JP2005132855A - グラウト材組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱性が良好で、耐火性能が要求されるコンクリート構造物の鉄筋等の建築物に適用可能な有機質グラウト材組成物を提供する。
【解決手段】 -CH=CH2、-OCO-C(CH3)=CH2、-OCO-CH=CH2等の重合性基を有するビニル変性シリコーン化合物(A)、重合開始剤(B)、無機充填剤(C)からなることを特徴とするグラウト材組成物である。
【選択図】 なし

Description

本発明はグラウト材組成物に関する。
コンクリ−ト構造物の梁や柱に配筋される鉄筋は、結合して一本の長大な棒鋼にして施工することが一般に行われており、鉄筋の中央付近に孔を有するカプラーを用い、その孔にグラウト材を注入して、鉄筋の突き合わせ面や隙間に充填し、硬化させて鉄筋を一体化している。このグラウト材としてエポキシ樹脂系有機質グラウト材を用いる方法(例えば、特許文献1)や、アクリル樹脂系有機質グラウト材を用いる方法(例えば、特許文献2)が提案されている。
特開昭51−127531号公報 特開2002−180601号公報
しかしながら、従来のエポキシ樹脂系及びアクリル樹脂系の有機質グラウト材では耐熱性が十分ではなく、1〜3時間の耐火性能が要求される建築物に対しては、使用範囲が制限されるという問題があった。
一方、耐熱性のあるグラウト材としては、セメント等の無機系のものが知られているが、硬くて脆いため、圧縮強さや衝撃強さが低い、耐水性、気密性に乏しい等の問題があった。
本発明は、上記問題を解決するものであり、耐熱性が良好で、耐火性能が要求される建築物に適用可能な有機質グラウト材組成物を提供するものである。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、ビニル変性シリコーン化合物(A)、重合開始剤(B)、無機充填剤(C)からなることを特徴とするグラウト材組成物である。
本発明のグラウト材組成物は、下記の効果を奏する。
(1)硬化物の強度に優れる。
(2)良好な耐熱性を有し、耐熱試験後も高強度である。
(3)良好な注入作業性を有する。
本発明において、ビニル変性シリコーン化合物(A)は、シリコーン化合物を変性したもの、即ちシリコーン化合物にビニル基を導入したものである。
ビニル変性シリコーン化合物の25℃における粘度は好ましくは5〜10,000mPa・sで、且つビニル基当量が好ましくは120〜10,000である場合であり、より好ましくは粘度が8〜5,000mPa・sで、且つビニル基当量が170〜8,000である。粘度が5mPa・s以上であると組成物の各成分の相溶性が良好となり、10,000mPa・s以下であると、組成物の粘度が高くなり作業性が良好となる。ビニル基当量が120以上、10,000以下であると組成物の硬化物の物性が良好となる。ここで粘度はBL型粘度計で測定する値である。
ビニル基変性シリコーン化合物の具体例としては、例えば下記一般式(1)で示される化合物が挙げられる。これらは1種又は2種以上併用してもよい。
一般式
Figure 2005132855
[式中、R1、R2は直接結合又は炭素数1〜5のアルキレン基;、Xは-CH=CH2、-OCO-C(CH3)=CH2、-OCO-CH=CH2、-OSi(CH3)3、-(CH2)3-O-(C2H4O)x-(C3H6O)y-Z(Zは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基、xとyはx+y=2〜100となる0以上の整数を表す)基であり、3個のXの内少なくとも1個は-CH=CH2、-OCO-C(CH3)=CH2または-OCO-CH=CH2;a、bは0〜50の整数を表し、両端のXが-CH=CH2、-OCO-C(CH3)=CH2または-OCO-CH=CH2でないときはbは少なくとも1である。]
一般式(1)で示される化合物としては、さらに具体的には例えば下記一般式(2)〜(7)で示される化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
一般式
Figure 2005132855
Figure 2005132855
Figure 2005132855
Figure 2005132855
Figure 2005132855
Figure 2005132855
[式中、R1、R2、X、a,b等は上記一般式(1)の場合と同じであり、dは1〜50の整数を表す。]
一般式(2)〜(7)中、a、bは、それぞれ独立に0〜50の整数であるのが好ましく、より好ましくは0〜20の整数である。両端のXが-CH=CH2、-OCO-C(CH3)=CH2又は-OCO-CH=CH2でないときはbは少なくとも1である。分子中に-CH=CH2、-OCO-C(CH3)=CH2又は-OCO-CH=CH2が少なくとも1個入るための条件である。a、bのいずれもが50以下であると、組成物の硬化物の強度等の物性が良好である。
1、R2の−(CH23−O−(C24O)x−(C36O)y−Zにおいて、xとyはx+y=2〜100となる0以上の整数が好ましく、より好ましくは、xは0〜30、yは0〜30、x+yは2〜40であり、Zは好ましくは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。アルキル基はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、及びペンチル基である。
x+yが100以下である場合、Zの炭素数が20以下である場合組成物の粘度が高くならず作業性が良好である。
