JP2005125987A - 牽引車輌の車輪蛇角制御方法及び制御装置、牽引収穫機、車輌の横滑り検出方法及び検出センサ - Google Patents

牽引車輌の車輪蛇角制御方法及び制御装置、牽引収穫機、車輌の横滑り検出方法及び検出センサ Download PDF

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Abstract

【課題】走行機体の後方に牽引される牽引車輌において、傾斜地の斜面に交わる方向に走行される走行機体に追従して、その移動方向に沿って牽引車輌の機体方向を合わせることができる。
【解決手段】牽引車輌2(2’)に横滑り検出センサ4(4’)を設けて、その出力によって操舵シリンダ22(22’)を作動させて、牽引車輌2(2’)の車輪21(21’)の蛇角を制御することで、牽引車輌2(2’)における機体方向軸2A’の方向を進行方向U1に一致させる。横滑り検出センサ4(4’)は、牽引車輌2(2’)の機体上の点が地面に描く移動軌跡の方向を検知し、この方向と機体方向軸2A’(車軸に垂直な方向軸)との角度ずれを出力することによって、牽引車輌2(2’)の横滑り状態を検出するものである。
【選択図】図2

Description

本発明は、牽引車輌の車輪蛇角制御方法及び制御装置、牽引収穫機、主にこれらに用いられる車輌の横滑り検出方法及び検出センサに関するものである。
トラクタ等の走行機体の後方に牽引される牽引作業機等の牽引車輌は、平地を走行する場合には、走行機体の直進走行に追従するように牽引車輌も直線的に走行されることになるので、トラクタに牽引される牽引作業機によって、直線状の畦に沿って作業を行うには、トラクタを畦に沿って直進走行させることで牽引作業機を畦に合わせて進行させる。
しかしながら、傾斜地において、斜面に交差する方向に走行機体を直線的に走行させる場合には、これに牽引される牽引車輌は傾斜の影響を受けて後方が下方に向いた状態になり、走行機体の直線的な進行方向に沿った姿勢で牽引車輌を走行させることができなくなる。この場合に牽引車輌は、牽引車輌の車軸に垂直な方向と実際の移動方向がずれた横滑り状態で牽引されており、所謂、牽引車輌における傾斜地横流れの問題が生じることになる。
この牽引車輌における傾斜地横流れの問題を解消するには、走行中に牽引車輌をステアリング操作して走行機体の進行方向に合わせるように牽引車輌の方向を調整する必要がある。しかしながら、この調整を手動で行うと運転者の負担が相当大きなものになり、作業効率の低下や走行の安全性が確保できなくなるという問題が生じる。
これを解決するために、傾斜地で走行する牽引車輌のステアリング操作を自動化する提案が各種なされている。下記特許文献1に記載される従来技術は、その一例である。この例は、トラクタの後方にオフセットした状態で牽引作業機を牽引させるものを前提としており、図1に示すように、トラクタ100の連結部に取り付けられるドローバー101とヒッチ102との間の枢支角(θB)を検出するドローバーセンサ103と、ヒッチ102と牽引作業機104との枢支角を牽引作業機の車軸104Aとの関係で定義したヒッチ角(θA)を検出するヒッチセンサ105と、牽引作業機104の車輪104Bの実蛇角(θE)を検出する車輪センサ106と、車輪104Bを操舵する油圧機構107と、ドローバーセンサ103とヒッチセンサ105の信号によりトラクタ100と牽引作業機104の進行方向のずれ角(θC=θA−θB)を算出して車輪104Bの目標蛇角(θD)を設定し、実蛇角(θE)が目標蛇角(θD)と一致するように油圧機構107を制御するものである。
特開2001−301636号公報
前述した従来技術は、基本的には、走行機体(トラクタ)側の基準線(前述の例ではドローバーの軸線)と牽引作業機側の基準線(前述の例では牽引作業機の車軸)の方向を比較して、これらを平行又は一致させるように、牽引作業機における車輪の蛇角を制御するものである。このような牽引車輌のステアリング制御に関する他の従来技術をみても、いずれも走行機体と牽引車輌の牽引点における折れ角を検出するものであり、基本的には走行機体側の基準線と牽引作業機体側の基準線の角度ずれを検出している点で前述した従来技術と変わりがない。
しかしながら、このような従来技術によると、実際上の走行では、根本的な原因によって、走行機体の進行方向に沿った適正な姿勢で牽引車輌を走行させることができない。
この原因について説明すると、通常、傾斜方向に交差する方向に走行機体を進行させる場合には、斜面に沿って走行機体が下方に横滑りするのを補正するために、運転者は走行機体を上方に舵取り操作しながら走行機体の直進性を維持している。つまり、この状態では、横滑りを含めた相対移動で直進性が維持される状態になっており、走行機体自体の方向(車軸に垂直な方向)が進行方向に対して上方に傾いた状態になっている。そして、このような傾いた走行機体側の基準線を基にして従来技術のような牽引車輌の蛇角制御が行われると、必然的に牽引車輌の方向も後方が進行方向に対して下方に傾いた状態になり、牽引車輌の横滑り状態を解消することができないことになる。
このような状況は、傾斜度が比較的大きく、地面が横滑りしやすい傾斜地の圃場において顕著に表れるが、このような圃場で、畦に沿って牽引作業機を進行させる場合には、畦に対する牽引作業機の角度ずれによって作業精度の低下を招くという問題が生じる。特に、傾斜地の傾斜方向と交差する方向に延びる畦に沿って植えられた作物を収穫するビートハーベスタ等の牽引収穫機においては、畦に対して牽引収穫機の方向がずれると掘り取り部の正常な機能が得られなくなり、収穫作業の作業精度が低下してしまうという問題が生じる。
