JP2005224772A - 殺菌装置を備えた発酵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 嫌気性発酵槽内への雑菌の混入を防止すると共に、水素発酵、及びメタン発酵に好適な温度を得ることができる発酵装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 発酵装置1は、有機性廃棄物の前処理を行う前処理装置2と、水素生成菌によって水素を生成する水素発生装置3と、メタン生成菌によってメタンを生成するメタン発生装置4と、殺菌手段100、200、300と、排水処理装置6と、により構成される。殺菌手段100、200、300では有機性廃棄物の加熱殺菌、及び冷却が行われる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、殺菌装置を備えた水素発酵及びメタン発酵に用いられる発酵装置に関する。
近年の世界的な産業経済活動規模の拡大にともない、地球レベルでの環境破壊が重要な問題となっている。なかでも、地球温暖化問題は人類のみならず、地球そのものにも著しい悪影響を与えることが懸念されている。地球温暖化の直接的な原因は、近年の大量の化石燃料の燃焼に伴う二酸化炭素排出量の増加とされているため、二酸化炭素排出量を地球規模で継続的に削減することが急務である。また、近年の有機性廃棄物の増加に伴い、その焼却処理に伴う二酸化炭素やダイオキシン等の有害物質の発生の問題も深刻化しており、早急な対策が望まれている。
しかし二酸化炭素排出量の増加は多年にわたる経済活動の結果であるため、受け入れられるべき二酸化炭素排出量の削減方法は現行の経済活動を阻害しない方法でなければならない。
そこで、二酸化炭素の放出を抑制する新たな技術の探索、生物機能を利用した水素等のエネルギー源創生、二酸化炭素の固定・分解等の研究が必要となってきた。なかでも、水素は燃料電池として高い効率で電気エネルギーへ変換できること、発熱量が石油の3〜4倍であること、燃焼後は水のみが生じるため、環境に何ら悪影響を及ぼさないことなど多くの利点を有している。
生物機能を利用した水素の生産はこれまでに種々試みられてきた。例えば、特許文献1には、光合成能と水素生産能を有する緑藻を明好気条件下培養し、光合成で蓄積した物質を暗微好気条件下分解して、水素を発生させる方法が開示されている。しかしながら、係る生物を用いた水素発酵方法では、外部からの雑菌が水素生成槽内に混入すると水素生成菌が駆逐され、水素発生効率が悪化するという問題がある。
また、特許文献2には、生物機能を利用した水素及びメタンを発生させる装置において、嫌気性発酵槽内の混合液の一部を引き抜き、その引き抜いた混合液を加熱、殺菌してから前記嫌気性発酵槽に循環、返送させることが開示されている。しかしながら、このような加熱殺菌方法では、前記嫌気性発酵槽内の混合液を引き抜き、循環させる循環設備が必要でコスト高となり、また、加熱装置しか備えていないため、過加熱等の問題があり、嫌気性発酵における好適な温度を得ることが困難であり、温度調整を行うためには、加熱装置の他に冷却装置も必要となる問題があった。尚、微生物によって水素やメタンを発生させる嫌気性発酵における好適な温度とは、水素発酵においては+37℃、メタン発酵においては+35℃(中温)、+55℃(高温)である。
特開昭58−60992号公報 特開平10−85784号公報
本発明は、コストを抑制しつつ、嫌気性発酵槽内への雑菌の混入を防止すると共に、水素発酵、及びメタン発酵に好適な温度を得ることができる発酵装置を提供することを目的とする。
本発明は、係る従来の問題を踏まえ、より効率的且つ低コストで水素発酵及びメタン発酵を行うことができる発酵装置を開発したものである。
本発明の発酵装置は、該有機物を分解して気体を発生させる発酵槽と、前記有機物を含む被処理液を殺菌する殺菌手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項2の発明の発酵装置は、上記において殺菌手段は、発酵槽の前段及び/又は後段に配設したことを特徴とする。
請求項3の発明の発酵装置は、請求項1又は請求項2の発明の前記有機物を分解して気体を発生させる発酵槽は、有機物を分解して水素を発生させる水素生成菌が収容される水素発酵槽、又は有機物を分解してメタンを発生させるメタン生成菌が収容されるメタン発酵槽であることを特徴とする。
請求項4の発明の発酵装置は、有機物を分解して水素を発生させる水素生成菌が収容される水素発酵槽と、前記有機物を分解してメタンを発生させるメタン生成菌が収容されるメタン発酵槽と、前記有機物を含む被処理液を殺菌する殺菌手段と、を備え、前記水素発酵槽の後段にメタン発酵槽を設けたことを特徴とする。
請求項5の発明の発酵装置は、上記において殺菌手段は、水素発酵槽の前段及び/又は後段と、前記メタン発酵槽の前段及び/又は後段と、に配設されたことを特徴とする。
請求項6の発明の発酵装置は、請求項1乃至5の発明の殺菌手段は、有機物を含む被処理液を加熱する手段を備えたことを特徴とする。
