JP2005123784A - 信号処理装置、信号処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】DCパワーアンプにおいて、ミュートオン/オフの指示信号に応じた信号出力の停止/停止解除の切り換えに伴って生じるノイズを低減する。
【解決手段】音声ミュートオンを指示する信号が得られたら、ΔΣ変調信号を積分し、さらにこの積分値を256サンプル分取り込んで平均値を出力する。以降は、これら積分値と平均値が等しくなったタイミングで、ΔΣ変調信号の出力を遮断し、DCパワーアンプからの音声出力を停止させる。
【選択図】図3

Description

本発明は、デジタル信号処理を行う信号処理装置と、その方法に関するものである。
例えば信号処理装置として、D級アンプといわれる信号増幅装置が知られている。D級アンプは、その動作原理上から、A級アンプ、B級アンプなどと比較した場合に、より低損失である点で有利とされている。また、音響再生に適用した場合には、より高いハイファイ性も実現可能であるとされている。
図9は、D級アンプを音響再生のパワーアンプ(音声出力用アンプ)に適用した、D級パワーアンプの構成例を示している。なお、この図に示すD級パワーアンプ100は、デジタルオーディオ信号を入力して音声として出力するように構成される。また、この場合には、出力音声をミュート(停止)させるためのミュート機能に対応した構成とされている。
所定のサンプリング周波数及び量子化ビットによりデジタル信号化されたデジタルオーディオ信号は、デジタルフィルタ11に入力される。デジタルフィルタ11では、入力されるデジタルオーディオ信号について、所定倍のサンプリング周波数によるいわゆるオーバーサンプリング等の処理を施して、ΔΣ変調器12に対して出力する。
ΔΣ変調器12では、周知のようにして量子化器等を備えて、入力されたデジタルオーディオ信号の量子化ビットとしての語長を短くするとともに、このときに生じる量子化ノイズ成分をオーディオ帯域よりも高い帯域に移動させる処理を実行する。
この場合、上記ΔΣ変調器12にてΔΣ変調が施されたデジタルオーディオ信号であるΔΣ変調信号Sdsは、ANDゲート13に入力される。
ANDゲート13は、この図に示すD級パワーアンプ100から出力する音声(楽音)をミュートするためのミュート機能に応じて設けられるもので、上記ΔΣ変調信号Sdsと、ミュートON/OFF信号が入力される。この場合のミュートON/OFF信号は、ミュートオフ(音声出力停止解除)に対応してHレベルで、ミュートオン(音声出力停止)に対応してLレベルとなる信号である。
例えばミュートオフの状態では、ANDゲート13にはHレベルのミュートON/OFF信号が入力されているから、ΔΣ変調器12から出力されるΔΣ変調信号Sdsは、ANDゲート13をそのまま通過するものとしてみることができる。
これに対して、例えばミュートオフからミュートオンに切り換えられたとして、LレベルのミュートON/OFF信号がANDゲート13に入力されると、ANDゲート13の出力は、ΔΣ変調器12からのΔΣ変調信号Sdsの出力にかかわらず、Lレベルが継続される。つまり、ANDゲート13からは、ΔΣ変調信号Sdsが出力されないことになる。
ANDゲート13の出力はPWM(Pulse Width Moduration)変調器14に対して入力される。
PWM変調器14では、ミュートがオフの状態では、ANDゲート13から入力されるΔΣ変調信号Sdsに応じてパルス幅が可変のPWM信号を出力する。
また、ミュートがオンの状態では、ANDゲート13から定常的にLレベルが入力されるが、これに応じては、この場合には、デューティが50%のPWM信号を継続して出力するように動作するものとする。
PWM変調器14から出力されたPWM信号は、増幅出力部15に入力される。
増幅出力部15は、周知のようにして、PWM信号をスイッチングして増幅するスイッチング増幅回路と、この増幅出力を音声信号波形とするためのローパスフィルタとから成る。
ミュートオフのとき、増幅出力部15には、上記のようにして、ΔΣ変調信号Sdsに応じてパルス幅が可変のPWM信号が入力される。増幅出力部15では、入力されたPWM信号をスイッチングしてローパスフィルタに通過させた増幅出力により、スピーカ16を駆動する。これにより、スピーカ16からは例えば楽音などとしての音声が出力されることになる。
また、ミュートオンのときには、ディーティが50%のPWM信号が入力される。増幅出力部15が、このようなPWM信号をスイッチングしてローパスフィルタに通過させることで、スピーカ16には、ほぼ0レベルの増幅出力が供給されることになる。つまり、無音の状態が得られることになり、出力音声にミュートがかかっている状態が得られる。
特開2002−158543号公報
ここで、上記図9に示したD級パワーアンプ100において、ミュートオフからミュートオンに切り換えられるときの状態遷移を、図10に概念的に示す。図10(a)に示す波形図は、例えば入力されたデジタルオーディオ信号を元として、スピーカ16により音声として出力される音声信号の波形を示している。また、図10(b)は、上記図10(a)に示す音声信号波形に応じて、PWM変調器14にて生成されるPWM信号波形を示す。
例えば先ず、ミュートオンがかけられる前のミュートオフの状態では、ΔΣ変調されたデジタルオーディオ信号(ΔΣ変調信号Sds)がPWM変調器14に入力されている状態にある。この状態に対応しては、楽音に応じた音声信号波形が得られていることになる。図10(a)では、この状態を、正弦波状の波形が現れていることで示している。また、この正弦波状の音声信号に対応するΔΣ変調信号SdsがPWM変調器14に入力されることで、PWM変調器14からは、図10(b)に示すようにして、音声信号波形の振幅に応じて、パルスの粗密が変化するようにして、パルス幅が可変制御されたPWM信号が出力される。
そして、図10(a)に示すタイミングで、ミュートオフの状態からミュートオンの状態に切り換えられたとすると、先に図9により説明したようにして、ANDゲート13からのΔΣ変調信号Sdsの出力が遮断され、PWM変調器14にはLレベルの入力が継続されることになる。これにより、図10(b)に示すようにして、PWM変調器14から出力されるPWM信号は、これまでのオーディオ信号の波形振幅に応じてパルス幅が変化していた状態から、デューティが50%で維持される波形に変化する。このようにして、PWM信号の波形のデューティが50%となることで、先に図9によって説明したように、スピーカ16に供給される増幅出力は、図10(a)にも示されるようにして、ほぼ0レベルとなり、音声出力が停止されることになる。
しかしながら、図10においてミュートオフにある状態では、例えば楽曲などとされる音声信号波形に応じたPWM信号のパルス幅の変化は、或る程度の相関性(連続性)を持った変化であるということがいえる。これに対して、ある時点で、ミュートオンとなって突然にデューティが50%のPWM信号波形に変化するときには、パルス幅が急峻に、かつ大幅に変化して、上記した相関性が失われる可能性が高い。
このようにして、パルス幅の変化が大きなものとなるのは、上記したミュートオフからミュートオンの状態遷移のときだけではなく、同様の理由から、ミュートオンからミュートオフの状態に遷移するときにも生じ得るものである。
そして、上記のような相関性の少ないPWM信号のパルス幅変化となる場合には、いわゆるポップノイズといわれるノイズが発生しやすい。例えばオーディオ再生にあって、このようなポップノイズは耳障りである。また、このノイズ成分によりスピーカが駆動されることで、スピーカに衝撃が生じるような振動を与える場合があり、スピーカにストレスを与えるという点でも好ましいことではない。
そこで本発明は上記した課題を考慮して、信号処理装置として次のように構成することとした。
