以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
先ず、図1および図2には、本発明の一実施形態としての冷蔵庫の霜取りタイマ10が示されている。この霜取りタイマ10は、冷蔵庫本体に取り付けられる中空箱体構造のケース12を有しており、歯車列としての減速歯車列14と、サイクルカム16と、複数の接点用切片としての3枚の接点プレート18a〜cが、ケース12内に収容された状態で組み付けられている。そして、電気モータとしてのプレートモータ20の回転駆動力を、減速歯車列14を介して、サイクルカム16に伝達し、サイクルカム16を回動せしめることで、3枚の接点プレート18a〜cを択一的に切り換えて接続するようになっており、それによって、図示しない冷蔵庫のコンプレッサおよびヒータ等の霜取り機構が稼働せしめられるようになっている。
より詳細には、ケース12は、開口箱体としてのケース本体22と、ケース本体22の内部に組み込まれた仕切板24と、ケース本体22の開口部を覆蓋する蓋体26(図4参照)によって構成されている。ケース本体22は、全体として開口箱体形状を有している。また、ケース本体22の外周壁部28の内面側には、周上の複数箇所(本実施形態では、3箇所)において、開口側に向かって突出する溶着リベット30が一体形成されていると共に、外周壁部28の突出先端側の内周縁部には、周方向に連続して延びる嵌合段差32が形成されている。そこにおいて、本実施形態では、外周壁部28におけるケース本体22の長手方向一方向(図1及び2中の右方向)に位置せしめられた部分は、他の部分に比して、その幅寸法が十分に大きくされている一方、その突出先端側の内周縁部には、嵌合段差32が形成されていない。即ち、本実施形態では、嵌合段差32は、ケース本体22の外周壁部28の全周に亘って形成されておらず、外周壁部28におけるケース本体22の長手方向一方に位置せしめられた部分で分断されている。また、外周壁部28における長手方向一方に位置せしめられた部分の内周縁部には、嵌合段差32が形成されていない代わりに、嵌合段差32よりも大きな深さ寸法を有する切欠状の凹所34が外周壁部28の内周面および上端面に開口するように形成されている。また、外周壁部28における長手方向一方向に位置せしめられた厚肉の部分には、凹所34が形成されていない箇所において、複数(本実施形態では、4つ)の挿通溝36が形成されている。更に、ケース本体22の底壁部には、段差が設けられており、それによって、ケース本体22は、浅底部38と略L字形断面で開口する深底部40が形成されている。
一方、仕切板24は、全体として略一定の厚さ寸法を有する平坦なプレート形状とされており、ケース本体22の深底部40の開口形状に略対応した平面形状、即ち、略L字形状とされている。そして、仕切板24は、ケース本体22に設けられた複数の支持部42によって支持されることで、ケース本体22の深底部40を覆蓋するようにして、ケース本体22に組み付けられる。
また一方、蓋体26は、全体として、ケース本体22の開口形状に対応した平面形状を有する薄肉の平板構造とされており、その外周縁部には、僅かな高さで突出する嵌合用の周壁部44(図3参照)が一体形成されている。また、この周壁部44の突出先端側には、ケース本体22の開口部に形成された嵌合段差32に嵌め込まれる嵌合突条46(図3参照)が、嵌合段差32が形成された位置に対応して一体的に形成されている。更にまた、蓋体26の周壁部44の内周側には、ケース本体22に設けられた溶着リベット30の位置に対応するように、リベット挿通孔(図示せず)が形成されている。
そして、ケース本体22の溶着リベット30に蓋体26のリベット挿通孔が挿通されるようにしてケース本体22の開口部に蓋体26を重ね合わせ、溶着リベット30を蓋体26に固着することでケース本体22の開口部が蓋体26で覆蓋されるようになっている。このようにケース本体22の開口部が蓋体26で覆蓋された状態下において、蓋体26の嵌合突条46は、図3に示されているように、ケース本体22の嵌合段差32に嵌合せしめられており、それによって、ケース本体22の開口部が密閉状に閉塞せしめられる。このことから明らかなように、本実施形態では、嵌合段差32によって開口箱体(ケース本体22)側の係合部が構成されていると共に、嵌合突条46によって蓋体26側の係合部が構成されている。また、ケース本体22における複数の挿通溝36が形成された外周壁部28に蓋体26の周壁部44が重ね合わされることにより、矩形断面で開口し、ケース12の内部と外部を相互に連通する複数の挿通孔48(図10参照)がケース12に形成されるようになっている。
