JPH08184444A - 振動ジャイロ及びその製作方法 - Google Patents

振動ジャイロ及びその製作方法

Info

Publication number
JPH08184444A
JPH08184444A JP6339056A JP33905694A JPH08184444A JP H08184444 A JPH08184444 A JP H08184444A JP 6339056 A JP6339056 A JP 6339056A JP 33905694 A JP33905694 A JP 33905694A JP H08184444 A JPH08184444 A JP H08184444A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vibrating body
vibrating
electrodes
signal
standing wave
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6339056A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiki Ishino
俊樹 石野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP6339056A priority Critical patent/JPH08184444A/ja
Publication of JPH08184444A publication Critical patent/JPH08184444A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Gyroscopes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 極めて簡単な構成でもって2軸回りの角速度
を同時に検出可能な低コストで、コンパクトな振動ジャ
イロとその製作方法を得ること。 【構成】 円環板状の形をなし、その表面より電極、弾
性体より構成された薄板状の基板部、その上に形成され
た圧電体層及び電極より構成されており、該両電極に交
流の信号を印加することにより、該円環の円周方向に定
常波を発生する振動体と、該振動体に交流の信号を印加
する信号手段と、該振動体上で各々90°離れた位置に
設けた少なくとも2個以上の検出部とを有し、該信号手
段により該振動体に定在波を発生せしめ、該検出部より
の出力により各検出部と該振動体の中心とを結ぶ軸の回
りの角速度を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は振動ジャイロ及びその製
作方法に関し、特に物体の直交する2軸回りの角速度を
検出するための角速度センサーとして使用するのに好適
な振動ジャイロ及びその製作方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、振動ジャイロとしては三角柱の弾
性体に圧電体を張り付けたもの、又は円柱状の圧電体を
振動体としてこれに電極を印刷したもの等が知られてい
る。
【0003】図9は振動ジャイロの第1の従来例の説明
図であり、特開平2-51066 号公報に開示されているもの
である。図9(A)は振動ジャイロの斜視図、図9
(B)は図9(A)の振動ジャイロの線X−Xにおける
断面図である。 この振動ジャイロ90は正三角柱状の
振動体81を有している。この振動体81の2つの側面
の中央部には、それぞれ検出用圧電素子82、83を形
成している。この検出用圧電素子82は圧電磁器82a
の両面に電極82b,82cを形成したものである。そ
して、一方の電極82cを振動体81の側面に接着して
いる。同様に、検出用圧電素子83も圧電磁器83aの
両面に電極83b,83cを形成しており、さらに一方
の電極83cを振動体81の側面に接着している。
【0004】振動体81の3面のうち検出用圧電素子8
2、83を形成していない側面には、駆動用の圧電素子
84、85を形成している。振動体81はそのノード点
において支持部材87、88で支持されている。
【0005】この駆動用圧電素子84、及び85に駆動
信号を印加し、共振回路を構成することによって、振動
体81の共振周波数で駆動信号が与えられ、振動体81
は共振状態において屈曲運動をする。
【0006】さらに検出用圧電素子82、83は差動ア
ンプ86に接続している。この差動アンプ86によって
検出用圧電素子82、83に発生した出力電圧の差を測
定する。
【0007】振動ジャイロ90が回転していない時は、
振動体81は駆動用圧電素子84、85の主面に直交す
る方向、図9のZ軸方向に屈曲運動をする。この場合、
