JP2005123534A - ウェハ洗浄装置 - Google Patents

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和広 谷口
Satoshi Takahashi
智 高橋
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Abstract

【課題】 バンプ形成用の穴や回路パターン形成用の溝などの凹凸形状が形成されたレジスト層を有するウェハの表面を確実に洗浄できるウェハ洗浄装置を提供すること。
【解決手段】 ウェハWの支持部材21を備えていると共に、ウェハ用の洗浄液を噴出するノズル39と当該ノズル39に洗浄液を供給する液供給部40とを有する噴出ユニット3を備えているウェハ洗浄装置1において、前記液供給部40の洗浄液供給路42にガスを供給するガス供給路43を設けて、洗浄液とガスとが混在する噴流体を前記ノズル39から噴出させるようにし、当該ノズル39から支持部材21に支持されたウェハWに向けて前記噴流体を噴射することによってウェハWを洗浄する。このように、洗浄液とガスとが混在する噴流体をウェハWに向けて噴射するウェハ洗浄装置によれば、ウェハWの表面に洗浄液を衝撃的にぶつけ続けることができ洗浄能力が向上する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ウェハ製造プロセス等で用いられるウェハ洗浄装置に関し、特に、ウェハ表面への埋め込みめっき処理が行われる前の状態のウェハ表面など、凹凸を有するウェハ表面の洗浄に好適なウェハ洗浄装置に関する。
ウェハ製造プロセスでは、めっき処理が多用されている。そして、めっき処理を行う場合、めっき処理面(めっき対象面)を汚れのないきれいな状態にしておく必要がある。そこで、ウェハ製造プロセスでは、めっき処理面を確実に洗浄できる洗浄装置が必要とされている。従来の洗浄方法としては、例えば、洗浄槽に溜めた洗浄液に浸漬させることによってウェハを洗浄する方法がある(特許文献1参照)
特開平10−204690号公報
ところで、ウェハ製造プロセスの一つとして、埋め込みめっき処理により導電性の金属からなるバンプや回路パターンをウェハ表面に形成する工程がある。この工程では、例えば、まずウェハ表面に感光性レジスト等からなる層を形成し、所定の凹凸パターンに対応する露光を行い、レジスト層に対してエッチング処理を施して所定の凹凸を有するパターンマスクを形成し、当該パターンマスクを有するウェハ表面を洗浄し、パターンマスクで覆われていない凹部に埋め込みめっき処理を施して銅などの導電性の金属を埋め込み、その後マスクを除去することによって、ウェハ表面に、銅などの導電性金属かならなるバンプや回路パターンなどを形成する。
ところが、従来の洗浄装置を用いて埋め込みめっき処理前の洗浄を行うと、その後に埋め込みめっき処理を行ったときに無めっき部が発生したり、ボイドと称される空隙(めっき不着部)が発生したりするなど、バンプ等をきれいに形成できない。そこで、ウェハ表面の洗浄について検討したところ、従来の洗浄装置を用いて洗浄を行ったのでは、埋め込みめっき処理前のウェハ表面をきれに洗浄できず、エッチング液等が汚れとしてウェハ表面に残っていることが解った。そして、このような汚れに起因して無めっき部やボイドが発生すると考えられることが解った。この点を以下でより詳細に説明する。
例えばウェハ表面にバンプを形成する場合、図6に示されるように、埋め込みめっき処理前のウェハ表面は、バンプ形成用の穴Hを多数有する。そして、この穴Hの中に銅などの導電性金属を埋め込むとバンプ等が形成される。つまり、埋め込みめっき処理におけるめっき処理開始当初のめっき対象面は、ウェハ表面の穴Hの底面(ウェハ表面)であり、穴Hの底面をきれいに洗浄する必要があるが、穴底面の洗浄は平坦な面と比べて難しい。また、バンプ形成用の穴Hの大きさ(穴の直径や長径の寸法)や回路パターンなどを形成するための溝の幅寸法は100μm前後という微小なものであり、このような微小な穴や溝内の洗浄は特に難しいと考えられる。
