JP2005127464A - テレスコープシリンダ及びエレベータ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
駆動源が低圧の水道水であっても、大きな推力を発生させるテレスコープシリンダ、及びエレベータ装置の提供である。
【解決手段】
テレスコープシリンダS1 における外側ロッドRaと内側ロッドRbのそれぞれの摺動部分に、低摩擦材より成るOリング26とラビリンスパッキン27とから成る小摺動抵抗構造を設け、内外の各水室C1,C2 に封入された封入水道水W2 を僅かにリークさせることにより、前記摺動部分に薄い水の膜を形成させ、当該水の膜上を摺動させる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、テレスコープシリンダ、及びテレスコープシリンダを使用したエレベータ装置に関するものである。
従来技術を説明するに当り、本発明の図面を援用する。図4に示されるように、テレスコープシリンダS1 は、シリンダ本体15に対して摺動可能な外側ロッドRaの内側に、別のロッド(内側ロッドRb)が摺動可能に取付けられて構成されたものである。このテレスコープシリンダS1 の場合、外側ロッドRaのピストン部23に元圧が作用され、前記外側ロッドRaが押し上げられて突出されると同時に、その外周部分(外側水室C1 )に封入された作動流体が押し込まれ、当該作動流体が押し込まれた分だけ、内側ロッドRbが押し上げられて突出される。このように、テレスコープシリンダS1 は、その全長を短くさせたまま、最も内側のロッドRbの先端部が配置される位置(突出端位置)を遠くに設定することができる(テレスコープシリンダS1 のストロークLを長くできる)という利点がある(図2参照)。
このテレスコープシリンダS1 は、エレベータ装置E(特に、ストロークLが短くて済む家庭用のエレベータ装置)に使用されている。ここで、エレベータ装置Eに使用されるテレスコープシリンダS1 は、通常、作動油で作動されるものである(例えば、特許文献1参照)。これにより、負荷が取付けられた内側ロッドRbに大きな推力を作用できるものの、油圧ポンプや油タンク等の油圧装置を設置しなければならず、大掛かりなものとなってしまう。このため、家庭用のエレベータ装置には不向きである。また、各ロッドの摺動部からリークされた作動油を回収することが必要になる。特に、前記テレスコープシリンダS1 が家庭用のエレベータ装置に使用される場合、作動流体が飛散することによって周辺部が汚れたり、回収後の作動流体の廃棄処理が面倒であるという不具合が存する。
特開平11−336709号公報
本発明は、上記した不具合に鑑み、駆動源が低圧の水道水であっても、大きな推力を発生させることのできるテレスコープシリンダ、及び該テレスコープシリンダを使用したエレベータ装置を提供することを課題としている。
上記課題を解決するための請求項1の発明は、シリンダ本体と、前記シリンダ本体の軸心部に摺動可能にして設けられ、負荷を支持するための負荷ロッドと、前記負荷ロッドと同軸にして、その周囲に入れ子状態で多段にして設けられ、該負荷ロッドと同方向に摺動される1ないし複数本の外側ロッドとから成り、前記負荷ロッドと前記各外側ロッドとの間、各外側ロッドどうしの間、及び最も外側の外側ロッドとシリンダ本体との間には、作動流体が封入される各作動流体室が、それぞれ連通状態で設けられていて、前記作動流体は水道水であり、前記各外側ロッドのうち、最も外側の外側ロッドに水道水圧を作用させて摺動させることにより、一方側の作動流体室に封入された水道水を加圧させて、連通する他方側の作動流体室に流入させ、該他方側の作動流体室に配置されているロッドを順次摺動させる構成のテレスコープシリンダであって、前記各ロッドの摺動部は、微量の水道水をリークさせるべく小摺動抵抗構造を備えていることを特徴としている。
請求項1の発明によれば、テレスコープシリンダを構成する各ロッドの摺動部には、微量の水がリークされる小摺動抵抗構造が設けられている。このため、各ロッドの摺動部に薄い水の膜が形成され、前記各ロッドは、この水の膜上を摺動する。これにより、各ロッドの摺動抵抗が減少され、低圧な水道水であっても負荷ロッドを摺動させることができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明を前提として、前記小摺動抵抗構造は、各ロッドの摺動部における摺動体又は被摺動体のいずれか一方に装着されたシール材と、ラビリンスパッキンとから成ることを特徴としている。この発明では、各ロッドの摺動部に、シール材とラビリンスパッキンが設けられていることにより、各ロッドの摺動部における水道水のリーク量を最少量にしたまま、各ロッドをスムーズに摺動させることができる。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明を前提として、前記負荷ロッドは、ラムシリンダであることを特徴としている。これにより、負荷ロッドの摺動抵抗を更に小さくすることができる。
請求項4の発明は、請求項1に記載され、起立状態で配置されるテレスコープシリンダと、前記テレスコープシリンダに取付けられ、エレベータ籠収容空間に設けられたガイド部材にガイドされて昇降可能なエレベータ籠とから成るエレベータ装置であることを特徴としている。この発明では、水道水によってエレベータ装置が作動される。このため、駆動源が容易に得られると共に、リークした水の廃棄処理が容易である。また、油圧で作動されるエレベータ装置と比較して、大掛かりな油圧装置が不要である。