振動体81の検出用圧電素子82、83を形成している
面の屈曲量は同じであるため、検出用圧電素子82、8
3に発生する出力電圧は等しい。従って差動アンプ86
においては検出用圧電素子82、83からの出力電圧が
互いに相殺され、差動アンプ86からの出力電圧は0に
なる。
【0008】次に、この振動ジャイロ90をその軸を中
心として回転した場合、振動体81の振動方向と直交す
る方向にコリオリ力が働く。この場合、振動体81の振
動方向は無回転時の屈曲方向からコリオリ力との合力方
向にずれる。そのため、例えば検出用圧電素子82はそ
の主面に直交する方向に屈曲運動をするため、検出用圧
電素子82に発生する出力電圧は大きくなる。一方、検
出用圧電素子83は、その主面に平行する方向に近い方
向に屈曲運動をするため、検出用圧電素子83に発生す
る出力電圧は小さくなる。従って検出用圧電素子82、
83から発生する出力電圧に差が生じ、差動アンプ86
からはその出力電圧差に比例した出力を得ることができ
る。これによって角速度を検出している。
【0009】図10は振動ジャイロの第2の従来例の説
明図であり、図10(A)はその斜視図、図10(B)
は構成説明図である。本例は振動体を円柱状の圧電素子
にした例である。この場合、円柱状の圧電素子より構成
された振動体91に6極の電極E1〜E6 を形成し、その
内の2極E1,E4 に振動体91の共振周波数の駆動電圧を
印加することにより、振動体91を共振状態で矢印方向
に屈曲運動させている。この時振動体91が軸を中心と
して回転した場合、コリオリ力によって振動体91の屈
曲運動の振動方向がずれる。この時残りの4極の電極
E2,E3,E5,E6 に発生する出力電圧をそれぞれ差動アンプ
86に接続することにより、振動体91の回転方向とそ
の角速度が検出される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上に説明した従来の
振動ジャイロにおいては、角速度の検出は1軸について
だけであり、ビデオカメラ等の防振装置のようにピッチ
方向及びヨー方向の2方向の角速度を検出しなければな
らない場合には、振動ジャイロが2個必要であった。そ
のためビデオカメラ等に振動ジャイロを2個収めるため
のスペースが必要になり、ビデオカメラ等を小型化する
うえで障害となっていた。又、振動ジャイロ及びこれを
駆動する駆動回路も2個必要になり、コストの上昇を招
いてしまうという問題点も存在した。
【0011】本発明は、極めて簡単な構成でもって2軸
回りの角速度を同時に検出可能な低コストで、コンパク
トな振動ジャイロの提供を目的とする。
【0012】又、弾性体基板の中央部をエッチングする
ことにより周囲の支持体となるつば部と振動体となる円
環状の薄い基板部とを同時に形成することにより、製造
が容易な振動ジャイロの製作方法の提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の振動ジャイロ
は、 (1−1) 円環板状の形をなし、両面に設けた電極に
交流の信号を印加することにより、該円環の円周方向に
定在波を発生する振動体と、該振動体に交流の信号を印
加する信号手段と、該振動体上の円周方向で各々90°
離れた位置に設けた少なくとも2個以上の検出部とを有
し、該信号手段により該振動体に定在波を発生せしめ、
該検出部よりの出力により各検出部と該振動体の中心と
を結ぶ軸の回りの角速度を検出すること等を特徴として
いる。
【0014】特に、(1−1−1) 前記振動体は圧電
体層を有する。 (1−1−2) 前記振動体はその表面より電極、弾性
体より構成された薄板状の基板部、その上に形成された
圧電体層及び電極より構成されている。 (1−1−3) 前記弾性体より構成された薄板状の基
板部に一体的に連なって該基板部より厚い円環状の支持
部を有する。 こと等を特徴としている。
【0015】本発明の振動ジャイロの製作方法は、 (1−2) 円環板状の形をなし、その表面より電極、
弾性体より構成された薄板状の基板部、その上に形成さ
れた圧電体層及び電極より構成されており、該両電極に
交流の信号を印加することにより、該円環の円周方向に
定在波を発生する振動体と、該基板部に一体的に連なる
該基板部より厚い円環状の支持部と、該振動体に交流の
信号を印加する信号手段と、該振動体上の円周方向で各
々90°離れた位置に設けた少なくとも2個以上の検出
部とを有する振動ジャイロを製作する際、円板状の弾性
体の中央部分をエッチングすることにより該基板部と該
支持部とを形成すること等を特徴としている。
【0016】更に本発明の振動ジャイロは、 (1−3) 円周方向に定在波を発生させる発生手段を
有した円環板状の振動体であって、該振動体上の円周方
向で90°離れた少なくとも2つの位置に各々該位置と
