JP2005127453A - ころ軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高負荷で高い回転精度が要求される箇所に適用して、十分にその要求に答えることができ、しかもラジアル方向並びにアキシャル方向への振動の伝達を有効に抑制するとともに、転動体や保持器の自励振動の発生をも抑制することのできるころ軸受を提供する。
【解決手段】 固定側の軌道輪1を、軸受用合金からなる軌道面形成部材11と、その軌道面形成部材11の軌道面110と反対側の周面に対して接触固定される制振合金製の制振部材12a,12bによって構成し、この軌道輪1に形成される鍔120a,120bのうち、少なくとも一方の鍔を制振部材12a,12bと一体に形成することにより、ハウジング等の固定部材に組み込んだとき、対してラジアル方向およびアキシャル方向の双方に制振部材が介在する状態とし、かつ、ころ2や保持器3に対して制振部材12a,12bに形成された鍔120a,120bが接触することにより自励振動の発生をも抑制する。
【選択図】 図1
【解決手段】 固定側の軌道輪1を、軸受用合金からなる軌道面形成部材11と、その軌道面形成部材11の軌道面110と反対側の周面に対して接触固定される制振合金製の制振部材12a,12bによって構成し、この軌道輪1に形成される鍔120a,120bのうち、少なくとも一方の鍔を制振部材12a,12bと一体に形成することにより、ハウジング等の固定部材に組み込んだとき、対してラジアル方向およびアキシャル方向の双方に制振部材が介在する状態とし、かつ、ころ2や保持器3に対して制振部材12a,12bに形成された鍔120a,120bが接触することにより自励振動の発生をも抑制する。
【選択図】 図1
Description
本発明はころ軸受に関し、特に良好な制振機能を備えたころ軸受に関する。
転がり軸受の一つの種類として、転動体にころを用いてなるころ軸受が知られている。ころ軸受には、円筒ころ軸受と円すいころ軸受があるが、円筒ころ軸受は、ラジアル荷重の負荷能力が大きく、形状が単純であるために高精度化が比較的容易であり、高負荷で高速回転に適している。このような円筒ころ軸受には、内輪ないしは外輪の鍔の有無によって各種のタイプがあり、例えば外輪の軸方向両端側に鍔を形成し、内輪に鍔を形成しないタイプや、同じく外輪の軸方向両端面に鍔を形成し、内輪の片側にのみ鍔を形成したタイプ、更には外輪もしくは内輪の片側に鍔を一体形成し、反対側に鍔輪を配するタイプも知られている(例えば非特許文献1参照)。
ところで、このようなころ軸受をはじめとする転がり軸受において、軸の回転による振動が軸受を介してハウジング等に伝わることを防止することを目的として、従来、種々の対策が講じられている。
例えば、内部に歯車列を収容したトランスミッションケースの転がり軸受の装着部分に、防振合金製のリングを介在させることにより、エンジンの回転変動等に起因する歯打ち振動が、軸および転がり軸受を介してトランスミッションケースに伝達する際に減衰させ、その振動をトランスミッションケースに殆ど伝達させないうようにして、騒音を低減するようにした技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
また、玉軸受の内輪、外輪および玉を、それぞれ高分子材料で作り、それぞれの内部に補強用の金属片を埋め込んだ構造とすることにより騒音発生の防止を図ったもの(例えば特許文献2参照)、玉軸受やころ軸受の内輪および外輪を、金属板を断面コ字形や凹字形に形成するとともに、その空洞部分に合成樹脂などの非金属材料を充填した構造とすることにより、振動を吸収するようにしたもの(例えば特許文献3参照)、更には、玉軸受の外輪の外周面をゴムや熱可塑性エラストマなどの防振層で覆うとともに、その防振層を、外輪の少なくとも一方の端面側に屈曲・延伸させて密封板として用いるようにしたもの(例えば特許文献4参照)などが提案されている。
岡本 純三、角田 和雄著「転がり軸受−その特性と実用設計−」株式会社幸書房 昭和61年6月30日発行 実開平5−14722号公報
特公昭37−7255号公報
特公昭38−9607号公報
特開2003−148462号公報
岡本 純三、角田 和雄著「転がり軸受−その特性と実用設計−」株式会社幸書房 昭和61年6月30日発行
ところで、軸などの回転による振動が転がり軸受を介してそのハウジングに伝達することを防止する従来の技術のうち、ハウジングと転がり軸受の間に防振合金製のリングを介在する特許文献1に記載のものは、装置の組立時に軸受とは別に制作したリングを組み込む必要があり、装置の組立が煩雑となるばかりでなく、アキシャル方向への振動の伝達を防止できないという問題がある。
