JP2005128374A - レンズ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】フォーカスリングのリング本体に対して、目印の形成された目印リングを回動自在に、且つ所望する回動位置で係止されるように支持することによって、撮影シーンごとに迅速且つ正確にピントを合わせることのでき、手間のかからないレンズ装置を提供する。
【解決手段】レンズ装置10のフォーカスリング16は、筒体26及びフォーカスギア28から成るリング本体と、このリング本体に回動自在に支持され、且つ、所望する回動位置で係止されるリング30とから構成される。リング30の外表面には、目印線48が形成されており、この目印線48をフォーカス指標環50の指標線52に合わせることによって、ピント合わせが行われる。
【選択図】 図1

Description

本発明はフォーカスリングを備えたレンズ装置に係り、特に映画撮影に使用されるレンズ装置に関する。
映画撮影では、撮影するシーンごとに、レンズ装置から被写体までの撮影距離が決まっていることが多く、カメラマンは、所望する撮影距離に迅速にピントを合わせる必要がある。レンズ装置のフォーカスリングには、距離を示す目盛りが記されているので、その目盛りを鏡筒側の指標線に合わせれば、ファインダを覗くことなく、所望する撮影距離にピントを合わせることができる。しかし、撮影シーンごとに撮影距離を調べて目盛りを指標線に合わせていたのでは、フォーカス操作に時間がかかるという問題がある。そこで、従来は「シーン1」、「シーン2」…と書かれた紙やテープ等の目印をフォーカスリングに貼り付けておき、その目印を指標線に合わせるようにしている。
しかしながら、紙やテープ等は剥がれたり、位置がずれたりすることがあり、所望する撮影距離にピントを合わせることができなくなるおそれがある。
特許文献1に記載のレンズ装置は、フォーカスリングとして無地のリングを用いることによって、「シーン1」や「シーン2」などの目印をフォーカスリングに直接書き込むようにしている。このレンズ装置によれば、目印の位置がずれることがないので、常に正確なフォーカス操作を行うことができる。
特開2003−66304号公報
しかしながら、特許文献1のレンズ装置は撮影する度に、新たな目印を書き込む手間と、書き込まれた目印を消す手間がかかるという問題があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、撮影シーンごとに、所望する撮影距離に迅速にピントを合わせることができ、且つ手間のかからないレンズ装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は前記目的を達成するために、フォーカスリングを回動操作することによって、フォーカスレンズを光軸方向に移動させるレンズ装置において、前記フォーカスリングは、リング本体と、該リング本体に回動自在に支持され、且つ回動させた位置で前記リング本体に固定されるとともに、外表面に目印が形成された目印リングと、を備えることを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、目印リングをリング本体に対して回動させて所望する位置で固定することができるので、目印の位置をリング本体に対して周方向に自由に調節することができる。この目印を利用することによって、複数のシーンを撮影する場合であっても、ピント合わせを迅速、且つ正確に行うことができる。例えば二つのシーンを撮影する場合、まず、第2のシーンに合わせてフォーカス操作を行い、その位置が分かるように目印の位置を調節する。そして、第1のシーンを撮影する際は、リング本体を目印リングとともに回動させて、第1のシーンに応じたフォーカス操作を行う。また、第2のシーンを撮影する際は、目印の位置に合わせてリング本体を目印リングとともに回動させる。これにより、第2のシーンに応じたピント合わせを、迅速且つ正確に行うことができる。
また、請求項1に記載の発明によれば、目印が予め形成された目印リングをリング本体に対して回動させて固定するだけなので、撮影毎に目印を書き込んだり、目印となる紙やテープを貼り付けたりする手間が不要である。
請求項2に記載の発明は請求項1の発明において、前記目印リングを前記リング本体に付勢する付勢手段を備え、前記目印リングは、前記付勢手段で付勢されることによって前記リング本体に係止されることを特徴としている。
請求項2に記載の発明によれば、目印リングが付勢手段によってリング本体に付勢されるので、付勢力に抗して目印リングを回転させた後、目印リングから手を離すだけで、目印リングがリング本体に係止される。したがって、目印の位置を簡単に調節することができる。