なお、ケース12を構成する各部材22,24,26は、例えば、ABS樹脂等の硬質の合成樹脂材によって形成される。
また、仕切板24と深底部40の間には、プレートモータ20が収容配置されている。このプレートモータ20は、コイル50が装着されたステータ52を備えており、このステータ52に形成された磁極部54の対向間に、永久磁石56を備えたロータ58が一軸回りに回動可能に配設されている。そして、コイル50への通電によって、ステータ52の磁極部54に磁極が発生し、ロータ58の外周面に設定された磁極との間の磁力の作用により、ロータ58が回動されるようになっている。そこにおいて、本実施形態では、特開2001−186692号公報等に記載されているように、ステータ52が二枚の平板形状の分割プレート60,60を組み付けることで構成された、特定構造のプレートモータ20が採用されている。
より詳細には、コイル50は、糸巻形状のコイルボビン62にワイヤが巻回された構造とされている。このコイルボビン62は、樹脂系絶縁材で形成されており、矩形断面で延びる中央孔を有する筒状部の軸方向両端部にフランジ状に広がる矩形板形状の端板部64,64が一体形成されている。また、コイルボビン62の端板部64,64には、小径ロッド形状の給電用リード材66a,66bが突設されていると共に、各給電用リード材66に対してワイヤの両端部が接続されており、それら給電用リード材66a,66bからコイル50に給電されるようになっている。
さらに、ステータ52は、一対の分割プレート60,60で構成されている。この一対の分割プレート60,60は、何れも、けい素鋼板等の磁性材で形成されており、一定幅で直線的に延びる長手板形状のストレート部68を有している。また、ストレート部68の長手方向一方の端部には、板幅方向に突出する矩形板形状の突出部が一体形成されている。そして、コイルボビン62の中央孔に対して、軸方向両側から両分割プレート60,60の突出部が差し込まれて嵌入固定されており、それら両突出部が互いに密接状態で重ね合わされて組み付けられている。これにより、コイルボビン62の中央孔には、両突出部が相互に固定されて一体化されることで形成された鉄心部が挿通配置されている。
更にまた、一対の分割プレート60,60の長手方向他方の端部には、それぞれ、板幅方向に向かって円弧状に開口する磁極形成部70が一体形成されており、それら磁極形成部70,70が相互に離隔して対向位置せしめられている。そして、両磁極形成部70,70が協働して円形枠体を構成することによって、かかる円形枠体の中にロータ収容領域が形成されている。また、かかる磁極形成部70には、周方向に離隔して複数(本実施形態では、2つずつ)の切欠部72が形成されており、それら複数の切欠部72が形成されることによって周方向に所定長さで延びる凸形状の磁極部54が複数(本実施形態では、各磁極形成部70において、3つずつ)形成されている。このようにして形成された磁極部54には、コイル50への通電により、鉄心部とストレート部68を通じて磁束が及ぼされ、磁極が発現するようになっている。
また、ロータ58は、厚肉の円環板形状の永久磁石56を備えており、かかる永久磁石56の外周面には、周方向に交互に複数の磁極(複数対のN磁極とS磁極)が設定されている。また、永久磁石56の中心孔には、永久磁石56の軸方向両側に突出せしめられるようにして、出力軸76が同軸的に挿通固定されている。このように永久磁石56の軸方向両側に突出せしめられた出力軸76の軸方向一方の突出部分に対して出力ピニオン(図示せず)が形成されている一方、軸方向他方の突出部分に対して係止ピン78が形成されている。
そして、ロータ58は、ロータ収容領域内の中央部分において、ケース本体22における深底部40と仕切板24によって支持されたロータ支軸80回りに回動可能に配設されている。そこにおいて、本実施形態では、ロータ58は、出力ピニオンが形成された側がケース本体22の深底部40側に位置せしめられるようにして配設されている。このようにロータ58が配設された状態下において、永久磁石56の外周面に設定された複数の磁極がステータ52における磁極部54の内周面に対して径方向に離隔して対向位置せしめられている。