また、転がり軸受の内・外輪並びに転動体を合成樹脂などで形成して補強用の心材を埋め込む特許文献2に記載のものでは、合成樹脂どうしの転がり接触となるため、当然のことながら通常の転がり軸受のような回転精度を得ることができない。
更に、転がり軸受の内・外輪を金属板を屈曲させて断面コ字形などとしてその内部に合成樹脂などを充填する特許文献3に記載のものでは、通常の転がり軸受に比して内・外輪の剛性が低くなり、負荷容量が低下してしまう。
更にまた、外輪の外周面をゴムやエラストマなどの防振層で覆い、その防振層を外輪の端面側に伸ばして密封板とする特許文献4に記載のものでは、ハウジングと外輪との間に柔らかい層が介在するため、大きなラジアル荷重に対して軸受が移動することになり、高負荷で高い回転精度が要求される箇所には採用することができないとともに、保持器並びに転動体の自励振動に対しては無力であり、その振動をハウジングに対して伝達させにくいだけに止まる。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたもので、高負荷で高い回転精度が要求される箇所に適用して、十分にその要求に答えることができ、しかもラジアル方向並びにアキシャル方向への振動の伝達を有効に抑制するとともに、転動体や保持器の自励振動の発生をも抑制することのできるころ軸受を提供することをその課題としている。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明ののころ軸受は、固定部材に固定される少なくとも1つの軌道輪と、その軌道輪に形成されている軌道面に対して転がり接触する複数のころを備えたころ軸受において、
上記軌道輪が、軸受用合金からなる軌道面形成部材と、その軌道面形成部材の軌道面と反対側の周面に対して接触固定されて上記固定部材に対して固定される制振金属製の制振部材によって構成され、当該軌道輪は軸方向両端側に鍔が形成され、その少なくとも一方の鍔が上記制振部材と一体に形成されていることによって特徴づけられる(請求項1)。
上記軌道輪が、軸受用合金からなる軌道面形成部材と、その軌道面形成部材の軌道面と反対側の周面に対して接触固定されて上記固定部材に対して固定される制振金属製の制振部材によって構成され、当該軌道輪は軸方向両端側に鍔が形成され、その少なくとも一方の鍔が上記制振部材と一体に形成されていることによって特徴づけられる(請求項1)。
ここで、請求項1に係る発明においては、上記軌道輪に形成される鍔のうち、一方が上記制振部材に、他方が上記軌道面形成部材に形成されてい構成(請求項2)を採用することができる。
また、同じ課題を解決するため、請求項3に係る発明は、固定部材に固定される少なくとも1つの軌道輪と、その軌道輪に形成されている軌道面に対して転がり接触する複数のころを備えたころ軸受において、上記軌道輪が、軸受用合金からなる軌道面形成部材と、その軌道面形成部材の軌道面と反対側の周面に対して接触固定されて上記固定部材に対して固定される制振合金製の円筒状制振部材によって構成されているとともに、その軌道輪の少なくとも一方の端部側に、制振合金からなる鍔輪が配置されていることによって特徴づけられる。
そして、以上の請求項1、2および3に係る発明においては、上記各ころを周方向に所定の間隔で保持する略円筒状の保持器を備え、その保持器の周面が、上記制振部材に形成された鍔もしくは上記鍔輪に接触案内されるように構成すること(請求項4)ができる。
本発明は、ころ軸受の固定側の軌道輪を、例えば軸受鋼などの軸受用合金からなる軌道面形成部材と制振合金からなる制振部材との複合体とするとともに、制振部材は軌道面形成部材の軌道面と反対側の周面に対して接触固定し、その制振部材に、当該軌道輪に形成される少なくとも一方側の鍔を一体に形成する(請求項1)か、あるいはその制振部材とは別部材の制振合金製の鍔輪を設ける(請求項3)ことによって、所期の目的を達成しようとするものである。
すなわち、固定側の軌道輪(内輪回転の場合は外輪、外輪回転の場合は内輪)を、軸受鋼等からなる軌道面形成部材とその軌道面形成側と反対側の周面に固定した制振合金からなる制振部材により構成することにより、回転部材の回転により発生するラジアル方向の振動の固定部材への伝達を抑制することができ、その制振部材と少なくとも一方の鍔とを一体に形成するか、あるいは別部材の制振合金からなる鍔輪を設けることにより、アキシャル方向への振動の伝達をも抑制することができる。しかも、制振部材は転がり軸受の一部を形成しているため、通常の転がり軸受と同様に装置に対して容易に組み込むことができる。