1、R2の炭素数1〜5のアルキレン基は、具体的にはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基及びペンチレン基である。これらの内で、好ましくはメチレン基、エチレン基、プロピレン基である。炭素数が5以下であると組成物の硬化物の機械的強度が良好である。
ビニル変性シリコーン化合物は市販品が使用でき、この具体例としては、例えば、信越化学工業社製のX−22−164A(粘度=25mPa・s/25℃、ビニル基当量=860)、X−22−163B(粘度=55mPa・s/25℃、ビニル基当量=1,630)、チッソ社製のDVDS(粘度=8mPa・s/25℃、ビニル基当量=93)、FM−7711(粘度=15mPa・s/25℃、ビニル基当量=500)、FM−0711(粘度=10mPa・s/25℃、ビニル基当量=1,000)、GE東芝シシコーン社製のTSL9706(粘度=8mPa・s/25℃、ビニル基当量=193)、TSL9646(粘度=12mPa・s/25℃、ビニル基当量=242)、FM−0711(粘度=10mPa・s/25℃、ビニル基当量=1,000)等が挙げられる。
重合開始剤(B)としては、下記パーオキサイド系重合開始剤(B1)及びアゾ系重合開始剤(B2)等が挙げられる。これらは2種以上を併用してもよい。
(B)の具体例としては、以下のものが挙げられる。
(B1)パーオキサイド系重合開始剤
(B11)油溶性パーオキサイド系重合開始剤:
アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシビバレート、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、パラクロロベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、−ブチルパーオキシラウレート、シクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジベンゾイルパーオキシヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジt−ブチルパーオキシヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジt−ブチルパーオキサイド、パラメンタンヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、クメンパーオキサイド等;
(B12)水溶性パーオキサイド系重合開始剤:過酸化水素、過酢酸、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等;
(B2)アゾ系重合開始剤:
(B21)油溶性アゾ系重合開始剤:2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビスシクロヘキサン1−カーボニトリル、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)、2 ,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等;
(B22)水溶性アゾ系重合開始剤:アゾビスアミジノプロパン塩、アゾビスシアノバレリックアシッド(塩)、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]等;
これらのうち、反応性の観点から好ましくは(B1)であり、より好ましくは(B11)であり、特に好ましくはベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、クメンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドである。
無機充填剤(C)は、下記(i)(ii)のものが好ましく挙げられる。
(i)25℃、1気圧におけるモル熱容量が70J/K・mol未満のもの;
例えば、酸化鉛系ガラス粉末、バリウム塩系ガラス粉末、マンガン塩系ガラス粉末、シリカ、ベントナイト、シラスバルーン、金属粉末等;
(ii)25℃、1気圧におけるモル熱容量が70J/K・mol以上のもの;
例えば、リン酸系ガラス粉末、ホウ酸系ガラス粉末、ナトリウム塩系ガラス粉末、カリウム塩系ガラス粉末、マグネシウム塩系ガラス粉末、ケイ酸塩系ガラス粉末等のガラス粉末;アルミナ、水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム等のアルミニウム化合物;塩化バリウム、チタン酸バリウム、硫酸バリウム、ホウ酸バリウム等のバリウム化合物;炭酸カルシウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、水酸化カルシウム、硫酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸三カルシウム、ケイ酸マグネシウムカルシウム等のカルシウム化合物;硫酸アルミニウムカリウム、硫酸カリウム、リン酸一カリウム、リン酸二カリウム、リン酸三カリウム、ケイ酸二カリウム、ケイ酸四カリウム、ケイ酸アルミニウムカリウム等のカリウム化合物;硫酸アルミニウムナトリウム、硫酸ナトリウム、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、ケイ酸二ナトリウム、ケイ酸四ナトリウム、ケイ酸マグネシウムナトリウム等のナトリウム化合物;塩化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム等のマグネシウム化合物;ホウ酸亜鉛、硫酸亜鉛、ケイ酸亜鉛、チタン酸亜鉛等の亜鉛化合物;紅柱石粉、灰長石粉、長石粉、明ばん石粉、カオリン、タルク、マイカ、クレー、セリサイト、アスベスト、ジルコン、ゼオライト等;
これらは1種又は2種以上の混合物として用いてもよい。