請求項5の発明は、請求項4の発明を前提として、前記エレベータ籠は、上側に配置された負荷ロッドに取付けられていることを特徴としている。この発明では、エレベータ籠が取付けられる負荷ロッドは、起立状態におけるテレスコープシリンダの上方に配置されている。これにより、テレスコープシリンダの全体が安定状態で設置される。
請求項6の発明は、請求項5の発明を前提として、シリンダ本体の上端部には、各ロッドの摺動部からリークされた水道水を回収するための水溜部が設けられていることを特徴としている。この発明では、各ロッドの摺動部からリークした水道水は、前記各ロッドをつたって落下し、カバー水溜部に回収される。このため、リークした水道水が確実に回収され、周囲に飛散することが防止される。また、この水溜部は、起立状態に配置されたテレスコープシリンダのシリンダ本体の上端部に取付けられているため、負荷ロッド及び各外側ロッドが摺動する際の障害となることはない。この結果、各ロッドの突出長をそのままにして、リークした水道水を回収することが可能となる。
請求項7の発明は、請求項4ないし6のいずれかの発明を前提として、前記エレベータ籠の停止位置を検出するための検出装置と、前記検出装置からの信号により、各作動流体室に水道水を補充するための水補充装置とが設けられていることを特徴としている。この発明では、検出装置により、各ロッドの突出長が足りないこと、即ち、各作動流体室に封入されている水の量が不足していることが検出されると、前記検出装置からの信号により補充装置が作動され、各作動流体室に水道水が供給される。これにより、各作動流体室は、常に水が満杯の状態となる。この結果、各ロッドの突出長は、常に一定に保持される。
請求項8の発明は、請求項7の発明を前提として、前記検出装置は、エレベータ籠の停止位置を検出するための上昇端位置検出スイッチと、上昇を開始したエレベータ籠が、前記上昇端位置検出スイッチを作動させるまでの時間を設定するためのタイマとから成り、前記タイマの設定時間内にエレベータ籠が、上昇端位置検出スイッチを作動させないときに、水補充装置が作動されるように構成されていることを特徴としている。この発明では、各作動流体室内の水道水の不足が、上昇端位置検出スイッチとタイマによって検出される。このため、検出装置の構成が簡単であると共に、その制御も容易である。
請求項9の発明は、請求項4ないし7のいずれかの発明を前提として、最も外側に配置されている外側ロッドのピストン部と、該ピストン部と対向配置されるヘッドカバーとの間には、クッション装置が設けられていることを特徴としている。この発明では、外側ロッドの下降時において、該外側ロッドはクッション装置によって、緩速状態で下降されて停止される。これにより、エレベータ籠の停止時の衝撃を少なくできる。
本発明に係るテレスコープシリンダは、シリンダ本体と、前記シリンダ本体の軸心部に摺動可能にして設けられ、負荷を支持するための負荷ロッドと、前記負荷ロッドと同軸にして、その周囲に入れ子状態で多段にして設けられ、該負荷ロッドと同方向に摺動される1ないし複数本の外側ロッドとから成り、前記負荷ロッドと前記各外側ロッドとの間、各外側ロッドどうしの間、及び最も外側の外側ロッドとシリンダ本体との間には、作動流体が封入される各作動流体室が、それぞれ連通状態で設けられていて、前記作動流体は水道水であり、前記各外側ロッドのうち、最も外側の外側ロッドに水道水圧を作用させて摺動させることにより、一方側の作動流体室に封入された水道水を加圧させて、連通する他方側の作動流体室に流入させ、該他方側の作動流体室に配置されているロッドを順次摺動させる構成のテレスコープシリンダであって、前記各ロッドの摺動部は、微量の水道水をリークさせるべく小摺動抵抗構造を備えていることを特徴としている。このため、各ロッドの摺動部に薄い水の膜が形成され、前記各ロッドは、この水の膜上を摺動する。これにより、各ロッドの摺動抵抗が減少され、低圧な水道水であっても負荷ロッドを摺動させることができる。
また、本発明に係るエレベータ装置は、請求項1に記載され、起立状態で配置されるテレスコープシリンダと、前記テレスコープシリンダに取付けられ、エレベータ籠収容空間に設けられたガイド部材にガイドされて昇降可能なエレベータ籠とから成ることを特徴としている。このエレベータ装置は、水道水によって作動されるため、駆動源が容易に得られると共に、各ロッドの摺動部からリークした水道水の廃棄処理が容易である。また、油圧によって作動されるエレベータ装置と比較して、大掛かりな油圧装置を設置することが不要である。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