該振動体の中心とを結ぶ軸の回りの角速度を検出する為
の検出部を有し、該検出部からの信号を用いて該振動体
の回転情報を検出している。 (1−4) 円環板状の弾性体の片面に圧電体層を形成
し、更にその両面に電極を設けた振動体の該電極に信号
手段から交流電圧を印加することにより該振動体の円周
方向に定在波を発生させると共に、該振動体の円周方向
で各々90°離れた少なくとも2つの位置に各々該位置
と該振動体の中心とを結ぶ軸の回りの角速度を検出する
為の検出部を設け、該検出部からの信号を用いて該振動
体の回転情報を検出している。 こと等を特徴としている。
【0017】
【実施例】図1は本発明の振動ジャイロの実施例の要部
概略図である。図1(A)はその正面図、図1(B)は
図1(A)の線P−Pにおける断面図、図1(C)は背
面図である。
【0018】図中、2は弾性体であり、円環状(円環板
状)に形成している。弾性体2はシリコン(Si)より構
成しており、図1(B)に示すように縁に厚さ0.5mm 程
度のつば部(支持部)3と、その内側の円環状の厚さ数
10μm の基板部4とから構成されている。基板部4の片
面(A 面と呼ぶ)上には圧電物質の層(圧電体層)5を
形成している。圧電物質としてはPZT ,ZnO 等を使用す
る。又、その上には基板部4を16等分して電極A1〜A
16を形成している。基板部4の他の面(B 面と呼ぶ)に
は同様に16個の電極B1〜B16を形成している。
【0019】電極A1,A5 及びB1,B5 は独立している。こ
れらは信号(角速度)検出用の検出電極であり、電極A1
と電極B1との間にはその間で発生する電圧の検出手段2
1があり、又電極A5と電極B5との間にはその間で発生す
る電圧の検出手段22がある。
【0020】電極A2〜A4 及び電極A6〜A16はその間を連
結して一体電極となっている。電極B2〜B4 及び電極B6
〜B16も一体電極となっている。夫々を電極AC,BC と呼
ぶこととする。
【0021】なお、圧電体層5は電極A1〜A16に対応し
て16個の分極領域C1〜C16に別れている。これらの分
極領域C1〜C16は隣合わせの領域で円環の軸方向に分極
方向が異なるように分極処理を施している。図1(A)
において記号+は紙面上側から紙面下側へ向けての分極
を、記号−は紙面下側から上側への分極方向を表してい
る。
【0022】A 面側の電極Ai、圧電体層5、Siの基板部
4、B 面側の電極Bi等は振動体1の一要素を構成してい
る。
【0023】分極領域C1及びC5の部分は、振動体1の中
心と分極領域C1(C5)とを結ぶ軸である回転軸101回
りの角速度ω1及び回転軸102回りの角速度ω2を検
出するための検出領域として利用する。検出領域C1及び
検出領域C5以外の分極領域C2〜C4 及びC6〜C16の部分は
振動体1上に定在波を発生するために利用する。
【0024】検出電極A1,B1 、分極領域C1は第1の検出
部の一要素を構成しており、検出電極A5,B5 、分極領域
C5は第2の検出部の一要素を構成している。
【0025】本実施例の作用について説明する。
【0026】電極ACと電極BCとの間に信号手段7によっ
て交流電圧を印加する。これによって振動体1上には円
周方向に8次の定在波が発生する。これについて説明す
る。
【0027】図2は振動体1上に発生する定在波の説明
図である。図2(A)は振動ジャイロ10を横から見て
円周方向に展開した構造説明図(但しつば部3は略して
いるので、これは振動体1を展開したものである)であ
り、6は分極方向を示している。図2(B)は信号手段
7が電極AC、BC間に印加する駆動信号の図である。図2
(C)は振動ジャイロ10の振動体1に図2(B)の駆
動信号を与えた場合に発生する振動体1の変位図であ
る。
【0028】例えば電極BCに対して電極ACに加える駆動
信号が+の時、振動体1は圧電体層5の逆圧電効果によ
り変位を引き起こし、図2(C)の曲線31に示す状態
に変位する。また、電極BCに対して電極ACに加える駆動
信号が−の時、振動体1は圧電体層5の圧電効果により
変位を引き起こし、曲線32に示す状態に変位する。こ
のように圧電体層5に交流の駆動信号を印加することに
より、振動体1は分極方向の境目を節とする定在波を発
生する。
【0029】電極Ac,Bc 、分極された圧電体層5及び弾
性体の基板部4等は振動体1の円周方向に定在波を発生
させる発生手段の一要素を構成している。
【0030】図3は振動体1上に発生した定在波を質点
の運動として表した図である。41は振動体1上に発生
した定在波を表している。この時振動体1は質点の集合
体と見做すことができる。そして質点42は振動体1上
に形成された電極AC、BCを介して印加された電圧により
楕円又は円運動を行っている。この質点42に連なる質
