JP2008093569A - 超音波処理及びダイヤモンド電極を用いた水媒体の処理方法及び装置 - Google Patents

超音波処理及びダイヤモンド電極を用いた水媒体の処理方法及び装置 Download PDF

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Kenichi Sasaki
賢一 佐々木
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Takuya Kobayashi
琢也 小林
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俊博 田中
Kiyomi Arakawa
清美 荒川
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Abstract

【解決課題】エネルギー効率及び処理効率を高めた有機性固形物を含む水媒体の処理方法及び装置を提供する。
【解決手段】有機性固形物を含む被処理水媒体は、被処理水媒体供給ライン2から混合槽8に送られ、超音波処理工程3から返送される超音波処理済水媒体と混合される。混合液は、混合液搬送ライン9を介してダイヤモンド電極電解処理工程5に送られ、電解処理される。このように超音波処理及びダイヤモンド電極電解処理で水媒体中の有機性固形物を可溶化した後、生物処理を行う。
【選択図】図5

Description

本発明は、下水及び集落廃水等の初沈汚泥、余剰汚泥、返送汚泥、浄化槽汚泥また嫌気性のメタン発酵の汚泥、さらにし尿、家畜糞尿、飲食業残飯、生ごみ、食品加工廃棄物、畜肉廃棄物、アルコール蒸留廃棄物、各種アミノ酸発酵廃液、乳酸発酵廃液、焼酎発酵粕及び発酵酒製造廃液、澱粉製造廃液、ビート工場廃液などの有機性固形物を含む各種水媒体の処理方法に関し、特に超音波処理とダイヤモンド電極電解処理を併用して有機性固形物を可溶化して生物処理に供する水媒体の処理方法及びダイヤモンド電極、超音波振動子及び生物処理槽を具備する水媒体の処理システムに関する。
また、本発明は、ダイヤモンド電極電解処理で排出される気体を生物処理に投入する水媒体の処理方法及び処理システムに関する。
下水汚泥、家畜糞尿、し尿、飲食業残飯、生ごみや食品加工残渣などの有機性固形物を含む水媒体や廃水は、資源回収を目的とした処理方法、または、廃棄物を系外に排出しないゼロエミッション的な処理で処分されることが望まれている。資源回収型の処理方法としては、これらの固形物を含む水媒体をガス燃料、液体燃料、化学原料、肥料に変換するメタン発酵、水素発酵、乳酸発酵、エタノール発酵、コンポスト化などが注目されるようになってきている。なお、有機性廃棄物のメタン発酵や水素発酵、エタノール発酵、ブタノール発酵、乳酸発酵などの微生物を用いた発酵処理方法では、必ず余剰菌体及び原料の未分解物を含む残渣が排出されるので、有機性固形物を含む水媒体の処理過程において汚泥の形態で有機性固形物を含む水媒体が発生する。従来、これら残渣を含む廃液や汚泥は、産業廃棄物として処分されるか、またはさらに生物的好気性処理、生物的嫌気性処理又はコンポスト化処理をしてから、必要に応じて固液分離又は乾燥の単位操作を繰り返した後、水質基準を満たした処理水は放流され、固形物は脱水汚泥や余剰残渣の形態で産業廃棄物として処分されている。コンポスト化により有機性肥料に変換された固形物は、発生地の地元で農地還元するなどして有効利用されている。しかし、コンポストの需要自体は、流通経路を介して販売できるほど成長してはいないのが実状である。
また産業廃棄物処分場の処分地が逼迫し、廃棄物処分量の大幅削減が必須となってきたため、特に有機性汚泥に関してはオゾン処理、超音波処理、アルカリ処理、湿式酸化処理、水熱処理、ボールミル処理のような物理化学的処理又は機械的処理などの前処理もしくは可溶化処理を経た後、メタン発酵槽あるいはエタノール発酵槽へ戻すことにより、メタンやエタノール回収量を増加させると共に余剰汚泥発生量を減少させる処理プロセスが提案されている。下水処理場で発生する余剰汚泥については、その量が膨大なため、前記した物理化学的処理又は機械的処理により可溶化させ、可溶化液を生物的好気性処理槽に再送して、曝気槽を循環する過程で微生物の代謝によって有機性廃棄物を炭酸ガスにまで分解させるプロセスが開発されている。このプロセスでは、下水処理システムとして汚泥発生を伴わない水処理方法が提案され、ゼロエミッションが狙いとなっている。
また、各種木質系廃棄物、またはトイレットペーパが多く含まれる下水の初沈汚泥等のセルロース系水媒体に関しては、酸化熱処理、酵素処理、水熱処理、ソルボサーマル処理などを行い、セルロースの加水分解反応を促進させて、糖化反応によって可溶化し、微生物を用いる乳酸発酵、メタン発酵、エタノール発酵あるいは好気性処理を行う方法なども提案されている。
有機性固形物を含む水媒体である汚泥を可溶化又は減容化する技術は、比較的多くがすでに開示されている。たとえば、特開平6−206088号公報には、オゾンを用いて汚泥の可溶化を行い、可溶化液を生物的好気性処理に戻す方法が紹介されている。特開2002−282721号公報には、高速回転するディスクで汚泥を破砕する装置が紹介されている。特開2004−290778号公報には、汚泥に加水分解酵素を添加して嫌気性消化を行い、汚泥発生量を減容化する方法が開示されている。特開平11−188379号公報には、可溶化した汚泥を酸発酵させた後、生物的好気性処理に戻して汚泥を減容化する方法が紹介されている。また、特開2003−5377号公報には、可溶化後に固液分離を行い、分離された汚泥の酸発酵及び分離液からリン回収を行う方法が紹介されている。特開2003−10890号公報には、ノズル噴射で発生するキャビテーションによって汚泥を可溶化する装置が開示されている。特開平11−156399号公報には、キャビテーションと酸性酸化剤及びアルカリ剤を併用して汚泥を可溶化する方法が紹介されている。特開平2−227190号公報、特開2005−186022号公報には、アルカリ剤を添加して汚泥を可溶化する方法が紹介されている。また、特開2005−246347号公報には、アルカリ処理を行い、さらに酸処理、熱処理、ビーズミル処理、溶菌処理、超音波処理の第二の可溶化処理を行う方法が開示されている。特開2005−125320号公報には、生物処理で発生する残渣を水熱処理し、電気分解処理する方法が開示されている。特開平9−150196号公報には、水媒体を陰極処理工程とアルカリ処理工程に循環させて汚泥を可溶化する方法が開示されている。また、汚泥可溶化工程で、電解により発生させた酸性水及びアルカリ水を用いる方法が特開平10−76299号公報、さらに電解で発生させた強酸性液及び強アルカリ液でリンの溶出及び不溶化を行う方法が特開2005−305254号公報に紹介されている。
以上のように、汚泥の可溶化に電気分解反応を用いる技術も最近注目されつつある。電気化学反応は、電子が反応剤の役割を果たし、グリーンケミストリ的イメージがあり、さらに電源をオンオフすることにより任意に反応の制御ができ、コンパクトでシンプルなプロセスとなるメリットがある。汚泥の可溶化又は減容化に電気化学反応を用いた他の従来技術としては、下記の技術を挙げることができる。
特開2002−126782号公報、特開2002−361282号公報には、生物処理で発生する余剰汚泥を直接電解処理し、電解処理した汚泥を生物処理に返送する方法が開示されている。このような汚泥を電解する際に電極への汚泥の付着を防止する方法として回転式の電極が特開2005−144311号公報に開示されている。特開2001−149998号公報には、電解条件として、交流電解を行い、過酸化水素を添加する方法が開示されている。また、特開2005−118695号公報、特願2005−253946号明細書には、この汚泥の電解を行うためにダイヤモンド電極と言う特殊な電極を用いることが記載されている。特開平11−147100号公報には、汚泥を直接電解はしないが、超音波処理で汚泥を可溶化している場に、塩水電解で発生したアルカリ剤及び酸性酸化剤を添加して汚泥を可溶化する方法が紹介されている。
なお、特開2005−103351号公報には、ジエチレングリコールモノブチルエーテル含有処理水(COD:2,400mg/L)を超音波処理及びダイヤモンド電極を用いる電気分解処理してCOD(化学的酸素要求量)を低減させる水処理方法が記載されている。また、特開2003−236551号公報には、有機ハロゲン化合物を含む被処理対象媒体に対して電気分解処理と超音波処理を併用することにより、超音波によって固体に付着している有機ハロゲン化合物を液状分に移行させ、その後の電気分解処理において効率的に分解処理する方法及び装置が記載されている。しかし、特開2005−103351号公報及び特開2005−103351号公報には、T−COD(総化学的酸素要求量)が不変でS−COD(溶解性化学的酸素要求量)が増加したことは何ら記載されていないことから、水媒体中の有機性固形物を易生物分解性に変える可溶化処理については記載も示唆もないといえる。
各種物理化学的処理の中では、超音波処理は分散効果、キャビテーションバブル発生またはそのバブルが破壊するときに発生する局所的衝撃波によって、有機性廃棄物が破砕される等の特徴を有し、また常温常圧のプロセスにおいて、シンプル且つコンパクトな装置で実現できるため、汚泥などを可溶化する方法として大変期待されている。しかし、超音波処理では、投入された電気エネルギーのすべてが可溶化のために消費されないので、コストパーフォーマンスを向上させることが必要である。
また、ダイヤモンド電極を用いた電気化学的処理方法は比較的新しい技術であり、汚泥の可溶化にも用いられている例もある(特開2005−118695号公報、特開2006−68617)。ダイヤモンド電極は、CVD(化学蒸着)法でホウ素(ボロン)をドーピングして導電性のダイヤモンド膜を製作するため、「ボロン・ドープド・ダイヤモンド(BDD)電極」とも呼ばれている。ダイヤモンド電極は広い熱力学の窓を示し、陽極として用いた場合に、酸素が発生する前に酸化能力が高いOHラジカルが電極表面に発生することが知られている。OHラジカルは、ほとんどの有機物を二酸化炭素および水まで分解できることが知られている。ダイヤモンド電極は、水溶液に完全に溶解している有機物に対しては能力を発揮するが、汚泥のように固形物が含まれている場合には固形物の電極表面への物質移動が律速となり能力を十分に発揮することができない。したがって、有機性固形物が含まれている水媒体の可溶化手段としてダイヤモンド電極を用いることは効率が悪いという問題がある。
特開平6−206088号公報 特開2002−282721号公報 特開2004−290778号公報 特開平11−188379号公報 特開2003−5377号公報 特開2003−10890号公報 特開平11−156399号公報 特開平2−227190号公報 特開2005−186022号公報 特開2005−246347号公報 特開2005−125320号公報 特開平9−150196号公報 特開平10−76299号公報 特開2005−305254号公報 特開2002−126782号公報 特開2002−361282号公報 特開2005−144311号公報 特開2001−149998号公報 特開2005−118695号公報 特願2005−253946号明細書 特開平11−147100号公報 特開2005−103351号公報 特開2003−236551号公報 特開2005−118695号公報 特開2006−68617号公報 西本、小林、超音波テクノ2003,7−8,45−47 Ralph E. White,Modern Aspects of Electrochemistry n.37, Kluwer Academic Publisher, 2004, New York, pg.119
