JP2005122818A - 薄膜磁気ヘッド、これを用いた磁気記録装置及びその製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッド、これを用いた磁気記録装置及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005122818A
JP2005122818A JP2003356282A JP2003356282A JP2005122818A JP 2005122818 A JP2005122818 A JP 2005122818A JP 2003356282 A JP2003356282 A JP 2003356282A JP 2003356282 A JP2003356282 A JP 2003356282A JP 2005122818 A JP2005122818 A JP 2005122818A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
magnetic
coil
pole
magnetic head
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003356282A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshitaka Sasaki
佐々木 芳高
Takehiro Kamikama
上釜 健宏
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SAE Magnetics HK Ltd
Headway Technologies Inc
Original Assignee
SAE Magnetics HK Ltd
Headway Technologies Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SAE Magnetics HK Ltd, Headway Technologies Inc filed Critical SAE Magnetics HK Ltd
Priority to JP2003356282A priority Critical patent/JP2005122818A/ja
Priority to US10/687,634 priority patent/US7046480B2/en
Publication of JP2005122818A publication Critical patent/JP2005122818A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/127Structure or manufacture of heads, e.g. inductive
    • G11B5/31Structure or manufacture of heads, e.g. inductive using thin films
    • G11B5/3109Details
    • G11B5/313Disposition of layers
    • G11B5/3133Disposition of layers including layers not usually being a part of the electromagnetic transducer structure and providing additional features, e.g. for improving heat radiation, reduction of power dissipation, adaptations for measurement or indication of gap depth or other properties of the structure
    • G11B5/3136Disposition of layers including layers not usually being a part of the electromagnetic transducer structure and providing additional features, e.g. for improving heat radiation, reduction of power dissipation, adaptations for measurement or indication of gap depth or other properties of the structure for reducing the pole-tip-protrusion at the head transducing surface, e.g. caused by thermal expansion of dissimilar materials