また、固定側の軌道輪の少なくとも一方の鍔を制振合金によって形成しているため、ころと、加えて保持器を有する場合には保持器も併せて、アキシャル方向への振動が抑制される結果、転がり軸受自体で自励振動の発生を抑制することが可能となる。
そして、本発明においては、振動を抑制する材料として金属を用いているが故に、ゴムや樹脂を用いる場合に比して大幅な剛性の低下がなく、また、線膨張係数も大きく相違することがないため、特殊な環境や用途に限られることなく、通常の転がり軸受と同等の環境並びに用途に適用できるという利点がある。
本発明によれば、ラジアル方向並びにアキシャル方向の双方への制振機能をころ軸受自体が有するとともに、ころあるいは加えて保持器のアキシャルおよびラジアル方向への振動を抑制できるため、自励振動の発生をも抑制することができる。しかも、ころ軸受としての剛性を大きく低下させたり、あるいは制振のための材料と転がり軸受の基本構成部材との線膨張係数が大きく相違しないため、昇温時等における不具合も生じず、通常のころ軸受と同等の環境下で同等の用途に用いることができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の実施の形態の軸平行断面図である。この例は、内輪を有さない円筒ころ軸受、つまり軸の外周面を実質的に内輪軌道面とした円筒ころ軸受で、外輪をハウジング等の固定部材に固定するタイプの円筒ころ軸受に本発明を適用した例を示している。
図1は本発明の実施の形態の軸平行断面図である。この例は、内輪を有さない円筒ころ軸受、つまり軸の外周面を実質的に内輪軌道面とした円筒ころ軸受で、外輪をハウジング等の固定部材に固定するタイプの円筒ころ軸受に本発明を適用した例を示している。
この実施の形態における円筒ころ軸受は、外輪1と複数の円筒ころ2、およびその各円筒ころ2を周方向に所定の間隔で保持する保持器3によって構成されており、各円筒ころ2は軸Sの表面に対して直接接触して転動するようになっている。
外輪1は、各円筒ころ2が転動する軌道面110が内周に形成された軌道面形成部材11と、この軌道面形成部材11の外周面に対して密着固定された制振金属からなる2つの制振部材12a,12bによって構成されている。各制振部材12a,12bは互いに同等の形状寸法を有しており、軌道面形成部材11の軸方向略中央部分で互いに突き合わされるように当該軌道面形成部材11の外周面に対して嵌合固定されている。
各制振部材12a,12bは、それぞれ円筒部Cの一端側が軸受中心側に向けて内フランジ状に屈曲した断面略L字形をした環状部材であって、その各内フランジ状に屈曲した部分が外輪1の鍔120a,120bを形成し、その各鍔120a,120bの内側の面、つまり鍔面121a,121bが各円筒ころ2の端面に当接してその軸方向への動きを規制すると同時に、各鍔120a,120bの内周面122a,122bが保持器3の外周面に当接してその径方向への動きを規制するようになっている。
外輪1の軌道面形成部材11の材質は、例えばSUJ2などの通常の転がり軸受に用いられている軸受鋼であり、制振部材12a,12bの材質は、例えばMn−Cu合金、Fe−Al合金などの公知の制振合金である。
以上の実施の形態は、外輪1の外周面、つまり制振部材12a,12bの外周面がハウジングに形成された孔に対して嵌合され、かつ、鍔120aおよび/または120bがハウジングの孔の端部に形成されている段部などに当接した状態で組み込まれ、軸Sに回転が与えられる。
軸Sの回転により発生する振動のうち、ラジアル方向への振動は各制振部材12a,12bの円筒部Cによってハウジングに対して伝達することが抑制され、アキシャル方向への振動は同じく各制振部材12a,12bを屈曲させてなる鍔120a,120bによってハウジングに対して伝達することが抑制される。
また、各円筒ころ2の軸方向への振動、並びに保持器3の径方向への振動は、それぞれ制振部材12a,12bに一体形成された鍔120a,120bに当接・案内されることによって抑制される結果、軸Sの回転により生じる可能性のある軸受の自励振動をも抑制することができる。