請求項3に記載の発明によれば請求項1または2の発明において、前記目印リングを前記リング本体に対して基準位置に合わせるための位置決め手段を備えるとともに、前記目印リングの外表面には目盛りが形成されることを特徴としている。
請求項3に記載の発明によれば、目印リングに目盛りが形成されているので、その目盛りに応じてフォーカスリングを回動させることによって、所望する撮影距離にピントを合わせることができる。また、請求項3に記載の発明によれば、位置決め手段が設けられているので、目印リングをリング本体に対して回動させて目印の位置を調節した場合であっても、目印リングをリング本体に対して基準位置に合わせることができ、目印リングの目盛りを再度、使用することができる。
本発明に係るレンズ装置によれば、目印リングをリング本体に対して回動させ、所望する位置で固定することによって目印の位置を自由に調節することができるので、複数のシーンを撮影する場合であっても、手間をかけることなく、ピント合わせを迅速且つ正確に行うことができる。
以下、添付図面に従って本発明に係るレンズ装置の好ましい実施の形態を詳説する。
図1に示す、固定焦点レンズであるシネマ用のレンズ装置10は、その固定筒12にアイリスリング14及びフォーカスリング16が回動自在に設けられている。アイリスリング14の表面にはギア18が形成されるとともに、ギア18の図1上右側部に形成されたテーパ部20には、絞り値を示す数値(Fナンバー:1.5、2、2.8…)とその目盛り21、21…が形成されている。
所望の絞り値に設定する場合には、アイリスリング14を回動させて所望の絞り値の目盛り21を、絞り指標環22に形成された指標線24に合わせる。この動作によって、レンズ装置10に内蔵された虹彩絞り装置等のアイリス装置が駆動されて、所望の絞り値に設定される。なお、指標環22は、固定筒12に可動不能に固定されている。
フォーカスリング16は主として筒体26、フォーカスギア28、及び目印リング30で構成される。筒体26は、固定筒12に回動自在に支持されるとともに、その外表面から突設されたフォーカスレバー32を手動で操作することにより回動される。フォーカスギア28は、リング状に形成され、筒体26の右端部に接着固定される。このフォーカスギア28に、不図示のモータに連結された駆動ギアを噛合させることによって、フォーカスリング16をモータの駆動力で回動させることができる。なお、筒体26及びフォーカスギア28が、本発明のリング本体を構成している。
フォーカスギア28の内側には、不図示のフォーカスカム環が接着固定され、このフォーカスカム環は固定筒12の外表面に回動自在に摺接されている。また、フォーカスカム環の内周面には、図2に示すフォーカスレンズ36を光軸Pに沿って前後移動させるためのカム溝(不図示)が形成されている。このカム溝、及び固定筒12の表面に光軸と平行に形成された直進溝(不図示)を介して、フォーカスレンズ枠体38の移動環39に突設されたカムフォロア(不図示)が係合されている。したがって、フォーカスギア28を回動すると、フォーカスカム環が回動するので、フォーカスレンズ枠体38が前記カム溝の軌跡に沿って光軸P方向に前後移動する。この操作によってフォーカスレンズ36が光軸P方向に前後移動し、ピント合わせが行われる。
図2に示すように、目印リング30は、フォーカスギア28に図2の右側から外挿され、回動自在に支持されている。目印リング30の左側には、板ばね部材44がフォーカスギア28との間に介在される。板ばね部材44は、目印リング30とフォーカスギア28とに付勢力を付与する部材であればよく、例えば波形ワッシャが使用される。
目印リング30の右側には、押さえリング46が設けられ、この押さえリング46をフォーカスギア28に螺合することによって、目印リング30が左方向に押圧されて固定される。これにより、目印リング30は板ばね部材44によって適度な摩擦力が付与された状態で固定される。したがって、フォーカスギア28を押さえながら、板ばね部材44の付勢力よりも大きな回転力を目印リング30に与えることによって目印リング30を回転させることができ、後述する目印線48の位置をフォーカスギア28に対して周方向に調節することができる。また、板ばね部材44の付勢力によって目印リング30を任意の回動位置でフォーカスギア28に係止させることができる。
図1に示すように、目印リング30の外表面には、目印線48が形成されている。目印線48は、フォーカスリング16を回動操作する際の目印であり、この目印線48を、フォーカス指標環50の外周面の指標線52に合わせるようにしてフォーカス操作が行われる。フォーカス指標環50は、マウント環40に止めねじ53によって固定されており、マウント環40は、図2に示すねじ41によって固定筒12に固定されている。なお、上述した例では、目印リング30の外表面に目印線48を形成したが、フォーカスリング16を回動させる際の目印であればよく、例えば、矢印や点等の目印を付すようにしてもよい。