点の各々の楕円又は円運動による位置を結ぶと図3に図
示する定在波41の波形となる。このように定在波41
は位相波であり、質点42の運動の位置によりその波形
は決定される。
【0031】図4(A),(B)は実施例1における分
極領域C1中の質点42の運動を拡大したものである。質
点42の楕円運動の回転方向を方向43とする。ω1+
及びω1- はそれぞれ角速度検出軸101回りに加えら
れた角速度ω1を表す。角速度ω1+ もしくはω1-
角速度検出軸101回りに加えられた場合、質点42
は、 FC =2×m×V×ω1 (1) で表されるコリオリ力FC を受ける。ここにmは質点4
2の質量、Vは該質点の運動速度を表す。
【0032】角速度ω1+ を質点42が受けた場合は図
4(A)に示すように質点42の楕円運動の回転径を大
きくするコリオリ力FC1+ を受ける。
【0033】逆に角速度ω1- を質点42が受けた場
合、図4(B)に示すように質点42の楕円運動の回転
径を小さくするコリオリ力FC1- を受ける。
【0034】図5は質点42に角速度ω1+ が加えられ
た場合に生じる定在波41の振幅の変化を表したもので
ある。角速度ω1+ が質点42に加えられた場合、質点
42の回転径が大きくなるようにコリオリ力FC1+ が働
くから角速度ω1+ が加えられる前の定在波41の振幅
が定在波51のように大きくなる。このとき変化するの
は定在波の振幅のみで、その位相は変化しない。
【0035】分極領域C1に対応する検出電極A1,B1 間で
は定在波41の振幅に応じて圧電効果による電圧出力が
正弦波で出力されている。そこで、定在波41の振幅が
定在波51のように大きくなると検出電極A1,B1 からの
電圧出力が変化して大きくなる。
【0036】逆に質点42に角速度ω1- 加えられた場
合、コリオリ力FC1- により質点42の楕円運動の回転
径が小さくなり、定在波41は変化して定在波の振幅は
小さくなる。その結果、検出電極A1,B1 からの電圧出力
が変化して小さくなる。
【0037】この振幅の変化は(1)式に示すコリオリ
力FC1によって発生する。従って加えられた角速度に比
例して変化する。そこで検出電極A1,B1 間に出力される
正弦波の電圧値を測定することにより、振動ジャイロ1
0の軸101回りの角速度ω1が得られる。
【0038】次に、振動体1に交流の駆動信号を与えて
定在波を発生しているとき、振動ジャイロ10の軸10
2回りの角速度ω2が加わった場合に検出電極A1,B1
の出力がどうなるかについて説明する。図6(A)は分
極領域C1中の質点42の運動を軸101方向から見た平
面図であり、図6(B)はこれを軸102方向から見た
側面図である。質点42の楕円運動を軸102方向から
見た場合、軸102回りの角速度ω2が加わっていない
ときには線43’に示す面内で楕円運動を行っている。
そして振動ジャイロ10に軸102回りの角速度ω2の
回転がかかると、コリオリ力FC2により質点42は図6
(B)の線43”に示すようにその楕円運動の面を傾け
るような力を受ける。従って、位相波としての定在波4
1の振幅は変化しない。そこで振動ジャイロ10の軸1
02回りに角速度ω2の回転が起きても、これによって
分極領域C1からの出力は変化しない。つまり検出電極
A1,B1 は軸102回りの角速度ω2の回転には感度を有
していないことになる。
【0039】同様に、振動体1上の圧電体層5の分極領
域C5に発生している定在波41は軸102回りの角速度
ω2によってその振幅が変化し、軸101回りの角速度
ω1ではその振幅は変化しない。そこで検出電極A5,B5
は軸102回りの角速度ω2の回転のみに感度を有し、
軸101回りの角速度ω1の回転には感度を有していな
いことになる。
【0040】そこで、本実施例では検出電極A1,B1 及び
検出電極A5,B5 間の出力を測定することにより、軸10
1及び軸102回りの角速度を同時に計測できる。
【0041】本実施例では、周囲に支持部となるつば部
3を持つ円環状のごく薄い弾性体の基板部4上に圧電体
層5を形成して振動体1を形成し、該振動体1に定在波
を発生させ、円周方向に90°ずれた位置に検出部を2
個設け、その2つの検出部より出力される電圧を計測す
ることにより、極めて簡単な構成でもって2軸回りの角
速度を同時に検出可能な低コストで、コンパクトな振動
ジャイロを達成している。
【0042】なお、振動体1を構成するSiの基板部4の
厚さは薄くすれば検出感度が良くなるので薄い方が好ま
しい。この時つば部(支持部)3は薄い基板部4及び振
動体1を保持し、又角速度を検出しようとする被検出物
体に本振動ジャイロを設置する為に有効な強度及び形状
となっている。
【0043】本実施例では検出部を1軸当たり1個とし
ているが、更に電極A9,B9,A13,B13を独立の検出電極と