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/127Structure or manufacture of heads, e.g. inductive
    • G11B5/187Structure or manufacture of the surface of the head in physical contact with, or immediately adjacent to the recording medium; Pole pieces; Gap features
    • G11B5/1875"Composite" pole pieces, i.e. poles composed in some parts of magnetic particles and in some other parts of magnetic metal layers
    • G11B5/1877"Composite" pole pieces, i.e. poles composed in some parts of magnetic particles and in some other parts of magnetic metal layers including at least one magnetic thin film

Abstract

【課題】100(Gb/p)以上の高記録面密度に対応でき、狭トラック幅でありながら充分なオーバライト特性を確保することができ、5.5μm以下のヨーク長を持つ高周波対応型の薄膜磁気ヘッド、磁気記録装置、及び、その製造方法を提供する。
【解決手段】第1のポール部P1は、媒体対向面側において、第1のヨーク部211の一面上に突設され、上端が縮小された幅を有している。第2のポール部P2は、第1のポール部P1の上端と、ギャップ膜24を介して、同一幅で対向している。第1のポール部P1は、ギャップ膜24と隣接する磁性膜214が、幅方向の両側において、第2のポール部P2の幅に合わせてエッチングされ、エッチングによって生じた凹部の底部に、磁性膜214の残部S1、S2が存在し、残部S1、S2は膜厚が第1のポール部P1の根元部に近づくにつれて増大する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、薄膜磁気ヘッド、これを用いた磁気記録装置及びその製造方法に関し、更に詳しくは、薄膜磁気ヘッドに備えられた書き込み素子の改良に係る。
近年、ハードディスク装置の面密度の向上に伴って、薄膜磁気ヘッドの性能向上が求められている。薄膜磁気ヘッドの性能向上は、2つの側面から達成しなければならない。一つは読み取り素子の性能の向上であり、もう一つは書き込み素子の性能の向上である。
読み取り素子の性能は、スピンバルブ膜(SV膜)または強磁性トンネル接合を用いたGMR(Giant Magnetoresistive)ヘッドの開発及び実用化により、著しく向上した。最近では、面密度100(Gb/p)を超える勢いである。
一方、書き込み素子の性能向上に関しては、次に述べるような種々の解決すべき問題がある。
まず、薄膜磁気ヘッドは、コンピュータにおける磁気記録装置の構成要素として用いられるものであるから、高周波特性に優れ、高速データ転送速度に適合するものであることが要求される。薄膜磁気ヘッドの高周波特性は、書き込み素子を構成するヨーク部、及び、コイルの構造に密接に関連する。この様な観点から、従来より種々の先行技術が提案されている。
例えば、U.S.P.6,043,959号明細書は、第2のヨーク部(上部ヨーク部)を平面状に形成して、コイルの相互誘導インダクタンスを低減させ、高周波特性を改善する技術を開示している。U.S.P.6,259,583 B1号明細書は、第2のヨーク部を、高透磁率で低異方性の層と、非磁性層とを交互に積層して、平面状に形成する構造を開示している。
上述した先行技術に示されているような平面形状のポール構造は、フォトリソグラフィによって画定されたものであり、記録密度を高めるためには、さらに、半導体加工技術を適用して、ポール部にサブミクロン加工を施し、狭トラック構造を実現しなければならない。しかし、このサブミクロン加工には、次に述べるような問題が付随する。
まず、ポール部の構造が狭トラック構造になればなるほど、ポール部が磁気飽和しやすくなり、書き込み能力が低下する。そこで、ポール部に飽和磁束密度の高い磁性材料(以下、HiBs材と称する)を用いることが必要になる。
HiBs材としては、FeN、CoFeN、NiFe、CoNiFeなどが知られている。このうち、FeN、CoFeNなどは、たとえば、2.4Tの高い飽和磁束密度を示すが、メッキによるパターン化が困難であり、スパッタによって成膜した後、イオンミリングでパターン化する必要がある。しかし、0.2μm以上の厚い膜厚を有するスパッタ膜の場合、フォトレジストで構成されるマスク、又は、上部ポールを構成する磁性膜によって構成されるマスクの関係から、0.2μm以下のトラック幅を、精度良くコントロールすることが非常に困難であった。