本発明は、このような事情に対処するために提案されたものである。すなわち、走行機体の後方に牽引される牽引車輌において、傾斜地の斜面に交わる方向に走行される走行機体に追従して、その移動方向に沿って牽引車輌の機体方向を合わせることができること、走行機体の後方に牽引される牽引収穫機において、傾斜地の斜面に交わる方向に形成された畦に沿って走行される走行機体に追従して、その移動方向に沿って牽引収穫機の機体方向を合わせることで、牽引収穫機の作業精度を向上させることができること、また、横滑り状態を含む車輌の走行に対して、車輌の実際上の進行方向を検知することで車輌の横滑り状態を検知することができること、等が本発明の目的である。
このような目的を達成するための本発明の特徴は以下に示すとおりである。
請求項1〜4に係る発明は、走行機体の後方に牽引される牽引車輌の車輪蛇角制御方法又は制御装置を前提としたものである。
そして、一つの特徴としては、制御方法として、前記牽引車輌の機体上で該牽引車輌の機体上の点が地面上に描く移動軌跡の方向を検知し、該方向と前記牽引車輌の車軸に垂直な方向との角度ずれに対して、該角度ずれを無くすように前記牽引車輌における車輪蛇角を制御することを特徴としており、制御装置として、前記牽引車輌の機体上で該牽引車輌の機体上の点が地面上に描く移動軌跡の方向を検知する移動方向検知手段と、前記方向と前記牽引車輌の車軸に垂直な方向との角度ずれを出力する角度ずれ検出手段と、前記角度ずれを無くすように前記牽引車輌における車輪蛇角を制御する車輪蛇角制御手段とを備えることを特徴としている。
請求項5〜9に係る発明は、畦に沿って走行する走行機体の後方に牽引され、畦に沿って作物の収穫作業を行う牽引収穫機を前提としたものである。
そして、前述した特徴において、牽引車輌として前述の牽引収穫機を採用したことを特徴としている。
また、具体的な牽引収穫機の構成として、前記牽引収穫機の機体は、前記走行機体の後部にヒッチバーを介して連結されており、前記ヒッチバーと前記機体との連結部に、前記機体を垂直軸廻りに首振り調整する首振りシリンダと前記機体を上下に昇降調整する昇降シリンダとを設け、前記機体の前方に設けた畦又は畦上の作物の位置を検知する検知手段の検知信号に基づいて前記首振りシリンダ又は前記昇降シリンダを伸縮調整することによって、前記機体の畦合わせ調整又は高さ調整を行うことを特徴としている。
また、更に具体的な牽引収穫機の構成として、前記牽引収穫機は、前記機体に、作物を掘り上げる掘り上げ部と、掘り上げられた作物を搬送する搬送部と、搬送された作物を収容する収容部とを備え、前記検知手段は、前記掘り上げ部における掘り取り口に畦上の作物が向かうことを検出するセンサを備えることを特徴としている。
請求項10〜13に係る発明は、車輌の横滑り検出方法及び検出センサに関するものであり、検出方法としては、車輌の機体上で該車輌の機体上の点が地面上に描く移動軌跡の方向を検知し、該方向と前記車輌の車軸に垂直な方向との角度ずれを出力することを特徴としており、検出センサとしては、車輌の機体上で該車輌の機体上の点が地面上に描く移動軌跡の方向を検知する検知手段と、前記方向と前記車輌の車軸に垂直な方向との角度ずれを出力する出力手段とからなることを特徴としている。
また、検出センサとして、車輌の機体に対して垂直軸廻りに回動自在に軸支された支持部と、該支持部に装備され、盤面が地面と垂直になるように地面に刺される回動円盤と、前記支持部の回動を検出し、前記車輌の車軸に垂直な軸からの角度ずれを出力する出力手段とからなることを特徴としている。
また、検出センサとして、車輌の機体から地面を撮像する撮像手段と、該撮像手段によって得られた画像を画像処理して画像の流れ方向を検知する検知手段と、前記流れ方向と前記車輌の車軸に垂直な軸との角度ずれを出力する出力手段とからなることを特徴としている。
このような特徴を有する牽引車輌の車輪蛇角制御方法及び制御装置、牽引収穫機、車輌の横滑り検出方法及び検出センサは、以下に示す作用を有する。
すなわち、一つには、傾斜地において、斜面に交差する方向に走行機体を走行させる場合には、通常、走行機体は下方への横滑りを含んだ状態で走行しており、運転者のステイリング操作によって機体の方向を斜面の上側に向けることで走行機体の直進性を維持している。これに対して、本発明に係る牽引車輌又は牽引収穫機は、実際の移動方向を検知して、この移動方向と牽引車輌又は牽引収穫機における機体の方向(車軸に垂直な方向)との角度ずれを無くすように車輪蛇角が制御されるので、走行機体の機体方向の傾きに拘わらず、走行機体の進行方向に沿った姿勢で牽引車輌又は牽引収穫機を走行機体に追従させることができる。
また、傾斜地の斜面に交差する方向に沿って畦が形成されており、この畦に沿って牽引収穫機を走行させて収穫作業を行う際に、走行機体は、運転者による横滑り補正がなされたステアリング操作によって畦に沿った走行がなされることになるので、これに牽引される牽引収穫機は、走行機体の走行方向に沿った移動方向で牽引されることになる。そして本発明に係る牽引収穫機は、前述した車輪蛇角制御によって、牽引収穫機の機体方向が走行機体の走行方向(牽引収穫機の移動方向)と一致することになるので、傾斜地の斜面に交差する方向に形成された畦に対して、傾斜地横流れを防止して、畦に沿った適正な姿勢で牽引収穫機を走行させることができる。
ここで、牽引車輌又は牽引収穫機の実際上の移動方向を検知するには、牽引車輌又は牽引収穫機の機体上で該機体上の点が地面上に描く移動軌跡の方向を検知する。具体的には、牽引車輌又は牽引収穫機の機体に対して垂直軸廻りに回動自在に軸支された支持部と、該支持部に装備され、盤面が地面と垂直になるように地面に刺される回動円盤とからなる移動方向検知手段を用いることによって検知することができる。
この移動方向検知手段によると、地面に刺された回動円盤は、機体の移動に対して地面から受ける抵抗が最も少ない方に円盤方向を向けようとするので円盤方向は自然と実際上の移動方向に向くことになる。回動円盤の方向の変化に伴って回動円盤を支持する支持部が垂直軸廻りに回動されるので、この回動角度によって機体の実際の移動方向を検知することができる。