これらのうち、耐熱性の観点から、(ii)のものが好ましく、より好ましくは、ガラス粉、アルミニウム化合物、カルシウム化合物、カリウム化合物、ナトリウム化合物及びマグネシウム化合物であり、特に好ましくは、リン酸系ガラス粉末、ホウ酸系ガラス粉末、ナトリウム塩系ガラス粉末、ケイ酸塩系ガラス粉末である。
(C)の形状は特に限定されないが、組成物の流動性及び組成物の硬化物の強度の観点から、ビーズ状(球状)であることが好ましい。なお、この場合、(C)は粒状でも中空状でもよい。
(C)の体積平均粒径は、好ましくは20〜200μmであり、より好ましくは30〜180μmである。平均粒径が20μm以上であると作業性が良好となり、200μm以下であると硬化物の物性が良好となる。
体積平均粒径は、(C)の各粒度分布を横軸が粒子径、縦軸が体積基準の含有量の対数確率紙にプロットし、全体の50%を占めるところの粒子径を求める方法により測定する。この測定法としては、マイクロトラック、コールターカウンター等による測定法が挙げられる。
本発明のグラウト材組成物は、上記(A)〜(C)の配合物である。(A):(B):(C)の配合比は、(A)、(B)、(C)の合計を100質量部としたとき、好ましくは5〜60:0.3〜15:30〜90質量部であり、より好ましくは10〜50:0.5〜10:40〜85質量部である。(A)が5質量部以上であると硬化物の耐熱性が良好となり、60質量部以下であると硬化物の物性が良好となる。(B)が0.3質量部以上であると硬化性が良好となり、15質量部以下であると硬化物の物性が良好となる。(C)が30質量部以上であると硬化物の物性が良好となり、90質量部以下であると作業性が良好となる。
本発明のグラウト材組成物には、必要により前記(A)以外の重合性不飽和基含有化合物(D)をさらに含有させることができる。重合性不飽和基含有化合物(D)としては、前記ビニル変性シリコーン以外のものであって、分子中に1個以上の重合性不飽和基を有していれば特に限定されず、用途、目的に応じて適宜選択することができる。好ましくは分子中にビニル基を1〜6個有するものである。重合性不飽和基含有化合物の重合性不飽和基当量(重合性不飽和基1個当たりの分子量)は、好ましくは70〜1,000であり、より好ましくは85〜500である。重合性不飽和基当量が1,000以下であると、硬化物の耐水性、耐薬品性、機械的強度等の物性が良好であり、一方、重合性不飽和基当量が70以上であると硬化物の耐水性、耐薬品性、機械的強度等が良好な架橋構造となる。
重合性不飽和基含有化合物(D)の例としては、下記(D1)から(D18)があげられる。
(D1)ビニル系炭化水素化合物
(D1―1)炭素数4〜30の脂肪族ビニル系炭化水素;
1−ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、1−オクテン、1−ドデセン、オクタデセン、その他のα−オレフィン等のモノビニル化合物;ブタジエン、イソプレン、ジイソブチレン、1,4−ペンタジエン、1,6−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン等のポリ(好ましくは2〜4)ビニル化合物;等
(D1―2)炭素数5〜30の脂環式ビニル系炭化水素;
シクロヘキセン、ピネン、リモネン、インデン等のモノビニル化合物;ビニルシクロヘキセン、シクロペンタジエン、(ジ)シクロペンタジエン、1,3−シクロヘキサジエン、1,4−シクロヘキサジエン、1,3−シクロオクタジエン、1,4−シクロオクタジエン、1,5−シクロオクタジエン、メチレンアダマンタン、エチリデンノルボルネン、ブタジエン、メトキシブタジエン等のポリ(好ましくは2〜4)ビニル化合物;等
(D1―3)炭素数8〜30の芳香族ビニル系炭化水素;
スチレン、α−メチルスチレン、フェニルスチレン、ビニルトルエン、ヒドロキシスチレン、アセトキシスチレン、フェノキシスチレン等のスチレン類;クロルスチレン、ブロムスチレン、ジクロルスチレン、クロロメチルスチレン、テトラフルオロスチレン等のスチレン類のハロゲン置換体等;ビニルナフタレン類;ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、ジビニルケトン、トリビニルベンゼン等のポリ(好ましくは2〜4)ビニル化合物;等
(D1―4)炭素数8〜30のビニル系エステル;
酢酸ビニル、ビニルブチレート、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ビニルメタクリレート、メチル4−ビニルベンゾエート、ビニルメトキシアセテート、ビニルベンゾエート等のビニルエステル、ジアリルフタレート、ジアリルアジペート等のアリルエステル;プロペニルアセテート、イソプロペニルアセテート等のプロペニルエステル;等
(D1―5)炭素数8〜30のビニル系エーテル;
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル、ビニル2−エチルヘキシルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニル−2−メトキシエチルエーテル、ビニル−2−ブトキシエチルエーテル、ビニル−2−エチルメルカプトエチルエーテル等のビニルエーテル;
(D1―6)その他のビニル系不飽和化合物;
ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルフェニルケトン等のビニルケトン;ジビニルサルファイド、p−ビニルジフェニルサルファイド、ビニルエチルサルファイド等のビニルチオエーテル;ビニルエチルスルホン、ジビニルスルホン等のビニルスルホン;ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラアリロキシエタン、テトラアリロキシプロパン、テトラアリロキシブタン、テトラメタアリロキシエタン等のポリ(メタ)アリロキシアルカン;等
