JP2005123160A - 燃料電池用セパレータ、燃料電池スタック及び燃料電池用セパレータの製造方法並びに燃料電池車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐食性の低下を防止すると共にガス拡散電極との接触抵抗を減らし、燃料電池の発電効率を高めた燃料電池用セパレータ及びその製造方法、並びに燃料電池スタック及び燃料電池車両を提供する。
【解決手段】所定のクラッド化薄板に対してプレス成形し、中央部2に断面形状が所定の波型又は凹凸型のガス流路部(ガス流路溝)4を形成し、中央部2外周に平坦部(ビード部6)を形成し、予め、クラッド化薄板の貴金属層の破断及び金属板露出による耐食性の低下が無視できる限界の限界板厚残存率を求めておき、ガス流路部4の流路に直交する方向の断面形状について、ガス拡散層に接触するリブ山中央部の板厚t1、リブ山肩部の最も板厚が薄い部分の板厚t2、リブ山斜面部の板厚t3、周辺部のセパレータの板厚t4とした場合に、t2≧t4×限界板厚残存率の関係を満たすことを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】所定のクラッド化薄板に対してプレス成形し、中央部2に断面形状が所定の波型又は凹凸型のガス流路部(ガス流路溝)4を形成し、中央部2外周に平坦部(ビード部6)を形成し、予め、クラッド化薄板の貴金属層の破断及び金属板露出による耐食性の低下が無視できる限界の限界板厚残存率を求めておき、ガス流路部4の流路に直交する方向の断面形状について、ガス拡散層に接触するリブ山中央部の板厚t1、リブ山肩部の最も板厚が薄い部分の板厚t2、リブ山斜面部の板厚t3、周辺部のセパレータの板厚t4とした場合に、t2≧t4×限界板厚残存率の関係を満たすことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、燃料電池用セパレータ、燃料電池及びこれらの製造方法並びに燃料電池車両に関する。
燃料電池は、燃料である水素ガスと酸素ガスとを電気化学的に反応させて、燃料の持つ化学エネルギを電気エネルギに直接変換する装置である。化学エネルギを電気エネルギに直接変換できるため、燃料電池の発電効率は火力発電などの他の発電システムに比べて高い。また、化石燃料を使用しないため資源の枯渇が問題とならず、発電に伴い排気ガスが生じない等の利点を有するため、燃料電池は地球環境保護の観点からも注目されている。
燃料電池は、使用される電解質の種類に応じて、固体高分子電解質型、リン酸型、溶融炭酸塩型及び固体酸化物型等がある。そのうちの1つである固体高分子電解質型燃料電池(PEFC: Polymer Electrolyte Fuel Cell)は、電解質として分子中にプロトン交換基を有する高分子樹脂膜を使用して、高分子樹脂膜を飽和に含水させるとプロトン伝導性電解質として機能することを利用した電池である。固体高分子電解質型燃料電池は、比較的低温で作動し、発電効率も高いため、電気自動車搭載用を始めとする各種の用途が見込まれている。
上記固体高分子電解質型燃料電池は燃料電池スタックを含み、燃料電池スタックは、基本単位となる単セルを複数個積層して、両端部をエンドフランジで挟み、締結ボルトにより固定して一体に構成される。
図18は、燃料電池スタックを形成する単セルの構成を示す断面図である。図18に示すように、単セル30は、固体高分子電解質膜31の両側に酸素極32及び水素極33を接合して一体化した膜電極接合体を有する。酸素極32及び水素極33は、反応膜34及びガス拡散層35(GDL: gas diffusion layer)を備えた2層構造であり、反応膜34は固体高分子電解質膜31側に形成される。酸素極32及び水素極33の両側には、酸素極側セパレータ36及び水素極側セパレータ37を各々設置し、各セパレータ36,37により、酸素ガス流路、水素ガス流路及び冷却水流路を形成している。
上記構成の単セルは、固体高分子電解質膜31の両側に酸素極32,水素極33を配置して、通常、ホットプレス法により一体に接合して膜電極接合体を構成し、膜電極接合体の両側にセパレータ36,37を配置して製造する。酸素極32及び水素極33はポーラス状であり、その内部をガスや水が通過する。上記単セルから構成される燃料電池では、水素極側に、水素、二酸化炭素、窒素、水蒸気の混合ガスを供給し、酸素極側に空気及び水蒸気を供給すると、主に、固体高分子電解質膜31と反応膜34との間の接触面において電気化学反応が起こる。以下、より具体的な反応について説明する。
上記構成の燃料電池スタックにおいて、酸素ガス流路及び水素ガス流路に酸素ガス及び水素ガスが各々供給されると、酸素ガス及び水素ガスが各ガス拡散膜35を介して反応膜34側に供給され、水素極側及び酸素極側の反応膜34において反応が起こる。
[化1]
水素極側:H2 →2H+ +2e- ・・・式(1)
酸素極側:(1/2)O2 +2H+ +2e- →H2 O・・・式(2)
水素極33側に水素ガスが供給されると、式(1)の反応が進行して、2H+ と2e-とが生成する。2H+は、水和状態で固体高分子電解質膜31内を移動して酸素極32側に流れ、2e- は負荷38を通って水素極33から酸素極32に流れる。酸素極32側では、2H+と2e- と供給された酸素ガスとにより、式(2)の反応が進行して、電力が生成する。
水素極側:H2 →2H+ +2e- ・・・式(1)
酸素極側:(1/2)O2 +2H+ +2e- →H2 O・・・式(2)
水素極33側に水素ガスが供給されると、式(1)の反応が進行して、2H+ と2e-とが生成する。2H+は、水和状態で固体高分子電解質膜31内を移動して酸素極32側に流れ、2e- は負荷38を通って水素極33から酸素極32に流れる。酸素極32側では、2H+と2e- と供給された酸素ガスとにより、式(2)の反応が進行して、電力が生成する。
上記燃料電池スタックに使用されるセパレータは、各単セル間を電気的に接続する機能を有するため、電気伝導性が良好であり、かつ、構成材料との接触抵抗が低いことが要求される。また、セパレータは、水素ガスと酸素ガスとを隔離するものであるため、水素ガスや酸素ガスの反応ガスに対してのガス気密性が高いことが必要である。さらに、燃料電池に供給される各ガスの温度は、80[℃]〜90[℃]と高温であり、セパレータは高温状態のガスに晒されるため、水素ガス及び酸素ガスを酸化還元する際の反応に対する耐食性が要求される。
例えば、セパレータとして、原材料であるカーボンをプレート状に成形し、その両面側に反応ガス流路を形成したものが開示されている(非特許文献1参照)。
