて一側面で代表説明し、他の側面については説明を省略する。また、実施例1と共通するものは、詳細説明は省略する。
この実施例2での下側の鋼管柱1aは、図9(b)に示すように、上部接合端に通しダイアフラム2の梁接合部2aを溶接wする開先を有するものである。また、上側の鋼管柱1bは、図9(a)に示すように、下部側でT形金物3と接合するためのボルト孔1oを有し、接合端には通しダイアフラム2の梁接合部2aを溶接wする開先を有するものである。
この実施例2は、図8(a)、(b)に示すように、鋼管柱1は、厚みの同じ上下の鋼管柱1aと1bを、三方に梁接合部2aを有する通しダイアフラム2を介して接合してなり、上側の鋼管柱1bの三側面にT形金物3を従来のトルシア型高力ボルト4で接合し、このT形金物3と、その下方に位置する通しダイアフラム2の各梁接合部2a間にそれぞれH形鋼梁5を高力ボルト6で接合する場合の例を示している。ここでは、鋼管柱1の三側面にH形鋼梁5を順次接合する場合の例を示しているが、鋼管柱1の二側面を側断面図に基づいて一側面で代表説明し、他の側面については説明を省略する。また、実施例1と共通するものは、詳細説明は省略する。
この実施例2での下側の鋼管柱1aは、図9(b)に示すように、上部接合端に通しダイアフラム2の梁接合部2aを溶接wする開先を有するものである。また、上側の鋼管柱1bは、図9(a)に示すように、下部側でT形金物3と接合するためのボルト孔1oを有し、接合端には通しダイアフラム2の梁接合部2aを溶接wする開先を有するものである。
この実施例2の鋼管柱とH形鋼梁の接合構造を得るための施工方法(手順)例について図9に基づいて説明する。
a.図9(a)に示すように、所定の長さに採尺し整端した上側の鋼管柱1bの接合端(下端)に溶接開先を形成し、下側の鋼管柱1aとの接合部側に、ボルト孔1oを設け、図9(b)に示すように、下側の鋼管柱1aの接合端(上端)に溶接開先を形成する。
b.上下の鋼管柱1aと1bを通しダイアフラム2を介して溶接接合する前に、図9(a)に示すように、T形金物3を接合する上側の鋼管柱1bの開口端(下端)から手作業で高力ボルト4を挿入して、この鋼管柱1bの内側からボルト孔1oに挿入し、上側の鋼管柱1bの外側に当接したT形金物3の垂直フランジ3aのボルト孔3oから外側に突出させ、ナット7を螺合し仮締めする。
c.通しダイアフラム2を、図9(b)に示すように下側の鋼管柱1bの開口端(上端)に溶接wし、上側の鋼管柱1bを通しダイアフラム2に溶接wして鋼管ユニットを製作する。
a.図9(a)に示すように、所定の長さに採尺し整端した上側の鋼管柱1bの接合端(下端)に溶接開先を形成し、下側の鋼管柱1aとの接合部側に、ボルト孔1oを設け、図9(b)に示すように、下側の鋼管柱1aの接合端(上端)に溶接開先を形成する。
b.上下の鋼管柱1aと1bを通しダイアフラム2を介して溶接接合する前に、図9(a)に示すように、T形金物3を接合する上側の鋼管柱1bの開口端(下端)から手作業で高力ボルト4を挿入して、この鋼管柱1bの内側からボルト孔1oに挿入し、上側の鋼管柱1bの外側に当接したT形金物3の垂直フランジ3aのボルト孔3oから外側に突出させ、ナット7を螺合し仮締めする。
c.通しダイアフラム2を、図9(b)に示すように下側の鋼管柱1bの開口端(上端)に溶接wし、上側の鋼管柱1bを通しダイアフラム2に溶接wして鋼管ユニットを製作する。
d.施工現場ではc項の鋼管柱ユニットを建方後、通しダイアフラム2の梁接合部2aとT形金物3の水平ウエブ3b間にH形鋼梁5を挿入する。この場合、鋼管柱1aのボルト孔1oの過大径の過大分の範囲内でT形金物3の位置を通しダイアフラム2の梁接合部2aの下面から最も遠い位置に調整して隙間xを形成しH形鋼梁5の挿入を容易にして置く。