上記したように、多くの有機性固形物を含む水媒体は、生物処理により資源回収型又はゼロエミッション的に処理することが望まれるようになってきている。しかし、生物処理は低コストである一方、大きな処理スペース及び長い処理時間を必要とし、また水媒体には生物処理では分解又は処理できない難分解性の物質も多く含まれている。一方、物理化学的処理は、短時間処理で完結でき、難生物分解性の廃棄物でも処理できるが、生物処理と比較すると高コストである。さらに、超音波処理は、エネルギー効率が低い。また、ダイヤモンド電極電解処理は、電極表面への固形物の物質移動が律速となり、有機性固形物を含む水媒体を可溶化するためにはエネルギー効率が悪い。そこで、エネルギー効率及び処理効率を高めた有機性固形物を含む水媒体の処理方法及び装置を提供することが本発明の課題である。
本発明者らは、上記課題に対して鋭意検討を行った。汚泥を始めとする有機性固形物を含む水媒体の各種処理実験を行い、効率よく処理するプロセスを考案して本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は下記の構成により、その目的を達成するものである。
本発明によれば、超音波処理及びダイヤモンド電極電解処理で水媒体中の有機性固形物を可溶化して易生物分解性とした後、生物処理を行うことを特徴とする水媒体の処理方法が提供される。
「可溶化」には、固形性の有機廃棄物を粉砕し、微粒子、低分子の状態にする一面と、元々水に溶けていなかった有機物を親水性、つまり水溶性に変換する面とがある。これらは、いずれも微生物が処理しやすい状態(易生物分解性)に有機性廃棄物を変換するものである。この有機性固形物を含む水媒体の可溶化程度は、SS(浮遊固形物量)の減少及びS−COD(溶解性化学的酸素要求量)の増加量に基づいて定量化できる。また、可溶化の質は、VFA(揮発性有機酸)の発生または、S−Sugar(溶解性糖)への変換傾向のいずれが大きいかに基づいて定量化できる。VFAの発生は、可溶化機構に部分酸化的作用が含まれていることを示し、S−Sugarへの変換(「糖化」とも呼ばれる)は、可溶化機構に通常は加水分解作用が含まれていることを示す。これらVFA及びS−Sugarはいずれも生物処理の理想的な基質である。また、有機性固形物を含む水媒体が可溶化によって易生物分解性に変化したか否かの定性的評価は、どれだけ腐りやすくなったかを観察又は観測することで判断できる。本発明における「可溶化」は、有機性固形物を含む水媒体のCOD低減ではなく、あくまでも有機性固形物を生物処理しやすい状態(易生物分解性)に変換することである。本発明は、水媒体中の有機性固形物を可溶化した後に、後続の生物処理によってCOD減少量を指標とする有機性固形物の分解を行い、処理プロセス全体のコストを低減させる。
本発明は、超音波処理及びダイヤモンド電極電解処理を併用して水媒体中の有機性固形物を可溶化することを特徴とする。本発明において、超音波処理とダイヤモンド電極電解処理とを同時に行う(以下、「ソニックBDD」と略することもある)ことが特に好ましいが、水媒体を超音波処理に供してからダイヤモンド電極電解処理に供する態様、ダイヤモンド電極電解処理に供してから超音波処理に供する態様及び超音波処理とダイヤモンド電極電解処理との間を循環させる態様を含む。
有機性固形物を含む水媒体を超音波処理及びダイヤモンド電極電解処理の併用、特にソニックBDDで直接処理すると、超音波の分散・破砕効果とダイヤモンド電極の電解によって発生するOHラジカルの酸化能力とが、効率よく組み合わせられることに本発明者らは着眼した。ダイヤモンド電極又は超音波処理の単独技術の弱点が効果的に補われることが明らかとなった。すなわち、有機性固形物を含む水媒体の処理に超音波処理とダイヤモンド電極電解処理とを併用すると、可溶化のエネルギー消費の観点からは、相加効果ではなく著しい相乗効果が得られ、コスト的に断然有利になることを見出した。
なお、本発明における可溶化は、電解で発生させた酸性水及びアルカリ水を超音波処理場に投入して汚泥を可溶化する従来方法(特開平11−147100)とは明らかに異なる。この従来方法は、酸性水に含まれる次亜塩素酸と超音波との組み合わせ効果で可溶化が進行するため、余剰汚泥の減容化処理初期には効果があるが、可溶化処理後の液を生物的好気性処理槽に返送させて循環するうちに塩素耐性菌が発生して次亜塩素酸の効果が無くなり、長期処理では汚泥減容化がうまく機能しなくなる欠点がある。本発明においては、有機性固形物を含む水媒体を超音波処理とダイヤモンド電極電解処理を併用している反応場に直接投入するため、次亜塩素酸のみの効果ではなく、OHラジカルの効果があり、効率が高い。ちなみに、これまでOHラジカル耐性菌が発見された報告例はない。よって、本発明は、有機性固形物を含む水媒体を直接、超音波処理とダイヤモンド電極電解処理とを併用する反応場に投入して可溶化させることを特徴とする水媒体の処理方法でもある。
本発明では、可溶化して易生物分解性となった有機性固形物を生物処理に供することを特徴とする。超音波処理及びダイヤモンド電極電解処理の併用、特にソニックBDDで可溶化することにより、元々難分解性であった有機性固形物を含む水媒体が生物処理可能となり、効率のよい生物的嫌気性処理または生物的好気性処理が可能となる。ダイヤモンド電極電解処理と超音波処理を併用した可溶化では、水媒体に含まれる有機性固形物を分散、さらに固形物の破砕による微粒子化、低分子化の効果が現われる。この低分子化に糖化反応も含まれ、水溶性の糖の発生が進行する。さらに、ダイヤモンド電極電解処理を併用しているため、部分酸化により有機酸の発生も起こる。これらの相乗効果により、生物処理、特に嫌気性処理又は好気性処理が進行しやすくなる。よって、本発明は、超音波処理及びダイヤモンド電極電解処理で水媒体中の有機性固形物を可溶化して易生物分解性とした後、生物的嫌気性処理又は生物的好気性処理を行うことを特徴とする水媒体の処理方法でもある。
前記生物的嫌気性処理としては、温度30℃〜70℃、pH5〜8.5、酸化還元電位−100mV〜−600mVでの嫌気性雰囲気下で有価物である水素及び/又はメタンを産出する酸発酵法、水素発酵法、可溶化・水素発酵法、メタン発酵法などを用いることができるが、酸発酵法であることが特に好ましい。酸発酵法とは、有機性固形物が微生物の作用により加水分解反応、部分酸化反応、エタノール発酵、乳酸発酵などの嫌気性発酵がほぼ同時に進んでいくことにより可溶化される過程で、酢酸、乳酸、酪酸、プロピオン酸などの有機酸が発生するプロセスである。酸発酵の工程は、反応温度30〜70℃、pH4.5〜7、より好ましくはpH5〜6、水理学的滞留時間(HRT)2〜12時間で行うことが好ましい。特に、有機性廃棄物の種類によっては可溶化段階が反応律速となりやすいことから、温度45℃〜70℃の高温反応でHRT2〜8時間で行うことが好ましい。
乳酸発酵、エタノール発酵、水素発酵、可溶化・水素発酵などの工程では、水素、二酸化炭素、硫化水素の他に、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸などの有機酸、エタノール、プロパノール、2,3−ブタンジオール、アセトン、ブタノールなどのアルコール類が主に生成される。メタン発酵では、メタン、二酸化炭素、硫化水素、アンモニアなどのバイオガスが主に生産される。メタン発酵では、分解された有機物1kgあたり0.35m(標準状態)のメタンが生産される。メタン発酵法は、発酵温度30〜70℃、好ましくは35〜40℃の中温性メタン発酵領域または50〜65℃の高温性メタン発酵領域で行う。これは、多くの中温性または高温性メタン生成細菌群やその他の嫌気性細菌群の生育至適温度がこれらの範囲内にあるためである。メタン発酵の運転条件としては、pH6〜9、より好ましくはpH7〜8、HRT5〜30日、より好ましくはHRT10〜25日が好ましい。メタン発酵工程での反応処理形式としては、特にSS(Suspended Solids)濃度、油脂濃度に応じて、浮遊床型、固定床型、流動床型、UASB(上向流式嫌気性スラッジブランケット)型のいずれにおいても適用可能である。具体的には、SS濃度2,000mg/L以上の場合、油脂濃度1,000mg/L以上の場合には浮遊床型メタン発酵を適用することが好ましい。メタン発酵槽内においては中性脂肪や高級脂肪酸は温度が高いと分散性が増すため、油脂成分が多く含まれる廃棄物原料に適用する場合は、50℃〜65℃の高温メタン発酵方法を選択することが好ましい。また、UASBを用いる場合には、可溶化液に有機酸又は水溶性の糖類が多く含まれている場合が好ましい。なお、超音波処理及びダイヤモンド電極電解処理の併用、特にソニックBDDでの可溶化程度によって、SS濃度は制御できるため、最終的にどの種類のメタン発酵法を選択するかは、有機性固形物を含む水媒体を超音波処理及びダイヤモンド電極電解処理の併用、特にソニックBDDで処理した時の結果を見ながら適宜選択すればよい。固定床型、流動床型といった微生物保持担体を充填したメタン発酵方法では、微生物を担体に結合する方法として結合法や包括法を適用できるが、本発明でのメタン発酵工程における微生物反応においては砂、珪砂、活性炭、セラミックス、合成樹脂、炭素繊維、プラスチックビーズ、ガラスビーズ、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリプロピレン、汚泥焼却灰、木炭粉末、石炭灰フライアッシュのような粒子表面に微生物群を付着させて生物膜を形成させることが有利である。これらの保持担体の生物的嫌気性処理槽内での存在形態、流動状態によって固定床と流動床に大別されるが、本発明ではどちらのタイプも適用が可能である。ただし、固定床タイプでは油脂分の過剰付着による固定化担体の閉塞や汚泥の浮上が、流動タイプでは担体同士のぶつかり合いによる汚泥の剥離が問題となりやすいため、発酵原料中の油脂分濃度や固形物濃度などの性状、発酵槽運転時の原水供給方法や有機物負荷、汚泥濃度や汚泥性状などに注意が必要である。これらの操作条件を決めるに際しては、原水性状、水量変動、目標処理水質を加味した上で決定されるものである。
前記生物的好気性処理は特に限定されるものではなく、例えば、標準的な生物的好気性処理である浮遊法(曝気槽に汚泥が浮遊する)の活性汚泥処理法であっても良いし、微生物が膜に固定化された生物膜濾過法であってもよい。更に、活性炭、アンスラサイト(石炭系炭素)、砂などの担体に好気性微生物を固定した方式の生物的好気性処理であってもよい。ハニカム担体などに微生物が固定された生物的接触酸化方式の生物的好気性処理であってもよい。また、浮遊法のバリエーションとして粒状のPEG(ポリエチレンングリコール)又は活性炭を担体として微生物を固定化した方式であってもよい。更には、ひも状、網状又はハニカム状の担体に微生物が固定化された接触酸化方式の生物的好気性処理であってもよい。或いは、空気曝気を行わないで直接空気中から酸素を取り入れる回転円盤式の生物的好気性処理であってもよい。回転円盤式生物的好気性処理とは、スポンジ等が取りつけられたディスクが、その上半分が水媒体から空気中に露出した状態で配置されており、このディスクが回転することによって空気中から直接水媒体中に酸素を取り込むことを特徴とする生物的好気性処理法である。
また、本発明の生物的処理では嫌気性と好気性とを組み合わせた生物処理を用いることができる。この場合には、可溶化液に残留する窒素やリン成分の除去が可能となる。有機性固形物を含む水媒体の窒素濃度が高い場合には、塩素イオンを添加して、超音波処理及びダイヤモンド電極電解処理併用の可溶化処理工程で、ある程度窒素除去を行うことが好ましい。アンモニア性窒素は、可溶化処理工程で窒素ガスに変換され、一部は硝酸性窒素に変換される。硝酸性窒素は、生物的嫌気性処理で窒素ガスに変換される。脱窒素菌は、酸素の代わりに硝酸性窒素を水素受容体として呼吸し、硝酸性窒素又は亜硝酸性窒素を窒素ガスまで還元する。なお、ここではアンモニア性窒素は分解されない。逆に、可溶化液にタンパク性窒素などが含まれていると、生物的嫌気性処理では、アンモニアの濃度が高くなる場合がある。また、脱窒素菌はBOD成分である有機物を水素供与体とするので、可溶化処理又は酸発酵処理で発生した有機酸、可溶性糖類などのBOD成分が硝酸性窒素、亜硝酸性窒素を窒素ガスに変換するのに利用される。生物的嫌気性処理で分解されないアンモニア性窒素は生物的好気性処理で硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素に変換される。このアンモニア性窒素を硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素に変換する工程では、好気性菌である亜硝酸菌(Nitrosomonas等)がアンモニア性窒素を亜硝酸窒素に変換し、次いで生物的好気性処理に存在する硝酸菌(Nitrobacter)が亜硝酸性窒素を硝酸性窒素まで酸化する。このように生物的好気性処理と生物的嫌気性処理を組み合わせることによって窒素除去が可能となる。さらに、生物的嫌気性処理にメタノールを添加して脱窒素速度を高めることもできる。
超音波処理及びダイヤモンド電極電解処理併用で可溶化した液を酸発酵処理することにより、さらなる可溶化の促進と有機酸発生量の増大を図ることができる。有機性固形物を含む水媒体を超音波処理及びダイヤモンド電極電解処理の併用で可溶化すると、有機性固形物を含む水媒体に元来含まれていた微生物群(マイクロフローラー)の多くが一旦死滅し、殺菌された状態となる。この殺菌効果は主にダイヤモンド電極電解のOHラジカルによるものである。この殺菌された可溶化液に酸発酵の種菌を投入すると、競合又は妨害する他の菌がいないため、効率のよい酸発酵反応が進行し、純性培養に近い酸発酵が可能となる。また、可溶化の大半を酸発酵の方で補わせることが可能となり、可溶化処理に必要なエネルギー投入が著しく軽減できるようになる。
また、酸発酵処理後にメタン発酵処理又は生物的好気性処理を行うことが好ましい。超音波処理とダイヤモンド電極電解処理を行い、さらに酸発酵した液には、生物分解性の高い水溶性有機物が多く含まれているため、メタン発酵によりメタン形態でのエネルギー回収が可能となる。また、生物的好気性処理を行うことにより、廃棄物の最終処分量を低減させることが可能となる。
本発明で処理する水媒体は、余剰汚泥、返送汚泥、メタン発酵汚泥の少なくとも一部であることが好ましい。余剰汚泥又は返送汚泥を本発明の形態で処理することにより、汚泥発生のない水処理システムの構築がより簡単に実現できる。超音波照射する汚泥に関しては、SS濃度を2,000mg/L〜70,000mg/Lに設定することが好ましい。SS濃度がこの範囲以下となると超音波照射の効率が極めて悪くなる。またこの範囲以上のSS濃度であると、有機性固形物を含む水媒体の流動性が無くなり、ポンプ輸送などのハンドリング上の問題が出てくる。
また、本発明において、ダイヤモンド電極電解処理後に排出される気体を生物処理に供しても良い。有機物がダイヤモンド電極電解処理によって低分子化される過程で揮発性の有機物が発生し、電解槽の温度上昇などにより、これらの低分子有機物成分の一部は気体成分に同伴される。気体に同伴する低分子有機物は生物分解性が高いため、嫌気性又は好気性の生物処理の双方で効率よく分解できる。
本発明によれば、ダイヤモンド電極電解処理で排出される気体を生物処理に投入することを特徴とする水媒体の処理方法が提供される。ダイヤモンド電極電解処理で排出される気体を生物処理槽に投入することにより、排ガス処理装置、燃料ガス貯槽、爆発性気体を希釈するブロワー等を別途設けるコストが省かれ、処理プロセスが安価となる。有機物がダイヤモンド電極電解処理によって低分子化される過程で揮発性の有機物が発生し、電解槽の温度上昇などにより、これらの低分子有機物成分の一部は気体成分に同伴される。気体に同伴する低分子有機物は生物分解性が高いため、嫌気性又は好気性の生物処理の双方で効率よく分解できる。
ダイヤモンド電極電解処理が電流律速である場合においては、該気体を生物的嫌気性処理に投入することが好ましい。ダイヤモンド電極電解処理では、電解反応を電流律速の条件で運転すると水素、炭酸ガス、COガスの気体成分発生を伴う。電流律速で発生する水素、CO、炭酸ガスは生物的嫌気性処理槽に投入することにより、生物処理槽を常に適切なマイナスの酸化還元電位の還元雰囲気下に維持するために有効利用される。さらに、最終的にはこれらの水素、炭酸ガス、COの気体成分は生物的嫌気性処理で発生するメタンガスと一緒に回収され得るので、可燃性ガスの貯槽を別途設けることを省くことができる。回収された可燃性ガスは燃料として直接用いることができ、また改質反応などによって水素燃料に変換してから燃料電池などに用いることも可能となる。
ダイヤモンド電極電解処理が物質移動律速である場合は、該気体を生物的好気性処理に投入することが好ましい。ダイヤモンド電極電解処理の電解反応を物質移動律速の条件で運転すると、水素、少量の炭酸ガス及び酸素ガスの気体成分発生を伴う。これらのダイヤモンド電極から排出される気体成分または排ガスに同伴する揮発性成分は、スクラバー等の排ガス処理設備を別途設ける必要性無く、生物的好気性処理槽に投入されて効率よく処理され、周囲への悪臭または爆発性ガスの放出を防ぐことができる。ダイヤモンド電極電解処理の電解反応を物質移動律速条件で運転する場合に発生する水素、少量の炭酸ガスおよび酸素は、そのまま電解工程から排出するのは危険であるため、水素濃度を爆発下限値(4vol%)以下、好ましくは1vol%以下に空気希釈して生物的好気性処理槽に導入する。排出気体の主成分は空気となるため、生物的好気性処理槽を曝気するために有効利用ができると同時に排ガスの浄化を行うことができる。また、ダイヤモンド電極電解処理に希釈用空気を供給するブロワーは、生物的好気性処理を曝気するブロワーと一本化できる。
また、本発明においては、可溶化の後、晶析によるリン除去工程を設けてもよい。晶析脱リン法は、汚泥を生成せずリン資源としてリン回収ができる。結晶種として、HAP(ヒドロキシアパタイト、Ca5(OH)(PO4)3)、MAP(リン酸マグネシウムアンモニウム、Mg(NH4)PO4)があり、可溶化液の成分及び含有イオンのバランスによってどちらかの結晶種を選択する。いずれの結晶種でも、不足イオン種を添加し、pHを調整した後、晶析部となる脱リン塔でリン除去を行う。この晶析による脱リンを行う場合は、可溶化液を予め固液分離して、分離液のみの脱リンを行ってもよい。なお、分離液中にリン(PO−P)が50mg/l以上含まれる場合に好ましく適用することができる。
次に本発明の超音波処理とダイヤモンド電極電解処理とを併用する場合の作用効果について、ダイヤモンド電極電解処理単独の場合及び超音波処理単独の場合と比較しながら説明する。
例えば、被処理水媒体として余剰汚泥をダイヤモンド電極電解処理単独で可溶化する場合の電解セル内での状態を図1に示す。余剰汚泥の菌体は、図1の丸囲み拡大部分で示すように、好気性菌体群が自ら分泌するポリマー様菌体外物質で包囲されており、大きさが100〜400μmのフロックとして存在する。この汚泥を可溶化するには、汚泥をダイヤモンド電極表面で発生する強力なOHラジカルと接触させる必要性がある。ダイヤモンド電極電解によるOHラジカルは、電気化学的に発生しているため、電極に直流電流を供給している限り、電極表面で常に連続的に発生する。しかし、このダイヤモンド電極電解で発生するOHラジカルの寿命は、1マイクロ秒程度と非常に短いため、電極表面の極近傍を離れることはなく、常に電極表面の拡散層内にしか存在しない。従って汚泥フロックは、OHラジカルと反応するために、電極表面の拡散層を通過する必要がある。拡散層の膜厚は、撹拌又はポンプ循環によって汚泥に流れをつけるか或いは電極表面に向けて強制的な流れを形成させるなどによって若干異なるが、通常は30〜100μm程度である。図1には、電解セルの中を、汚泥が電極表面に対して平行に流れている状態で示す。しかし、汚泥フロックのような大きな粒子が拡散層を通過するときの物質移動係数(速度)は1mm/h以下であり、非常に遅い。そのため、拡散層を通過できる汚泥フロックは極僅かであり、OHラジカルとの反応がほとんど進行せず、汚泥フロックの電極表面への物資移動が律速となり、可溶化はほとんど進行しないことになる。なお、塩素イオン、硫酸イオンが存在する場合においては、ダイヤモンド電極電解で次亜塩素酸、過硫酸が発生するため、ある程度の汚泥殺菌効果は期待できる。
また、被処理水媒体として余剰汚泥(活性汚泥)を超音波で単独処理する場合の状態を図2に示す。余剰(活性)汚泥は、好気性菌が分泌するポリマー様菌体外物質で、菌体群が100〜400μmのフロック状に固まっている(1)。この活性汚泥フロックに超音波を照射すると、キャビテーションバブルの発生が起こり、このキャビテーションバブルが破壊するときに生じる局所的な衝撃波により汚泥フロックが20μm程度の大きさに分散し(2)、菌体外物質が1μm以下に破壊され(3)、そして最終的には菌体細胞壁が破壊され(4)、汚泥が可溶化される(非特許文献1からの引用:西本、小林、超音波テクノ2003,7−8,45−47)。汚泥への超音波照射により、ポリマー分散(3)までの微粒子化は比較的少ないエネルギー投入で進行させることができるが、菌体の硬い細胞壁の破壊には大きなエネルギーの投入が必要である。また、超音波照射では酸化剤が関与しないのでVFAはほとんど発生しない。
さて、被処理水媒体として余剰汚泥(活性汚泥)に本発明の超音波処理とダイヤモンド電極電解処理を併用した場合の状態を図3に示す。まず、フロック状に固まっている余剰汚泥に超音波を照射してフロック分散及びポリマー様菌体外物質を1μm以下まで破壊させ(1)、その後、ダイヤモンド電極電解処理を行う。超音波照射はエネルギー投入量が少なくてよい。余剰汚泥は超音波処理によって小さいフロック(20μm)又は単離菌体(0.8〜3μm位)となっているため、電極表面への物質移動係数が高くなり(〜5cm/h)、また微粒子化されたポリマー様菌体外物質の分散体や単離菌体は電極表面から30〜100μmに形成される拡散層に到達しやすくなる(2)。電極表面へ到達した分散体や単離菌体はOHラジカルと反応し(3)、更に微粒子化され、菌体細胞壁が破壊され、さらに部分酸化される(4)。
このように本発明の超音波処理とダイヤモンド電極電解処理併用(特にソニックBDD)では、ダイヤモンド電極電解で発生する強力なOHラジカルの酸化能力及び超音波衝撃波による汚泥の分散・破砕効果を効率よく利用して可溶化し、有機性固形物を易生物分解性とするものである。
これらの方法を実施するための装置も本発明により提供される。すなわち、本発明によれば、ダイヤモンド電極電解槽、超音波振動子及び生物処理槽を具備することを特徴とする水媒体処理システムが提供される。
