JP2005127841A - リング型振動式角速度センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】円筒形状の振動体への電極の形成、圧電素子の取付を容易とし、振動モードの光素子を用いた位置検出器で検出ができるリング型振動式角速度センサを提供する。
【解決手段】振動体の薄肉円筒形状よりなる励振部と、励振部を径方向の振動の1次モードの定在波により励振する励振手段と、検出対象とする入力角速度が印加されたことによるコリオリ力により生じる定在波より90°位相が異なる出力振動成分を検出する角速度検出手段と、を備えたリング型振動式角速度センサにおいて、前記励振部の薄肉円筒形状の軸に直交する断面は、一方の周である外周または内周が円で、他の周である内周または外周が四角以上の4の倍数の多角形として、平面部を形成する。
【選択図】図1
【解決手段】振動体の薄肉円筒形状よりなる励振部と、励振部を径方向の振動の1次モードの定在波により励振する励振手段と、検出対象とする入力角速度が印加されたことによるコリオリ力により生じる定在波より90°位相が異なる出力振動成分を検出する角速度検出手段と、を備えたリング型振動式角速度センサにおいて、前記励振部の薄肉円筒形状の軸に直交する断面は、一方の周である外周または内周が円で、他の周である内周または外周が四角以上の4の倍数の多角形として、平面部を形成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、リング型振動式角速度センサに関し、特にリング形状の励振部の外周または内周に平面部を備えたリング型振動式角速度センサに関する。
(従来例1)
従来のリング型振動式角速度センサ(特許文献1 参照)を図5〜図7を参照して説明する。
圧電セラミックスからなるリング型(円筒形状)の振動体30の励振部31は薄肉円筒からなり、33は励振部31を支える支持部を形成する薄肉の円筒フレクチュア部である。フレクチュア部33は複数の脚部35から構成される。この円筒フレクチュア部33は台座32に取付固定され、励振部31を支持している。励振部31と、円筒フレクチュア部33と、台座32の3者は一体的に形成されており、そして、円筒フレクチュア部33及び台座32を構成する材料は励振部31を構成する材料と同一である。励振部31自体薄肉に形成されるが、円筒フレクチュア部33は励振部31より更に薄く形成される。リング型の振動体30を恒弾性材料或いは溶融水晶により形成することにより寸法の温度変化を小さくし、角速度センサに対する温度変化の影響を低減することができる。
ここで、励振部31を支える支持部を薄肉の円筒フレクチュア部33により形成し、フレクチュア部を柔軟で弾性係数の小さいものとすることにより励振部31の運動エネルギーの外部への漏洩を遮断し、励振部31に対する励振部外部から侵入する振動衝撃の影響を減少させる。そして、フレクチュア部33自体が励振部31外部から進入する振動衝撃により損傷することもない。また、薄肉円筒の励振部31の励振或いは共振周波数をf2とすると共に、円筒フレクチュア部35の厚さと長さを適宜に選択してフレクチュア部33自体の共振周波数をf1に設計し、フレクチュア部33の共振周波数をf1を励振部31の励振周波数f2の1/4倍或いは3/4倍に設定することにより、励振部31内部の運動エネルギーをより多く内部に閉じ込めることができる。
従来のリング型振動式角速度センサ(特許文献1 参照)を図5〜図7を参照して説明する。
圧電セラミックスからなるリング型(円筒形状)の振動体30の励振部31は薄肉円筒からなり、33は励振部31を支える支持部を形成する薄肉の円筒フレクチュア部である。フレクチュア部33は複数の脚部35から構成される。この円筒フレクチュア部33は台座32に取付固定され、励振部31を支持している。励振部31と、円筒フレクチュア部33と、台座32の3者は一体的に形成されており、そして、円筒フレクチュア部33及び台座32を構成する材料は励振部31を構成する材料と同一である。励振部31自体薄肉に形成されるが、円筒フレクチュア部33は励振部31より更に薄く形成される。リング型の振動体30を恒弾性材料或いは溶融水晶により形成することにより寸法の温度変化を小さくし、角速度センサに対する温度変化の影響を低減することができる。
