JP2007309020A - 鉄骨片持ち梁と鉄骨小梁の接合構造 - Google Patents

鉄骨片持ち梁と鉄骨小梁の接合構造 Download PDF

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Abstract

【課題】溶接や高力ボルトをなるべく使用せず、施工が容易で作業効率が高く、安価である、鉄骨片持ち梁と鉄骨小梁の接合構造を提供する。
【解決手段】大梁1の長さ方向に直交する同一軸線上に、大梁1を挟んで設置される片持ち梁2と小梁3とを接合する鉄骨片持ち梁と鉄骨小梁の接合構造において、片持ち梁2と小梁3の上フランジどうしは、大梁1のウェブ1aを貫通する引き寄せボルト44によって連結された引き寄せ部材40、50にボルト固定されることで接合され、大梁1と片持ち梁2と小梁3の各ウェブは、一対のT形部材60の大梁固定部61がウェブ1aにボルト固定されると共に、一対のT形部材60のウェブ固定部62のうち、一方が片持ち梁2のウェブ2aにボルト固定され、他方が小梁3のウェブ3aにボルト固定されることで接合され、片持ち梁2と小梁3の下フランジどうしは、T形部材60に一体に形成された水平板63を介して接合される。
【選択図】図1

Description

本発明は、鉄骨大梁を挟んで接合される鉄骨片持ち梁と鉄骨小梁の接合構造に関する。
従来より、2階建てや3階建ての軽量鉄骨造の一般住宅や集合住宅においては、バルコニーや外廊下等を跳ね出し構造とする要望がある。梁通しの工法の場合、鉄骨大梁を外側に延長して片持ち梁とすればよいが、設計によっては鉄骨大梁に対して直交するように片持ち梁を張り出す必要が生じる。この場合、鉄骨大梁として多く用いられるH形鋼がねじれに弱いため、大梁を挟んで、片持ち梁に相対する位置に、鉄骨小梁を設置し、片持ち梁と小梁を剛接合する必要がある。
剛接合にするために、これまで図10に示す接合構造が多く用いられていた。図10は、鉄骨大梁1挟んで、鉄骨片持ち梁2と鉄骨小梁3を剛接合した構造を示したものである。
大梁1のウェブ1aの両面には、片持ち梁2および小梁3それぞれと同じ高さ・断面形状を有するブラケット4、4が予め溶接により固定されている。このブラケット4、4のウェブ4a、4aに対して、片持ち梁2と小梁3のウェブ2a、3aがウェブ用添え板7、7を介して、高力ボルト8、8…により接合されるとともに、上下のフランジ4b、4cに対して、片持ち梁2と小梁3のフランジ2b、2c、3b、3cがフランジ用添え板5、5を介して、高力ボルト6、6…により接合されている。
ところで、軽量鉄骨造では、製作コストの観点から、梁の溶接加工は極力避け、梁同士の接合は普通ボルトを利用することが好ましい。
普通ボルトの原理は支圧接合であることから、ボルト孔とボルト軸の直径の差だけわずかにガタが生じる。多くの場合、この程度のガタは軽量鉄骨造の構造上大きな問題とはならないが、片持ち梁の場合には、先端が垂れるという問題が発生する。例えば、片持ち梁が大梁から1メートル出ている場合、接合部分で1mmガタが生じれば先端は10mm垂れることになる。そこで、図10のように溶接や高力ボルトで接合せざるを得なかった。
しかし、大梁1に対してブラケット4を溶接固定すると、製作の手間とコストがかかる。また、大梁1にブラケット4、4を固定した状態で現場に運搬すると、ブラケット4、4が梁幅から突出しているので、運搬しにくい。さらに、高力ボルト接合は摩擦接合によるため、接合箇所の摩擦面処理や高力ボルトの軸力の制御など施工が煩雑になる。さらに、現場で高力ボルトを締める前に片持ち梁2の先端を支保工やチェーンで正規の高さに仮固定する必要があり、大掛かりな作業を要する。
コストの問題に対し、特許文献1では、大梁を挟んで隣り合う鉄骨小梁どうしの接合構造において、上フランジどうしをスプライスプレートと高力ボルトにより、下フランジ同士をメタルタッチ接合により、ウェブ部分については大梁に溶接したスチフナーと小梁のウェブを高力ボルトで接合することにより、溶接工程を減らして解決しようとしている。