つまり、第1の所定のデジタル信号処理を実行する第1の信号処理手段から出力され、第2の所定のデジタル信号処理を実行する第2の信号処理手段に入力されるべき中間処理信号についての第1の所定時間ごとの平均値とされる、第1の平均値を得る第1の平均値出力手段と、この信号処理装置からの信号出力についての停止又は停止解除の指示信号が入力されて以降の所定タイミングで、第1の所定時間よりも長く設定された第2の所定時間において得られる第1の平均値についての平均値を、第2の平均値として得るための平均値取得動作を開始する、第2の平均値出力手段と、この第2の平均値出力手段により上記第2の平均値が得られた以降のタイミングで、第2の平均値と第1の平均値とについて、等しいか否かについての比較動作を開始する比較手段と、この比較手段により第2の平均値と1の平均値が等しいとされる比較結果が得られたタイミングに応じて、第2の信号処理手段に入力されるべき中間処理信号を遮断する、又は通過させるように信号切り換えを実行する信号切換手段とを備えることとした。
また、信号処理方法として次のように構成することとした。
つまり、第1の所定のデジタル信号処理により得られ、第2の所定のデジタル信号処理が施されるべき中間処理信号についての第1の所定時間ごとの平均値とされる、第1の平均値を得る第1の平均値出力手順と、信号出力についての停止又は停止解除の指示信号が入力されて以降の所定タイミングで、第1の所定時間よりも長く設定された第2の所定時間において得られる第1の平均値についての平均値を、第2の平均値として得るための平均値取得動作を開始する、第2の平均値出力手順と、この第2の平均値出力手順により第2の平均値が得られた以降のタイミングで、第2の平均値と記第1の平均値とについて等しいか否かについての比較動作を開始する比較手順と、この比較手順により第2の平均値と第1の平均値が等しいとされる比較結果が得られたタイミングに応じて、第2のデジタル信号処理のための中間処理信号の入力経路を遮断する、又は通過させるように信号切り換えを実行する信号切換手順とを実行するように構成するものである。
上記各構成によれば、第1のデジタル信号処理により得られて、次に第2のデジタル信号処理が施されるべき中間処理信号について、第1の所定時間ごとに第1の平均値を出力させるとともに、信号処理装置からの信号出力についての停止又は停止解除の指示信号(ミュートON/OFF信号)が入力されて以降の所定タイミングで、第1の所定時間よりも長いとされる第2の所定時間でもって、上記第1の平均値をさらに平均して得た第2の平均値とを得るようにされる。そして、以降においては、これら第1の平均値と第2の平均値とが等しいか否かについての比較を行うようにされる。
ここで、第1の平均値と第2の平均値とが等しくなるということは、1つには、上記中間処理信号を音声信号波形としてみた場合に、上記中間処理信号は、第2の平均値を基準レベルとしてみたときに、或る程度の期間にわたってこの基準レベルに近い状態にあるということがいえる。本発明としては、信号出力についての停止又は停止解除のために、上記のような信号波形の状態となっているときに第2の信号処理手段への中間処理信号の入力の遮断又は通過をコントロールすることになる。これにより、第2のデジタル信号処理が施される信号としては、ノイズ要因となるような信号状態の変化が抑制される。
このことから本発明は、信号処理装置からの信号出力の停止/停止解除の指示信号に応じた信号出力の停止/停止解除の切り換えに伴って生じるノイズを低減することができるという効果を有する。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、単に実施の形態ともいうことにする)について説明を行う。本実施の形態としては、本発明の信号処理装置を、音響再生のためのD級パワーアンプに適用している。
図1は、第1の実施の形態としてのD級パワーアンプの構成例を示している。
この図に示すD級パワーアンプ1には、所定のサンプリング周波数及び量子化ビットによるデジタルオーディオ信号を入力することとしている。このデジタルオーディオ信号は、先ず、デジタルフィルタ11に入力される。
デジタルフィルタ11では、入力されるデジタルオーディオ信号について、元のサンプリング周波数に対する所定倍のサンプリング周波数によりリサンプリングを行う、いわゆるオーバーサンプリング等をはじめとする所要のデジタル信号処理を施す。このようにしてデジタルフィルタ11にて信号処理が施されたデジタルオーディオ信号は、ΔΣ変調器12に対して出力される。
ΔΣ変調器12は、周知のようにして積分器、量子化器等を備えるとともに、量子化器の出力を積分器の入力に対して負帰還をかけるようにして構成される。このような構成により、入力されたデジタルオーディオ信号の量子化ビットの語長を所定ビット数に短くするようにされる。また、このときに生じる量子化ノイズ成分をオーディオ帯域よりも高い帯域に移動させる、いわゆるノイズシェイピングといわれる処理を実行する。これが、ΔΣ変調といわれ、このようにして、ΔΣ変調されたデジタルオーディオ信号としては、周知のようにして、そのデジタルオーディオ信号を音声信号波形としてみたときに、この音声信号波形の振幅の時間軸的変化に応じて1,0の密度が変化する1ビットのパルス列となる。このようにして得られた1ビットのパルス列は、ΔΣ変調信号SdsとしてANDゲート13に入力される。
ANDゲート13は、この図1に示すD級パワーアンプ1からの音声(楽音)の出力(信号出力)を停止(ミュート)するための音声ミュート機能に応じて、上記ΔΣ変調器12から出力されたΔΣ変調信号Sds(中間信号)を、後段のPWM変調器14に入力するための信号経路の間に挿入されるようにして設けられる。
そして、ANDゲート13は、後述するようにして、制御回路20から出力されるミュートコントロール信号Scntに応じて、ΔΣ変調器12から出力されるΔΣ変調信号Sdsを遮断してPWM制御回路14に入力させないように動作する。或いは、ΔΣ変調信号Sdsを通過させてPWM制御回路14に入力させるように動作する。つまり、制御回路20による音声ミュートのオン/オフコントロールに応じて、PWM制御回路14に入力させるべきΔΣ変調信号Sdsの遮断/通過を切り換えるようにして、信号切換を行う。
制御回路20及びこのANDゲート13による、音声信号についてのミュートオン(停止)/ミュートオフ(停止解除)の切り換えのための動作は後述する。
ここで、音声ミュートがオフとされて、信号を出力させるべきときには、後述するようにしてΔΣ変調器12から出力されたΔΣ変調信号Sdsは、そのままANDゲート13を通過してPWM変調器14に入力されるものとなる。
PWM変調器14では、このようにして入力されたΔΣ変調信号Sdsについて、PWM(Pulse Width Moduraton)変調処理を施す。前述もしたように、このときのΔΣ変調信号Sdsは、音声信号波形の振幅に応じて"1","0"の密度が変化する1ビットのパルス列である。そして、この信号がPWMにより変調されることによっては、"1","0"の密度に応じてパルス幅が変化する(振幅は一定である)PWM信号が生成される。つまり、ΔΣ変調信号Sdsに対応する音声信号波形の振幅に応じて、パルス幅が可変された信号が得られる。
また、これについても後述するが、音声ミュートがオンとされて信号を出力させないときには、ΔΣ変調器12から出力されたΔΣ変調信号Sdsは、ANDゲート13を通過して出力されることはなく、ANDゲート13からはLレベル相当の信号が継続的にPWM変調器14に入力されることになる。
上記のようにしてLレベル入力(信号無入力)が継続されるとき、本実施の形態のPWM変調器14では、先に図10(b)によっても説明したように、デューティ50%によるPWM信号を出力するようにされている。
PWM変調器14から出力されたPWM信号は、増幅出力部15に入力される。
増幅出力部15は、周知のようにして、PWM信号をスイッチングして増幅するスイッチング増幅回路と、この増幅出力を音声信号波形とするためのローパスフィルタとから成る。スイッチング増幅回路は、例えば高圧でスイッチングを行うことのできるNチャンネルのパワーMOS−FETを備えて構成することができる。また、ローパスフィルタは、周知のようにして、LCローパスフィルタが採用される。
先ず、ミュートオフのときには、上記のようにして、音声信号波形の振幅に応じてパルス幅が可変のPWM信号が増幅出力部15に入力されることになる。このようなPWM信号を入力して、増幅出力部15におけるスイッチング増幅回路がスイッチングを行って増幅し、ローパスフィルタに通過させるように増幅動作を行うことで、スピーカ16には、音声信号波形による駆動電流が流れることになる。これにより、スピーカ16からは例えば楽音としての音声が出力されることになる。
