JP2005132038A - インクジェット記録用光沢紙 - Google Patents

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章久 目黒
Masayoshi Tamaki
正芳 田巻
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Abstract

【課題】 良好なインク吸収性を持ちながら、高光沢であり、更に光沢発現層表面の表面強度にも優れ、印画紙基材あるいはフィルム基材を用いて製造された媒体に匹敵する画質と均一な光沢感を有しかつリサイクル可能なインクジェット記録用光沢紙の提供。
【解決手段】 この課題は、基材の少なくとも片面に1層以上のインク受理層が設けられ、該インク受理層上に顔料及び結着剤を含有する塗工液が塗布され、得られる光沢発現層を湿潤状態で、加熱された鏡面仕上げ用金属面に圧着してなるキャストコート紙において、塗工液が20〜100重量部のアルミナドープシリカと0〜80重量部のコロイダルシリカとよりなる顔料100重量部を含有し、かつJIS Z8741に準ずる20°光沢度が20%以上であることによって解決される。
【選択図】 なし

Description

本発明はインクジェット記録用光沢紙に関し、特に印字面の光沢感に優れ、写真画質に近い印字品位の高い記録用紙に関するものである。
インクジェット記録方式は、インクの液滴を吐出し、記録紙上に付着させることによりドットを形成し記録を行う方式である。近年、インクジェットプリンター、インク、記録媒体の技術的進歩により、印字品質の高い記録が可能になってきている。インクジェット記録媒体に求められる要素としては、
(a)インクの吸収、乾燥が速いこと
(b)印字濃度が高いこと
(c)ドットの広がりやひげ状のにじみが無いこと
等があげられる。一般の普通紙でも一定以上のサイズ性があれば、滲みも少なくある程度の印字品質が期待できる。一方、より高い印字品質を求める場合には媒体上にインクジェットプリンターのインクに対して適性のあるインク受容層を各種基材上に設けた専用の媒体が使用される。これらインクジェット記録専用の媒体としては紙やフィルムを支持体として、顔料と結着剤を主成分とする顔料塗工層または顔料を含まない樹脂塗工層を表面に設けたものが多く使用される。
インクジェット専用媒体はさらに表面状態からマット調媒体と光沢媒体に分類される。銀塩写真により近い画像品質を要求する場合には後者の光沢媒体が使用される。これら光沢媒体に要求される特性としては前記した特性以外に
(d)ドットの真円性が高く、画像再現性が良好なこと
(e)耐水性、耐光性が良好であること
(f)画像領域、白紙部分の光沢感が高いこと
等があげられる。
光沢媒体の製法としては(a)のインク吸収性、乾燥性を維持しながら(b)〜(f)の特性を維持するために、各種の方法が提案されているが、一般的方法はキャスト法によりインク受容層を形成し表面に光沢を付与する方法と印画紙用基材上にインク受容層を形成する方法である。
一般には前者は(a)のインク吸収性が後者に比べ制御しやすいが、(d)のドット真円性、画像再現性、(f)の画像領域、白紙部分の光沢感、品位では後者に比べ劣っている。印画紙用基材は一般にRC紙(レジンコート紙)といわれるように、紙の基材上にポリエチレンのフィルム層が形成されているためにインク受容層をその表面に形成した場合、フィルム面が平滑であることからインク受容層表面も平滑で、光沢ある表面が形成しやすい。
しかし、インク吸収性をあげるために塗工量を多くする必要があり、また基材そのものが紙よりも高価であることから全体のコストは前者のキャスト法による光沢媒体に比べ高いものとなる。また、廃棄する場合には複合素材であることからリサイクルがきかないといった問題もある。
キャスト法によるインクジェット記録用光沢紙についてはこの点有利であるが、前記した品質面での問題があり、これらの課題を解決するために各種の提案がなされている。
例えば、記録層表面の平均粗さ、光沢度及び記録紙の透気度を規定することで表面の平滑性が高く、画質の高級感に優れるインクジェット記録用紙が得られるとの提案がある(特許文献1参照)。
また、記録層表面の亀裂の大きさ及び個数を規定することによって優れた光沢感及びインク受容性を有するインクジェット記録用紙が得られるとの提案もある(特許文献2参照)。
しかしこの場合には、亀裂数が少なすぎると光沢感が増す一方インク吸収性が低下するという問題点もある。更に、パールネックレス状のコロイダルシリカを含むインクジェット記録シートの提案もある(特許文献3参照)。この場合には、パールネックレス状のコロイダルシリカを使用することで印字品質、特にインク吸収性向上には一定の効果があるが、表面強度、光沢感が必ずしも満足できるには至っていない。