前記超音波振動子が前記ダイヤモンド電極電解槽内に組み込まれて一体化された超音波−ダイヤモンド電極電解装置を具備することが好ましい。超音波振動子は棒状であることがより好ましい。
前記超音波−ダイヤモンド電極電解装置は、互いに対向位置に設けられている被処理水媒体供給口及び処理済水媒体排出口と、被処理水媒体供給口側に形成されている超音波照射ゾーンと、超音波照射ゾーンの下流側に形成されているダイヤモンド電極電解処理ゾーンと、を具備し、該ダイヤモンド電極電解処理ゾーンは、対面配置されている1対のダイヤモンド電極及び対極と、両者の間に形成されている水媒体流路とを具備し、該超音波照射ゾーンは、ダイヤモンド電極に超音波を作用させる超音波振動子を具備することが好ましい。
あるいは、前記超音波−ダイヤモンド電極電解装置は、互いに対向位置に設けられている被処理水媒体供給口及び処理済水媒体排出口と、被処理水媒体供給口側に形成されている超音波照射ゾーンと、処理済水媒体排出口側に形成されているダイヤモンド電極電解処理ゾーンと、を具備し、該ダイヤモンド電極電解処理ゾーンは、対向位置に配置されている1対のダイヤモンド電極及び対極と、該1対のダイヤモンド電極及び対極の間に配置されている複数の複極と、該複極の間に形成されている水媒体流路とを具備し、該超音波照射ゾーンは、該複極に超音波を作用させる超音波振動子を具備することが好ましい。超音波振動子は、超音波作用方向がダイヤモンド電極表面と直交する方向となるように配置されていることがより好ましい。超音波作用方向がダイヤモンド電極表面に向いていると、ダイヤモンド電極表面にドープされているホウ素などが剥離除去されてしまうことがあるので好ましくない。
さらに、前記超音波−ダイヤモンド電極電解装置は、互いに対向位置に設けられている被処理水媒体供給口及び処理済水媒体排出口と、被処理水媒体供給口側に形成されている超音波照射ゾーンと、処理済水媒体排出口側に形成されているダイヤモンド電極電解処理ゾーンと、を具備し、該ダイヤモンド電極電解処理ゾーンは、交互に配置されている複数対の多孔性ダイヤモンド電極及び多孔性対極と、該多孔性ダイヤモンド電極及び多孔性対極の複数の孔を通して水媒体が流れるように形成されている水媒体流路とを具備し、該超音波照射ゾーンは、該ダイヤモンド電極に超音波を作用させる超音波振動子を具備することが好ましい。
またさらに本発明によれば、ダイヤモンド電極電解槽と、生物処理槽と、ダイヤモンド電極電解槽から排出される気体を生物処理槽に供給する電解ガス供給ラインと、を具備することを特徴とする水媒体処理システムが提供される。
生物処理槽は、生物的嫌気性処理槽または生物的好気性処理槽であることが好ましい。
生物的嫌気性処理槽は、酸発酵槽であることが好ましい。
本発明の方法及び装置において用いることができるダイヤモンド電極としては、当該技術分野において公知の任意の構成の導電性ダイヤモンド電極を挙げることができる。本発明において用いることができる導電性ダイヤモンド電極の例としては、Ni,Ta,Ti,Mo,W,Zr等の導電性金属材料を基板として用い、これらの基板の表面に導電性ダイヤモンドの薄膜を析出させたものや、或いはシリコンウエハ等の半導体材料を基板として用い、これらの基板の表面に導電性ダイヤモンドの薄膜を成膜したもの、更には析出させた導電性多結晶ダイヤモンドを板状に形成した材料などを好ましく挙げることができる。なお、導電性ダイヤモンド薄膜は、基板上へダイヤモンド薄膜を成膜する際にホウ素や窒素などのドーパントを所定量ドープして導電性を付与したものであり、ドーパントとしてはホウ素を使用するのが一般的である。ホウ素をドーパントとして用いる場合は、その量はダイヤモンドの炭素量に対して(B/C比)、100〜3、000ppmの範囲になるようにすることが好ましい。ドーパントが多いと導電性が高くなるメリットがあるが、この範囲以上に高いとダイヤモンド電極の耐久性が悪くなる。また、ダイヤモンド電極の製造法としては、マイクロ波プラズマCVD法、ホットフィラメントCVD法、高温高圧法、アセチレンバーナーなどの各種方法がありいずれで製造したダイヤモンド電極も用いることができるが、ホットフィラメントCVD法で成膜されたダイヤモンド電極が好ましい。ダイヤモンド電極の形状としては、板状、メッシュ状、パンチングプレート状、円筒形など各種形状を用いることができるが、好ましくは板状である。また、導電性ダイヤモンドの膜はナノメーターオーダーからミリメーターオーダーの粒子で構成された多結晶膜であっても良く、単結晶膜でもよい。
本発明において、陽極及び陰極の両方に導電性ダイヤモンド電極を用いてもよく、或いは陽極又は陰極のいずれか一方に導電性ダイヤモンド電極を用いてもよい。導電性ダイヤモンド電極でない電極材料としては、白金、チタンなどの通常の電極材料を用いることができる。陽極及び陰極の両方を導電性ダイヤモンド電極で構成することがより好ましい。ダイヤモンド電極の運転条件としては、電極間距離は0.1〜100mm、好ましくは1〜50mm、さらに好ましくは2〜10mmである。電極間距離を、この範囲以下にすると固形物が電極に付着しやすくなり、流路の閉塞が起こりやすくなる。また、この範囲以上に電極間距離を大きくすると電極間電圧が上昇し、電解コストが高くなるので好ましくない。運転電流密度は0.1〜500mA/cm、好ましくは1〜100mA/cm、さらに好ましくは10〜50mA/cmである。電流密度をこの範囲以下にすると、必要な電極面積が大きくなりすぎて、電極費用が高くなる。また、この範囲以上の電流密度を用いると、電極間電圧が高くなりすぎ、電解のコストが高くなる。また、ダイヤモンド電極電解処理される汚泥の電気伝導度は0.1〜300mS/cmとなっていることが好ましい。電気伝導度がこの範囲より低いと、電極間電圧が高くなりすぎ、電解コストが高くなる。また電気伝導度がこの範囲以上に高くなると、ダイヤモンド電極電解処理にはマイナスな効果はないが、可溶化を行った後の生物処理に塩類阻害などの悪影響を及ぼす可能性がある。電気伝導度の調整には汚泥に塩類を添加して、所定電気伝導度に調整することもできる。調整用の塩類としては、限定されるものではないが、陰イオンとしては塩素イオン、硫酸イオン等、陽イオンとしてはカリウムイオン等が好ましい。ただし、生物処理、特に生物的嫌気性処理の阻害となることが知られているナトリウムイオン、アンモニウムイオンなどは避けることが好ましい。
本発明の方法及び装置において、超音波処理に用いる超音波照射装置の主な構成要素は超音波信号発信機、信号増幅器及び超音波振動子である。超音波振動子は丸棒であってもよく、平板状であってもよいが、好ましくは丸棒である。また、丸棒の先端に超音波強度を集中できるタイプの振動子が好ましい。周波数は特に限定されず、一般的な20kHzでもよい。市販されている洗浄用の超音波照射装置であってもよいが、汚泥の可溶化専用に製作されている超音波照射装置が特に好ましい。超音波を照射する場所は配管の一部であってもよく、また容器内、ダイヤモンド電極電解槽内であってもよく、超音波振動子を配管、容器又はダイヤモンド電極電解槽に挿入することによって実現できる。超音波振動子の接液部分の材料は耐食性に優れているものを使用することが好ましい。ステンレス系、特にSUS316以上の耐久性を有する材料を用いることが好ましい。
本発明の超音波及びダイヤモンド電極を用いた水媒体の処理方法及び装置によれば、有機性固形物を含む水媒体を超音波処理及びダイヤモンド電極電解処理で可溶化することができ、さらに各種嫌気性又は生物的好気性処理がしやすくなる。そのため、低コストの資源回収型又はゼロエミッション型の有機性固形物を含む水媒体の処理システム構築が可能となる。
発明を実施するための形態
以下に、本発明の実施の形態を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
図4は、可溶化処理をワンパスフロー(一方向処理)で行う態様の概念図である。図4には、まず水媒体を超音波処理工程3に供して、次いでダイヤモンド電極電解処理工程5に供するフローが記載されている。超音波処理工程3及びダイヤモンド電極電解処理工程5には、それぞれ、貯槽を具備する循環ラインを設けてもよい。図4に示すワンパスフロー態様では、有機性固形物を含む水媒体はライン2から超音波照射装置が具備されている超音波処理工程3に供給され、ついでダイヤモンド電極電解処理工程5へライン4を介して送られる。超音波処理工程3では有機性固形物を含む水媒体に超音波振動子から超音波が照射され、水媒体が処理される。ダイヤモンド電極電解処理工程では、ダイヤモンド電極電解槽内で有機性固形物を含む水媒体が処理される。可溶化された液はライン6を介してダイヤモンド電極電解処理工程5から排出される。
図5は、可溶化処理を循環式で行う態様の概念図である。図5には、未処理の水媒体と可溶化処理された水媒体とを混合して、再び可溶化処理に供する循環式フローが記載されている。図5に示す態様では、未処理の有機性固形物を含む水媒体をライン2を介して撹拌装置(図示せず)などを具備する混合槽8に供給する。混合槽8には、可溶化処理された水媒体がライン4を介して返送され、未処理の水媒体と可溶化処理された水媒体とが混合される。混合液はライン9を介してダイヤモンド電極電解処理工程5に送られ、ダイヤモンド電極電解槽内でダイヤモンド電極電解処理され、ついでライン7を介して超音波処理工程3に送られる。超音波処理工程3には超音波照射装置が具備されており、混合液は超音波振動子が発信する超音波に暴露される。超音波処理液の一部はライン6を介して可溶化工程1から排出され、また残りはライン4を介して混合槽8へ循環される。循環方式の場合は、循環流量の調整によって、ダイヤモンド電極電解処理工程5及び超音波処理工程3の反応場での液体の流量の任意調整が可能となる。循環流量の調整は、固形物が各工程、配管等で沈殿しないように、或いはダイヤモンド電極表面での反応効率を向上させるために、適切に設定することができる。
図6及び図7は、可溶化工程1で発生する気体を生物処理工程10で利用する態様の概念図である。図4及び図5に示したワンパスフロー態様及び循環式態様のいずれの態様についても、ダイヤモンド電極電解処理工程5における陰極反応で気体状水素が発生する。水素は、通常、ダイヤモンド電極電解処理で理論効率(ファラデー効率)どおりに0.41L−H/Ah発生する。有機性固形物を含む水媒体を可溶化する大型のプロセスでは大量の水素が発生するため、水素を再利用することが望ましい。ダイヤモンド電極電解処理工程5では、ダイヤモンド電極での電解反応を物質移動律速状態で運転すると水素、酸素と少量の炭酸ガスが発生し、電流律速状態で運転すると水素、炭酸ガスと少量の一酸化炭素(CO)が発生する。したがって、物質移動律速運転の場合には酸素を含む気体を好気性生物処理に利用することができ、電流律速運転の場合には酸素を含まない気体を嫌気性生物処理に利用することができる。