これに対して、ミュートオンのときには、増幅出力部15には、パルス幅のデューティが50%のPWM信号が入力される。増幅出力部15が、このPWM信号について上記と同様にして増幅を行うと、ローパスフィルタの出力波形としてはほぼ0レベルとなり、従って、スピーカ16に供給される駆動電流もほぼ0レベルとなる。つまり、スピーカ16からは音声が出力されない。このようにしてミュートをオンとしているときには無音の状態が得られるようにされている。
なお、このようにして、入力信号が無いときにPWM変調器からデューティ50%によるPWM信号を出力させ、このPWM信号を増幅することで、信号出力を停止させるようにしたD級アンプの構成は既に知られている。
そして図1に示す本実施の形態のD級パワーアンプ1では、上記した基本構成に対して制御回路20が備えられる。この制御回路20によって生成されたミュートオン/オフの切り換えタイミングに応じて、ANDゲート13では、入力されるΔΣ変調信号Sdsについての遮断/通過の信号切り換えを行うようにされる。これにより、以降の説明から理解されるようにして、ミュートオン/オフの切り換え(即ちPWM変調器14へのΔΣ変調信号Sdsの入力停止、入力開始)に伴って発生するポップノイズは大幅に低減される。
図1に示す制御回路20には、ミュートON/OFF信号が入力されている。このミュートON/OFF信号は、例えば、本実施の形態のD級パワーアンプ1が搭載されるオーディオ機器に対して行われたミュートオン/オフのための操作に応じて、ミュートオン、又はミュートオフを指示するためのコマンド(指示信号)とされる。
また、制御回路20に対しては、ΔΣ変調器12からANDゲート13に対して出力されるべきΔΣ変調信号Sdsが、分岐して入力される。制御回路20は、後述するようにして、ミュートON/OFF信号によるミュートオン/オフの指示がされたタイミングに応じて、ΔΣ変調信号Sdsを利用して、実際にミュートオン/オフすべきタイミングを決定するようにされている。
制御回路20において、上記のようにして実際にミュートオン/オフすべきタイミングが決定されるのに応じて、ANDゲート13に対して、ミュートコントロール信号ScntのH/Lレベルを切り換えて出力するようにされる。ここでのミュートコントロール信号Scntは、ミュートオンに対応してはLレベルで、ミュートオフに対応してはHレベルとなるようにされている。
ミュートオフであることに対応して、制御回路20からHレベルのミュートコントロール信号Scntが出力されているとき、ANDゲート13の出力としては、ΔΣ変調信号Sdsが"1"のときはHレベルで、"0"のときはLレベルになる。これは、ΔΣ変調信号Sdsが、ANDゲート13をそのまま通過してPWM変調器14に入力されているものとしてみてよい。
これに対して、ミュートオンであることに対応して、制御回路20からLレベルのミュートコントロール信号Scntを出力しているとすると、ANDゲート13の出力としては、ΔΣ変調信号Sdsが"1","0"で変化するのにかかわらず、常にLレベルになる。つまり、PWM変調器14対しては信号が無入力の状態となる。
このようにして、ANDゲート13は、制御回路20から出力されるミュートコントロール信号Scntのレベル(H/L)に応じて、先にも述べたようにして、PWM制御回路14の入力段において、ΔΣ変調信号Sdsの遮断/通過を切り換えるようにされる。
上記図1に示される制御回路20の内部構成例を、図2に示す。なお、この図2においては、ANDゲート13も共に示している。
制御回路20としては、例えば図示するようにして、大きくは、タイミング発生器21と、ミュートタイミング決定部22とから成る。
タイミング発生器21には、ミュートON/OFF信号が入力される。ミュートON/OFF信号が例えば、ミュートオンからミュートオフを示す状態、又はミュートオフからミュートオンを示す状態に切り換わるのに応じて、タイミング発生器21では、ミュートタイミング決定部22を構成する機能部位の動作タイミングをコントロールするためのタイミング信号Stm1,Stm2,Stm3を発生して出力する。
つまり、タイミング発生器21は、ミュートON/OFF信号によるミュートオン/オフの指示を入力したのに応じて、ミュートタイミング決定部22が実行すべき動作タイミングを設定する。なお、タイミング発生器21としては、例えばミュートON/OFF信号のH(ミュートオン)/L(ミュートオフ)の切り換えを検知したのに応じて、しかるべきタイミングで、例えばパルス信号によるタイミング信号Stm1,Stm2,Stm3を発生して出力するように、論理回路などを組み合わせて構成することができる。
ミュートタイミング決定部22は、積分ブロック23、平均値算出ブロック24、及び比較ブロック25から成る。
積分ブロック23では、ΔΣ変調器12から出力されるΔΣ変調信号Sdsを入力して、その入力された値についての積分を行う。この積分処理は、タイミング信号Stm1に応じて開始/終了するようにされる。
この積分ブロック23における積分結果である積分値Sdtは、平均値算出ブロック24と、比較ブロック25に対して分岐して入力される。
平均値算出ブロック24は、タイミング信号Stm2の入力に応じて、平均値算出のための動作を開始する。この場合の平均値算出の動作としては次のようになる。
積分ブロック23では、所定のサンプルタイミングで積分値Sdtを出力し、平均値算出ブロック24では、このサンプルタイミングに応じてサンプル単位で積分値Sdtを取り込むようにされる。ここでは、平均値算出ブロック24は、256サンプル分を取り込んで、この256サンプル分の積分値Sdtについての平均値Savを算出するようにされる。平均値算出ブロック24は、この256サンプル分の積分値Sdtの平均値Savを算出すると、以降の平均値算出のための動作については停止し、この256サンプル分の積分値Sdtによる平均値Savを継続して出力するようにされる。
比較ブロック25は、タイミング信号Stm3の入力に応じて下記のようにして比較動作を開始する。
なお、タイミング信号Stm3は、この場合には、タイミング信号Stm2の発生出力時点から、上記256サンプル分の期間を経過した後に出力されるように、タイミング発生器21にて発生される。また、タイミング信号Stm1の発生出力タイミングは、タイミング信号Stm2と同様となる。
比較ブロック25には、比較対象となる信号として、平均値算出ブロック24からの平均値Savと、積分ブロック23からリアルタイム的に出力されており、現時点でのΔΣ変調信号Sdsについての積分結果を示す積分値Sdtとが入力される。比較ブロック25では、これら平均値Savと積分値Sdtの値についての比較を行い、次のようにして比較結果に応じて、H/Lレベルの論理値による出力を行う。
比較ブロック25は、入力される平均値Savと積分値Sdtの値について比較を行うことで、両者の値が等しくなる(一致する)状態が得られたか否かについて判定するようにしている。
そして、比較結果として、平均値Savと積分値Sdtの値が異なっている状態にあるときは、これまで出力していた論理値を維持するようにされる。つまり、これより以前においてHレベルを出力していたのであれば、このHレベルの出力を継続し、Lレベルを出力していたのであれば、このLレベルの出力を継続する。
これに対して、平均値Savと積分値Sdtの値が等しくなって一致した状態が得られたことを判定すると、この判定結果をトリガとして、これまでの論理値出力を反転させ、以降は、この反転した論理値を維持するようにされる。つまり、比較ブロック25は、上記一致の判定が得られる以前においてLレベルを出力していたのであれば、一致の判定を得たタイミングでHレベルに反転させて出力を継続させる。逆に、一致の判定が得られる以前においてHレベルを出力していたのであれば、一致の判定を得たタイミングでHレベルに反転させて出力を継続させることになる。
上記のようにして比較ブロック25から出力される論理値による信号は、図1においても説明した、ミュートコントロール信号ScntとしてANDゲート13に対して入力される。また、分岐してΔΣ変調器12の動作を停止させるための停止コントロール信号Sstとして、ΔΣ変調器12にも入力される。