いずれにせよ、キャスト法によって製造されたインクジェット記録用光沢紙において、印画紙基材あるいはフィルム基材を用いて製造された媒体を超える画質と均一な光沢感を有する記録媒体は無いのが現状である。
特開平6−72017号公報[0008]〜[0011] 特開平11−348416号公報[0006]〜[0008] 特開平12−108506号公報[0014]〜[0017]
本発明はキャスト法で製造されるインクジェット記録用光沢紙において、上記従来技術の問題点である、良好なインク吸収性を持ちながら、高光沢であり、更に光沢発現層表面の表面強度にも優れ、印画紙基材あるいはフィルム基材を用いて製造された媒体に匹敵する画質と均一な光沢感を有しかつリサイクル可能な記録媒体を提供することが目的である。
本発明者等は、基材の少なくとも片面に1層以上のインク受理層が設けられ、該インク受理層上に顔料及び結着剤を含有する塗工液が塗布され、得られる光沢発現層を湿潤状態で、加熱された鏡面仕上げ用金属面に圧着してなるキャストコート紙であって、塗工液が20〜100重量部のアルミナドープシリカと、0〜80重量部のコロイダルシリカとよりなる顔料100重量部を含有し、かつJIS Z8741に準ずる20°光沢度が20%以上であることを特徴とするインクジェット記録用光沢紙によって上記の課題が解決できることを見いだした。
本発明の有利な実施態様においては、塗工液中の結着剤の含有量が顔料100重量部に対して1〜30重量部である。
本発明の別の有利な実施態様においては、キャストコートの方法が凝固法である。
以下、本発明を詳細に説明する。
通常、コロイダルシリカを使用して光沢発現層を形成させる場合、表面のひび割れの比率を多くしてインク吸収能を上げると光沢感が低下する傾向にあるために光沢感とインク吸収性を高いレベルでバランスさせることは困難である。
本発明の光沢発現層に用いる顔料として、シリカにアルミナを包含(ドープ)させたいわゆるアルミナドープシリカを使用するのが特徴である。通常、アルミナのドープ量は1〜10000ppm程度であり、アルミナをドープすることで市販の気相法シリカ等と比較すると非常に分散性に優れているのが特徴的である。
また、コロイダルシリカ等と比較すると塗工液にした状態での凝集力が強い傾向があるため、アルミナドープシリカを塗工液に含有することで表面強度が強くかつ高光沢を有する表面を形成させる効果がある。更にコロイダルシリカと混合することで表面の光沢感を高いレベルで保ちつつインク吸収性能を向上させることが出来る。
また、光沢を見る指標としてJIS Z8741に75°の入反射角度で測定することが規定されているが、通常画像を形成した記録紙を観察する場合は紙に対して垂直に近い状態で観察するケースが多く、75°での光沢度は必ずしも実際の光沢感を反映しているとはいえない。そこで、本発明ではより実際に近い20°での光沢度を規定した。光沢度としては20°光沢度で20%以上であれば見た目にも良好な光沢感といえる。
本発明で用いるアルミナドープシリカの粒子径としてはレーザー回折散乱法で5nm以上500nm以下が好ましい。粒子が細かすぎるとインク吸収性が悪化することがあり、大きすぎると光沢度が低下することがあリ、また、印字濃度が低下することがあるので好ましくない。
本発明に用いるアルミナドープシリカは種々の方法によって得られ、本発明においては、いかなる方法によって得られたものであっても用いることができる。
また、本発明に用いるコロイダルシリカの種類としては、球状、パールネックレス状、複数個の粒子がランダムな形状で凝集しているもの、と様々あるが、本発明においては特に限定するものではない。コロイダルシリカの粒子径としてはレーザー回折散乱法で5nm以上500nm以下が好ましい。粒子が細かすぎるとインク吸収性が悪化することがあり、大きすぎると光沢度が低下することがあリ、また、印字濃度が低下することがあるので好ましくない。
また、本発明に用いるコロイダルシリカは本発明の効果を損なわない範囲であれば、2種以上を適宜選定して使用することもできる。
本発明におけるアルミナドープシリカとコロイダルシリカの配合比率としては、顔料100重量部に対して、アルミナドープシリカが20〜100重量部であり、かつ、コロイダルシリカが0〜80重量部である。上記よりアルミナドープシリカの比率が低いと光沢度が低くなる傾向にあるので好ましくない。