ここで、励振部31を支える支持部を薄肉の円筒フレクチュア部33により形成し、フレクチュア部を柔軟で弾性係数の小さいものとすることにより励振部31の運動エネルギーの外部への漏洩を遮断し、励振部31に対する励振部外部から侵入する振動衝撃の影響を減少させる。そして、フレクチュア部33自体が励振部31外部から進入する振動衝撃により損傷することもない。また、薄肉円筒の励振部31の励振或いは共振周波数をf2とすると共に、円筒フレクチュア部35の厚さと長さを適宜に選択してフレクチュア部33自体の共振周波数をf1に設計し、フレクチュア部33の共振周波数をf1を励振部31の励振周波数f2の1/4倍或いは3/4倍に設定することにより、励振部31内部の運動エネルギーをより多く内部に閉じ込めることができる。
図6,図7に示すように、圧電セラミックスより成る薄肉円筒の励振部31のA点の外表面および内表面に対向して駆動電極(励振用電極)を形成し、これらの両電極間に交流電圧を印加して圧電駆動することにより励振部31に振動モード1の振動を生起することができる。即ち、励振部31の中心軸に対して直交すると共に互いに直交する2方向に薄肉円筒の励振部31を屈曲振動させることができる。励振部31の振動モード1の振動状態において、薄肉円筒の励振部31に中心軸を入力軸とする円周方向の角速度が入力されると、振動モード1と直交する方向にコリオリ力が作用する結果、振動モード1の方向から45°回転したB点の位置において振動モード2の矢印方向の振動が発生する。ここで、振動モード2の方向の力の大きさを知ることにより、入力角速度の値を検出することができる。
図7を参照して動作を説明する。
励振器42から供給される駆動信号Vdは薄肉円筒の励振部31の共振周波数に等しい周波数を有する交流の電圧信号であり、薄肉円筒の励振部31のA点に設けられた駆動電極Eaに印加される。その結果、薄肉円筒の励振部31は、先に述べた振動モード1で振動する。なお、41は励振器42の発振周波数を規定する発振回路である。A点と丁度180°回転したC点の位置の両面に設けられる電極Ecは静電容量式位置検出器46の一部を構成するモニタ電極であり、振動モード1を検出する。このモニタ電極Ecから得られる振動情報は直流信号Vpに変換され、差動増幅器44において基準信号源45の出力する基準信号Vrと比較される。差動増幅器44より得られる差信号Veは積分器により構成されたループフィルタ43より得られる出力Vcontは励振器42に供給され、静電容量式位置検出器46から出力される直流信号Vpが基準信号Vrと等しくなって差動増幅器44の差信号Veをゼロとすべく、駆動信号Vdの振幅を制御する。即ち、薄肉円筒の励振部31の駆動信号Vdを一定に制御することにより、励振部31の振動振幅を常時一定に制御する。
A点から45°回転した位置にあるB点に設けられる振動検出用電極Ebは、入力角速度ωにより発生する振動モード2を検出する出力信号検出用位置検出器51の一部を構成し、この検出器51から得られる振動情報は、同期検波回路52により振動の大きさに対応した直流信号に変換される。同期検波回路52の出力をそのまま振動の大きさの検出出力として使用すればオープンループ信号処理の角速度センサが形成され、その出力はV01になる。
励振器42から供給される駆動信号Vdは薄肉円筒の励振部31の共振周波数に等しい周波数を有する交流の電圧信号であり、薄肉円筒の励振部31のA点に設けられた駆動電極Eaに印加される。その結果、薄肉円筒の励振部31は、先に述べた振動モード1で振動する。なお、41は励振器42の発振周波数を規定する発振回路である。A点と丁度180°回転したC点の位置の両面に設けられる電極Ecは静電容量式位置検出器46の一部を構成するモニタ電極であり、振動モード1を検出する。このモニタ電極Ecから得られる振動情報は直流信号Vpに変換され、差動増幅器44において基準信号源45の出力する基準信号Vrと比較される。差動増幅器44より得られる差信号Veは積分器により構成されたループフィルタ43より得られる出力Vcontは励振器42に供給され、静電容量式位置検出器46から出力される直流信号Vpが基準信号Vrと等しくなって差動増幅器44の差信号Veをゼロとすべく、駆動信号Vdの振幅を制御する。即ち、薄肉円筒の励振部31の駆動信号Vdを一定に制御することにより、励振部31の振動振幅を常時一定に制御する。
