JP2005133030A - ポリウレタンエラストマー - Google Patents

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Abstract

【課題】 引張強度、耐水性に優れたポリウレタンエラストマーを提供すること。
【解決手段】 ポリオール成分と有機ポリイソシアネート化合物及び必要に応じて鎖延長剤とを反応させて得られるポリウレタンエラストマーにおいて、前記ポリオール成分が、少なくとも2個の活性水素基を有する低分子量化合物を開始剤として、下記一般式(1)
【化1】

(式中R1およびR2は同一もしくは異なって、Hまたは炭素数1〜4のアルキル基を表し、3≦n≦7である。)で表される環状ラクトン化合物の少なくとも2種類を開環共重合させて得られる共重合ラクトンポリオールを含むことを特徴とするポリウレタンエラストマー。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリウレタンエラストマーに関する。ポリウレタンエラストマーは各種エラストマー成形物、合成皮革、人工皮革、接着剤、靴底、スパンデックス等として様々な分野で広く用いられている。
ポリウレタンエラストマーはポリオール成分と有機ポリイソシアネート化合物及び必要に応じて鎖延長剤とを反応させて製造される。その中のポリオール成分としてはアジピン酸等の2価カルボン酸と多価アルコールから誘導されるポリエステルポリオール、ラクトン類と多価アルコールを反応させて得られるポリラクトンポリオール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール等が用いられ、その要求性能に応じて各種の用途に使い分けられている。
これらポリウレタンエラストマー用のポリオール成分の大半は常温でワックス状であるので、取扱い時、加温による融解が必要となり、作業性に問題がある。そこで、常温で液状のものが望まれる。常温で液状のポリオールとしてはポリプロピレングリコール等のポリエーテルポリオールがある。さらに、常温で液状のポリオールとしては、例えば、特開昭60−229918号公報の2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールとポリカルボン酸からなるポリエステルポリオール、特開平5−39339号公報に記載の3−メチル−1,5−ペンタンジオールのアジピン酸からなるポリエステルポリオール、特公平3−57133号公報の側鎖を有する多価アルコールと多塩基酸及びε−カプロラクトンからなるポリエステルポリオール等がある。
特開昭60−229918号公報(特許請求の範囲等) 特開平5−39339号公報(特許請求の範囲等) 特公平3−57133号公報(実施例等)
しかしながら、ポリプロピレングリコール等のポリエーテルポリオールを用いたポリウレタンエラストマーは耐水性が優れているという特徴はあるが機械強度、耐熱性、耐候性等が悪いという欠点がある。一方、特開昭60−229918号公報及び特開平5−39339号公報に提案されている側鎖を有する多価アルコールとポリカルボン酸からなるポリエステルポリオールを用いたポリウレタンエラストマーは機械強度等が劣るという欠点がある。さらに、特公平3−57133号公報の側鎖を有する多価アルコールと多塩基酸及びε−カプロラクトンからなるポリエステルポリオールを用いたポリウレタンエラストマーは耐水性を改善されるが、機械強度等が劣るとの欠点がある。また、1種類の環状ラクトン化合物から得られたラクトンジオールまたはラクトントリオールを液状で得ようとすると数平均分子量の上限が制約され、ポリウレタンエラストマー用のポリオールとして使用することができないという問題がある。
本発明者は、Journal of Polymer Science;Part A:Polymer Chemistry,Vol.29,1759-1777(1991)の文献等を参考に、これらの問題点を解決し、優れた機械強度を有し、耐水性に優れたポリウレタンエラストマーを開発する目的で鋭意検討した結果、本発明に至った。
即ち、本発明の第1は、ポリオール成分と有機ポリイソシアネート化合物及び必要に応じて鎖延長剤とを反応させて得られるポリウレタンエラストマーにおいて、前記ポリオール成分が、少なくとも2個の活性水素基を有する低分子量化合物を開始剤として、下記一般式(1)
(式中、n個の各R1およびR2は同一もしくは異なって、Hまたは炭素数1〜4のアルキル基を表し、3≦n≦7である。)