また、光沢発現層に用いる結着剤としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、酸化澱粉、エーテル化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク、ポリエチレンイミド系樹脂、ポリビニルピロヒドリン系樹脂、ポリアクリル酸またはその共重合体、無水マレイン酸共重合体、アクリルアミド系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ系樹脂、エピクロルヒドリン系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、スチレン-ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート-ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステルの重合体または共重合体等のアクリル系重合体ラテックス類、エチレン-酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス類の樹脂類が例示され、単独または併用して用いられる。特に好ましい結着剤はポリビニルアルコール、ポリビニルアセタールであり、これら単独または上記樹脂類と併用して用いられる。
結着剤の使用量は、記録媒体の印字適性、光沢発現層の強度、塗料液性を考慮して決定される。通常顔料100重量部に対し1〜30重量部の範囲で添加することが好ましい。更に好ましくは5〜20重量部である。1重量部未満では塗工層の強度が劣り、30重量部を超えるとインク吸収性に悪影響を及ぼす。
更に、光沢発現層にはインクジェット記録用インクを定着させるためのカチオン性ポリマー、離型剤、分散剤、増粘剤、防腐剤、消泡剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、耐水化剤、レべリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を適宜選定して添加することができる。
本発明の光沢発現層を形成する塗料の塗工法としてはエアーナイフ、ロールコーター、リバースロールコーター、バーコーター、コンマコーター、ブレードコーター等が公知の塗工機が用いられる。塗工量は固形分換算で3〜40g/m2、好ましくは5〜30g/m2の範囲が好ましい。塗工量が40g/m2を超えると生産性が劣り、塗工量が3g/m2より少ない場合には十分な光沢面が形成しづらい。
光沢発現層は、公知のキャストコート法により形成する。キャストコート法には、ウエット法、凝固法、リウエット法が知られており、本発明においては凝固法が好ましい。凝固法は、光沢発現層を塗工し湿潤状態にあるうちに凝固液を塗布して凝固処理してキャストドラムに圧接する方法である。凝固処理においては、塗工層の結着剤成分と効果的に凝固する物を選定することが重要である。なお、凝固剤にインクを定着させるためのカチオン性ポリマーを添加することも可能である。また、塗工から凝固剤を付与するまでの時間、凝固剤を付与してキャストドラムに到達するまでの時間、キャストドラム温度、圧着する際の圧力、ライン速度を調整することでより光沢度の高い光沢発現層が形成できる。これらの諸条件については、使用する設備、塗料に応じて最適条件を求めることで適正化する必要がある。
また、キャスト処理後にマシンカレンダー、ソフトカレンダー、スーパーカレンダー等のカレンダー処理を行っても良いし、カール調整のため、裏面に水やカール調整剤を塗布したり、加湿したりしてカール調整を行うこともできる。
本発明のインクジェット記録用光沢紙は、光沢発現層の下に1層以上のインク受容層を設ける。インク受容層は白色顔料と結着剤成分とから構成されるものである。
インク受容層に用いる顔料としては公知の白色顔料を1種以上含むものであり、例えば、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、炭酸亜鉛、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪藻土、水酸化アルムニウム、水酸化マグネシウム、サチンホワイト、合成シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ等の白色無機顔料やアクリル、スチレン、エチレン、塩化ビニル、ナイロンなどの有機顔料が上げられる。