ここで、上記比較ブロック25にて比較される積分値Sdtと平均値Savであるが、先ず、積分値Sdtは、この場合には、"1"又は"0"となるパルス列であるΔΣ変調信号Sdsを積分するのであるから、実際の演算としては、入力された値を順次加算することで得ることができる。これに対して、平均値Savは、積分値Sdtをさらに、256サンプル分集めて平均して得られるものとなる。
このことから、相対的な関係として、積分値SdtはΔΣ変調信号Sdsについての短期間における平均値に相当するのに対して、平均値SavはΔΣ変調信号Sdsについての長時間における平均値に相当するものであるということがいえる。
そして、上記した比較ブロック25では、このような関係を有する平均値Savと、積分値Sdtとについて、その値が一致しているか否かについての比較結果を得るようにされているが、この場合において、平均値Savと積分値Sdtの値が一致しているということは、次のようなことを意味する。
ここで、積分値Sdtは入力されるΔΣ変調信号Sdsに対応する音声波形の振幅を直流化した出力であり、上記しているように、ΔΣ変調信号Sdsについての短時間平均値ということがいえる。これに対して、平均値Savとしては、この積分値Sdtとしての平均値よりも、さらに長時間にわたってサンプリングした積分値Sdtを平均化した、長時間平均値とされる。従って、積分値Sdtにおける変動成分をより抑制して直流化したものであることになる。
そして、このような積分値Sdtと平均値Savが一致するタイミングというのは、ΔΣ変調器12からのΔΣ変調信号Sdsの出力を音声信号波形としてみた場合に、平均値Savに対応する音声信号波形のレベルを基準レベルとして、ΔΣ変調信号Sdsが示すレベルが、この基準レベルとほぼ一致しているときであるということがいえる。
そして、このような信号状態であるときに対応して、本実施の形態では、ミュートのオン/オフの切り換えのために、比較ブロック25から出力するミュートコントロール信号Scntにより、ANDゲート13からPWM変調器14に入力されるΔΣ変調信号Sdsの遮断/通過をコントロールすることになる。上記したような信号状態であるときに、PWM変調器14へのΔΣ変調信号Sdsの入力の停止/開始を行うようにすれば、例えば図10にて説明したようなPWM信号のパルス幅変化の相関性が保たれた状態で、PWM信号はデューティ50%の状態に移行することになる。或いは逆に、デューティ50%の状態からΔΣ変調信号Sdsに応じたパルス幅変化を示す状態に移行することになる。そして、このような状態でPWM信号が変化することで、従来において問題となっているような、ミュートオン/オフの切り換えのときに生じるポップノイズが有効に抑制されることになる。
また、特に本実施の形態の場合においては、上記積分値Sdtと平均値Savを得るための元となっている信号が、ΔΣ変調器12から出力されるΔΣ変調信号Sdsとされている。そして、上記のようにして積分値Sdtと平均値Savが一致して最も振幅変化が少ないとされている状態では、元のΔΣ変調信号Sdsの状態として、アイドリングノイズの重畳量が最も少なくなっている状態となっている。
周知のようにして、ΔΣ変調では、その出力を負帰還している原理上から、アイドリングノイズが重畳されることが避けられない。そして、このアイドリングノイズ成分の重畳レベルが相応に高くなっているときに、ミュートオン/オフの切り換え動作として、PWM復調器へのΔΣ変調信号の入力停止/開始が行われると、これがポップノイズを発生させる原因となることも知られている。
本実施の形態では、このようなアイドリングノイズの重畳量が最も少ないときにミュートオン/オフの切り換え(PWM復調器14へのΔΣ変調信号Sdsの入力停止/開始)が行われるということにもなるので、ポップノイズ低減の効果はさらに有効なものとなっている。
なお、本実施の形態において、平均値算出ブロック24の平均値算出処理として、積分値Sdtのサンプル数を256としているのは、あくまでも一例である。つまり、前述もしたように、積分値Sdtとしての短時間平均値よりも相対的に長時間平均値が得られるようにしたうえで、この長時間平均値として安定的な信頼性のあるとされる値が得られるようにサンプル数が設定されればよい。
また、上記信頼性という観点からすれば、できるだけ多くのサンプル数とすることが好ましいということになるのであるが、サンプル数が多くなるほど、平均値算出ブロック25において、サンプルしたデータ値を保持しておくためのレジスタの段数が増加することになって、例えば回路規模が大きくなる。また、サンプルをレジスタに取り込んでいる期間は、比較のための準備期間であり確実に、実際にミュートオン/オフ切換が行われるまでのタイムラグとなるから、聴覚上気になる程度にまでこのタイムラグが長くなることも好ましくない。そこで、実際としては、上記した長時間平均値としての実用的信頼性と、回路規模、タイムラグとの兼ね合いを考慮してサンプル数を決定すべきということになる。
上記のようにして構成される本実施の形態のD級パワーアンプ1における、ミュートON/OFF信号に応じたミュートオン/オフの切り換え動作の流れについて、図3及び図4のタイミングチャートを参照して説明する。
先ず、図3により、ミュートON/OFF信号が、ミュートオフからミュートオンを指示する状態に変化した場合の動作から説明する。
この場合、ミュートON/OFF信号は、例えばH/Lレベルに応じて、ミュートのオン/オフを示すような信号とされればよい。また、ミュートのオン/オフとH/Lの論理値との対応も、ここでは特に指定しない。
そして、例えば図3(a)の時点t1として示すようにして、この時点以前ではミュートオフを示していたミュートON/OFF信号が、ミュートオンを示す状態に変化したとする。
このミュートON/OFF信号の変化に応じて、制御回路20内のタイミング発生器21では、図3(b)の時点t1に示すように、タイミング信号Stm1を出力する。これに応じて、積分ブロック23では、例えば前述したようにサンプル周期ごとに入力されるΔΣ変調信号Sdsについて継続的に積分を行って積分値Sdtを出力する動作を開始させる。
また、同じ時点t1のタイミングで、タイミング発生器21は、図3(c)の時点t1に示すように、タイミング信号Stm2も出力させる。この時点t1でのタイミング信号Stm2は平均値算出ブロック23の動作を開始させることを指示する信号である。平均値算出ブロック23は、このタイミング信号Stm2に応じて、時点t1から、256サンプル分の積分値Sdtの平均値算出のための動作を開始する。つまり、時点t1直後からは、先ず、積分値Sdtを取り込んで、256サンプル分を保持していくための処理を行っていくことになる。
また、比較ブロック25は、後述するようにして、検出結果の場合分けに応じて、図3(d)(e)のそれぞれにおいて異なる動作タイミングが示されているが、この時点t1を経過した段階では、いずれの場合においても、未だ比較動作を開始してはいない状態にある。また、このときには、比較ブロック25は、時点t1以前においてミュートオフの状態とされていたことに対応して、Hレベルを出力させていた状態を継続させている。
先に説明したように、平均値算出ブロック24では、256サンプル分の積分値Sdtを取り込んで、これらの平均値Savを算出するようにされる。この256サンプル分の積分値Sdtの取り込みを完了して、平均値Savを算出するタイミングが、図3(c)の時点t2となる。この時点t2を経過したタイミングで、平均値算出ブロック24は、これまでの平均値の算出動作(積分値Sdtの取り込み)を停止し、時点t2において得られた平均値Savを継続的に出力する。
この時点t2は、タイミング信号Stm1,Stm2の出力タイミングである時点t1から積分値Sdt出力の256サンプル分を経過した時点であり、従って、タイミング発生器21からは、時点t2に対応してタイミング信号Stm3を発生させて比較ブロック25に対して出力する。
比較ブロック25では、この時点t2から前述した比較動作を実行するようにされる。つまり、時点t2以降において、平均値算出ブロック24から固定値として出力される平均値Savと、現在のΔΣ変調信号Sdsの変化に応じてリアルタイム性を有して出力される積分値Sdtとを入力して、これら平均値Savと積分値Sdtが一致して等しくなったか否かについての判定を行うものである。