で表される環状ラクトン化合物の少なくとも2種類を開環共重合させて得られる共重合ラクトンポリオールを含むことを特徴とするポリウレタンエラストマーを提供する。
本発明の第2は、環状ラクトン化合物がε−カプロラクトンおよびδ−バレロラクトンであり、その割合がモル比で80/20〜20/80である上記発明1記載のポリウレタンエラストマーを提供する。
本発明の第3は、前記共重合ラクトンポリオールが、水酸基価20〜350mgKOH/gである上記発明1または2記載のポリウレタンエラストマーを提供する。
本発明の第4は、前記少なくとも2個の活性水素基を有する低分子量化合物がエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオールから選ばれる少なくとも1種である上記発明1〜3のいずれかに記載のポリウレタンエラストマーを提供する。
本発明の第5は、前記共重合ラクトンポリオールが常温で液状であり、且つ25℃における粘度が7,000mPas以下である上記発明1〜4のいずれかに記載のポリウレタンエラストマーを提供する。
本発明の第6は、前記有機ポリイソシアネート化合物が有機ジイソシアネート化合物である上記発明1〜5のいずれかに記載のポリウレタンエラストマーを提供する。
本発明のポリウレタンエラストマーは引張強度、耐水性に優れ、ロール、ベルト、クリーニングブレード、ホース、チューブ、パッキング、合成皮革、人工皮革、接着剤、インキ等のバインダー、靴底、スパンデックスなどの種々の工業的用途に広く用いることができる。
本発明のポリウレタンエラストマーにおけるポリオール成分として使用される共重合ラクトンポリオールを製造するための前記一般式(1)で表される環状ラクトン化合物の代表的なものはε−カプロラクトンおよびδ−バレロラクトンである。
さらに、前記少なくとも2個の活性水素基を有する低分子量化合物としてはエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール等があり、これらの中から選ばれた少なくとも1種が使用される。
本発明のポリウレタンエラストマーにおいて使用される共重合ラクトンポリオールの製造方法としては、一般的に実施されている環状ラクトン化合物の開環付加重合法が用いられる。開始剤と2種類の環状ラクトン化合物を混合し、好ましくは、重合触媒を使用して120℃から230℃、さらに好ましくは140℃から220℃で数時間攪拌し、連続もしくはバッチ反応により得ることができる。2種類以上の環状ラクトン化合物を共重合する場合は、1種類または2種類を予め反応槽に仕込んでおき、他の環状ラクトン化合物を滴下してもよい。
重合触媒としては種々の有機または無機の金属化合物等が使用でき、具体的にはテトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラエチルチタネート等の有機チタン系化合物、ジブチルスズオキシド、ジブチルスズラウレート、オクチル酸第一スズ、モノ−n−ブチルスズ脂肪酸塩等の有機スズ化合物、塩化第一スズ、臭化第一スズ、ヨウ化第一スズ等のハロゲン化第一スズ等を挙げることができる。これらの触媒の使用量は出発原料に対して0.1ppmから1,000ppm、好ましくは0.5ppmから500ppmである。
2種類の環状ラクトン化合物の共重合割合はモル比で20/80〜80/20が好ましく、より好ましくは、30/70〜70/30である。共重合のモル比が上記範囲を外れると、得られる共重合ラクトンポリオールが環状ラクトン化合物の単独重合体の特性に近づくため、結晶性が強くなり、常温で液状の共重合ラクトンポリオールが得られにくくなるため好ましくない。
他に使用可能なε−カプロラクトンとδ−バレロラクトン以外の環状ラクトン化合物としては、トリメチル−ε−カプロラクトン、ブチロラクトン、ラウロラクトン、カプリロラクトン等が挙げられる。通常は、最も入手し易いε−カプロラクトンとδ−バレロラクトンとを組み合わせて上記の範囲で使用する。ε−カプロラクトンとδ−バレロラクトンに加えてそれ以外の環状ラクトン化合物を使用する場合は、環状ラクトン化合物全体中モル比で20%未満であることが好ましい。共重合ラクトンポリオールを合成するための反応終了後、残留している環状ラクトン化合物を減圧下で除去した方が好ましい。残留している環状ラクトン化合物の量が多いと、機械的強度の優れたポリウレタンエラストマーが得られにくい。