一方、NiFe、CoNiFeなどは、メッキにより、容易にパターン化できる。また、NiFeの場合、そのNiとFeとの組成比について、Feの比率を大きくすることにより、1.5T〜1.6Tの飽和磁束密度が得られる。しかも、組成比のコントロールも容易である。
しかし、80〜100(Gb/p)の面密度になると、トラック幅が0.1〜0.2μmの微小値になり、それに伴って、2.3〜2.4Tの高飽和磁束密度が要求されることになり、NiFeでは、この要求を満たすことができない。メッキ法では、CoNiFeが有力であるが、その飽和磁束密度は1.8T程度であり、トラック幅が0.1〜0.2μmの微小値になった場合に必要な2.3〜2.4Tの高飽和磁束密度を満たすことができない。
そこで、従来は、メッキ下地膜となるSeed膜に、例えば、飽和磁束密度2.4TのCoFeなどを用い、その上に、飽和磁束密度2.3TのCoNiFeをメッキするのが一般的であった。
上述した手法によって、例えば、上部ポールを作成した場合、ポールを目標の狭トラック幅にするためには、上部ポールの下に存在するSeed膜を、上部ポールをマスクとして、Ion Beamなどによってトリミングしなければならない。ところが、Seed膜は、例えばCoFeのスパッタ膜であり、Ion Beamによるトリミングが非常に困難である。このため、上部ポールをマスクにして、下部ポールをトリミングする場合に、上部ポールの膜減りが大きくなり、例えば、3〜3.5μmのメッキ膜として形成された上部ポールが、例えば、1.0μmの膜厚まで薄くなってしまう。上部ポールが、このような薄い膜厚になると、書き込み時に、上部ポールで磁気飽和を起こし、オーバライト特性が著しく劣化してしまう。
また、イオン.ミリングによって、上部ポールの幅を0.1〜0.2μmの微小幅にトリミングする必要があるため、Ion Beamを広い角度で照射する必要があり、上部ポールの先端に向かうほどトリミング量が多くなり、上部ポールが三角形状、又は、台形状になってしまう。このため、上部ポールの体積が小さくなり、磁気飽和を一層生じやすくなる。
次に、ポールのトリミングに当たって、従来は、上部ヨーク部の形状に沿って、コイル部分を覆うようにトリミング.マスクを設け、上部ヨーク部及び上部ポールを、マスクで覆うことはしなかった。その理由は、上部ヨーク部及びそれに連なる上部ポールの全体をトリミング.マスクで覆うと、マスクパターンのエッジでサイドウォールが発生し、ポールに付着したサイドウォールによって、サイドライトやサイドイレーズなどの問題を生じてしまうと考えられていたからである。
上述のように、従来は、上部ヨーク部を、マスクで覆っていなかったために、上部ポールから上部ヨーク部の広い部分にかけて、次第に幅が増大するフレア部分が、Ion Beamによってトリミングされ、幅の拡大を開始するフレア.ポイントが、空気ベアリング面(以下ABSと称する)から後退してしまう。これも、磁気ボリュームを減少させ、オーバライト特性を劣化させる。
また、フレア部分において、幅が拡大する開始点となるフレアポイントが、ABSに近いほど、優れたオーバライト特性が得られる。トラック幅が0.2μm以下に狭小化された場合は、特に、フレアポイントをABSに近づけなければならない。従来のトリミング方法では、上述した理由から、フレアポイントが後退するほか、次の理由によっても、フレアポイントが後退する。
すなわち、従来は、上部ヨーク部の形状に沿って、コイル部分を覆うようにトリミング.マスクを設け、上部ヨーク部及び上部ポールを、マスクで覆うことはしなかったから、Ion Beamで下部ポールをトリミングした場合、それによって飛散した金属粒子が、上部ポールの側壁面に再付着する。所定のトラック幅を得るためには、この再付着膜は除去しなければならない。再付着膜の除去にあたっては、50〜75度の広い角度で、Ion Beamを照射しなければない。この広い角度のIon Beamの照射は、上部ポールを更に細らせる。しかも、ポールが、フレアポイントからABSに向かって、幅が次第に縮小するテーパ角を持つようになり、ABSで見たトラック幅が個々の薄膜磁気ヘッドで変動してしまうという問題を生じる。
また、平面形状のポール構造に半導体加工技術を適用して、ポール部にサブミクロン加工を施し、狭トラック構造が実現されたとしても、ポール部からヨーク部に向かって幅の広がるフレア部分の表面が、ポール部の表面とヨーク部の表面と同一平面を構成するため、書き込み動作時に、フレア部分のサイドから漏洩する磁束によって、磁気記録媒体上の隣のトラックの磁気記録が消去(サイドイレーズ)され、又は、隣のトラックに磁気記録がなされる(サイドライト)などの問題を生じる。このため、0.2μm以下の正確なトラックコントロールが困難であり、100(Gb/p)以上の高記録面密度を実現することができない。
次に、この種の薄膜磁気ヘッドでは、バックギャップからポール部までのヨーク長YLが短いほど、優れた高周波特性が得られることが知られている。ヨーク長を短くするには、バックギャップからポール部までの間に配置されるコイルのターン数を減少させるか、又はターン数を減少させずに、コイル幅を小さくしなければならない。