請求項7の発明の発酵装置は、請求項1乃至6の発明の殺菌手段は、記被処理液を加熱した後、冷却する手段を備えたことを特徴とする。
請求項8の発明の発酵装置は、請求項6又は請求項7の発明の殺菌手段は、圧縮機、放熱部、減圧装置及び吸熱部等から構成される冷媒回路を備え、前記吸熱部にて前記被処理液から吸熱し、前記放熱部にて前記被処理液に放熱するヒートポンプ装置であることを特徴とする。
請求項9の発明の発酵装置は、請求項8において殺菌手段は、冷媒回路の放熱部で前記被処理液を加熱して殺菌し、冷媒回路の吸熱部で前記被処理液を冷却することを特徴とする。
本発明によれば、コストを抑制しつつ、嫌気性発酵槽内への雑菌の混入を防止すると共に、水素発酵、及びメタン発酵に好適な温度を得ることができる発酵装置が提供される。また、本発明によれば、水素及びメタンの発生効率を高めることができる。
本発明は、係る従来技術を解決するために、嫌気性発酵槽内への雑菌の混入を防止しながら、水素発酵、及びメタン発酵に好適な温度を得ることができる発酵装置を提供することを目的とする。以下に図面に基づき本発明の実施形態を詳述する。
図1は本発明を適用した発酵装置の一実施例としての殺菌装置を備えた発酵装置の概略構成図を示している。本実施例の発酵装置1は、有機性廃棄物や有機性排水から嫌気性微生物又は通性嫌気性微生物のはたらきにより水素やメタンを発生させ、この水素やメタンを図示しない回収装置により回収可能な様に構成される。発酵装置1は、食品廃棄物(生ゴミ)若しくは家畜し尿等の有機性廃棄物や有機性排水(以下、有機性被処理液とする)の前処理を行う前処理装置2と、該前処理装置2の後段に配置され、前処理装置2から排出された有機性被処理液を、ヒートポンプを用いて加熱、殺菌及び冷却する殺菌装置100と、該殺菌装置100の後段に配置され、殺菌装置100から排出された有機性被処理液が供給され、該有機性被処理液中の有機物を微生物によって分解し水素を発生させる水素発生装置3と、該水素発生装置3の後段に配置され、水素発生装置3から排出された有機性被処理液を、加熱、殺菌及び冷却するヒートポンプを用いた殺菌装置200と、該殺菌装置200の後段に配置され、殺菌装置200から排出された有機性被処理液が供給され、該有機性被処理液中の有機物を微生物によって分解しメタンを発生させるメタン発生装置4と、該メタン発生装置4の後段に配置され、メタン発生装置4から排出された有機性被処理液を、加熱、殺菌及び冷却するヒートポンプを用いた殺菌装置300と、該殺菌装置300の後段に配置され、殺菌装置300から排出された有機性被処理液中の窒素化合物やリン等を除去する排水処理装置6と、水素発生装置3及びメタン発生装置4の補助加熱装置であるヒータ5と、により構成される。
前処理装置2は、有機性被処理液中の固形分を粉砕又はスラリー状にするなどして、その後段に配設される殺菌装置100、水素発生装置3、殺菌装置200、メタン発生装置4、殺菌装置300、及び排水処理装置6における配管や熱交換器等での前記固形分による詰まりを防止すると共に、有機性被処理液中の有機物を微細化及び変成させるなどにより、水素発生装置3、又はメタン発生装置4での微生物による有機物の分解効率を向上させ、水素及びメタンの発生効率を向上させるために設置され、例えば図2の2Aに示されるようにディスポーザ10、沈殿分離槽20、固液分離装置30及びコンポスト装置40により構成されるものや、図3の2Bのようにスラリー生成機を用いたものが使用される。
水素発生装置3内には、図示しない水素生成能を有する微生物である嫌気性の水素生成菌、又は通性嫌気性の水素生成菌が導入されている。嫌気性の水素生成菌としては、クロストリジウム属(Clostridium)に属する菌が使用される。また、通性嫌気性の水素生成菌としては、通性嫌気性細菌であるセルロール分解菌(Paenibacillus(Bacillus) polymyxa)、ペニバチルス・マセランス(P. macerans)、エンテロバクター・エロゲネス(Enterobacter aerogenes)やエンテロバクター・クロアカエ(Enterobacter cloacae)等のエンテロバクター属細菌、大腸菌(Escherichia coli)、クレブシエラ・ニューモニア(Klebsiella pneumoniae)、シュードモナス・スツッツェリ(Pseudomonas stutzeri)等が使用可能である。
尚、水素発生装置3で発生した水素ガスは、所定のボンベ、水素吸蔵合金などに収容されるか、又は図示しない水素導入管により搬送され、例えば燃料電池の燃料として用いられる。
メタン発生装置4内には、図示しないメタン生成能を有するメタン生成菌が導入されている。メタン生成菌としては、メタノバクテリウム(Methanobacterium)属、メタノコッカス(Methanococcus)属、メタノザルチナ(Methanosarcina)属、メタノシータ(Methanosaeta)属、メタノハロフィルス(Methanohalophillus)属に属する菌が使用される。
尚、メタン発生装置4で発生したメタンガスは、所定のボンベなどに収容されるか、又は図示しないメタン導入管により搬送され、図示しない改質器で改質され、例えば燃料電池の燃料として用いられる。