なお、実開昭62−140878号公報等に記載され、公知の如く、磁極部54とロータ58の磁極の周方向の相対位置は、適当に調節されて、周方向で不均一とされている。これにより、コイル50への交番電流の通電に伴って磁極部54に生ぜしめられる磁極とロータ58の磁極との間に磁力が作用せしめられることとなり、ロータ58がコイル50に通電される交番電流の周波数に対応した回転数で回転せしめられる。また、コイル50に交番電流が通電されなくなると、ロータ58は、次回始動時にコイル50への通電によって磁極部54に生ぜしめられる磁極とロータ58の磁極との間の磁力作用に基づいて回転駆動力が得られる位置に停止するようになっている。
また、プレートモータ20の近くには、減速歯車列14が配設されている。この減速歯車列14は、1番車82,2番車84,3番車(図示せず),4番車86,5番車88および駆動歯車としての伝達車90を含んで構成されている。1番車82は、同軸上に一体形成された1番ピニオン82aと1番歯車82bを有しており、1番歯車82bが出力ピニオンに噛合されている。なお、図面上では明示されていないが、一番車82の軸方向上方には、係止部材が係止ピン78に対して係止可能なように配設されており、かかる係止部材の係止ピン78への係止作用に基づいてロータ58の逆回転が防止されるようになっている。2番車84は、同軸上に一体形成された2番ピニオン(図示せず)と2番歯車84aを有しており、2番歯車84aが1番ピニオン82aに噛合されている。そこにおいて、本実施形態では、1番ピニオン82aと2番歯車84aは、間欠歯車とされている。また、2番車84は、4番車86の軸方向下側に重ね合わされて、4番車86と同じ支軸95b回りに回動するようになってる。3番車は、同軸上に一体形成された3番ピニオンと3番歯車を有しており、図面上では明示されていないが、5番車88の軸方向下方に位置せしめられて、5番車88と同じ支軸95c回りに回動するようになっていると共に、その3番歯車が2番ピニオンに噛合されている。なお、本実施形態では、この3番歯車および2番ピニオンも間欠歯車とされている。4番車86は、同軸上に一体形成された4番ピニオン86aと4番歯車86bを有しており、4番歯車86bが3番ピニオンに噛合されている。5番車88は、同軸上に一体形成された5番ピニオン88aおよび5番歯車88bを有しており、5番歯車88bが4番ピニオン86aに噛合されている。
伝達車90は、円環状の歯車部90aと同軸上に配設されたボス部90bが複数の接続部90cによって一体的に連結された構造とされており、かかる歯車部90aの外周面に形成された係止歯が5番ピニオン88aに噛合されている。また、ボス部90bの上面には、上方に突出した後、径方向外方に突出し、それから周方向に延びるようにして、複数(本実施形態では、3つ)の弾性係止片90dが形成されている。更にまた、弾性係止片90dの周方向の延出側端部には、軸方向上方に突出する当接突部90eが形成されており、特に、本実施形態では、かかる当接突部90eは、弾性係止片90dの延出方向に行くに従って次第に突出高さが大きくなっている。
このような伝達車90の軸方向上方には、サイクルカム16が配設されている。このサイクルカム16は、図4に示されているように、伝達車90の上面に重ね合わされて、伝達車90に対して相対回動可能に配設されている。また、サイクルカム16には、軸方向上側の外周部分において小径の小径カム面16aが形成されている一方、軸方向下側の外周部分において大径の大径カム面16bが形成されており、これら小径カム面16aおよび大径カム面16bは、何れも、次第に大径化しながら周方向に延びるように形成されていると共に、略同一の周方向位置において径方向の段差部16c,16dを有している。
さらに、サイクルカム16には、下面に開口する円形凹所16eが形成されており、かかる円形凹所16eの内周面に対して複数の内面係止歯16fが回転中心軸周りに周方向に形成されている。
更にまた、サイクルカム16には、小径カム面16aが形成されている部分の上面において、中心軸上で軸方向上側に突出する上側突起16gが一体形成されている一方、円形凹所16eの上底部分の中央において、上側突起16gと同軸上に配設されて軸方向下側に突出する下側突起16hが一体形成されている。
このような構造とされたサイクルカム16は、伝達車90の上面に重ね合わされて、その下側突起16hが伝達車90の支軸に形成された凹所92に対して回動可能に収容されると共に、その上側突起16gが蓋体26に設けられた透孔としての貫通孔94に対して回動可能に挿通されている。そして、伝達車90の弾性係止片90dがサイクルカム16の内面係止歯16fに対して弾性的に係止されることにより、伝達車90とサイクルカム16が、周方向一方向で相対回動されるようになっている一方、周方向他方向で一体的に回動されるようになっている。また、上側突起16gが蓋体26の貫通孔94に挿通された状態で外部に露出せしめられており、このように外部に露出せしめられた上側突起16gに対して、例えば、操作ダイヤルや操作レバー等が取り付けられるようになっている。このことから明らかなように、本実施形態では、サイクルカム16によって回動部材が構成されている。