図1は本発明に係るエレベータ装置Eと、テレスコープシリンダS1 への各配管路H1,H2 を示す図、図2はエレベータ装置Eの正面図、図3はエレベータ装置Eの平面図、図4はテレスコープシリンダS1 の正面断面図、図5はテレスコープシリンダS1 におけるロッドカバー13の部分とヘッドカバー14の部分の拡大断面図、図6は図4のX−X線断面図である。図1及び図2に示されるように、建物Bに設けられたエレベータ籠収容空間Kに、エレベータ装置Eが設置されている。このエレベータ装置Eは、建物Bの1階部分と2階部分とを結ぶためのものであり、その昇降長はTである(図1参照)。エレベータ装置Eを構成するエレベータ籠1は、建物Bの敷地内に設けられたピット2に起立埋設状態で設置されたテレスコープシリンダS1 の内側ロッドRbの上面に、当板3を介して取付けられている。この当板3は、平面視におけるエレベータ籠1の床板のほぼ中央部に取付けられている(図3参照)。本実施例のエレベータ装置Eを構成するテレスコープシリンダS1(第1実施例のテレスコープシリンダS1 )は単動で2段のものであり、1本の外側ロッドRaと1本の内側ロッドRbとから構成されている。そして、水道水によって駆動される。水道水の圧力P1 は、0.2(MPa)である。以下、テレスコープシリンダS1 を作動させるために供給される水道水を、「駆動水道水W1 」と記載する。
最初に、エレベータ装置Eの構成について説明する。建物Bにおける1階と2階の所定位置には、エレベータ籠1に出入りするための各開口4が設けられていて、各開口4の部分は、それぞれ扉5によって閉じられている。これらの扉5は、前記開口4の部分にエレベータ籠1が配置されたときにのみ開閉可能である。後述するように、本実施例のエレベータ装置Eでは、テレスコープシリンダS1 を構成する外側ロッドRaと内側ロッドRbの両者が、最下端まで下降したときに、前記エレベータ籠1が、建物Bの1階の開口4に臨んで配置される。また、両ロッドRa,Rb が最上端まで上昇したときに、前記エレベータ籠1が、建物Bの2階の開口4に臨んで配置される。このとき、エレベータ籠1は、建物Bの所定の高さ位置に取付けられた上側停止位置検出スイッチ6によって検出される。このエレベータ籠1は1人乗り用で、乗員Mとの合計重量は約100kgである。なお、図1において、7は、エレベータ籠1内に取付けられた操作スイッチであり、10aは、建物Bの2階の床部、10bは、建物Bの2階の天井部である。
図2及び図3に示されるように、エレベータ籠収容空間Kを構成する内壁面で、エレベータ籠1の両側の部分には、一定の間隔をおいて一対のガイドバー8が立設されている。各ガイドバー8は、同一形状の溝型鋼より成り、それらの開口部が相対向して配設されている。そして、前記エレベータ籠1におけるそれぞれの外側面部で、一対のガイドバー8の開口部と相対向する部分には、高さ方向に所定間隔をおいて、2本のガイドローラ9が、回転自在に支承されている。各ガイドローラ9の直径は、ガイドバー8の開口部の内幅よりも僅かに小さい。前記エレベータ籠1は、4本のガイドローラ9が、対応するガイドバー8の開口部に嵌め込まれた状態で設置される。これにより、昇降中のエレベータ籠1は4本のガイドローラ9によって支持され、該エレベータ籠1が傾いたりするおそれはない。なお、図2において、11,12は、一対のガイドバー8の上部と下部を補強するための各補強板である。
次に、テレスコープシリンダS1 について説明する。図4ないし図6に示されるように、本実施例のテレスコープシリンダS1 は、ロッドカバー13とヘッドカバー14とが円筒状のシリンダ本体15によって一体に連結されていて、前記ロッドカバー13及び前記シリンダ本体15に摺動可能に装着された外側ロッドRaと、該外側ロッドRaに摺動可能に装着された内側ロッドRbとから構成されている。そして、ピット2に取付けられた有底円筒状のカバー部材16に、ヘッドカバー14の部分を下にした起立状態で埋設されている。前記ヘッドカバー14の側面部には、駆動水道水W1 を供給するための水供給ポート17が設けられていて、該水供給ポート17は、連通孔18によって、ヘッドカバー14の軸心位置に設けられたクッション孔部19(後述)に連通されている。なお、図4において、21は、前記連通孔18とヘッドカバー14の上面部とを接続するためにヘッドカバー14に内装されたチェック弁である。
外側ロッドRaについて説明する。前記ロッドカバー13及び前記シリンダ本体15の内側には、それらの内周面に摺接される外側ロッドRaが装着されている。この外側ロッドRaは、略円筒状のロッド本体部22と、起立状態における前記ロッド本体部22の下端部に組み付けられた大径のピストン部23とから構成されている。この外側ロッドRaは、ロッド本体部22が、ロッドカバー13の内周面に摺接して支持されていると共に、そのピストン部23が、シリンダ本体15の内周面に摺接して支持されている。
前述したように、外側ロッドRaのロッド本体部22の外径は、ピストン部23の外径(即ち、シリンダ本体15の内径)よりも小さい。この結果、シリンダ本体15とロッド本体部22との間の部分には空間部(外側水室C1 )が形成されている。本実施例のテレスコープシリンダS1 では、前記外側水室C1 に作動流体として水(水道水)が封入されている。後述するように、この水道水は、前述した駆動水道水W1 と同一の水源から供給される。以降、両者を区別して記載する必要があるときに、外側水室C1 に封入された水道水を、「封入水道水W2 」と記載する。前記ロッド本体部22の内周面の上端部には、内側ロッドRbを摺動させるための摺動部22aが設けられていて、前記摺動部22aの直下に、その内径よりも少し大きな内径でもって内側水室形成部22bが設けられている。そして、この内側水室形成部22bの部分(内側水室C2 )にも、封入水道水W2 が導入されている。前記外側水室C1 と前記内側水室C2 とは、ロッド本体部22の下部に設けられた連通孔24によって連通されている。なお、図5において、25は、内外の各水室C1,C2 に封入水道水W2 を導入したときに、両水室C1,C2 に残存する空気を抜くための空気抜きポートである。