他の移動方向検知手段としては、牽引車輌又は牽引収穫機の機体から地面を撮像する撮像手段と、該撮像手段によって得られた画像を画像処理して画像の流れ方向を検知する検知手段とによって構成することができる。これによると、地面の画像を移動する機体上から撮像するので、この画像の流れ方向が機体の移動方向と一致することになり、機体の実際の移動方向を検知することができる。
車輪蛇角制御手段では、前述した移動方向検知手段によって得られた牽引車輌又は牽引収穫機の実際上の移動方向と牽引車輌又は牽引収穫機の車軸に垂直な軸方向との角度ずれが補正されるべき制御量になる。この角度ずれを無くするように牽引車輌又は牽引収穫機の車輪蛇角を制御することによって、牽引車輌又は牽引収穫機の機体方向を移動方向と一致させ、走行機体の走行方向に牽引車輌又は牽引収穫機の機体方向を一致させる。
そして、このような傾斜地流れを防止することができる車輪蛇角制御機能を、畦合わせ調整又は掘り取り高さ調整機能を備えた牽引収穫機に搭載させると、牽引収穫機の機体前部を畦合わせ調整又は掘り取り高さ調整によって適正に畦に合わせることができると共に、機体後部を車輪蛇角制御によって畦と平行にすることができるようになるので、傾斜地圃場においても高精度な収穫作業を行うことができるようになる。
すなわち、先ず、牽引収穫機における機体の前方に設けられた畦又は畦上の作物を検知する検知手段の出力によって首振りシリンダ又は昇降シリンダが伸縮調整され、機体の前方における畦合わせ調整又は掘り取り高さ調整が行われ、更に、前述した車輪操舵制御によって、機体の後方が移動して機体の方向制御がなされる。これによって、機体の前後方向と掘り取り口の位置を自動で畦に合わせることができるようになり、傾斜地の圃場であっても牽引収穫機の移動に伴ってこの状態が維持されることになるので、高精度の収穫作業を行うことが可能になる。
また、前述した実際上の移動方向を検知してこの方向と機体の車軸方向との角度ずれを出力する手段は、牽引車輌又は牽引収穫機に対してだけでなく、一般車両の横滑り検出方法又は検出センサとして採用することができる。これによると、車輌が斜面,凍結路面或いは雪道で横滑りする際の状況を出力する角度ずれによって定性的又は定量的に検出することができるようになる。
本発明によると前述の特徴を具備することにより、以下に示す効果を得ることができる。
一つには、走行機体の後方に牽引される牽引車輌において、傾斜地の斜面に交わる方向に走行される走行機体に追従して、その移動方向に沿って牽引車輌又は牽引収穫機の方向を合わせることができる。また一つには、走行機体の後方に牽引される牽引収穫機において、傾斜地の斜面に交わる方向に形成さえた畦に沿って走行される走行機体に追従して、その移動方向に沿って牽引収穫機の方向を合わせることで、牽引収穫機の作業精度を向上させることができる。また一つには、横滑り状態を含む車輌の走行に対して、車輌の実際上の進行方向を検知することで車輌の横滑り状態を検知することができる。
図2は、本発明の実施形態に係る牽引車輌の車輪蛇角制御方法、車輌の横滑り検出方法及び検出センサを説明する説明図である。図においては、トラクタ等の走行機体1の後方に装備される装着部11に牽引車輌2がヒッチバー3を介して連結されており、これによって、走行機体1の後方に牽引車輌2が牽引された状態で、走行機体1が斜面の傾斜方向と交差する方向にある走行基準線Uに沿って走行している状況を示している。この走行基準線Uは、牽引車輌2として牽引収穫機を考える場合には、斜面の傾斜方向と交差して形成された畦に相当する。
このような状況で、走行機体1を走行基準線Uに沿って走行させるには、斜面による下方への横滑りを考慮して、運転者は走行機体1を上方に舵取り操作しながら走行機体1の直進性を維持している。つまり、この状態では、走行機体1は、横滑りを含めた相対移動で直進性が維持される状態になっているので、走行機体1自体の機体方向1Aが進行方向U1に対して上方に角度θsだけ傾いた状態になっている。
この際に、走行機体1に牽引される牽引車輌2は、基本的には、走行機体1の進行方向U1に沿って移動されることになるが、何も制御を行わない場合には、破線で図示したように、傾斜方向下方に機体後部が横流れを起こして、牽引車輌2’の機体方向軸2A’(車軸に垂直な方向軸)と進行方向とは角度θmだけ角度ずれを起こしてしまうことになる。
そこで、本発明の実施形態では、牽引車輌2(2’)に横滑り検出センサ4(4’)を設けて、その出力によって操舵シリンダ22(22’)を作動させて、牽引車輌2(2’)の車輪21(21’)の蛇角を制御することで、牽引車輌2(2’)における機体方向軸2A’の方向を進行方向U1に一致させる。
この横滑り検出センサ4(4’)は、機能的には、牽引車輌2(2’)の機体上の点が地面に描く移動軌跡の方向を検知し、この方向と機体方向軸2A’(車軸に垂直な方向軸)との角度ずれを出力することによって、牽引車輌2(2’)の横滑り状態を検出するものである。すなわち、牽引車輌2(2’)の機体方向軸2A’は傾斜による横流れによって後部が下方に向こうとするが、横滑り検出センサ4(4’)は、機体上の点が地面に描く移動軌跡の方向を検知するので、機体方向軸2A’の向きとは無関係に実際上の機体の移動方向を検知することができ、この方向と機体方向軸2A’との角度ずれθmによって横滑りの状態を検知することができる。
そして、車輪21(21’)の蛇角制御は、前述の角度ずれを無くすように操舵シリンダ22(22’)を駆動させて牽引車輌2における機体方向軸2A’の方向を進行方向に一致させる。すなわち、図示の破線で示すように、角度ずれθmが大きくなると、車輪21’の舵取り方向を図示の矢印方向に向ける。これによって、牽引による移動に伴って機体の後部が斜面上方に上がり、角度ずれθmが小さくなる。角度ずれθmが小さくなるとそれに応じて舵取り操作を中立に復帰させて、常に機体方向軸2A’の方向が進行方向に一致するように制御する。ここでなされる蛇角制御自体は従来公知の方式を採用することができる。ここでの特徴は、牽引車輌2(2’)の機体上の点が地面に描く移動軌跡の方向(機体の実際上の移動方向)と機体方向軸2A’の方向との角度ずれθmに応じた蛇角制御を行うことにある。