このような問題点に鑑み、本発明は、バンプや回路パターンを埋め込みめっき処理によって形成する際に用いられるバンプ形成用の穴や回路パターン形成用の溝などの凹凸形状を有する洗浄しにくいウェハ表面を確実に洗浄できるウェハ洗浄装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明は、ウェハの支持部材を備えていると共に、ウェハ用の洗浄液を噴出する噴出孔と当該噴出孔に洗浄液を供給する液供給部とを有する噴出手段を備えているウェハ洗浄装置において、前記液供給部の洗浄液供給路にガスを供給するガス供給路を接続して、洗浄液とガスとが混在する噴流体を前記噴出孔から噴出させるようにし、当該噴出孔から支持部材に支持されたウェハに向けて前記噴流体を噴射することによってウェハを洗浄することを特徴とする。
本発明に係るウェハ洗浄装置でウェハ洗浄を行う場合は、洗浄液を洗浄液供給路を用いて噴出孔まで供給する。また、同時にガス供給路を用いて洗浄液供給路内にガスを供給する。このようにすると、噴出孔には、洗浄液供給路を介して、洗浄液とガスとが混在する噴流体が供給される。供給された噴流体は、噴出孔から支持部材に支持されるウェハに向けて噴射される。そして噴射された噴流体によってウェハの表面が洗浄される。なお、洗浄液に混在させるガスとしては、例えば、窒素ガス,空気等を挙げることができる。
このように、洗浄液とガスとが混在する噴流体をウェハに向けて噴射する洗浄装置では、ウェハの表面に噴流体をぶつけたとき、当該表面に洗浄液とガスが極短い時間間隔で交互にぶつけられると考えられる。つまり、本発明に係るウェハ洗浄装置を用いれば、洗浄液をウェハの表面に極短い時間の時間間隔で連続して衝撃的にぶつけることができる。これに対して、洗浄液だけを噴射する従来のウェハ洗浄装置では、洗浄液は噴出孔から定常的に噴出されるので、洗浄液を衝撃的にぶつけることはできない。つまり、本発明に係るウェハ洗浄装置によれば、ウェハの表面に洗浄液を衝撃的にぶつけ続けることができ、洗浄能力が向上する。
本発明のウェハ洗浄装置は、ウェハの表面に洗浄液を衝撃的にぶつけて洗浄を行うものであり、穴形状などの凹凸を含む形状を有するウェハの表面の洗浄に好適である。洗浄液を衝撃的にぶつけると穴(凹部)内に洗浄液を到達させることができ、これにより、ウェハの外表面だけでなく穴底面などの穴内まで確実に洗浄できるからである。例えば、ウェハ表面に感光性レジストを用いたバンプ形成用のマスクを形成し、当該マスクに形成されたバンプ形成用のホール内にめっきによってバンプを形成するような場合に、バンプ形成用のホール内および底面の洗浄が不良であると、その後めっきを行っても洗浄不良に起因する無めっき部やボイド(めっき不着部)が発生してしまう。したがって、本ウェハ洗浄装置は、エッチング処理後めっき工程前のエッチング液が付着したウェハ、すなわちバンプ形成用のホールが形成されたレジスト層を表面側に有するウェハの表面を洗浄する装置として特に好適である。
そして、噴出手段としては、ウェハの表面に向けて噴流体を間欠的に噴射するものが好ましい。噴流体をウェハ表面上に間欠的に噴射しながら洗浄を行うと、連続的に噴射する場合よりも少ない洗浄液量で同等またはそれ以上の質の洗浄を行うことができる。
また、噴出手段としては、ウェハの表面に向けて斜め方向から噴流体を噴射するものが好ましい。噴流体をウェハの表面に向けて斜め方向から噴射しながら洗浄を行うと、直角方向から噴射する場合よりも少ない洗浄液量で同等またはそれ以上の質の洗浄を行うことができる。