e.図11に示すように、通しダイアフラム2の梁接合部2aの上面に、H形鋼梁5の下フランジ5bの下面を当接して高力ボルト6で接合し、T形金物3の位置を調整して、水平ウエブ3bの下面をH形鋼梁5の上フランジ5aの上面に当接して高力ボルト6で接合する。または、通しダイアフラム2でH形鋼梁5の下フランジ5bを支持した状態で、H形鋼梁5の上フランジ5aの上面に、T形金物3の位置を合わせて水平ウエブ3bの下面を当接して高力ボルト6で接合した後に、通しダイアフラム2の梁接合部2aとH形鋼梁5の下ランジ5bを高力ボルト6で接合する。
f.仮締めしてある上側の鋼管柱1bとT形金物3を、ナット7を本締めして接合を完了する。
g.上記の梁の接合と前後して、柱ユニット間の接合を現場溶接にておこなう。
上記のようにして図8に示すような鋼管柱とH形鋼梁の接合構造を得ることができる。
e.図11に示すように、通しダイアフラム2の梁接合部2aの上面に、H形鋼梁5の下フランジ5bの下面を当接して高力ボルト6で接合し、T形金物3の位置を調整して、水平ウエブ3bの下面をH形鋼梁5の上フランジ5aの上面に当接して高力ボルト6で接合する。または、通しダイアフラム2でH形鋼梁5の下フランジ5bを支持した状態で、H形鋼梁5の上フランジ5aの上面に、T形金物3の位置を合わせて水平ウエブ3bの下面を当接して高力ボルト6で接合した後に、通しダイアフラム2の梁接合部2aとH形鋼梁5の下ランジ5bを高力ボルト6で接合する。
f.仮締めしてある上側の鋼管柱1bとT形金物3を、ナット7を本締めして接合を完了する。
g.上記の梁の接合と前後して、柱ユニット間の接合を現場溶接にておこなう。
上記のようにして図8に示すような鋼管柱とH形鋼梁の接合構造を得ることができる。
本発明による鋼管柱とH形鋼梁の高力ボルト接合構造の実施例3を図10〜11に基づいて説明する。
この実施例3は、図10に示すように、厚みの異なる上下の鋼管柱1bと1aを、実施例1、2と同様、三方に梁接合部2aを有する通しダイアフラム2を介して接合してなり、上側の鋼管柱1bの3面にT形金物3を、特許文献1に記載されるような頭部にピンテール4pを有する頭締めトルシア形高力ボルト(以下「頭締め高力ボルト」という。)4aで接合し、このT形金物3と、その下方に位置する通しダイアフラム2の各梁接合部2a間にそれぞれH形鋼梁5を高力ボルト6で接合する場合の例を示している。
この実施例3は、実施例1とは、高力ボルトとして、頭部座金10を挿通した頭締めトルシア型高力ボルト4aを使用し、この高力ボルト4aを鋼管柱1aの外側に当接したT形金物3の外部側からボルト孔3o、1oに挿入して、下側の鋼管柱1aに座金13とともに内設したナット12を螺合して締め付ける点において異なるものである。ここでは、実施例1と同様、鋼管柱1の三側面にT形金物3を介してH形鋼梁5を高力ボルト6で順次接合する場合の例を示しているが、鋼管柱1の二側面の側断面図に基づいて一側面で代表説明し、他の側面については説明を省略する。また、実施例1、2と共通するものは、詳細説明は省略する。
この実施例3は、図10に示すように、厚みの異なる上下の鋼管柱1bと1aを、実施例1、2と同様、三方に梁接合部2aを有する通しダイアフラム2を介して接合してなり、上側の鋼管柱1bの3面にT形金物3を、特許文献1に記載されるような頭部にピンテール4pを有する頭締めトルシア形高力ボルト(以下「頭締め高力ボルト」という。)4aで接合し、このT形金物3と、その下方に位置する通しダイアフラム2の各梁接合部2a間にそれぞれH形鋼梁5を高力ボルト6で接合する場合の例を示している。