して検出電極A9,B9 間で軸101回りの角速度ω1検出
を、検出電極A13,B13 間で軸102回りの角速度ω2検
出を行えば角速度検出能力が更に増加する。
【0044】なお、本実施例では振動ジャイロ10の振
動体1上に8次の定在波が立つように分極処理を施して
いるが、これは8次に限定されているわけでは無く、分
極領域の数を変えても定在波が立つように分極処理され
ていれば良い。
【0045】又、本実施例では弾性体Siの基板部4に圧
電体の層を形成しているが、弾性体の材料はSiに限定さ
れるものでは無く、Ni,Fe,Cr,Ti或はそれらの合金の
ような恒弾性金属材料、或はプラスチックのような素材
であっても構わない。
【0046】図7及び図8は本発明の振動ジャイロの製
作方法の実施例の説明図である。図7、図8の各工程を
説明する。
【0047】工程(1) :201 はシリコン(Si)基板であ
り、その〈110 〉面及び〈111 〉は図示する方向に取っ
ている。
【0048】工程(2) :Si基板201 の1面(これをB 面
とする)側に円環状のSiO2マスクを形成する。
【0049】工程(3) :B 面をKOH 水溶液等で中央底部
が所定の厚さ(数10μm オーダー)になる迄ウエットエ
ッチを行う。Siは〈110 〉面と〈111 〉面とではエッチ
スピードに異方性があるため、或る時間経過すると図に
示すように垂直な穴が形成される。
【0050】工程(4) :B 面側にスパッタリング、蒸着
等の手段で金属層を形成する。
【0051】工程(5) :B 面側にホトレジストを利用し
て金属層から電極B1〜B16(但しすべて独立電極の形)
を形成する。その方法は次のとおりである。
【0052】(a) 金属層の上にホトレジストを塗布す
る。
【0053】(b) 光学的にパターン(今の場合は電極パ
ターン)を投影してパターン部分を硬化させる。
【0054】(c) 硬化していないホトレジストを除去す
る。
【0055】(d) エッチングによってむき出しの金属層
を除去する。
【0056】(e) 硬化しているホトレジストを除去す
る。
【0057】工程(6) :A 面側にスパッタリング、蒸着
等の手段でPZT,ZnO 等の圧電物質の層を形成する。
【0058】工程(7) :A 面側にホトレジストを利用し
て圧電体層5のパターンを形成する。
【0059】工程(8) :A 面側にスパッタリング、蒸着
等の手段で金属層を形成する。
【0060】工程(9) :A 面側にホトレジストを利用し
て金属層から電極A1〜A16(但しすべて独立電極の形)
パターンを形成する。
【0061】工程(10):つば部3と両電極Ai,Bi 及び圧
電体層5を保護して再びKOH 水溶液等でウエットエッチ
すると、Si基板201 は異方エッチされて中央部に穴が貫
通し、円環状の振動体1が形成される。そして保護層を
除去する。
【0062】工程(11):工具によってこの円環状の振動
体1に形成されている各独立電極部分に、隣合わせに印
加電圧の向きを逆にして電圧を印加することにより、分
極処理を行う。
【0063】工程(12):A 面側に電極連結部を残してホ
トレジスト硬化部分を形成する。
【0064】工程(13):A 面側に蒸着等の手段によって
金属層を形成し、ホトレジスト硬化部分を除去してその
上の金属層を除去し、電極A2〜A4,A6〜A16を連結する電
極連結部を完成する。これによって電極ACが完成する。
【0065】工程(14):B 面側に電極連結部を残してホ
トレジスト硬化部分を形成する。
【0066】工程(15):B 面側に蒸着等の手段によって
金属層を形成し、ホトレジスト硬化部分を除去してその
上の金属層を除去し、電極B2〜B4,B6〜B16を連結する電
極連結部を完成する。これによって電極BCが完成する。
【0067】工程(16):配線を行う。
【0068】本発明による振動ジャイロの基板部4は厚
さ数10μm と極めて薄いのでこれを機械加工で製作する
ことは困難である。そこで以上の方法によって製作すれ
ば、周囲に支持体としてのつば部(支持体)3を持つ円
環状のごく薄い弾性体の基板部4上に圧電体物質の層5
を形成して、直交する2軸回りの角速度を同時に検出で
きるコンパクトな振動ジャイロを容易に製作できる。
【0069】尚、以上の製作方法では半導体プロセス技
術によって製作しているが、以上に説明した半導体プロ
セス技術以外の半導体プロセス技術によっても本発明の
振動ジャイロが製作可能である。
【0070】
【発明の効果】本発明は以上の構成によって、極めて簡
単な構成でもって直交する2軸回りの角速度を同時に検
出可能な低コストで、コンパクトな振動ジャイロを達成
する。
【0071】又、弾性体基板の中央部をエッチングする
ことにより周囲の支持体となるつば部と振動体となる円
