JP2005127034A - 開口付き耐震壁 - Google Patents

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Abstract

【課題】 開口を設けた場合においても確実に所望の耐震補強効果を得ることができる開口付き耐震壁を提供することを課題とする。
【解決手段】 建物の柱梁架構の構面内に組み込まれて上記建物の保有耐力を向上させる鉄筋コンクリート造の開口付き耐震壁であって、上記開口の上部および下部の少なくとも一方に、他の部分における壁厚よりも厚さ寸法の大きな梁型を水平方向に一体に形成したことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、耐震性が不足している既存建物の架構の剛性と耐力を増加させて、要求される耐震性能に改善する際等に適用して好適な開口付き耐震壁に関するものである。
耐震診断の結果、補強が必要と判定された鉄筋コンクリート構造または鉄骨鉄筋コンクリート構造の既存の建物に対して、柱と梁から形成される架構の構面内に鉄筋コンクリート造の耐震壁等を増設したり、あるいは既存の耐震壁の壁厚を増したりして、建物の保有耐力を増加させることにより、補強後の構造耐震指標Isを0.6以上にする耐震補強構造が多く採用されている。
このような耐震壁による耐震補強を行う際には、既存架構と増設した上記耐震壁等との間において、地震時に発生するせん断力等を十分に伝達させるために、既存躯体と耐震壁等との接合部に、所定間隔でアンカー筋(接着系または金属系のあと施工アンカー)を打設したり、既存の柱梁架構を部分的に斫って増設する耐震壁の鉄筋を上記柱梁架構の鉄筋に溶接したり、さらには既存の梁と耐震壁との間にコッターを介在させたりすることにより、既存架構と補強部材を一体化するのが一般的である。
ところで、既存建物を耐震補強するために、柱梁架構の構面内に耐震壁を増設すると、内部空間が細分化されて使い勝手に制約が生じたり、あるいはこれまで通路として使用していた部分を遮断することにより、人の通行路の変更を強いることになったり、さらには上記構面を全面的に塞いでしまう結果、採光上の問題を生じたり等の、様々な不都合が生じる。そこで、このような場合には、上記耐震壁に、人の通る導線を確保したり、あるいは所望の採光を得る目的から、当該耐震壁に開口を設ける必要がある。
しかしながら、上記開口を設けた場合には、増設しようとする耐震壁に耐力低下の問題が発生する。ちなみに、上記開口の寸法が小さい場合には、当該耐震壁の強度を評価するに際して、全体として無開口の耐震壁と同様に扱うことができるものの、上記評価の重要な指標となる耐震壁のせん断最終強度として、開口の大きさに対応した低減率を乗じたものを使用する必要がある。
このため、従来は、地震時に応力集中が生じる開口周辺を鉄筋で補強して、上記せん断強度を高めるべく、上記開口を取り囲むように、鉛直方向および水平方向の2方向に鉄筋を配したり、あるいは上記開口の角隅部に傾斜させて上記鉄筋を配置する補強が行われている。この結果、上記従来の開口付き耐震壁にあっては、多数本の鉄筋を配置する必要が生じるという問題点があった。また、当該鉄筋の量がある程度をこえると、それ以上の補強効果が望めないという問題点もあった。
さらに、上記開口の寸法が大きい場合には、上記耐震壁を、全体として接点に剛域があるラーメンとして扱う必要があり、この場合には、特に既存建物の梁下に位置する上記開口の上部において、鉛直荷重に対する十分なせん断耐力が得られなくなるおそれがあった。
加えて、上記従来の耐震壁の構造においては、既存の柱梁架構と耐震壁とを一体化させる上記作業に、多大の手間を要するという問題点があった。
特に、アンカー筋によって上記一体化を確保する構造にあっては、既存建物の柱梁にドリルであけた穴に、あと施工アンカーを固定して、いわゆるダボ効果によって両者間の応力伝達を図るものである。したがって、当該アンカーを打設する際に、大きな騒音、振動、粉塵等が発生するために、既存建物を使用しながらの耐震補強の施工を困難にするという大きな課題を有していた。