本発明のポリウレタンエラストマーにおいてポリオール成分として使用する、少なくとも2個の活性水素基を有する低分子量化合物を開始剤として、2種類の環状ラクトン化合物を開環共重合することにより得られる共重合ラクトンポリオールの水酸基価は20〜350mgKOH/gであり、特に30〜200mgKOH/gが好ましい。共重合ラクトンポリオールの水酸基価が20mgKOH/gを下まわると共重合ラクトンポリオールの粘度が高くなり有機ポリイソシアネート化合物との混合作業に支障をきたすため好ましくない。また、水酸基価が350mgKOH/gを超えると得られるポリウレタン樹脂の機械物性が劣るため好ましくない。
本発明における水酸基価はJIS K1557の6.4に記載されている方法で測定したものである。
また、本発明のポリウレタンエラストマーを製造するために用いられる共重合ラクトンポリオールは常温で液状、25℃における粘度が7000mPas(E型粘度計による測定値)以下であることが好ましい。粘度が7000mPasを超えるとポリウレタンエラストマーを製造する際の作業性が悪くなるので、好ましくない。
本発明において使用される有機ポリイソシアネート化合物としては、有機ジイソシアネート化合物が好ましく、一般に用いられる芳香族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、あるいは脂肪族ジイソシアネート化合物を用いることができる。具体例としては、トリレン2,4−ジイソシアネート、トリレン2,6−ジイソシアネートおよびこれらの混合物、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、水添4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、3−メチルジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネートおよびこれらの組成物、ヘキサメチレンジイソシアネートなどが挙げられ、1種又は2種以上を用いることができる。
また、必要に応じて鎖延長剤を使用することができる。鎖延長剤としては活性水素を有するジオールまたはジアミンのような低分子化合物であり、それらの具体例としては以下のようなものがある。
エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、2−メチルプロパンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヒドラジン、イソフォロンジアミン、メタフェニレンジアミン、4,4‘−ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、3,3’−ジクロル−4,4‘−ジアミノジフェニルメタンなどが挙げられる。
本発明において、ポリウレタンエラストマーを製造する方法としては共重合ラクトンポリオールおよび必要に応じて使用される上記液状のポリオールと過剰(NCO/OHのモル比1.5〜7.0、好ましくは、2.00〜5.0)の有機ポリイソシアネート化合物を反応させ、末端イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを製造し、次に活性水素を有する低分子化合物である上記のジオール、ジアミンなどの鎖延長剤を反応させてポリウレタンエラストマーとするプレポリマー法、或いは使用する全成分を同時に添加して反応させてポリウレタンエラストマーとするワンショット法などのいずれの方法でもとり得る。末端イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーに上記のジオール、ジアミンなどの鎖延長剤を反応させる場合、(NCO)/(OHまたはNH)のモル比0.95〜1.10程度で行う。
反応は60〜90℃、好ましくは、70〜80℃である。反応温度が60℃未満では、反応が遅く、反応時間が長くなり、逆に90℃を超えると、有機ポリイソシアネートの副反応が生じ、(NCO)/(OHまたはNH)のモル比が変わるので、好ましくない。
又、この反応は無溶剤でも、溶剤中でも製造することができる。溶剤としては不活性なものを用いることが好ましい。具体例としては、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、ジメチルフォルムアミド、テトラヒドロフランなどが挙げられる。