(D2)酸基含有不飽和化合物及びその塩
(D2−1)カルボン酸基を有する不飽和化合物;
(メタ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸等の不飽和モノカルボン酸;(無水)マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸;マレイン酸モノブチルエステル、フマル酸モノブチルエステル、マレイン酸のエチルカルビトールモノエステル、フマル酸のエチルカルビトールモノエステル、シトラコン酸モノブチルエステル、イタコン酸グリコールモノエステル等の不飽和ジカルボン酸(上記)のモノアルキル(炭素数1〜8)エステル;等
(D2−2) スルホン酸基を有する不飽和化合物;
ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸;スチレンスルホン酸、α−メチルスチレンスルホン酸等の炭素数2〜30の脂肪族又は芳香族ビニルスルホン酸類;(メタ)アクリロキシプロピルスルホン酸、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸、3−(メタ)アクリロキシエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−(メタ)アクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸等の(メタ)アクリルアルキルスルホン酸類;アルキル(炭素数3〜18)(メタ)アリルスルホコハク酸エステル;等
(D2−3)硫酸エステルを有する不飽和化合物;
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの硫酸エステル化物等のヒドロキシアルキル(炭素数2〜6)(メタ)アクリレートの硫酸エステル化物;[ポリ(n=5〜15)オキシプロピレンモノメタクリレート硫酸エステル化物等のポリ(n=2〜30)オキシアルキレン(炭素数2〜4:単独、ランダム、ブロックでもよい)モノ(メタ)アクリレートの硫酸エステル化物;等
(D2−4)燐酸基を有する不飽和化合物;
(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルのモノホスフェート等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル(炭素数2〜6)の燐酸モノエステル、フェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル(炭素数2〜6)の燐酸ジエステル;2−アクリロイルオキシエチルホスホン酸等の(メタ)アクリル酸アルキル(炭素数2〜6)ホスホン酸類;等
(D2−5) (D2−1)〜(D2−4)の塩;
ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム、テトラアルキル(炭素数1〜8)アンモニウム例えばテトラオクチルアンモニウム等のアンモニウム塩;炭素数2〜8のアルカノールアミン、ポリアルキレン(炭素数1〜8)ポリアミン(アミノ基数2〜10)若しくはその誘導体[炭素数1〜8のアルキル化物、炭素数2〜12のアルキレンオキサイド付加物(1〜30)等の有機アミン塩;炭素数1〜4の低級アルキルアミン等;等
(D3)水酸基を有する不飽和化合物;
(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1−ブテン−3−オール、2−ブテン−1−オール、2−ブテン−1,4−ジオール、プロパルギルアルコール等の不飽和アルコール;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリ(重合度:2〜100)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ−オキシエチレン−オキシプロピレン(ランダムまたはブロック)グリコールモノ(メタ)アリルエーテル等2価〜6価又はそれ以上のポリオール(例えば、炭素数2〜20のアルキレングリコール、グリセリン、ポリアルキレン(炭素数2〜4)グリコール(分子量106〜2000)等)のモノ不飽和エステル;2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル、庶糖アリルエーテルの不飽和エーテル等;等
(D4)アミノ基を有する不飽和化合物;
ジアルキル(炭素数1〜8)アミノアルキル(炭素数2〜10)(メタ)アクリレート(ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノ(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチルフマレート)等のモノ不飽和モノ−又はジ−カルボン酸のアミノ基含有エステル;ジヒドロキシアルキル(炭素数1〜8)アミノアルキル(炭素数2〜10)エステル;モルホリノエチル(メタ)アクリレート等のモルホリノアルキル(炭素数1〜8)エステル等;ジアリルアミン、(メタ)アリルアミン、クロチルアミン、N,N−ジメチルアミノスチレン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−ビニルピリジン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルピロール、N−ビニルチオピロリドン等のN−不飽和化合物;アミノチアゾール、アミノインドール、アミノピロール、アミノイミダゾール、アミノメルカプトチアゾール、及びこれらの塩等のN含有複素環化合物;メチルα−アセトアミノアクリレート;等