しかし、コイルのターン数は、要求される起磁力によって定まるため、コイルターン数を減少させることによって、ヨーク長YLを短くすることには限界がある。
一方、ターン数を減少させずに、コイル幅を小さくした場合は、コイルの電気抵抗が増え、書き込み動作時に発熱温度が上昇する。発熱温度が上昇すると、第1のポール部及び第2のポール部が熱膨張し、ポール部がABSに盛り上がるサーマルプロトリュージョンを発生する。サーマルプロトリュージョンが発生すると、書き込み及び読み取り動作時に、サーマルプロトリュージョンを生じた部分が磁気記録媒体に接触し、ヘッドクラッシュ又は磁気記録媒体上の磁気記録の損傷若しくは破壊を招くから、厳に回避しなければならない。サーマルプロトリュージョンの回避が不可能であれば、結局は、薄膜磁気ヘッドの浮上量を増大させなければならず、そうすると、高記録密度のための低浮上量化の要求に応えることができなくなる。
米国特許第6,043,959号明細書 米国特許第6,259,583B1号明細書
本発明の課題は、100(Gb/p)以上の高記録面密度に対応できる高記録面密度対応型の薄膜磁気ヘッド及び磁気記録装置を提供することである。
本発明のもう一つの課題は、狭トラック幅でありながら、充分なオーバライト特性を確保し得る高記録面密度対応型の薄膜磁気ヘッド及び磁気記録装置を提供することである。
本発明の更にもう一つの課題は、ポールが、2.2〜2.4(T)の高飽和磁束密度材料(HiBs材と称する)を含み、0.1〜0.2μmのトラック幅を有する高記録面密度対応型の薄膜磁気ヘッド及び磁気記録装置を提供することである。
本発明の更にもう一つの課題は、ヨーク長を短くし、高周波特性を改善した高周波対応型の薄膜磁気ヘッド及び磁気記録装置を提供することである。
本発明の更にもう一つの課題は、5.5μm以下のヨーク長を持つ高周波対応型の薄膜磁気ヘッド及び磁気記録装置を提供することである。
本発明の更にもう一つの課題は、コイルターン数を維持したままで、コイル抵抗値を下げ、発熱量を低減した薄膜磁気ヘッド及び磁気記録装置を提供することである。
本発明の更にもう一つの課題は、上述した薄膜磁気ヘッドを製造するのに適した製造方法を提供することである。
上述した課題を解決するため、本発明に係る薄膜磁気ヘッドでは、前記書き込み素子に含まれる第1のポール部(下部ポール部)は、ギャップ膜と隣接する磁性膜が、幅方向の両側において、第2のポール部(上部ポール部)の幅に合わせてエッチングされ、エッチングによって生じた凹部の底部に、磁性膜の残部が存在し、残部は膜厚が第1のポール部の根元部に近づくにつれて増大する。
このような構造によれば、ギャップ膜と隣接する磁性膜の磁気飽和を回避し、オーバライト特性を改善することができる。
ギャップ膜と隣接する磁性膜は、Co及びFeを含む磁性材料でなる。より具体的には、CoFe又はCoFeNの何れかでなる。CoFe又はCoFeNは、飽和磁束密度が2.2〜2.4(T)のHiBs材料である。ギャップ膜と隣接する磁性膜は、FeN、CoFe又はCoFeNのスパッタ膜であってもよい。第2のポール部に関しても、ギャップ膜と隣接する磁性膜は、同様の磁性材料によって構成することが望ましい。
以上の組み合わせにより、0.1〜0.2μmのトラック幅を有し、100(Gb/p)以上の高記録面密度に対応できる高記録面密度対応型の薄膜磁気ヘッドを実現することが可能になる。
好ましくは、コイルは、第1のコイルと、第2のコイルとを含む。第1のコイル及び第2のコイルは、第1のヨーク部の一面上に形成された第1の絶縁膜の面上で、バックギャップ部の周りを、渦巻き状に周回し、一方が、他方のコイルターン間のスペースに、第2の絶縁膜を介して嵌め込まれ、同一方向の磁束を生じるように接続される。
第1のコイル及び第2のコイルの間に存在する第2の絶縁膜は、例えば、Chemical Vapor Deposition(以下、CVDと称する)を適用して、0.1μm程度の極薄膜のAl2O3膜として形成できる。したがって、バックギャップ部と第1のポール部との間で、第1のコイル及び第2のコイルの断面積を最大化し、コイルターン数を維持したままで、コイル抵抗値を下げ、発熱量を低減することができる。これにより、書き込み動作時に、ポール部におけるサーマルプロトリュージョンの発生を抑制し、ヘッドクラッシュ及び磁気記録媒体上の磁気記録の損傷若しくは破壊を回避し、延いては、高記録密度のための低浮上量の要求に応えることができることになる。
第1のコイル及び第2のコイルは、一方が、他方のコイルターン間のスペースに、第2の絶縁膜を介して嵌め込まれているから、コイル導体の配線密度が高くなる。このため、同一のターン数を保った状態では、ヨーク長YLを短くすることができる。