そこにおいて、本実施形態では、サイクルカム16が伝達車90の上面に重ね合わされた状態下において、各弾性係止片90dに設けられた当接突部90eに対してサイクルカム16における円形凹所16eの上底部分が当接せしめられており、伝達車90にサイクルカム16が重ね合わされただけの状態、即ち、ケース本体22の開口部が蓋体26で覆蓋されていない状態では、サイクルカム16の下面と伝達車90における歯車部90aの上面との間に隙間が形成されるようになっている。
そして、図4に示されているように、ケース本体22の開口部が蓋体26によって覆蓋された状態下では、サイクルカム16における円形凹所16eの上底部分に当接せしめられている弾性係止片90dが蓋体26のケース本体22に対する固着力に基づいて下方に向かって弾性変形せしめられており、このように弾性変形せしめられた各弾性係止片90dが元の状態に戻ろうとする力に基づいてサイクルカム16の上面、特に、本実施形態では、上側突起16gの軸方向中間部分の外周面に形成された環状の段差面126が蓋体26における貫通孔94の開口周縁部に対して密着状態で重ね合わされている。なお、この段差面126は、カム面16a,16bの形成部位よりも上側突起16gの突出方向で上方に位置せしめられており、所定幅で軸直角方向に広がる円環状平坦面とされている。また、本実施形態では、各弾性係止片90dが軸方向下方に向かって弾性変形せしめられた状態において、サイクルカム16の下面が伝達車90における歯車部90aの上面に対して密着状態で重ね合わせられておらず、それによって、サイクルカム16の下面と伝達車90における歯車部90aの間に隙間が形成されるようになっているが、隙間が形成されないようになっていても良い。
なお、1番車82,2番車84,3番車,4番車86,5番車88,伝達車90およびサイクルカム16は、何れも、ABS等の硬質の合成樹脂材によって形成されている。また、1板車82および係止部材の支軸95a,2番車84および4番車86の支軸95b,3番車および5番車88の支軸95cは、それぞれ、ケース本体22の深底部40における底壁と仕切板24の間に跨って配設されていると共に、ロータ支軸80と平行に配設されている。更に、伝達車90の支軸95dは、ロータ支軸80と平行になるように、ケース本体22の浅底部38における底壁に突設されている。
また、サイクルカム16の近くには、複数の接点プレート18a〜cが配設されている。これら複数の接点プレート18a〜cは、何れも、長手平板形状を有する銅製の弾性板によって形成された接点用板96および長手平板形状を有する銅製の板材によって形成された端子用板98がそれぞれ一方の端部において重ね合わせられて固着されることで構成されている。また、各接点用板における端子用板98と重ね合わされたほうと反対側の端部には、接点99が設けられている。更にまた、これら複数の接点プレート18a〜cの近くには、長手平板形状を有する銅製の板材によって形成されて、プレートモータ20への給電端子を構成することとなる給電プレート100が配設されている。
そして、これら複数の接点プレート18a〜cおよび給電プレート100は、図5および図6にも示されているように、連結部材としての連結体102によって一体的に連結されている。この連結体102は、ポリアセタール等の硬質の合成樹脂材であって、非導電性のものによって形成されており、全体として厚肉の矩形板形状を有する本体部102aを備えている。また、本体部102aには、板厚方向一方の側に突出するようにして、複数(本実施形態では、3つ)の突出部102bが一体形成されており、かかる突出部102bは、接点用板96と端子用板98が重ね合わせられている部分を全周に亘って覆っている。なお、突出部102bの突出方向の中央部分には、突出方向に直交する方向に略一定の矩形断面で延びる凹溝102cが形成されており、それによって、接点用板96における凹溝102cに位置せしめられる部分が外部に露出せしめられている。更にまた、連結体102には、幅方向一方(図5中上方向)に開口する複数(本実施形態では、2つ)の上側凹部104と、幅方向他方(図5中下方向)に開口する複数(本実施形態では、2つ)の下側凹部106が設けられており、特に、本実施形態では、それらの上側凹部104および下側凹部106は、連結体102の長手方向(図6中上下方向)において、同じ位置に設けられている。また、連結体102の長手方向において同じ位置に設けられた一組の上側凹部104および下側凹部106は、接点プレート18aと接点プレート18bに挟まれるように位置せしめられている一方、他の一組の上側凹部104および下側凹部106は、接点プレート18cと給電プレート100に挟まれるように位置せしめられている。