この実施例3は、実施例1とは、高力ボルトとして、頭部座金10を挿通した頭締めトルシア型高力ボルト4aを使用し、この高力ボルト4aを鋼管柱1aの外側に当接したT形金物3の外部側からボルト孔3o、1oに挿入して、下側の鋼管柱1aに座金13とともに内設したナット12を螺合して締め付ける点において異なるものである。ここでは、実施例1と同様、鋼管柱1の三側面にT形金物3を介してH形鋼梁5を高力ボルト6で順次接合する場合の例を示しているが、鋼管柱1の二側面の側断面図に基づいて一側面で代表説明し、他の側面については説明を省略する。また、実施例1、2と共通するものは、詳細説明は省略する。
実施例3の鋼管柱とH形鋼梁の接合構造を得るための施工方法(手順)例について図11に基づいて説明する。
a.図11(a)に示すように、所定の長さに採尺し整端した上側の鋼管柱1bの接合端(下端)に溶接開先を形成し、下側の鋼管柱1aの上部の接合端に溶接開先を形成し、その直下にボルト孔1oを設ける。
b.下側の鋼管柱1aの上端に通しダイアフラム2を溶接wする前に、図11(b)に示すように、開口端(上端)からの手作業で座金13を固定したナット12を挿入し、頭締め高力ボルト4aを頭締めして締め付ける時に、このボルトと共回りしないように下側の鋼管柱1aの内部側のボルト孔1o位置に内設(接着、溶接、保持具の使用などで固定)する。
c.図11(b)に示すように、通しダイアフラム2を、下側の鋼管柱1aの開口端(上端)に溶接wし、上側の鋼管柱1bを通しダイアフラム2に溶接wし、ナット内設鋼管柱ユニットを製作する。
a.図11(a)に示すように、所定の長さに採尺し整端した上側の鋼管柱1bの接合端(下端)に溶接開先を形成し、下側の鋼管柱1aの上部の接合端に溶接開先を形成し、その直下にボルト孔1oを設ける。
b.下側の鋼管柱1aの上端に通しダイアフラム2を溶接wする前に、図11(b)に示すように、開口端(上端)からの手作業で座金13を固定したナット12を挿入し、頭締め高力ボルト4aを頭締めして締め付ける時に、このボルトと共回りしないように下側の鋼管柱1aの内部側のボルト孔1o位置に内設(接着、溶接、保持具の使用などで固定)する。
c.図11(b)に示すように、通しダイアフラム2を、下側の鋼管柱1aの開口端(上端)に溶接wし、上側の鋼管柱1bを通しダイアフラム2に溶接wし、ナット内設鋼管柱ユニットを製作する。
d.H形鋼梁5の下フランジ5bにT型金物3の水平ウエブ3bを高力ボルト6で仮締めしておく。この作業は、工場で行ってもよいし施工現場で行ってもよい。
e.施工現場でc項のナット内設鋼管柱ユニットを建方後、通しダイアフラム2の梁接合部2aの下面にH形鋼梁5の上フランジ5aを当接して、高力ボルト6で接合する。
f.図11(d)に示すように、T形金物3を下側の鋼管柱1aに当接して位置を合わせ、T形金物3の外部側からボルト孔3o、1oに頭締め高力ボルト4aを挿入して、下側の鋼管柱1aに内設したナット12に螺合してT形金物3を下側の鋼管柱1aに接合する。
g.仮締めしておいたH形鋼梁5の下フランジ5bとT型金物3の水平ウエブ3bを本締めして接合を完了する。
h.上記の梁の接合と前後して、柱ユニット間の接合を現場溶接にておこなう。
上記のようにして図10に示すような鋼管柱とH形鋼梁の接合構造を得ることができる。
e.施工現場でc項のナット内設鋼管柱ユニットを建方後、通しダイアフラム2の梁接合部2aの下面にH形鋼梁5の上フランジ5aを当接して、高力ボルト6で接合する。
f.図11(d)に示すように、T形金物3を下側の鋼管柱1aに当接して位置を合わせ、T形金物3の外部側からボルト孔3o、1oに頭締め高力ボルト4aを挿入して、下側の鋼管柱1aに内設したナット12に螺合してT形金物3を下側の鋼管柱1aに接合する。