ここで、以上の実施の形態においては、外輪1の軌道面形成部材11と各制振部材12a,12bとは相互に嵌合固定した例を示したが、図2に要部拡大図を示すように、軌道面形成部材11の外周面に凹部11a,11bを形成するとともに、各精神部材12a,12bの内周面にそれぞれ凸部123a,123bを形成して、各凸部123a,123bを各凹部11a,11bに嵌め込むことによって、各制振部材12a,12bの軌道面形成部材11に対する抜け止めを防止するように構成することもできる。
また、以上の実施の形態においては、2つの制振部材を軌道面形成部材に対して嵌合固定し、各制振部材のそれぞれに鍔を形成した例を示したが、1つの制振部材を用いて片側の鍔のみをその制振部材に形成してもよい。図3にその構成例を軸平行断面図で示す。
この例における外輪1は、軸受鋼からなる1つの軌道輪形成部材13と、上記と同等の制振合金からなる1つの制振部材14とからなり、内周に軌道面130が形成された軌道輪面形成部材13の軸方向片側に鍔131が一体に形成されているとともに、その軌道面形成部材13の外周面に対して嵌合固定された制振部材14にも、その円筒部Cの軸方向片側に鍔141が一体に形成され、この鍔141と上記した鍔131とが対向している。これらの各鍔131,141の軸方向内側に形成されている鍔面131a,141aが各円筒ころ2の端面に当接してその軸方向への動きを規制し、また、各鍔131,141の内周面131b,141bが保持器3の外周面に当接してその径方向への動きを規制するようになっている。
なお、円筒ころ2および保持器3は先の例と同じであり、また、この例においても軸Sの表面が円筒ころの内側の軌道面を形成し、制振部材14の外周面がハウジングに形成された孔に対して嵌合され、かつ、鍔141がハウジングの孔の端部に形成されている段部などに当接した状態で組み込まれ、軸Sに回転が与えられる。
この図3に示す例においても、軸Sの回転により生じる振動のうち、ラジアル方向成分は制振部材14の円筒部Cによりハウジングに対して伝達することが抑制され、アキシャル方向成分は鍔141によりハウジングに対して伝達することが抑制される。また、円筒ころ2の軸方向への振動および保持器3の径方向への振動は、それぞれ鍔141に当接・案内されることによって抑制され、転がり軸受の自励振動の発生をも抑制することができる。
なお、以上の各実施の形態においては、内輪を有しないタイプの円筒ころ軸受に本発明を適用した例を示したが、内輪を有するタイプの円筒ころ軸受にも本発明を等しく適用することができる。図4にその例を軸平行断面図で示す。この例は図1に示した外輪1をそのまま用いた例であり、同一部材には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。この例では、外周に軌道面4aが形成された内輪4を備え、その内周面が軸Sに対して嵌合固定される。この例においても、図1の例と全く同様の作用効果を奏することができる。
また、以上の各例は、外輪固定の円筒ころ軸受に本発明を適用した例を示したが、内輪固定で用いられる円筒ころ軸受にも本発明を適用することができる。その例を図5および図6にそれぞれ軸平行断面図で示す。
図5の例は、内輪4を軌道面形成部材41と2つの制振部材42a,42bによって構成した例であり、軌道面形成部材41は軸受鋼からなり、その外周に円筒ころ2が転動する軌道面410を形成している。各制振部材42a,42bは先の各例と同等の制振合金からなり、軌道面形成部材41の内周に嵌合固定される円筒部Cの片側に外向きにフランジ状に屈曲する鍔420a,420bを一体に形成した形状を有している。そして、この各制振部材42a,42bが固定軸Sfに対して嵌合固定され、外輪1に例えばプーリやシーブなどの回転部材が固定されて用いられる。
各鍔420a,421bの軸方向内側の鍔面421a,421bは、各円筒ころ2の端面に当接してその軸方向への移動を規制し、また、各鍔420a,420bの外周面422a,422bは、保持器3の内周面に当接してその径方向への移動を規制する。
このような内輪固定のころ軸受に本発明を適用した場合においても、制振部材42a,42bの円筒部Cが振動のラジアル成分の固定軸Sfへの伝達を抑制し、鍔420a,420bが振動のアキシャル成分の固定軸Sfへの伝達を抑制するとともに、鍔420a,420bにより円筒ころ2および保持器3の自励振動の発生を抑制することができる。