このような構造とされた連結体102は、予め接点プレート18a〜cを構成する接点用板96a〜cおよび端子用板98a〜c,給電プレート100を金型内に装着し、成形材料を射出して、それら接点用板96a〜c,端子用板98a〜cおよび給電プレート100を一体化するインサート成形によって成形されている。そこにおいて、接点用板96および端子用板98は、予め重ね合わされた状態で溶接等で固着されていても良いし、或いは、ただ単に重ね合わされた状態で連結体102がインサート成形されることに基づいて密着状態に維持されるようにしても良い。
また、このように連結体102によって一体的に連結された複数の接点プレート18a〜cおよび給電プレート100に対して、シール部材108が組み付けられている。このシール部材108は、例えば、架橋した天然ゴムや合成ゴム等に代表されるエラストマによって形成されており、図7および図8においてその単体図が示されているように、全体として略一定の厚さ寸法を有する本体部分としてのシール用連結体108aを含んで構成されている。特に、本実施形態では、シール用連結体108aの長手方向(図8における左右方向)の寸法は、連結体102における本体部102aの長手方向(図6中の上下方向)の寸法よりも小さくされていると共に、シール用連結体108aの幅方向(図8における上下方向)の寸法は、連結体102における本体部102aの幅方向(図5中上下方向)の寸法よりも小さくされている。
さらに、かかるシール用連結体108aには、複数(本実施形態では、4つ)の嵌着突出部としてのシール用突出体108bが略一定の断面形状で厚さ方向一方に突出するように一体形成されている。更にまた、シール部材108には、シール用突出体108bが形成された位置において、シール用突出体108bおよびシール用連結体108aを略一定の矩形断面で貫通する貫通孔としての組付孔108cが形成されている。即ち、本実施形態では、シール用突出体108bは、内孔として略一定の矩形断面で延びる組付孔108cを有する矩形筒形状をもって形成されており、その周壁部は、略一定の肉厚寸法とされている。そこにおいて、本実施形態では、各組付孔108cの断面は、各接点用切片18を構成する端子用板98又は給電プレート100の断面よりも一回り小さくされている。また、シール用突出体108bの外形断面は、ケース12に形成された挿通孔48の断面形状よりも一回り大きくされている。
更にまた、シール用突出体108bの基端側の外周面には、図9に示されているように、突出側から基端側に行くに従って次第に外周側に広がる傾斜面109をもってシール用突出体108bの全周に亘って連続して延びる環状シール部としてのシール部108dがシール用突出体108bおよびシール用連結体108aに一体形成されている。そこにおいて、図面上では必ずしも明確ではないが、シール部108dの傾斜面109は、全周に亘って略一定の傾斜角度でもって形成されており、また、シール部108dの高さ寸法(図9中の上下方向の寸法)および幅寸法(図9中の左右方向の寸法)も全周に亘って略一定とされており、それによって、シール部108dのボリュームがシール用突出体108bの全周に亘って略一定とされている。更に、シール部108dにおいて、シール用突出体108bの断面形状における短辺部の外周に位置せしめられる部分の傾斜面109と、シール用突出体108bの断面形状における長辺部の外周に位置せしめられる部分の傾斜面109は、シール用突出体108bの断面形状における四隅の外周において、それぞれ、交わるようになっており、それによって、シール部108dには、傾斜面109が交わる位置において稜線が現れるようになっている。
このような構造とされたシール部材108は、シール用突出体108dの突出方向と反対側から各組付孔108cに対して各接点用切片18を構成する端子用板98又は給電プレート100が圧入されることにより、複数の接点用切片18a〜cおよび給電プレート100に対して組み付けられている。