噴流体を間欠的に噴射する噴出手段としては、その噴出孔は、ウェハの支持部材に対して移動可能に設置された可動部材に形成されているものであり、当該可動部材を移動させつつ前記噴出孔からウェハ表面に向けて噴流体を噴射させると、ウェハ表面上の噴流体の噴射領域が移動し、ウェハ表面上の洗浄位置に噴流体が間欠的に噴射されるものが好ましい。このような構造の噴出手段を有する洗浄装置では、可動部材を移動させるとウェハ表面上の噴射領域が移動することとなり、ウェハ表面上の、ある洗浄位置に着目すれば、当該位置には噴流体が間欠的に噴射されるようになる。つまり、本構造の洗浄装置によれば、簡単な構造で、ウェハ表面上の各位置に間欠的に噴流体を噴射できる。
噴流体を斜め方向から噴射するには、噴出孔を備えている可動部材としては、ウェハの表面に直交する軸を回転軸として回転可能に設置されているものが好ましい。このような構造であれば、可動部材を回転させたときに噴出孔が回転し、これにより噴出孔から表面にウェハの表面に向けて噴出された噴流体の噴射領域が表面上を移動する。当該領域が移動すると、ウェハ表面上の、ある洗浄位置に着目した場合、当該洗浄位置に噴流体が間欠的に噴射される状態になる。また、噴射ヘッドを回転させると、噴出孔から噴出された噴流体は、噴射方向だけでなく回転方向にも移動し、実質的に表面に対して斜め方向に噴射される。なお、ウェハの表面に対して停止させた状態においても当該表面に向けて噴流体を斜め方向に噴射できるように、可動部材の噴出孔の噴出方向を予めウェハ表面に対して斜め方向にしておいてもよい。噴射ヘッドの回転方向と、斜め方向に噴射される噴流体の噴射方向の回転方向成分が同じ方向である場合、噴射ヘッドを回転させたときに噴射力がより強力になる。
そして、噴出手段としては、噴出孔を備える前記可動部材を複数備えるものが好ましい。可動部材が複数あると、噴流体の噴射間隔をより短くできるなど、噴射間隔の調節の幅が広がる。また、洗浄効率を向上させることがより容易である。
さらに、複数ある噴出孔のうちの一の噴出孔を、可動部材を回転させた際の当該一の噴出孔の回転軌跡が他の噴出孔の回転軌跡と重ならないように、いずれかの可動部材に形成することが好ましい。各噴出孔がこのような位置に形成されているウェハ洗浄装置において、噴出孔から噴流体を噴出させながら可動部材を回転させてウェハの表面を洗浄する場合に、例えばウェハ表面上の、ある洗浄位置に着目したとする。すると、洗浄中にあっては、当該洗浄位置には各可動部材が次々と接近し、次々と接近する可動部材の噴出孔から当該洗浄位置に向けて噴流体が間欠的に噴射される状態になる。つまり、当該洗浄位置への噴流体の噴射状況は時々刻々と変化する。このように、噴射状況を変化させながら洗浄を行うことができるウェハ洗浄装置では、ウェハ表面に様々な方向から噴流体を噴射させることができることから、洗浄効率が向上する。
以上の説明から解るように、本発明に係るウェハ洗浄装置によれば、ウェハの表面を良好な状態に洗浄できる。特に、フォトレジスト等によってウェハ表面に形成されたバンプ形成用のホールの底面など、凹凸形状を含む洗浄しにくいウェハ表面を確実に洗浄できる。
以下、本発明に係るウェハ洗浄装置の好適な実施形態を図面を参照しつつ説明する。
図1に示されるように、ウェハ洗浄装置1は、上端の開口形状が円形である洗浄槽2を有する。洗浄槽2の上端開口には、環形状のウェハ載置部(支持部材)21が設けられている。そして、ウェハ載置部21の上面には、シール用のパッキン21aが取り付けられている。このようなウェハ載置部21に円盤形状のウェハWを載せると、ウェハWの外周縁がシールパッキン21aに接し、この状態でウェハ載置部21上にウェハWが支持される。また、ウェハ洗浄装置1は、載置されたウェハWの全外周縁をシールパッキン21a側(下側)に押しつける押圧部材22を有しており、この押圧部材22でウェハWをシールパッキン21aに押しつけると、ウェハWがより確実に固定される。