このような、牽引車輌2の車輪蛇角制御方法、車輌の横滑り検出方法及び検出センサによると、走行機体1自体が横滑り状態で機体方向を傾けながら直進性を維持して走行しているような場合にも、走行機体1の機体方向とは無関係に、走行機体1の実際の走行方向に沿って牽引車輌2の機体方向を合わせることができる。これによって、走行機体1が運転者の舵取り操作によって走行基準線Uに沿って走行されていれば、これに牽引される牽引車輌2も走行基準線Uと機体を平行にして走行させることができるので、傾斜地横流れの問題を完全に解消することができる。
したがって、この牽引車輌2を、斜面の傾斜方向と交差して形成された畦に沿って作業を行う牽引収穫機として用いる場合には、走行機体1(トラクタ)を運転する運転者は、畦に沿って走行機体1を走らせていれば、牽引収穫機はこれに追従して、その畦に沿った方向に機体方向を維持しながら走行されることになるので、牽引収穫機の手動による車輪蛇角調整を不要にして楽に作業を行うことができ、また、安全に作業を進めることができると共に、収穫作業の作業精度を向上させることができる。
図3及び図4は、前述した制御方法を実行する車輌の車輪蛇角制御装置、或いは横滑り検知方法又は横滑り検出センサ4の具体的な構成を説明する説明図である(前述の説明と同一のものに対しては同一符号を付して一部重複した説明を省略する。)。
前述した制御方法を実行する車輌の車輪蛇角制御装置は、牽引車輌2の機体上で牽引車輌2の機体上の点が地面上に描く移動軌跡の方向を検知する移動方向検知手段と、前記方向と牽引車輌2の機体方向(車軸に垂直な方向)との角度ずれを検出する角度ずれ検出手段と、前記角度ずれを無くすように牽引車輌2における車輪21の蛇角を制御する車輪蛇角制御部23(車輪蛇角制御手段)とを備えるものであり、横滑り検出センサ4は、この移動方向検出手段と角度ずれ検出手段によって構成されている。
図3に示す実施形態では、横滑り検出センサ4を構成する移動方向検知手段は、牽引車輌2の機体2aに対して垂直軸廻りに回動自在に軸支された支持部42と、該支持部42に装備され、盤面が地面と垂直になるように地面に刺される回動円盤41とからなり、また角度ずれ検出手段は、支持部41の垂直軸廻りの回動を検出し、牽引車輌2の機体軸(車軸に垂直な軸)からの角度ずれを出力する角度ずれ出力部44(角度ずれ出力手段)からなる。
すなわち、走行機体1の後部にヒッチバー3を介して連結された牽引車輌2は、その機体2aに横滑り検出センサ4を備えており、この横滑り検出センサ4からの出力によって車輪蛇角制御部23が作動され、図2に示した操舵シリンダ22を伸縮させて車輪21の蛇角制御が行われる。
横滑り検出センサ4では、機体2aに取り付けた軸支部43に支持部42を垂直軸廻りに回動自在に軸支し、盤面が地面に対して垂直に刺された回動円盤41が支持部42に回動自在に軸支されており、支持部42の回動状態が角度ずれ出力部44に入力されるようになっている。そして、角度ずれ出力部44では、機体軸(車軸に垂直な軸)に対する支持部42の回動角を各種センサ(近接スイッチ,ポテンショメータ等のアナログ角度センサ等)で検知して、角度ずれに応じた信号を車輪蛇角制御部23に出力する。
これによると、地面に刺された回動円盤41は、機体2aの移動に対して地面から受ける抵抗が最も少ない方に円盤方向を向けようとするので円盤方向は自然と実際上の機体2aの移動方向に向くことになる。そこで、円盤方向と機体軸(車軸に垂直な軸)方向とが一致する支持部の回動状態を角度ずれ出力部44の中立状態(オフ状態又は出力ゼロの状態)にセットすることで、機体2aの移動方向と機体軸方向がずれると支持部42の回動角に応じて角度ずれが出力されることになる。
また図4に示す実施形態では、横滑り検出センサ4を構成する移動方向検知手段は、牽引車輌2の機体2aから地面を撮像する撮像カメラ45(撮像手段)と、撮像カメラ45によって得られた画像を画像処理して画像の流れ方向を検知する画像流れ検出部46とからなり、また角度ずれ検出手段は、前記の画像流れ方向と牽引車輌の機体軸(車軸に垂直な軸)との角度ずれを出力する角度ずれ出力部47(出力手段)からなる。
これによると、地面の画像を移動する機体2a上から撮像するので、この画像の流れ方向が牽引車輌2の移動方向と一致することになり、実際の移動方向を検知することができる。そこで、画像の流れ方向と機体軸(車軸に垂直な軸)方向とが一致する状態を角度ずれ出力部47の中立状態(オフ状態又は出力ゼロの状態)にセットすることで、機体2aの移動方向と機体軸方向がずれると、その角度ずれが角度ずれ出力部47から出力されることになる。そして、この出力によって車輪蛇角制御部23が作動され、図2に示した操舵シリンダ22を伸縮させて車輪21の蛇角制御が行われることは前述の実施形態と同様である。
以下に、本発明の実施例として、前述した牽引車輌の一例となる牽引収穫機を具体的に説明する。この牽引収穫機は、畦に沿って走行する走行機体(トラクタ)の後方に牽引され、畦に沿って作物の収穫作業を行うものであるが、ここでは、畦に沿って植えられたビートを掘り上げて収穫するビートハーベスタを例に挙げて説明する。
図5は、実施例の牽引収穫機の全体構成を示す説明図(側面図)である。この牽引収穫機20は、機体20aに、地中作物(ビート)を掘り上げる掘り上げ部と、掘り上げられた作物を搬送する搬送部と、搬送された作物を収容する収容部とからなる基本構成を備えると共に、前述した横滑り検出センサ4からの出力によって制御される車輪蛇角制御手段と、後述する畦検出センサからの出力によって制御される畦合わせ調整手段及び掘り取り高さ調整手段を備えるものである。