前記外側ロッドRaには、クッション装置が設けられている。即ち、ピストン部23の底面部には、該ピストン部23よりも小径で略円柱状のクッションボス23aが、同軸にして突設されている。そして、ヘッドカバー14において、前記クッションボス23aと対応する部分には、該クッションボス23aが入り込むためのクッション孔部19が設けられている。このクッション孔部19の内径は、クッションボス23aの外径よりも少し大きい。外側ロッドRaが下降し、そのピストン部23が、ヘッドカバー14のクッション孔部19に進入する。これにより、駆動水道水W1 が戻るための領域が急激に減少する。即ち、クッション孔部19の全領域から、該クッション孔部19にクッションボス23aが進入した状態のリング状部分の領域に減少する。このため、前記クッション孔部19を介して排出される駆動水道水W1 の戻り量は急激に減少し、その結果、外側ロッドRaのピストン部23とヘッドカバー14との間に残留した駆動水道水W1 が圧縮される。これにより、外側ロッドRaの下降速度に制動がかけられ、該外側ロッドRaは緩速となって下降する(後述)。
前記外側ロッドRaのピストン部23の外周部分には、その周方向に複数本のラビリンスパッキン27が、軸方向に所定間隔をおいて設けられている。そして、シリンダ本体15と前記ピストン部23との間に、僅かな隙間e(図5参照)が設けられていて、当該隙間eの部分から微量の水(封入水道水W2 )をリークさせる構成となっている。これにより、シリンダ本体15とピストン部23との隙間eの部分に薄い水の膜が形成され、前記ピストン部23は、その水の膜上を摺動する。この結果、外側ロッドRaの摺動抵抗が小さくなり、駆動源が低圧な水道水(駆動水道水W1 )であっても、外側ロッドRaをスムーズに摺動させることができる。同様に、外側ロッドRaのロッド本体部22における摺動部22aの部分にも、該摺動部22aと内側ロッドRbとの間に僅かな隙間eが設けられている。この摺動部22aにおいては、軸方向におけるほぼ中央部の位置に、低摩擦材より成るOリング28が装着されていると共に、その上下の部分に、複数本のラビリンスパッキン29が設けられている。前記Oリング28により、当該部分における封入水道水W2 のリーク量が最少量となるように調整されている。更に、ロッド本体部22の上端部には、ダストシール31が装着されていて、異物の進入防止が図られている。
次に、内側ロッドRbについて説明する。この内側ロッドRbは、ほぼ全長に亘ってストレート形状のラムシリンダであり、その下端部に、ストッパリング32が装着されていると共に、その下端面の部分に、放射状にして突起部33が設けられている(図6参照)。このストッパリング32の外径は、外側ロッドRaのロッド本体部22の摺動部22aの内径よりも少し大きい。前記内側ロッドRbが上昇されると、前記ストッパリング32が、ロッド本体部22の摺動部22aの下端面に当接して停止される。これにより、内側ロッドRbが上昇端に配置されると共に、該内側ロッドRbが抜け出るおそれはない。また、前記突起部33は、内側ロッドRbの下端面が、外側ロッドRaのピストン部23の底面に密着することを防止して、封入水道水W2 が、内側ロッドRbの受圧面33aに容易に作用するようにするためのものである。
次に、ロッドカバー13について説明する。図4及び図5に示されるように、このロッドカバー13の内周面の部分は、前述した外側ロッドRaの摺動部22aとほぼ同一の構成となっている。即ち、軸方向のほぼ中央部に、低摩擦材より成るOリング34が装着されていると共に、周方向に複数本のラビリンスパッキン35が設けられている。このロッドカバー13の内側の部分には、段付き形状を呈するシール保持部36が全周に亘って設けられており、当該部分にダストシール37が装着されている。更に、ロッドカバー13の外周部分で、前記シール保持部36よりも高い位置に、外壁部13aが設けられている。そして、外壁部13aとシール保持部36との間には、その全周に亘って水溜部38が設けられている。この水溜部38は、内外の各ロッドRa,Rb が摺動するのに伴い、それらの摺動部分からリークした封入水道水W2 を回収するという機能を有している。回収された封入水道水W2 は、前記外壁部13aに設けられた排水ポート39から、排水パイプ40aにより外部(例えば、下水道)に排出される。また、前記ロッドカバー13には、シリンダ本体15に一体に組み付けられた状態で外側水室C1 と連通する連通孔41が設けられていて、該連通孔41に、外側水室C1 に封入水道水W2 を補充するための水補充ポート42が設けられている。これにより、外側ロッドRaとロッドカバー13との摺動部分、及び外側ロッドRaの摺動部22aと内側ロッドRbとの摺動部分の隙間eから封入水道水W2 がリークすることにより、内外の各水室C1,C2 の封入水道水W2 が減少しても、前記水補充ポート42から直ちに封入水道水W2 が供給され、補充される。この結果、内側ロッドRbの突出長を、常に一定のものにすることができる。