上述の如くシール部材108が組み付けられた複数の接点プレート18a〜cおよび給電プレート100は、ケース本体22の開口側から各挿通溝36に対してシール部材108における各シール用突出体108bが嵌め込まれるようにしてケース本体22に組み付けられており、このように複数の接点用プレート18a〜cおよび給電用プレート100がケース本体22に組み付けられた状態で、ケース本体22の開口部が蓋体26で覆蓋されるようになっている。これにより、各接点プレート18および給電プレート100は、それぞれ、ケース12に形成された各挿通孔48を通じて、ケース12の外部から内部に入り込むようにして配設されている。また、このように各接点プレート18および給電プレート100がケース12に組み付けられた状態下において、これら複数の接点プレート18a〜cおよび給電プレート100を相互に連結する連結体102は、その下側凹部106に対してケース本体22の凹所34に設けられた突起110が挿通されていると共に、その上側凹部104に対して蓋体26に設けられた突起(図示せず)が挿通されており、それによって、ケース12に対して位置決めされ、固定的に組み付けられている。更にまた、このようにケース12に組み付けられた連結体102に対して仕切板24に設けられた複数(本実施形態では、3つ)の当接部112が当接せしめられている。また、接点プレート18bを覆うように設けられた突出部102bの凹溝102cおよび接点プレート18cを覆うように設けられた突出部102bの凹溝102cに対して、それぞれ、仕切板24に突設された凸部114が収容配置されている。
このように接点プレート18a〜cおよび給電プレート100が配設された状態下において、図10にも示されているように、シール部材108における各シール用突出体108bは、各挿通孔48の内周面と各接点プレート18を構成する端子用板98又は給電プレート100の間に圧縮状態で介在せしめられていると共に、シール部材108におけるシール用連結体108aは、ケース本体22の外周壁部28および蓋体26の周壁部44によって構成されることとなるケース12の外壁と連結体102の間に圧縮状態で介在せしめられている。即ち、シール部材108は、ケース12の内側からケース12に形成された複数の挿通孔48の全てを覆蓋しているのである。更にまた、各シール部108dの傾斜面109に対して各挿通孔48のケース内側の内周縁部が全周に亘って当接されており、特に、本実施形態では、各挿通孔48の内周縁部が各シール部108dに対して全周に亘って食い込むように押し付けられている。
また、仕切板24には、板厚方向に貫通したリード挿通孔(図示せず)が形成されており、このリード挿通孔に対してプレートモータ20におけるコイル50の給電用リード材66aが挿通されており、かかる給電用リード材66aが連結体102における突出部102bと仕切板24における凸部114によって接点プレート18bに圧接されている。これにより、接点プレート18bと給電用リード材66aが電気的に接続されている。
そして、上述の如く配設された複数の接点プレート18a〜cは、ケース12の内部空間に突設された先端部分、特に、接点99が設けられた部分が、互いに弾性的に重ね合わされるようにして、サイクルカム16の外周面に対して弾性的に当接されている。ここにおいて、本実施形態では、大径カム面16bに対して接点プレート18bと接点プレート18cが当接されて摺動されるようになっていると共に、小径カム面16aに対して接点プレート18aが当接されて摺動されるようになっている。また、接点プレート18cは、サイクルカム16の周方向において、接点プレート18bよりも長くされており、サイクルカム16の回動によって接点プレート18bが小径カム面16aの段差部16cを通過して小径側に落ち込んだ後、更にサイクルカム16が所定量だけ回動せしめられる間、接点プレート18cは、大径カム面16bの段差部16dに落ち込まないようになっている。要するに、本実施形態では、サイクルカム16の大径カム面16b上で接点プレート18cに重ね合わされて、電気的に接続状態に維持されていた接点プレート18bが、接点プレート18bが大径カム面16bの段差部16dを通過してから、接点プレート18cが大径カム面16bの段差部16dを通過するまでの短い時間だけ、接点プレート18cから離隔されて、接点プレート18aに重ね合わされて、電気的に接続されるようになっている。