又、ウレタン(プレポリマー)化反応およびウレタンプレポリマーと鎖延長剤との反応に際しては、触媒を使用することが好ましい。例えばジメチルエタノールアミン、トリエチレンジアミン、テトラメチルプロパンジアミン、テトラメチルヘキサメチレンジアミン、ジメチルシクロヘキシルアミンなどの第3級アミン類、スタナスオクテート、オクチル酸カリウム、ジブチルチンジラウレートなどの金属触媒などが挙げられる。
触媒の使用量は出発原料に対して1〜1000ppm好ましくは、5〜500ppmである。触媒の使用量が1ppm未満では、ウレタン化反応が遅く使用する意味がない。逆に、1000ppmを超えると、発熱が激しく、反応をコントロールしにくい上、ゲル化物が生成したり、得られたポリウレタンエラストマーが着色することがあるので好ましくない。
(実施例)
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例中、部および%は、特にことわらないかぎり重量を表す。
<合成例1>
攪拌機、温度計、冷却器および窒素ガス導入管を備えた4ッ口フラスコに、ε−カプロラクトン(プラクセルM、ダイセル化学工業社製)684重量部とδ−バレロラクトン257重量部(ε−カプロラクトン/δ−バレロラクトンのモル比70/30)、開始剤として1,6−ヘキサンジオール59重量部及びオクチル酸スズ触媒0.05重量部を仕込み、窒素気流下に180℃で重合を6時間行なった。残留しているε−カプロラクトンおよびδ−バレロラクトンの含有量が合計で2重量%以下になったのを確認の後、真空ポンプにより徐々に真空度を上げ残留しているε−カプロラクトンおよびδ−バレロラクトンを除去した。このようにして水酸基(OH)価54.8mgKOH/g、酸価0.2mgKOH/g、水分0.016%、粘度2800mPas/25℃の液状の共重合ラクトンポリオールAを得た。
<合成例2>
合成例1と同様の装置を用い、ε−カプロラクトン594重量部とδ−バレロラクトン347重量部(ε−カプロラクトン/δ−バレロラクトンのモル比60/40)、開始剤として1,6−ヘキサンジオール59重量部重量部及びオクチル酸スズ触媒0.05重量部を仕込み、窒素気流下に180℃で重合を6時間行なった。残留しているε−カプロラクトンおよびδ−バレロラクトンの含有量が合計で2重量%以下になったのを確認の後、真空ポンプにより徐々に真空度を上げ残留しているε−カプロラクトン/δ−バレロラクトンを除去した。このようにして水酸基(OH)価56.2mgKOH/g、酸価0.3mgKOH/g、水分0.013%、粘度2300mPas/25℃の液状の共重合ラクトンポリオールBを得た。
<合成例3>
合成例1と同様の装置を用い、ε−カプロラクトン407重量部とδ−バレロラクトン534重量部(ε−カプロラクトン/δ−バレロラクトンのモル比40/60)、開始剤として1,6−ヘキサンジオール59重量部及びオクチル酸スズ触媒0.05重量部とした以外は合成例1と同様の方法で、水酸基(OH)価55.8mgKOH/g、酸価0.2mgKOH/g、水分0.004%、粘度2900mPas/25℃、の液状の共重合ラクトンポリオールCを得た。
<合成例4>
攪拌機、温度計、エステル化生成水除去用冷却器および窒素ガス導入管にアジピン酸995重量部、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール1275重量部及びテトラ−n−ブチルチタネート0.08重量部を仕込み、140℃から220℃で20時間、脱水エステル化反応を行い、水酸基(OH)価58.0mgKOH/g、酸価0.50mgKOH/g、水分0.014%、粘度24100mPas/25℃の液状ポリエステルジオールDを得た。
<合成例5>
合成例4と同様な装置を用い、アジピン酸1205重量部、3−メチル−1,5−ペンタンジオール1114重量部及びテトラ−n−ブチルチタネート0.08重量部を仕込み、140℃から220℃で20時間、脱水エステル化反応を行い、水酸基(OH)価55.4mgKOH/g、酸価0.2mgKOH/g、水分0.020%、粘度5750mPas/25℃の液状ポリエステルジオールEを得た。
<合成例6>
合成例4と同様の装置を用い、アジピン酸3540重量部、ネオペンチルグリコール3466重量部、及びテトラ−n−ブチルチタネート0.053重量部を仕込み、140℃から220℃で27時間、脱水エステル化反応を行い、水酸基(OH)価159.4mgKOH/g、酸価0.54mgKOH/gのポリエステルジオールFを得た。