本発明で用いられるインク受容層の結着剤はポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、酸化澱粉、エーテル化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク、ポリエチレンイミド系樹脂、ポリビニルピロヒドリン系樹脂、ポリアクリル酸またはその共重合体、無水マレイン酸共重合体、アクリルアミド系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ系樹脂、エピクロルヒドリン系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、スチレン-ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート-ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステルの重合体または共重合体等のアクリル系重合体ラテックス類、エチレン-酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス類の樹脂類が例示され、単独または併用して用いられる。結着剤の使用量は、記録媒体の印字適性、インク受容層の強度、塗料液性を考慮して決定される。通常顔料重量に対し1〜200重量%、好ましくは5〜100重量%程度の範囲で添加される。
本発明において、上記、顔料、結着剤類以外にカチオン性ポリマーを添加することが好ましい。カチオン性ポリマーの作用としては、インク中に使用されている染料中のアニオン成分と反応し水に不溶な塩を形成することから、インクを定着させ、耐水性が向上する。このようなカチオン性ポリマーとしてはポリエチレンイミン、エピクロルヒドリン変性ポリアルキルアミン、ポリアミンポリアミドエピクロルヒドリン、ジメチルアミンアンモニアエピクロルヒドリン、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムハライド、ポリジアクリルジメチルアンモニウムハライド、ポリジメチルアミノエチルメタクリレート塩酸塩、ポリビニルピリジウムハライド、カチオン性ポリアクリルアミド、カチオン性ポリスチレン共重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド二酸化硫黄共重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドアミド共重合物、ジシアンジアミドホルマリン重縮合物、ジシアンジアミドジエチレントリアミン重縮合物、ポリアリルアミン、ポリアリルアミン塩酸塩、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミドエポキシ樹脂、メラミン樹脂酸コロイド、尿素系樹脂、カチオン変性PVA、アミノ酸型両性界面活性剤、ベタイン型化合物、その他第4級アンモニウム塩類及びポリアミン等が用いられる。添加量は特に限定されないが、顔料100重量部に対し1〜50重量部程度の範囲で使用される。
その他の添加剤としては、必要に応じて消泡剤、潤滑剤、分散剤、湿潤剤、蛍光増白剤、着色染料、着色顔料、増粘剤、防腐剤、耐水化剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等を使用できる。
本発明のインク受容層を形成する塗料の塗工法としてはエアーナイフ、ロールコーター、バーコーター、コンマコーター、ブレードコーター等が公知の塗工機が用いられる。塗工量は特に限定されないが、塗工量が少なすぎる場合はインク吸収性が劣ることから、固形分換算で3g/m2以上とすることが好ましい。
また、インク受容層を塗工後に一定の平滑性を出すためにスーパーカレンダー、マシンカレンダー、ソフトカレンダー等の公知のカレンダー装置を用いることも可能である。
本発明で使用する基材としては、通常の上質紙、中質紙、白板紙等の紙基材が用いられる。燃料としてリサイクルされる場合を考慮し原料パルプとしては塩素含有量の少ないECFパルプまたはTCEパルプの使用が望ましい。
キャストコート時における塗料の過度の浸透を押さえるために、サイズプレスで澱粉、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子を塗工した原紙を使用することが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また、実施例において示す「部」及び「%」は特に明示しない限り固形重量部および固形重量%を示す。