(D5)第4級アンモニウム基を有する不飽和化合物;
トリメチルアミノエチル(メタ)アクリレート・クロライド、メチルジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート・メトサルフェート、トリメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド・クロライド、ジエチルベンジルアミノエチル(メタ)アクリルアミド・クロライド等の3級アミノ基含有ラジカル重合性モノマーの4級化物(前記3級アミノ基含有ラジカル重合性モノマーを炭素数1〜8のアルキル化剤例えばメチルクロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライド、ジメチルカーボネート等の4級化剤を用いて4級化したもの)等;等
(D6)アルキルモノ(メタ)アクリレート類;
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜50のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート;ジアルキルフマレート、ジアルキルマレエート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である);等
(D7)ポリアルキレングリコール鎖を有するモノ(メタ)アクリレート類;
ラウリルアルコールのエチレンオキサイド(EO)2モル付加物の(メタ)アクリレート、ラウリルアルコールのプロピレンオキサイド(PO)2モル付加物の(メタ)アクリレート等の炭素数1〜30のアルキルアルコールのアルキレン(炭素数2〜4)オキサイド(1〜30モル)付加物の(メタ)アクリレート;ノニルフェノールのEO1モル付加物の(メタ)アクリレート、フェノールのEO3モル付加物の(メタ)アクリレート等の炭素数6〜30のフェノール又はアルキルフェノールのアルキレン(炭素数2〜4)オキサイド(1〜30モル)付加物の(メタ)アクリレート;等
(D8)炭素数6〜30の脂環式1価アルコールのモノ(メタ)アクリレート;
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート;等
(D9)ポリ(メタ)アクリレート類;
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリ(2〜100)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート等の多価(2〜6価)アルコール類のポリ(メタ)アクリレート:ビスフェノールAのEO2モル付加物のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO4モル付加物のジ(メタ)アクリレート等のビスフェノールAアルキレン(炭素数2〜4)オキサイド(2〜30モル)付加物のジ(メタ)アクリレート;ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、水素化ビスフェノールAのジ(メタ)アクリレート等の炭素数6〜30の脂環式2価アルコールのジ(メタ)アクリレート;等
(D10)ウレタン(メタ)アクリレート;
上記の2価〜6価のポリオール(例えばエチレングリコール、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリテトラメチレングリコール等)とポリイソシアネート[例えば、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)等]と水酸基含有エチレン性不飽和化合物[例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等]の反応物である数平均分子量30,000以下のウレタン(メタ)アクリレート;等
(D11)ポリエステル(メタ)アクリレート;
脂環式骨格を有さない多価カルボン酸及びその酸無水物[例えば、イソフタル酸、マレイン酸(無水物)、アジピン酸、トリメリット酸(無水物)等]と、上記の2価〜6価の多価アルコールと(メタ)アクリル酸又はヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等から、エステル化により得られる、複数のエステル結合と複数の(メタ)アクリロイル基をもつ数平均分子量20,000以下のポリエステル(メタ)アクリレート等;
(D12)エポキシ(メタ)アクリレート(数平均分子量:20,000以下);
ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ポリイソシアネート(例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート等)変成ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型PO付加物の末端グリシジルエーテル等のエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応物であるエポキシ(メタ)アクリレート;等
(D13)その他(メタ)アクリレート;
エチル−α−エトキシアクリレート、イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルメチルベンジルイソシアネート;等
(D14)(メタ)アクリルアミド;