一方、図6の例は、内輪4を軸受鋼からなる1つの軌道輪形成部材43と、制振合金からなる1つの制振部材44によって構成し、内周に軌道面430が形成された軌道輪面形成部材43の軸方向片側に鍔431を一体に形成するとともに、その軌道面形成部材43の内周面に対して嵌合固定された制振部材44にも、その円筒部Cの軸方向片側に鍔441を一体に形成して、これらの各鍔431,441を対向させている。各鍔431,441の軸方向内側に形成されている鍔面431a,441aが各円筒ころ2の端面に当接してその軸方向への動きを規制し、また、各鍔431,441の内周面431b,441bが保持器3の外周面に当接してその径方向への動きを規制するようになっている。このような構成においても、先の各例と同等の作用効果を奏することができる。
更に、本発明は、鍔輪を用いた円筒ころ軸受にも適用することができる。図7にその例を軸平行断面図で示す。
この図7に示す例は、図3に示した例の制振部材14の鍔141を分離した点に特徴がある。すなわち、この例では、円筒部のみからなる制振部材15を、図3の例で用いたものと同等の軌道面形成部材13の外周に嵌合固定するとともに、制振合金製の別部材からなる鍔輪5を設け、軌道面形成部材13に一体に形成された鍔131に対向させている。このような構成においても、先の各例と同等の作用効果を奏することができる。
また、以上の各例は、本発明を円筒ころ軸受に適用した例を示したが、本発明は、鍔を備えたころ軸受であれば他の型式のものにも適用することができる。すなわち、円すいころ軸受やスラスト円筒ころ軸受における固定側の軌道輪を軌道面形成部材とその軌道面と反対側の周面に嵌合固定された制振合金製の制振部材によって構成するとともに、その制振部材に一体に鍔を形成するか、あるいは別の制振合金製の鍔輪を配することにより、ラジアル方向およびスラスト方向の双方の振動の伝達を抑制すると同時に、ころないしは保持器を案内して自励振動の発生を抑制することができる。
更に、以上の各実施の形態においては、軌道面形成部材として、高炭素クロム鋼の一種であるSUJ2などの軸受鋼を用いる例を示したが、肌焼鋼やステンレス合金など、転がり軸受の軌道輪としての強度、耐疲労性を備えた他の軸受用合金を用い得ることは勿論である。
1 外輪
11,13 軌道面形成部材
12a,12b,14,15 制振部材
120a,120b,141 鍔
2 円筒ころ
3 保持器
4 内輪
41,43 軌道面形成部材
42a,42b,44 制振部材
420a,420b,441 鍔
5 鍔輪
S 軸
Sf 固定軸
11,13 軌道面形成部材
12a,12b,14,15 制振部材
120a,120b,141 鍔
2 円筒ころ
3 保持器
4 内輪
41,43 軌道面形成部材
42a,42b,44 制振部材
420a,420b,441 鍔
5 鍔輪
S 軸
Sf 固定軸
Claims (4)
- 固定部材に固定される少なくとも1つの軌道輪と、その軌道輪に形成されている軌道面に対して転がり接触する複数のころを備えたころ軸受において、
上記軌道輪が、軸受用合金からなる軌道面形成部材と、その軌道面形成部材の軌道面と反対側の周面に対して接触固定されて上記固定部材に対して固定される制振金属製の制振部材によって構成され、当該軌道輪は軸方向両端側に鍔が形成され、その少なくとも一方の鍔が上記制振部材と一体に形成されていることを特徴とするころ軸受。 - 上記軌道輪に形成される鍔のうち、一方が上記制振部材に、他方が上記軌道面形成部材に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のころ軸受。
- 固定部材に固定される少なくとも1つの軌道輪と、その軌道輪に形成されている軌道面に対して転がり接触する複数のころを備えたころ軸受において、
上記軌道輪が、軸受用合金からなる軌道面形成部材と、その軌道面形成部材の軌道面と反対側の周面に対して接触固定されて上記固定部材に対して固定される制振合金からなる円筒状の制振部材によって構成されているとともに、その軌道輪の少なくとも一方の端部側に、制振合金からなる鍔輪が配置されていることを特徴とするころ軸受。 - 請求項1、2または3に記載のころ軸受において、上記各ころを周方向に所定の間隔で保持する略円筒状の保持器を備え、その保持器の周面が、上記制振部材に形成された鍔もしくは上記鍔輪に接触案内されるように構成されていることを特徴とするころ軸受。
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Legal Events
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Effective date: 20090318 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |