JP2005125322A - 有機性廃棄物の処理方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 微生物を利用して有価物を生産する工程から排出される残渣を大幅に低減し、環境負荷が極めて低い有機性廃棄物の処理方法及び装置を提供することである。
【解決手段】 有機性廃棄物から微生物を用いて有価物を生産する有価物生産工程を含む有機性廃棄物の処理方法において、該有価物生産工程から排出される残渣を含む廃液の一部を、100℃以上該廃液の臨界温度未満の温度において、前記廃液が液相を維持する圧力の下、直流電流を供給する水熱電気分解工程に送り、該水熱電気分解工程から水熱電気分解処理液を有価物生産工程に返送することを特徴とする有機性廃棄物の処理方法、及び装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、有機性廃棄物の水熱電気分解処理に係わり、特に、下水汚泥、有機性固形物が多い産業廃棄物等を含む有機性廃棄物の水熱電気分解処理方法及び装置に関する。
有機性廃棄物を原料としたメタン発酵においては、余剰菌体及び原料の未分解物を含む残渣が必ず排出される。従来はこれらの残渣を含む廃液(汚泥)は産業廃棄物として処分されるか、さらに好気性生物処理のような後処理をしてから、固液分離した処理水は放流処理され、また固形物は余剰汚泥とし、産業廃棄物として処分されていた。
近年、産業廃棄物処分場の面積が逼迫し、産業廃棄物処分量の大幅な削減が必要となってきたため、残渣を含む廃液(汚泥)の一部をオゾン処理や超音波処理あるいは水熱反応処理のような物理化学処理による可溶化工程を経た後、メタン発酵槽へ戻すことにより、メタン回収量を増加させると共に余剰汚泥発生量を減少させるプロセスが提案されている。
同様のプロセスは活性汚泥法などの好気性の廃水処理プロセスで実用化されているが、好気性処理は有機物(汚泥)の分解率を上げること自体が目的である。これに対し、メタン発酵のような資源・エネルギー回収型廃棄物処理では、可溶化工程を設けることによりメタンの回収率を上げ、プロセス全体のエネルギー効率を高め、かつCO排出量を削減することが必要である。しかしながら、従来のオゾン処理や超音波処理あるいは水熱反応処理のような物理化学処理による可溶化工程では、投入するエネルギーに比べ、メタン回収率又は汚泥減容化率のいずれにおいても十分な効果が得られていない。
さらに、メタン発酵においては有機物中の炭素をメタンとして回収するが、窒素やリンは菌体に転換する以外に除去することができない。前述のように物理化学処理による可溶化工程を経た後、メタン発酵槽へ戻すと、炭素のメタンヘの転換が促進されるため、メタン発酵汚泥中の溶解性の窒素やリンの濃度が相対的に高くなる。このようなメタン発酵汚泥の後処理として循環式硝化脱窒素法のような生物学的な窒素除去処理を行う場合、脱窒素工程でメタノール等の有機物の添加を必要とするため、経済的にも問題があった。
一方、産業廃液のように、アンモニア等の還元性物質、ハロゲン化物イオンを含む水溶液について水熱反応と電気分解とを同時に行ったところ、高温では酸素ガスの発生が抑制されるとともに、アンモニアがあると水素が発生する。還元性物質が何も存在しない場合のみに水熱電気分解で水素と酸素の両方が抑制される。
WO99/07641号パンフレット
以上に述べたように、従来は有機性廃棄物から微生物を用いて有価物、特にメタンなどの気体燃料を生産する工程から排出される残渣を含む廃液(汚泥)は、有機物濃度が高い、有機物と窒素やリンの濃度のバランスが悪いなど、極めて処理困難な廃液(汚泥)であるため、経済的な処理方法を確立出来ず、主として産業廃棄物として処分されていたが、処分量の大幅な削減が必要となってきていた。
すなわち、本発明は微生物を利用して有価物を生産する工程から排出される残渣を大幅に低減し、環境負荷が極めて低い有機性廃棄物の処理方法及び装置を提供するものである。
上記課題を解決するために、本発明者らは残渣を含む廃液の一部を、100℃以上前記廃液の臨界温度未満の温度において、前記廃液が液相を維持する圧力の下、直流電流を供給する水熱電気分解した後に有価物生産工程へ戻すことにより、有価物生産量を増加させると共に、廃液の有機物濃度、窒素濃度を大幅に削減できること、同時に水素エネルギーを回収できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は下記の手段により上記の課題を解決した。