A点から45°回転した位置にあるB点に設けられる振動検出用電極Ebは、入力角速度ωにより発生する振動モード2を検出する出力信号検出用位置検出器51の一部を構成し、この検出器51から得られる振動情報は、同期検波回路52により振動の大きさに対応した直流信号に変換される。同期検波回路52の出力をそのまま振動の大きさの検出出力として使用すればオープンループ信号処理の角速度センサが形成され、その出力はV01になる。
一方、クローズドループ信号処理の角速度センサは、点線で示される回路を付加することにより構成される。即ち、同期検波回路52の出力は、積分器により構成されるループフィルタ53に供給され、第2ループフィルタ53から得られる出力はフィードバック信号発生回路54に供給される。フィードバック信号発生回路54は、第2ループフィルタ53から得られる信号と発振回路41から供給されるクロックCKが入力され、出力信号検出用位置検出器51から得られる振動モード2の振動とは周波数が同一で極性が逆の信号を発生する回路である。このフィードバック信号発生回路54の出力は、B点に対して180°回転した位置に設けられたフィードバック電極Edに印加され、振動モード2の動きを逆向きに抑制する。その結果、角速度センサに角速度が入力され振動モード2が発生しても振動モード2は実質的にゼロに抑制されるクローズドループ信号処理をしていることになる。このクローズドループ信号処理における角速度センサ出力としては、電圧Vfと比例関係にある第2ループフィルタ53の直流出力を角速度センサ出力V02として用いる。
(従来例2)
従来例2の温度補償を有するヨーレートセンサ(角速度センサ)を図8、図9を参照して説明する。
中空円筒状の圧電振動部材61はPZT系の圧電セラミックスから形成され、下端において支持部材65に固定される。圧電振動部材61の円筒外周面には複数個の励振用電極62と、複数個の振動検出用電極63が蒸着あるいは銀ペーストをスクリーン印刷したのち焼き付けにより設けられる。
圧電振動部材61は、角速度検出回路70に設けられた発振回路により交番信号により励振用電極62を介してその共振周波数で振動させる。そして、振動検出用電極63を介して圧電振動部材61の振動が電気信号として検出され、回転運動に伴い円筒部材に誘起されたコリオリ力による振動の変化に基づき回転角速度の変化が検出される。
中空円筒状の圧電振動部材61の基部側の一端には、圧電体の容量を検出するための容量検出用電極64が円筒の内周面と外周面に設けられている。
容量検出用電極64は容量検出回路80の積分回路に接続され、容量検出回路80の温度補正信号出力端子81には、ヨーレート(角速度)を検出するための角速度検出回路70の出力信号の温度変化を補正するための温度補償信号が出力される。
なお、中空円筒状の圧電振動部材61は真空容器66に封入される。これは圧電振動部材の振動音を外部に漏れなくするためである。
従来例2の温度補償を有するヨーレートセンサ(角速度センサ)を図8、図9を参照して説明する。
中空円筒状の圧電振動部材61はPZT系の圧電セラミックスから形成され、下端において支持部材65に固定される。圧電振動部材61の円筒外周面には複数個の励振用電極62と、複数個の振動検出用電極63が蒸着あるいは銀ペーストをスクリーン印刷したのち焼き付けにより設けられる。
圧電振動部材61は、角速度検出回路70に設けられた発振回路により交番信号により励振用電極62を介してその共振周波数で振動させる。そして、振動検出用電極63を介して圧電振動部材61の振動が電気信号として検出され、回転運動に伴い円筒部材に誘起されたコリオリ力による振動の変化に基づき回転角速度の変化が検出される。
中空円筒状の圧電振動部材61の基部側の一端には、圧電体の容量を検出するための容量検出用電極64が円筒の内周面と外周面に設けられている。
容量検出用電極64は容量検出回路80の積分回路に接続され、容量検出回路80の温度補正信号出力端子81には、ヨーレート(角速度)を検出するための角速度検出回路70の出力信号の温度変化を補正するための温度補償信号が出力される。
なお、中空円筒状の圧電振動部材61は真空容器66に封入される。これは圧電振動部材の振動音を外部に漏れなくするためである。
図9を参照して温度補償を有するヨーレートセンサ(角速度センサ)の動作を説明する。
温度補償されたセンサ出力91を出力するため、容量検出回路80の出力電圧により利得が可変される演算増幅器90の構成と、圧電振動部材61の角速度検出装置70を備える。