次に、配管路H1,H2 について説明する。本実施例のテレスコープシリンダS1 では、外側ロッドRaに駆動水道水W1 の水道圧を作用させるための駆動配管路H1 と、前記駆動配管路H1 から分岐され、内外の各水室C1,C2 の封入水道水W2 が減少したときに、水道水を補充するための補充配管路H2 とから成る。最初に、駆動配管路H1 について説明する。図1に示されるように、水源43(上水道)から供給された水道水は、フィルタ44を通った後、電磁弁45に導入される。そして、パイロットチェック弁46を介して、水道水供給パイプ40bにより水供給ポート17に供給され、外側ロッドRaを押し上げるために使用される(駆動配管路H1)。また、前記フィルタ44を通って分岐された水道水は、電磁弁47を介して、水補充パイプ40cにより水補充ポート42に接続されている(水補充配管路H2)。この電磁弁47の作動位置は、エレベータ籠1の上側の停止位置を検出するための上側停止位置検出スイッチ6の作動によって切り換えられる。
次に、水補充配管路H2 について説明する。前述したように、本実施例のエレベータ装置Eには、エレベータ籠1が建物Bの所定の高さ位置に配置されたことを検出する上側停止位置検出スイッチ6が取付けられている。図1及び図7に示されるように、この上側停止位置検出スイッチ6は、リミットスイッチである。また、前記エレベータ籠1の背面側の底面部には、前記上側停止位置検出スイッチ6を作動させるための、検出板48が取付けられている。
図7に示されるように、内外の各ロッドRa,Rb が上昇すると、それに伴ってエレベータ籠1が上昇される。通常の場合、上昇したエレベータ籠1が上昇端位置に配置されると、前記検出板48が上側停止位置検出スイッチ6を作動させる。これにより、エレベータ籠1が上昇端位置に配置されたことが検出される。この場合、電磁弁47の作動位置は切り換わらず、各水室C1,C2 に水が供給されることはない。しかし、各ロッドRa,Rb の摺動部分から封入水道水W2 がリークすることにより、内外の各水室C1,C2 の封入水道水W2 の量が減少すると、各水室C1,C2 に空所(真空)が発生し、内側ロッドRbの突出長が短くなる。これにより、エレベータ籠1の上側の停止位置(上昇端位置)が僅かにずれる(低くなる)おそれがある。これを防止するため、本実施例のテレスコープシリンダS1 では、上昇中のエレベータ籠1が上側の停止位置に配置されようとしても、所定時間内に前記検出板48が上側停止位置検出スイッチ6を作動させないことがタイマ(図示せず)によって検出された場合、電磁弁47の作動位置が切り換えられる。図8のフローチャートに示されるように、乗員Mにより、エレベータ籠1の操作スイッチ7の上昇ボタンが押されると、駆動配管路H1 の電磁弁45の作動位置が切り換えられ、テレスコープシリンダS1 に駆動水道水W1 が供給される。これにより、該エレベータ籠1は上昇を開始する。エレベータ籠1の上昇開始と同時にタイマが作動され、その設定時間内に、エレベータ籠1の検出板48が、上側停止位置検出スイッチ6を作動させない場合には、各水室C1,C2 の封入水道水W2 が不足していると判断される。これにより、水補充配管路H2 の電磁弁47の作動位置が切り換えられ、水源43から供給された水道水W1 が、水補充ポート42を介して外側水室C1 に封入水道水W2 となって供給される。この結果、内側ロッドRbは、所定突出長の分だけ上昇され、エレベータ籠1は2階の停止位置(上昇端位置)に配置される。
次に、図5を参照しながら、第1実施例のテレスコープシリンダS1 の作動原理について説明する。ここで、外側ロッドRaのピストン部23の受圧面積をA1 、外側ロッドRaの断面積(中実状態としての断面積)をA2 、内側ロッドRbの断面積をA3 とする。テレスコープシリンダS1 の構成部材の自重を考えないとすると、封入水道水W2 の圧力P2 は、負荷D(エレベータ籠1の重量と乗員Mの重量との和)によって決定される。
また、封入水道水W2 の圧力P2 は、P1 ×A1 =P2 ×(A1 −A2 +A3)より求められる。これより、P2 =A1 /(A1 −A2 +A3)である。
ここで、外側ロッドRaのピストン部23の外径が125mm、同じくロッド本体部22の外径が108mm、内側ロッドRbの外径が63mmの場合、上式よりP2 =0.4(MPa)が求められる。これより、内側ロッドRbの推力F2 を計算すると、F2 =P2 ×A3 =122(kg)となり、122kgの負荷Dを持ち上げることができる。ここで、負荷Dが100kgの場合、最初、内側ロッドRbには、圧力P2 の最大値(0.4MPa)が作用する。しかし、現実の負荷Dは100kgなので、内側ロッドRbに作用する圧力P2 は、D/A3 、即ち、100/[(π/4)×6.32 ]=0.33(MPa)で済む。このため、内側ロッドRbには、100kgの負荷Dを持ち上げるために必要な圧力P2 (0.33MPa)が作用した状態で突出される。
即ち、図9に示されるように、内側ロッドRbに作用する負荷Dは100kgなので、0.33MPaの圧力P2 が発生する。これは、前述した圧力P2 の最大値(0.4MPa)以下なので、内側ロッドRbは突出し、上昇を開始する。内側ロッドRbの上昇中、圧力P2 は0.33MPaになり、外側ロッドRaのピストン部23に作用する圧力P1 はそれに見合った大きさ(0.16MPa)となる。そして、この圧力差の分だけ、外側水室C1 の封入水道水W2 が、外側ロッドRaのピストン部23の摺動部の隙間e(ラビリンスパッキン27の部分)を介して駆動水道水W1 の側に流出される。なお、図9における二点鎖線は、圧力P2 の最大値(0.4MPa)であり、これ以上の圧力P2 を生じさせる負荷Dを押し上げることはできないことを示している。また、時間tは、テレスコープシリンダS1 の内側ロッドRbの突出開始点を示す。