特開2005−282019号公報
しかし、前記特許文献1に記載の技術では、それ以前の技術と比較して溶接工程は少ないもののスチフナーを溶接により大梁に固定している。また、高力ボルトを多く用いている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、コストや手間のかかる溶接や高力ボルトをなるべく使用せず、従来と比較して施工が容易で作業効率が高く、安価である、鉄骨片持ち梁と鉄骨小梁の接合構造を提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意研究したところ、木造住宅の柱と基礎を緊密に結合するホールダウン金物のように、梁同士を引き寄せて結合する部材を設けることで、本発明を完成するに至った。
すなわち、請求項1に記載の発明は、鉄骨大梁の長さ方向に直交する同一軸線上に、前記鉄骨大梁を挟んで設置される鉄骨片持ち梁と鉄骨小梁とを接合する鉄骨片持ち梁と鉄骨小梁の接合構造において、前記鉄骨片持ち梁と前記鉄骨小梁それぞれの上フランジの下側に、前記鉄骨大梁のウェブを貫通する貫通ボルトによって互いに引き寄せられるように連結された一対の連結部材が、前記大梁のウェブを挟むように設けられ、第1の平板とこれに直交する第2の平板とが略T字形に一体となって形成されてなるT形部材が、前記大梁のウェブを挟んで一対設けられ、前記鉄骨片持ち梁と前記鉄骨小梁の上フランジどうしは、それぞれの下側に設けられた前記連結部材にボルト固定されることで接合され、前記鉄骨大梁と前記鉄骨片持ち梁と前記鉄骨小梁の各ウェブは、前記一対のT形部材の第1の平板が、前記鉄骨大梁のウェブにボルト固定されると共に、前記一対のT形部材の第2の平板のうち、一方が前記鉄骨片持ち梁のウェブにボルト固定され、他方が前記鉄骨小梁のウェブにボルト固定されることで接合され、前記鉄骨片持ち梁と前記鉄骨小梁の下フランジどうしは、鋼製の平板からなる鋼板部材を介して接合されることを特徴とする。
ここで、ボルト固定とは、普通ボルトで固定することをいう。
請求項1に記載の発明においては、略T字形に形成された一対のT形部材の第1の平板が、大梁のウェブにボルト固定されると共に、第2の平板のうち、一方が片持ち梁のウェブにボルト固定され、他方が小梁のウェブにボルト固定されることで、大梁と片持ち梁と小梁の各ウェブが接合されているので、ウェブ間のせん断力はT形部材を介して伝達される。
また、片持ち梁と小梁の上フランジが、それぞれ、大梁のウェブを貫通する貫通ボルトによって互いに引き寄せられるように連結された一対の連結部材に、ボルト固定されることで接合されている。よって、片持ち梁の自重や小梁に対して鉛直加重が作用した場合、片持ち梁及び小梁の上フランジに生じる軸線方向の引張力は、連結部材と貫通ボルトを介して、伝達されるとともに、連結部材を介して片持ち梁と小梁間に引き寄せあう力が常に作用していることから、普通ボルトによる接合であっても、片持ち梁の先端が垂れないよう十分支持することができる。
さらに、片持ち梁と小梁の下フランジどうしは、鋼製の平板からなる鋼板部材を介して接合されているので、下フランジ間に作用する圧縮力は鋼板部材を介して伝達される。ここで、鋼板部材は、圧縮力を伝達できればよいので、溶接や高力ボルトといった強固な接合構造を採用する必要はなく、例えば、後述の請求項2、3のように構成することができる。
以上のように、連結部材と貫通ボルト、T形部材、鋼板部材によって、片持ち梁と小梁を比較的簡単な構成で剛接合することができる。