ウェハ洗浄装置1は、ウェハ載置部21上のウェハWに向けて洗浄液を噴射させる洗浄液の噴射ユニット(噴射手段)3を有する。当該噴射ユニット3は、概略的には、洗浄槽2に固定された洗浄液噴出部30と、当該洗浄液噴出部30に洗浄液を供給する洗浄液供給部(液供給部)40とからなる。
これらのうち、洗浄液噴出部30は、洗浄槽2の底部中央に螺合されている固定管31を有する。固定管31は、上端(一端)が洗浄槽2内部に突き出し、下端(他端)が洗浄槽2の外部に突き出た状態で洗浄槽2に取り付けられる。また、固定管31の内部には、その上端(一端)から下端(他端)まで貫通する貫通路31aが形成されている。
固定管31の洗浄槽2内に突き出た上端側には、ベアリング32aを介して回転体33が取り付けられており、当該回転体33は、洗浄対象であるウェハWの表面(下面)に直交する回転軸Rの回りに回転可能になっている。なお、符号「32b」は、洗浄液等の流体の漏れを防止するためのパッキンである。そして、この回転体33は、洗浄液のノズル(噴出孔)39が複数取り付けられた2本のアーム部(可動部材)33a,33bを有する。図1(a)に示されるように、両アーム33a,33bは、回転体33の一部を構成するものであり、一体形成されている。そして、両アーム33a,33bは、回転軸Rを中心として相互に180°反対側に延びる状態で配置されている。
このようなノズル39を備えたアーム33a,33bを回転させ、この状態をウェハWの表面上の観察位置(ウェハ表面上の洗浄位置)で観察したとすると、この観察位置には回転する2つのアーム33a,33bが交互に接近し、同時に接近したアーム上のノズル39がこの観察位置に接近する。ただし、図から解るように、各ノズル39の設置位置(つまり回転体33の回転中心からの距離)はそれぞれ異なっている。より具体的に説明すれば、図2(a)に示されるように、各ノズル39は、回転体33を回転させたときの回転軌跡Tが相互に重ならないような位置に設置されている。したがって、次々と接近してくるアーム上のノズル39の位置を観察位置で観察すると、接近するアームが変わるたびに観察されるノズル39の位置が変わる(ノズルの観察位置に対する相対位置が変わる)。このように、実施形態のウェハ洗浄装置1では、観察位置に洗浄液を噴射するノズル39の相対位置を変化させることで、ウェハ表面上の各位置への洗浄液の噴射状態を変化させることができる。このようにして洗浄液の噴射状態を変化させながらウェハWを洗浄できるウェハ洗浄装置は洗浄効率に優れる。
回転体33は、固定管31に取り付けられるベース部材34(図3(a)〜(c)参照)と、当該ベース部材34の上面に溶接されるアッパー部材35(図2(a),(b)参照)とからなる。ベース部材34は、固定管31への取り付けに用いられるフランジ34aと、長手方向に延びる溝状の液通路34bと、ベース部材34を上下に貫通する貫通穴34cを有する。貫通穴34cは、フランジ34の中心位置に形成されており、液通路34bに連通している。他方、アッパー部材35は、その上面にノズル取付け用のねじ穴35aを複数有しており、ノズル39が取り付けられる。このような回転体33を固定管31に取り付けると、固定管31の貫通路31aと回転体33の貫通穴34cとが連通する状態になる。したがって、例えば固定管31の貫通路31aに洗浄液を供給すると、洗浄液は貫通穴34cを介して液通路34bに送られ、各ノズル39および各小孔34dから噴出される。
また、各アーム33a,33bの先端部すなわちベース部材34の両端位置には、ノズルとは別に、液通路34bに連通された小孔34d(図3(a)参照)が形成されている。この小孔34dは、アーム長手方向に直交する方向に洗浄液等の流体を噴射できるように孔の向き等の条件が定められた状態で形成されている。したがって、回転体33の液通路34bに洗浄液等を供給してこれをノズル39から噴出させると、同時にこの小孔34dからも洗浄液等が噴射される。そして、小孔34dから洗浄液等を噴出させると、その反作用として回転体33に矢印Bの向きに回転する回転力が付与され、回転体33すなわちアーム33a,33bが回転する。