環状の薄い基板部とを同時に形成することにより、製造
が容易な振動ジャイロの製作方法を達成する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の振動ジャイロの実施例の要部概略図
【図2】 振動ジャイロの実施例の振動体1に発生する
定在波の説明図
【図3】 振動ジャイロの実施例1の振動体1に発生す
る定在波を質点の運動として表した図
【図4】 図3の質点の運動に角速度によるコリオリ力
が加わった時の運動の変化の説明図
【図5】 角速度により振動体1上に発生する定在波の
振幅が変化することを表した図
【図6】 不感軸回りに角速度がかかった場合の質点の
運動の変化の説明図
【図7】 本発明の振動ジャイロの製作方法の実施例の
説明図1
【図8】 本発明の振動ジャイロの製作方法の実施例の
説明図2
【図9】 振動ジャイロの従来例
【図10】 振動ジャイロの従来例
【符号の説明】
1 振動体 2 弾性体 3 つば部 4 基板部 5 圧電体層 6 分極の方向 7 信号手段 10 振動ジャイロ 21、22 電圧の検出手段 31、32 振動体の変位状態 41、51 定在波 42 質点 43 円運動又は楕円運動の回転方向 A1,A5 検出電極 A2〜A4,A6〜A16 電極 B1,B5 検出電極 B2〜B4,B6〜B16 電極 AC,BC 共通電極 C1〜C16 圧電体層の分極領域 101 軸 102 軸 201 Si基板 ω1 軸101回りの角速度 ω2 軸101回りの角速度 FC コリオリ力 81 振動体 82、83 検出用圧電素子 84、85 駆動用の圧電素子 86 差動アンプ 90 振動ジャイロ 91 円柱状の圧電体 E1〜E6 電極

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円環板状の形をなし、両面に設けた電極
    に交流の信号を印加することにより、該円環の円周方向
    に定在波を発生する振動体と、該振動体に交流の信号を
    印加する信号手段と、該振動体上の円周方向で各々90
    °離れた位置に設けた少なくとも2個以上の検出部とを
    有し、 該信号手段により該振動体に定在波を発生せしめ、該検
    出部よりの出力により各検出部と該振動体の中心とを結
    ぶ軸の回りの角速度を検出することを特徴とする振動ジ
    ャイロ。
  2. 【請求項2】 前記振動体は圧電体層を有することを特
    徴とする請求項1の振動ジャイロ。
  3. 【請求項3】 前記振動体はその表面より電極、弾性体
    より構成された薄板状の基板部、その上に形成された圧
    電体層及び電極より構成されていることを特徴とする請
    求項2の振動ジャイロ。
  4. 【請求項4】 前記弾性体より構成された薄板状の基板
    部に一体的に連なって該基板部より厚い円環状の支持部
    を有することを特徴とする請求項3の振動ジャイロ。
  5. 【請求項5】 円環板状の形をなし、その表面より電
    極、弾性体より構成された薄板状の基板部、その上に形
    成された圧電体層及び電極より構成されており、該両電
    極に交流の信号を印加することにより、該円環の円周方
    向に定在波を発生する振動体と、該基板部に一体的に連
    なる該基板部より厚い円環状の支持部と、該振動体に交
    流の信号を印加する信号手段と、該振動体上の円周方向
    で各々90°離れた位置に設けた少なくとも2個以上の
    検出部とを有する振動ジャイロを製作する際、 円板状の弾性体の中央部分をエッチングすることにより
    該基板部と該支持部とを形成することを特徴とする振動
    ジャイロの製作方法。
  6. 【請求項6】 円周方向に定在波を発生させる発生手段
    を有した円環板状の振動体であって、該振動体上の円周
    方向で90°離れた少なくとも2つの位置に各々該位置
    と該振動体の中心とを結ぶ軸の回りの角速度を検出する
    為の検出部を有し、 該検出部からの信号を用いて該振動体の回転情報を検出
    していることを特徴とする振動ジャイロ。
  7. 【請求項7】 円環板状の弾性体の片面に圧電体層を形
    成し、更にその両面に電極を設けた振動体の該電極に信
    号手段から交流電圧を印加することにより該振動体の円
    周方向に定在波を発生させると共に、該振動体の円周方
    向で各々90°離れた少なくとも2つの位置に各々該位
    置と該振動体の中心とを結ぶ軸の回りの角速度を検出す
    る為の検出部を設け、該検出部からの信号を用いて該振
    動体の回転情報を検出していることを特徴とする振動ジ
    ャイロ。