また、仕切板24には、上面に開口する凹所116が形成されており、かかる凹所116内には、コンデンサ118が収容配置されている。このコンデンサ118の一方のリード部120aは、給電プレート100に対して電気的に接続されている。また、仕切板24には、蓋体26に向かって開口する略ボックス形状の接続空所122が形成されている。そして、この接続空所122の開口部から深さ方向に向かって延びる状態で、コンデンサ118の他方のリード部120bが挿入されていると共に、この接続空所122の底壁部(仕切板24)に形成された貫通孔(図示せず)を通じて、プレートモータ20のコイル50の給電用リード材66bが開口側に向かって突設されている。そして、これらコンデンサ118のリード部120bとコイル50の給電用リード材66bは、接続空所122内に組み付けられた接続板124に対して固定せしめられており、それによって、コンデンサ118のリード部120bと給電用リード材66bが電気的に接続されている。
次に、上述の如き構造とされた霜取りタイマ10の作動について説明する。先ず、霜取りタイマ10に電源が接続されると、プレートモータ20のコイル50に給電されて、ロータ58が正回転する。そして、プレートモータ20の回転駆動力が、1番車82,2番車84,3番車,4番車86,5番車88および伝達車90を介して、サイクルカム16に伝達されるようになっている。
ここにおいて、接点プレート18bが大径カム面16bの段差部を通過する前、即ち、接点プレート18aが接点プレート18bに接続されていない状態では、図示しない冷蔵庫のコンプレッサは稼働状態となっていると共に、霜取り機構は停止状態となっている。そして、サイクルカム16が回動せしめられて、接点プレート18bが大径カム面16bの段差部を通過して、接点プレート18bが接点プレート18aに接続されている状態においては、コンプレッサは停止状態となっている一方、霜取り機構が稼働状態となっている。ここにおいて、接点プレート18bが接点プレート18aに接続されている状態から、サイクルカム16が所定量だけ更に回動せしめられて、接点プレート18cが大径カム面16bの段差部を通過して、再び接点プレート18bに接続されると、コンプレッサが再び稼働状態となる一方、霜取り機構が再び停止状態となる。
このような構造とされた霜取りタイマ10においては、シール用連結体108aに一体形成されたシール用突出体108bの基端部分の外周面において、基端側に行くに従って次第に外周側に広がる傾斜面109をもってシール用突出体108bの全周に亘って連続して延びるシール部108dがシール用突出体108bおよびシール用連結体108aと一体的に形成されており、かかるシール部108dの傾斜面109に対して挿通孔48の内周縁部が全周に亘って食い込むように押し付けられていることから、シール部108dにおける挿通孔48の内周縁部が押し付けられている部分に対して応力が集中せしめられて、シール部材108のケース12の外壁(周壁部44および外周壁部28)に対する密着性が挿通孔48の内周縁部において向上せしめられることとなり、それによって、挿通孔48の内周縁部においてシール部材108とケース12の外壁との間に隙間が形成されることを防止することが可能となる。その結果、埃や微小生物がケース12内に侵入することに起因する霜取りタイマ10の作動不良を防止して、霜取りタイマ10の長期間に亘る作動の安定化を図ることが可能となる。
また、本実施形態では、シール部108dに対して挿通孔48の内周縁部が食い込むように押し付けられていることから、シール部材108におけるシール部108dが一体形成された部位において、シール部材108と端子用板98および給電プレートの密着性を高めて、シール部材108と端子用板98および給電プレート100との間に隙間が形成されないようにすることが可能となる。
さらに、本実施形態では、シール部材108が一体成形品とされていることから、シール部材108が複数の部分に分割可能とされている場合に比して、シール部材108によるシール性を向上することが可能となる。
更にまた、本実施形態では、シール部108dのボリュームが全周に亘って略一定とされていることから、シール部108dに挿通孔48の内周縁部が食い込むように押し付けられることで高められるシール部材108のケース12の外壁に対する密着性およびシール部材108の端子用板98および給電プレート100に対する密着性を各挿通孔48の全周に亘って略一定とすることが可能となる。