請求項1に記載の発明において、下フランジを接合する鋼板部材は、単独の鋼板そのものでもよいが、請求項2あるいは請求項3に記載の発明のように構成してもよい。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記鋼板部材は、前記一対のT形部材それぞれに、前記第1の平板及び前記第2の平板の双方に直交するように形成され、前記鉄骨片持ち梁の下フランジは、前記一方のT形部材の鋼板部材にボルト固定され、前記鉄骨小梁の下フランジは、前記他方のT形部材の鋼板部材にボルト固定されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記鋼板部材は、前記一対のT形部材それぞれに、前記第1の平板及び前記第2の平板の双方に直交するように形成され、前記鉄骨片持ち梁の下フランジは、前記一方のT形部材の鋼板部材にメタルタッチにより接合され、前記鉄骨小梁の下フランジは、前記他方のT形部材の鋼板部材にメタルタッチにより接合されていることを特徴とする。
本発明の鉄骨片持ち梁と鉄骨小梁の接合構造によれば、大梁を挟んで片持ち梁と小梁を普通ボルトで接合することができるので、手間のかかる大梁の溶接や、高力ボルトのような摩擦面の処理や軸力の管理などの施工時の煩雑な処理は不要である。
また、施工作業において、一対の連結部材を連結している貫通ボルトのねじ込みの程度を調整することで、片持ち梁に対して小梁側に引き寄せるような力を加えて、その先端を正規の高さに合わせることができる。したがって、高力ボルトを用いる際の支保工やチェーンによる大掛かりな仮固定は必要なく、ボルトの調整という簡便な方法で片持ち梁の高さ位置を調整できる。
よって、本発明によれば、コストや手間のかかる溶接や高力ボルトを使用せず、従来と比較して施工作業が容易で作業効率が高く、安価である、鉄骨片持ち梁と鉄骨小梁の接合構造を提供できる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態に係る鉄骨片持ち梁と鉄骨小梁の接合構造を示す図であって、(a)は要部を示す正面図であり、(b)は側面図である。
本実施の形態の鉄骨片持ち梁と鉄骨小梁の接合構造は、H形鋼からなる鉄骨大梁1を挟んで、大梁1よりも梁背が小さいH形鋼からなる鉄骨片持ち梁2と鉄骨小梁3が、大梁1の長さ方向に直交する同一軸線上に配置され、剛接合されてなるものである。小梁3の他端は、大梁1に平行して設けられている別の大梁に対し接合されている(図5参照)。
片持ち梁2の上フランジ2bと小梁3の上フランジ3bは、大梁1の上フランジ1bと同一平面となる高さ位置にあって、これら上フランジの下側に設置された引き寄せ部材40、50によって接合されている。また、片持ち梁2の下フランジ2cと小梁3の下フランジ3cは、大梁1のウェブ1aに固定されているT形部材60、60を介して接合されている。
図2(a)、(b)に引き寄せ部材40、50を示した。引き寄せ部材40、50は、施工時には、双方を連結する引き寄せボルト44を調整することで、片持ち梁2に対して引き寄せる力を加え、その先端を持ち上げ高さを調整し、接合後は引き寄せ部材40、50と引き寄せボルト44が一体となって、片持ち梁2と小梁3の上フランジ間の剛接合を支持するものである。
引き寄せ部材40、50は、圧延山形鋼または鋼板をプレス加工して形成された、断面がL字形の鋼材からなる。引き寄せ部材40において、片持ち梁2の上フランジ2bに固定されるフランジ固定部41には、上フランジ2bにボルト固定するためのボルト孔41a、41aが形成されている。また、L形の鋼材の内面の端部近くには、フランジ固定部41に直交するように板状のボルト連結部42が溶接固定されており、このボルト連結部42の中央には、引き寄せボルト44が嵌合する嵌合孔42aが形成されている。
引き寄せ部材50は、引き寄せ部材40の鏡像体としての構造を有する。小梁3の上フランジ3bに固定されるフランジ固定部51には、ボルト孔51a、51aが設けられている。ボルト連結部52には、引き寄せボルト44用の嵌合孔52aが形成されている。
引き寄せ部材40、50は、図1(a)、(b)から分かるように、一対ずつ、片持ち梁2と小梁3の上フランジ2b、3bの両面側に設けられる。