各部の構成を具体的に説明すると、機体20aの両側は車輪21で支持されており、機体20aの前部下方から後方へ向けて配備される堀上げコンベヤ202を備え、その前端部に固定された堀取り刃203とその両側に配設されるロータリコールタ204によって掘り取り口205が形成されている。掘り上げコンベヤ202の上方には揚上押えコンベヤ206が配備され、これらの後方にかご形エレベータ201が配備され、その上方受け部に前送りコンベヤ207の始端部が配備され、この前送りコンベヤ207の終端部に収容タンク208の受け口が配備されている。
これによって、牽引収穫機20を畦に沿って牽引することで、掘り取り口205で掘り取られたビート等が、掘り上げコンベヤ202又は揚上押えコンベヤ206,かご形エレベータ201,前送りコンベヤ207からなる搬送部を介して収容タンク208に収容されるようになっている。209は収容タンク208の前後に設けられた単動形のタンク油圧シリンダであり、これを延伸すると収容タンク208が上昇し、収容されたビート等を排出できるようになっている。210はトラクタからの外部油圧を受けて各部を動作させる油圧制御ユニットを示している。
また、機体20aはヒッチバー3を介して図示省略のトラクタ(走行機体)の後部ヒッチに連結されるが、このヒッチバー3は垂直面に摺動する平行リンク機構を形成するリンクバー3A,3Bからなり、先端がクレビス31でトラクタのヒッチに連結され、後端が機体20aに首振り自在に枢支されている。
図6は、この機体20aとヒッチバー3との連結部分を詳細に示す説明である(同図(a)が平面図、同図(b)が側面図)。ヒッチバー3は、首振りシリンダ33によって左右に揺動し、昇降シリンダ32によって上下に揺動するようになっている。ヒッチバー3は機体20a側が縦バー34に軸支されており、この縦バー34に固着された上部ヒッチバーアーム34Aおよび下部ヒッチバーアーム34Bを機体20aに縦軸35で枢支することで、機体20aに対してヒッチバー3を左右揺動自在に取り付けており、また、縦バー34に軸支されたリンクバー3A,3Bの平行リンク機構によって、機体20aに対してヒッチバー3を上下に揺動自在に取り付けている。
首振りシリンダ33は、基端部を機体20aの内側面に軸支し、ピストンロッドの先端部を下部ヒッチバーアーム34Bの後端部に軸支している。ヒッチバー3は、首振りシリンダ33のピストンロッドが伸びると、同図(a)の一点鎖線で示すように左側に揺動し、ピストンロッドが縮退すると右側に揺動する。トラクタにヒッチバー3を連結した前進状態において、機体20aはヒッチバー3の右側揺動および左側揺動で、それぞれ左方および右方に寄せられる。
昇降シリンダ32は、縦バー17の頂部に固設したブラケット36と、ヒッチバー3の上面中間部に固設したブラケット37に、それぞれ両端部が軸支され、延伸時に油圧が働いてヒッチバー3を下降し、油圧を抜くと機体重量で縮退しヒッチバー3が上昇するようになっている。これによって、トラクタへの連結時には、ヒッチバー3の下降に応じて機体20aの前部を上昇させ、ヒッチバー3の上昇に応じて機体20aの前部を下降させることができる。
また、図5に示すように、機体20aには、前述した横滑り検出センサ4を構成する回動円盤41,支持部42,軸支部43,角度ずれ出力部44が装備されると共に、図示省略の車輪蛇角制御部,操舵シリンダが装備されており、更には、前述の首振りシリンダ33と昇降シリンダ32を動作させるための畦検出センサ5が機体20aの前方位置に装備されている。
先ず、図7(同図(a)が側面図、同図(b)が機体20aの後方から見た正面図)によって、畦検出センサ5の一例を説明する。この畦検出センサ5は、畦に対する機体20a(特に、掘り取り口205)の左右位置を検出すると共に、畦に対する機体20aの高さ(特に、掘り取り口205の掘り取り高さ)を検出するものである。図において、図示省略の機体20aに取り付け部材51が取り付けられ、この取り付け部材51に一端が軸支される平行リンクプレート52A,52Bを介して昇降部材53が垂直に昇降自在に取り付けられ、この昇降部材53に対して揺動軸54Aの廻りに揺動自在に左右揺動体54が取り付けられ、この左右揺動体54の下端に左右一対のそり形接触子55A,55Bが配置されている。
また、昇降部材53は、取り付け部材51の下端に設けたブラケット51Aから上方に延びる支持棒56に支持部53Aが支持され、この支持棒56に巻かれたバネ57によって重力に抗したバネ支持がなされている。このバネ支持の支持力は、支持棒56の上部に設けた調整ネジ56Aによって調整できるようになっている。
また、左右揺動体54は、昇降部材53の上部に取り付けられた一対の懸垂復帰片58A,58Bの間に左右揺動体54から上方に延びる揺動体共動片54Bが挟まれ、懸垂復帰片58A,58B間の挟持力がバネ58Cで付勢されているので、このバネ力によってそり形接触子55A,55Bの接触がない場合には垂直に保持されるようになっている。
そして、昇降部材53の上部に設けたセンサ保持部53Bに、一対の上下センサ60A,60Bを所定間隔で上下に並べて配置し、取り付け部材51から延びるセンサ作動部材61の端部に設けられるセンサ作動体61Aを上下センサ60A,60B間に配置している。また、昇降部材53の側部に設けたセンサ保持部53Cに、一対の左右センサ62A,62Bを所定間隔で揺動軸54Aの廻りに並べて配置し、左右揺動体54と一体に揺動するセンサ作動部材63の端部に設けられるセンサ作動体63Aを左右センサ62A,62B間に配置している。
ここで用いられる上下センサ60A,60B又は左右センサ62A,62Bとしては、センサ作動体61A,63Aの接近又は接触によって信号を出力する近接スイッチやリミットスイッチ等を用いることができる。また、センサ作動体61A,63Aは図示のように台形状に形成しており、上下センサ60A,60B間又は左右センサ62A,62B間への挿入度合いを調整することで各センサのトリガ位置を調整できるようになっている。