図6には、電流律速運転の場合に、ダイヤモンド電極電解処理工程で発生する気体を生物的嫌気性処理のメタンガスと混合して回収する態様を示す。図6に示すシステムは、生物的嫌気性処理槽12と、生物的好気性処理槽14と、沈殿槽16とがこの順番に配置されており、生物的嫌気性処理槽12には有機性廃棄物を含む水媒体が有機性廃棄物供給ライン21を介して供給され、生物的好気性処理槽14には生物的嫌気性処理槽12で処理された水媒体が嫌気性処理済液供給ライン13を介して供給され、沈殿槽16には生物的好気性処理槽14で処理された水媒体が好気性処理済液供給ライン15を介して供給される構成となっている。沈殿槽16からは沈殿汚泥を汚泥返送ライン18を介して生物的好気性処理槽14に返送し、活性汚泥の循環処理ができるように構成されている。一方、沈殿槽16において沈殿により濃縮された有機性固形物を含む水媒体は、有機性固形物含有水媒体供給ライン2を介して可溶化工程1に供給されるように構成されている。可溶化工程1で可溶化処理された水媒体は、酸発酵槽10に送られ、次いで生物的嫌気性処理槽12、生物的好気性処理槽14へと順次送られるように構成されている。さらに、可溶化工程1で発生した気体を電解ガス供給ライン19を介して生物的嫌気性処理槽12に供給し、さらに生物的嫌気性処理槽12から気体燃料貯槽20に気体を供給するように構成されている。
生物的嫌気性処理槽12に供給される有機性廃棄物としては、飲食業残飯、生ごみ、食品加工廃棄物、畜肉廃棄物、アルコール蒸留廃棄物、各種アミノ酸発酵廃液、乳酸発酵廃液、焼酎発酵粕及び発酵酒製造廃液、澱粉製造廃液、ビート工場廃液などCOD濃度が2,000mg/L以上で且つ生分解性の高い有機性廃棄物が好ましい。またこの生物的嫌気性処理槽12には、酸発酵槽10から酸発酵処理液が供給され、さらに超音波処理及びダイヤモンド電極電解処理併用の可溶化工程1で発生する気体が供給される。生物的嫌気性処理槽12からは、燃料ガスとして用いられるメタン、水素、炭酸ガスが含まれた気体が排出され、気体燃料貯槽20に送られる。
生物的嫌気性処理槽12からは生物的嫌気性処理済液がライン13を介して排出されるが、この処理液から固形物を除きたい場合には、凝集沈殿、スクリュープレス等をさらに設けて、固液分離を行い、濾液又は上澄のみを生物的好気性処理槽14に投入してもよい。生物的嫌気性処理槽12で分解できなかった未分解有機物、菌体残渣などがこの生物的好気性処理槽14で処理される。図には示していないがこの生物的好気性処理槽14は、ライン13から供給されるもの以外に他の排水を受け入れてもよい。生物的好気性処理済液はライン15を介して沈殿槽16に供給され、ここで余剰汚泥と処理水に分別される。なお、図に示していないが、脱窒素を行うためにライン15を分岐させて、生物的好気性処理済液の一部を生物的嫌気性処理槽12に返送することもできる。
図7には、物質移動律速運転の場合に、ダイヤモンド電極電解処理工程で発生する気体を生物的好気性処理槽14に供給して、好気性処理の曝気用空気源として利用する態様を示す。図7に示すシステムは、電解ガス供給ライン19が生物的好気性処理槽14に接続されている点を除いて図6に示すシステムと同様の構成である。
可溶化工程1ではダイヤモンド電極電解処理を物質移動律速の状態で運転すると水素と酸素を含む爆発性の気体が発生するため、空気ブロワー(B)でこの爆発性気体を爆発下限値以下までに希釈する。従って、水素濃度は4vol%以下、好ましくは1vol%以下までに希釈される。この空気希釈された気体はライン19を介して、生物的好気性処理槽14に投入され、曝気用空気として利用される。
前記した図6及び図7の実施形態説明では、超音波処理及びダイヤモンド電極電解処理を併用して有機性固形物を含む水媒体の可溶化を前提にして説明した。本発明によると、ダイヤモンド電極電解処理工程では、ダイヤモンド電極の電解反応を物質移動律速の状態で運転すると水素、酸素と少量の炭酸ガスが発生するため、排出される気体は生物的好気性処理槽に投入し、電流律速の場合は水素、炭酸ガスと少量のCOが発生するため、生物的嫌気性処理に排出気体を投入する。なお、これは可溶化のみではなく、ダイヤモンド電極を用いて水媒体からCODを除去するプロセス一般に適用することができる。ダイヤモンド電極の電解反応が物質移動律速又は電流律速になるのは、超音波処理と併用して有機性固形物の可溶化を行っている場合のみにおこるのではなく、水媒体に溶存COD(化学的酸素要求量)成分が含まれているすべての場合に適用される。電流律速又は物質移動律速のどちらの状態になるかは下記の制限電流密度の式から判断できる(非特許文献2から引用:Ralph E. White,Modern Aspects of Electrochemistry n.37, Kluwer Academic Publisher, 2004, New York, pg.119)。
〔数1〕
lim = 4 F kCOD (1)
式(1)のjlimは制限電流密度、Fはファラデー定数、kは物質移動係数、CODは水媒体の溶存COD濃度、すなわち溶解性COD濃度である。運転中のダイヤモンド電極電解槽の電流密度が上記制限電流密度より高いと物質移動律速になり、電流密度が制限電流密度より低いと電流律速になる。高濃度の水溶性CODが含まれている水媒体をダイヤモンド電極電解で処理すると、初期には制限電流密度が高いため、電流律速となる。すなわち、溶解性CODはダイヤモンド電極に与えた理論電気量に対応して減る。1gのCODを除去する理論電気量は3.35Ah/g−CODである。ダイヤモンド電極電解処理を継続すると、CODが下がっていくため、ある時点で運転電流密度の方が制限電流密度より高くなり、物質移動律速となる。本発明に従って有機性固形分を含む水媒体を処理するプロセスでは、ダイヤモンド電極電解処理を高濃度COD(電流律速)処理工程及び低濃度COD処理工程(物質移動律速)の二段にわけてもよい。この場合には、図6及び図7に示したシステムの電解ガス供給ライン19にバルブなどを設けて、生物的嫌気性処理槽12と生物的好気性処理槽14との両者に接続し、バルブ操作によって、高濃度COD処理工程から排出される気体は生物的嫌気性処理槽に投入して、低濃度COD処理工程から排出される気体は生物的好気性処理槽に投入することができる。なお、言うまでもなく、ダイヤモンド電極電解処理工程を常に電流律速で運転、すなわち運転中の電流密度を常に制限電流密度以下に維持して、排出される気体を生物的嫌気性処理槽のみに投入することもできるし、逆に、たとえば水媒体に含まれるCOD濃度があまり高くない場合など、常に制限電流密度以上にダイヤモンド電極電解槽の電流密度を維持して発生する気体を生物的好気性処理槽のみに投入することもできる。この態様は、ダイヤモンド電極電解処理と超音波処理を併用して有機性固形物を可溶化する水媒体の処理方法に限定されず、ダイヤモンド電極電解処理を用いた水媒体の処理方法全般に適用できる。
続いて、本発明において提供されるダイヤモンド電極電解槽と超音波振動子とが一体の構造体(以下、「ソニックBDD装置」という)として構成されている水媒体の処理装置の実施形態について説明する。ソニックBDD装置は、生物処理槽とともに本発明の水処理装置システムを構成する。本発明で提供されるこの水媒体の処理装置システムは、前記した有機性固形物を含む水媒体を可溶化し、生物処理するのに適しているが、その他のソノケミストリ(超音波化学)又はダイヤモンド電気化学で行える無機合成、有機合成、分解反応、特に酸化反応又は部分酸化反応が関与した反応と微生物反応とを組み合わせたプロセスにも用いることができる。
図8にソニックBDD装置の一実施形態を示す。図8に示すソニックBDD装置は、互いに対向位置に設けられている被処理水媒体供給口36及び処理済水媒体排出口37と、被処理水媒体供給口側に形成されている超音波照射ゾーンSと、超音波照射ゾーンSの下流側に形成されているダイヤモンド電極電解処理ゾーンDと、を具備する。ダイヤモンド電極電解処理ゾーンDは、対面配置されている1対のダイヤモンド電極31及び対極32と、両者の間に形成されている水媒体流路33とを具備する。超音波照射ゾーンSは、ダイヤモンド電極31に超音波を作用させる超音波振動子35を具備する。
図8に示す実施形態では、密閉構造のダイヤモンド電極電解槽34の中に、ダイヤモンド電極電解処理ゾーンDと超音波照射ゾーンSとが形成されている。ダイヤモンド電極電解処理ゾーンDには、縦置き配置のダイヤモンド電極31と、ダイヤモンド電極31に対面配置されている対極32とが設けられ、ダイヤモンド電極31及び対極32の間に被処理水媒体通過流路33が形成されている。ダイヤモンド電極31への通電は給電体38によって、対極32への給電は給電体39によって施される。超音波照射ゾーンSには、超音波振動子35がダイヤモンド電極電解槽34の内部にダイヤモンド電極電解処理ゾーンDに向けて超音波を照射するように配置されている。超音波振動子35は、超音波照射部がダイヤモンド電極電解槽34の壁を貫通して挿入されることが好ましく、好適には棒状である。棒状にすることにより、ダイヤモンド電極電解槽34の壁を貫通する面積が少なく、さらに超音波振動を妨害することなく、貫通部分のシール性、気密性が確保できる。ダイヤモンド電極電解槽34は、一体構造物でもよく、あるいは押え板、ガスケット等を組み合わせて、ボルト締め等で密閉構造を形成するものでもよい。ダイヤモンド電極電解槽34の下部に水媒体を供給するライン36及び超音波照射ゾーンSが配置されており、上部にダイヤモンド電極電解処理ゾーンD及び超音波処理された水媒体を排出するライン37が設けられている。
超音波振動子35は、ダイヤモンド電極31に超音波が作用するように隣接していることが好ましい。ダイヤモンド電極31と超音波振動子35の距離は好ましくは300mm以下である。300mm以上になると超音波がダイヤモンド電極まで波及しなくなるか、またはその強度が弱くなるので好ましくない。なお、ダイヤモンド電極31を構成する導電性ダイヤモンド膜が電極基材上に十分強固に蒸着されている場合には、超音波振動子35をダイヤモンド電極31に当接させることもできる。超音波がダイヤモンド電極まで波及するとダイヤモンド電極表面で発生し、該表面に付着していたOHラジカルが超音波の振動によって、ダイヤモンド電極表面からはがされ、OHラジカルが電極表面の拡散層外へ排出されようになる。ダイヤモンド電極上で発生するOHラジカルとダイヤモンド電極表面とは化学的に強固に結合されているのではなく、ファンデル・ワールス力程度の弱い結合で付着している。従って、超音波がダイヤモンド電極までに波及すると、OHラジカルはダイヤモンド電極表面からはがされ、拡散層外へ飛びやすくなる。超音波照射ゾーンSでは水媒体の撹拌混合、又は有機性固形物が存在する場合は微粒子化、破砕が施され、この分散体又は水媒体のダイヤモンド電極表面への物質移動係数はすでに高い状態になっている。超音波の波及によりOHラジカルが拡散層外へ向けて遊動するため、分散体又は水媒体とOHラジカルとの反応が著しく改善される。また、前記したようにこの拡散層の厚みは通常30〜100μmである。この拡散層の厚みは水媒体の物性、すなわち粘度、温度、溶解物質、溶存物質等と水媒体の流動状態、すなわち水媒体の線速度、乱流状態などから決まるものである。ところが超音波がダイヤモンド電極までに波及するとダイヤモンド電極自体も共鳴して振幅をもつようになる。ダイヤモンド電極表面と拡散層境界との距離が一定ではなくなり、拡散層の厚みが薄くなったのと同じ効果が現われる。一般的な超音波振動子の振幅は1〜50μm程度であるため、この振幅分に対応して拡散層が薄くなる。この効果により、OHラジカルは拡散層外に排出されやすくなり、水媒体又は分散体はOHラジカルと反応しやすくなる。なお、ダイヤモンド電極で発生するOHラジカルの寿命は1マイクロ秒程度で非常に短いが、超音波振動子が一回振幅するのに必要な時間もこれに近い。20kHzの超音波が一回振動するのに必要な時間は1秒/20,000=0.00005秒、すなわち50マイクロ秒である。1MHzの超音波が1回振動するのに必要な時間はちょうど1マイクロ秒となり、OHラジカルの寿命と同じになる。