N−メチルアクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(炭素数1〜8)(メタ)アクリルアミド;N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジ−n−またはi−プロピルアクリルアミド等のN,N−ジアルキル(炭素数1〜8)アクリルアミド;N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等のN−ヒドロキシアルキル(炭素数1〜8)(メタ)アクリルアミド;N,N−ジヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等のN,N−ジヒドロキシアルキル(炭素数1〜8)(メタ)アクリルアミド;N−ビニルピロリドン等のビニルラクタム類;等
(D15)ニトリル基含有不飽和化合物;(メタ)アクリロニトリル、シアノスチレン、シアノアクリレート;等
(D16)ニトロ基含有不飽和化合物;ニトロスチレン等
(D17)エポキシ基含有モノ不飽和化合物;グルシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等;
これらのうち、耐熱性の観点から好ましいものは(D1)、(D2)、(D7)、(D9)であり、特に好ましいものは(D1−4)、(D2−4)、(D2−5)、(D3)及び(D6)である。
(D)を含有させる場合、その添加量は特に限定されないが、好ましくは(A)+(B)+(C)の合計を100質量部としたとき、10〜100質量部である。
また、本発明のグラウト材組成物には、必要により硬化促進剤(E)をさらに含有させることができる。(E)を含有することにより、組成物の硬化性が向上し、特に低温での施工性が良好となる。
(E)としては、第三級アミン(トリエチルアミン等)、ナフテン酸塩(ナフテン酸マンガン等)、アセト酢酸塩(バナジル(III)アセチルアセトナート等)、メルカプタン類(ラウリルメルカプタン等)、有機金属化合物(トリエチルアルミニウム、トリエチルホウ素、ジエチル亜鉛等)、2価鉄塩(フェリシアン化カリウム等)、亜硫酸水素ナトリウム等の還元剤が挙げられ、好ましくは第三級アミン、ナフテン酸塩及びアセト酢酸塩である。
(E)を含有させる場合、その添加量は特に限定されないが、好ましくは(A)[(D)が添加されている場合は(A)+(D)]100質量部に対して0.05〜2質量部、特に好ましくは0.1〜1質量部である。
また、本発明のグラウト材組成物には、必要により前記ビニル変成シリコーン化合物(A)及び重合性不飽和基含有化合物(D)以外のエラストマー成分(F)をさらに含有させることができる。
(F)を含有することにより、得られる硬化物の耐衝撃性をさらに向上させることができる。
(F)としては、常温でゴム状弾性を有する化合物であれば特に限定されないが、例えばジエン系ゴム、アクリル系ゴム、ウレタン系ゴム等が挙げられる。
これらのうち、好ましいものはジエン系ゴムであり、特に好ましくは、ポリブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル/ブタジエン共重合ゴム、スチレン/ブタジエン共重合ゴム、メチルメタクリレート/ブタジエン/スチレン共重合ゴム及びこれらの水添加物である。
(F)を含有させる場合、その添加量は特に限定されないが、好ましくは(A)[(D)が添加されている場合は(A)+(D)]100質量部に対して3〜30質量部、特に好ましくは5〜25質量部である。
また、本発明のグラウト材組成物には、必要によりポリオールの炭素数2〜6のアルキレンオキサイド(AO)付加物(G)をさらに含有させることができる。(G)を含有することにより、作業性を損なわずに、鉄筋継手に注入した後でもタレが生じにくくなる効果が向上する。
(G)は、ポリオールにアルキレンオキサイド(AO)を付加したものである。該目的に用いられるポリオールとしては、例えば2〜8価又はそれ以上で、炭素数2〜30で2価〜8価又はそれ以上の多価アルコール〔エチレングリコール,プロピレングリコール,1,3−ブチレングリコール,1,4−ブタンジオール,1、6−ヘキサンジオール,3−メチルペンタンジオール,ジエチレングリコール,ネオペンチルグリコール,1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン,1,4−ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン,2,2−ビス(4,4’−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン等の2価アルコール;グリセリン,トリメチロールプロパン等の3価アルコール;ペンタエリスリトール,ジグリセリン,α−メチルグルコシド,ソルビトール,キシリット,マンニット,ジペンタエリスリトール,グルコース,フルクトース,ショ糖等の4〜8価のアルコール等〕、2〜8価又はそれ以上で、炭素数6〜40の多価フェノール(ピロガロール,カテコール,ヒドロキノン等の多価フェノ―ル;ビスフェノールA,ビスフェノールF,ビスフェノールS等のビスフェノール類)等があげられる。
これらのポリオールは1種又は2種以上使用することができる。これらのうち、好ましくは多価アルコールであり、より好ましくは2〜4価で炭素数2〜10の多価アルコールである。
(AO)としては、エチレンオキサイド(EOという)、プロピレンオキサイド(POという)、ブチレンオキサイド等が挙げられ、好ましくは(EO)及び(PO)である。
(AO)として(EO)及び(PO)を用いた場合、(EO)と(PO)のポリオールへの付加形式はランダム付加でもブロック付加でもよいが、好ましくはランダム付加である。ランダム付加であると組成物の注入作業性とチキソトロピー性が良好となり、鉄筋継手に注入した後でもタレが生じにくくなる効果がさらに向上する。
(AO)として(EO)及び(PO)を用いた場合の(EO)と(PO)の付加モル数の比は、好ましくは1:0.1〜0.5であり、より好ましくは1:0.12〜0.35である。