図3にT形部材60を示した。T形部材60は、図3上方より見た場合にT字状になるように、鋼板を溶接により組み立てたものである。T形部材60は、大梁1のウェブ1aに固定される大梁固定部61と、片持ち梁2のウェブ2aや小梁3のウェブ3aに固定されるウェブ固定部62と、大梁固定部61やウェブ固定部62に対して直交し、水平方向に溶接されている水平板63とからなる。
大梁固定部61には、大梁1にボルト固定するための孔61aが、左右対称に2個ずつ4個形成されている。ウェブ固定部62は、大梁固定部61の中心線pよりも、ウェブ2a、ウェブ3aの幅の約半分左方向にずれるように大梁固定部61に溶接されている。ウェブ固定部62には、ウェブ2a、ウェブ3aとボルト固定するための孔62a、62aが形成されている。
なお、本実施の形態においては、図1に示すようにT形部材として左右同型のものを使用したが、施工上、ウェブ2a、3aの同じ側の面に取り付けたいときには、鏡像関係にあるものを左右それぞれに用いてもよい。
水平板63は、ウェブ固定部62をウェブ2a、ウェブ3aに取り付けた際に、下フランジ2c、3cの下面と上面63aが面接触するような位置に形成されており、下フランジ2c、3cとの結合のために孔63bが4個形成されている。
図1の接合構造を施工する前に、予め大梁1のウェブ1aには、T形部材60の大梁固定部61を固定するためのボルト孔4個(図示せず)と、引き寄せボルト44が貫通するための貫通孔1個(図示せず)を形成される。この場合、4個のボルト孔は、これらにねじ込まれる大梁用ボルト16が、支圧接合であるため、つまりボルト軸のせん断力とボルト孔からの支圧で応力を伝達することから、ガタが生じないように、施工可能な範囲で、なるべくボルト軸径に近い径(例えばボルト軸径+1mm)に形成する。一方、貫通孔は、引き寄せボルト44のボルト軸が接触しないように、ボルト軸径よりも5mm以上大きくすることが望ましい。
片持ち梁2と小梁3についても、接合前予め、片持ち梁2の上フランジ2bと小梁3の上フランジ3bには、引き寄せ部材40、50のボルト孔41a、41a、51a、51aに対応する上フランジ孔が4個形成されている。
片持ち梁2と小梁3それぞれの下フランジ2c、3cには、T型部材60の水平板63の4つの孔63bとボルト固定するため、図示しない下フランジ孔が4個ずつ形成されている。
片持ち梁2と小梁3それぞれのウェブ2a、3aには、T形部材60のウェブ固定部62の孔62a、62aとボルト固定するためのウェブ孔(図示略)が2個ずつ形成されている。
本実施の形態の接合構造の施工手順は、以下の(1)〜(9)の通りである。
(1)現場で地上において、T形部材60、60を、大梁1に対して固定する。このとき、T形部材60、60を、それぞれの大梁固定部61によってウェブ1aを両側から挟むように、背中合わせに設置する。そして、2枚の大梁固定部61の4つの孔61a、ウェブ1aの前記ボルト孔の位置を合わせ、4本の大梁用ボルト16により締めて、T形部材60、60をウェブ1aに固定する。なお、工場で予め固定しておいてもよい。
(2)大梁1を重機で所定の位置に設置する。
(3)小梁3を重機で、大梁1の長さ方向に直交するように所定の位置に持ち上げ、大梁1に固定されている2つのT形部材60のうち、図1(a)右にあるT形部材60のウェブ固定部62の一面側(図1(a)の紙面裏側)と、小梁3のウェブ3aとを重ね合わせて、孔62a、62aと前述の2個のウェブ孔とを位置合わせし、ウェブ用ボルト12、12により仮固定する。一方、下フランジ3cの下面を、水平板63の上面63aに接するように合わせて、下フランジ用ボルト11、11で仮固定する。
(4)小梁3の上フランジ3bの下側において、引き寄せ部材50のフランジ固定部51のボルト孔51a、51aと前述の上フランジ孔とを合わせて、上フランジ用ボルト10、10で仮固定する。
また、ウェブ3aの裏側において、引き寄せ部材40を同様に仮固定する。