図19は、プレート状のカーボン製のセパレータを使用した単セルの構成を示す断面図である。図19に示すように、固体高分子電解質膜39の両面側に酸素極40及び水素極41を設置して膜電極接合体とし、この膜電極接合体の両面側にセパレータ39,40を配置している。
しかしながら、カーボン製のセパレータにすると、セパレータとガス拡散電極等の構成材料との接触抵抗は低く、この点からは優れているが、金属製のセパレータと比較すると強度が低かった。セパレータの厚さを薄くして燃料電池を小型化し、燃料電池を自動車等の移動体車両に搭載したいという要求があるが、セパレータの厚さを薄くするためには限界があり、セパレータの厚さは、少なくとも1[mm]〜5[mm]程度必要であった。
そこで、近年、燃料電池の小型化及び低コスト化を実現するために、セパレータとして金属薄板を使用してプレス成形し、断面が連続した波型形状を有するセパレータを使用する試みがなされている(特許文献1及び特許文献2参照)。
さらに、前述したように、セパレータの特性として、ガス拡散電極等の構成材料との間の接触電気抵抗が低く、水素ガス及び酸素ガスの酸化還元反応に対して高い耐食性を有することが要求される。このため、金属板の表面に貴金属層を形成して、5%以上の圧下率で圧延加工を施してクラッド化してクラッド合金薄板とし、クラッド合金薄板を所定形状にプレス成形し、水素ガス又は酸素ガスを流通させるガス通路を形成したセパレータが開示されている(特許文献3及び特許文献4参照)。
本技術によれば、基材上に皮膜として貴金属層を表面被覆して、基材及び皮膜である貴金属層の両者を圧延したため、両者の密着力が高くなりクラッド材と同程度の密着力を得られる。また、貴金属層のポーラス構造を緻密化することができるだけでなく、ピンホールが閉孔して耐食性が良くなる。このため、圧延後に塑性加工を施しても、皮膜である貴金属層が剥離することがない。さらに、圧延すると耐食性が向上するため、皮膜を薄肉化して低コスト化できるだけでなく、表面に貴金属層を形成したため、ガス拡散電極等の構成材料との接触電気抵抗をも低くすることができる。
「固体高分子型燃料電池の開発と実用化」(株)技術情報協会1999年発行(第92頁) 特開2000−323149号公報(第4頁、第1図)
特開2002−190305号公報(第3頁、第1図)
特開2002−260681号公報(第3頁、第2図)
特開2002−254180号公報(第2頁、第1図)
「固体高分子型燃料電池の開発と実用化」(株)技術情報協会1999年発行(第92頁)
しかしながら、金属板の両面側に貴金属層を形成し、5%〜15%の圧下率により圧延加工を施してクラッド合金薄板とし、クラッド合金薄板を用いて、所定の形状となるようにプレス成形したセパレータでは、所定の断面形状を得ようとすると、特に、強加工される反応ガス流路部断面形状のリブ山肩部において、下地母材に局所的に過大な伸び歪が生じてしまっていた。また、この歪に表層の貴金属層が追随できず、表層の貴金属層に数 [μm]×数十[μm]程度の微小なクラックが多数発生し、この部分で下地の母材が露出するため耐食性が低下し、表面に貴金属層を形成した割には耐食性が向上しなかった。
また、表層貴金属層の微小破断は、貴金属層自身の欠陥によるものではなく、下地母材に局所的に過大な伸び歪が生じ、この歪に表層貴金属層が追随できず、結果として貴金属層が微小破断してしまうものであった。
上記課題を解決するため、本発明者らは、金属板の表面上に貴金属層を形成し、5%〜15%の圧下率で圧延加工を施したクラッド合金薄板を用い、プレス成形により所定のセパレータ形状にする場合に、リブ山肩部で発生する表層貴金属層の微小クラックと微小クラックの発生に伴う下地母材である金属板の露出による耐食性の低下を防止すべく、プレス成形方法及び製品のガス流路部断面形状と貴金属層で発生する微小クラックとの関係について鋭意研究を重ねた。そして、クラッド化薄板をプレス成形して所定の形状とする際、材料を延伸する予備プレス成形工程1段以上と、所定の形状とする仕上げプレス成形工程と、を有する2段以上の多段成形を行うと、予備プレス成形工程ではなく仕上げプレス成形工程時に、下地母材である金属板の露出を伴う貴金属層の微小クラックが発生することが判明した。また、微小クラックは一軸引っ張り試験では再現できず、表面積が増大する平面歪を与えられる球頭張り出し試験でないと再現できないことが判明し、さらに、球頭張り出し試験にて、平面歪量及び板厚減少量をある値以下に抑えると、微小クラックが発生しないこと(クラッド材の母材、表面貴金属層の材質、クラッドする際の圧下率により異なるが、微小クラック発生限界平面歪、もしくは微小クラック発生限界板厚残存率が存在すること)が判明した。また、リブ山肩部の減肉率を微小クラック再現試験で得られた値以下に抑え、又は、板厚に対するリブ山肩部の曲率半径の比率をある値以上にすれば、耐食性の観点からは無視できる程度に微小クラックの発生を抑えられることが判った。さらに、所定の断面形状とするためには、多段プレス成形のうち、予備プレス成形工程での成形高さを製品での成形高さよりある値以上の比率で高め、また、仕上げプレス成形工程時に、リブ山肩部の曲げと同時に圧縮応力を負荷できるように、予備プレス成形時に十分に材料を延伸しておくことが重要となることが判明した。さらに、これらの結果から、微小クラックの発生を耐食性の観点からは無視できる程度に抑えられることを見出し、上記知見に基づき本発明を完成したものである。
すなわち、第1の発明である燃料電池用セパレータは、金属板の表面上に貴金属層を形成して5%〜15%の圧下率により圧延加工を施してクラッド化したクラッド化薄板に対してプレス成形して、中央部に断面形状が所定の波型又は凹凸型としたガス流路部を形成すると共に、前記中央部の外周に平坦部を形成し、予め、前記クラッド化薄板の貴金属層の破断及び金属板露出による耐食性の低下が無視できる限界の限界板厚残存率を求めておき、前記ガス流路部の流路に直交する方向の断面形状について、ガス拡散層に接触するリブ山中央部の板厚t1、リブ山肩部の最も板厚が薄い部分の板厚t2、リブ山斜面部の板厚t3、周辺部のセパレータの板厚t4とした場合に、t2≧t4×限界板厚残存率の関係を満たすことを要旨とする。
また、第2の発明である燃料電池スタックは、電解質膜の両面にそれぞれ酸化剤極及び燃料極を形成した膜電極接合体と、前記膜電極接合体の酸化剤極側に配置した酸化剤極側セパレータと、前記膜電極接合体の燃料極側に配置した燃料極側セパレータと、を有し、前記膜電極接合体と前記各セパレータとの間にそれぞれ燃料ガス流路及び酸化剤ガス流路を形成した単セルを複数個積層し、各単セル間に冷却水流路を形成した燃料電池スタックであって、前記酸化剤極側セパレータ及び燃料極側セパレータは、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の燃料電池用セパレータとしたことを要旨とする。