次に、洗浄液噴出部30に洗浄液を供給する洗浄液供給部40について説明する。洗浄液供給部40は、固定管31(図1(b)参照)の洗浄槽2の下側(外側)に突き出た下端に連結される接続管41と、この接続管41に洗浄液等を供給する液供給管42と、ガスを供給するガス供給管43を有する。
図1(b)に示されるように、接続管41は、外観略T字状の三つ又状の管であり、相互に連通する3つの開口部を有する。これらのうち、上向きに開口している第1開口部は、固定管31の他端(下端)に螺合されており、横に開口している第2開口部には液供給管42が接続されており、下向きに開口している第3開口にはガス供給管43が接続されている。
ガス供給管43の上端(接続管41側の端部)は、接続管41内に挿入できるように細径になっている。そして、ガス供給管43の図における下端側(つまりガス流れ方向上流側)は、最終的にはポンプ(不図示)に接続されており、このポンプによってガス供給管43の細径部43aから接続管41内に勢いよくガスを噴出できるようになっている。また、ガス供給管43の細径部43aの先端は接続管41の第2開口部のところに位置されている。したがって、液供給管42によって接続管41内に洗浄液を供給した状態で、ガス供給管43の細径部43aからガスを勢いよく噴出すると、ガスおよび洗浄液は、互いに混ざり合った状態で上側の第1開口部から固定管31に供給され、回転体33のアーム33a,33bの液通路34bを経て各ノズル39および小孔34dに供給される。そして、洗浄液とガスの混合流体がノズル39や小孔34dから洗浄槽2内に噴出される。
なお、図4に示されるように、洗浄液噴出部30に洗浄液を供給する洗浄液供給部40は、液タンク42tから接続管41に向けて洗浄液を供給するポンプ42pを有し、供給経路上に、洗浄液の供給量等を制御するためのエアバルブ42vを有する。そして、ガスタンク43tから接続管41に向けてガスを供給するポンプ43pを有し、供給経路上に、ガスの供給量等を制御するためのエアバルブ43vおよび当該エアバルブ43vの上流側に設置されるレギュレータ43rを有する。これらの機器を作動させることによって、適当な量の洗浄液およびガスの混合流体をノズル39からウェハWの表面に向けて噴射できるようになっている。また、本実施形態のウェハ洗浄装置1は、例えば、ウェハ基板が搬入されるステージ、めっき槽が設置されためっきステージ、洗浄ステージ、ウェハ回収ステージなどを備える自動ウェハめっき装置などの洗浄ステージに設置されて用いられるが、本実施形態では、これらの周辺ステージについての説明は省略した。
次に、このようなウェハ洗浄装置におけるウェハ洗浄時の動作を説明する。
まず、洗浄対象であるウェハWをウェハ載置部21に載せる(図1参照)。このとき、洗浄する面を下側(洗浄槽内)に向ける。そして、当該ウェハWの外周縁を押圧部材22でウェハ載置部21のパッキン21aに押しつける。これによりウェハWがウェハ載置部21に固定される。このようにウェハWを固定すると、ウェハ載置部21とウェハWとの間から洗浄槽2の外側に洗浄液が漏れ出すようなことが防止される。
次に、ウェハWに向けて洗浄液を噴射してウェハWの表面を洗浄する。まず、液供給管42(図4参照)のバルブ42vを開いて洗浄液を接続管41に供給する。そして、ガス供給管43のポンプ43pを作動させて、洗浄液と混ぜあわせるガスを接続管41内に噴出させる。接続管41内には洗浄液が供給されており、噴出されたガスは洗浄液と混合される。このようにして得られた洗浄液とガスの混合流体は、接続管41から固定管31へ、そして固定管31から回転体33の液通路34bへと供給される。