g.仮締めしておいたH形鋼梁5の下フランジ5bとT型金物3の水平ウエブ3bを本締めして接合を完了する。
h.上記の梁の接合と前後して、柱ユニット間の接合を現場溶接にておこなう。
上記のようにして図10に示すような鋼管柱とH形鋼梁の接合構造を得ることができる。
なお、本発明は、上記の実施例の内容のみに限定されるものではない。上記の実施例では、梁の上下フランジのいずれか一方をダイアフラム、他方をT金物として柱梁接合部のみで骨組を構築しているが、従来技術(1)〜(3)との併用も可能である。
上記各実施例では、鋼管柱の三側面(三方向)にH形鋼梁を接合する角形鋼管柱とH形鋼梁の高力ボルト接合構造に適用する場合を例にして説明しているが、この接合構造に使用が限定されるものではなく、柱材として円形鋼管柱を使用する場合も含み、一側面〜四側面にH形鋼梁を接合する場合にも適用可能である。円形鋼管柱の場合では、T形金物、座金における円形鋼管柱の曲面との当接面を曲面に形成したり、特殊形状の当金の使用などを考慮する。
また、本発明で使用する鋼管柱のサイズおよび長さ、T金形物条件、高力ボルト条件、ナットおよび座金の固定手段、潤滑・防錆処理部位及び処理条件、施工手順(工場と施工現場での施工分担を含む)などについては、接合対象物、接合部位、材料強度、設計強度などに応じて、上記請求項を満足する範囲内で変更のあるものである。
上記各実施例では、鋼管柱の三側面(三方向)にH形鋼梁を接合する角形鋼管柱とH形鋼梁の高力ボルト接合構造に適用する場合を例にして説明しているが、この接合構造に使用が限定されるものではなく、柱材として円形鋼管柱を使用する場合も含み、一側面〜四側面にH形鋼梁を接合する場合にも適用可能である。円形鋼管柱の場合では、T形金物、座金における円形鋼管柱の曲面との当接面を曲面に形成したり、特殊形状の当金の使用などを考慮する。
また、本発明で使用する鋼管柱のサイズおよび長さ、T金形物条件、高力ボルト条件、ナットおよび座金の固定手段、潤滑・防錆処理部位及び処理条件、施工手順(工場と施工現場での施工分担を含む)などについては、接合対象物、接合部位、材料強度、設計強度などに応じて、上記請求項を満足する範囲内で変更のあるものである。
1 鋼管柱(角形鋼管柱) 1a 下側の鋼管柱
1c 下端部側の鋼管柱 1b 上側の鋼管柱
1o ボルト孔 2 通しダイアフラム
2a 梁接合部 2o ボルト孔
3 T形金物 3a 垂直フランジ
3b 水平ウエブ 3o ボルト孔
4 高力ボルト 4a 頭締め高力ボルト
4p ピンテール 5 H形鋼梁
5a 上フランジ 5b 下フランジ
5o ボルト孔 6 高力ボルト
7 ナット 8 座金
9 床スラブ 10 頭部座金
11a、11b、11x 鋼管柱ユニット
12 ナット 13 座金
14 添板 14 ボルト孔
1c 下端部側の鋼管柱 1b 上側の鋼管柱
1o ボルト孔 2 通しダイアフラム
2a 梁接合部 2o ボルト孔
3 T形金物 3a 垂直フランジ
3b 水平ウエブ 3o ボルト孔
4 高力ボルト 4a 頭締め高力ボルト
4p ピンテール 5 H形鋼梁
5a 上フランジ 5b 下フランジ
5o ボルト孔 6 高力ボルト
7 ナット 8 座金
9 床スラブ 10 頭部座金
11a、11b、11x 鋼管柱ユニット
12 ナット 13 座金
14 添板 14 ボルト孔
Claims (8)
- 鋼管柱とH形鋼梁の接合構造において、H形鋼梁の一方のフランジを、梁接合部を有する通しダイアフラムに高力ボルト接合し、H形鋼梁の他方のフランジを、T形金物を介して鋼管柱に高力ボルト接合したことを特徴とする鋼管柱とH形鋼梁の接合構造。