さらに、第3の発明である燃料電池車両は、上記燃料電池スタックを搭載し、これを動力源として用いたことを要旨とする。
また、第4の発明である燃料電池用セパレータの製造方法は、金属板の表面上に貴金属層を形成して5%〜15%の圧下率により圧延加工を施してクラッド化したクラッド化薄板を用いて、このクラッド化薄板を延伸する予備プレス成形工程と、前記クラッド化薄板を所定の波形形状にプレス成形してガス流路部を形成する仕上げプレス成形工程と、を有することを要旨とする。
本発明の燃料電池用セパレータによれば、構成材料との接触抵抗を低減できるだけでなく、ガス流路のリブ山肩部における表面貴金属層の微小クラック発生及び微小クラック発生に伴う下地母材である金属板の露出を防止でき、耐食性の低下を防止できる。
本発明の燃料電池によれば、発電効率を損なうことなく高い発電効率を維持できると共に、小型化することができる。
本発明の燃料電池車両によれば、小型化した軽量の燃料電池を車両に搭載することにより、車両重量を低減して省燃費化を図ることができ、走行距離の長距離化を図ることができる。
本発明の燃料電池用セパレータの製造方法によれば、ガス拡散電極との接触抵抗を低減して発電効率を高めると共に、耐食性の低下を防止した燃料電池用セパレータを得ることができる。
以下、本発明の燃料電池用セパレータ及びその製造方法、燃料電池スタック並びに燃料電池車両について、本発明の実施の形態に係る燃料電池スタックを搭載した燃料電池電気自動車の例を挙げて第1実施形態から第3実施形態までを用いて説明する。
<第1実施形態(図1〜図13、表1、表2)>
本発明の実施の形態では、燃料電池用セパレータ及びその製造方法について、インターデジテート型流路を備えた固体高分子型燃料電池用セパレータを例に挙げて、図1〜図13、表1及び表2を用いて説明する。
本発明の実施の形態では、燃料電池用セパレータ及びその製造方法について、インターデジテート型流路を備えた固体高分子型燃料電池用セパレータを例に挙げて、図1〜図13、表1及び表2を用いて説明する。
図1は、インターデジテート型流路を形成した固体高分子型燃料電池用セパレータのガス流路面側の上面図であり、図2は、その断面形状を示す模式図である。図3は、セパレータのガス流路部を斜視的に示す模式図である。
図1に示すように、固体高分子型燃料電池用セパレータ1は、発電部としての中央部2に電流を導通させる凸形状のリブ山3とリブ山3に隣接した凹形状のガス流路溝4とを交互に形成して凹凸形状とし、ガス流路溝4は、中央部2の対角線上の端部に形成されたガスマニホールド5に連結している。中央部2外周のセパレータ1の外周縁部にはビード部6を形成しており、セパレータ1を断面から観察すると、図2に示すように連続した波型形状を有する。
図3は、燃料電池用セパレータ1の中央部2におけるガス流路部を示す斜視図である。図3に示すように、燃料電池用セパレータ1の中央部2には、リブ山平坦部7からリブ山斜面部8を介してガス流路溝底部9が連続しており、リブ山平坦部7及びガス流路溝底部9が略平行に配置される。
上記形状の燃料電池用セパレータ1は、下地母材である金属板の両面に耐食性かつ導電性の表面処理を施して被覆層を形成したクラッド化薄板から構成される。
下地母材である金属板としては、鉄基合金、Ni基合金、工業用純Ti、Ti基合金及びステンレス合金の中から選択される1種又は2種以上を組み合わせた合金から形成すると良く、このような種類の合金を使用することにより、耐食性かつ生産性の優れた燃料電池セパレータを低コストにより提供することができる。
上記鉄基合金の中でも、SUS304及びSUS316等のオーステナイト系ステンレス鋼板、あるいはSUS430等のフェライト系ステンレス鋼板を使用することが最も好ましく、耐食性及び生産性の優れた燃料電池セパレータを低コストで提供することができる。
被覆層は、下地母材である金属板上に厚さ0.01[μm]〜0.05[μm]の貴金属層を形成し、5[%]〜15[%]の圧下率により圧延して形成された層である。被覆層は、金(Au)、プラチナ(Pt)又は銀(Ag)等の貴金属から構成することが好ましく、この中でも、特に、Au又はAu合金とすることが好ましい。Au又はAu合金から貴金属層を形成することにより、耐食性及び展延性が良好で電気伝導度が高いだけでなく、隣接するガス拡散電極等の構成材料との接触電気抵抗の低い燃料電池用セパレータを得ることができる。
セパレータ周辺部のプレス成形加工を受けていない部分のクラッド化薄板の板厚t4は0.05 [mm]〜0.10 [mm]の範囲とすることが好ましい。クラッド化薄板の板厚t4が0.05 [mm]未満になると、セパレータの強度が低下していまい、板厚t4が0.10 [mm]を超えると重量が重くなり、自動車等の移動体車両としては不向きだからである。また、貴金属層の厚さは0.01 [μm]〜0.05[μm]の範囲とすることが好ましい。
さらに、上記燃料電池用セパレータにおいて、貴金属層は、金属板の厚さの1/10000〜1/1000の範囲とすることが好ましい。貴金属層の厚さを本範囲に規定したのは、貴金属層の厚さが本範囲よりも薄くなると耐食性が低下し、貴金属層が本範囲よりも厚くなるとコストが高騰してしまうからである。上記範囲の厚さに貴金属層を規定することにより、耐食性に優れ、隣接する構成部材との接触電気抵抗を低く抑えた燃料電池セパレータを低コストにより提供することができる。
燃料電池用セパレータ1の製造方法については後述するが、まず、下地母材である金属板の両面に耐食性かつ導電性の表面処理を施して被覆層を形成し、所定の厚さ(板厚t4)のクラッド化薄板を作製する。次に、板厚t4のクラッド化薄板に対して、段階的に所定の平面塑性歪を与えたサンプルを作製し、セパレータの板厚、表面貴金属層の微小クラックの発生及び微小クラックの発生に伴う下地母材である金属板の露出の有無を各々測定した。そして、下地母材の露出に起因した耐食性の低下が無視できる限界の板厚を求めて、リブ山肩部の最も板厚が薄い部分の板厚t2を限界板厚以上に構成したものである。
なお、表層貴金属層に微小クラックが発生し、微小クラックの発生に伴う下地母材の露出について的確に判別するには、検出深さの深いEPMA(電子線プローブ微小分析)等ではなく、オージェ電子分光分析により観察すると良い。オージェ電子分光分析では、貴金属層の主要元素及び下地貴金属材料の主要元素について、×500倍〜×5000倍程度で元素マッピング分析を行い、貴金属元素が検出されない部分と、下地金属元素が検出される部分との位置及び形状が合致しているか否かを観察することにより判別することができる。