このような構成の畦検出センサ5の機能を説明すると、掘り取り高さ調整に関しては、機体20aを下降させて移動させると、そり形接触子55A,55Bは畦の上面に追従して摺動することになるが、機体20aが設定位置より上昇するか畦の高さが低くなると、センサ作動体61Aが上側のセンサ60Aに近接することになり、これを検知して昇降シリンダ32を縮めて機体20aを降下させる調整がなされる。また、機体20aが下降し過ぎるか又は畦の高さが高くなると、センサ作動体61Aが下側のセンサ60Bに近接するので、これを検知して昇降シリンダ32を伸ばして機体20aを上昇させる調整がなされる。
また、畦合わせ調整に関しては、畦上の作物が掘り取り口205の中心付近から外れると、図7(b)に示すように、進行方向後側が狭まるようにハの字状に開いたそり形接触子55A,55Bの内側に作物Mが接触して左右揺動体54を左右一方に揺動させるので、センサ作動体63Aが一方の左右センサ62A,62Bに近接することになる。これを検知して、首振りシリンダ33の伸縮動作を行い、機体20aを左右に振って、畦上の作物の位置が掘り取り口205の中心付近に来るように調整する。
次に、図8(同図(a)が全体の部分断面図、同図(c)が角度ずれ出力部を示す平面図)によって、横滑り検出センサの一例を説明する。横滑り検出センサ4は、前述したように回動円盤41,支持部42,軸支部43,角度ずれ出力部44からなり、取り付け部材48によって図示省略の機体20aに取り付けられている。
同図(a)に示すように、回動円盤41は、ローリングコールタとして知られる薄厚で周端にエッジが形成された円盤状部材であり、軸受け部41Aを介して支持部42の下端部に回動自在に軸支されている。支持部42は上端部に垂直の支持軸42Aを備え、この支持軸42Aが軸支部43に軸支されて、軸支部43と支持部42との間に中立位置出し用のバネ49が取り付けられている。したがって、取り付け部材48に対して回動円盤41の盤面方向が変わると、軸支部43内で支持軸42Aが回動することになり、この回動によって支持軸42Aの上端に取り付けられた角度ずれ出力部44における回転盤44Aを回動させることになる。
そして、角度ずれ出力部44では、同図(b)に示すように、回転盤44Aの回転を巻き掛け伝動手段44Bで増幅して、センサ作動体44Cを回動させる。このセンサ作動体44Cは、小径半円部44Cと大径半円部44Cとが同心状に接合された形状を有しており、小径半円部44Cから大径半円部44Cに至る外周部に近接スイッチやリミットスイッチ等からなる一対の角度ずれセンサ44D,44Eが配備されている。
このような横滑り検出センサ4の機能を説明する。前述したように、薄厚の円盤状部材である回動円盤41を地面に刺した状態で機体20aを移動させると、回動円盤41の盤面方向は最も地面からの抵抗が小さくなる方向に向くので、その方向が機体20aの実際の移動方向と一致することになる。
したがって、機体20aが横滑りしている状態では、機体20aの車軸に垂直な方向と回動円盤41の盤面方向との間に角度ずれが生じる。したがって、この角度ずれが無い中立状態を、同図(b)に示すような角度ずれセンサ44D,44Eとセンサ作動体44Cとの位置関係(センサ44D,44Eが共にオン)に設定しておけば、角度ずれが生じた場合には、支持軸42Aの回動によって回動円盤44A及びセンサ作動体44Cが回動して、角度ずれセンサ44D,44Eの一方がセンサ作動体44Cの大径半円部44Cに近接すると共にセンサ44D,44Eの他方が開放されることになる(センサ44D,44Eの一方がオンで他方がオフになる。)。このセンサ状態を検出することで、横滑りに伴う機体20aの方向(車軸に垂直な方向)と移動方向との角度ずれを出力することができる。なお、角度ずれ出力部44としては、前述の例に限らず、支持軸42Aの回動を直接ポテンショメータ等のアナログ角度センサで検出するようにしてもよい。
図9は、本実施例に係る牽引収穫機20における車輪蛇角制御,畦合わせ調整及び掘り取り高さ調整を行う制御・調整部のシステム構成を示す説明図である。これによると、横滑り検出センサ4の角度ずれセンサ44D,44Eからの信号、畦検出センサ5の上下センサ60A,60B或いは左右センサ62A,62Bからの信号が、電気回路ユニット210Aに送られ、電気回路ユニット210Aからの出力制御信号が油圧回路ユニット210Bに送られ、油圧回路ユニット210Bで外部油圧の供給経路の切り替えがなされて、昇降シリンダ32、首振りシリンダ33、操舵シリンダ22の伸縮制御がなされる。
電気回路ユニット210は、PLC(プログラマブルコントローラ)とリレーユニットを備えるものであり、各センサからの信号がPLCに送られ、PLCの設定プログラムに従ってリレーユニットが制御される。そして、リレーユニットからの出力によって油圧回路ユニット210Bにおける油圧制御バルブが制御され、各シリンダの作動が行われることになる。
このような構成を備えた牽引収穫機20における車輪蛇角制御,畦合わせ調整及び掘り取り高さ調整に係る動作を説明する。ここでは、傾斜地の傾斜方向と交差する方向に形成された直線状の畦に沿って収穫作業を行う場合を例にして説明する。
トラクタ等の走行機体に牽引される牽引収穫機によって前述した畦に沿って収穫作業を行うには、走行機体の前後輪が畦を跨ぐようにして走行機体を畦に沿って走行させることで、その後方に牽引される牽引収穫機20を畦に沿って進行させる。この際、先ず、牽引収穫機20の進行に先立って、機体20aを上げた状態から昇降シリンダ32を徐々に縮めて機体20aの前部を降下させる。これによって、畦検出センサ5のそり形接触子55A,55Bの底面が畦上に乗り、畦検出センサ5におけるセンサ作動体61Aの位置が上下センサ60A,60Bの中立位置になった時点で昇降シリンダ32の作動が停止され、機体20a前部の畦に対する高さが設定された状態になる。