(1)有機性廃棄物から微生物を用いて有価物を生産する有価物生産工程を含む有機性廃棄物の処理方法において、該有価物生産工程から排出される残渣を含む廃液の一部を、100℃以上該廃液の臨界温度未満の温度において、前記廃液が液相を維持する圧力の下、直流電流を供給する水熱電気分解工程に送り、該水熱電気分解工程から水熱電気分解処理液を有価物生産工程に返送することを特徴とする有機性廃棄物の処理方法。
(2)該水熱電気分解工程における有機物(COD)分解率が、有価物生産工程から排出される残渣を含む廃液のCODに対して1%以上50%以下であることを特徴とする前記(1)記載の有機性廃棄物の処理方法。
(3)前記水熱電気分解工程において水素ガスを回収することを特徴とする前記(1)又は(2)記載の有機性廃棄物の処理方法。
(4)有機性廃棄物から微生物を用いて有価物を生産する有価物生産装置、該有価物生産装置から排出される残渣を含む廃液を供給し、100℃以上該廃液の臨界温度未満の温度において、前記廃液が液相を維持する圧力の下、直流電流を供給する水熱電気分解装置、該水熱電気分解装置から前記廃液の一部を有価物生産装置に返送する配管を設けたことを特徴とする有機性廃棄物の処理装置。
(5)有機性廃棄物から微生物を用いて有価物を生産する有価物生産装置が、水素及び/又はメタンを生産する装置であることを特徴とする前記(4)記載の有機性廃棄物の処理装置。
本発明においては、有価物を生産する工程から排出される残渣を大幅に低減し、環境負荷が極めて低い有機性廃棄物の処理方法及び装置を提供することができる。特に固体性あるいは高濃度の有機性廃棄物から微生物を利用して水素やメタンなどの気体燃料を生産する工程は、大量の残渣を含む廃液を排出するため、残渣あるいは環境負荷低減の効果がより発揮される。また、水素やメタンなどの気体燃料の回収率を高めると同時に、さらに水素ガスを回収できるため、CO排出量削減に大きく貢献することができる。
発明を実施するための最良の形態を図面を参照して詳細に説明する。
なお、実施の形態および実施例を説明する全図において、同一機能を有する構成要素は同一の符号を付けて説明する。
本発明において生産する有価物は、アミノ酸、有機酸、アルコール、水素あるいはメタンなど、微生物を用いて有機性廃棄物を含む未利用資源から生産される有価物であればいずれも適用することができるが、特に固体性あるいは高濃度の有機性廃棄物から生産する水素やメタンなどの気体燃料が、より好ましい。
本発明において、有価物生産装置として有機性廃棄物から水素やメタンなどの気体燃料を生物学的方法を用いて生産する好ましい態様としては、酸発酵法や水素発酵法、メタン発酵法などが挙げられる。これらはいずれもが嫌気性処理法と称される発酵法であり、温度30〜70℃、pH5〜8.5、酸化還元電位−100〜−600mVでの嫌気性雰囲気下で有価物である水素やメタンなどの気体燃料を生産する。これらの嫌気性発酵系では微生物菌体(余剰汚泥)、アンモニア態窒素も生成され、さらには難分解性の固形物が未分解残渣として残存する。
ここで水素発酵法とは、有機性廃棄物の固形物が加水分解された後、酸発酵、エタノール発酵、乳酸発酵などの嫌気性発酵過程で水素生成を行わせる生物反応プロセスである。水素発酵工程では、反応温度30〜70℃、pH4.5〜7、より好ましくはpH5〜6、水理学的滞留時間(HRT)1〜5日で行うことが好ましい。特に、有機性廃棄物の種類によっては可溶化段階が反応律速となりやすいことから、温度45〜70℃の高温反応でHRT 2〜5日で行うことが好ましい。酸発酵、乳酸発酵、エタノール発酵、水素発酵などの工程では、水素、二酸化炭素、硫化水素の他に、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸などの有機酸、エタノール、プロパノール、2、3-ブタンジオール、アセトン、ブタノールなどのアルコール類が主に生成される。
メタン発酵ではメタン、二酸化炭素、硫化水素、アンモニアなどのバイオガスが主に生産される。メタン発酵では、分解された有機物1kgあたり0.35m3(標準状態)のメタンが生産される。メタン発酵法については、発酵温度30〜70℃、好ましくは35〜40℃の中温性メタン発酵領域または50〜65℃の高温性メタン発酵領域で行う。これは、多くの中温性または高温性メタン生成細菌群やその他の嫌気性細菌群の生育至適温度がこれらの範囲内にあるためである。pH条件はpH6〜9より好ましくはpH7〜8、HRTは5〜30日より好ましくは10〜25日の操作条件で運転することが好ましい。