角速度検出回路70の発振回路71はその出力が圧電振動部材61の励振用電極62に接続され、圧電振動部材61はその共振周波数で振動するために所定の振幅と周波数の交番信号を出力する。角速度検出装置70の振動検出回路72は振動検出用電極63の出力信号を所定利得増幅して角速度検出用の信号Vsを出力する。
温度補償されたセンサ出力91を出力するため、容量検出回路80の出力電圧により利得が可変される演算増幅器90の構成と、圧電振動部材61の角速度検出装置70を備える。
角速度検出回路70の発振回路71はその出力が圧電振動部材61の励振用電極62に接続され、圧電振動部材61はその共振周波数で振動するために所定の振幅と周波数の交番信号を出力する。角速度検出装置70の振動検出回路72は振動検出用電極63の出力信号を所定利得増幅して角速度検出用の信号Vsを出力する。
温度補償について説明する。
圧電体の静電容量変化を検出するために、中空円筒状の圧電振動部材61の基部側一端の外周面と内周面に設けられた容量検出用電極64は、容量検出回路80において、演算増幅器84の帰還抵抗85と並列に接続される。このため、容量検出用電極64に挟まれた圧電体は等価的に容量Cのコンデンサ86として積分回路を構成する。
容量検出回路80における発振回路81は、圧電振動部材61を励振するための発振回路81とは別途に例えばセラロック等で作られ、予め定める一定の振幅且つ一定の周波数からなる基準信号を出力するものである。
発振回路81の出力基準信号は、その出力に下限リミッタ用ダイオード83が接続され半波整流回路を構成すると共にボルテージホロア構成により低インピーダンスの電圧を出力する演算増幅器82の非反転端子(+)に入力され、半波整流された基準信号は前記した積分回路を構成する演算増幅器84の反転入力端子(−)に入力される。
積分回路を構成する演算増幅器84の出力信号は負極性の電圧としてFET88のゲート端子に入力される。前述した積分回路からは、その時定数に依存して信号電圧レベルが可変する信号が出力される。すなわち、コンデンサ86の静電容量Cが増大すると積分回路の時定数は大きくなり、基準信号の積分回路の出力信号の電圧レベルは低下する。このため、温度が上昇し(下降し)圧電体の静電容量が増加(減少)すると、前記積分回路の時定数が増加(減少)するため積分回路の出力信号の電圧レベルは低下(上昇)する。容量検出回路80の積分回路の出力信号は電圧入力電流出力型のFET88のゲート端子に接続され角速度検出装置70の出力信号Vsの温度補正を行う。
圧電体の温度が上昇した場合に、角速度検出装置70の出力電圧の回転角速度に対する傾きは減少し、したがって、温度が上昇した時、同一の回転角速度に対する出力電圧レベルは減少する。このため容量検出回路80と、FET88と演算増幅器90から構成される利得が制御される増幅器を用いて温度補正を行う。
特開2001−289641(図3,図10,図11、段落(0003〜0006),(0020〜0022)
特開平6−148231号公報(図2,図3、段落(0056〜0046)
圧電体の静電容量変化を検出するために、中空円筒状の圧電振動部材61の基部側一端の外周面と内周面に設けられた容量検出用電極64は、容量検出回路80において、演算増幅器84の帰還抵抗85と並列に接続される。このため、容量検出用電極64に挟まれた圧電体は等価的に容量Cのコンデンサ86として積分回路を構成する。
容量検出回路80における発振回路81は、圧電振動部材61を励振するための発振回路81とは別途に例えばセラロック等で作られ、予め定める一定の振幅且つ一定の周波数からなる基準信号を出力するものである。
発振回路81の出力基準信号は、その出力に下限リミッタ用ダイオード83が接続され半波整流回路を構成すると共にボルテージホロア構成により低インピーダンスの電圧を出力する演算増幅器82の非反転端子(+)に入力され、半波整流された基準信号は前記した積分回路を構成する演算増幅器84の反転入力端子(−)に入力される。
積分回路を構成する演算増幅器84の出力信号は負極性の電圧としてFET88のゲート端子に入力される。前述した積分回路からは、その時定数に依存して信号電圧レベルが可変する信号が出力される。すなわち、コンデンサ86の静電容量Cが増大すると積分回路の時定数は大きくなり、基準信号の積分回路の出力信号の電圧レベルは低下する。このため、温度が上昇し(下降し)圧電体の静電容量が増加(減少)すると、前記積分回路の時定数が増加(減少)するため積分回路の出力信号の電圧レベルは低下(上昇)する。容量検出回路80の積分回路の出力信号は電圧入力電流出力型のFET88のゲート端子に接続され角速度検出装置70の出力信号Vsの温度補正を行う。