JP6339056A 1994-12-28 1994-12-28 振動ジャイロ及びその製作方法 Pending JPH08184444A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6339056A JPH08184444A (ja) 1994-12-28 1994-12-28 振動ジャイロ及びその製作方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6339056A JPH08184444A (ja) 1994-12-28 1994-12-28 振動ジャイロ及びその製作方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08184444A true JPH08184444A (ja) 1996-07-16

Family

ID=18323845

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6339056A Pending JPH08184444A (ja) 1994-12-28 1994-12-28 振動ジャイロ及びその製作方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08184444A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011027560A (ja) * 2009-07-27 2011-02-10 Sumitomo Precision Prod Co Ltd 圧電体膜を用いた振動ジャイロ
JP2011027562A (ja) * 2009-07-27 2011-02-10 Sumitomo Precision Prod Co Ltd 圧電体膜を用いた振動ジャイロ
JP2011027561A (ja) * 2009-07-27 2011-02-10 Sumitomo Precision Prod Co Ltd 圧電体膜を用いた振動ジャイロ

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011027560A (ja) * 2009-07-27 2011-02-10 Sumitomo Precision Prod Co Ltd 圧電体膜を用いた振動ジャイロ
JP2011027562A (ja) * 2009-07-27 2011-02-10 Sumitomo Precision Prod Co Ltd 圧電体膜を用いた振動ジャイロ
JP2011027561A (ja) * 2009-07-27 2011-02-10 Sumitomo Precision Prod Co Ltd 圧電体膜を用いた振動ジャイロ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2766743B2 (ja) センサー
US4644793A (en) Vibrational gyroscope
KR100539061B1 (ko) 2축 자이로스코프
US7281425B2 (en) Coriolis force gyroscope with high sensitivity
JPH10160483A (ja) レートセンサ
JP6514790B2 (ja) ジャイロスコープ
CN102980565A (zh) 圆环波动微机械陀螺及其制备方法
US8479574B2 (en) Micro scale mechanical rate sensors
JP3942762B2 (ja) 振動子、振動型ジャイロスコープ、直線加速度計および回転角速度の測定方法
CN102980566A (zh) 圆锥环形波动微机械陀螺及其制备方法
JPH08278146A (ja) 振動ジャイロ
CN102679967B (zh) 摇动质量块压电双轴微陀螺
JPH08184444A (ja) 振動ジャイロ及びその製作方法
US6257058B1 (en) Silicon gyroscope and method of driving the same
JP2001304867A (ja) 角速度センサ
JPH11304494A (ja) 振動ジャイロ及びその使用方法
JPH11325905A (ja) 振動ジャイロ
JP3421340B2 (ja) 強誘電薄膜進行波回転センサ
WO1999022203A1 (en) Multi-axis gyroscope
JPH11311521A (ja) 慣性量センサ
JPS6219714A (ja) ジヤイロ装置
JP7223371B2 (ja) 振動ジャイロ
JP2002031533A (ja) ジャイロセンサ
JP2001183140A (ja) 振動子駆動機構および角速度センサ
JPH07301536A (ja) 角速度センサ