ガス流路溝4の流路方向と直行する方向の断面形状について、ガス拡散層に接触するリブ山中央部の板厚t1、リブ山肩部の最も板厚が薄い部分の板厚t2、斜面部の板厚t3及び周辺部のプレス成形加工を施していない部分の板厚t4とする。この場合に、板厚t2は、t2≧t4×限界板厚残存率の関係を満たすことが好ましい。さらに具体的には、板厚t2は、t2≧0.7×t4の関係を満たすことが好ましく、特に、t2≧0.74×t4とすることが好ましい。
ここで、限界板厚残存率とは、加工前の元の板厚に対する加工後における板厚の割合を示す値である。限界板厚残存率は、金属板表面上に貴金属層を形成し、圧延加工を施してクラッド化する際の圧下率に応じて、その値が変化するものであり、クラッド化する圧延加工の際の圧下率をx[%]とし、限界板厚残存率をyとした場合に、圧下率xと限界板厚残存率yは、y=0.5+0.02xの関係を満たすことが好ましい。特に、y=0.55+0.02xの関係を満たすことが好ましい。
板厚t2を上記範囲に規定することにより、リブ山肩部における表層貴金属層の微小クラックの発生を防止し、微小クラックの発生に伴う下地母材の露出を抑制して、耐食性の低下を防止することができる。
また、ガス流路部の断面形状におけるガス拡散層と接触する面側における、測定位置近傍の外側曲率半径Rout及び裏側の内側曲率半径最小値Rinとした場合に、Routは正の曲率を有することが好ましい。また、Rout/(Rin+t2)は5以下とすることが好ましく、より好ましくは1.5以下である。Rout/t2は5以下とすることが好ましく、特に、10以下とすることが好ましい。さらに、Rout/Rinは10以下とすることが好ましく、特に、2以下とすることが好ましい。リブ山肩部の最小板厚と板外側曲率半径、板内側曲率半径との間の形状を本範囲に規定したのは、本範囲を外れると表層である貴金属層の微小クラックが発生してしまい、微小クラックの発生に伴い下地母材である金属板が露出して耐食性が低下してしまうからである。
さらに、リブ山肩部の板外側曲率半径の絶対値について、Routは0.6[mm]以下と規定することが好ましく、より好ましくは0.5[mm]以下である。Routを0.6[mm]以下に規定することにより、表層貴金属層の微小クラックの発生を防止し、微小クラックの発生に伴う下地母材の露出を完全に抑制することができる。
また、セパレータ断面におけるリブ山肩部の最小板厚とリブ山斜面部の板厚との関係、リブ山斜面部とリブ山頂上平坦部の板厚との関係が、t2/t3≧0.74、t3≧t1の関係を満たすことが好ましい。本範囲に規定することにより、表層貴金属層の微小クラックの発生及び微小クラックの発生に伴う下地母材の露出を、より一層効果的に抑制することができる。
[燃料電池用セパレータの製造方法]
上記燃料電池用セパレータ1は、以下に示す製造方法により製造することができる。
上記燃料電池用セパレータ1は、以下に示す製造方法により製造することができる。
まず、下地母材である金属板として、鉄基合金、Ni基合金、Ti基合金及びステンレス合金の中から選択される1種又は2種以上を組み合わせた合金板を準備し、金属板の両面に金(Au)等の貴金属により0.01[μm]〜0.05[μm]の厚さの貴金属層を形成する。その後、5〜15[%]の圧下率により圧延してクラッド化薄板を作製する。圧下率を5[%]〜15[%]として圧延加工したが、圧下率が5[%]未満になると、表面金属層の欠陥が大きくなり、耐食性が低下するからである。また、圧下率が15[%]を超えると、後に行うセパレータ形状へのプレス成形において材料の延びを充分に確保することができないという不具合が起きる。なお、圧下率を5〜10[%] とするのが、後のプレス成形での精度を確保する上でより好ましい。
貴金属層を金属板上に形成する方法は、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングなどのPVD処理、CVD処理及び電気めっき、無電解めっき等のめっき処理が挙げられる。また、圧延は、金属板と貴金属層との密着力を向上させて、貴金属層のポーラス構造を緻密化すると共に、ピンホールを閉孔して耐食性を向上させるものであり、通常使用される圧延ロールを用いて圧延することができる。
作製したクラッド化薄板を所定サイズに切り出し、ポリエステルやポリエチレン等の高分子材料により被覆した後、高分子材料により被覆したクラッド化薄板を張り出し成形して、燃料電池用セパレータとした。なお、張り出し成形については、後述する。
金属板上に貴金属層を形成したクラッド化薄板を使用することにより、セパレータと隣接するガス拡散電極等の構成材料との接触抵抗を低く抑えることができ、燃料電池の発電効率を維持でき、優れた耐久信頼性を有する燃料電池用セパレータを低コストにより得ることができる。また、前述した材料を使用してクラッド化薄板を構成することにより、燃料電池を小型化した場合においても強度を確保することができ、燃料電池用セパレータを薄型化して、出力密度の高い燃料電池を得ることができる。次に、張り出し成形について説明する。
張り出し成形は、ガス流路部の断面形状が所定の形状となるように、2段以上の多段プレス成形をするものである。多段プレス成形は、クラッド化薄板を延伸するための予備プレス成形工程を1段〜2段と、所定の形状とする仕上げプレス成形工程1段と、を有する。そして、予備プレス成形工程にて、クラッド化薄板を十分に延伸しておくことにより、仕上げプレス成形工程でのリブ山肩部の曲げ加工時に、クラッド化薄板の面側におけるガス流路溝と直交する方向に圧縮応力を負荷することができ、この結果、表層貴金属層の微小クラックの発生及び微小クラックの発生に伴う下地母材の露出を抑制することができる。
より具体的には、予備プレス成形工程後における成形高さが、製品の成形高さの1.25倍以上となるように成形することが好ましく、より好ましくは1.3倍以上である。予備プレス成形工程後における成形高さを製品の成形高さの1.25倍と規定したが、1.25倍未満であれば材料を十分に延伸することができず、その後の仕上げプレス成形工程にて所定形状にすることができないからである。
また、セパレータ断面のリブ山肩部、板厚t2の表面において、貴金属層に微小クラックが発生せず下地母材である金属板が露出しないか、あるいは、貴金属層に微小クラックが発生して金属板が露出しても、露出した金属板の面積率を1[%]以下とすることが好ましい。金属板が露出した場合に、露出した金属板の面積率を1[%]以下と規定することにより、プレス成形後の耐食性が、プレス成形前のクラッド化薄板の状態と同等、又は耐食性の悪化を無視できる状態とすることができる。