この状態で走行機体を畦に沿って走行させ、牽引収穫機20を進行させると、畦検出センサ5のそり形接触子55A,55Bはその重力によって常に畦上面に乗った状態で畦の凹凸に追従して機体20aと共に移動するので、畦の凹み等で畦と機体20aとが離れると、上下センサ60A,60Bの上側のセンサ60Aにセンサ作動体61Aが近接して、昇降シリンダ32を縮める制御がなされて機体20aの前部を下降させ、また、畦の盛り上がり等で畦と機体20aが近づくと、上下センサ60A,60Bの下側のセンサ60Bにセンサ作動体61Aが近接して、昇降シリンダ32を伸ばす制御がなされて機体20aの前部を上昇させる。これによって、機体20aに固定された掘り取り口205の畦に対する掘り取り高さを常に設定状態にする掘り取り高さの調整が自動で行われることになる。
更に、牽引収穫機20の進行に伴って、畦に植えられた地中作物(ビート)Mがそり形接触子55A,55Bの間を非接触で通過すると、掘り取り口205の中央付近に地中作物Mが向かって、適正な掘り上げ作業がなされるが、これが左右にずれると掘り上げ作業の精度が低下することになる。これに対して、後方が狭くハの字状に開いた一対のそり形接触子55A,55Bの内側が作物Mに接触すると、これによって左右揺動体54が揺動し、センサ作動体63Aが一方の左右センサ62A,62Bに近接することになるので、これに応じて首振りシリンダ33の伸縮制御がなされ、機体20aの前部を左右一方側に振って、畦上の作物の位置が掘り取り口205の中心付近に来るように調整する。これによって機体20aの左右方向の畦合わせ調整が自動で行われることになる。
このような畦検出センサ5による機体20a前部における上下の掘り取り高さ調整及び左右の畦合わせ調整がなされたとしても、傾斜地における作業では、傾斜による横流れによって機体20aの後部が傾斜の下方に向いてしまい、機体20aの方向(車軸に垂直な方向)が実際の移動方向と異なる横滑り状態になってしまう。これを補正するのが横滑り検出センサ4による車輪蛇角制御である。
すなわち、前述した傾斜地横流れの状態が生じると、機体20aの方向(車軸に垂直な方向)と実際の進行方向に角度ずれが生じるが、これに応じた信号を横滑り検出センサ5の角度ずれ出力部44が出力することになるので、この信号によって操舵シリンダ22が作動して、牽引収穫機20における車輪21が斜面の上方に向けて操舵される。この操舵によって、機体20aの後部が上方に揺動し、機体20aの方向を実際の移動方向に一致させる補正がなされる。この補正がなされて、前述の角度ずれが小さくなると、角度ずれ検出部44の角度ずれセンサ44D,44Eは中立状態を検出し、操舵シリンダ22を作動させて車輪の蛇角を車軸に垂直な方向に復帰させる。
このように実施例の牽引収穫機20によると、前述した掘り取り高さ調整及び畦合わせ調整に加えて、傾斜地横流れの補正が自動で行われることになる。したがって、牽引収穫機20における機体20aの前部は、前述した掘り取り高さ調整及び畦合わせ調整によって畦に対して適正な位置に位置調整され、この機体20a前部の位置を保持した状態で、横滑り検出センサ4による車輪蛇角制御によって機体20aの後部を揺動させ、機体20aの方向を畦に沿って平行な姿勢にすることができる。
そして、この車輪蛇角制御による傾斜地横流れの補正は、牽引収穫機20を牽引する走行機体の機体方向に関わりなく、牽引収穫機20における機体20aの移動方向に沿ってなれるので、走行機体が運転者の舵取り操作によって機体の方向を斜面の上側に向けて畦に沿った直進性を維持しながら走行している場合にも、この走行機体に牽引される牽引収穫機20を畦に沿って横流れ無く走行させることができる。これによって、牽引収穫機20の傾斜地圃場における作業精度を著しく向上させることができる。
このような実施形態又は実施例によると、走行機体1の後方に牽引される牽引車輌2において、傾斜地の斜面に交わる方向に走行される走行機体1に追従して、その移動方向に沿って牽引車輌2の機体方向を合わせることができる。また、走行機体1の後方に牽引される牽引収穫機20において、傾斜地の斜面に交わる方向に形成された畦に沿って走行される走行機体1に追従して、その移動方向に沿って牽引収穫機20の機体方向を合わせることで、牽引収穫機20の作業精度を向上させることができる。更には、横滑り検出センサ4によると、横滑り状態を含む車輌の走行に対して、車輌の実際上の進行方向を検知することで車輌の横滑り状態を検知することができる。
従来技術の説明図である。 本発明の実施形態に係る牽引車輌の車輪蛇角制御方法、車輌の横滑り検出方法及び検出センサを説明する説明図である。 本発明の実施形態に係る制御方法を実行する車輌の車輪蛇角制御装置、或いは横滑り検知方法又は横滑り検出センサ4の具体的な構成を説明する説明図である。 本発明の実施形態に係る制御方法を実行する車輌の車輪蛇角制御装置、或いは横滑り検知方法又は横滑り検出センサ4の具体的な構成を説明する説明図である。 本発明の実施例に係る牽引収穫機の全体構成を示す説明図(側面図)である。 実施例における機体とヒッチバーとの連結部分を詳細に示す説明である(同図(a)が平面図、同図(b)が側面図)。 畦検出センサの一例を説明する説明図(同図(a)が側面図、同図(b)が機体の後方から見た正面図)である。 横滑り検出センサの一例を説明する説明図(同図(a)が全体の部分断面図、同図(c)が角度ずれ出力部を示す平面図)である。 本実施例に係る牽引収穫機における車輪蛇角制御,畦合わせ調整及び掘り取り高さ調整を行う制御・調整部のシステム構成を示す説明図である。
符号の説明
1 走行機体
11 装着部
2 牽引車輌
2a 機体
20 牽引収穫機
20a 機体
21 車輪
22 操舵シリンダ
23 車輪蛇角制御部
201 かご形エレベータ
202 堀上げコンベヤ
203 堀取り刃
204 ロータリコールタ
205 掘り取り口
206 揚上押えコンベヤ
207 前送りコンベヤ
208 収容タンク
209 タンク油圧シリンダ
210 油圧制御ユニット
210A 電気回路ユニット
210B 油圧回路ユニット
3 ヒッチバー
31 クレビス
32 昇降シリンダ