図4は、殺菌装置100の概略構成図である。殺菌装置100は、前処理装置2から排出された有機性被処理液が供給され流通される部分である流路部100Aと、圧縮機101等により構成される閉鎖的な回路であり、その回路内部には冷媒が封入された冷媒回路100Bと、により構成される。
流路部100Aには、ポンプ111と、流路110と、熱回収用熱交換器112と、加熱用熱交換器115と、冷却用熱交換器116と、温度センサ120、121、123とが備えられる。
流路部100Aにおいて、前処理装置2から排出された有機性被処理液は、供給口から供給され、流路110を介して熱回収用熱交換器112の吸熱側112A、加熱用熱交換器115の加熱部113、熱回収用熱交換器112の放熱側112B、冷却用熱交換器116の冷却部114とに順次搬送され、排出口から排出された後、後段の水素発生装置3に供給される。尚、熱回収用熱交換器112は、吸熱側112Aを通る殺菌処理前の有機性被処理液と、加熱部113で殺菌された放熱側112Bを通る殺菌処理後の有機性被処理液との間で熱交換を行うものである。また、温度センサ120は冷却用熱交換器116の冷却部114と排出口との間に、温度センサ121は加熱用熱交換器115の加熱部113と熱回収用熱交換器112の放熱部112Bとの間に、温度センサ123は、熱回収用熱交換器112の吸熱部112Aと加熱用熱交換器115の加熱部113との間に夫々設置され、流路部100Aの各所における有機性被処理液の温度を検出するものである。
また、冷媒回路100Bには、圧縮機101と、加熱用熱交換器115と、空気放熱器105と、減圧手段としての膨張弁103と、冷却用熱交換器116と、空気熱交換器106と、冷媒配管109と、温度センサ122とが備えられる。
冷媒回路100Bは、冷媒配管109を介して圧縮機101と、加熱用熱交換器115の放熱部102と、空気熱交換器105と、膨張弁103及び冷却用熱交換器116の吸熱部104等が順次接続されて環状の冷媒回路が形成される。また、吸熱部104の出口から圧縮機101の吸込側に至る冷媒回路中には冷媒と空気とを熱交換させるための空気熱交換器106が設けられており、この空気熱交換器106の近傍には、この空気熱交換器106に空気を通風するための熱交換用の送風機106Fが設置されている。尚、空気放熱器105は放熱部102の出口側で、膨張弁103との間に設けられ、放熱部102からの冷媒と空気とを熱交換させるための補助放熱部であり、近傍には冷却用送風機105Fが設置されている。また、温度センサ122は、圧縮機101の吐出側で放熱部102との間に設置され、圧縮機101の冷媒吐出温度を検出するものである。
更に、107は冷却用熱交換器116の吸熱部104をバイパスして冷媒を空気熱交換器106に流すバイパス回路である。このバイパス回路107への冷媒流通は流路制御装置としての電磁弁108にて制御さている。即ち、この電磁弁108は膨張弁103にて減圧された冷媒を前記吸熱部104に流すか、バイパス回路107に流すかを制御している。そして、温度センサ120にて検出される温度が、水素発生の至適温度+37℃よりも低い温度となった場合に、電磁弁108が開放されバイパス回路107に冷媒が流され、これにより冷却部114で有機性被処理液が過剰に冷却されることを防止できる。
ここで、放熱部102は、冷媒回路100Bを流れる冷媒が、加熱部113を流れる有機性被処理液と対向流となるように設けられる。同様に、吸熱部104は有機性被処理液が循環する冷却部114と交熱的に設けられている。尚、圧縮機101は密閉容器内に電動要素(モータ)とそれにより駆動される回転圧縮要素とを収納して成るロータリコンプレッサである。尚、本実施例において冷媒回路内には、冷媒として可燃性及び毒性等を考慮して自然冷媒である二酸化炭素(CO2)が充填されている。また、二酸化炭素を冷媒として用いた場合には、従来のフロン等の冷媒に比べてより高温が得られ、特に、前記加熱部102において有機性被処理液の殺菌に必要な高温、例えば+90℃程度を容易に得ることができる。
また、121は加熱部113から流出した有機性被処理液の温度を検出する温度センサであり、ここで検出される有機性被処理液の温度に基づき、ポンプ111が制御されている。120は冷却部114から流出した有機性被処理液の温度を検出する温度センサであり、この検出温度に基づき、空気放熱器105の送風機105Fの運転制御が行われている。
また、123は加熱部113に流入する有機性被処理液の温度を検出する温度センサであり、当該温度センサ123に基づき、圧縮機101の運転が制御されている。122は圧縮機101から出た冷媒の温度を検出する冷媒温度センサで、当該冷媒温度センサ122の出力に基づき膨張弁103の開度制御が行われている。
また、水素発生装置3とメタン発生装置4との間に設置される殺菌装置200は、上記した殺菌装置100と同じ構成であるが、この殺菌装置200においては、図4で示す温度センサ120にて検出される有機性被処理液の温度が、メタン発生の至適温度である+35℃(中温時)若しくは+55℃(高温時)よりも低くなった場合に、電磁弁108が開放されバイパス回路107に冷媒が流れる。これにより冷却部114で有機性被処理液が過剰に冷却されることを防止できる。
更に、メタン発生装置4と排水処理装置5との間に設置される殺菌装置300も、上記殺菌装置100や殺菌装置200と同じ構成であるが、この殺菌装置300においては、温度センサ120にて検出される有機性被処理液の温度が、所定の凍結危惧温度、例えば+5℃以下となった場合に、電磁弁108が開放されバイパス回路107に冷媒が流れる。これにより、有機性被処理液が凍結し、経路が破損するのを防ぐことができる。
排水処理装置6は、殺菌装置300の後段に設置されるもので、有機性被処理液中の窒素化合物やリンなどが環境中に排出されることを防ぐ目的で使用される。尚、排水処理装置6としては、図7に示す電解装置6A若しくは図8に示す生物装置6Bの2つの方式による処理装置を採用することが可能である。
以上の構成により、この場合の発酵装置1の動作について図1乃至図8を用いて説明する。
まず、前処理装置2に、食品廃棄物(生ゴミ)若しくは家畜し尿等の有機性被処理液が供給される。
次に前処理工程を説明する。前処理装置2Aにおいて、有機性被処理液は、固形分と液体分とに分離されるか、又はスラリー状される。
ディスポーザ10には、有機性被処理液が供給される。有機性被処理液中の固形分はディスポーザ10により粉砕、微細化され、沈殿分離槽20および固液分離装置30により固形分と液体分とに分離される。液体分(BOD(生物化学的酸素要求量)5500mg/L程度)は、後段の殺菌装置100に供給される。一方、固形分はコンポスト装置40によりコンポスト化され、たとえば堆肥として利用される。
上記ディスポーザ10による処理の代わりに、粉砕処理や低分子化処理(熱、酸化分解等)等を採用してもよい。また、図3の前処理装置2Bのようにスラリー生成機を用いて、有機性被処理液をスラリー状にした後、それを後段の殺菌手段100等に供給しても良い。
これにより、有機性被処理液は、固形分と液体分とに分離、又はスラリー状とされることから、その後段に配置された殺菌装置100、水素発生装置3、殺菌装置200、メタン発生装置4、殺菌装置300、及び排水処理装置6での配管や熱交換器部分等で発生する食品かすなどの固形分による詰まりを防止することができ、更に、水素発生装置3、又はメタン発生装置4での微生物による有機物の分解効率が向上し、水素及びメタンの発生効率が向上する。
前処理装置2から排出された有機性被処理液は、殺菌装置100に供給される。この殺菌装置100では、有機性被処理液を加熱により殺菌すると共に、該有機性被処理液中の有機物が加熱され分解されるため、後段に設置される水素発生装置3やメタン発生装置4での水素及びメタン発生効率が向上する。
殺菌装置100に供給された有機性被処理水は、前述の如く温度センサ121にて検出される液の温度(温度B)が+90℃となるように、経路内を例えば2L/minの割合で流れるようにポンプ111が運転されている。即ち、有機性被処理液の温度(温度B)が+90℃より高い場合には経路内を流れる冷媒の流速(割合)が2L/minより速くなるようにポンプ111の回転数を上昇させる。また、該液の温度(温度B)が+90℃より低い場合には経路内を流れる冷媒の流速(割合)が2L/minより遅くなるようにポンプ111の回転数を低下させる。このように、温度センサ121の出力に基づき、ポンプ111の運転を制御することで、有機性被処理液の温度(温度B)を予め設定した所定の温度(本実施例では、+90℃)に維持することができ、これにより、加熱部113における有機性被処理液の加熱殺菌を確実に行うことが可能となる。
そして、有機性被処理液は、ポンプ111により、熱回収用熱交換器112の吸熱側112Aに流入し、ここで該有機性被処理液は加熱処理された後の当該有機性被処理液から熱を奪い、加熱作用を受ける。そして、熱回収用熱交換器112の吸熱部112Aから流出した有機性被処理液は、加熱部113に搬送される。加熱部113では、上述した如く冷媒回路の放熱部102と熱交換することにより、有機性被処理液は+90℃まで昇温される。
尚、放熱部102から加熱部113に与えられる熱は超臨界圧力にまで圧縮され、凝縮することのない高温冷媒によるものであるため、加熱部113の入口から出口まで略均一の割合で有機性被処理液を昇温させることができる。そのため、冷媒と当該液との温度差が加熱部113の入口から出口に渡って略均一化され、熱交換時のエネルギーロスが少なくなり、効率的な加熱殺菌を実現することができるようになる。
そして、加熱部113にて加熱された有機性被処理液は、熱回収用熱交換器112の放熱側112Bを通り、ここで前記加熱殺菌処理前の有機性被処理液と熱交換することにより熱を奪われて、冷却される。その後、該液は冷却部114内に流入し、上述した如く冷媒回路の吸熱部104の冷媒と熱交換することにより、更に冷却され、所定の温度、例えば上述した如く水素発酵至適温度+37℃にまで冷却される。