(5)片持ち梁2を重機で、大梁1を挟んで小梁3と同一軸線上に位置するように所定の位置に持ち上げる。そして、図1(a)左にあるT形部材60のウェブ固定部62の一面側(図1(a)の紙面表側)と、片持ち梁2のウェブ2aとを重ね合わせて、孔62a、62aと前述のウェブ孔とを互いに位置合わせし、ウェブ用ボルト12、12で仮固定する。
一方、下フランジ2cの下面に、水平板63の上面63aを接するように合わせて、下フランジ用ボルト11、11で仮固定する。
(6)片持ち梁2の上フランジ2bの下側において、引き寄せ部材40のフランジ固定部41のボルト孔41a、41aと前述の上フランジ孔とを合わせて、上フランジ用ボルト10、10で仮固定する。また、ウェブ2aの裏側において、引き寄せ部材50を同様に仮固定する。
この段階では、片持ち梁2の自重により、その先端が垂れた状態である。
(7)次に、小梁3に仮固定された引き寄せ部材50のボルト連結部52の嵌合孔52a、大梁1のウェブ1aに形成された前記貫通孔、及び片持ち梁2に仮固定された引き寄せ部材40のボルト連結部42の嵌合孔42aに、引き寄せボルト44を、頭部44cが小梁3側になるように、通す。図1の紙面裏側においても、同様に引き寄せボルト44を、小梁3に仮固定された引き寄せ部材40の嵌合孔42a、ウェブ1aの貫通孔、片持ち梁2に仮固定された引き寄せ部材50の嵌合孔52aに通す。
次いで、引き寄せボルト44の二重ナットのうち内側のナット44aを調整する。なお、図1における紙面裏側の引き寄せボルト44に関しても、同時に調整するが一方についてのみ説明する。ここで、引き寄せボルト44のナット44aを締めることで、引き寄せ部材40、50を介して、片持ち梁2の上フランジ2bを、小梁3に引き寄せるように持ち上げ、片持ち梁2の先端を上昇させる。これにより、片持ち梁2の先端の高さを正規の高さに調整する。
なお、本実施の形態の鉄骨片持ち梁と鉄骨小梁の接合構造は、バルコニーや外廊下などに複数個設けられるものであり、全ての片持ち梁・小梁接合構造について、ナット44aの調整前までの作業を終了した後に、この調整作業を行うことで、各片持ち梁どうし先端の高さ位置をそろえることができる。
(8)全てのウェブ用ボルト12、上フランジ用ボルト10、下フランジ用ボルト11をインパクトレンチで本締めする。
(9)引き寄せボルト44の外側のナット44bを内側のナット44aに対して緩まないように締めこむ。
このような鉄骨片持ち梁と鉄骨小梁の接合構造にあっては、大梁1のウェブ1aに対して、ウェブ1aを挟んで設けられた一対のT形部材60、60が固定され、片持ち梁2のウェブ2aと、小梁3のウェブ3aがT形部材60、60のウェブ固定部62にボルト固定により接合されることで、ウェブ間のせん断力がT形部材60を介して伝達される。
また、片持ち梁2の自重や、小梁3に対して鉛直加重が作用した場合、上フランジ2b、3bに生じる軸線方向の引張力は、引き寄せ部材40、50を介して伝達されるとともに、引き寄せ部材40、50を介して片持ち梁2と小梁3間に引き寄せあう力が常に作用しているので、普通ボルトによる接合であっても、片持ち梁2の先端が垂れないよう十分支持することができる。
また、下フランジ2c、3cに生じる軸線方向の圧縮力は、T形部材60の水平板63を介して、片持ち梁2と小梁3相互間に伝達される。
以上のように、大梁1を挟んで設けられた片持ち梁2と小梁3とを、引き寄せ部材40、50及びT形部材60、60により、簡単な構成で剛接合し、連続梁とし機能させることができる。
また、この鉄骨片持ち梁と鉄骨小梁の接合構造にあっては、高力ボルトも使用せず、大梁1に対して溶接加工することもなく、普通ボルトで接合している。よって、高力ボルトのような摩擦面の処理や軸力の管理などの施工時の煩雑な処理は不要である。
また、施工作業において、引き寄せ部材40、50を連結している引き寄せボルト44のナット44aを調整することで、片持ち梁2の先端を正規の高さに合わせることができる。高力ボルトを用いる際の支保工やチェーンによる大掛かりな仮固定は必要なく、ナットの調整という簡便な方法で片持ち梁2の高さ位置を調整できる。