特開平8−49329号公報
この発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、開口を設けた場合においても確実に所望の耐震補強効果を得ることができる開口付き耐震壁を提供することを課題とするものであり、さらには既存架構との間に施した簡易な変位拘束によってあと施工アンカー等を不要にすることができる開口付き耐震壁を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、建物の柱梁架構の構面内に組み込まれて上記建物の保有耐力を向上させる鉄筋コンクリート造の開口付き耐震壁であって、上記開口の上部および下部の少なくとも一方に、他の部分における壁厚よりも厚さ寸法の大きな梁型を水平方向に一体に形成したことを特徴とするものである。
また、請求項2に記載の発明は、建物の柱梁架構の構面内に組み込まれて上記建物の保有耐力を向上させる鉄筋コンクリート造の開口付き耐震壁であって、上記開口の上部および下部の少なくとも一方に、複数本の補強主筋を水平方向に配筋するとともに、少なくとも上記開口の上部および/または下部に位置する上記補強主筋を相互に繋ぐ肋筋を配したことを特徴とするものである。
さらに、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、上記耐震壁の壁筋が、上記柱梁架構に定着されていないことを特徴とするものである。
請求項1または2に記載の発明によれば、上記開口の上部および下部の少なくとも一方に、梁型を一体に形成するか、あるいは複数本の補強主筋を水平方向に配筋するとともに、上記開口の上部および/または下部に位置する上記補強主筋を相互に繋ぐ肋筋を配したので、当該耐震壁における曲げ強度およびせん断強度を増加させて、所望の耐震性能を確保することができる。
すなわち、現行の「既存鉄筋コンクリート造建築物の耐震診断基準」によれば、建物の耐震性を評価する上述した構造耐震指標Isは、
Is=E0 ・SD ・T
によって算定されている。
ここで、SD は形状指数であり、Tは経年指数である。
そして、E0 は、上記建物の構造耐震性能を表現する最も重要な指数であり、柱や壁等の鉛直部材の曲げ強度およびせん断強度から得られる強度指数Cと、靭性指標Fとから算定されるものである。
したがって、請求項1または2に記載の発明のように、上記開口を形成することにより、強度が低下した当該開口の上部および下部の少なくとも一方に、上記梁型を一体に形成したり、複数本の補強主筋を水平方向に配筋し、かつこれの所定箇所を肋筋によって相互に繋いだりして、当該耐震壁における曲げ強度およびせん断強度を増加させることにより、上記強度指数Cを増加させて所望の構造耐震指標Isを得ることが可能となる。
この際に、特に請求項2に記載の発明や、請求項1と2に記載の発明を組み合わせれば、耐震壁全体としての靭性を高めて、上記靭性指標Fを大きく設定することが可能となる。
また、請求項3に記載の発明のように、請求項1または2に記載の発明において、耐震壁の壁筋を柱梁架構に定着せずに、上記柱梁架構と耐震壁との間に生じる摩擦力によってせん断伝達を評価するようにすれば、従来のようにアンカー筋等の煩雑な作業を要する一体化手段が不要になるために一層好適である。
図1〜図3は、本発明に係る開口付き耐震壁の一実施形態を示すものである。
これらの図において、この開口付き耐震壁1は、既存建物の柱2および梁3によって構成される架構の構面内に組み込まれて、上記建物の保有耐力を向上させる鉄筋コンクリート造のものであって、そのほぼ中央部には、開口4が形成されている。
ここで、開口4は、その高さをh1 、幅をw1 とした時に、架構の階高h、柱2の中心間距離wに対して、等価開口周比(h1 ・w1 /h・w)1/2 が0.4以下となるように設定されている。