このように、流路断面のリブ山肩部で発生する表層貴金属層の微小クラックの頻度を直接規定することにより、表層貴金属層での微小クラックの発生及び微小クラックの発生に伴い下地母材が露出して、耐食性の低下の度合いを完全に無視できる範囲にまで抑制することができる。
以下、実施例1〜実施例9及び比較例1〜比較例4により、各セパレータを作製して耐食性を評価した。
実施例1〜実施例5
実施例1〜実施例5では、材料として、t0.11[mm]のSUS316L溶体化処理(BA)材の薄板材の両面に厚さ0.03[μm]のAuメッキを施し、これを圧下率10[%]の冷間圧延加工を施してクラッド化した、厚さ0.1[mm]のクラッド化薄板を使用した。なお、セパレータ周辺部のプレス成形加工を受けていない部分の板厚t4は、0.1[mm]である。
実施例1〜実施例5では、材料として、t0.11[mm]のSUS316L溶体化処理(BA)材の薄板材の両面に厚さ0.03[μm]のAuメッキを施し、これを圧下率10[%]の冷間圧延加工を施してクラッド化した、厚さ0.1[mm]のクラッド化薄板を使用した。なお、セパレータ周辺部のプレス成形加工を受けていない部分の板厚t4は、0.1[mm]である。
クラッド化薄板材を、寸法150[mm]×150[mm]に切り出し、ガス流路部(アクティブエリア)寸法100[mm]×100[mm]のインターデジテート型流路を張り出し成形し、セパレータとした。
実施例1から実施例5までは、予備プレス成形工程におけるクラッド化薄板を
延伸する量、すなわち、予備プレス成形時の成形高さを変化させて、断面形状を各種変えてセパレータを作製した。
延伸する量、すなわち、予備プレス成形時の成形高さを変化させて、断面形状を各種変えてセパレータを作製した。
実施例6〜実施例9
実施例6及び実施例7は、材料として、t0.11[mm]のSUS316L溶体化処理(BA)材の薄板材の両面に厚さ0.03[μm]のAuメッキを施し、これを圧下率7.5[%]の冷間圧延加工を施してクラッド化した、厚さ0.1[mm]のクラッド化薄板を使用した。また、実施例8及び実施例9は、材料として、t0.11[mm]のSUS316L溶体化処理(BA)材の薄板材の両面に厚さ0.03[μm] のAuメッキを施し、これを圧下率5.0[%]の冷間圧延加工を施してクラッド化した、厚さ0.1[mm]のクラッド化薄板を使用した。
実施例6及び実施例7は、材料として、t0.11[mm]のSUS316L溶体化処理(BA)材の薄板材の両面に厚さ0.03[μm]のAuメッキを施し、これを圧下率7.5[%]の冷間圧延加工を施してクラッド化した、厚さ0.1[mm]のクラッド化薄板を使用した。また、実施例8及び実施例9は、材料として、t0.11[mm]のSUS316L溶体化処理(BA)材の薄板材の両面に厚さ0.03[μm] のAuメッキを施し、これを圧下率5.0[%]の冷間圧延加工を施してクラッド化した、厚さ0.1[mm]のクラッド化薄板を使用した。
比較例1〜比較例4
本比較例では、上記実施例1〜実施例9と同様の方法を用いてセパレータを製造し、クラッド圧延時の圧下率、予備プレス成形時の成形高さを変えて、断面形状を各種変えたものである。
本比較例では、上記実施例1〜実施例9と同様の方法を用いてセパレータを製造し、クラッド圧延時の圧下率、予備プレス成形時の成形高さを変えて、断面形状を各種変えたものである。
上記実施例1〜実施例9及び比較例1〜比較例4から得られた各セパレータについて、ガス流路部中央を切り出し、ポリエステル等の高分子材料に埋め込んだ後、研磨してガス流路部の流路に直交する方向の断面を出して、光学顕微鏡により断面を観察した。
各セパレータの断面を観察した結果、断面光学顕微鏡写真の代表例を図4から図6までに示す。
図4は、実施例1のセパレータのガス流路部における断面形状を示す光学顕微鏡写真である。図5は、比較例2のセパレータのガス流路部における断面形状を示す光学顕微鏡写真である。また、図6は、予備プレス成形終了後におけるセパレータの断面形状を示す光学顕微鏡写真である。図4から図6までに示すセパレータの断面を各々観察して、ガス拡散層に接触する面側における、リブ山中央部であるリブ山平坦部7の板厚t1、リブ山肩部の板厚が最も薄い箇所の板厚t2及びリブ山斜面部8の板厚t3を各々測定した。また、測定位置近傍における外側角部曲率半径Rout、及び裏側の内側隅部において曲率半径が最も小さい箇所の隅部曲率半径Rinを同時に測定した。測定した値に基づき各種のパラメータを算出して、セパレータの寸法を示すと共に算出した値を表1に示した。
表1に示すように、実施例1〜実施例9の各セパレータは、セパレータの製品成形高さに対する予備成形高さの比率が1.25以上であり、また、プレス成形後に得られたセパレータの各形状は、いずれもt2≧0.7×t4の関係を満たしていた。
また、表1に示す実施例1〜実施例9及び比較例1〜比較例4では、クラッド化する圧延加工の際の圧下率x[%]を各々変えた。
次に、実施例1〜実施例9及び比較例1〜比較例4の各セパレータにおけるガス拡散層と接触するガス流路部の中央部を切り出して、リブ山肩部での表層貴金属層の微小クラックの発生及び微小クラックの発生に伴う下地母材の露出を調査した。その後、切り出したセパレータの一部をn−ヘキサンにより超音波洗浄した後、オージェ電子分光分析を行った。オージェ電子分光分析は、電界放射型オージェ電子分光分析装置(PHI製Model680)を使用して、電子線加速電圧10[kV]、ビーム径〜Φ35[nm]、測定領域を160[μm]×200[μm](500倍)、256×256ピクセルの条件として測定したものである。この測定条件下において、Au及び下地ステンレス母材の主元素であるFeについて元素マッピングを行うと共に、分析位置と同一視野のSEM(走査型電子顕微鏡)観察像を取得した。
図7〜図9は、実施例1の観察結果を示すものであり、図7は実施例1における分析位置同一視野のSEM観察像を示す図、図8はAuマッピング結果を示す図、図9はFeマッピング結果を示す図である。
また、図10〜図12は、比較例2の観察結果を示すものであり、図10は比較例2における分析位置同一視野のSEM観察像を示す図、図11はAuマッピング結果を示す図、図12はFeマッピング結果を示す図である。なお、図8、図9、図11及び図12に示す各マッピングでは、白い部分10からAuまたはFeの元素が検出されており、黒い部分11からAuまたはFeの元素が検出されていないことを示している。
また、オージェ電子分光分析では、情報検出できる深さは数[nm]程度である。このため、図8及び図11に示すAuマッピング結果により、Auが検出されない部分(黒い部分11)と、図9及び図12に示すFeマッピング結果により、Feが検出された部分(白い部分10)と、の位置及び形状が合致している場合は、図7及び図10のSEM観察像に示すように、表層であるAu層が破断してしまい、下地であるステンレス母材が露出していると判断する。