液通路34bに供給された混合流体の大部分は、各ノズル39からウェハWの表面に向けて噴射されて洗浄に用いられる。このように、洗浄液とガスとの混合流体をノズルから噴射させた噴流体をウェハ表面の洗浄に用いると、洗浄液だけを用いる場合よりも洗浄能力が向上する。また、混合流体の一部は、小孔34dから噴射される。これによりノズル39を備えるアーム33a,33bに回転力が与えられ、アーム33a,33bはウェハWの表面に沿って回転する。つまり、本実施形態のウェハ洗浄装置1を用いると、洗浄動作中、回転移動する各ノズル39からウェハWに向けて噴流体を噴射できる。
ところで、図5に示されるように、ノズル39からウェハWの表面に向けて噴射された噴流体のウェハ表面上における噴射領域Eの面積は、ウェハWの表面の全面積よりも狭い。そして、回転体33を回転させつつ洗浄を行うと、ウェハ表面上の噴射領域Eはノズル39(回転体33)の移動に伴って移動する。そして、ウェハ表面上の位置(例えば図5の点O)に着目すると、当該位置Oには、回転体33の回転に伴い、噴流体が間欠的に噴射される。このように噴流体を間欠的に噴射しながら洗浄を行うと、連続的に噴射する場合よりも少ない洗浄液量で同等または同等以上の高品質の洗浄を行うことができる。
なお、本実施形態のウェハ洗浄装置1は、洗浄したい面を下側に向けた状態で洗浄する、いわゆるフェイスダウンタイプのウェハ洗浄装置である。このように、下側に向けられた洗浄対象面に洗浄液を噴射して当該面を洗浄する際に、噴射が間欠的であると、ウェハ表面に不着した使用済み洗浄液の切れがより良くなるなどの利点があると考えられ、これにより洗浄効率が向上する。
また、回転する回転体33のノズル39からウェハ表面に向けて噴流体を噴出させると、噴流体はウェハWの表面に向けて斜め方向から噴射される。この噴射角度は回転速度を変えることで調節可能である。このように、噴流体を斜め方向から噴射させながら洗浄を行うと、より洗浄効率が向上する。
そして、回転体33を回転させながらノズル39からウェハ表面に向けて噴流体を噴出する場合に、表面上の位置(例えば図5の点O)に着目したとすると、この位置には2つのアーム33a,33bが交互に接近し、接近するアームが変わるたびに、当該位置Oに噴流体を噴射する噴射元の位置(位置Oに対するノズルの相対位置)も変わる。このことは、各ノズル39が、当該ノズルの回転軌跡Tとその他のノズルの回転軌跡Tとが相互に重ならないような位置に形成されていることからも解る(図2(a)参照)。このように、本実施形態のウェハ洗浄装置1は、噴流体の噴射元の位置を時々刻々と変化させるようになっており、洗浄効率に優れる。
このような実施形態のウェハ洗浄装置を用いて洗浄実験を行った。ここでは、マスク形成に用いられるフォトレジストのエッチング液を除去する洗浄実験を行った。
まず、ウェハ基板Wbにフォトレジスト層を形成し、バンプ形成用の穴H(図6参照)を有するパターンマスクMを得るための露光パターンで露光を行い、その後エッチング処理を施したウェハWを用意した。なお、図6に示されるように、ウェハ基板Wb上に形成するマスクMの厚さFは約100μmであり、形成したバンプ形成用の穴Hの直径Dは約100μmであり、穴Hの間隔Sは約200μmであった。
このウェハWをウェハ洗浄装置1のウェハ載置部21に載置し、押圧部材22で押しつけて洗浄槽2に固定した。このとき、洗浄対象面であるフォトレジスト層がある面(ウェハの表面)を洗浄槽2内(下側)に向けた。この状態でウェハ洗浄装置1を作動させて洗浄を行った。なお、用いた洗浄液は純水であり、純水と混合したガスはフィルタで塵等が除去された乾燥空気であり、また洗浄時間は1分であるなど、洗浄条件は従来と同様であった。