この場合において、時点t2を経過した直後の段階では、まだ、平均値Savと積分値Sdtが一致していない状態であることから、比較ブロック25からの出力としては、時点t2以前からのHレベルを維持させている。
そして、例えば、図3(d)に示すように、時点t2から積分値Sdtの出力の256サンプル分の期間を経過する時点t4に至るよりも以前のタイミングとなる時点t3において、比較ブロック25において、平均値Savと積分値Sdtが一致したことが判定されたとする。この比較ブロック25自身による判定結果に応じて、比較ブロック25では、これまでのHレベルの出力をLレベルに反転させるようにして切り換えることになる。
ここで、時点t3以前の比較ブロック25からHレベルが出力されているということは、図2に示すミュートコントロール信号Scntと、停止コントロール信号SstがHレベルとなっているということである。
Hレベルの停止コントロール信号Sstに応じては、ΔΣ変調器12は、その変調動作を継続するようにされる。これにより、ΔΣ変調器12からはΔΣ変調信号Sdsの出力を継続することになる。
また、Hレベルのミュートコントロール信号ScntがANDゲート13に対して入力されているときには、ANDゲート13では、もう一方の入力であるΔΣ変調信号Sdsに応じた論理値を出力することになる。つまり、入力されるΔΣ変調信号Sdsをそのまま通過させてPWM変調器14に入力させていることになる。
これにより、図1に示すD級パワーアンプ1としては、入力されたデジタルオーディオ信号を増幅して音声として出力している状態にあることになる。つまり、ミュートオフの状態が得られていることになる。
これに対して、先の説明のようにして時点t3において比較ブロック25からの出力がLレベルに反転されたことによっては、ミュートコントロール信号Scnt及び停止コントロール信号SstについてもLレベルに反転することになる。
先ず、Lレベルのミュートコントロール信号Scntが入力されると、ANDゲート13では、もう一方の入力に供給されるΔΣ変調信号Sdsの値にかかわらず、Lレベルを定常的に出力することになる。これは、たとえΔΣ変調器12からΔΣ変調信号Sdsが出力されているとしても、PWM変調器14への信号入力が無い(遮断された)状態であるということになる。
このようにして、PWM変調器14への入力がLレベルで固定されると、前述もしたように、PWM変調器14からはデューティ50%のPWM信号を出力することとなって、スピーカ16を駆動する電流レベルも0となるので音声出力は停止されることになる。つまり、時点t3以降は、ミュートオンの状態が開始される。
そして、このミュートオンのタイミングは、積分値Sdtと平均値Savが一致して等しいときであり、従って、前述した理由により、音声出力停止時のポップノイズは抑制されることになる。
また、ミュートコントロール信号ScntがLレベルとなると、ΔΣ変調器12では、自身において信号処理のために備えるレジスタに保持されている値をクリアすることを行う。つまり、ミュートコントロール信号Scntは、レジスタクリアをLレベルにより指示するための信号である。そして、このようにしてΔΣ変調器12が自身のレジスタをクリアすることで、ΔΣ変調器12としては変調動作を停止することになる。つまり、ΔΣ変調器12は変調信号を出力しない状態となる。このようにして、本実施の形態では、ミュートオン状態に対応して、ΔΣ変調器12の動作を停止させることとしている。これにより、ミュートオン時においてもΔΣ変調器12が動作することによる電力消費を無くし、また、無音であるのにかかわらずΔΣ変調器12から信号が出力されることによる不要なノイズの輻射などを避けることができる。
ところで、ここまで説明した本実施の形態のミュートオンの動作によると、ミュートオンを指示するミュートON/OFF信号の入力があったとされる時点t1から、或る程度の時間を経過してから、実際にミュートがオンとなって音声出力が停止されることになっている。つまり、ミュートON/OFF信号によるミュートオンの指示タイミングから、実際にミュートがオンとなるまでにはタイムラグが生じる。しかしながら、このタイムラグは、次の説明からも理解されるように、積分値Sdtの512(=256×2)サンプル分に相当する時間内に収まるものである。この積分値Sdtのサンプル周期は、例えばΔΣ変調信号Sdsのサンプル周期と同じであり、従って、上記した512サンプル分に相当する期間のタイムラグは、ユーザの聴覚上は非常に短時間であり、その遅れはほとんど認識できないので問題にはならない。
ただし、実際においては、例えば時点t2からある程度の時間を経過しても、平均値Savと積分値Sdtが一致する状態とならない場合がある。このような場合において、時間的に無制限に、平均値Savと積分値Sdtが一致する状態になることを待機するようにすると、例えばミュートオンの操作を行ったのにもかかわらず、実際にミュートがオンとなって音声出力が停止されるまでに、ユーザがストレスに成る程度に時間がかかる。若しくは、いつになっても、ミュートがオンにならないなどの不都合を招く。
そこで、本実施の形態では、比較ブロック25が比較動作を開始する時点t2から一定時間経過しても、平均値Savと積分値Sdtが一致する状態が得られないときには、強制的にミュートをオンとするようにされる
本実施の形態では、この強制ミュートオンのタイミングを、時点t2により比較ブロック25が比較動作を開始してから、さらに積分値Sdtの256サンプル分に相当する時間長を経過したタイミングである、時点t4に設定することとしている。
この時点t4は、ミュートON/OFF信号がミュートオンの指示に切り換わった時点t1を起点とすれば、積分値Sdtの512(=256+256)サンプル分に相当する期間を経過した時点であるということになる。タイミング発生器21は、時点t1から、この512サンプル分相当の期間についてのカウントを行っており、このカウントが終了して時点t4に至ったとされると、図3(b)に示すようにして、積分ブロック23に対して、動作停止を指示するタイミング信号Stm1を出力する。これにより、積分ブロック23は、時点t1から開始させていた積分のための処理を停止する。
また、タイミング発生器21は、同じ時点t4において、図3(c)に示すようにして、平均値算出ブロック24の動作を停止させるためのタイミング信号Stm2を出力する。これにより、平均値算出ブロック24は、時点t2から継続していた平均値Savの出力を停止する。
そして、タイミング発生器21は、同じ時点t4において、図3(d)に示すようにして、比較ブロック25に対して、その比較動作の停止を指示するためのタイミング信号Stm3を出力する。
なお、確認のために述べておくと、この時点t4におけるタイミング発生器21による、上記タイミング信号Stm1,Stm2,Stm3の出力動作は、図3(d)に示したようにして、時点t3において既にミュートがオンとされた場合においても、これにかかわらず必ず実行されるものとなる。
そして、比較ブロック25において積分値Sdtと平均値Savとが一致しているとの判定結果が未だ得られていなのにかかわらず、上記のようにして時点t4においてタイミング信号Stm3が出力された場合には、図3(e)に示すようにして、この時点t4のタイミング信号Stm3に応じて、比較ブロック25は、時点t2から開始した比較処理を停止させる。また、この場合には、比較処理を停止するだけではなく、これまで出力させていたHレベルをLレベルに反転させて出力する。これにより、時点t4以降において、実際にミュートがオンとなって音声出力が停止される状態が得られる。
続いては、図4を参照して、ミュートON/OFF信号が、ミュートオンからミュートオフを指示する状態に変化した場合の動作について説明する。
この図4において、時点t1より以前は、例えば上記図3での時点t4以降における状態に対応している。つまり、制御回路20におけるタイミング発生器21、及びミュートタイミング決定部22としての積分ブロック23、平均値算出ブロック24が動作を停止している状態である。そして、比較ブロック25は比較動作を停止していると共に、Lレベルの出力を継続しており、これによりミュートがオンとされて音声出力が停止されている状態にある。
そして、この状態から時点t1を経過したときに、図4(a)に示すようにして、ミュートON/OFF信号が、ミュートオンからミュートオフを示すようにして変化したとする。