このようにコストや手間のかかる溶接や高力ボルトを使用しないことから、従来と比較して施工が容易で作業効率が高く、安価である、片持ち梁と小梁の接合構造となる。
(第2の実施の形態)
図4および図5は、本発明の第2の実施の形態に係る鉄骨片持ち梁と鉄骨小梁の接合構造を示す図であって、図4(a)は要部の正面図であり、図4(b)は側面図であり、図5は全体図である。前述の第1の実施の形態では、下フランジ2c、3cをボルト接合するように構成したが、図4、図5に示すようにメタルタッチ接合でもよい。
本実施の形態が、前記第1の実施の形態と異なる点は、T形部材60の代わりにT形部材70を用いる点であり、その他の構成は第1の実施の形態と共通であるので、共通部分には同一符号を付してその説明を省略する。
T形部材70は、図6に示すように、水平板73の長さが、T形部材60の水平板63よりも短く、かつ、厚く形成されている。その他の構造である大梁固定部71は、前記大梁固定部61と、ウェブ固定部72はウェブ固定部62と同様に構成されている。
水平板73は、T形部材70の大梁固定部71を大梁1のウェブ1aに取り付けた状態で、その端面73aが、片持ち梁2、小梁3の下フランジ2c、3cの端面2d、3dとメタルタッチで接合する。なお、水平板73の板厚の中心を横切る中心線と、端面2d、3dの板厚の中心線は、設置の際にほぼ一致し、水平板73の厚さは、端面2d、3dよりも厚い。水平板73の端面73a、端面2d、3dは、メタルタッチ接合に適するように、正確に鉛直方向に切断し、平滑に表面加工しておく。
本実施の形態では、第1の実施の形態同様に、引き寄せ部材40、50を介して、上フランジ2b、3bの引張力が伝達され、T形部材70の大梁固定部71を介して、ウェブ部分のせん断力が伝達される。また、下フランジ2c、3cの圧縮力は、T形部材70の水平板73の端面73a、73aとのメタルタッチ接合を介して、伝達される。
本実施の形態にあっては、第1の実施の形態同様の効果を得ることができる上に、下フランジ2c、3cをメタルタッチで接合したことから、施工時は端面2d、3dを水平板73の端面73a、73aと位置を合わせて当接させるだけでよく、より作業の効率が高い。
(第3の実施の形態)
図7は本発明の第3の実施の形態に係る鉄骨片持ち梁と鉄骨小梁の接合構造を示す図であって、(a)は正面図、(b)は側面図である。大梁1の梁背が片持ち梁2、小梁3よりも大きいときは第1の実施の形態、第2の実施の形態のような接合構造をとるが、大梁1の梁背が片持ち梁2、小梁3とほぼ同じであるときは、図7に示す接合構造をとる。
本実施の形態が、前記第1の実施の形態の接合構造と異なる点は、T形部材60の代わりにT形部材80と添え板83を用いる点であり、その他の第1の実施の形態と共通部分には同一符号を付してその説明を省略する。
T形部材80は、図8に示すように、水平板がなく、大梁固定部81とウェブ固定部82とからなる。大梁固定部81は、前記大梁固定部61と、ウェブ固定部82はウェブ固定部62と同様に構成されている。
添え板83は、鋼製の平板であって、片持ち梁2の下フランジ2c、大梁の下フランジ1c、小梁3の下フランジ3cにボルト固定されるものである。添え板83には、ボルト軸を通すための図示しない孔が形成されている。
施工時には、ほぼ面一に設置された下フランジ2c、下フランジ1c、下フランジ3cの下面に添え板83を設け、下フランジ用ボルト11により下フランジ2c、3cに固定し、さらに、大梁下フランジ用ボルト13により下フランジ1cに固定する。この添え板83を介して、圧縮力が伝達される。大梁1と添え板83のボルト固定は、圧縮力による添え板83の座屈を防ぐためである。なお、施工時に、先に、添え板83を大梁1の下フランジ1cに固定しておくと、施工しやすい。
本実施の形態にあっては、第1の実施の形態同様の作用効果を得ることができる。