次に上記の如く構成されたレンズ装置10を用いて、「シーン1」と「シーン2」の二つの撮影シーンを撮影する方法について説明する。
まず、カメラマンは、シーン2に合わせて、フォーカス操作を行う。すなわち、カメラのファインダ(不図示)を覗きながらシーン2に適した撮影距離にピントを合わせる。そして、目印リング30をフォーカスギア28に対して回動させ、目印リング30の目印線48の位置をフォーカス指標環50の指標線52の位置に合わせる。その際、板ばね部材44の付勢力に抗して目印リング30を回動させるだけで、目印線48の位置を簡単に調節することができ、また、目印リング30から手を離すだけで目印リング30がフォーカスギア28に係止される。
次に、フォーカスリング16を回動操作し、シーン1に適した撮影距離にピントを合わせ、シーン1の撮影を行う。
そして、シーン2を撮影する際は、フォーカスリング16を回動操作し、目印リング30の目印線48の位置を指標環50の指標線52の位置に合わせる。これにより、カメラマンは、ファインダを覗くことなく、シーン2に適した撮影距離にピントを合わせることができる。これにより、ピント合わせを迅速、且つ正確に行うことができる。
このように本実施の形態のレンズ装置10によれば、目印リング30に形成された目印線48を用いてフォーカス操作を行うようにしたので、複数の撮影シーンにおいてピント合わせを迅速、且つ正確に行うことができる。
また、本実施の形態によれば、目印線48の形成された目印リング30をフォーカスギア28に対して回動自在に支持するとともに、任意の回動位置で目印リング30がフォーカスギア28に係止されるようにしたので、目印線48の位置を何度でも簡単に調節することができる。したがって、複数回の撮影を行う場合には、目印リング30をフォーカスギア28に対して回動及び係止させて目印線48の位置を調節すればよく、目印リング30に「シーン1」等の目印を書き込んだり、目印となる紙やテープを貼り付けたりする必要がない。したがって、本実施の形態によれば、複数回にわたる撮影を、手間をかけることなく簡単に行うことができる。
図3は、本発明にかかるレンズ装置の第2の実施形態を示す全体図である。
図3に示す第2の実施形態は、図1に示した第1の実施形態と比較して、目印リング30の外表面に目盛り61、61…が形成されている点で異なっている。すなわち、図3の目印リング30には、目印線48の他に、メータ表示(0.5、0.6、0.7…10、15、∞)の目盛り61、61…が付されている。また、フォーカスリング16の筒体26には、基準位置を示す基準線62が示されており、この基準線62の位置に、目印リング30の目印線48の位置を合わせることによって、目盛り61、61…が正規の位置に配置される。ここで、正規の位置とは、フォーカス指標環50の指標線52の位置に目印リング30の目盛り61を合わせることによって、その目盛り61のメータ表示の距離にピントが合う位置である。なお、目印リング30の形状や支持方法を含むその他の構造については、図1、図2に示した第1の実施形態と同様であり、その説明を省略する。
上記の如く構成された第2の実施形態のレンズ装置によれば、目印リング30の目盛り61をフォーカス指標環50の指標線52の位置に合わせることによって、その目盛り61のメータ表示の撮影距離にピントを正確に合わせることができる。
また、第2の実施形態のレンズ装置によれば、第1の実施形態と同様に、目印リング30をフォーカスギア28に対して回動させて係止させることによって、目印線48の位置を簡単に調節することができる。したがって、複数のシーンにおいて、手間をかけることなく、ピント合わせを迅速、且つ正確に行うことができる。
さらに、第2の実施形態のレンズ装置によれば、フォーカスリング16の筒体26に基準線62が設けられているので、目印線48の位置と基準線62の位置とを合わせることによって、目盛り61を正規の位置に戻すことができる。したがって、目盛り61を用いたフォーカス操作と、目印線48を用いたフォーカス操作を選択することができる。
なお、上述した第2の実施形態は、目印リング30に目印線48と目盛り61、61…を別々に付したが、目盛り61、61…の一つを大きく形成して目印線として利用するようにしてもよい。例えば、「∞」の位置を示す目盛り61の代わりに目印線48を付してもよい。
また、上述した第2の実施形態では、フォーカスリング16の筒体26に基準線62を設けて目盛り61が正規の位置に戻るようにしたが、正規の位置への復帰方法はこれに限定するものではなく、例えば、クリック機構を設けることによって目印リング30が正規の位置で一旦、係止するようにしてもよい。