- 鋼管柱とT形金物側のいずれか一方または双方のボルト孔が、梁せい方向の孔径をボルト軸径より(10〜50%程度)過大径にした長孔もしくは過大孔とし、T形金物の位置を梁せい方向で調整可能としたことを特徴とする請求項1に記載の鋼管柱とH形鋼梁の接合構造。
- 請求項1または2の接合構造を構成する鋼管柱であって、通しダイアフラムを溶接する前に、鋼管柱の開口端からの手作業で、内部に高力ボルトを挿入し、ボルト孔からその先端部を鋼管柱の外側に当接したT形金物のボルト孔から外部に突出させてナットを仮締めしてから通しダイアフラムおよびそれにつながる柱を溶接接合したことを特徴とする鋼管柱。
- 請求項1または2の接合構造を得るための接合施工方法であって、現場で、請求項3の鋼管柱の通しダイアフラムの梁接合部とT形金物の間に、H形鋼梁を挿入して、H形鋼梁の一方のフランジを通しダイアフラムの梁接合部に高力ボルト接合してから、H形鋼梁の他方のフランジをT形金物に高力ボルトで接合し、同時に、仮締めしておいた鋼管柱とT形金物を本締めして締結することを特徴とする鋼管柱とH形鋼梁の接合施工方法。
- 請求項1または2の接合構造を構成する鋼管柱であって、通しダイアフラムを溶接する前に、鋼管柱の開口端からの手作業で、ナット(座金)をボルト孔位置に共回り防止策を講じて固定してから通しダイアフラムおよびそれにつながる柱を溶接接合したことを特徴とするナット内設鋼管柱。
- 請求項1の接合構造を得るための接合施工方法であって、請求項5のナット内設鋼管柱の通しダイアフラムの梁接合部に、他方のフランジにT形金物を高力ボルトで仮締めしたH形鋼梁の一方のフランジを高力ボルト接合し、同時に、鋼管柱に梁の他方のフランジのT形金物を当接して、その外部側からボルト孔に挿入した頭締め高力ボルトと鋼管柱の内部に固定したナットを螺合して締結し、仮締めしておいたH形鋼梁の他方のフランジとT形金物を本締めして締結することを特徴とする鋼管柱とH形鋼梁の接合施工方法。
- 複数の請求項3の鋼管柱または複数の請求項5のナット内設鋼管柱を、通しダイヤフラムを介して溶接して一方の鋼管柱ユニットとし、これを施工現場に搬送して他方の鋼管柱ユニットと高力ボルト接合する鋼管柱の接合施工方法において、一方の鋼管柱ユニットの上端部側の鋼管柱の通しダイアフラムに、他方の鋼管柱ユニットの下端部側の鋼管柱と同じ製造ロットの短寸の鋼管柱を溶接しておき、施工現場で、短寸の鋼管柱と他方の鋼管柱ユニットの下端部側の鋼管柱を、添板を介して高力ボルト接合することを特徴とする鋼管柱の現場接合工法。
- 高力ボルトとして締め付けトルクを管理可能なトルシア型高力ボルトを使用する場合において、T形金物と鋼管柱を接合する高力ボルトセット(ボルト・ナット・座金)の全てもしくはいずれかに対して、鋼管柱とT形金物を本締めするまでの過程で、トルク係数値が変化しないように、防錆(潤滑)処理することを特徴とする請求項4または6に記載の鋼管柱とH形鋼梁の接合施工方法。
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JP2003367734A JP2005133336A (ja) | 2003-10-28 | 2003-10-28 | 鋼管柱とh形鋼梁の接合構造とその接合施工方法 |
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- 2003-10-28 JP JP2003367734A patent/JP2005133336A/ja not_active Withdrawn
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