本発明に係わる有機性廃棄物処理のメタン発酵工程では、反応処理形式として、浮遊床型、固定床型、流動床型、UASB(上向流式嫌気性スラッジブランケット)型のいずれにおいても適用可能である。この選択に際しては、特にSS(Suspended Solids)濃度、油脂濃度に注意を払う必要がある。具体的には、SS濃度2,000mg/L以上の場合には浮遊床型メタン発酵を適用することが好ましい。また、油脂濃度としては、1,000mg/L以上の場合には浮遊床型メタン発酵を適用することが好ましい。メタン発酵槽内においては中性脂肪や高級脂肪酸は温度が高いほうが分散性が増すため、油脂成分の多く含まれる廃棄物原料を適用する場合には、50〜65℃の高温メタン発酵方法を選択することが好ましい。
本発明において微生物を用いて有価物を生産する工程から排出される残渣を含む廃液の一部を経由させる水熱電気分解方法においては、水熱反応と電気分解とを同時に行うことにより、有機物、アンモニア等の還元性物質を効果的に酸化分解することができるが、有機物、アンモニア等の還元性物質の酸化反応を促進するため、さらに酸素ガス、オゾンガス、過酸化水素、あるいは次亜ハロゲン酸などの酸化剤を添加してもよい。しかしながら水熱電気分解方法においては、ハロゲン化物イオン等の塩類を含有する場合は、ハロゲン化物イオンが、還元性物質の酸化分解に関与して分解を促進する(水熱電気分解方法及び装置、WO99/07641)ため、本発明のように微生物を用いて有価物を生産する工程から排出される残渣を含む廃液では、酸化剤の添加は少量あるいはほとんど添加しなくても、良好に酸化分解反応が進行する。
また、本発明における水熱電気分解反応では、酸あるいはアルカリを添加して水熱分解反応を行うこともできる。また、本発明においては、酸化剤の添加を極めて少量あるいは酸化剤無添加で水熱電気分解反応を行うこともできる。
本発明では、水と、塩化物イオン等のハロゲン化物イオンと、有機物、アンモニア等の還元性物質とを有する水媒体を所定の高温高圧下で水熱反応と電気分解を同時に行う。このような100℃以上前記廃液の臨界温度未満の温度(「亜臨界条件」ともいう)で水熱電気分解を行う場合、常温常圧とは異なった電気分解反応が起きることが報告されている。電気分解では、一般に、陽極で酸化反応が進行し、酸素ガス、次亜ハロゲン酸等のハロゲン系酸化剤が生成する。また、水熱反応の高温高圧下において、酸素ガス等の酸化剤が共存する場合には、酸化反応が進行しやすい。そして、本発明では、水熱反応と電気分解とを同時に行うことにより、有機物、アンモニア等の還元性物質を効果的に酸化分解することができる。
本発明の水熱電気分解で進行しうる電極反応を以下に記述する。陽極では以下の反応(1)、(2)が進行すると思われる。
2X→X+ 2e ・・・・・・・・(1)
(式中、Xは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子又はこれらの任意の組み合わせである。)
有機物 +HO →CO↑ + H+ e・・・(2)
式(1)では、ハロゲン化物イオンが酸化されて、ハロゲン分子が生成する。例えば、Xが塩素原子の場合には、塩素ガスが生成する。式(2)では、有機物が、直接、陽極で酸化される。式(1)により、陽極と電解質との界面に生成したハロゲン分子は、その近傍の水と反応して、次亜ハロゲン酸とハロゲン化水素とを生成する。
+ HO →HX + HXO・・・・・・(3)
(式中、Xはハロゲン原子を表す。)
そして、次亜ハロゲン酸は、優れた酸化剤であり、水媒体に含有する還元性物質を酸化分解することができる。例えば、還元性物質が有機物の場合には、下記の反応で有機物が酸化されると思われる。
有機物 + HXO → CO↑ + HX・・・(4)
(式中、Xは、上記の意味を有する。)
また、還元性物質がアンモニアの場合には、下記の反応でアンモニアが酸化されると思われる。
2NH+3HXO→ N↑+3HX+3HO・・(5)
次亜ハロゲン酸は、特に、酸性溶液中で酸化剤として優れており、次亜ハロゲン酸が生成する陽極の近傍では、式(2)、式(3)、等により水素イオンが生成するので、酸性になり易い。従って、陽極の近傍では、次亜ハロゲン酸が酸化剤として特に作用し易いと思われる。
Xが、塩素原子の場合には、次亜ハロゲン酸による酸化反応が還元性物質の分解に特に関与していると思われる。
一方、Xが臭素原子又はヨウ素原子の場合には、ハロゲン酸イオンが還元性物質の分解に関与している可能性もある。次亜ハロゲン酸イオンは、塩基性溶液中で不均化してハロゲン酸イオンとハロゲン化物イオンを生成する。