また、本実施形態では、シール用連結体108aの長手方向(図8における左右方向)の寸法は、連結体102における本体部102aの長手方向(図6中の上下方向)の寸法よりも小さくされていると共に、シール用連結体108aの幅方向(図8における上下方向)の寸法は、連結体102における本体部102aの幅方向(図5中上下方向)の寸法よりも小さくされていることから、ケース12の外壁に対してシール部材108を全体に亘って略均一に押し付けることが可能となり、それによって、シール部108dに挿通孔48の内周縁部が食い込むように押し付けられることで高められるシール部材108のケース12の外壁に対する密着性およびシール部材108の端子用板98および給電プレート100に対する密着性を各挿通孔48の全周に亘って略一定とすることが可能となる。
さらに、本実施形態では、連結体102の長手方向において同じ位置に設けられた一組の上側凹部104および下側凹部106は、接点プレート18aと接点プレート18bに挟まれるように位置せしめられている一方、他の一組の上側凹部104および下側凹部106は、接点プレート18cと給電プレート100に挟まれるように位置せしめられていることから、ケース12の外壁に対してシール部材108を全体に亘って略均一に押し付けることが可能となる。
また、本実施形態では、ケース12に形成された貫通孔94に対して、電気モータとしてのプレートモータ20によって回転駆動せしめられる回動軸としての上側突起16gが、良好な回動性能を確保しつつ、優れたシール性をもって組み付けられている。
すなわち、このような回動軸(上側突起16g)は、その回動が妨げられないように、透孔(貫通孔94)の内周面との間に隙間が形成されるようにして、透孔に挿通されるようになっていることが一般的であり、そのために、どうしても回動軸と透孔の内周面との間に隙間が形成されてしまうのであるが、本実施形態の構造に従えば、回動軸と透孔の内周面との間に隙間が形成されていたとしても、透孔のケース内への開口周縁部において回動部材とケースとの間に隙間が形成されないようにすることが可能であり、それによって、回動軸の回動性能に悪影響を与えることを回避しつつ、ケース内への埃や微小生物の侵入を阻止することが可能となる。
特に、本実施形態においては、回動部材としてのサイクルカム16の円形凹所16eの内周面に形成された複数の鋸歯状の内面係止歯16fへの弾性的な係止作用に基づいて、周方向一方向での回動部材(16)と駆動歯車(90)の相対的な回動を許容する一方、周方向他方向で回動部材と駆動歯車を一体的に回動せしめる弾性係止片90dを巧く利用することにより、回動部材としてのサイクルカム16に設けられた軸方向中間部分の環状段差面126を、ケースにおける透孔(94)の開口周縁部に対して、全周に亘って連続して密着せしめるようになっていることから、他に特別な部品を用いることなく、ケースにおける透孔の開口周縁部への回動部材の密着性を確保することが可能となる。
また、弾性係止片90dが周方向に延び出して形成されていることから、配設スペースを効率的に利用しつつ弾性係止片90dの自由長を有利に確保して目的とする弾性を効果的に得ることが出来ると共に、弾性係止片90dの周方向での延出側端部に対して当接突部90eが形成されていることから、かかる当接突部90eに回動部材が当接せしめられて、弾性係止片に外力が及ぼされた際に、弾性係止片がその全長に亘って効率的に変形せしめられることとなる。それ故、弾性係止片の元の状態に戻ろうとする力(復元力)を十分な自由度をもって設定することが出来る。また、かかる復元力を巧く利用することにより、回動部材の回動に対して悪影響を及ぼすことを回避しつつ、回動部材のケースにおける透孔の開口周縁部への密着性を高度に保つことが可能となる。
また、本実施形態の霜取りタイマにおいては、では、プレートモータ20が採用されていたことから、霜取りタイマ10全体のサイズを小さくすることが可能となっている。
以上、本発明の一実施形態について詳述してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものではない。
例えば、前記実施形態では、3枚の接点プレート18a〜cが採用されていたが、採用される接点プレートの数は、前記実施形態のものに限定されるものではない。
また、前記実施形態では、電気モータとして特定構造のプレートモータ20が採用されていたが、採用される電気モータは、プレートモータに限定されるものではない。
加えて、前記実施形態では、冷蔵庫の霜取りタイマについて本発明を適用したものの一具体例が示されていたが、本発明は、その他の各種のタイムスイッチに対しても適用可能であることは言うまでもない。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。