実際、比較例2のセパレータの観察像を見ると、図11に示すように、Auマッピング結果によりAuが検出されない部分(黒い部分11)と、図12に示すように、同視野のFeマッピング結果によりFeが検出される部分(白い部分10)と、の位置及び形状が合致している部分が多数あり、合致している部分の長さ及び幅は、それぞれ20[μm]〜30[μm]、5[μm]〜10[μm]程度であった。そして、白い部分10と黒い部分11とが合致している箇所において、Au層が破断して下地母材であるステンレスが露出していることが判った。これに対して、実施例1のセパレータでは、図8に示すAuマッピング結果によりAuが検出されない部分(黒い部分11)と、図9に示すFeマッピング結果によりFeが検出される部分(白い部分10)と、の位置及び形状が合致している部分は少なく、位置及び形状が合致している部分の長さ及び幅はいずれも数[μm]程度であった。このため、実施例1のセパレータでは、表層であるAu層が破断して、下地母材であるステンレス母材が露出した箇所がほとんど無いことが判明した。
[面積率の測定]
上記図7から図12までに示すSEM観察像及びマッピング結果から、表層であるAu層が破断して下地であるステンレス母材が露出した箇所の面積率を測定した。なお、面積率の測定は、下地母材であるステンレスが露出した箇所の面積を測定し、セパレータ表面の全面積に対する割合を算出して下地母材露出面積率[%]を求めた。その結果を表1に示す。
上記図7から図12までに示すSEM観察像及びマッピング結果から、表層であるAu層が破断して下地であるステンレス母材が露出した箇所の面積率を測定した。なお、面積率の測定は、下地母材であるステンレスが露出した箇所の面積を測定し、セパレータ表面の全面積に対する割合を算出して下地母材露出面積率[%]を求めた。その結果を表1に示す。
[耐食性の評価]
上記実施例1〜実施例9及び比較例1〜比較例4から得られたセパレータ流路部の中央部を切り出して、電気化学的な手法である定電位電解試験を用いて、耐食性の低下の度合いを評価した。
上記実施例1〜実施例9及び比較例1〜比較例4から得られたセパレータ流路部の中央部を切り出して、電気化学的な手法である定電位電解試験を用いて、耐食性の低下の度合いを評価した。
燃料電池では、水素極側に比較して酸素極側に最大で1[V]程度の電位がかかる。また、固体高分子電解質膜は、分子中にスルホン酸基等のプロトン交換基を有する高分子電解質膜を飽和に含水させてプロトン伝導性を利用するものであり、強酸性を示す。このため、定電位電解試験では、電位をかけた状態で一定時間保持した。そして、一定時間経過後の腐食電流密度及び溶液中に溶け出した金属イオン量を測定して、セパレータの耐食性を評価した。なお、定電位電解試験の条件は、溶液液性として硫酸酸性pH2とし、温度80[℃]、電位1[V]vs SHE及び保持する一定時間を100[hr]とした。また、試験片は、電極部を3cm□になるように旗棹型試験片を切り出し、切り出した端面、及び、裏面をマスキング材でシールし、表側の2.5cm□が電極部となるよう作製した。この定電位電解100hr保持後の溶液中に溶出した金属元素量をICP-mass分析により定量し、溶け出した金属元素量を電極面積で除した単位電極面積当り溶出元素量、及び、試験中の腐食電流密度(腐食電流を電極面積で除した値[μA/cm2])により耐食性を評価した。
定電位電解試験の結果から、成形前における平板状態のクラッド化薄板に対する耐食性悪化倍率を求めた。なお、耐食性悪化倍率は、各実施例及び各比較例について、単位電極面積当りの溶出元素量を測定し、成形前の平板状態での単位電極面積当り溶出元素量にて除した値として求めた。その結果を表1に示す。
[限界板厚残存率の測定] 限界板厚残存率は、以下に示すNo.1〜No.20の各試料を用いて、球頭張り出し試験により求めた。試料No.1〜試料No.20は、いずれも前述した各実施例で使用した厚さt0.11[mm]のSUS316L溶体化処理(BA)材の薄板を用いた。より具体的には、試料No.1〜No.8は、実施例1〜実施例5、比較例1及び比較例2で用いたものと同一の厚さt0.11[mm]のSUS316L溶体化処理(BA)材の薄板薄板の両面に厚さ0.03[μm]のAuメッキを施した後、圧下率10[%]で冷間圧延加工してクラッド化し、厚さ0.10[mm]のクラッド化薄板とした。
試料No.9〜No.14は、実施例6、実施例7及び比較例3と同一の厚さt0.11[mm]のSUS316L溶体化処理(BA)材の薄板を用い、圧下率を7.5[%]とした以外は、試料No.1〜試料No.8と同様にしてクラッド化薄板とした。試料No.15〜試料No.20は、実施例8、実施例9及び比較例4と同一の厚さ0.11[mm]のSUS316L溶体化処理(BA)材の薄板を用い、圧化率を5[%]とした以外は、試料No.1〜試料No.8と同様にしてクラッド化薄板とした。
その後、作製した各クラッド化薄板に対して、異なる荷重を負荷して試料No.1〜試料No.20の各クラッド化薄板を作製した。また、測定位置を変えて段階的に所定の歪みを負荷した。
作製した試料No.1〜試料No.20の各クラッド化薄板について、ガス流路部のリブ山肩部の板厚t2を測定すると共に、各クラッド化薄板についてオージェ電子分光分析を行った。なお、オージェ電子分光分析は、前述した条件と同様とした。
試料No.1〜試料No.20の各クラッド化薄板について、表面のAu層に微小クラックが発生し、微小クラックの発生に伴う下地ステンレス母材の露出の程度を観察した。その結果を表2に示す。
さらに、表2に示す結果と表1に示す結果とを照らし合わせた。そして、貴金属層を形成したクラッド化薄板に平面歪みを与え、この時の板厚残存率と表層の貴金属層の破断による下地母材である金属板の露出との関係から、限界板厚を求めた。表2に示すように、まず、圧下率を10[%]とした場合には、試料No.4のクラッド化薄板に微小クラックがごく僅かに発生したのに対し、試料No.5のクラッド化薄板には微小クラックがほぼ発生していなかった。この結果、微小クラックの発生限界は平面歪みで30[%]であることが判明した。また、試料No.5の板厚が0.075 [mm]であり、荷重負荷前のクラッド化薄板の厚さが0.10[mm]であることから、限界板厚は、荷重負荷前における板厚の0.75倍の範囲であった。これらの観察結果から、クラッド化薄板の限界板厚は0.075[mm]であることが判明した。また、同様に、圧下率を7.5[%]とした試料No.9〜試料No.14では、クラッド化薄板の限界板厚は0.069[mm]であり、圧下率を5.0[%]とした試料No.15〜試料No.20では、クラッド化薄板の限界板厚は0.065[mm]であることが判明した。各限界板厚の測定結果から限界板厚残存率yを求めて、クラッド化薄板の圧下率[%]との関係をグラフ化し、図13中、一点鎖線で示した。図13の一点鎖線に示す線は、圧下率と限界板厚残存率とが、y=0.55+0.02xの関係を満たしていることが判った。