本実施例のテレスコープシリンダS1 の作用について、建物Bの1階に停止していたエレベータ籠1が上昇される場合について説明する。図5に示されるように、ヘッドカバー14の水供給ポート17を介して所定圧の駆動水道水W1 が供給されると、外側ロッドRaに推力F1 が作用し、外側ロッドRaが押し上げられる。ここで、本実施形態のテレスコープシリンダS1 の外側ロッドRaには、クッション装置が設けられていて、前記ピストン部23におけるクッションボス23aの外径は、該ピストン部23の外径よりも小さいので、駆動水道水W1 が供給されても、すぐに外側ロッドRaが押し出されない場合もある。このような場合であっても、クッション孔部19の内圧が設定圧以上になると、チェック弁21が開放され、ピストン部23のほぼ全域に駆動水道水W1 が供給される。これにより、外側ロッドRaは、スムーズに押し上げられる。
前記外側ロッドRaが押し上げられるのに伴い、外側水室C1 の封入水道水W2 が加圧される。加圧された封入水道水W2 は、連通孔24を通って内側水室C2 に供給される。このときの封入水道水W2 の圧力P2 が、推力F2 となって内側ロッドRbに作用する。これにより、外側ロッドRaと内側ロッドRbは、同時に押し上げられる。なお、本実施形態のテレスコープシリンダS1 では、外側ロッドRaが押し上げられることによって外側水室C1 から内側水室C2 に供給される封入水道水W2 の量と、内側ロッドRbが押し上げられることによって形成される空間部の大きさは、常に同一である。これは、外側ロッドRaの上昇速度と、内側ロッドRbの上昇速度が同一である(即ち、外側ロッドRaと内側ロッドRbは、等速で上昇される)ことを意味している。これより、図10の(イ),(ロ)に示されるように、ヘッドカバー14に対する外側ロッドRaの突出長L1 と、外側ロッドRaのピストン部23に対する内側ロッドRbの突出長L2 は同一である。そして、エレベータ籠1は、最初の位置より、(L1 +L2 )だけ押し上げられる。そして、図2に示されるように、内外の各ロッドRa,Rb が、それぞれ最大に突出される(即ち、テレスコープシリンダS1 が、そのストロークLの分だけ突出される)と、エレベータ籠1が2階の停止位置に配置される。即ち、テレスコープシリンダS1 のストロークLは、エレベータ籠1の昇降長Tに等しい。
そして、このとき(上昇時)の各ロッドRa,Rb の速度曲線のグラフを、図11の(イ)に示す。このグラフに示されるように、本実施形態のテレスコープシリンダS1 では、ほぼ全ての工程で、等速の上昇速度Vで上昇される。これは、上昇中のエレベータ籠1内の乗員Mに、該エレベータ籠1の上昇に伴う衝撃が、殆ど作用しないことを示している。ここで、図11の(イ)において、二点鎖線49で示された部分は、従来のテレスコープシリンダで、一方側のロッドが上昇した後で、他方側のロッドが上昇される形態のものの速度曲線を示している。即ち、従来のテレスコープシリンダでは、上昇するロッドが切り換わる際に、その上昇速度が、いったん減少する。このため、乗員Mに不快感を与える。しかし、本実施形態のテレスコープシリンダS1 では、内外の各ロッドRa,Rb が同時に、しかも、等速で上昇するため、そのような不快感を与えることはない。
第1実施形態のテレスコープシリンダS1 では、内外の各ロッドRa,Rb における摺動部分に小摺動抵抗構造が設けられている。このため、各摺動部分において、微量の封入水道水W2 がリークされ、当該摺動部の隙間eに薄い水の膜が形成される。しかも、各ラビリンスパッキン27、29、35の作用により、封入水道水W2 のリーク量は最少量で済み、該封入水道水W2 が急激に不足するおそれはない。これにより、各摺動部分における各ロッドRa,Rb の摺動抵抗が小さくなり、低圧の水道水であっても、エレベータ装置Eに使用できるという利点がある。第1実施形態のテレスコープシリンダS1 では、リークされる封入水道水W2 は、内外の各水室C1,C2 から各ダストシール31、37の部分を超えてリークされるものが殆どであるが、外側水室C1 から、外側ロッドRaのピストン部23の部分を超えてリークされるものもある。しかしながら、駆動水道水W1 の圧力P1 と各水室C1,C2 内の圧力P2 との圧力差は小さいので、封入水道水W2 は殆どリークされず、しかも、摺動抵抗は小さくなる。
また、内側ロッドRbはラムシリンダであり、その摺動部分は1箇所のみであるため、ピストン部が設けられている場合と比較して、更に摺動抵抗が小さくなる。しかも、本実施形態のテレスコープシリンダS1 は起立状態で使用されるため、横荷重が作用するおそれはない。
前記各摺動部分からリークした封入水道水W2 は、そのまま各ロッドRa,Rb の外周面をつたって落下し、ロッドカバー13に設けられた水溜部38に回収され、排水ポート39を介して外部に排出される。このため、リークした封入水道水W2 が飛散して、周囲を汚すおそれは少ない。また、駆動水道水W1 及び封入水道水W2 は、いずれも水道水であるため、廃棄処理が極めて容易である。更に、油圧によって作動されるエレベータ装置と比較して、大掛かりな油圧装置を設置することが不要である。
更に、各摺動部分から封入水道水W2 がリークすることにより、内外の各水室C1,C2 の封入水道水W2 の量が減少したため、エレベータ籠1が所定の高さ位置まで上昇せず、設定時間内に上側停止位置検出スイッチ6を作動させないことがタイマ(図示せず)によって検出されると、電磁弁47の作動位置が切り換えられて、外側水室C1 に水道水が供給される。この結果、内側ロッドRbは、常に所定突出長の分だけ上昇され、エレベータ籠1は2階の停止位置(上昇端位置)に配置される。
建物Bの2階の部分に配置されているエレベータ籠1が下降されるとき、電磁弁45の作動位置が切り換えられ、パイロットチェック弁46が開放される。これにより、内側ロッドRbはエレベータ籠1及び乗員Mの自重により下降され、内側水室C2 の封入水道水W2 が押し出されて外側水室C1 に入り込み、外側ロッドRaを下降させる。このとき(下降時)の各ロッドRa,Rb の速度曲線のグラフを、図11の(ロ)に示す。本実施形態のテレスコープシリンダS1 では、上昇時と同様に、下降時においても、等速の下降速度Vで下降され、下降中のエレベータ籠1内の乗員Mに不快感を与えることはない。しかも、本実施形態のテレスコープシリンダS1 には、クッション装置が設けられているため、エレベータ籠1が1階の停止位置に配置される際の衝撃等が抑止される。
即ち、外側ロッドRaの下降時において、ヘッドカバー14と外側ロッドRaのピストン部23との間に存する駆動水道水W1 の排水量を、A1 ×ΔQとする(A1 は、外側ロッドRaのピストン部23の受圧面積である)。ここで、ΔQは、単位時間当りに排出される駆動水道水W1 の量である。そして、前記外側ロッドRaのクッションボス23aが、ヘッドカバー14のクッション孔部19に進入すると、前記駆動水道水W1 の排水量は、A1'×ΔQに減少する(A1 >A1')。ここで、A1'は、クッション孔部19の断面積である。このため、図11の(ロ)に曲線51で示されるように、外側ロッドRaの下降速度Vは徐々に遅くなって停止される。これにより、外側ロッドRaのヘッドカバー14とピストン部23とが衝撃力をもって衝突することが防止され、テレスコープシリンダS1 の損傷防止が図られる。
上記した第1実施形態のテレスコープシリンダS1 を構成する内側ロッドRbは、ほぼ全長に亘ってストレート形状のラムシリンダである。しかし、前記内側ロッドRbにピストン部が設けられている形態であっても構わない。その実施形態(第2実施形態)のテレスコープシリンダS2 を、図12に示す。この実施形態のテレスコープシリンダS2 の内側ロッドRb'は、外側ロッドRaと同様に、ロッド本体部52とピストン部53とから成る。前記ロッド本体部52及びピストン部53の軸心部分には、内側ロッドRb'が突出されたときの空間部に供給される封入水道水W2 を貯留するための水貯留部54が設けられている。また、ロッド本体部52の下端部には、該ロッド本体部52の周囲に形成された水室C2 と前記水貯留部54とを連通させる連通孔55が、軸直角方向に設けられている。水源43(図1参照)から供給された駆動水道水W1 によって外側ロッドRaが突出されると、外側水室C1 の封入水道水W2 が、連通孔55を介して内側水室C2 に流入し、内側ロッドRb'を押し出す。このとき、内側水室C2 も押し込まれるため、前記外側水室C1 の封入水道水W2 は、連通孔55から水貯留部54を介して、内側ロッドRb'が突出されることによって形成される空間部に流入される。これにより、内外の各ロッドRa,Rb'は、同時に突出される。各ロッドRa,Rb'の摺動部分からリークした水が、ロッドカバー13の水溜部38に回収され、排水ポート39を介して外部に排出される構成は、第1実施形態のテレスコープシリンダS1 と全く同様である。この実施形態のテレスコープシリンダS2 の場合、内外の各ロッドRa,Rb'のいずれにもピストン部23、53が設けられていて、2箇所で支持されているため、曲げ荷重に対する剛性を高くすることができるという利点がある。
上記した第1実施形態のテレスコープシリンダS1 は2段のもの、即ち、外側ロッドRaと内側ロッドRbが、それぞれ1本ずつ設けられた構成である。しかし、複数本のロッドが、入れ子状態で取付けられている形態であっても構わない。例えば、図13に示される第3実施形態のテレスコープシリンダS3 は3段のものであり、軸心部分に配置された内側ロッドRbに対して、それを摺動可能に支持する第1外側ロッドRa1が配設されていて、更に、この第1外側ロッドRa1を内側ロッドとして、それを摺動可能に支持する第2外側ロッドRa2が配設されている。そして、シリンダ本体15の上端部に取付けられたロッドカバー13に、内外の各ロッドRa1,Ra2,Rbの摺動部からリークする水を回収するための水溜部38が設けられていること、各外側ロッドRa1,Ra2の外周部分に設けられた各水室C1,C2 に封入水道水W2 を補充するための水補充ポート42が設けられていることは、第1実施形態のテレスコープシリンダS1 の場合と同様である。この実施形態のテレスコープシリンダS3 では、シリンダ本体15の全長をそれ程長くさせることなく、各ロッドRa1,Ra2,Rbの各突出長(即ち、テレスコープシリンダS3 のストロークL)を長くすることができる。