33 首振りシリンダ
34 縦バー
34A 上部ヒッチバーアーム
34B 下部ヒッチバーアーム
35 縦軸
36,37 ブラケット
4 横滑り検出センサ
41 回動円盤
42 支持部
43 軸支部
44 角度ずれ出力部
44A 回転盤
44B 巻き掛け伝動手段
44C センサ作動体
44D,44E 角度ずれセンサ
45 撮像カメラ
46 画像流れ検出部
47 角度ずれ出力部
48 取り付け部材
5 畦検出センサ
51 取り付け部材
51A ブラケット
52A,52B 平行リンクプレート
53 昇降部材
54 左右揺動体
54A 揺動軸
54B 揺動体共動片
55A,55B そり形接触子
56 支持棒
57,58C バネ
58A,58B 懸垂復帰片
60A,60B 上下センサ
61,63 センサ作動部材
61A,63A センサ作動体
62A,62B 左右センサ

Claims (13)

  1. 走行機体の後方に牽引される牽引車輌の車輪蛇角制御方法において、
    前記牽引車輌の機体上で該牽引車輌の機体上の点が地面上に描く移動軌跡の方向を検知し、該方向と前記牽引車輌の車軸に垂直な方向との角度ずれに対して、該角度ずれを無くすように前記牽引車輌における車輪蛇角を制御することを特徴とする牽引車輌の車輪蛇角制御方法。
  2. 走行機体の後方に牽引される牽引車輌の車輪蛇角制御装置において、
    前記牽引車輌の機体上で該牽引車輌の機体上の点が地面上に描く移動軌跡の方向を検知する移動方向検知手段と、前記方向と前記牽引車輌の車軸に垂直な方向との角度ずれを検出する角度ずれ検出手段と、前記角度ずれを無くすように前記牽引車輌における車輪蛇角を制御する車輪蛇角制御手段とを備えることを特徴とする牽引車輌の車輪蛇角制御装置。
  3. 前記移動方向検知手段は、前記牽引車輌の機体に対して垂直軸廻りに回動自在に軸支された支持部と、該支持部に装備され、盤面が地面と垂直になるように地面に刺される回動円盤とからなり、前記角度ずれ検出手段は、前記支持部の回動を検出し、前記牽引車輌の車軸に垂直な軸からの角度ずれを出力する出力手段からなることを特徴とする請求項2に記載された牽引車輌の車輪蛇角制御装置。
  4. 前記移動方向検出手段は、前記牽引車輌の機体から地面を撮像する撮像手段と、該撮像手段によって得られた画像を画像処理して画像の流れ方向を検知する検知手段とからなり、前記角度ずれ検出手段は、前記流れ方向と前記牽引車輌の車軸に垂直な軸との角度ずれを出力する出力手段からなることを特徴とする請求項2に記載された牽引車輌の車輪蛇角制御装置。
  5. 畦に沿って走行する走行機体の後方に牽引され、畦に沿って作物の収穫作業を行う牽引収穫機であって、
    前記牽引収穫機の機体上で該牽引収穫機の機体上の点が地面上に描く移動軌跡の方向を検知する移動方向検知手段と、前記方向と前記牽引収穫機の車軸に垂直な方向との角度ずれを検出する角度ずれ検出手段と、前記角度ずれを無くすように前記牽引収穫機における車輪蛇角を制御する車輪蛇角制御手段とを備えることを特徴とする牽引収穫機。
  6. 前記移動方向検知手段は、前記牽引収穫機の機体に対して垂直軸廻りに回動自在に軸支された支持部と、該支持部に装備され、盤面が地面と垂直になるように地面に刺される回動円盤とからなり、前記角度ずれ検出手段は、前記支持部の回動を検出し、前記牽引収穫機の車軸に垂直な軸からの角度ずれを出力する出力手段からなることを特徴とする請求項5に記載された牽引収穫機。
  7. 前記移動方向検出手段は、前記牽引収穫機の機体から地面を撮像する撮像手段と、該撮像手段によって得られた画像を画像処理して画像の流れ方向を検知する検知手段とからなり、前記角度ずれ検出手段は、前記流れ方向と前記牽引収穫機の車軸に垂直な軸との角度ずれを出力する出力手段からなることを特徴とする請求項5に記載された牽引収穫機。
  8. 前記牽引収穫機の機体は、前記走行機体の後部にヒッチバーを介して連結されており、前記ヒッチバーと前記機体との連結部に、前記機体を垂直軸廻りに首振り調整する首振りシリンダと前記機体を上下に昇降調整する昇降シリンダとを設け、前記機体の前方に設けた畦又は畦上の作物の位置を検知する検知手段の検知信号に基づいて前記首振りシリンダ又は前記昇降シリンダを伸縮調整することによって、前記機体の畦合わせ調整又は高さ調整を行うことを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載された牽引収穫機。
  9. 前記牽引収穫機は、前記機体に、地中作物を掘り上げる掘り上げ部と、掘り上げられた作物を搬送する搬送部と、搬送された作物を収容する収容部とを備え、前記検知手段は、前記掘り上げ部における掘り取り口に畦上の作物が向かうことを検出するセンサを備えることを特徴とする請求項8に記載された牽引収穫機。
  10. 車輌の機体上で該車輌の機体上の点が地面上に描く移動軌跡の方向を検知し、該方向と前記車輌の車軸に垂直な方向との角度ずれを出力することを特徴とする車輌の横滑り検出方法。
  11. 車輌の機体上で該車輌の機体上の点が地面上に描く移動軌跡の方向を検知する検知手段と、前記方向と前記車輌の車軸に垂直な方向との角度ずれを出力する出力手段とからなることを特徴とする車輌の横滑り検出センサ。
  12. 車輌の機体に対して垂直軸廻りに回動自在に軸支された支持部と、該支持部に装備され、盤面が地面と垂直になるように地面に刺される回動円盤と、前記支持部の回動を検出し、前記車輌の車軸に垂直な軸からの角度ずれを出力する出力手段とからなることを特徴とする車輌の横滑り検出センサ。
  13. 車輌の機体から地面を撮像する撮像手段と、該撮像手段によって得られた画像を画像処理して画像の流れ方向を検知する検知手段と、前記流れ方向と前記車輌の車軸に垂直な軸との角度ずれを出力する出力手段とからなることを特徴とする車輌の横滑り検出センサ。
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