ここで、冷却部114における有機性被処理液の冷却温度は、冷却部114から流出した当該有機性被処理液の温度を検出する温度センサ120に基づき空気放熱器105の送風機105Fの運転を制御することにより、精度良く制御される。即ち、温度センサ120にて検出される有機性被処理液の温度(温度A)が例えば+37℃となるように送風機105Fの運転が制御される。そして、有機性被処理液の温度(温度A)が+37℃より高い場合には送風機105Fの回転数を上昇させて、空気放熱器105において冷媒をより放熱させると共に、+37℃より低い場合には送風機105Fの回転数を下げて空気放熱器105における冷媒の放熱が少なくなるように制御される。
これにより、有機性被処理液の温度(温度A)を+37℃に維持することができる。このような構成の殺菌装置100を用いることにより、水素発生装置3への雑菌の混入が防止でき、水素生成菌が、雑菌により駆逐されることがなくなるので、効率良く、また長期間に渡って水素発生を維持できる。また、殺菌装置100における加熱により、有機性被処理液に含まれる有機物の分解も促進されるため、水素発生装置3における水素生成菌による水素発酵反応が促進される。更に、殺菌装置100にヒートポンプ装置を用いたことにより、加熱殺菌後の液の冷却も同時に可能であり、水素発生装置3での水素発生に好適な温度に有機性被処理液の温度を制御できることから、低コストで、しかも装置の小型化も実現できる。
そして殺菌装置100から排出された有機性被処理液は、水素発生装置3に供給される。
水素発生装置3では、上記した水素生成菌、例えば通性嫌気性の水素生成菌の一種であるエンテロバクター・エロゲネス(Enterobactor aerogenes)が、有機性被処理液中の有機物を分解し、水素とメタン原料有機物となる有機酸やアルコールを生成される。この場合の分解対象となる有機物をグルコース(C6126)とすると、グルコースは水素生成菌の作用により、反応式(1)にて示す化学反応に基づいて主として酢酸(CH3COOH)と二酸化炭素(CO2)と水素(H2)に分解される。
6126+2H2O→2CH3COOH+2CO2+4H2↑ ・・・(1)
そして、これら水素発生装置3で発生した水素ガスは、所定のボンベ、水素吸蔵合金などに収容されるか、又は図示しない水素導入管により搬送され、例えば燃料電池の燃料として用いられることになる。
一方、前記水素発生装置3で生成された酢酸を含むメタン原料有機物(有機酸)は殺菌装置200を経て、メタン発生装置4に供給される。
この殺菌装置200では、前記殺菌装置100の場合と同様な動作が行われる。即ち、水素発生装置3から導入された有機性被処理液が、加熱、殺菌及び冷却される。尚、殺菌装置200では、冷却部114にて、後段のメタン発生装置4におけるメタン発生の至適温度、+35℃(中温)若しくは+55℃(高温)に制御される。
このようにして、水素発酵からメタン発酵への2相式システムの各発酵槽の中間に、殺菌装置200を設けたことにより、後段側のメタン発生装置4内に前記水素生成菌が混入することが防止でき、効率的且つ安定したメタン発酵を行うことができるようになる。
そして殺菌装置200から排出された有機性被処理液は、メタン発生装置4に供給される。
メタン発生装置4に供給された有機性被処理液や前記有機酸はメタン生成菌を用いて分解され、メタンと二酸化炭素が発生する。この微生物によるメタン発生の原料となる有機酸を反応式(1)で生成した2molの酢酸とすると、酢酸はメタン生成菌の作用により、以下に示す反応式(2)に基づいてメタン(CH4)と二酸化炭素(CO2)に分解される。
2CH3COOH→2CH4+2CO2 ・・・(2)
そして、これらメタン発生装置4で発生したメタンガスは、所定のボンベなどに収容されるか、又は図示しないメタン導入管により搬送され、図示しない改質器で改質され、例えば燃料電池の燃料として用いられることになる。
このようにして水素発生装置3で水素を発生させると共に、メタン原料有機物を生成し、メタン発生装置4でメタン原料有機物を分解してメタンを発生させると共に有機性被処理液中のBODを低減できる。
尚、水素発生装置3やメタン発生装置4に供給される有機性被処理液は、殺菌装置100や殺菌装置200により、水素発生やメタン発生に好適な温度となっており、水素発生装置3やメタン発生装置4では温度制御等は必要ないが、冬季等には補助的な加熱源として、ヒータ5を用いてもよい。
その後、メタン発生装置4から排出された有機性被処理液は、殺菌装置300に供給される。
この殺菌装置300では、前記殺菌装置100や殺菌装置200の場合と同様な動作が行われる。即ち、水素発生装置3から導入された有機性被処理液が、加熱、殺菌及び冷却される。これにより、メタン発生装置4の廃液中に含まれる有害な微生物、例えば遺伝子操作菌等が、環境中に放出される危険が回避でき、より安全な発酵装置をなすことができる。
尚、有機性被処理液中に、硝酸性窒素、亜硝酸性窒素、アンモニア性窒素又は有機性窒素等の所謂窒素化合物やリン等が含まれている場合には、有機性被処理液の河川や湖沼への排出による川や湖等の富栄養化が危惧されることは周知である。そこで、殺菌装置300の後段には、有機性被処理液中の窒素化合物等を除去できる排水処理装置6が設置される。また、排水処理装置6では、有機性被処理液中のBODが高い場合には、該BODを減少させることも可能である。
排水処理装置6としては、電解装置6A若しくは生物装置6Bの2つの方式による処理装置を採用することが可能である。
電解装置6Aは、電気化学反応を用いて、有機性被処理液中の窒素化合物を処理する装置である。この処理方法によれば、カソードにおいて有機性被処理液中の硝酸性窒素を亜硝酸性窒素を経てアンモニアへと還元させ、この生成されたアンモニアを、アノードで生じる次亜塩素酸と脱窒反応させることができる。
図7を用いて電解装置6Aの実施形態を説明する。図7は電解装置6Aの概要を示す説明図である。この電解装置6Aは、処理槽63と、該処理室63内の被処理液中に少なくとも一部が浸漬するように対向して配置された一対の電極61、62と、該電極61、62に通電するための電源64及び該電源を制御するための図示しない制御装置などから構成されている。尚、処理槽63内には内部を撹拌するための撹拌手段を設けても良い。
前記電極62は周期表の第VIII族、又は第VIII族を含む導電体、若しくは、同族、又は同族を含む導電体を導電体に被覆したものとして例えば、鉄(Fe)、若しくは、鉄を被覆した導電体により構成されており、前記電極61は、例えば白金(Pt)又は白金とイリジウム(Ir)の混合物などの貴金属電極、又は、これらを被覆した不溶性の導電体から構成されている。尚、電極62は本実施例では、周期表の第VIII族、又は第VIII族を含む導電体、若しくは、同族、又は同族を含む導電体を導電体に被覆したものとして、鉄(Fe)を用いているが、これ以外に、周期表第VIII族を含む導電体であれば、コバルト(Co)やニッケル(Ni)等であってもよいものとする。また、電極61は、貴金属電極又はこれらを被覆した不溶性の導電体により構成されているが、これ以外に、フェライトなどのセラミクス系導電体や炭素系導電体若しくはステンレス鋼などであってもよいものとする。尚、この実施例では白金とイリジウム(白金・イリジウム)の混合物を用いる。
以上の構成により、処理槽63内に硝酸性窒素等の窒素化合物を含む有機性被処理液が貯留され、前記制御装置により電源64をONとし、電極61に正電位を、電極62に負電位を印加する(窒素処理ステップ。図7の左側)。これにより、電極61はアノードとなり、電極62はカソードとなる。
係る電位の印加により、カソードを構成する電極62側では、アノードを構成する電極61側において生成された電子が供給され、被処理液中に含まれる硝酸性窒素としての硝酸イオンが亜硝酸イオンに還元される(反応式(3))。更に、亜硝酸イオンに還元された硝酸性窒素は、カソードを構成する電極62側において、電子が供給され、アンモニア(アンモニウムイオン)まで還元される(反応式(4))。以下に、反応式(3)、(4)を示す。
NO3 -+H2O+2e-→NO2 -+2OH-・・・(3)
NO2 -+5H2O+6e-→NH3(aq)+7OH-・・・(4)
一方、アノードを構成する白金・イリジウム電極61側では、被処理液中に含有されるハロゲン化物イオンとしての塩化物イオンが電子を放出して塩素を生成する。そして、この塩素は水に溶解して次亜塩素酸を生成する。このとき、同時にオゾン、若しくは、活性酸素も生成される。尚、本実施例では、被処理水中に塩化物イオンが含有されているため、次亜塩素酸が生成されているが、これ以外に他のハロゲン化物イオンが被処理水中に含有されている場合には、次亜フッ素酸や次亜臭素酸などの他の次亜ハロゲン酸が生成されても同様の効果を奏するものとする。
ここで、被処理液中に含まれる塩化物イオン濃度が低い場合には、被処理水中に、例えば塩化物イオンや、ヨウ化物イオンや、臭化物イオンなどのハロゲンイオンや、これらハロゲンイオンを含む化合物、例えば、塩化ナトリウムや塩化カリウムなどを添加してもよい。即ち、被処理水の塩化ナトリウムの塩化物イオンを例えば10ppm以上40000ppm以下とする。
このような被処理液中に本来含まれる塩化物イオンや上述の如く添加した塩化ナトリウムは、アノードを構成する電極61において酸化され、塩素を生成し(反応式(5)、(6)。塩化ナトリウムの場合で示す)、生成された塩素は、被処理水中で水と反応し、次亜塩素酸を生成する(反応式(7))。そして、生成された次亜塩素酸は、上述の反応式(4)で被処理水中に生成されたアンモニア(アンモニウムイオン)と反応し、複数の化学変化を経た後、窒素ガスに変換される(反応式(7)乃至(10))。以下に、反応式(5)乃至反応式(10)を示す。
NaCl→Na++Cl-・・・(5)
2Cl-→Cl2+2e-・・・(6)
Cl2+H2O→HClO+HCl・・・(7)
NH3+HClO→NH2Cl+H2O・・・(8)
NH2Cl+HClO→NHCl2+H2O・・・(9)
NH2Cl+NHCl2→N2↑+3HCl・・・(10)
また、被処理水中のアンモニア(アンモニウムイオン)は、アノードを構成する電極61側で発生するオゾン、若しくは、活性酸素と反応Fに示す如く反応し、これによっても窒素ガスに脱窒処理される((反応式(11))。