なお、本発明における引き寄せ部材は、図2に示したものに限らず、図9に示すものでもよい。図9(a)の引き寄せ部材90では、引き寄せ部材40のボルト連結部42に相当する部材をL字状に形成したもので、強度が大きくなり、板厚を薄くすることができる。図9(b)の引き寄せ部材91は、木造住宅のホールダウン金物に似た形状を有する引き寄せ部材である。L形でなく平板91aを片持ち梁や小梁の上フランジに固定する。
本発明の第1の実施の形態に係る鉄骨片持ち梁と鉄骨小梁の接合構造を示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。 同、引き寄せ部材を示す斜視図である。 同、T形部材を示す斜視図である。 本発明の第2の実施の形態に係る鉄骨片持ち梁と鉄骨小梁の接合構造を示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る鉄骨片持ち梁と鉄骨小梁の接合構造の全体を示す正面図である。 同、T形部材を示す斜視図である。 本発明の第3の実施の形態に係る鉄骨片持ち梁と鉄骨小梁の接合構造を示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。 同、T形部材を示す斜視図である。 引き寄せ部材の他の例を示す斜視図である。 従来の鉄骨片持ち梁と鉄骨小梁の接合構造を示す正面図である。
符号の説明
1 鉄骨大梁
2 鉄骨片持ち梁
3 鉄骨小梁
40、50 引き寄せ部材(連結部材)
44 引き寄せボルト(貫通ボルト)
60、70、80、90、91 T形部材
63、73 水平板(鋼板部材)
83 添え板(鋼板部材)

Claims (3)

  1. 鉄骨大梁の長さ方向に直交する同一軸線上に、前記鉄骨大梁を挟んで設置される鉄骨片持ち梁と鉄骨小梁とを接合する鉄骨片持ち梁と鉄骨小梁の接合構造において、
    前記鉄骨片持ち梁と前記鉄骨小梁それぞれの上フランジの下側に、前記鉄骨大梁のウェブを貫通する貫通ボルトによって互いに引き寄せられるように連結された一対の連結部材が、前記大梁のウェブを挟むように設けられ、
    第1の平板とこれに直交する第2の平板とが略T字形に一体となって形成されてなるT形部材が、前記大梁のウェブを挟んで一対設けられ、
    前記鉄骨片持ち梁と前記鉄骨小梁の上フランジどうしは、それぞれの下側に設けられた前記連結部材にボルト固定されることで接合され、
    前記鉄骨大梁と前記鉄骨片持ち梁と前記鉄骨小梁の各ウェブは、前記一対のT形部材の第1の平板が、前記鉄骨大梁のウェブにボルト固定されると共に、前記一対のT形部材の第2の平板のうち、一方が前記鉄骨片持ち梁のウェブにボルト固定され、他方が前記鉄骨小梁のウェブにボルト固定されることで接合され、
    前記鉄骨片持ち梁と前記鉄骨小梁の下フランジどうしは、鋼製の平板からなる鋼板部材を介して接合されることを特徴とする鉄骨片持ち梁と鉄骨小梁の接合構造。
  2. 前記鋼板部材は、前記一対のT形部材それぞれに、前記第1の平板及び前記第2の平板の双方に直交するように形成され、
    前記鉄骨片持ち梁の下フランジは、前記一方のT形部材の鋼板部材にボルト固定され、
    前記鉄骨小梁の下フランジは、前記他方のT形部材の鋼板部材にボルト固定されていることを特徴とする請求項1に記載の鉄骨片持ち梁と鉄骨小梁の接合構造。
  3. 前記鋼板部材は、前記一対のT形部材それぞれに、前記第1の平板及び前記第2の平板の双方に直交するように形成され、
    前記鉄骨片持ち梁の下フランジは、前記一方のT形部材の鋼板部材にメタルタッチにより接合され、
    前記鉄骨小梁の下フランジは、前記他方のT形部材の鋼板部材にメタルタッチにより接合されていることを特徴とする請求項1に記載の鉄骨片持ち梁と鉄骨小梁の接合構造。
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