3XO →2X + XO3− ・・・・・・・・(6)
例えば、次亜ハロゲン酸が陰極の近傍に拡散等により移動した場合には、式(6)の反応が起こる場合があると思われる。陰極の近傍では、陰極反応により、水酸化物イオンが生成するので、塩基性になりやすいからである。式(6)の不均化反応の速度は、塩素、臭素、ヨウ素の順序に速くなり、臭素、ヨウ素では定量的にハロゲン酸イオンを得ることができる(F.A.コットン,G.ウィルキンソン,P.L.ガウス,基礎無機化学,培風館,1991年,第2版,379頁)。そして、ハロゲン酸は強酸で、強力な酸化剤である。
水が電気分解されれば、酸素ガスが生成する。この場合で、陽極と電解質との界面では、まず、酸素原子が生成していると思われる。かかる酸素原子は、酸素分子よりも、酸化剤としての活性が高く、還元性物質を効率的に酸化することができる。また、酸素分子が生成した場合であっても、水熱酸化反応により、還元性物質を酸化することができる。
還元性物質が有機物である場合には、酸素による酸化反応は下記式によって進行する。
有機物 + O → CO↑ + HO・・・・・・(7)
また、式(2)に示すように、有機物、アンモニア等の還元性物質は、電極反応によって、直接、陽極で酸化される場合がある。例えば、還元性物質がアンモニアの場合には、
下記式の反応が進行しうる。
2NH →N↑ + 6H + 6e・・・・(8)
このように、本発明の水熱電気分解では、陽極または陽極近傍において、還元性物質が劾率的に酸化分解される反応機構が多く存在する。
一方、陰極で起こり得る反応として以下のものが考えられる。
水が電気分解されれば、陰極で水素を発生する。
2HO + 2e→ H↑ + 2OH・・・・・(9)
ここで反応器本体を陰極とすることによって、いわゆるカソード防食が可能となる。更に、酸化剤が陰極で還元される反応も進行する場合があると思われる。ここで、酸化剤には、陽極で発生した次亜ハロゲン酸等の酸化剤、及び、必要に応じて、外部から投入された酸化剤が含まれる。その反応の例を下記式(10)、(11)に示す。
次亜ハロゲン酸は、陰極で還元される。
HXO + e → X + OH・・・・・・・(10)
また、水媒体に溶存している酸素(下記式中、O2(aq.)で示す。)も還元される。
1/2O2(aq.)+HO+2e→ 2OH・・・・・(11)
陰極において、酸化剤が還元される式(10)、(11)の反応は、式(9)の水素を発生する反応と競合する。
水熱電気分解では、水素を生成する反応より、酸化剤が還元される式(10)、式(11)等の反応が、優先的に進行する。これに伴って、水熱電気分解では、水素の発生が抑制され、酸素ガスと水素ガスが反応器内に同時に混存する可能性が低くなり、爆発の危険が低減する。また、次亜ハロゲン酸等の酸化剤が陰極で分解するので、処理水中の酸化剤を無害化する二次処理が不要となる。例えば、室温での電気分解では、次亜ハロゲン酸イオンが高濃度に発生する。これに対して、高温での電気分解では、次亜ハロゲン酸イオンの発生がほとんど検出されなかった。
反応機構はともかく、本発明により、有機物、アンモニア等の還元性物質は酸化分解され、水素ガス又は酸素ガスの発生は抑制することができる。
水熱電気分解装置は、水熱反応の圧力に耐えることができる反応器を有し、反応器は、水媒体を保持できる本体とふたとを有する。本体の上部には、フランジが設けられている。本体のフランジと、ふたの端部とは締結具、例えば、ボルトとナットにより固定する。反応器としては、例えば、オートクレーブを用いることができる。反応器は、水熱反応の圧力に耐えて、密閉空間を形成しうる。
反応器の内部には、電気分解をするための一対の電極が設けられている。反応器の本体が金属製の内壁を有し、この内壁が、陰極として作用することができる。例えば、本体全体が金属製であってもよい。この場合には、本体の内壁の腐食を防止することができる。
陽極の材質としては不溶性電極であれば何でもよく、例えば、陽極の表面がルテニウム、イリジウム、白金、パラジウム、ロジウムの金属元素もしくはこれらの酸化物、あるいはこれらの金属の合金で被覆されていることが好ましい。
又、本発明に使用する水熱電気分解装置は、運転条件により陽極と陰極の間に隔膜を設けてもよい。
次に、水熱電気分解の操作条件について説明する。
ハロゲン化物イオン及び還元性物質を含む有機性廃棄物の水媒体に、100℃以上前記水媒体の臨界温度未満の温度、好ましくは、100〜350℃の温度において、前記水媒体が液相を維持する圧力の下、直流電流を供給する。