圧電体の温度が上昇した場合に、角速度検出装置70の出力電圧の回転角速度に対する傾きは減少し、したがって、温度が上昇した時、同一の回転角速度に対する出力電圧レベルは減少する。このため容量検出回路80と、FET88と演算増幅器90から構成される利得が制御される増幅器を用いて温度補正を行う。
(1)従来の角速度センサにおいて中空円筒状の圧電振動部材の壁面に複数個の電極を蒸着等により形成する(前記特許文献2 参照)、あるいは円筒状の共振体の壁面に圧電素子からなる駆動素子を接着固定する(例えば、特開平5−240648号公報 参照)ことにより励振部が構成される。そのため、中空円筒状の壁面に電極の形成が困難であり、また、中空円筒状の壁面の圧電素子の固着強度に信頼性の問題があった。さらに、振動モードの検出を円筒状の壁面に光を入射させ、その反射波を検出する光素子位置検出器により行う場合、温度変化による励振部の寸法の変化により正確な検出ができない問題があった。
(2)一般に角速度センサの出力感度を決定する駆動共振周波数fDと検出共振周波数fSの設計は、各部材の硬さ及び寸法(幅、長さ、厚さ)を考慮して一定の離調(△f=fS−fD)となるように行う。一定に設計したとしても温度変化がおこると硬さが変わるためfDとfSがそれぞれ変化してしまい、センサ感度及びバイアスの変動を生じさせる。
従来例1のようにリングの定在波の腹の部分に各1本づつ計4本の脚を設け、リング定在波の共振振動周波数fDの1/4倍もしくは3/4倍程度になるようにし、振動のもれを極力低減しつつfDとfSを設定している。温度変化等での周波数変動については上記従来例2等の回路による温度補正が可能である。しかしながら、円筒状の振動体の支持方法により根本的に温度による離調の変化を低減させるようなものは提案されていない。特に、励振部に平面部があるものについては、励振部の硬さのバランスが悪くなっていることで、一層fDとfSが温度変化しやすく、それに伴い感度変動が大きくなってしまう。
(2)一般に角速度センサの出力感度を決定する駆動共振周波数fDと検出共振周波数fSの設計は、各部材の硬さ及び寸法(幅、長さ、厚さ)を考慮して一定の離調(△f=fS−fD)となるように行う。一定に設計したとしても温度変化がおこると硬さが変わるためfDとfSがそれぞれ変化してしまい、センサ感度及びバイアスの変動を生じさせる。
従来例1のようにリングの定在波の腹の部分に各1本づつ計4本の脚を設け、リング定在波の共振振動周波数fDの1/4倍もしくは3/4倍程度になるようにし、振動のもれを極力低減しつつfDとfSを設定している。温度変化等での周波数変動については上記従来例2等の回路による温度補正が可能である。しかしながら、円筒状の振動体の支持方法により根本的に温度による離調の変化を低減させるようなものは提案されていない。特に、励振部に平面部があるものについては、励振部の硬さのバランスが悪くなっていることで、一層fDとfSが温度変化しやすく、それに伴い感度変動が大きくなってしまう。
本発明は、上記(1)に記載の課題を解決するために、励振部の薄肉円筒形状の軸に直交する断面は、内周または外周、あるいは内外周を4の倍数の多角形とする、すなわち平面部を設けることを特徴とする。また、上記(2)に記載の課題を解決するために、薄肉円筒形状の外周または内周、および内外周を平面として多角形とした励振部と台座の間に脚部から構成されるフレクチュア部を設け、フレクチュア部を厚みが最大の部分に形成したことを特徴とする。
本発明は、円筒形状の励振部の内周面または外周面、あるいは内外周面を平面構造とすることにより、電極の形成あるいは圧電素子の設置を容易とすることができ、光素子を用いた位置検出器により正確な振動モードを検出することが可能となる、また、フレクチュア部を円筒形状の励振部の厚みが最大部分に設けたことにより温度変化に対するfDとfSの変化を低減することができる。
図1〜図4を参照して本発明の実施例を説明する。
円筒状の励振部の内周断面を円形、外周を平面構造とした断面八角形とした実施例を説明する。