第1のコイル及び第2のコイルは同一方向の磁束を生じるように接続される。第1のコイル及び第2のコイルは、巻き方向が同一になるので、第1のコイルの内端と、第2のコイルの外端とを接続した直列接続構造をとることにより、同一方向の磁束を生じさせることができる。あるいは、第1のコイル及び第2のコイルを並列に接続して、同一方向の磁束を生じるようにしてもよい。この場合は、ターン数は少なくなるが、コイル抵抗値を低減できる。
第1のコイル及び第2のコイルは、上面が導体面による同一平面を構成している。この構成によれば、第1のコイル及び第2のコイルの上面に対して、共通の第3の絶縁膜を付与することができるので、第1のコイル及び第2のコイルの上面に対する絶縁構造が簡単化される。また、第1のコイル及び第2のコイルの上に更に他のコイルを形成する際に、安定したベースを提供し、他のコイルを高精度のパターンとして形成することが可能になる。
第1のコイル及び第2のコイルの上に、更に、他のコイルを形成する際は、第1のコイル及び第2のコイルの平坦化とあわせて、ポール片及びバックギャップ片の上面も、コイルの導体面と同一平面となるようにする。こうすることにより、他のコイルを形成する際に必要となるポール片及びバックギャップ片を、平坦化された第1のポール片及びバックギャップ片の上面に、高精度パターンとして形成することができる。
本発明に係る薄膜磁気ヘッドは、一般には、書き込み素子とともに、読み取り素子を含む複合型の薄膜磁気ヘッドを構成する。読み取り素子は、巨大磁気抵抗効果素子(以下、GMR素子と称する)を含む。GMR素子は、スピンバルブ膜または強磁性トンネル接合の何れかを含む。
上述した薄膜磁気ヘッドの製造にあたっては、前記第2のヨーク部となる磁性膜を、均一な膜厚となるように形成した後、前記第2のヨーク部をレジストマスクによって覆う。前記レジストマスクは、第2のポール部に対応する開口を有するパターンとする。
次に、レジストマスクをエッチバックさせて、前記第2のヨーク部の前記広い部分を露出させる。その後、前記開口を通して、その内部に含まれる磁性膜及び/又はギャップ膜をエッチングする。
上述したように、本発明に係る製造方法は、第2のヨーク部をレジストマスクによって覆った後、レジストマスクをエッチバックさせて、第2のヨーク部を露出させるプロセスを含むから、レジストマスクが、第2のヨーク部の外周縁に沿い、ミスアライメントを生じることなく、自己整合的に、隙間なく完全に密着する。このため、その後のエッチングプロセスにおいて、第2のヨーク部の外周縁が、Ion Beamなどのエッチング手段によってアタックされることがなくなり、第2のヨーク部が高精度のパターンとして形成されることになる。
第2のヨーク部は、広い部分を有するとともに、第2のポール部を構成する細い部分に向かって、次第に幅が拡大するフレア部分を含んでいる。本発明では、レジストマスクのエッチバックにより、フレア部分についても、レジストマスクが、ミスアライメントを生じることなく、自己整合的に、隙間なく完全に密着するから、その後のエッチングプロセスにおいて、フレア部分の外周縁も、Ion Beamなどのエッチング手段によってアタックされることがなくなる。したがって、フレア部分と細い部分との境界に生じるフレアポイントの変動を回避し、薄膜磁気ヘッドとしたときのABSからフレアポイントまでの距離を、一定した微小寸法に設定し、オーバライト特性を確保することができる。
レジストマスクは、第2のポール部に相当する細い部分に、開口を有しており、前記開口を通して、その内部に含まれる磁性膜及び/又はギャップ膜をエッチングする。細い部分に対する上記エッチングにより、0.1〜0.2μmの狭トラック幅を有する高記録面密度対応型の薄膜磁気ヘッドが実現される。
上記エッチング又はその後の追加的なエッチングによって、細い部分の両側に凹部が生じる。このとき、第1のポール部を構成する磁性膜のうち、ギャップ膜と隣接する磁性膜については、その全部をエッチングするのではなく、凹部の底部に、当該磁性膜の残部が残るようにエッチングする。エッチング手段として、Ion Beam Etchingを用いた場合、Ion Beamの照射角度の選定、及び、細い部分の幾何学的構造によって、前記磁性膜は、底部の残部の膜厚が第1のポール部の根元部に近づくにつれて増大するようにエッチングされる。このような構造によれば、トラック幅を狭小化したままで、ギャップ膜と隣接する磁性膜の断面積を確保し、その磁気飽和を回避し、オーバライト特性を改善することができる。
具体的態様として、第2のヨーク部は、第2の磁性膜と、第3の磁性膜とを含むことができる。この構造のもとでは、前記レジストマスクを形成する前、前記ギャップ膜と隣接して、前記第2の磁性膜を、均一な膜厚となるように形成した後、前記第2の磁性膜の面内に、第3の磁性膜を形成する。
前記第3の磁性膜を形成した後、前記第3の磁性膜の上に前記レジストマスクを形成し、上述したプロセスを実行してもよいし、第3の磁性膜を形成した後、前記レジストマスクを形成する前、前記第3の磁性膜をマスクとして、前記第2の磁性膜をエッチングする工程を含んでいてもよい。