電気分解の条件として、陽極の電流密度は0.1mA/dm〜500A/dmであることが好ましい。電流密度が500A/dmより高い場合には、陽極の表面が剥離したり、溶出し易くなる。一方、電流密度が0.1mA/dmmより低い場合には、陽極の面積を大きくする必要があり、装置が大型化する。電流密度は、10mA/dm〜100A/dmであることが更に好ましく、100mA/dm〜50A/dmであることが一層好ましい。圧力は1MPa〜22MPaの範囲であり、温度・圧力の組み合わせとしては、150℃〜250℃、1MPa〜6MPaの範囲が好ましい。
温度・圧力が低いと、有機性廃棄物の水媒体の可溶化があまり進行せず、温度・圧力が高すぎると、有機性固形物や可溶化成分が無機化されてしまう。
本発明の有機性廃棄物の処理方法を実施するのに用いられる処理装置は、水熱電気分解槽、残渣を含む廃液の残部を導入する生物学的処理を行う反応槽、曝気槽及び固液分離槽などからなる。なお、水熱電気分解装置を含む全体の廃液処理装置は常法により運転することができる。
本発明の水熱電気分解処理に必要な単体機器としては、原料汚泥貯蔵用タンク、フィードポンプ(例えば、モーノポンプ)、高圧ポンプ(例えば、3連ヘッドダイヤフラム式ポンプ)、熱交換器(例えば、シェルアンドチューブ)、予熱機(例えば、攪拌機装備式電気ヒータ)、水熱電気分解反応器(例えば、内部電極装備型反応器)、固液分離器(例えば、高圧ストレーナ)、気液分離器(例えば、液位制御式気液分離器)、処理水貯蔵用タンクなどである。
以上説明したように、還元的な雰囲気で水熱反応と電気分解を同時に行った場合、常温常圧下とは異なり水の電気分解は起こらず、アンモニアから水素が発生する。水素ガスは回収し、燃料電池に供給することにより電気エネルギーを生産することができる。本発明において生産する有価物が水素及び/又はメタンのような気体燃料の場合には、水熱電気分解反応工程で水素を回収することが、より好ましい。
水熱電気分解反応では、有機物あるいはアンモニアの濃度、反応温度、圧力、反応液のpHや酸化剤添加の有無などにより除去率が異なるので、本発明において、微生物を用いて有価物を生産する工程から排出される残渣を含む廃液中に含まれる有機物あるいはアンモニアの水熱電気分解反応工程での除去率は、水熱電気分解反応工程へ移送する廃液の割合と、水熱電気分解反応の条件によって調整することができる。
本発明においては該水熱電気分解工程における有機物(COD)分解率が、有価物生産工程から排出される残渣を含む廃液のCODに対して、1%以上50%以下であることが好ましい。これは、水熱電気分解工程で難分解性成分を全て無機化、完全分解するのではなく、微生物分解しやすい状態に変換して有価物生産工程に戻すことによって有価物回収率を向上させるためである。
次に、全体の処理装置及び処理工程について説明する。
図1は、標準活性汚泥法による廃液処理と水熱電気分解を組み合わせた処理方法の工程図を示す。
有機性廃棄物を含む被処理液である原料5は微生物を用いて有価物を生産する反応槽(「生産反応槽」と略称する)1に送られ生物処理される(例えば、メタンを発生させる嫌気性反応)。反応槽1で生じた残渣廃液6の一部は水熱電気分解反応槽3に送られ、水熱電気分解処理される。水熱電気分解で発生した水素ガス11は水素ガス貯留槽12に送られ貯蔵される。そして、水熱電気分解反応槽3からの水熱電気分解反応処理液7は生産反応槽1に戻される。一方、生産反応槽1で生じた残渣廃液6の残部は曝気槽2に供給され、標準活性汚泥法で処理され、そこからの流出液は固液分離槽4に送られ、汚泥が沈澱され、上澄み液は放流水8として排出される。沈澱汚泥の大部分は返送汚泥9として曝気槽2に返送される。残りの沈澱汚泥は余剰汚泥10として排出、回収される。
図2は循環式硝化脱窒素法、晶析脱リン法及び水熱電気分解を組み合わせた処理方法の工程図を示す。
図1と同様に、生産反応槽1で生じた残渣廃液6の一部は水熱電気分解反応槽3に送られ、水熱電気分解処理される。水熱電気分解で発生した水素ガス11は水素ガス貯留槽12に送られ貯えられる。そして、水熱電気分解反応槽3から出る水熱電気分解反応処理液7を晶析脱リン槽13に供給し、消石灰14を添加することにより、HAP法によってリンをHAPとして回収し、上澄み液を放流水8とする。この工程によるときには、有価物であるリンを回収することができる。