(PO)の付加モル数が0.1以上であると組成物のチキソトロピー性が良好となり注入後タレにくく、0.5以下であると組成物の作業性が良好となる。
(G)を含有させる場合、その添加量は特に限定されないが、好ましくは(A)+(B)+(C)の合計を100質量部としたとき、0.1〜10質量部である。
本発明のグラウト材組成物には、必要により有機系の充填剤(H)をさらに含有させることができる。充填剤(H)は特に限定されないが、下記のものが挙げられる。
例えば、炭素繊維粉、アラミド繊維粉、ナイロン繊維粉、アクリル繊維粉、アクリル樹脂粉、フェノール樹脂粉、フェノール樹脂バルーン、塩化ビニリデンバルーン、石炭粉等;
これらは1種又は2種以上の混合物として用いてもよい。
(H)を含有させる場合、その添加量は特に限定されないが、好ましくは(A)+(B)+(C)の合計を100質量部としたとき、5〜100質量部である。
本発明の耐熱性グラウト材組成物には、さらに必要に応じて上記(A)〜(H)以外の添加剤、例えば(1)シランカップリング剤、チタンカップリング剤等の接着性付与剤、(2)ヒンダードフェノール類、ヒンダードアミン類、硫黄含有化合物等の酸化防止剤、(3)ベンゾフェノン類、ベンゾトリアゾール類、サリチル酸エステル類、金属錯塩類等の紫外線吸収剤、(4)ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、トリフェニルホスファイト、フェノチアジン等の重合禁止剤、(5)金属石けん類、重金属(例えば亜鉛、錫、鉛、カドミウム等)の無機及び有機塩類、有機錫化合物等の安定剤、(6)フタル酸エステル、リン酸エステル、脂肪酸エステル、ひまし油、流動パラフィン、アルキル多環芳香族炭化水素等の不飽和基を含有しない可塑剤、(7)パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、密ロウ、鯨ロウ、低分子量(分子量1,000〜10,000)ポリオレフィン等のワックス類、(8)ベンジルアルコール、タール、ピチューメン等の非反応性希釈剤、(9)エステル(酢酸エチル等)、芳香族炭化水素(トルエン等)、アルコール(メタノール等)、エーテル(ジエチルエーテル等)、ケトン(メチルエチルケトン等)等の溶剤、(10)発泡剤、(11)消泡剤、(12)脱水剤、(13)帯電防止剤、(14)抗菌剤、(15)防かび剤、(16)香料、(17)難燃剤、(18)分散剤等を添加することができる。これらは2種以上を併用することも可能である。
これらの添加量は特に限定されないが、好ましくは(A)+(B)+(C)の合計を100質量部としたとき、0.01〜10質量部である。
本発明のグラウト材組成物の形成形態としては、以下の(i)〜(iv)が例示される。
(i)(A)、(B)、及び(C)を各々独立した3成分の形で保存し、使用時に3成分を混合し硬化させる〔任意成分となる場合の(D)は、第4成分として単独で保存し、使用時に他の成分と混合して用いることも、(A)及び/又は(C)成分中に添加した形で保存することもできる。〕。
(ii)(A)と(C)の混合物、及び(B)を各々独立した2成分の形で保存し、使用時に該2成分を混合し硬化させる〔任意成分となる場合の(D)は、第3成分として単独で保存し、使用時に他の成分と混合して用いることも、(A)と(C)の混合物中に添加した形で保存することもできる。〕。
(iii)(A)及び、(B)と(C)の混合物を各々独立した2成分の形で保存し、使用時に該2成分を混合し硬化させる〔任意成分となる場合の(D)は、第3成分として単独で保存し、使用時に他の成分と混合して用いることも、(A)成分中に添加した形で保存することもできる。〕。
(iv)(A)と(C)の混合物、及び(B)と(C)の混合物を各々独立した2成分の形で保存し、使用時に該2成分を混合し硬化させる〔任意成分となる場合の(D)は、第3成分として単独で保存し、使用時に他の成分と混合して用いることも、(A)と(C)の混合物中に添加した形で保存することもできる。〕。
本発明のグラウト材組成物は万能混合機等の通常の混合機を使用して(A)、(B)、(C)及び必要によりその他の配合物を混合することにより製造される。(A)と(B)は通常、使用時に配合される。該グラウト材組成物は、注入作業性、硬化性、接着性の点から25℃における粘度は、好ましくは20,000〜100,000mPa・sであり、特に好ましくは30,000〜80,000mPa・sである。
本発明のグラウト材組成物の注入方法としては特に限定がなく、従来公知の注入手段を採用することができる。すなわち、(A)、(B)、(C)及び必要によりその他を配合した後、コーキングガンに充填し、エポキシ樹脂が硬化を始める前にカプラー中央付近の孔から注入してもよいし、特開平9−13675に示されている装置を用いて(A)及び(C)の混合物並びに(B)の各々独立した2液を別々に供給管に充填し、先端のミキサーで混練しながら注入してもよい。
グラウト材組成物の硬化条件は従来公知の条件でよく、温度は好ましくは−5〜40℃であり、特に好ましくは0〜35℃である。
また、本発明のグラウト材組成物の硬化物に対する耐火性能試験について以下に記述する。
建築基準法では、建物の規模や用途に応じて、壁、柱、梁、床の各部材に対して、1時間耐火性能、2時間耐火性能あるいは3時間耐火性能が要求されている。また、耐火試験方法については、JIS A1304「建築構造物の耐火試験方法」に記載されている。
本発明のグラウト材組成物の耐熱性の指標としては、該組成物の硬化物を一定の大きさに成型し、前記JIS A1304にしたがって、一定量のコンクリートかぶり厚を付与した試験体を加熱処理した後の物性変化を測定することにより判定した。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例及び比較例中の部は質量部を表わす。