リング型の振動体8の概形は従来例1で説明したものと同様であるので説明を省略する。従来例1のリング型の振動体の励振部が円筒形状であるのに対し、図1に示した励振部1は励振部の薄肉円筒型状の軸に直交する断面は、内周が円で外周は八角形、すなわち外周面の8つの平面部を設け、2つの平面部が接する個所に跨りその表面に駆動電極(励振用電極)とモニタ電極、または圧電素子からなる駆動素子と検出素子を交互に設ける。平面部に駆動電極(励振用電極)とモニタ電極、または圧電素子からなる駆動素子と検出素子を設けることにより従来の曲面に設ける場合と比べて電極の形成および素子の固着が容易となる。また、内周または外周に平面部を設けているため振動モードの検出を光検出素子を利用した位置検出器により行うことができる。
また、フレクチュア部83を構成する脚部85は薄肉円筒の厚みが最大の部分の下端面に形成する。
フレクチュア部の振動エネルギーの漏洩や外部振動を遮断(軽減)することを目的とし、励振部と同一の材料を用いることにより、励振部の振動に対しフレキシブルであるが外部からの振動に対しては高剛性を有する。フレクチュア部を構成する脚部は、励振部の定在波の腹の部分に各1本計4本設け定在波の節の部分は除外した構造とする。
円筒状の励振部の内周断面を円形、外周を平面構造とした断面八角形とした実施例を説明する。
リング型の振動体8の概形は従来例1で説明したものと同様であるので説明を省略する。従来例1のリング型の振動体の励振部が円筒形状であるのに対し、図1に示した励振部1は励振部の薄肉円筒型状の軸に直交する断面は、内周が円で外周は八角形、すなわち外周面の8つの平面部を設け、2つの平面部が接する個所に跨りその表面に駆動電極(励振用電極)とモニタ電極、または圧電素子からなる駆動素子と検出素子を交互に設ける。平面部に駆動電極(励振用電極)とモニタ電極、または圧電素子からなる駆動素子と検出素子を設けることにより従来の曲面に設ける場合と比べて電極の形成および素子の固着が容易となる。また、内周または外周に平面部を設けているため振動モードの検出を光検出素子を利用した位置検出器により行うことができる。
また、フレクチュア部83を構成する脚部85は薄肉円筒の厚みが最大の部分の下端面に形成する。
フレクチュア部の振動エネルギーの漏洩や外部振動を遮断(軽減)することを目的とし、励振部と同一の材料を用いることにより、励振部の振動に対しフレキシブルであるが外部からの振動に対しては高剛性を有する。フレクチュア部を構成する脚部は、励振部の定在波の腹の部分に各1本計4本設け定在波の節の部分は除外した構造とする。
図2にフレクチュア部83を構成する脚部85をリング体の平面部(厚みが薄い個所)の下端面に設けた比較例の構成を示す。
次に図3に図1に示したリング型の振動体を用いたリング型振動式角速度センサの温度変化に対するfDとfS、及び△f(=fS−fD)の変化を示す。なお、リング型の振動体は、リング材料:SUS303A、ヤング率1.93[N/m2],密度7930[kg/m3],熱膨張係数1.73×10-5[/℃],ヤング率温度係数−4×10-4[/℃]、リング形状:外形φ13[mm],高さ3.0[mm],MAX厚さ0.9[mm]である。
図2にフレクチュア部を構成する脚部を励振部の外周平面部に配置したリング型の振動体の比較例の構成を示す。
次に図3に図1に示したリング型の振動体を用いたリング型振動式角速度センサの温度変化に対するfDとfS、及び△f(=fS−fD)の変化を示す。なお、リング型の振動体は、リング材料:SUS303A、ヤング率1.93[N/m2],密度7930[kg/m3],熱膨張係数1.73×10-5[/℃],ヤング率温度係数−4×10-4[/℃]、リング形状:外形φ13[mm],高さ3.0[mm],MAX厚さ0.9[mm]である。
図2にフレクチュア部を構成する脚部を励振部の外周平面部に配置したリング型の振動体の比較例の構成を示す。
図4に図2に示したリング型の振動体を用いたリング型振動式角速度センサの温度変化に対するfDとfS、及び△f(=fS−fD)の変化を示す。なお、リング体振動体の材料、寸法は図1のものと同様である。
図3と図4の、ジャイロ感度及びバイアスの変動要因となる△f(=fS−fD)の温度依存を比較すると図2の形状では0.413[Hz/℃](27.1ppm/Hz)に対し図1の形状のものは0.2[Hz/℃](13.9ppm/Hz)と1/2以下となり、それに伴いジャイロ感度の変動量も1/2程度となる。
