JP4120826B2 - 補強壁の構造 - Google Patents

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本発明は、耐震性が不足している既存建物の架構の剛性と耐力を増加させて、要求される耐震性能に改善する際等に適用して好適な補強壁の構造に関するものである。
耐震診断の結果、補強が必要と判定された鉄筋コンクリート構造または鉄骨鉄筋コンクリート構造の既存の建物に対して、柱と梁から形成される架構の構面内に鉄筋コンクリート造の耐震壁等を増設したり、あるいは補強壁によって既存の壁の壁厚を増したりして、建物の保有耐力を増加させることにより、補強後の構造耐震指標Isを0.6以上にする耐震補強構造が多く採用されている。
ところで、このような耐震補強のうち、補強壁によって既存の壁の厚さを増加させる耐震補強を行う場合には、既存架構と増設した上記補強壁との間において、地震時に発生するせん断力等を十分に伝達させる必要がある。このため、例えば特開平8−49329号公報に見られるように、既存の柱梁架構と補強壁との接合部に、所定間隔でアンカー筋(接着系または金属系のあと施工アンカー)を打設したり、あるいは既存の柱梁架構を部分的に斫って内部の鉄筋を露出させ、これと増し打ちする補強壁の鉄筋とを溶接したりすることにより、既存架構と補強壁とを一体化するのが一般的である。
しかしながら、上記従来の補強壁の構造においては、既存の柱梁架構と補強壁とを一体化させる上記作業に、多大の手間を要するという問題点があった。
特に、アンカー筋によって上記一体化を確保する構造にあっては、既存建物の柱梁にドリルであけた穴に、あと施工アンカーを固定して上記補強壁を打設することにより、いわゆるダボ効果によって両者間の応力伝達を図るものである。この結果、当該アンカーを打設する際に、大きな騒音、振動、粉塵等が発生するために、既存建物を使用しながらの耐震補強の施工を困難にするという大きな課題を有していた。
また、既存の柱梁架構を部分的に斫って、増し打ちする補強壁の鉄筋を上記柱梁架構の鉄筋に溶接する構造にあっては、既存の上記柱梁架構を傷めることになり、よって鉄筋溶接後における上記斫り部分の修復が十分でないと、却って局部的な耐力の低下を招来するという問題点を有していた。
特開平8−49329号公報
そこで、本発明者等は、増し打ちする補強壁の壁筋を、既存の柱梁架構に定着させることなく、かつ所望の耐震効果が得られる補強壁の構造について鋭意研究および実験を重ねた結果、柱梁架構における僅かな層間変位に対しては、増し打ち補強壁と柱梁および既存壁との間の接触面における摩擦力のみで、充分に上記応力伝達がなされることが判明した。
そしてさらに、大地震時における柱梁架構の大きな層間変位に対しては、上記補強壁は周囲の柱梁架構と釣合う圧縮ブレースとして機能し、もっぱら対角方向に圧縮力が作用するために、当該補強壁の圧縮強度を、既存の壁の圧縮強度より高めておくことにより、従来よりも大きな上記圧縮力に抗することが可能となり、この結果、既存の柱梁架構の引張側柱頭部がパンチングシア破壊するまで最大耐力を高めることができるとの知見を得るに至った。
この発明は、かかる知見に基づいてなされたもので、施工アンカー等を不要にすることができ、かつ所望の耐震効果を得ることができて経済性に優れる補強壁の構造を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、既存建物の柱梁架構の構面内に設置された壁の壁面に沿って、その壁厚を増して当該建物の保有耐力を増加させるべく増し打ちされる補強壁の構造であって、上記壁面に沿って配設された壁筋と、当該壁筋を内包するように上記壁面に沿って上記柱梁架構の構面内において上記壁厚方向へと打設されたコンクリートとを具備してなり、かつ上記補強壁の圧縮強度を既存の上記壁の圧縮強度よりも高くするとともに、上記壁筋は、上記柱梁架構に定着されていないことを特徴とするものである。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記補強壁と既存の上記壁との接触面であって、かつ少なくとも上記梁から上記柱のせい寸法と同一寸法離間した位置までの範囲に、コンクリートの付着改良剤が塗布されていることを特徴とするものである。これは、1/2スケールの試験モデルで実施した1層1スパン補強架構の静的繰り返し載荷実験の結果から、終局的にこの部分の損傷が特に激しく、既存壁と後打ちコンクリートが剥離する現象が見られたため、これを防止して一体性を高めるために、特にこの部分の既存壁との付着強度を高めようとするものである。
請求項1に記載の発明によれば、打設された上記補強壁と既存の柱梁架構および壁との接触面における摩擦力によって、当該補強壁と既存躯体との所望の一体化が図られる。このため、補強壁の壁筋を柱梁架構に定着することなく、両者間におけるせん断力の伝達を達成することができ、よって従来のように既存の柱梁架構や壁に対するアンカー筋等の施工といった煩雑な作業を要する一体化手段が不要になる。
また、大地震時には、柱梁架構における大きな層間変位により、上記補強壁にも大きな圧縮力が作用するが、当該補強壁の圧縮強度が既存壁の圧縮強度よりも高くしているために、既存の壁と協働して上記圧縮力に抗することが可能となり、この結果、既存の柱梁架構の引張側柱頭部がパンチングシア破壊するまで最大耐力を高めることができる。