一方、生物処理には循環式硝化脱窒素法を用いている。この方法では、図1の曝気槽2を第1脱窒素槽18、曝気槽(硝化槽)2、第2脱窒素槽19、再曝気槽20の順に構成したものとし、硝化槽2からの循環汚泥17を第1脱窒素槽18に循環するようにしたものである。(第2脱窒素槽19に有機物源のメタノールを供給して脱窒素反応が十分に行われるようにした。)このように、この方法は、水熱電気分解処理、HAP法によるリン回収プロセス及び循環式硝化脱窒素法を組み合わせたものである。
以下において、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1
し尿、生ごみ、浄化槽汚泥、余剰汚泥の混合物を実験原料とした高温メタン発酵(55℃)による有価物生産を行った後、その発酵残渣を図1に示す水熱電気分解と標準活性汚泥法による廃液処理とを組み合わせた方法で処理実験を行った。
実験では、し尿、生ごみ、浄化槽汚泥、余剰汚泥の混合物を固形物濃度(TS濃度)約10%となるようにプロセス処理水で濃度調整後、高温メタン発酵の連続実験に供した。有価物生産装置として、完全混合型の高温メタン発酵槽を用いた(円筒型、ポリ塩化ビニル製、総容積30L、有効容積25L、ジャケット温水循環式、55℃、攪拌速度30/min)。原水投入量は1.2〜1.5L/日、HRTは17〜20日で行った。
水質及びバイオガスの分析方法は下記の方法で行った。
・ TS(Total Solids、全蒸発残留物);105℃蒸発残留物重量(JIS K 0102)
・ VS(Volatile Solids、強熱減量);600℃強熱減量(JIS K 0102)
・ SS(Suspended Solids、懸濁態固形物量);懸濁態物質の105℃蒸発残留物重量(JIS K 0102)
・ VSS(Volatile Suspended Solids、懸濁態有機物量);懸濁態物質の600℃強熱減量(JIS K 0102)
・ CODCr(化学的酸素消費量);重クロム酸カリウム法(JIS K 0102)
・ BOD(生物化学的酸素消費量);ウインクラー・アジ化ナトリウム変法(JIS K 0102)
・ タンパク質;(ケルダール窒素−アンモニア性窒素)×6.25
・ 脂質;ヘキサン:イソプロパノール(5:3)混合溶媒抽出法
・ 揮発性有機酸(VFA);高速液体クロマトグラフ(エルマ光学ERC-8710、検出器 RI、カラムShodex Ionpack KC-811、カラム温度60℃、移動相0.1%リン酸)
・ アンモニア態窒素、硝酸態窒素:全自動分析計(Bran+Luebbe TRAACS880型)
・ 色度;白金コバルト法
・ メタンガス・炭酸ガス;ガスクロマトグラフ(GLサイエンスGC-322、検出器TCD、TCD電流値120mA、分離カラム Active Carbon 30/60、カラム温度 95℃、キャリアガス ヘリウム)
・ 水素(GLサイエンスGC-322、検出器TCD、TCD電流値50mA、分離カラム Unibeads C 60/80、カラム温度 140℃、キャリアガス アルゴン)
・ 溶解性画分;GF/B(1μm)でのろ液
この嫌気性生物処理による有価物生産工程では、CH462%、CO238%のガス組成の原燃料ガス(バイオガス)が得られ、有機物分解率74%(VS基準)、ガス成分へのCODCr転換率は75%以上であった。本有価物生産工程から排出された残渣の性状はSS 30,600mg/L、全CODCr44,700mg/L、可溶性CODCr3,300mg/L、酢酸6mg/L、アンモニア態窒素1,400mg/L、リン酸15mg/L、pH7.7であった。この残渣液の半量を水熱電気分解工程で処理した後にメタン発酵工程に返送するとともに、残りの半量は好気性処理法によって浄化した。
発酵残渣の水熱電気分解では、チタン製オートクレーブ(反応器容積300mL、HC276型、最高使用温度320℃、最高使用圧力13MPa)を用いて、残渣廃液に29.5Ah/Lの電気量(理論電気量)の0.2倍を与え、圧力3MPa、水熱電気分解時間30分で行った 。水熱電気分解工程で生成したガスは残渣汚泥1Lに対して6.6Lの水素(73vol%)及び2.4LのCO2(27vol%)であった。水熱電気分解処理液の性状はSS 11,300mg/L、全CODCr 3,200mg/L、可溶性CODCr 600mg/L、酢酸240mg/L、アンモニア態窒素30mg/L、リン酸210mg/L、pH6.8であった。水熱電気分解反応によってリン酸は約14倍高くなり、また酢酸は40倍高くなり、逆にSSとアンモニア態窒素は著しく減少した。水熱電気分解処理液でのSS成分の大半は無機物であったが、残渣の粘性が大幅に低下し、水熱電気分解反応前のメタン発酵汚泥と比較してSS成分のろ過性及び沈降性が向上し、加えて、溶解性画分の生分解性も向上することができた。そこで、水熱電気分解処理液を遠心濃縮処理し(2,500/min、5min)、固形物を除去した上澄液(BOD/CODCr比0.34)をメタン発酵工程に返送した。