さらに、上述した第2の実施形態では、目盛り61を目印リング30に形成したが、目印リング30を透明或いは半透明な材料で形成すれば、この目印リング30を透過して見えるリング本体(例えばフォーカスギア28)に目盛り61を形成してもよい。この場合には、目盛り61が正規の位置からずれることがないので、前述した復帰手段が不要になる。
図4は、本発明に係るレンズ装置の第3の実施形態を示す全体図である。
図4に示す第3の実施形態は、図1に示した第1の実施形態と比較して、目印リング30が三つの目印リング30A、30B、30Cに分割されている点で異なっている。すなわち、図4に示した第3の実施形態では、幅の狭い三つの目印リング30A〜30Cが設けられており、各目印リング30A〜30Cがそれぞれ、フォーカスギア28に対して回動自在に支持されている。また、各目印リング30A〜30Cの間には、波形ワッシャ等の付勢手段(不図示)が設けられており、各目印リング30A〜30Cがそれぞれ、任意の回動位置でフォーカスギア28に係止されるようになっている。さらに、各目印リング30A〜30Cの外表面にはそれぞれ、目印線48が形成されている。
上記の如く構成された第3の実施形態によれば、各目印リング30A〜30Cをフォーカスギア28に対して個別に回動させて任意の位置で係止させることができる。したがって、各目印リング30A〜30Cに形成された目印線48の位置をそれぞれ個別に調節することができる。これにより、より多くの撮影シーンにおいて迅速にピント合わせを行うことができる。例えば撮影距離の異なる「シーン1」〜「シーン4」の撮影を行う場合、まず「シーン2」に適した撮影距離にピントを合わせた後、目印リング30Aの目印線48の位置をフォーカス指標環50の指標線52の位置に合わせて調節する。同様に、「シーン3」に適した撮影距離にピントを合わせた後、目印リング30Bの目印線48の位置を調節し、「シーン4」に適した撮影距離にピントを合わせた後、目印リング30Cの目標線48の位置を調節する。このようにして準備を行った後、シーン1の撮影距離にピントを合わせて撮影を行う。そして、シーン2を撮影する際は、目印リング30Aの目印線48の位置をフォーカス指標環50の指標線52の位置に合わせることによって、ピント合わせを迅速、且つ正確に行うことができる。同様に、シーン3を撮影する際は、目印リング30Bの目印線48に合わせ、シーン4を撮影する際は、目印リング30Cの目印線48を合わせることによって、シーン3、シーン4でのピント合わせを迅速、且つ正確に行うことができる。
なお、上述した第3の実施形態では、三つの目印リング30A〜30Cを用いたが、目印リング30の個数は二個であっても、或いは四個以上であってもよく、目印リング30A〜30Cの個数を増やすことによって、より多くの撮影シーンでピント合わせを迅速、且つ正確に行うことができる。
また、上述した第3の実施形態では、三つの目印リング30A〜30C全てに目印線48を形成したが、これに限定するものではなく、例えば目印リング30Bに、第2の実施形態で示した目盛り61、61…を形成し、この目印リング30Bをフォーカスギア28に固定してもよい。
本発明に係るレンズ装置の第1の実施形態を示す全体図 図1に示したシネマ用レンズ装置の要部拡大断面図 本発明に係るレンズ装置の第2の実施形態を示す全体図 本発明に係るレンズ装置の第3の実施形態を示す全体図
符号の説明
10…シネマ用のレンズ装置、12…固定筒、14…アイリスリング、16…フォーカスリング、22…絞り指標環、24…絞り指標線、26…筒体、28…フォーカスギア、30…目印リング、32…フォーカスレバー、34…フォーカスカム環、36…フォーカスレンズ、38…フォーカスレンズ枠体、44…板ばね部材、46…押さえリング、48…目印線、50…フォーカス指標環、52…指標線、61…目盛り、62…基準線

Claims (3)

  1. フォーカスリングを回動操作することによって、フォーカスレンズを光軸方向に移動させるレンズ装置において、
    前記フォーカスリングは、
    リング本体と、
    該リング本体に回動自在に支持され、且つ回動させた位置で前記リング本体に固定されるとともに、外表面に目印が形成された目印リングと、
    を備えることを特徴とするレンズ装置。
  2. 前記目印リングを前記リング本体に付勢する付勢手段を備え、前記目印リングは、前記付勢手段で付勢されることによって前記リング本体に係止されることを特徴とする請求項1に記載のレンズ装置。
  3. 前記目印リングを前記リング本体に対して基準位置に合わせるための位置決め手段を備えるとともに、前記目印リングの外表面には目盛りが形成されることを特徴とする請求項1または2に記載のレンズ装置。
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