この際に、請求項2に記載の発明のように、上記層間変位によって最も大きなせん断力が作用する、補強壁と既存の壁との接触面であって、かつ少なくとも上記梁から柱のせい寸法と同一寸法離間した位置までの範囲に、コンクリートの付着改良剤を塗布すれば、より既存躯体に対する補強壁の接合強度を高めることができて好適である。
なお、上記コンクリートの付着改良剤としては、エチレンビニルやSBR(スチレン・ブタジエン共重合物)等の各種の樹脂系エマルジョンを主成分とする付着改良剤を使用することが可能であるが、特に請求項3に記載の発明のようにポリマーセメント系のコンクリート付着改良剤を使用すれば、施工性に優れるとともに、主成分がセメント系であるために、新旧のコンクリートとが一体となり、高い接合強度が得られるために、一層好ましい。
図1〜図3は、本発明に係る補強壁の構造の一実施形態を示すものである。
図1〜図3に示すように、本実施形態の補強壁の構造は、既存建物の柱1および梁2によって構成される架構の構面内に設置された壁3の壁面に沿って、当該建物の保有耐力を増加させるべく増し打ちされる補強壁4の構造である。
この補強壁4は、これを構成するコンクリート4aの内部に、垂直方向および水平方向に多数本の壁筋5a、5bが平行に配筋されている。ここで、壁筋5a、5bは、上記柱梁架構に定着されることなく、それぞれの端部が補強壁4内に収められている。なお、必要があれば、補強壁4の柱梁架構に沿う外周部分に、壁筋5a、5bの端部をそれぞれの直交方向に繋ぐ割裂補強スパイラル筋を配設してもよい。
さらに、この補強壁4の構造にあっては、既存の柱1、梁(または床スラブ)2および壁3を型枠の一部として上記コンクリート4aを打設する際に、事前に壁3との接触面であって、かつ少なくとも上階の梁2から下方に、および下階の梁2から上方に、柱1のせい寸法Wと同一寸法L離間した位置までの範囲に、ポリマーセメント系のコンクリート付着改良剤7が塗布されている。
また、コンクリート4aは、図中点線で示す梁下より200〜300mmの上方部分を残して打設されており、このコンクリート4aと上部の梁2との間には、無収縮モルタル4bが圧入されている。
そして、得られた補強壁4は、その圧縮強度σ´が、既存の壁3の圧縮強度σB に対して、δB ´>δB となるように構築されている。
以上の構成からなる補強壁4の構造によれば、打設された補強壁4と既存の柱1、梁2および壁3との接触面における摩擦力によって、補強壁4と既存躯体との所望の一体化を図ることができる。このため、補強壁4の壁筋5a、5bを、既存建物の柱梁架構に定着することなく、両者間におけるせん断力の伝達を達成することができる。
この結果、補強壁4の増し打ち作業において、従来のように既存の柱梁架構や壁に対するアンカー筋等の施工といった煩雑かつ環境の悪化を伴う作業が不要となる。
また、大地震時には、柱梁架構における大きな層間変位により、補強壁4に大きな圧縮力が作用するが、補強壁4の圧縮強度σB ´を既存壁の圧縮強度σB よりも高くしているために、既存の壁3と協働して圧縮力に抗することが可能となり、この結果、既存の柱梁架構の引張側柱頭部1aがパンチングシア破壊するまで最大耐力を高めることができる。
また、特に、上記層間変位によって最も大きなせん断力が作用する、補強壁4と既存の壁3との接触面であって、かつ少なくとも梁2から柱1のせい寸法Wと同一寸法L離間した位置までの範囲に、コンクリートの付着改良剤7を塗布しているので、より既存躯体に対する補強壁の接合強度を高めることができる。
この際に、上記コンクリートの付着改良剤7として使用したポリマーセメント系のコンクリート付着改良剤は、セメントおよび骨材を主たる成分とする粉体と混和剤とを、水で練り混ぜるのみで使用できるために、短時間に塗布を行うことができ、施工性に優れる。また、主成分がセメント系であるために、新旧のコンクリートとが一体となり、高い接合強度が得られるという効果が得られる。
なお、上記実施の形態においては、コンクリートの付着改良剤として、ポリマーセメント系のコンクリート付着改良剤を使用した場合についてのみ説明したが、これに限るものではなく、既存の壁3の上下部との強固な一体化が図れるものであれば、他のコンクリートの付着改良剤を使用することもできる。
また、壁の終局時平均せん断応力度が低い場合には、上記コンクリート付着改良剤は塗布しないことも可能であり、他方上記範囲Lでは付着強度が不足する場合には、より広い範囲の補強壁4と既存の壁3との接触面に塗布するようにしてもよい。
本発明の一実施形態を示す要部を断面視した正面図である。 図1の要部を断面視した平面図である。 図1の要部を断面視した側面図である。
符号の説明
1 柱
2 梁
3 壁
4 補強壁
4a コンクリート
4b 無収縮モルタル
5a、5b 壁筋
7 コンクリートの付着改良剤

Claims (2)

  1. 既存建物の柱梁架構の構面内に設置された壁の壁面に沿って、その壁厚を増して当該建物の保有耐力を増加させるべく増し打ちされる補強壁の構造であって、
    上記壁面に沿って配設された壁筋と、当該壁筋を内包するように上記壁面に沿って上記柱梁架構の構面内において上記壁厚方向へと打設されたコンクリートとを具備してなり、かつ上記補強壁の圧縮強度を既存の上記壁の圧縮強度よりも高くするとともに、上記壁筋は、上記柱梁架構に定着されていないことを特徴とする補強壁の構造。
  2. 上記補強壁と既存の上記壁との接触面であって、かつ少なくとも上記梁から上記柱のせい寸法と同一寸法離間した位置までの範囲に、コンクリートの付着改良剤が塗布されていることを特徴とする請求項1に記載の補強壁の構造。
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