2NH3(aq)+3(O)→N2↑+3H2O・・・(11)
これにより、前記有機性被処理液内の硝酸性窒素、亜硝酸性窒素及びアンモニア性窒素などの窒素化合物を同一の処理槽2内において処理可能となる。
更に、前記有機性被処理液中にリンが含まれる場合には、電解装置6Aを用いることで、リンの除去も可能となる。リンの除去は、前記窒素化合物の処理(窒素処理ステップ)の終了後、前記制御装置は各電極61、62に印加する電位の極性を切り換える(図7の右側。リン処理ステップ。尚、極性切り換え後も被処理水中では上記窒素処理反応が継続している)。これにより、電極61はカソード、電極62はアノードを構成することになる。これにより、被処理液は電気化学的手法としての電解処理が行われ、アノードを構成する電極62は、上述の如き導電体にて構成されていることから、電極62より鉄(II)イオンが被処理水中に溶出して、被処理液中において鉄(III)イオンにまで酸化される。
生成された鉄(III)イオンは、反応式(12)に示す如く脱リン反応により、被処理水中のリン酸イオンと凝集沈殿し、水に難溶性のリン酸鉄を生成する。
Fe3 ++PO4 3-→FePO4↓・・・(12)
これにより、被処理水中に含有されたリン化合物としてのリン酸イオンをリン酸鉄として沈殿処理することができる。
また、電子の供給のために被処理水中に鉄(II)イオンの状態で溶出し、電極上或いは被処理水中で酸化された鉄(III)イオンの一部は、この場合にカソードを構成する電極61側において、再度電子が供給され、鉄(II)イオンに還元されて再びアノードを構成する電極62側において酸化される。
また、前記窒素処理ステップにおいてカソードを構成する電極62の表面に成長するスケール(CaCO3、Mg(OH)2等)は、このリン処理ステップで電極62がアノードとなることにより表面から落とされる。これにより、電極62の電解性能を高く維持できるようになる。
更に、電解装置6Aによれば、有機性被処理液中のBODを、電解により生成される次亜塩素酸による反応、又は電極表面での反応等により分解することが可能であり、有機性被処理液中のBODを減少させることができる。
また、図8は、排水処理装置6としての生物装置6Bの概略構造図である。生物装置6Bは、第1の処理槽としての硝化槽65と、第2の処理槽としての脱窒槽68と、により構成される。また、硝化槽65内には、被処理液の曝気を行うための曝気装置67が設置され、脱窒槽66内には、被処理液の攪拌を行うための攪拌装置68が設けられている。尚、本実施例では、攪拌装置68は脱窒槽66のみに設けられているが、硝化槽65内に、曝気装置68と共に設置されても良いものである。
生物装置6Bは、有機性またはアンモニア性窒素を含む有機性被処理液を、好気または嫌気処理により有機物を分解したのち、消化槽65での硝化工程において曝気を行って硝化菌の作用により有機性またはアンモニア性窒素を亜硝酸性または硝酸性窒素に酸化し、脱窒槽66での脱窒工程において被処理液を嫌気状態に保って脱窒菌の作用により亜硝酸性または硝酸性窒素を窒素ガスに還元して脱窒する方法である。
更に、生物装置6Bによれば、有機性被処理液中のBODを分解することが可能であり、有機性被処理液中のBODを減少させることができる。
このように、排水処理装置6として電解装置6A若しくは生物装置6Bを前記第3の殺菌装置300の後段に設けることにより、有機性被処理液中に、硝酸性窒素、亜硝酸性窒素、アンモニア性窒素又は有機性窒素等の所謂窒素化合物やリン等が含まれている場合にも、有機性被処理液の河川や湖沼への排出によるが抑制され、更に、BODも低減させることができることから、本発明の発酵装置の環境負荷を低減することが可能となる。
上記実施例1においては、水素発生装置3及びメタン発生装置4を同時に用いた2相式の発酵装置について実行するものとしたが、これに限らず、図5に示す如くメタン発生装置4を持たず、前処理装置2、水素発生装置3、殺菌装置100及び殺菌装置200、水素発生装置3の補助加熱装置であるヒータ5とで構成されるシステムとしても良いものとする。
この場合は、殺菌装置200が、上記実施例1の殺菌装置300の如き役割を果たすことにより、本実施例においても水素発生装置3の廃液中に含まれる有害な微生物、例えば遺伝子操作菌等が、系外に放出される危険が回避でき、より安全な発酵装置をなすことができる。また、上記実施例1の如く排水処理装置6を前記殺菌装置200の後段に設けた場合には、環境中への窒素化合物等の排出を抑制され、更に、BODも低減させることができることから、本発明の発酵装置の環境負荷を低減することが可能となり、より環境負荷の少ない発酵装置が提供される。
更に、上記実施例1においては、水素発生装置3及びメタン発生装置4を同時に用いた2相式の発酵装置について実行するものとしたが、これに限らず、図6に示す如く水素発生装置3を持たず、前処理装置2、メタン発生装置4、殺菌装置100及び殺菌装置200、メタン発生装置4の補助加熱装置であるヒータ5とで構成されるシステムとしても良いものとする。