この時点t1におけるミュートON/OFF信号の変化に応じた動作として、タイミング発生器21では、図3に示した場合と同様にして、タイミング信号Stm1,Stm2を出力する。これに応じて、時点t1以降においては、積分ブロック23、平均値算出ブロック24は、図3と同様にして動作する。
さらに、時点t1から積分値Sdtの256サンプル分に相当する期間を経過した時点t2においても、図3の場合と同様にして、比較ブロック25では比較処理を開始する。
そして、この時点t2から、さらに上記256サンプル分の時間を経過した時点t4以前のタイミングである、時点t3において、図4(d)に示すようにして、比較ブロック25により一致の比較結果が得られたとする。
これに応じて、比較ブロック25は以降の比較動作は停止する。そして、この場合においては、時点t3以前においてLレベルを出力していたので、時点t3以降からは、Hレベルに反転させた出力を継続する。
これにより、先ず、停止コントロール信号SstがHレベルとされることになるが、これによっては、ΔΣ変調器12におけるレジスタクリアのための動作が解除されることになる。レジスタクリアが解除されてレジスタへのデータセットが有効になれば、ΔΣ変調器12としての変調動作が開始されることになり、ΔΣ変調器12からは入力デジタルオーディオ信号に応じたΔΣ変調信号Sdsの出力が開始されることになる。
また、比較ブロック25の出力がHレベルとなることで、ANDゲート13の一方の入力端子にもHレベルが入力されることになる。これにより、ΔΣ変調信号Sdsから出力されたΔΣ変調信号Sdsは、ANDゲート13を通過するようにしてPWM変調器14に対して入力される。この結果、スピーカ16からは音声出力が開始されることになる。つまり、音声ミュートがオフ(解除)とされたことになる。
そして、このようなミュートオフのタイミングとしても、積分値Sdtと平均値Savが一致して等しい状態が得られているときに対応しており、従って、音声出力開始時のポップノイズも抑制されることになる。
また、このようなミュートオフの場合においても、先のミュートオンの場合と同様の理由から、比較ブロック25が比較動作を開始する時点t2から一定時間経過しても、平均値Savと積分値Sdtが一致する状態が得られないときには、強制的にミュートをオフとするようにされる。
本実施の形態としては、ミュートオフの場合においても、例えば、時点t2により比較ブロック25が比較動作を開始してから、さらに積分値Sdtの256サンプル分に相当する時間長を経過したタイミングである、時点t4を強制ミュートオフのタイミングとして設定する。
そしてタイミング発生器21は、このときにも、時点t1から512サンプル分相当の期間についてのカウントを行うことで、上記時点t4のタイミングを得るようにされる。そして、この時点t4のタイミングに至ったとされると、図4(b)(c)に示すようにして、積分ブロック23、平均値算出ブロック24に対して、それぞれ動作停止を指示するタイミング信号Stm1,Stm2を出力する。
これにより、積分ブロック23は、時点t1から開始させていた積分のための処理を停止し、平均値算出ブロック24、時点t2から開始させていた平均値Savの出力を停止する。
そして、タイミング発生器21は、同じ時点t4において、図4(d)に示すようにして、比較ブロック25に対して、その比較動作の停止を指示するためのタイミング信号Stm3を出力する。
なお、この場合においても、時点t4におけるタイミング発生器21によるタイミング信号Stm1,Stm2,Stm3の出力は、強制ミュートオフとしての動作に対応するから、時点t3においてミュートがオフとされたか否かにかかわらず実行されるものとなる。
そして、比較ブロック25としては、積分値Sdtと平均値Savとが一致しているとの判定を得ていない状態で、時点t4においてタイミング信号Stm3を入力した場合には、図4(e)に示すようにして、時点t2から開始した比較処理を停止させる。そして、これまで出力させていたLレベルをHレベルに反転させて出力する。これにより、時点t4以降において、実際にミュートがオフとなって音声が再び出力される状態が得られる。
続いては、本発明の第2の実施の形態について説明する。
図5は、第2の実施の形態としてのD級パワーアンプ1Aとしての構成を示している。なお、図1に示した第1の実施の形態のD級パワーアンプ1と同一とされる構成部位については同一符号を付してここでの説明は省略する。
周知のようにして、ΔΣ変調器にはDCディザといわれる直流のノイズ成分を加えるようにした技術が知られている。このDCディザは、例えばΔΣ変調器において積分器及び量子化器から成る負帰還回路に入力さすべきデジタルオーディオ信号に対して加算するようにして重畳する。これにより、ビートノイズといわれる発振現象が抑制され、より高性能なΔΣ変調器とすることができる。
第2の実施の形態としては、このようにしてΔΣ変調器において、DCディザを加える構成を採る場合に対応している。
このために、図5に示すD級パワーアンプ1Aにおいては、DCディザ発生器30が備えられる。この場合のDCディザ発生器30は、或る一定レベルのDCディザ成分として信号を発生させ、DCディザ信号Sdiz1として出力する。
通常であれば、このDCディザ発生器30から出力されるDCディザ信号Sdiz1は、ΔΣ変調器12に対して直接入力してよい。しかしながら、この場合には、DCディザ信号Sdiz1を、一旦、制御回路20Aに入力することとしている。詳しいことは後述するが、制御回路20Aでは、入力したDCディザ信号Sdiz1についてレベル調整が可能とされており、レベル調整後のDCディザ信号Sdiz1を、調整DCディザ信号Sdiz2としてΔΣ変調器12に入力する。
ΔΣ変調器12では、上記したようにして、調整DCディザ信号Sdiz2を加算するようにして重畳した入力デジタルオーディオ信号について、ΔΣ変調処理を行うようにされる。
図6は、上記図5に示される制御回路20Aの内部構成例を示している。なお、この図において、図2に示した第1の実施の形態の制御回路20の構成と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
図6によると、第2の実施の形態の制御回路20Aとしては、先に図2に示した制御回路20に対して、フェーダブロック26が追加された構成となっていることが分かる。このフェーダブロック26には、DCディザ発生回路30から出力される一定レベル(規定量)のDCディザ信号Sdiz1が入力される。フェーダブロック26では、入力されたDCディザ信号Sdiz1について、フェードアウトさせるようにして徐々にディザ量(信号レベル)を低下させ、最終的に下限値である0レベルとすることが可能とされている。また逆に、フェードインさせることも可能とされている。つまり、例えば0レベルの状態から徐々にディザ量(信号レベル)を増加させ、最終的にDCディザ信号Sdiz1に対応する一定レベルにまで増加させる。そして、このようにしてフェーダブロック26を経由したDCディザ信号Sdiz1を、調整DCディザ信号Sdiz2として、ΔΣ変調器12に出力するようにされる。このようなDCディザ量を可変する処理は、制御回路20Aが実行すべき処理として、ΔΣ変調器12におけるΔΣ変調処理に関連した、1つの信号処理ということがいえる。
なお、上記のようにして、フェードイン/フェードアウトの処理は、入力されたDCディザ信号Sdiz1に対して、一定値を加算/減算していくことで実現可能である。また、このときに、加算/減算のための上記一定値を設定するための時定数を予めいくつか用意して選択可能とすることで、フェードイン/フェードアウトに要する時間を可変することが可能である。
また、この場合のタイミング発生器21では、タイミング信号Stm1,Stm2,Stm3に加えて、タイミング信号Stm4も発生して出力可能とされている。フェーダブロック26のフェードイン/フェードアウトの動作の開始は、このタイミング信号Stm4の入力に応じたものとなる。
また、この制御回路20Aにおいては、比較ブロック25からミュートコントロール信号Scnt、停止コントロール信号Sstとして出力される信号をさらに分岐して、解除通知信号Stuとしてフェーダブロック26に出力するようにもされている。