そして、上記耐震壁1は、開口4の上方と梁下との間に、厚さ寸法が他の部分における壁厚よりも大きな梁型5が水平方向に一体に形成されている。そしてさらに、この梁型5内には、複数本(図では4本)の補強主筋6が、水平方向にほぼ全幅方向にわたって配筋されており、これら補強主筋6同士は、これらと直交する方向に周囲から巻き付けるように配された肋筋7によって互いに繋がれている。
ここで、肋筋7は、耐震壁1の幅方向にわたってほぼ等間隔で配されるとともに、特に開口4の上方においては、他の部分の約1/3の間隔(すなわち、他の部分の約3倍程度の高密度)で配置されている。なお、上記肋筋7の配筋量は、開口4の上部の梁3に作用する鉛直せん断力の大きさによって定まるものであり、柱梁架構の潜在的強度や設計上期待する架構の補強耐力によっても変化するものである。
また、梁型5の図中点線位置より上方側の部分は、高強度無収縮グラウト5aが充填されることによって形成されている。
他方、開口4の周囲には、底部から両側の全長に沿って上方に延在し、上部8aが補強主筋6内に位置する第1の補強筋8と、さらに開口4の上方部分を補強する第2の補強筋9とが配筋されている。
なお、これら第1の補強筋8および第2の補強筋9としては、それぞれ補強主筋6と等しい太さ寸法の鉄筋が用いられている。また、この耐震壁1は、その壁筋10が柱2および梁3のいずれにも定着されていない。
以上の構成からなる耐震壁1によれば、開口4の上部に梁型5を一体に形成するとともに、この梁型5内に4本の補強主筋6を水平方向にほぼ全幅方向にわたって配筋し、さらにこれら補強主筋6を肋筋7によって相互に繋ぐことにより、開口4を形成することによって強度が低下した開口4の上部における曲げ強度およびせん断強度を、大幅に増加させているので、既存建物の耐震補強に所望の保有耐力を得ることができる。
この際、特に、補強主筋6を繋ぐ肋筋7を、強度に劣る開口4に上方において、想定する鉛直せん断力の大きさを考慮して他の部分よりも高い密度(本実施形態においては、約3倍の密度)で配筋するとともに、さらに開口4の周囲に配した第1の補強筋8の上部8aを、肋筋7によって囲繞された補強主筋6内に配置させているので、配筋量を大幅に増加させることなく、開口4に対する効果的な補強効果を得ることができる。加えて、耐震壁1全体としての靭性を高めて、上記靭性指標Fを大きく設定することも可能となる。
さらに、耐震壁1の壁筋10を柱2および梁3のいずれにも定着させずに、柱梁架構と耐震壁1との間に生じる摩擦力によってせん断伝達を評価するようにしているので、従来のようにあと施工アンカーの打設等の煩雑な作業が不要となり、よって既存建物の耐震補強を一層容易にすることができる。
本発明の一実施形態を示す要部を断面視した正面図である。 図1の要部を断面視した平面図である。 図1の要部を断面視した側面図である。
符号の説明
1 耐震壁
2 柱
3 梁
4 開口
5 梁型
6 補強主筋
7 肋筋
10 壁筋

Claims (3)

  1. 建物の柱梁架構の構面内に組み込まれて上記建物の保有耐力を向上させる鉄筋コンクリート造の開口付き耐震壁であって、
    上記開口の上部および下部の少なくとも一方に、他の部分における壁厚よりも厚さ寸法の大きな梁型を水平方向に一体に形成したことを特徴とする開口付き耐震壁。
  2. 建物の柱梁架構の構面内に組み込まれて上記建物の保有耐力を向上させる鉄筋コンクリート造の開口付き耐震壁であって、
    上記開口の上部および下部の少なくとも一方に、複数本の補強主筋を水平方向に配筋するとともに、少なくとも上記開口の上部および/または下部に位置する上記補強主筋を相互に繋ぐ肋筋を配したことを特徴とする開口付き耐震壁。
  3. 上記耐震壁の壁筋は、上記柱梁架構に定着されていないことを特徴とする請求項1または2に記載の開口付き耐震壁。
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