酸化澱粉で表面処理した坪量160g/m2の上質紙に、合成シリカ(ミズカシルP−78A、水澤化学工業社製)100重量部、結着剤としてポリビニルアルコール(PVA117:クラレ社製)10重量部、エチレン−酢酸ビニル(ポリゾールEVA AD−6:昭和高分子社製)40重量部、カチオンポリマー(スミレーズレジン1001:住友化学工業社製)30重量部を用い、固形分16%の塗工液をエアーナイフコーターで絶乾塗工量10g/m2となるように塗工し塗工乾燥しインク受容層を得る。次いで、光沢発現層塗料の顔料としてアルミナドープシリカ(VP3375:日本アエロジル社製)70重量部、コロイダルシリカ(ルドックスHS−40:グレースデビソン社製)30重量部、ポリビニルアルコール(PVA117:クラレ社製)10重量部、離型剤としてステアリン酸カルシウム(ノプコートC−104HS:サンノプコ社製)1重量部を用いて固形分20%の塗工液を得た。この塗工液をエアーナイフコーターで絶乾塗工量10g/m2となるように塗工し、次いで硼砂3%水溶液を塗布して凝固処理を行ったのち、得られた塗工層表面が湿潤状態にあるうちに表面温度100℃のキャストドラムに圧着し、インクジェット記録用光沢紙を作成した。
実施例1において光沢発現層塗料の顔料としてアルミナドープシリカ(VP3375:日本アエロジル社製)100重量部とし、コロイダルシリカを使用しなかったこと以外は実施例1に記載した通りの条件でインクジェット記録用光沢紙を作成した。
実施例1において光沢発現層塗料の顔料としてアルミナドープシリカ(VP3375:日本アエロジル社製)20重量部、コロイダルシリカ(ルドックスHS−40:グレースデビソン社製)80重量部とした以外は実施例1に記載した通りの条件でインクジェット記録用光沢紙を作成した。
実施例1において光沢発現層のポリビニルアルコールを1重量部とした以外は実施例1に記載した通りの条件でインクジェット記録用光沢紙を作成した。
実施例1において光沢発現層のポリビニルアルコールを30重量部とした以外は実施例1に記載した通りの条件でインクジェット記録用光沢紙を作成した。
実施例1において光沢発現層塗工時に、凝固剤を使用せずにキャストドラムに圧着した以外は実施例1に記載した通りの条件でインクジェット記録用光沢紙を作成した。
実施例1において光沢発現層塗工後、光沢発現層を乾燥し、その後再湿潤液として硼砂1%水溶液にて再湿潤処理を行いキャストドラムに圧着した以外は実施例1に記載した通りの条件でインクジェット記録用光沢紙を作成した。
実施例1において光沢発現層塗料の顔料としてアルミナドープシリカ(VP3375:日本アエロジル社製)70重量部、コロイダルシリカ(ルドックスHS−40:グレースデビソン社製)30重量部、ポリビニルアルコール(PVA117:クラレ社製)10重量部、離型剤としてステアリン酸カルシウム(ノプコートC−104HS:サンノプコ社製)1重量部、カチオンポリマー(パラコンPJ−F:大原パラジウム社製)3部を用いて固形分20%の塗工液を得た。この塗工液をエアーナイフコーターで絶乾塗工量10g/m2となるように塗工し、次いで硼砂3%水溶液を塗布して凝固処理を行ったのち、得られた塗工層表面が湿潤状態にあるうちに表面温度100℃のキャストドラムに圧着し、インクジェット記録用光沢紙を作成した。
実施例1において光沢発現層塗料として、顔料としてアルミナドープシリカ(VP3375:日本アエロジル社製)70重量部、コロイダルシリカ(スノーテックスPS−S:日産化学工業社製)30重量部とした以外は実施例1に記載した通りの条件でインクジェット記録用光沢紙を作成した。
実施例1において凝固剤が硼砂/カチオンポリマー(パラコンPJ−F:大原パラジウム社製)=3/5(固形分比)で8%の凝固液を調整し、塗布した以外は実施例1に記載した通りの条件でインクジェット記録用光沢紙を作成した。
比較例1
実施例1においてインク受理層を塗工しなかったこと以外は実施例1に記載した通りの条件でインクジェット記録用光沢紙を作成した。
比較例2
実施例1において光沢発現層塗料の顔料としてコロイダルシリカ(ルドックスHS−40:グレースデビソン社製)100重量部とした以外は実施例1に記載した通りの条件でインクジェット記録用光沢紙を作成した。
比較例3
実施例1において光沢発現層塗料の顔料としてアルミナドープシリカ(VP3375:日本アエロジル社製)10重量部、コロイダルシリカ(ルドックスHS−40:グレースデビソン社製)90重量部とした以外は実施例1に記載した通りの条件でインクジェット記録用光沢紙を作成した。
比較例4
実施例8において光沢発現層塗料の顔料としてコロイダルシリカ(ルドックスHS−40:グレースデビソン社製)100重量部とした以外は実施例8に記載した通りの条件でインクジェット記録用光沢紙を作成した。
比較例5
実施例8において光沢発現層塗料の顔料としてアルミナドープシリカ(VP3375:日本アエロジル社製)10重量部、コロイダルシリカ(ルドックスHS−40:グレースデビソン社製)90重量部とした以外は実施例8に記載した通りの条件でインクジェット記録用光沢紙を作成した。
比較例6
実施例10において光沢発現層塗料の顔料としてコロイダルシリカ(ルドックスHS−40:グレースデビソン社製)100重量部とした以外は実施例10に記載した通りの条件でインクジェット記録用光沢紙を作成した。
比較例7
実施例10において光沢発現層塗料の顔料としてアルミナドープシリカ(VP3375:日本アエロジル社製)10重量部、コロイダルシリカ(ルドックスHS−40:グレースデビソン社製)90重量部とした以外は実施例10に記載した通りの条件でインクジェット記録用光沢紙を作成した。
上記インクジェット記録用光沢紙について以下の試験を実施し、結果を表1に示した。
(1)画像鮮明性:
ISO標準画像(ISO/JIS-SCID高精細カラーデジタル標準画像データ、画像の名称:ポートレート、画像の識別番号:N1)をセイコーエプソン(株)製インクジェットプリンター「PM−900C」を用い印字した。印字した画像を目視により評価した。
◎:記録画像が非常に鮮明でコントラストがはっきりしている。
○:記録画像が鮮明でコントラストがはっきりしている。
△:記録画像が鮮明であるがコントラストがはっきりしなく、色が沈んでいる。
×:記録画像が不鮮明で、色が沈んでいる。
(2)インク吸収性:
セイコーエプソン(株)製インクジェットプリンター「PM−900C」を用いCMYK及びRGBのベタ(100%濃度)及び文字を印字した。ベタ部の各色の境界及び文字のにじみの程度を目視により評価した。
◎:境界がくっきりしてにじみが全く無く、文字が鮮明である。
○:境界のにじみが目立たず、文字が鮮明である。
△:境界のにじみが目立ち、文字が不鮮明で実用上問題がある。
×:境界のにじみがひどく、文字が判別できなくなり実用上不可。
(3)光沢度:
光沢発現層表面の鏡面光沢度を測定した。光沢度はJIS Z8741に準じて、入反射角度20°として、光沢度計(グロスメーターGM26D:村上色彩技術研究所社製)にて測定した。評価としては、光沢度の値が20%以上では光沢感に優れ、20%未満では光沢感が悪く劣る。
(4)光沢表面の写像性:
光沢表面の鏡面性を評価するために写像性を測定した。写像性はJIS H8686−2に準じて、光学くし巾2mmにて入反射角度60°とし、写像性測定器(ICM-1T:スガ試験機社製)にて測定した。評価としては、写像性が55%以上は反射した像が鮮明に写り、光沢感に優れている。55%未満では反射した像が不鮮明に写り、光沢感に劣る。
表1から明らかなように、1層以上のインク受理層上に設けられた光沢発現層の顔料がアルミナドープシリカとコロイダルシリカより構成される顔料100重量部に対して、アルミナドープシリカが20重量部以上である実施例1〜10は、比較例1〜7に比べてインク吸収性と光沢感共に両立して優れていることが判る。
[発明の効果]
以上、実施例からも明らかなように、本発明のインクジェット記録用光沢紙はキャスト法で製造されたインクジェット記録用光沢紙でありながら、非常に良好な表面光沢感とインク吸収性を高いレベルでバランスさせながら、良好な発色性を有する物である。本発明では紙を基材としていることから、フィルム層を有する印画紙基材に比べ、製造コストも低く、廃棄する場合にはリサイクル可能であり資源の有効利用という観点からも好ましい。
Figure 2005132038

Claims (3)

  1. 基材の少なくとも片面に1層以上のインク受理層が設けられ、該インク受理層上に顔料及び結着剤を含有する塗工液が塗布され、得られる光沢発現層を湿潤状態で、加熱された鏡面仕上げ用金属面に圧着してなるキャストコート紙であって、塗工液が20〜100重量部のアルミナドープシリカと0〜80重量部のコロイダルシリカとよりなる顔料100重量部を含有し、かつJIS Z8741に準ずる20°光沢度が20%以上であることを特徴とするインクジェット記録用光沢紙。
  2. 塗工液中の結着剤の含有量が顔料100重量部に対して1〜30重量部であること特徴とする、請求項1記載のインクジェット記録用光沢紙。
  3. キャストコートの方法が凝固法であることを特徴とする、請求項1〜2いずれか記載のインクジェット記録用光沢紙。


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