洗浄終了後、従来のめっき装置を用いて、ウェハ表面のバンプ形成用の穴内に埋め込みめっき処理を施し、その後、フォトレジスト製のパターンマスクMを除去してバンプ付きウェハを得た。そして、バンプ形成後、得られたバンプ付きウェハの表面(図7に示される13ヶ所)を顕微鏡で観察した。観察の結果、全ての観察位置においてめっき不着部は発生しておらず、ウェハ表面に良好な状態でバンプを形成できていることが解った。従来のウェハ洗浄装置を用いて、バンプ形成用の穴が形成されたウェハ表面を洗浄した場合、洗浄不良に起因するめっき不着部が発生していたことからすると、本実施形態のウェハ洗浄装置を用いれば、洗浄対象である穴の底面を極めて良好に洗浄できることが解った。
本実施形態のウェハ洗浄装置の洗浄槽を示す平面図およびA−A断面図。 ウェハ洗浄装置の洗浄液噴出部の回転体を構成するアッパー部材を示す平面図および側面図。 ウェハ洗浄装置の洗浄液噴出部の回転体を構成するベース部材を示す平面図、正面図および側面図。 ウェハ洗浄装置の洗浄液供給部における洗浄液およびガスの供給路を示すブロック図。 ウェハの表面上における噴流体の噴射領域を示す平面図。 ウェハの表面に形成されているバンプ形成用の穴を示す拡大斜視図。 めっき処理後に行ったウェハの表面の観察における観察位置を示す平面図。
符号の説明
1 ウェハ洗浄装置
2 洗浄槽
3 噴射ユニット(噴出手段)
21 ウェハ載置部(支持部材)
30 洗浄液噴出部
31 固定管
33 回転体
33a,33b アーム(可動部材)
39 ノズル(噴出孔)
40 洗浄液供給部(液供給部)
41 接続管(洗浄液供給路の一部)
42 液供給路(洗浄液供給路の一部)
43 ガス供給路
W ウェハ
E 噴流体の噴射領域
H バンプ形成用の穴(ホール)

Claims (7)

  1. ウェハの支持部材を備えていると共に、ウェハ用の洗浄液を噴出する噴出孔と当該噴出孔に洗浄液を供給する液供給部とを有する噴出手段を備えているウェハ洗浄装置において、
    前記液供給部の洗浄液供給路にガスを供給するガス供給路を接続して、洗浄液とガスとが混在する噴流体を前記噴出孔から噴出させるようにし、当該噴出孔から支持部材に支持されたウェハに向けて前記噴流体を噴射することによってウェハを洗浄することを特徴とするウェハ洗浄装置。
  2. バンプ形成用のホールが形成されたレジスト層を表面側に有するウェハの表面の洗浄に用いられる請求項1に記載のウェハ洗浄装置。
  3. 前記噴出手段は、ウェハの表面に向けて噴流体を間欠的に噴射するものである請求項2に記載のウェハ洗浄装置。
  4. 前記噴出手段は、ウェハの表面に向けて斜め方向から噴流体を噴射するものである請求項2または請求項3のいずれか一項に記載のウェハ洗浄装置。
  5. 前記噴出手段の噴出孔は、ウェハの支持部材に対して移動可能に設置された可動部材に形成されているものであり、
    当該可動部材を移動させつつ前記噴出孔からウェハ表面に向けて噴流体を噴射させると、ウェハ表面上の噴流体の噴射領域が移動することとなり、ウェハ表面上の洗浄位置に噴流体が間欠的に噴射される請求項2から請求項4のいずれか一項に記載のウェハ洗浄装置。
  6. 前記噴出孔を備える前記可動部材は、ウェハの表面に直交する軸を回転軸として回転可能に設置されており、
    当該可動部材を回転させると噴出孔が回転し、当該噴出孔からウェハの表面に向けて噴射された噴流体の噴射領域が移動して、ウェハ表面上の洗浄位置に噴流体が間欠的に噴射されると共に当該噴流体がウェハ表面に向けて斜め方向から噴射される請求項5に記載のウェハ洗浄装置。
  7. 前記噴出手段は、噴出孔を備える前記可動部材を複数備えるものであり、
    複数ある噴出孔のうちの一の噴出孔は、可動部材を回転させた際の当該一の噴出孔の回転軌跡が他の噴出孔の回転軌跡と重ならないように、いずれかの可動部材に形成されている、請求項6に記載のウェハ洗浄装置。
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