また、実施例中の評価項目の試験方法は以下の通りである。
[粘度]
25℃に温調した硬化前のグラウト材組成物100gを容器に投入し、2分間ガラス棒で充分攪拌した。BH型粘度計(回転数20rpm、7号スピンドル)で粘度をJIS K7117に準じて測定した。
[圧縮降伏強さ、圧縮弾性係数]
25℃に温調した硬化前のグラウト材組成物150gを容器に投入し、2分間ガラス棒で攪拌した。これを、泡をかまないように注意しながら厚さ10mmの板状にし、25℃で5日間養生した。養生後10.4×10.4×30.0(mm)の直方体を2mm/分の試験速度でJIS K7208に準じて測定した。
[耐火性能試験]
前記圧縮降伏強さ及び圧縮弾性係数測定試験体を、昭和44年建設省告示第2999号別記第1に規定する「耐火性能試験方法」に準じて、加熱時間3時間の耐火性能試験を行った。なお、各試験体のコンクリートかぶり厚は40mmとした。
[注入時間]
供給管に充填したグラウト材組成物を25℃に温調し、押し出し器を使用して鉄筋継手(サイズ:D29)に注入する。注入し始めてから鉄筋継手からあふれ出すまでの時間を測定した。
製造例1
攪拌式オートクレーブにプロピレングリコールを147部、触媒として水酸化カリウムを0.76部仕込み、エチレンオキサイド682部とプロピレンオキサイド171部とを混合したものを吹き込み、110℃で5時間反応させた。130℃で3時間熟成後、「キョーワード600」(酸化マグネシウム系吸着剤:協和化学工業社製)で処理し、触媒を除去してアルキレンオキサイド付加物(G−1)を得た。このものの水酸基価は28、粘度は700mPa・s/25℃であった。
実施例1〜5、比較例1〜2
25℃雰囲気下で、表1に示した配合量で各成分を混合攪拌してグラウト材組成物を得た。これを硬化させ、もしくは鉄筋接合用のカプラーに注入し、前記の試験方法によりグラウト材組成物としての性能評価試験を行った。また、前記耐火性能試験後の性能評価も行った。結果を表1に示す。
Figure 2005132855
なお、表1において配合成分としては下記のものを使用した。
(A−1):ビニル変性シリコーン(チッソ社製:DVDS、粘度=8mPa・s/25℃、ビニル基当量=93);
(A−2):ビニル変性シリコーン(GE東芝シシコーン社製:TSL9706、粘度=8mPa・s/25℃、ビニル基当量=193)
(B−1):クメンハイドロパーオキサイド;
(C−1)ホウ酸系ガラス粉(日本フェロー社製:12−3993M、平均粒径40μm);
(C−2)ナトリウム/ケイ酸系ガラスビーズ(ユニオン社製:UB−67L、平均粒径100μm);
(C−3)ホウケイ酸系中空ガラスビーズ(東海工業社製Z−36、平均粒径60μm);
(C−1)〜(C−3)の25℃、1気圧におけるモル熱容量は70J/K・mol以上である。
(D−1):メチルメタクリレート;
(D−2):2−ヒドロキシエチルメタクリレート;
(D−3):2,2−ビス(4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル)プロパン;
(D−4):2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェート;
(E−1)バナジル(III)アセチルアセトナート;
(F−1)アクリロニトリル/ブタジエンゴム(宇部興産社製:VTBNX1300×33)
本発明のグラウト材組成物は耐火性能が要求されるコンクリート構造物の鉄筋等のグラウト材として有用である。

Claims (9)

  1. ビニル変性シリコーン化合物(A)、重合開始剤(B)、無機充填剤(C)からなることを特徴とするグラウト材組成物。
  2. 前記(A)の25℃における粘度が5〜10,000mPa・sであり、且つビニル基当量が120〜10,000である請求項1記載のグラウト材組成物。
  3. 前記(A)が下記一般式(1)で示される化合物である請求項1又は2記載のグラウト材組成物。
    一般式
    Figure 2005132855
    [式中、R1、R2は直接結合又は炭素数1〜5のアルキレン基;、Xは-CH=CH2、-OCO-C(CH3)=CH2、-OCO-CH=CH2、-OSi(CH3)3、-(CH23-O-(C2H4O)x-(C3H6O)y-Z(Zは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基、xとyはx+y=2〜100となる0以上の整数を表す)基であり、3個のXの内少なくとも1個は-CH=CH2、-OCO-C(CH3)=CH2または-OCO-CH=CH2;a、bは0〜50の整数を表し、両端のXが-CH=CH2、-OCO-C(CH3)=CH2または-OCO-CH=CH2でないときはbは少なくとも1である。]
  4. さらに前記(A)以外の重合性不飽和基含有化合物(D)を含有してなる請求項1〜3の何れか記載のグラウト材組成物。
  5. (D)がアルキル(炭素数1〜50)(メタ)アクリレートである請求項4記載のグラウト材組成物。
  6. 前記(C)の25℃、1気圧におけるモル熱容量が70J/K・mol以上である請求項1〜5の何れか記載のグラウト材組成物。
  7. 前記(C)が、体積平均粒子径が20〜200μmのガラスビーズである請求項1〜6の何れか記載のグラウト材組成物。
  8. さらに、接着性付与剤、脱水剤、可塑剤、酸化防止剤及び溶剤からなる群から選ばれる1種以上の添加剤を含有してなる請求項1〜7の何れか記載のグラウト材組成物。
  9. 請求項1〜8の何れか記載のグラウト材組成物を硬化させてなる硬化物。

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