好気性処理では活性汚泥法を用い、種汚泥として水熱電気分解処理液で約1.5ヶ月間馴致した好気性汚泥で、温度23〜25℃、溶存酸素(DO)1〜2mg/L、汚泥滞留時間(SRT)4〜10日、MLSS 4,000〜5,000mg/Lの処理条件で行った。その結果、活性汚泥による処理水質はCODMn 180mg/L、 BOD 20mg/L以下、酢酸 0mg/L、TOC 30mg/L、アンモニア態窒素20mg/L、リン酸180mg/L、色度1,800、pH6.9であった。
上記方法によって運転することで、メタン発酵汚泥の全量を廃棄処分した場合と比較して、固形物発生量は約1/2以下、有機物量は1/5以下にまで減量化することが可能となった。また、発酵残渣の半量を水熱電気分解することによって水熱電気分解工程に要する電気エネルギー量を約半量に抑えることができ、メタン発酵工程から回収されるバイオガス量も従来法と比較して1.2倍量増大できた。本方法のコスト計算の結果では、メタン発酵汚泥を産業廃棄物として処分委託した場合の処分費と比較して約半額で発酵残渣処理できることがわかった。
Figure 2005125322
実施例2
上記の実施例1の場合と比較して窒素含有率がより高い家畜糞尿廃棄物での処理試験を行った。ここでの処理プロセスでは、好気性処理工程を生物学的硝化脱窒素法に置き換えて試験した。
実験では、S養豚場から排出された豚糞尿混合廃棄物(TS 9.0%、CODCr11.0%、全窒素0.60%)を対象にスクリュープレス脱水機(ヤマト産業製YSII-1型)を用いて無薬注で固液分離し(300L/h)、脱水ろ液として回収されたスラリーについて中温メタン発酵の連続実験に供した(TS 5.5%、CODCr 9.0%、全窒素0.48%)。有価物生産装置として、完全混合型の中温メタン発酵槽を用い(円筒型ダイライトタンク、総容積5m3、有効容積4m3、蒸気間欠吹込み式、35℃、攪拌速度50/min)、原水投入量200L/日、HRT 20日で連続運転を行った。
水質及びバイオガスの分析方法は実施例1と同じ方法で行った。
第2表は、豚糞尿廃棄物のスクリュープレス脱水スラリーを中温メタン発酵した処理結果及びその発酵残渣全量を好気性処理した結果を示す。
糞尿廃棄物を原料とした中温メタン発酵(35℃)による有価物生産を行った結果、この嫌気性生物処理を用いた有価物生産工程からは平均でCH4 67%、CO2 33%の成分組成の原燃料ガス(バイオガス)が得られ、有機物分解率は65%(VS基準)、ガス成分へのCODCr転換率は66%であった。本有価物生産工程から排出された残渣汚泥の性状はTS 31,000mg/L、全CODCr 27,000mg/L、可溶性CODCr 11,000mg/L、酢酸30mg/L、全窒素4,800mg/L、アンモニア態窒素3,500mg/L、リン酸510mg/L、pH7.9であった。
メタン発酵液の好気性処理ではオキシデーションディッチ(総容積4.8m3、有効容積4.0m3、インペラー式機械攪拌方式)を用い、HRT10日、水温約20℃、溶存酸素1〜2mg/Lで運転した。オキシデーションディッチ処理後の廃液を脱窒素処理するため、一旦、脱窒素槽(総容積1.0m3)に移してメタノール(水素供与体)を添加して廃液中の硝酸態窒素を窒素ガスに変換した。また、オキシデーションディッチ処理槽では発泡が見られたため、消泡剤を適宜添加した。
Figure 2005125322
第3表は、豚糞尿廃棄物のメタン発酵液の半量を水熱電気分解工程で処理した後にメタン発酵工程に返送し、残りの半量は硝化脱窒素法で処理した結果を示す。
発酵残渣の水熱電気分解処理は実施例1と同じ実験装置を用い、残渣廃液に26.7Ah/Lの電気量(理論電気量)の0.3倍を与え、水熱電気分解時間は30分で行った。水熱電気分解で生成したガスは残渣汚泥1Lに対して11.3Lの水素(71vol%)及び4.6LのCO2(29vol%)であった。水熱電気分解処理液の性状はSS 12,300mg/L、全CODCr23,600mg/L、可溶性CODCr13,600mg/L、酢酸1,950mg/L、アンモニア態窒素1,100mg/L、リン酸410mg/Lであった。水熱電気分解反応処理液でのSS成分はその大半が無機物であったが、残渣の粘性を著しく低下することができ、水熱電気分解反応前のメタン発酵汚泥と比較してSS成分のろ過性及び沈降性が格段と向上し、加えて、溶解性画分の生分解性を向上することができた。そこで、水熱電気分解処理液を遠心濃縮し(2,500/min、5min)、固形物を除去した上澄液(BOD/CODCr比0.35)をメタン発酵工程に返送した。