図9には、水媒体の大量処理に好ましい本発明のソニックBDD装置の別の実施形態を示す。図9に示すソニックBDD装置は、互いに対向位置に設けられている被処理水媒体供給口36及び処理済水媒体排出口37と、被処理水媒体供給口側に形成されている超音波照射ゾーンSと、処理済水媒体排出口側に形成されているダイヤモンド電極電解処理ゾーンDと、を具備する。ダイヤモンド電極電解処理ゾーンDは、対向位置に配置されている1対のダイヤモンド電極31及び対極32と、1対のダイヤモンド電極31及び対極32の間に配置されている複数の複極電極42と、複極電極42の間に形成されている水媒体流路33とを具備する。超音波照射ゾーンSは、複極電極42に超音波を作用させる超音波振動子35を具備する。
図9に示す実施形態では、ダイヤモンド電極電解槽43内に、主としてダイヤモンド電極電解処理を行うダイヤモンド電極電解処理ゾーンDと、主として超音波処理を行う超音波照射ゾーンSとが設けられている。ダイヤモンド電極電解処理ゾーンDには、ダイヤモンド電極31と対極32の間に、フィルタープレス形式の基板上に導電性ダイヤモンドが成膜された複極電極42を複数配置し、複極電極42の間に絶縁性のガスケット41を配置し、複数の複極電極42の間に被処理水媒体通過流路33が形成されている。複極電極42は、対極31に面する表面上に導電性ダイヤモンドが成膜されている。ダイヤモンド電極31への通電は給電体38によって、対極32への給電は給電体39によって施される。ダイヤモンド電極電解槽は、2枚の側板43の間に、ダイヤモンド電極31、対極32、複極電極42及びガスケット41とボルト45で固定して形成されている。超音波照射ゾーンSは、ダイヤモンド電極電解処理ゾーンDの下方部分に形成されており、被処理水媒体の供給口36が設けられている。超音波照射ゾーンSには、超音波振動子35が一方の側板43を貫通して、被処理水媒体の流入方向と対向する方向に挿入されている。超音波振動子35とダイヤモンド電極31との距離は、超音波がダイヤモンド電極31に波及する距離であり、好ましい距離は300mm以下である。超音波振動子35は丸棒状であり、先端のみではなく、側面からも超音波を発生するタイプのものであることが水媒体の均一な処理を行うために好ましい。被処理水媒体は、被処理水媒体供給口36から超音波照射ゾーンSに供給されて超音波処理され、ダイヤモンド電極電解処理ゾーンDを上昇する間にダイヤモンド電極電解処理された後、処理済液として処理済水媒体排出口37から排出される。なお、超音波振動子35を挿入する部分と排出ライン37につながる部分は共に吹き抜け部分として構成されており、超音波振動子35の挿入が容易となり装置が小型化されている。
図10には、プラントの配管に接続して使用することができる本発明のソニックBDD装置の実施形態を示す。図10に示すソニックBDD装置は、互いに対向位置に設けられている被処理水媒体供給口36及び処理済水媒体排出口37と、被処理水媒体供給口側に形成されている超音波照射ゾーンSと、処理済水媒体排出口側に形成されているダイヤモンド電極電解処理ゾーンDと、を具備する。ダイヤモンド電極電解処理ゾーンDは、交互に配置されている複数対の多孔性ダイヤモンド電極31及び多孔性対極32と、多孔性ダイヤモンド電極31及び多孔性対極32の複数の孔を通して水媒体が流れるように形成されている水媒体流路33とを具備する。超音波照射ゾーンSは、ダイヤモンド電極31に超音波を作用させる超音波振動子35を具備する。
多孔性ダイヤモンド電極31及び多孔性対極32は、水媒体を貫通させる複数の孔を有しており、メッシュ状、パンチングプレート状又はハニカム状などの形態でもよい。ダイヤモンド電極31と対極32との間には絶縁体であるガスケット41が挟まれており、両者を相互に接触させないようにする。
図10に示す実施形態のソニックBDD装置は、配管への接続を容易にするため、両端部にフランジ47及び48を有する一対の継ぎ手46を被処理水媒体供給口36及び処理済水媒体排出口37にそれぞれ設ける。フランジ47は継ぎ手46と配管(図示せず)との接続用であり、フランジ48は継ぎ手46とダイヤモンド電極電解槽43との接続用である。ダイヤモンド電極電解槽43は、一対の継ぎ手46のフランジ48の間に、複数のダイヤモンド電極31と対極32とガスケット41とを挟持した状態で、フランジ48をボルトで固定することによって形成される。
超音波振動子35は、継ぎ手46を貫通して挿入され、ダイヤモンド電極31に超音波を作用させることができる距離に配置されている。好ましい距離は300mm以下である。超音波の作用方向は、図示した実施形態ではダイヤモンド電極31の導電性ダイヤモンド成膜面に直交方向であるが、平行方向であってもよい。
配管(図示せず)から継ぎ手46の被処理水媒体供給口36を介して供給された水媒体は、超音波照射ゾーンSで超音波処理され、続いて、ダイヤモンド電極電解処理ゾーンDでタイヤモンド電解処理され、処理済水媒体排出口37を介して継ぎ手46から配管(図示せず)に排出される。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1、比較例1及び2]
本発明による超音波処理とダイヤモンド電極電解処理を併用したソニックBDD処理(実施例1)と、ダイヤモンド電極電解処理単独(比較例1)及び超音波処理単独(比較例2)の場合について、汚泥の可溶化実験を行った。
実験は、図11に示す循環式バッチ処理装置を用いて行った。ダイヤモンド電極電解槽53及び超音波照射装置55を直列につなぎ、汚泥2L(50)をガラスビーカー51からポンプ52によってダイヤモンド電極電解槽53及び超音波照射セル57に送液し、再びガラスビーカー51へと流速0.5L/分で返送させた。超音波照射装置55は、超音波振動子56が具備されているDr.Hielscher社製の小型超音波装置を用いた。ダイヤモンド電極電解槽53には、6インチシリコン・ウエハに導電性ダイヤモンドを成膜したダイヤモンド電極(陽極)と、チタン対極(陰極)と、を電極間距離が2mmとなるように配置した。各電極には、電源54を接続させた。
実施例1、比較例1及び2について、装置全体の出力を30Wに統一し、同じエネルギー投入量で各種評価を行った。ダイヤモンド電極53の出力調整は直流電源54の電流を調整して電流と電圧の積が30W又は15Wになるように設定し、超音波照射装置55の出力調整は照射時間のデューティ比(サイクル比)を調整して超音波照射装置55の給電側に設けた積算/瞬間電力計(ワットチェッカー)でモニターして30Wないしは15Wになるように設定した。ダイヤモンド電極電解処理単独(比較例1)の実験は、ダイヤモンド電極の電源54のみを稼働させ、出力が30Wになるように設定した。超音波処理単独(比較例2)の実験では超音波照射装置57のみを稼働させ、超音波出力を30Wに設定した。ソニックBDD(実施例1)の実験では、超音波装置55の出力を15W及びダイヤモンド電極に直流を供給する電源54の出力を15Wに設定し、合計の電力が30Wになるように設定した。
試料汚泥としては活性汚泥処理場の余剰汚泥(MLSS濃度:約1万mg/L)を用いた。またソニックBDD(実施例1)及びダイヤモンド電極電解処理単独(比較例1)の実験では支持電解質としてKClを添加した。詳細な実験条件及び試料として用いた汚泥の水質を表1に示す。
[粒子径分布]
実施例1、比較例1及び2について、処理済液の粒子径分布をレーザ散乱装置で分析した。結果を図12に示す。なお、原汚泥の粒子径は約200μm近傍に集中していた。
比較例1では、原汚泥を16Wh/Lの電力投入で処理しても汚泥フロックの粒径分布がほとんど変化していない。図1に示したように、大きなフロックはダイヤモンド電極表面との接触効率が悪いため、ダイヤモンド電極表面付近でのOHラジカルとの反応がほとんど進行せず、ダイヤモンド電極電解処理そのものには汚泥フロックの分散能力がないので、汚泥の可溶化がほとんど進行しないと考えられる。
比較例2では、8Wh/Lの電力投入の場合よりも16Wh/Lの電力投入の場合に、汚泥の粒子径分布が微粒子径へとシフトしていく。原汚泥の粒子径ピークは200μmであったが、16Wh/Lの超音波処理により粒子径ピークは20μmへシフトしている。この粒子径分布は、約20μmの小さい汚泥フロックと、1〜5μmの単離菌体及び破壊された小さいポリマーの塊と、1μm未満の破壊された菌体断片であると考えられる。なお、図には示していないが80Wh/Lの超音波エネルギーを付与した場合、粒子径分布は16Wh/Lの超音波エネルギーを付与した場合と比較して変化しなかった。このことから、超音波処理単独の場合には、活性汚泥のフロック分散又はポリマー破壊までは低エネルギーで行うことができるが、汚泥中の菌体の細胞壁破壊には膨大なエネルギーが必要になるといえる。
実施例1では、投入電力の増加に伴い、微粒子化が進行する。ソニックBDDで16Wh/Lの電力投入は超音波エネルギーとしては半分の8Wh/L(超音波/ダイヤモンド電極出力配分:50%/50%、表1参照)を意味するから、実施例1の16Wh/Lの粒径分布と比較例2の8Wh/Lと比較する。比較例2では粒子径ピークがほぼ150μmであるのに対して、実施例1ではほぼ100μmとほぼ20μmに粒子径ピークが現れており、微粒子径へとシフトしているといえる。このことから、超音波処理とダイヤモンド電極電解処理を併用すると、それぞれ単独の場合を合算した以上の顕著な微粒子化効果が得られると言える。
[MLSS及びMLVSS]
実施例1、比較例1及び2の活性汚泥処理における、投入電力に対するMLSS(Mixed Liquor Suspended Solids:活性汚泥浮遊物質)及びMLVSS(Mixed Liquor Volatile Suspended Solids:活性汚泥有機性浮遊物質)の低下傾向を調べるため、MLSS濃度及びMLSS除去率を図13に、また、MLVSS濃度及びMLVSS除去率を図14に示す。MLSS及びMLVSSは、SS(Suspended Solids:浮遊物質)濃度の表し方であるが、MLSSは灰分濃度を含み、MLVSSは600℃で蒸発する有機性固体のみを示す。これらの図において、横軸は汚泥1Lに対して与えた投入電力(エネルギー)を示す。
ソニックBDD、超音波処理単独、ダイヤモンド電極電解処理単独の順に高いMLSS及びMLVSの除去効果が見られた。35Wh/Lの投入電力で比較すると、ソニックBDDはダイヤモンド電極電解処理単独に対して約2.8倍、超音波処理単独に対して約1.6倍高いMLSS及びMLVSS除去率が得られたことがわかる。例えば40Wh/Lの投入電力でのダイヤモンド電極電解処理単独及び超音波処理単独の場合のそれぞれのMLSS除去率は約18%と約30%、MLVSS除去率は約18%と約32%であるから、両者を単に合算すると80Wh/Lの投入電力で約48%のMLSS除去率及び約50%のMLVSS除去率が得られるはずである。ところが、本発明のソニックBDDの場合には、80Wh/Lの投入電力で約62%のMLSS除去率及び約70%のMLVSS除去率が得られており、単なる合算の効果を遙かに越える顕著な効果が得られている。また、約50%のMLSS除去率及びMLVSS除去率を達成するために、本発明のソニックBDDによれば、それぞれ約40Wh/L及び約35Wh/Lの投入電力で足りる。これは単独処理の合算による理論電力が約80Wh/Lであることと比較すると、大幅なエネルギー削減となる。
[全COD濃度]