続いて、上記図5及び図6のようにして構成される第2の実施の形態のD級パワーアンプ1Aにおける、ミュートオン/オフの切り換え動作の流れについて、図7及び図8のタイミングチャートを参照して説明する。
先ず、図7は、ミュートON/OFF信号が、ミュートオフからミュートオンを指示する状態に変化した場合の動作を示している。
この場合、時点t0以前においては、図7(a)に示すように、ミュートON/OFF信号はミュートオフを示しており、このとき、比較ブロック25では、図7(e)(f)に示されるように、比較動作を停止した状態で、Hレベルを出力している。これにより、ミュートがオフとされて音声が出力されている状態となっている。また、積分ブロック23及び平均値算出ブロック24は、図7(e)(f)に示すようにして、動作を停止している状態にある。
さらに、このようにしてミュートオフとされて音声を出力させている状態に対応しては、制御回路20A内のフェーダブロック26では、入力されたDCディザ信号Sdiz1のレベルをそのまま調整DCディザ信号Sdiz2として出力している。このとき、ΔΣ変調器12では、前述した発振現象の抑制に適合したレベル(規定量)のDCディザが入力されていることになり、有効にビートノイズを抑制して変調処理を実行している状態となっている。
そして時点t0に至ったタイミングで、ミュートON/OFF信号がオンを示す状態に変化したとすると、この場合のタイミング発生器21では、先ず、図7(b)に示すようにして、この時点t0において、フェーダブロック26にタイミング信号Stm4を出力する。
フェーダブロック26では、上記のようにして、規定量の調整DCディザ信号Sdiz2を出力させていた状態においてタイミング信号Stm4の入力を受けると、調整DCディザ信号Sdiz2をフェードアウトさせていくための処理を開始する。これにより、例えば、時点t0から一定期間経過した時点t1において、フェーダブロック26からΔΣ変調器12に入力される調整DCディザ信号Sdiz2のレベルは0となる。つまり、ΔΣ変調器12に対して調整DCディザ信号Sdiz2は入力されなくなる。
このようにして、時点t0からフェードアウトが開始されて調整DCディザ信号Sdiz2のレベルが0となる時点t1までの時間は、予め定められているものである。そして、タイミング発生器21では、時点t1に至ったタイミングで、図7(c)(d)に示すようにして、積分ブロック23及び平均値算出ブロック24に対して、それぞれ、タイミング信号Stm1,Stm2を発生して出力する。
この図7における時点t1以降の動作として、タイミング発生器21によるタイミング信号Stm1,Stm2,Stm3の出力タイミングと、これに応じての図7(c)(d)(e)(f)に示される積分ブロック23,平均値算出ブロック24、比較ブロック25の動作は、図3(b)(c)(d)(e)による説明と同様である。
このようにして、第2の実施の形態において、ミュートオフからミュートオンの状態に切り換えるときには、先ず、ΔΣ変調器14に入力するDCディザ量を徐々に0にまで減少させ、この後において、先の図3の場合と同様の手順により、一定時間内に積分値Sdtと平均値Savとについて一致したときには、このタイミングで以てミュートオンとして音声出力を停止させるようにしている。
ここで、上記のようにして、ミュートオンとするのにあたり、最初にDCディザ量を減少させているのは次のような理由による。
ΔΣ変調器において規定の適正量のDCディザを加えることで、前述したようにビートノイズとしての発振現象は抑制される。しかしながら、このようなDCディザを加えてΔΣ変調した場合においては、ΔΣ変調信号Sdsとしての出力にも、このDCディザの成分が含まれている。このために、ミュートオン/オフに応じて、ΔΣ変調信号Sdsのオン/オフを行った場合には、DCディザ成分が含まれている分、ポップノイズが生じやすくなる。
これは、例えば先の第1の実施の形態としての手順によりミュートオン/オフをした場合にもいえる。つまり、積分値Sdtと平均値Savの一致に応じたミュートオン/オフの切り換えは、結果的にはΔΣ変調器14におけるアイドリングノイズの影響によるポップノイズを主として排除する効果を有しているものだからである。
そこで、第2の実施の形態のようにして、ΔΣ変調器12にDCディザを入力する構成としている場合において、ミュートオンとするのにあたっては、先ず、ΔΣ変調器14に入力するDCディザ量を0とすることが行われる。ここで、DCディザ量を急峻に0レベルに減衰させるとポップノイズが発生するため、本実施の形態では、或る一定の時間長を以てフェードアウトさせるようにして徐々に0レベルにしていくようにされる。
そして、このようにしてDCディザ量を0とした後に、先の第1の実施の形態と同様の手順によりΔΣ変調信号Sdsを遮断するタイミングを決定するようにされる。これにより、第1の実施の形態と同様にして、主にアイドリングノイズに対応して生じるポップノイズを抑制してミュートオンの状態に移行させることができる。
続いて、図8により、ミュートON/OFF信号が、ミュートオンからミュートオフを指示する状態に変化した場合の動作を説明する。
この図において、時点t1より以前は、例えば上記図7での時点t4以降における状態に対応している。つまり、制御回路20Aにおけるタイミング発生器21、及びミュートタイミング決定部22としての積分ブロック23、平均値算出ブロック24が動作を停止している状態である。そして、比較ブロック25は比較動作を停止していると共に、Lレベルの出力を継続しており、これによりミュートがオンとされて音声出力が停止されている状態にある。さらに、この場合には、ΔΣ変調器12に入力されるべき調整DCディザ信号Sdiz2は、図8(b)に示されているようにして、0レベルとなっている。
そして、この状態から時点t1に至って、図8(a)に示すようにして、ミュートオンからミュートオフを示すようにしてミュートON/OFF信号が変化したものとする。
この場合において、時点t1以降におけるタイミング発生器21によるタイミング信号Stm1,Stm2,Stm3の出力タイミングと、これに応じた図8(c)(d)(e)(f)に示される積分ブロック23,平均値算出ブロック24、比較ブロック25の動作は、図4(b)(c)(d)(e)による説明と同様にして行われることになる。
ただし、この第2の実施の形態においては、例えば時点t3において積分値Sdtと平均値Savが一致したとされて、実際にミュートオフの状態に移行したとされるときには、このときに比較ブロック25から出力された、LレベルからHレベルに立ち上がった信号が、解除通知信号Stuとしてフェーダブロック26に入力されるようになっている。
フェーダブロック26では、0レベルを出力させている状態において解除通知信号Stuが立ち上がると、調整DCディザ信号Sdiz2の出力レベルをフェードインさせる。つまり、調整DCディザ信号Sdiz2の出力レベルを、入力のDCディザ信号Sdiz1の本来のレベルに対応する規定レベルにまで徐々に増加させるように動作する。
あるいは、時点t4に至るまでに積分値Sdtと平均値Savが一致せずに、強制的にミュートオンとされた場合にも、比較ブロック25の出力がLレベルからHレベルに変化するのに応じて、解除通知信号StuもLレベルからHレベルに立ち上がることになるので、この時点から、フェーダブロック26では、調整DCディザ信号Sdiz2の出力レベルを上記と同様にしてフェードインさせる動作が実行される。
このような図8に示す動作によれば、調整DCディザ信号については0レベルのままとしたうえで、先に、ΔΣ変調信号SdsをANDゲート13から通過させてPWM変調器14に入力させることで、ミュートをオフ(解除)として音声出力を開始させるようにしている。
従って、このときには、ΔΣ変調信号SdsにはDCディザ成分は含まれていないので、DCディザ成分に起因するポップノイズが発せられることはない。つまり、音声出力を開始させるときには、DCディザ成分をΔΣ変調信号Sdsに含ませないことで、ポップノイズの抑制効果が最も高い状態となるようにしている。そして、この後において、ΔΣ変調器12に対して入力させる調整DCディザ信号Sdiz2を、フェードインさせて徐々に増加させていくようにされる。なお、ここで調整DCディザ信号Sdiz2を急峻に規定量となるようにはせず、徐々に増加させているのも、フェードインの場合と同様にして、急峻なレベル増加によるポップノイズの発生を避けることを目的としている。そして、この後において、ΔΣ変調器12では、適正量のDCディザを加えたΔΣ変調処理を実行していくようにされる。