さらに、試料No.1〜試料No.14について、各圧下率での許容範囲の限界板厚を表2から求めた。試料No.1〜試料No.8の各クラッド化薄板での許容範囲の限界板厚は0.071[mm]であり、試料No.9〜試料No.14の各クラッド化薄板での許容範囲の限界板厚は0.064[mm]であり、試料No.15〜試料No.20の各クラッド化薄板での許容範囲の限界板厚は、0.060[mm]であった。これらの許容範囲の限界板厚から限界板厚残存率yを求めて、クラッド化薄板の圧下率[%]との関係をグラフ化して、同様に図13中、一本線で示した。図13に示す一本線は、圧下率と限界板厚残存率とが、y=0.5+0.02xの関係を満たしていることが判った。
そして、ガス流路部のリブ山肩部における最小板厚t2を限界板厚以上の厚さと規定することにより、ガス流路部のリブ山肩部における表層貴金属層の微小クラックの発生を防止し、微小クラックの発生に伴う下地母材である金属板の露出を減らし、セパレータの耐食性の低下を防ぐことができる。
前述したように、表1に示す実施例1〜実施例9及び比較例1〜比較例4を比較して、ガス流路部のリブ山肩部の最も薄い部分の板厚残存率、リブ山肩部の外側曲率と内側曲率および最薄部の板厚との関係、肩部の外側曲率とガス流路断面における各位置の板厚との関係を規定することにより、表層貴金属層の微小クラックの発生及び微小クラックの発生に伴う下地母材の露出量を抑えて、耐食性の低下を防止することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、セパレータのガス流路部におけるリブ山肩部を所定の厚さの形状とすることにより、耐食性の低下を防止することができ、また、セパレータとガス拡散電極との接触抵抗を低減して燃料電池の発電効率を高めることができる。
<第2実施形態(図14〜図16)>
本実施形態では、第1実施形態で作製した燃料電池用セパレータを用いて単セルを形成し、単セルを複数個積層して燃料電池スタックとし、燃料電池を構成した。
本実施形態では、第1実施形態で作製した燃料電池用セパレータを用いて単セルを形成し、単セルを複数個積層して燃料電池スタックとし、燃料電池を構成した。
図14は、燃料電池スタックの一部を模式的に示した断面図である。図14に示すように、燃料電池スタック12は、単セル13を複数個積層したものであり、各単セル13間の内部に冷却水流路14を形成したバイポーラプレート構造を有する。各単セル13は、固体高分子型電解質膜15の両面に各々酸化剤極を有するガス拡散層16と燃料極を有するガス拡散層17とを形成して膜電極接合体(MEA)とし、膜電極接合体の酸化剤極側に酸化剤極側セパレータ18を配置して内部に酸化剤ガス流路19を形成し、膜電極接合体の燃料極側に燃料極側セパレータ20を配置して内部に燃料ガス流路21を形成している。
固体高分子型電解質膜15としては、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体膜(商品名;ナフィオン1128(登録商標)、デュポン株式会社)等を使用することができる。
上記燃料電池スタック12は、例えば、以下の手順により組み立てることができる。
まず、酸化剤極側セパレータ18と燃料極側セパレータ20とを準備し、準備した各セパレータ18,20のリブ山同士を当接し、内部に冷却水流路を形成した。当接したセパレータ18,20上に、固体高分子電解質膜15と酸化剤極及び燃料極を有する各ガス拡散層16,17を備えた膜電極接合体(MEA)を重ね合わせて、さらに、交互にセパレータ18,20と膜電極接合体とを複数重ね合わせて積層した。積層後、図15に示すように、両端部にエンドフランジ22を配置して外周部を締結ボルト23により締結して、燃料電池スタック24を構成した。図16に、燃料電池スタック24の斜視図を示す。
本実施形態によれば、本発明の実施の形態に係る燃料電池用セパレータを使用して燃料電池スタックを組み立てることにより、コンパクトかつ高効率な燃料電池スタックを有する燃料電池を提供することができる。
また、本実施形態によれば、発電効率を損なうことなく高い発電効率を維持できると共に、燃料電池スタックを小型化できる。
<第3実施形態(図17)>
本実施形態では、燃料電池車両の一例として、第2実施形態により作製した燃料電池スタックを含む燃料電池を動力源として用いた燃料電池電気自動車を挙げて説明する。
本実施形態では、燃料電池車両の一例として、第2実施形態により作製した燃料電池スタックを含む燃料電池を動力源として用いた燃料電池電気自動車を挙げて説明する。
図17は、燃料電池スタックを搭載した電気自動車の外観を示す図である。図17(a)は電気自動車の側面図、図17(b)は電気自動車の上面図であり、図17(b)に示すように、車体25前方に、左右のフロントサイドメンバとフードリッジのほか、フロントサイドメンバを含む左右のフードリッジ同士を互いに連結するダッシュロア部材をそれぞれ組み合わせて溶接接合したエンジンコンパートメント部26を形成している。本発明の実施の形態に係る電気自動車では、エンジンコンパートメント部26内に燃料電池スタック24を搭載している。
本実施形態によれば、本発明の実施の形態に係る燃料電池セパレータを適用した発電効率の高い燃料電池スタックを自動車等の車両に搭載することにより、燃料電池電気自動車の燃費及びエネルギの効率向上を図ることができる。
また、本実施形態によれば、小型化した軽量の燃料電池スタックを車両に搭載することにより、車両重量を低減して省燃費化を図ることができ、走行距離の長距離化を図ることができる。
さらに、本実施形態によれば、小型の燃料電池を移動体車両等に搭載することにより、車室内空間をより広く活用することができ、スタイリングの自由度を確保できるという効果を得ることができる。
なお、燃料電池車両の一例として電気自動車を挙げたが、本発明は電気自動車等の車両に限定されるものではなく、電気エネルギが要求される航空機その他の機関にも適用することが可能である。
1…固体高分子型燃料電池用セパレータ,
2…中央部,
3…リブ山,
4…ガス流路溝,
5…ガスマニホールド,
6…ビード,
7…リブ山平坦部,
8…リブ山斜面部,
9…ガス流路溝底部,