メタン発酵槽から流出した残渣廃液の半量については、好気性処理工程で浄化されたプロセス処理水を用いて2倍量に希釈後、固形物を重力沈降で除去した上澄液について硝化脱窒素処理した。その結果、硝化脱窒素による処理水質はCODMn 220mg/L、BOD 20mg/L以下、酢酸0mg/L、TOC 140mg/L、全窒素260mg/L、アンモニア態窒素35mg/L、リン酸120mg/L、色度3,500、pH7.5であった。さらに、硝化脱窒素処理液に晶析脱リン法を適用した結果、リン酸を10mg/L以下にまで処理できた。
Figure 2005125322
これらの実験結果について、メタン発酵汚泥を直接に好気性処理(硝化脱窒素処理)した場合と比較した結果、メタノール添加量は約40%削減、汚泥脱水に必要な高分子凝集剤は約75%削減でき、汚泥発生量については35%以上を低減できることがわかった。所要動力はメタン発酵液の全量を好気性処理した場合の2倍程度を要した。その結果、1m3あたりの豚糞尿処理費用は(人件費除く)、メタン発酵汚泥を直接に好気性処理した場合は約650円/m3(費用の多くは汚泥用高分子凝集剤と電力費)であったが、メタン発酵液の半量を水熱電気分解処理した場合には約350円/m3で処理できることとなった。
さらに、メタン発酵液の半量を水熱電気分解処理した場合の装置面積は、メタン発酵汚泥を直接に好気性処理した場合と比較して、曝気槽容量を1/3程度にまで低減でき、水熱電気分解工程に要する敷地面積はその曝気槽削減分の面積程度で十分設置可能であった。また、好気処理工程での発泡トラブルについても抑制することができた。
本発明は、下水、し尿、産業廃水などの有機物を含有する廃水を効率よく運転処理し、水素ガスを有効資源として回収することができるので、下水処理場や各種廃水処理施設等における利用が期待される。
標準活性汚泥法による廃液処理と水熱電気分解の組み合わせによる有機性廃棄物の処理工程のフローを示す図である。 循環式硝化脱窒素法、晶析脱リン法及び水熱電気分解を組み合わせた有機性廃棄物の処理方法の工程図を示す。
符号の説明
1 微生物を用いて有価物を生産する反応槽
2 曝気槽
3 水熱電気分解反応槽
4 固液分離槽
5 原料
6 残渣廃液
7 水熱電気分解反応処理液
8 放流水
9 返送汚泥
10 余剰汚泥
11 水素ガス
12 水素ガス貯留槽
13 晶析脱リン槽(HAP法)
14 消石灰
17 循環汚泥
18 第1脱窒素槽
19 第2脱窒素槽
20 再曝気槽

Claims (5)

  1. 有機性廃棄物から微生物を用いて有価物を生産する有価物生産工程を含む有機性廃棄物の処理方法において、該有価物生産工程から排出される残渣を含む廃液の一部を、100℃以上該廃液の臨界温度未満の温度において、前記廃液が液相を維持する圧力の下、直流電流を供給する水熱電気分解工程に送り、該水熱電気分解工程から水熱電気分解処理液を有価物生産工程に返送することを特徴とする有機性廃棄物の処理方法。
  2. 該水熱電気分解工程における有機物(COD)分解率が、有価物生産工程から排出される残渣を含む廃液のCODに対して1%以上50%以下であることを特徴とする請求項1記載の有機性廃棄物の処理方法。
  3. 前記水熱電気分解工程において水素ガスを回収することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の有機性廃棄物の処理方法。
  4. 有機性廃棄物から微生物を用いて有価物を生産する有価物生産装置、該有価物生産装置から排出される残渣を含む廃液の一部を供給し、100℃以上該廃液の臨界温度未満の温度において、前記廃液が液相を維持する圧力に耐えられる反応器内に、電気分解するための一対の電極を設けてなる水熱電気分解装置、及び該水熱電気分解装置からの水熱電気分解処理液を有価物生産装置に返送する配管を設けたことを特徴とする有機性廃棄物の処理装置。
  5. 有機性廃棄物から微生物を用いて有価物を生産する有価物生産装置が、水素及び/又はメタンを生産する装置であることを特徴とする請求項4記載の有機性廃棄物の処理装置。
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