次に合成例1と同様な装置を用い、得られたポリエステルジオールF3364重量部、ε−カプロラクトン6236重量部、及びテトラ−n−ブチルチタネート0.063重量部を仕込み、190℃で15時間加熱することにより、水酸基(OH)価55.4mgKOH/g、酸価0.3mgKOH/g、水分0.010%、粘度8000mPas/25℃の液状のラクトン変性ポリエステルジオールGを得た。
<合成例7>
合成例1と同様の装置を用い、ε−カプロラクトン941重量部、開始剤として1.6−ヘキサンジオール59重量部及びオクチル酸スズ触媒0.05重量部とした以外は合成例1と同様の方法で、水酸基(OH)価56.1mgKOH/g、酸価0.15mgKOH/g、水分0.005%、粘度370mPas/75℃、融点56℃のワックス状のポリラクトンジオールHを得た。
[実施例1]
攪拌機、温度計、冷却器、窒素ガス導入管及び減圧脱気装置を備えた4ッ口フラスコに合成例1で合成した共重合ラクトンポリオールAを199重量部、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート120.0重量部を仕込み、80℃で1.5時間反応してNCO含有量10.0%のウレタンプレポリマーを合成し、減圧下、脱泡および未反応物を除去した後、60℃で熟成した。そして、OH液として合成例1で合成した共重合ラクトンポリオールAを107.6重量部と1,4−ブチレングリコール27.7重量部を60℃でブレンドし、減圧脱泡した。次に60℃に保温したプレポリマーにOH液を添加し、攪拌混合した後、予め100℃に加熱した金型に注型し、100℃で1.5時間加熱した。その後、120℃で15時間硬化し、本発明のポリウレタンエラストマーであるポリウレタン樹脂シートを作成した。常温で1週間熟成後、物性評価を行った。その結果を表1に記載した。
[実施例2、3、比較例1〜4]
表1に示す原料および組成を使用した以外は実施例1と同様の方法で本発明のポリウレタンエラストマーであるポリウレタン樹脂シートおよび比較例のポリウレタン樹脂シートを得た。得られたポリウレタン樹脂シートの物性も合わせて表1に記載した。
表1における略号は以下の記載を意味する。
CLM;ε−カプロラクトン
VLM;δ−バレロラクトン
BEPG;2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール
3MPG;3−メチル−1,5−ペンタンジオール
NPG;ネオペンチルグリコール
MDI;4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート
1,4BG;1,4−ブチレングリコール
PO−1:実施例においては、共重合ラクトンポリオール、比較例においてはポリエステルジオール
PO−2:実施例においては、ポリウレタンエラストマー中の共重合ラクトンポリオール、比較例においてはポリエステルジオール

Claims (6)

  1. ポリオール成分と有機ポリイソシアネート化合物及び必要に応じて鎖延長剤とを反応させて得られるポリウレタンエラストマーにおいて、前記ポリオール成分が、少なくとも2個の活性水素基を有する低分子量化合物を開始剤として、下記一般式(1)
    (式中R1およびR2は同一もしくは異なって、Hまたは炭素数1〜4のアルキル基を表し、3≦n≦7である。)
    で表される環状ラクトン化合物の少なくとも2種類を開環共重合させて得られる共重合ラクトンポリオールを含むことを特徴とするポリウレタンエラストマー。
  2. 環状ラクトン化合物がε−カプロラクトンおよびδ−バレロラクトンであり、その割合がモル比で80/20〜20/80である請求項1記載のポリウレタンエラストマー。
  3. 前記共重合ラクトンポリオールが、水酸基価20〜350mgKOH/gである請求項1または2記載のポリウレタンエラストマー。
  4. 前記少なくとも2個の活性水素基を有する低分子量化合物がエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオールから選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかに記載のポリウレタンエラストマー。
  5. 前記共重合ラクトンポリオールが常温で液状であり、且つ25℃における粘度が7,000mPas以下である請求項1〜4のいずれかに記載のポリウレタンエラストマー。
  6. 前記有機ポリイソシアネート化合物が有機ジイソシアネート化合物である請求項1〜5のいずれかに記載のポリウレタンエラストマー。
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