この場合でも、上記実施例2の如く殺菌装置200が、上記実施例1の殺菌装置300の如き役割を果たすことにより、本実施例においてもメタン発生装置4の廃液中に含まれる有害な微生物、例えば遺伝子操作菌等が、系外に放出される危険が回避でき、より安全な発酵装置をなすことができる。また、上記実施例1の如く排水処理装置6を前記殺菌装置200の後段に設けた場合には、環境中への窒素化合物等の排出を抑制され、更に、BODも低減させることができることから、本発明の発酵装置の環境負荷を低減することが可能となり、より環境負荷の少ない発酵装置が提供される。
尚、実施例ではいずれも殺菌装置100、殺菌装置200、及び殺菌装置300は同一の構造を有しているが、夫々の殺菌装置の処理容量や構成等は、必要により変更してもよいものである。
また、実施例はいずれも排水処理装置6として、電解装置6A又は生物装置6Bを用いる構成であるが、これに限らず、電解装置6Aと生物装置6Bとを組み合わせた装置、所謂電解装置6Aと生物装置6Bを同時に設けたハイブリッド型として用いることもできる。尚、この場合の電解装置6Aと生物装置6Bの設置順序であるが、どちらが前段であっても良いものである。
また、排水処理装置6は、有機性被処理液の状態や、発酵装置1の設置条件によっては設けなくても良い。
本発明の殺菌装置を備えた発酵装置の一実施形態を示した構成概略図である。 本発明の前処理装置にディスポーザを用いた場合の概略図である。 本発明の前処理装置にスラリー生成機を用いた場合の概略図である。 本発明の殺菌装置としてのヒートポンプ式の加熱殺菌及び冷却装置の概略構成図である。 本発明の殺菌装置を備えた発酵装置の他の実施形態を示した構成概略図である。 本発明の殺菌装置を備えた発酵装置のさらに他の実施形態を示した構成概略図である。 本発明の排水処理装置としての電解装置の概略図である。 本発明の排水処理装置としての生物装置の概略図である。
符号の説明
1 発酵装置
2、2A、2B 前処理装置
3 水素発生装置
4 メタン発生装置
5 ヒータ
6 排水処理装置
6A 電解装置
6B 生物装置
10 ディスポーザ
20 沈殿分離槽
30 固液分離装置
40 コンポスト装置
50 スラリー生成機
61、62 電極
63 処理槽
64 電源
65 硝化槽
66 脱窒槽
67 曝気装置
68 攪拌装置
100、200、300 殺菌装置
100A 流路部
100B 冷媒回路
101 圧縮機
102 放熱部
103 膨張弁
104 吸熱部
105 空気放熱器
105F 冷却用送風機
106 空気熱交換器
106F 送風機
107 バイパス回路
108 電磁弁
109 冷媒配管
110 流路
111 ポンプ
112 熱回収用熱交換器
113 加熱部
114 冷却部
115 加熱用熱交換器
116 冷却用熱交換器
120、121、122、123 温度センサ


Claims (9)

  1. 有機物を分解して気体を発生させる発酵槽と、
    前記有機物を含む被処理液を殺菌する殺菌手段と、を備えたことを特徴とする発酵装置。
  2. 前記殺菌手段を前記発酵槽の前段及び/又は後段に配設したことを特徴とする請求項1に記載の発酵装置。
  3. 前記有機物を分解して気体を発生させる発酵槽は、
    有機物を分解して水素を発生させる水素生成菌が収容される水素発酵槽、又は有機物を分解してメタンを発生させるメタン生成菌が収容されるメタン発酵槽であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の発酵装置。
  4. 有機物を分解して水素を発生させる水素生成菌が収容される水素発酵槽と、
    前記有機物を分解してメタンを発生させるメタン生成菌が収容されるメタン発酵槽と、
    前記有機物を含む被処理液を殺菌する殺菌手段と、を備え、
    前記水素発酵槽の後段にメタン発酵槽を設けたことを特徴とする発酵装置。
  5. 前記殺菌手段は、前記水素発酵槽の前段及び/又は後段と、
    前記メタン発酵槽の前段及び/又は後段と、に配設されたことを特徴とする請求項4に記載の発酵装置。
  6. 前記殺菌手段は、前記被処理液を加熱する手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至5に記載の発酵装置。
  7. 前記殺菌手段は、前記被処理液を加熱した後、冷却する手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至6に記載の発酵装置。
  8. 前記殺菌手段は、圧縮機、放熱部、減圧装置及び吸熱部等から構成される冷媒回路を備え、前記吸熱部にて前記被処理液から吸熱し、前記放熱部にて当該被処理液に放熱するヒートポンプ装置であることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の発酵装置。
  9. 前記殺菌手段は、前記放熱部で前記被処理液を加熱して殺菌し、
    前記吸熱部で前記被処理液を冷却することを特徴とする請求項8に記載の発酵装置。


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