実施例1、比較例1及び2における投入電力と全COD濃度(T−COD、固形性COD+溶解性COD値)との関係を図15に示す。横軸は汚泥1Lに対して与えた投入電力(エネルギー)を示す。いずれの処理においても投入電力が10Wh/Lを越えるとT−CODはほぼ一定のまま推移し、大きな減少は見られない。本発明において、可溶化は、CODを除去することを目的とするのではなく、有機性固形物をS−COD、VFA、S−Sugar等に変換させて生物処理しやすい状態にすることを目的とし、可溶化後にたとえばメタン発酵などの生物処理を行う。T−CODの減少は、生物処理における基質量が減少することになるので、T−CODがほぼ一定に維持されるソニックBDDは生物処理に好ましい。
[可溶性COD]
実施例1、比較例1及び2における投入電力と可溶性COD(S-COD、遠心分離上澄の濾液COD値)及びCOD可溶化率(固形性CODが可溶性CODに変換された比率)の関係を図16に示す。横軸は汚泥1Lに対して与えた投入電力(エネルギー)を示す。約40Wh/L以下の投入電力ではダイヤモンド電極電解処理単独(比較例1)の方が超音波処理単独(比較例2)より高い可溶化率を示したが、それ以上の投入電力においては超音波処理(比較例2)の方が高いCOD可溶化率を示した。いずれの投入電力においてもソニックBDD処理(実施例1)にて、最も高い汚泥のCOD可溶化率が得られたことがわかる。投入電力7.5Wh/Lで比較すると、ソニックBDDはダイヤモンド電極電解処理単独より1.7倍、超音波処理単独より2.3倍高い可溶化率が得られた。例えば、40Wh/Lの投入電力でダイヤモンド電極電解処理単独及び超音波処理単独の場合にはそれぞれ約10%のCOD可溶化率(合計で約20%)が得られ、80Wh/Lの投入電力でのソニックBDDの場合には約28%のCOD可溶化率が得られている。また、約20%のCOD可溶化率を達成するために、本発明のソニックBDDでは約50Wh/Lの投入電力で足りる。これは、単独処理の合算による理論電力が80Wh/Lであることと比較すると、大幅なエネルギー削減となる。
[VFA]
実施例1、比較例1及び2で活性汚泥を可溶化した場合の有機酸(VFA)発生挙動を図17に示す。横軸は汚泥1Lに対して与えた投入電力(エネルギー)を示す。投入電力の増加に伴い、ソニックBDD(実施例1)及びダイヤモンド電極電解処理単独(比較例1)でVFA濃度が高くなる。超音波処理単独(比較例2)ではVFAはほとんど発生していない。これらのことから、有機酸の発生は有機物の部分酸化で発生するものであり、ソニックBDD及びダイヤモンド電極電解処理単独は酸化作用があり、超音波は全く酸化作用がないことが確認できる。
また、ダイヤモンド電極電解処理単独(比較例1)では投入電力が40Wh/Lを越えると有機酸濃度は低下し始める。このことから、ダイヤモンド電極電解処理では、投入電力が多すぎると汚泥の可溶化による有機酸の発生よりも、有機酸の酸化分解が早く進行するためであると考えられる。本発明のソニックBDDによれば、投入電力の増加と共に有機酸濃度が増加し続けることから、有機酸の酸化分解よりも汚泥の可溶化が迅速に進行し続けるといえる。
[糖濃度及び糖可溶化]
実施例1、比較例1及び2で活性汚泥を可溶化した場合の糖濃度の挙動及び糖可溶化率を図18に示す。横軸は汚泥1Lに対して与えた投入電力(エネルギー)を示す。全糖(T-Sugar)は投入電力によらずに約1,500mg/Lと一定であり、原汚泥には溶解性の糖(S−Sugar)がほとんど含まれていなかったことから、糖は汚泥フロックのポリマー又は菌体の細胞壁由来であるといえる。投入電力の増加に伴い、固形状の糖が分解され、溶解性の糖に変換されていく。いずれの方法でも糖の可溶化は進行するが、ソニックBDD(実施例1)の場合が最も多量の溶解性糖を含んでいることがわかる。酸化作用がない超音波処理単独(比較例2)でも糖可溶化が進むので、この糖可溶化は酸化反応ではなく、COD可溶化と同じ分散効果に起因していると考えられる。菌体外ポリマーが分散/低分子化して、溶解性の糖が発生していると考えられる。8Wh/Lの投入電力で比較して、ソニックBDD(実施例1)はダイヤモンド電極電解処理単独(比較例1)より1.5倍、超音波処理単独(比較例2)より2倍高い糖可溶化率が得られた。例えば、40Wh/Lの投入電力でダイヤモンド電極電解処理単独及び超音波処理単独の場合はそれぞれ約15%及び約12%の糖可溶化率であり、合算の理論値は80Wh/Lの投入電力で糖可溶化率が約27%となる。一方、ソニックBDDの場合、80Wh/Lの投入電力では約40%の糖可溶化率が得られており、理論値を大幅に上回る糖可溶化が進行しているといえる。また、約27%の糖可溶化率を達成するために要する投入電力は約40Wh/Lで足り、ほぼ半分の電力に削減することができる。
[単位電力当たりのMLSS除去率及びCOD可溶化率]
実施例1、比較例1及び2における除去kg−MLSS当りに消費した電力とMLSS除去率及びCOD可溶化率の関係を図19に示す。図19から、本発明のソニックBDDによれば、ダイヤモンド電極電解処理単独及び超音波処理単独を大幅に上回る省エネルギー化が達成されることがわかる。例えば、10%のMLSS除去率を得るのにダイヤモンド電極電解処理単独(比較例1)では約22kWh/kg−MLSS、超音波処理単独(比較例2)では7.5kWh/kg−MLSS、ソニックBDD処理(実施例1)では6.1kWh/kg−MLSSの電力が必要であった。またMLSS除去率30%で比較した場合、ダイヤモンド電極電解処理単独(比較例1)では40kWh/kg−MLSS、超音波処理単独(比較例2)では14.6kWh/kg−MLSS、ソニックBDD(実施例1)では7.7kWh/kg−MLSSの消費電力が必要であった。超音波処理単独、ダイヤモンド電極電解処理単独ではMLSS除去率を高くするに伴い、MLSS単位重量当りの消費電力が高くなる。一方、ソニックBDDでは10〜50%のMLSS除去率範囲では、消費電力は6〜8kWh/kg−MLSSとほぼ一定である。ダイヤモンド電極電解処理単独、超音波処理単独、ソニックBDDにおいて、1kgのMLSSを除去するのに必要な電力を下記表2にまとめる。
同様な傾向が消費電力とCOD可溶率との関係でも見られる(図19)。ダイヤモンド電極電解処理単独(比較例1)および超音波処理単独(比較例2)では可溶化率の増加に伴い、kg−MLSS当りの消費電力が高くなってくる。これは、可溶化率を高くするほど汚泥の可溶化は難しくなり、多くのエネルギー消費が必要となることを意味している。ダイヤモンド電極電解処理単独又は超音波処理単独で汚泥を可溶化する場合、可溶化率又はMLSS除去率を向上させるとコスト高となることが明らかである。一方、ソニックBDDにおいてはCOD可溶化率5〜20%までの消費電力は6〜8kWh/kg−MLSSとほぼ一定である。
COD可溶化率5%で比較すると、ソニックBDDはダイヤモンド電極電解処理単独より3.6倍、超音波処理単独より1.7倍低い電力ですむ。COD可溶化率15%で比較するとソニックBDDはダイヤモンド電極電解処理単独より7倍、超音波処理単独より2.3倍低い電力で足りる。
[生物分解性]
実験後、超音波処理単独(比較例2)及びソニックBDD処理(実施例1)後の汚泥は分散された状態となっていた。ダイヤモンド電極電解処理単独(比較例1)したものは茶色に若干に濁っていた。試験後、直射日光が当るところで30日放置したら原汚泥及び超音波処理単独(比較例2)した汚泥には緑藻類らしきものが繁殖しており、水溶液が青くなっていた。また、汚泥はほとんど無臭であり、好気性菌がまだ活発に活動していることが示された。ダイヤモンド電極電解処理単独(比較例1)及びソニックBDD処理(実施例1)した汚泥にはこのような緑藻類の繁殖は見られなかった。また、ダイヤモンド電極電解処理単独及びソニックBDD処理した汚泥は、強い発酵(腐敗)臭がした。ダイヤモンド電極電解処理単独及びソニックBDD処理では活性汚泥の好気性菌が死滅されて、汚泥は腐りやすく、すなわち発酵しやすくなっていることが示された。これは、ソニックBDD処理により、有機性固形分が易生物分解性物質に可溶化されたことを示す。
[実施例2、3、4及び比較例3]
ここでは好気性生物処理(硝化脱窒活性汚泥処理)とソニックBDDを組み合わせた実験を行い、汚泥減容化の効果を検証した。実験には、図20に示す実験装置を用いた。生物処理の原水としては表3に示す成分を有する合成廃水を用いた。また、原水の水質分析結果を表4に示す。生物処理装置は容積10Lの脱窒素槽61、容積20Lの曝気槽62で構成され、脱窒素槽にはライン60から原水、ライン73から可溶化された汚泥、ライン68から返送汚泥、ライン63から硝化液が流入する。脱窒素処理された混合液はオーバーフローで曝気槽に流入する。曝気槽はブロワー72で曝気した。曝気用空気は密閉されている可溶化工程を通過して曝気槽へ投入される。可溶化工程では、曝気用空気がダイヤモンド電極電解処理工程の排ガス希釈用空気として用いられる。曝気用空気の流量は16L/minであった。曝気槽からの混合液は、容積1Lの沈殿槽に流入し、沈殿槽で有機性汚泥と処理水が分離される。沈殿した汚泥の一部はライン69から余剰汚泥として排出される。また他の一部は返送汚泥としてライン68を介して脱窒槽に戻され、他の一部がライン70を介して、ソニックBDDの可溶化工程に流入する。ソニックBDDの可溶化工程では実施例1で用いた小型超音波照射装置とシリコンウエハー製ダイヤモンド電極で構成される可溶化装置を用いた。好気性生物処理工程の運転条件を表5に示す。なお、表5の循環流量は直接脱窒素槽へ流入する量と可溶化処理を経て脱窒素槽へ流入する量(すなわちライン63と73)の合計である。
[比較例3]
比較例3では、ソニックBDDによる汚泥の可溶化を行わなかった。すなわち、ライン70へ汚泥供給は行わなかった。表3に示した組成の合成廃水を原水として連続的に36L/日で供給すると、運転開始から1週間目に生物処理が安定し、表3に示す処理水水質が得られた。BOD除去率は99%、全窒素(T−N)除去率は86%であった。なお、この間汚泥は生物処理工程で増殖し、ライン69からMLSSとして5.7g/日の抜き出しを行った。
[実施例2]
ソニックBDDの可溶化工程に3L/日の汚泥通液を行った。また、通液した汚泥に対して20Wh/Lのエネルギー投入を行った。この状態で1週間運転した結果、処理水のBOD除去率は99%とT−N除去率は87%であり、水質は可溶化処理を行わなかった場合とほぼ同等であった。なお、余剰汚泥の発生量は、著しく低下した。比較例3に対して、40%の汚泥削減率が得られた。また、ダイヤモンド電極電解処理工程から排出された排ガスは、曝気用ブロワーの空気で希釈し、曝気槽に投入した。曝気槽では、特に悪臭も発生せず、検知管で水素濃度を測定した結果1%以下であった。電解処理工程で発生する排ガスは曝気槽に投入することによって、脱臭ができ、且つ処理全体を安全に運転できた。
[実施例3]
ソニックBDDの可溶化工程に1.5L/日の汚泥通液を行った。また、通液した汚泥に対して60Wh/Lのエネルギー投入を行った。この状態で1週間運転した結果、処理水のBODとT−Nは可溶化処理を行わなかった場合とほぼ同等な水質であった。なお、余剰汚泥の発生量は、比較例3に対して、44%削減した。また、ダイヤモンド電極電解処理工程から排出された排ガスは、希釈し同じく曝気槽に投入した。曝気槽では、特に悪臭も発生せず、検知管で水素濃度を測定した結果、1vol%以下であった。
[実施例4]