内外周に平面部を備えた励振部の離調幅の温度変化を抑えるために、径方向の1次振動モード共振周波数に大きく依存するリング厚さの最大個所に、リングを支持するフレクチュアを配置する。離調幅の温度依存をメカ的に小さくすることで、感度の温度変動を抑えることができる。
図3と図4の、ジャイロ感度及びバイアスの変動要因となる△f(=fS−fD)の温度依存を比較すると図2の形状では0.413[Hz/℃](27.1ppm/Hz)に対し図1の形状のものは0.2[Hz/℃](13.9ppm/Hz)と1/2以下となり、それに伴いジャイロ感度の変動量も1/2程度となる。
内外周に平面部を備えた励振部の離調幅の温度変化を抑えるために、径方向の1次振動モード共振周波数に大きく依存するリング厚さの最大個所に、リングを支持するフレクチュアを配置する。離調幅の温度依存をメカ的に小さくすることで、感度の温度変動を抑えることができる。
実施例においては、内周断面形状を円形、外周を平面構造とした断面八角形とした円筒状の励振部について説明したが、平面構造を四角以上の4の倍数の多角形とする、そして、内周を断面多角形の平面構造、外周断面形状を円形とすることもできる。さらに、内外周を平面構造とした断面多角形とし、内周の多角形が同じ数の頂点を有し、内周の多角形の頂点が外周の多角形の隣接する頂点間の中線上に配置しても同様に機能する。
8・・・リング型の振動体、82・・・台座、83・・・フレクチュア部、85・・・脚部
Ea・・・駆動電極(励振用電極)、Eb・・・振動検出用電極、Ec・・・モニタ電極、Ed・・・フィードバック電極
Ea・・・駆動電極(励振用電極)、Eb・・・振動検出用電極、Ec・・・モニタ電極、Ed・・・フィードバック電極
Claims (3)
- 振動体の薄肉円筒形状よりなる励振部と、励振部を径方向の振動の1次モードの定在波により励振する励振手段と、検出対象とする入力角速度が印加されたことによるコリオリ力により生じる定在波より90°位相が異なる出力振動成分を検出する角速度検出手段と、を備えたリング型振動式角速度センサにおいて、
前記励振部の薄肉円筒形状の軸に直交する断面は、一方の周である外周または内周が円で、他の周である内周または外周が四角以上の4の倍数の多角形としたことを特徴とするリング型振動式角速度センサ。 - 振動体の薄肉円筒形状よりなる励振部と、励振部を径方向の振動の1次モードの定在波により励振する励振手段と、検出対象とする入力角速度が印加されたことによるコリオリ力により生じる定在波より90°位相が異なる出力振動成分を検出する角速度検出手段と、を備えたリング型振動式角速度センサにおいて、
前記励振部の薄肉円筒形状の軸に直交する断面の外周が四角以上の4の倍数の多角形で、かつ内周の多角形が同じ数の頂点を有し、前記内周の多角形の頂点が前記外周の多角形の隣接する頂点間の中線上に配置されていることを特徴とするリング型振動式角速度センサ。 - 請求項1または2に記載のリング型振動式角速度センサにおいて、
励振部と台座との間に脚部から構成されたフレクチュア部を設け、前記脚部は前記円筒形状の励振部の厚みが最大の部分に形成したことを特徴とするリング型振動式角速度センサ。
Priority Applications (1)
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JP2003363331A JP2005127841A (ja) | 2003-10-23 | 2003-10-23 | リング型振動式角速度センサ |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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EP2696169A3 (en) * | 2012-08-07 | 2015-07-22 | Innalabs Limited | Force-rebalance coriolis vibratory gyroscope |
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-
2003
- 2003-10-23 JP JP2003363331A patent/JP2005127841A/ja not_active Withdrawn
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