10…白い部分,
11…黒い部分,
12…燃料電池スタック,
13…単セル,
14…冷却水流路,
15…固体高分子型電解質膜,
16, 17…ガス拡散層,
18…酸化剤極側セパレータ,
19…酸化剤ガス流路,
20…燃料極側セパレータ,
21…燃料ガス流路,
22…エンドフランジ,
23…締結ボルト,
24…燃料電池スタック,
25…車体,
26…エンジンコンパートメント部,
2…中央部,
3…リブ山,
4…ガス流路溝,
5…ガスマニホールド,
6…ビード,
7…リブ山平坦部,
8…リブ山斜面部,
9…ガス流路溝底部,
10…白い部分,
11…黒い部分,
12…燃料電池スタック,
13…単セル,
14…冷却水流路,
15…固体高分子型電解質膜,
16, 17…ガス拡散層,
18…酸化剤極側セパレータ,
19…酸化剤ガス流路,
20…燃料極側セパレータ,
21…燃料ガス流路,
22…エンドフランジ,
23…締結ボルト,
24…燃料電池スタック,
25…車体,
26…エンジンコンパートメント部,
Claims (17)
- 金属板の表面上に貴金属層を形成して5%〜15%の圧下率により圧延加工を施してクラッド化したクラッド化薄板に対してプレス成形して、中央部に断面形状が所定の波型又は凹凸型としたガス流路部を形成すると共に、前記中央部の外周に平坦部を形成し、
予め、前記クラッド化薄板の貴金属層の破断及び金属板露出による耐食性の低下が無視できる限界の限界板厚残存率(加工後の板厚を、元の板厚で割った値)を求めておき、
前記ガス流路部の流路に直交する方向の断面形状について、ガス拡散層に接触するリブ山中央部の板厚t1、リブ山肩部の最も板厚が薄い部分の板厚t2、リブ山斜面部の板厚t3、周辺部のセパレータの板厚t4とした場合に、
t2≧t4×限界板厚残存率の関係を満たすことを特徴とする燃料電池用セパレータ。 - 前記限界板厚残存率は、クラッド化薄板に、平面歪みを付与して段階的に所定の平面塑性歪を与えたサンプルについて各々板厚残存率を測定し、前記貴金属層の微小な破断及び前記金属板露出の有無を観察し、必要に応じて耐食性悪化率を測定することにより、クラッド化薄板の貴金属層の破断及び金属板露出による耐食性の低下が無視できる限界の値としたことを特徴とする請求項1記載の燃料電池用セパレータ。
- クラッド化する圧延加工の際の圧下率をx[%]とし、限界板厚残存率をyとした時に、y=0.5+0.02xの関係を満たすことを特徴とする請求項1又は2記載の燃料電池用セパレータ。
- さらに、t2≧t4×0.7の関係を満たすことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の燃料電池用セパレータ。
- ガス流路部の断面形状のガス拡散層と接触する側における、測定位置近傍の外側角部曲率半径Rout、裏側の内側隅部の曲率半径が最も小さい部分の隅部曲率半径Rinとした場合に、
Routが正(Rout部が凸曲率)、Rout/(Rin+t2)が5以下、Rout/t2が10以下及びRout/Rinが10以下の関係を満たすことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の燃料電池用セパレータ。 - Routが0.6mm以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の燃料電池用セパレータ。
- さらに、t2/t3≧0.75、t3≧t1の関係を満たすことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の燃料電池用セパレータ。
- 前記金属板は、鉄基合金、Ni基合金、工業用純Ti及びTi基合金の中から選択される1種又は2種以上を組み合わせた合金から形成されることを特徴とする請求項1又は2記載の燃料電池用セパレータ。
- 前記金属板は、オーステナイト系ステンレス鋼又はフェライト系ステンレス鋼から形成されることを特徴とする請求項1、2又は8のいずれか1項に記載の燃料電池用セパレータ。
- 前記貴金属層は、Au又はAu合金であることを特徴とする請求項1、2又は9のいずれか1項に記載の燃料電池用セパレータ。
- 前記クラッド化薄板の板厚t4が0.05mm〜0.1mm、貴金属層の厚さが0.01μm〜0.05μmであり、前記貴金属層は前記クラッド化薄板の厚さの1/10000〜1/1000であることを特徴とする請求項1、2又は10のいずれか1項に記載の燃料電池用セパレータ。
- 断面形状のリブ山肩部及び板厚t2の部分の表面において、前記貴金属層が破断せず下地母材である金属板が露出しないか、又は、前記貴金属層が破断して下地母材である金属板が露出した場合であっても全面積に対する露出した金属板の面積率が1%以下であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の燃料電池用セパレータ。
- 電解質膜の両面にそれぞれ酸化剤極及び燃料極を形成した膜電極接合体と、前記膜電極接合体の酸化剤極側に配置した酸化剤極側セパレータと、前記膜電極接合体の燃料極側に配置した燃料極側セパレータと、を有し、前記膜電極接合体と前記各セパレータとの間にそれぞれ燃料ガス流路及び酸化剤ガス流路を形成した単セルを複数個積層し、各単セル間に冷却水流路を形成した燃料電池スタックであって、前記酸化剤極側セパレータ及び燃料極側セパレータは、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の燃料電池用セパレータであることを特徴とする燃料電池スタック。
- 請求項13記載の燃料電池スタックを搭載し、これを動力源として用いたことを特徴とする燃料電池車両。
- 金属板の表面上に貴金属層を形成して5%〜15%の圧下率により圧延加工を施してクラッド化したクラッド化薄板を用いて、このクラッド化薄板を延伸する予備プレス成形工程と、前記クラッド化薄板を所定の波形形状にプレス成形してガス流路部を形成する仕上げプレス成形工程と、を有することを特徴とする燃料電池用セパレータの製造方法。
- 前記仕上げプレス成形工程は、前記クラッド化薄板を曲げ加工して波形形状のガス流路部を構成するものであり、曲げ加工時に、クラッド化薄板の面方向におけるガス流路溝と直交する方向に、圧縮応力を負荷することを特徴とする請求項15記載の燃料電池用セパレータの製造方法。
- 前記予備プレス成形工程は、予備プレス成形後の成形高さが、製品の成形高さの1.25倍以上となるように、前記クラッド化薄板を延伸してプレス成形するものであることを特徴とする請求項15記載の燃料電池用セパレータの製造方法。
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