ソニックBDDの可溶化工程に3L/日の汚泥通液を行った。また、通液した汚泥に対して40Wh/Lのエネルギー投入を行った。この状態で1週間運転した結果、処理水のBODとT−Nは可溶化処理を行わなかった場合とほぼ同等な水質であった。なお、余剰汚泥の発生量は、著しく低下した。比較例3に対して、61%の汚泥削減率が得られた。また、ダイヤモンド電極電解処理工程から排出された排ガスは、曝気用ブロワーの空気で希釈し、曝気槽に投入した。曝気槽では、特に悪臭も発生せず、検知管で水素濃度を測定した結果、1%以下であった。電解処理工程で発生する排ガスは曝気槽に投入することによって、脱臭ができ、且つ処理全体を安全に運転できた。3ヶ月間実験を継続したが汚泥発生量、処理水水質は安定していた。
[実施例5]
ソニックBDDの可溶化工程に3L/日の汚泥通液を行った。また、通液した汚泥に対して60Wh/Lのエネルギー投入を行った。この状態で1週間運転した結果、処理水のBODとT−Nは可溶化処理を行わなかった場合とほぼ同等な水質であった。なお、余剰汚泥の発生量は、著しく低下した。比較例3に対して、95%の汚泥削減率が得られた。また、ダイヤモンド電極電解処理工程から排出された排ガスは、曝気用ブロワーの空気で希釈し、曝気槽に投入した。曝気槽では、特に悪臭も発生せず、検知管で水素濃度を測定した結果1%以下であった。電解処理工程で発生する排ガスは曝気槽に投入することによって、脱臭ができ、且つ処理全体を安定して運転できた。
比較例3及び実施例2〜5では、何れも生物処理を3ヶ月間運転した。これらの試験においては処理水が安定していた。また、ソニックBDDで汚泥にエネルギー投入を増加するのに伴い、処理水の水質を悪化することなく汚泥発生量が削減されることが確認できた。
[比較例4、実施例6〜8]
ここでは、嫌気性生物処理(メタン発酵処理)とソニックBDDとを組み合わせ、汚泥可溶化の検証を行った。比較例4及び実施例6、7及び8は、図21にフローを示す装置を用いて、汚泥の可溶化を行った。表7に用いた装置の容量及び流量を示す。
嫌気性処理の原水には、食堂残飯に水道水を添加して、ミキサーでスラリー化したものを用いた。原水の水質を表8に示す。
有効容積30Lのメタン醗酵槽(81)に表8に示した原水を1L/日の流量で添加した。
比較例4では、汚泥の可溶化を行わなかった。すなわち、ライン84の汚泥供給は行わなかった。実施例6〜8では、ソニックBDDの可溶化工程にメタン醗酵槽の処理液を1L/日で送り(ライン84)、可溶化工程で20〜60Wh/Lの電力投入を行った。可溶化工程のソニックBDD装置は、実施例1に用いた小型超音波照射装置とシリコンウエハーダイヤモンド電極電解装置である。可溶化した液は、ライン87を介して原水80と混合して、再びメタン醗酵槽81に戻した。ダイヤモンド電極反応の電解発生ガスは、ライン86を介してメタン醗酵槽内にバブリングさせた。メタン醗酵で発生するガスと可溶化工程で発生するガスは、ライン82から排出させた。ライン82には、ガスメーターを設置して、発生したバイオガス流量の測定を行った。またガスのサンプリングを行い、ガスクロマトグラフィーでガスの組成分析を行った。表9に比較例4と実施例6〜8に得られたガス流量、ガス組成及び処理水水質を示す。表9に示す結果は、嫌気性処理とソニックBDDを60日運転して、ガス発生量及び処理水質が安定した後の数値である。
比較例4では、処理液のT−COD(本願ではCODはCODcrを示す)は20,500mg/Lであり、原水に含まれていたT−CODの58%が削減されていた。メタンガスの発生流量は10.2L/日であった。
実施例7〜9では、ソニックBDDの可溶化工程で20〜60Wh/Lのエネルギー投入を行うと、メタンガスの生成量が11.2〜12.6L/日になり、投入電力の増加に比例しメタン発生量が増加した。また、メタン醗酵槽から排出される処理液のT−CODは8,300〜17,400mg/Lに低下した。すなわち、ソニックBDDでメタン醗酵の汚泥を可溶化することにより、本来汚泥として排出されるT−CODがメタンに転換されていることが示された。実施例6〜8では、ライン82に水素が0.8〜2.8L/日含まれていた。これは、ソニックBDDの電解工程で発生した水素ガスである。本発明では、電解で発生するガスはメタンガスと一緒に回収され、燃料などの形で有効利用できることになる。
本発明において、汚泥等の有機性固形物を含む水媒体の可溶化にダイヤモンド電極電解を用いた新規方法としてソニックBDDを考案した。本方法では、超音波処理の汚泥分散・破砕性能及びダイヤモンド電極電解でのOHラジカル酸化・殺菌性能を効率よく組み合わせたものであり、ダイヤモンド電極電解処理単独及び超音波処理単独並びにこれらの合算理論値と同じ投入電力(エネルギー量)で汚泥のMLSS及びMLVSS除去率、COD可溶化率、糖可溶化率が飛躍的に向上させることができる。換言すれば、ダイヤモンド電極電解処理単独及び超音波処理単独並びにこれらの合算理論値と同じMLSS及びMLVSS除去率、COD可溶化率、糖可溶化率を達成するための所要電力を飛躍的に削減できる。
図1は、ダイヤモンド電極電解処理単独で汚泥を可溶化するときの説明図である。 図2は、超音波処理単独で汚泥を可溶化するときの説明図である。 図3は、ダイヤモンド電極電解処理と超音波処理を併用して汚泥を可溶化するときの説明図である。 図4は、本発明のダイヤモンド電極電解処理と超音波処理とを併用して、有機性固形物を含む水媒体を処理する方法の実施形態を示すフロー図である。 図5は、本発明のダイヤモンド電極電解処理と超音波処理とを併用して、循環式に有機性固形物を含む水媒体を処理する方法の実施形態を示すフロー図である。 図6は、ダイヤモンド電極電解処理で発生する気体を生物的嫌気性処理槽に投入する本発明の方法及び装置の実施形態を示すフロー図である。 図7は、ダイヤモンド電極電解処理で発生する気体を生物的好気性処理槽に投入する本発明の方法及び装置の実施形態を示すフロー図である。 図8は、ダイヤモンド電極電解槽と超音波振動子が一体の構造体(ソニックBDD)を形成する本発明の実施形態を示す図である。 図9は、ダイヤモンド電極電解槽と超音波振動子とが一体の構造体(ソニックBDD)を形成する本発明の他の実施形態を示す図である。 図10は、ダイヤモンド電極電解槽と超音波振動子が一体の構造体(ソニックBDD)を形成する本発明の他の実施形態を示す図である。 図11は、本発明の方法の実施形態であり、本願の比較例、実施例を行うのに用いた装置を示す図である。 図12は、ダイヤモンド電極電解処理単独、超音波処理単独及びソニックBDDで有機性汚泥を処理した場合の汚泥粒子径分布を示すグラフである。 図13は、ダイヤモンド電極電解処理単独、超音波処理単独及びソニックBDDで有機性汚泥を処理した場合のMLSS除去率を示すグラフである。 図14は、ダイヤモンド電極電解処理単独、超音波処理単独及びソニックBDDで有機性汚泥を処理した場合のMLVSS除去率を示すグラフである。 図15は、ダイヤモンド電極電解処理単独、超音波処理単独及びソニックBDDで有機性汚泥を処理した場合のT−CODを示すグラフである。 図16は、ダイヤモンド電極電解処理単独、超音波処理単独及びソニックBDDで有機性汚泥を処理した場合のS−COD、COD可溶化率を示すグラフである。 図17は、ダイヤモンド電極電解処理単独、超音波処理単独及びソニックBDDで有機性汚泥を処理した場合の有機酸濃度を示すグラフである。 図18は、ダイヤモンド電極電解処理単独、超音波処理単独及びソニックBDDで有機性汚泥を処理した場合の全糖、溶解性糖及び糖可溶化率を示すグラフである。 図19は、ダイヤモンド電極電解処理単独、超音波処理単独及びソニックBDDで有機性汚泥を処理した場合の1kgのMLSSを除去するのに必要なエネルギーとMLSS除去率及びCOD可溶化率との関係を示すグラフである。 図20は、好気性生物処理にソニックBDDの有機性汚泥可溶化工程が備わった場合の実施の形態であり、比較例3と実施例2,3,4に用いた実験装置のフロー図である。 図21は、嫌気性生物処理にソニックBDDの有機性汚泥可溶化工程が備わった場合の実施の形態であり、比較例4と実施例6,7,8に用いた実験装置のフロー図である。

Claims (10)

  1. 超音波処理及びダイヤモンド電極電解処理で水媒体中の有機性固形物を可溶化した後、生物処理を行うことを特徴とする水媒体の処理方法。
  2. ダイヤモンド電極電解槽、超音波振動子及び生物処理槽を具備することを特徴とする水媒体処理システム。
  3. 前記超音波振動子が前記ダイヤモンド電極電解槽内に組み込まれて一体化された超音波−ダイヤモンド電極電解装置を具備することを特徴とする請求項2に記載の水媒体処理システム。
  4. 前記超音波−ダイヤモンド電極電解装置は、
    互いに対向位置に設けられている被処理水媒体供給口及び処理済水媒体排出口と、被処理水媒体供給口側に形成されている超音波照射ゾーンと、超音波照射ゾーンの下流側に形成されているダイヤモンド電極電解処理ゾーンと、を具備し、
    該ダイヤモンド電極電解処理ゾーンは、対面配置されている1対のダイヤモンド電極及び対極と、両者の間に形成されている水媒体流路とを具備し、
    該超音波照射ゾーンは、ダイヤモンド電極に超音波を作用させる超音波振動子を具備する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の水媒体処理システム。
  5. 前記超音波−ダイヤモンド電極電解装置は、
    互いに対向位置に設けられている被処理水媒体供給口及び処理済水媒体排出口と、被処理水媒体供給口側に形成されている超音波照射ゾーンと、処理済水媒体排出口側に形成されているダイヤモンド電極電解処理ゾーンと、を具備し、
    該ダイヤモンド電極電解処理ゾーンは、対向位置に配置されている1対のダイヤモンド電極及び対極と、該1対のダイヤモンド電極及び対極の間に配置されている複数の複極電極と、該複極電極の間に形成されている水媒体流路とを具備し、
    該超音波照射ゾーンは、該複極電極に超音波を作用させる超音波振動子を具備する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の水媒体処理システム。
  6. 前記超音波−ダイヤモンド電極電解装置は、
    互いに対向位置に設けられている被処理水媒体供給口及び処理済水媒体排出口と、被処理水媒体供給口側に形成されている超音波照射ゾーンと、処理済水媒体排出口側に形成されているダイヤモンド電極電解処理ゾーンと、を具備し、
    該ダイヤモンド電極電解処理ゾーンは、交互に配置されている複数対の多孔性ダイヤモンド電極及び多孔性対極と、該多孔性ダイヤモンド電極及び多孔性対極の複数の孔を通して水媒体が流れるように形成されている水媒体流路とを具備し、
    該超音波照射ゾーンは、該ダイヤモンド電極に超音波を作用させる超音波振動子を具備する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の水媒体処理システム。
  7. ダイヤモンド電極電解処理で排出される気体を生物処理に投入することを特徴とする水媒体の処理方法。
  8. ダイヤモンド電極電解処理が電流律速であり、該気体を生物的嫌気性処理に投入することを特徴とする請求項7の水媒体の処理方法。
  9. ダイヤモンド電極電解処理が物質移動律速であり、該気体を生物的好気性処理に投入することを特徴とする請求項7の水媒体の処理方法。
  10. ダイヤモンド電極電解槽と、生物処理槽と、ダイヤモンド電極電解槽から排出される気体を生物処理槽に供給する電解ガス供給ラインと、を具備することを特徴とする水媒体処理システム。
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