更に、図14に示される第4実施形態のテレスコープシリンダS4 のように、4段のものであっても構わない。この実施形態のテレスコープシリンダS4 では、シリンダ本体15の全長をそれ程長くさせることなく、各ロッドRa1,Ra2,Ra3, Rbの各突出長(即ち、テレスコープシリンダS4 のストロークL)を、更に長くすることができる。
本発明に係るエレベータ装置Eと、テレスコープシリンダS1 への各配管路H1,H2 を示す図である。 エレベータ装置Eの正面図である。 エレベータ装置Eの平面図である。 テレスコープシリンダS1 の正面断面図である。 テレスコープシリンダS1 におけるロッドカバー13の部分とヘッドカバー14の部分の拡大断面図である。 図4のX−X線断面図である。 2階に配置されたエレベータ籠1の側面図である。 テレスコープシリンダS1 の外側水室C1 に、封入水道水W2 が補充される場合の作用を示すフローチャートである。 時間に対する内側ロッドRbに作用する圧力P2 の変化を示す図である。 (イ),(ロ)は、テレスコープシリンダS1 の作用説明図である。 (イ)は、エレベータ籠1の上昇時の速度曲線であり、(ロ)は、同じく下降時の速度曲線である。 第2実施形態のテレスコープシリンダS2 の正面断面図である。 第3実施形態のテレスコープシリンダS3 の正面断面図である。 第4実施形態のテレスコープシリンダS4 の正面断面図である。
符号の説明
1,C2 :水室(作動流体室)
E:エレベータ装置
e:隙間(小摺動抵抗構造)
2 :水補充配管路(水補充装置)
K:エレベータ籠収容空間
1 :水道水圧
Ra,Ra1〜Ra3:外側ロッド
Rb,Rb':内側ロッド(負荷ロッド)
1 〜S4 :テレスコープシリンダ
2 :封入水道水(作動流体)
1:エレベータ籠
6:上側停止位置検出スイッチ(検出装置)
8:ガイドバー(ガイド部材)
13:ロッドカバー(シリンダ本体の上端部)
14:へッドカバー
15:シリンダ本体
19:クッション孔部(クッション装置)
22a:摺動部
23,53:ピストン部
23a:クッションボス(クッション装置)
24:連通孔
28,34:Oリング(シール材)
27,29,35:ラビリンスパッキン
38:水溜部(作動流体溜部)

Claims (9)

  1. シリンダ本体と、
    前記シリンダ本体の軸心部に摺動可能にして設けられ、負荷を支持するための負荷ロッドと、
    前記負荷ロッドと同軸にして、その周囲に入れ子状態で多段にして設けられ、該負荷ロッドと同方向に摺動される1ないし複数本の外側ロッドとから成り、
    前記負荷ロッドと前記各外側ロッドとの間、各外側ロッドどうしの間、及び最も外側の外側ロッドとシリンダ本体との間には、作動流体が封入される各作動流体室が、それぞれ連通状態で設けられていて、
    前記作動流体は水道水であり、前記各外側ロッドのうち、最も外側の外側ロッドに水道水圧を作用させて摺動させることにより、一方側の作動流体室に封入された水道水を加圧させて、連通する他方側の作動流体室に流入させ、該他方側の作動流体室に配置されているロッドを順次摺動させる構成のテレスコープシリンダであって、
    前記各ロッドの摺動部は、微量の水道水をリークさせるべく小摺動抵抗構造を備えていることを特徴とするテレスコープシリンダ。
  2. 前記小摺動抵抗構造は、各ロッドの摺動部における摺動体又は被摺動体のいずれか一方に装着されたシール材と、ラビリンスパッキンとから成ることを特徴とする請求項1に記載のテレスコープシリンダ。
  3. 前記負荷ロッドは、ラムシリンダであることを特徴とする請求項1又は2に記載のテレスコープシリンダ。
  4. 請求項1に記載され、起立状態で配置されるテレスコープシリンダと、前記テレスコープシリンダに取付けられ、エレベータ籠収容空間に設けられたガイド部材にガイドされて昇降可能なエレベータ籠とから成ることを特徴とするエレベータ装置。
  5. 前記エレベータ籠は、上側に配置された負荷ロッドに取付けられていることを特徴とする請求項4に記載のエレベータ装置。
  6. シリンダ本体の上端部には、各ロッドの摺動部からリークされた水道水を回収するための水溜部が設けられていることを特徴とする請求項5に記載のエレベータ装置。
  7. 前記エレベータ籠の停止位置を検出するための検出装置と、前記検出装置からの信号により、各作動流体室に水道水を補充するための水補充装置とが設けられていることを特徴とする請求項4ないし6のいずれかに記載のエレベータ装置。
  8. 前記検出装置は、エレベータ籠の停止位置を検出するための上昇端位置検出スイッチと、上昇を開始したエレベータ籠が、前記上昇端位置検出スイッチを作動させるまでの時間を設定するためのタイマとから成り、
    前記タイマの設定時間内にエレベータ籠が、上昇端位置検出スイッチを作動させないときに、水補充装置が作動されるように構成されていることを特徴とする請求項7に記載のエレベータ装置。
  9. 最も外側に配置されている外側ロッドのピストン部と、該ピストン部と対向配置されるヘッドカバーとの間には、クッション装置が設けられていることを特徴とする請求項4ないし7のいずれかに記載のエレベータ装置。
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