なお、本発明としては、これまでに説明した実施の形態としての構成に限定されるべきものではない。例えば各図としてのタイミングチャートに示した処理タイミングなども必要に応じて適宜変更されてよい。例えば、図7では、調整DCディザ信号Sdiz2を0レベルにまでフェードアウトさせた後の段階で、積分ブロック23、及び平均値算出ブロック24などの動作を開始させているが、例えば、平均値算出ブロック24が積分値を取り込んでいる時点t1〜t2間での期間において、調整DCディザ信号Sdiz2が0レベルになるようなフェードアウトの終了タイミングとすることも考えられる。
また、上記実施の形態としては、本発明をオーディオ機器における音声信号増幅のためのD級パワーアンプ1,1Aとして適用した場合を示している。しかしながら、いわゆるD級アンプといわれる構成は、オーディオ機器以外の分野でも適用されている、或いは、将来的に適用することが考えられている。本発明としても、その適用分野は、音声信号増幅に限定されない。
一例として、DCアンプの出力によりモータを駆動する構成も知られているが、本発明をこのようなモータ駆動回路に適用することができる。
つまり、例えばモータ駆動信号を入力してΔΣ変調処理、PWM変調処理を行い、PWM信号を増幅出力部により増幅して得られる出力電流(若しくは電圧)によりモータを回転駆動する回路である。このような回路に本発明を適用すれば、モータの停止、及び回転開始の際に、ポップノイズやアイドリングノイズなどに相当するノイズ成分、及びDCディザ成分に起因するノイズなどがモータ駆動信号に発生することが抑制される。これにより、スムーズなモータの停止動作又は回転開始動作を得ることが可能である。
本発明の第1の実施の形態としてのD級パワーアンプの構成例を示すブロック図である。 第1の実施の形態のD級パワーアンプが備える制御回路の構成例を示すブロック図である。 第1の実施の形態のD級パワーアンプにおける音声ミュートオンのための動作タイミングを示すタイミングチャートである。 第1の実施の形態のD級パワーアンプにおける音声ミュートオフのための動作タイミングを示すタイミングチャートである。 本発明の第2の実施の形態としてのD級パワーアンプの構成例を示すブロック図である。 第2の実施の形態のD級パワーアンプが備える制御回路の構成例を示すブロック図である。 第2の実施の形態のD級パワーアンプにおける音声ミュートオンのための動作タイミングを示すタイミングチャートである。 第2の実施の形態のD級パワーアンプにおける音声ミュートオフのための動作タイミングを示すタイミングチャートである。 従来例としてのD級パワーアンプの構成例を示すブロック図である。 音声ミュートオフからミュートオンに切り換わるときの、PWM信号波形と音声出力波形との関係により、ポップノイズの発生原理を説明するための図である。
符号の説明
1 D級パワーアンプ、11 デジタルフィルタ、12 ΔΣ変調器、13 ANDゲート、14 PWM変調器、15 増幅出力部、16 スピーカ、20 制御回路、21 タイミング発生器、22 ミュートタイミング決定部、23 積分ブロック、24 平均値算出ブロック、25 比較ブロック、26 フェーダブロック、30 DCディザ発生回路

Claims (8)

  1. 第1の所定のデジタル信号処理を実行する第1の信号処理手段から出力され、第2の所定のデジタル信号処理を実行する第2の信号処理手段に入力されるべき中間処理信号についての第1の所定時間ごとの平均値とされる、第1の平均値を得る第1の平均値出力手段と、
    信号処理装置からの信号出力についての停止又は停止解除の指示信号が入力されて以降の所定タイミングで、上記第1の所定時間よりも長く設定された第2の所定時間において得られる第1の平均値についての平均値を、第2の平均値として得るための平均値取得動作を開始する、第2の平均値出力手段と、
    上記第2の平均値出力手段により上記第2の平均値が得られた以降のタイミングで、この第2の平均値と、上記第1の平均値とについて、等しいか否かについての比較動作を開始する比較手段と、
    上記比較手段により上記第2の平均値と上記第1の平均値が等しいとされる比較結果が得られたタイミングに応じて、上記第2の信号処理手段に入力されるべき上記中間処理信号を遮断する、又は通過させるように信号切り換えを実行する信号切換手段と、
    を備えていることを特徴とする信号処理装置。
  2. 上記第2の平均値出力手段は、
    上記指示信号が入力されたタイミングに応じて、上記平均値取得動作を開始するようにされている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の信号処理装置。
  3. 上記指示信号が入力されたタイミングに応じて、先ず、信号処理装置において、少なくとも、上記第1のデジタル信号処理に関連する所定の関連信号処理を実行する関連信号処理手段をさらに備えると共に、
    上記第2の平均値出力手段は、
    上記関連信号処理手段による上記所定の信号処理が実行された後のタイミングで、上記平均値取得動作を開始するようにされている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の信号処理装置。
  4. 上記第1の信号処理手段は、上記第1のデジタル信号処理としてΔΣ変調処理を実行するように構成され、
    上記関連信号処理手段は、上記関連信号処理として、上記ΔΣ変調処理の対象となるデジタル信号に加えるディザを、所定の規定量から所定の下限量まで、所定の時間経過を伴って減少させる処理を実行するようにされている、ことを特徴とする請求項3に記載の信号処理装置。
  5. 上記比較手段により上記第2の平均値と上記第1の平均値が等しいとされる比較結果が得られたタイミングに応じて、信号処理装置において、少なくとも、上記第1のデジタル信号処理に関連する所定の関連信号処理を実行する関連信号処理手段をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の信号処理装置。
  6. 上記第1の信号処理手段は、上記第1のデジタル信号処理としてΔΣ変調処理を実行するように構成され、
    上記関連信号処理手段は、上記関連信号処理として、上記ΔΣ変調処理の対象となるデジタル信号に加えるべきディザを、所定の下限量から所定の規定量まで、所定の時間経過を伴って増加させる処理を実行するようにされている、ことを特徴とする請求項5に記載の信号処理装置。
  7. 上記信号切換手段は、
    上記比較手段の比較動作が開始されて以降において、上記第2の平均値と上記第1の平均値が等しいとされる比較結果が得られることなく所定時間経過した場合には、上記信号切り換えを実行するようにされている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の信号処理装置。
  8. 第1の所定のデジタル信号処理により得られ、第2の所定のデジタル信号処理が施されるべき中間処理信号についての第1の所定時間ごとの平均値とされる、第1の平均値を得る第1の平均値出力手順と、
    信号出力についての停止又は停止解除の指示信号が入力されて以降の所定タイミングで、上記第1の所定時間よりも長く設定された第2の所定時間において得られる第1の平均値についての平均値を、第2の平均値として得るための平均値取得動作を開始する、第2の平均値出力手順と、
    上記第2の平均値出力手順により上記第2の平均値が得られた以降のタイミングで、この第2の平均値と、上記第1の平均値とについて、等しいか否かについての比較動作を開始する比較手順と、
    上記比較手順により上記第2の平均値と上記第1の平均値が等しいとされる比較結果が得られたタイミングに応じて、上記第2のデジタル信号処理のための上記中間処理信号の入力経路を遮断する、又は通過させるように信号切り換えを実行する信号切換手順と、
    を実行することを特徴とする信号処理方法。
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