さらに、前記開口を通して、その内部に含まれる第2のポール部の磁性膜及び/又はギャップ膜をエッチングした後、前記レジストマスクを除去し、次に、第2のポール部を構成する磁性膜をマスクにして、第1のポール部を構成する磁性膜をエッチングする工程を採用してもよい。
前記レジストマスクをエッチバックさせるプロセスは、O2が混入されているプラズマによるドライエッチングプロセス、ハロゲン系又はフロン系のプラズマによるドライエッチングプロセス、等方性のドライエッチングプロセス、又は、異方性のドライエッチングプロセスの何れかを採用することができる。
第1のポール部を構成する磁性膜のうち、前記ギャップ膜と隣接する前記磁性膜は、好ましくは、CoとFeとを含有する磁性材料で構成する。具体的にはCoFe又はCoFeNである。CoFe又はCoFeNは、飽和磁束密度が2.2〜2.4(T)のHiBs材料であり、0.1〜0.2μmのトラック幅において、100(Gb/p)以上の高記録面密度に対応できる。ギャップ膜と隣接する磁性膜は、FeN、CoFe又はCoFeNのスパッタ膜であってもよい。第2のポール部に関しても、ギャップ膜と隣接する磁性膜は、同様の磁性材料によって構成することが望ましい。
前記レジストマスクは、前記開口における壁面が磁性膜の膜面に対して直交していることが好ましい。レジストマスクをこのようなパターンにすると、第2のヨーク部のフレアポイントを、レジストマスクによって確実に覆い、かつ、レジストマスクの端縁をABSから遠い位置に設定し、Ion Milling時のポールに対する金属成分の再付着を回避することができる。
本発明は、更に、薄膜磁気ヘッドとヘッド支持装置とを組み合わせた磁気ヘッド装置、及び、この磁気ヘッド装置と磁気記録媒体(ハードディスク)とを組み合わせた磁気記録再生装置についても開示する。
本発明の他の目的、構成及び利点については、添付図面を参照し、更に詳しく説明する。図面は単なる例示にすぎない。
1.薄膜磁気ヘッド
図1〜図4を参照すると、本発明に係る薄膜磁気ヘッドは、スライダ5と、書き込み素子2と、読み取り素子3とを含む。スライダ5は、例えば、Al2O3−TiC等でなる基体15の表面に、Al2O3、SiO2等の絶縁膜16を設けた(図3参照)セラミック構造体である。スライダ5は、媒体対向面に浮上特性制御用の幾何学的形状を有している。そのような幾何学的形状の代表例として、図示では、ABS側の基底面50に、第1の段部51、第2の段部52、第3の段部53、第4の段部54、及び、第5の段部55を備える例を示してある。基底面50は、矢印F1で示す空気の流れ方向に対する負圧発生部となり、第2の段部52及び第3の段部53は、第1の段部51から立ち上がるステップ状の空気軸受けを構成する。第2の段部52及び第3の段部53の表面は、ABSとなる。第4の段部54は、基底面50からステップ状に立ち上がり、第5の段部55は第4の段部54からステップ状に立ちあがっている。電磁変換素子2、3は、第5の段部55に設けられている。
電磁変換素子2、3は、書き込み素子2と、読み取り素子3とを含む。書き込み素子2及び読み取り素子3は、空気の流れ方向Aで見て、空気流出端(トレーリング.エッジ)の側に備えられている。
図3、図4を参照するに、書き込み素子2は、第1のヨーク部211と、第2のヨーク部221、222と、アルミナ等でなるギャップ膜24と、第1のポール部P1と、第2のポール部P2と、第1のコイル231と、第2のコイル232とを有している。第1のヨーク部211は、第1の磁性膜によって構成されている。図示実施例において、第1のヨーク部211は一層の第1の磁性膜によって構成されているので、第1のヨーク部211と第1の磁性膜とは同義である。以下の説明において、その簡単化のため、第1のヨーク部211を第1の磁性膜211と表現することがある。
第1の磁性膜211は、絶縁膜34によって支持され、その表面は実質的に平坦な平面となっている。絶縁膜34は、例えば、Al2O3、SiO2、AlNまたはDLC等の無機絶縁材料によって構成される。
第2のヨーク部221、222は、第1の磁性膜211とはインナーギャップを介して向き合っている。図示実施例において、第2のヨーク部221、222は、第2の磁性膜221と第3の磁性膜222とを積層した構造を有する。説明の簡単化のため、第2のヨーク部221、222を、第2の磁性膜221及び第3の磁性膜222と表現することがある。
第1の磁性膜211、第2の磁性膜221及び第3の磁性膜222は、例えば、NiFe、CoFe、CoFeN、CoNiFe、FeNまたはFeZrN等の磁性材料から選択することができる。第1の磁性膜211、第2の磁性膜221及び第3の磁性膜222のそれぞれは、各膜厚が、例えば、0.25〜3μmの範囲に設定される。このような第1の磁性膜211、第2の磁性膜221及び第3の磁性膜222はフレームメッキ法によって形成できる。
図示実施例において、第1の磁性膜211は、CoFeNまたはCoNiFeのいずれかによって構成するものとする。第3の磁性膜222はCoNiFeによって構成し、第2の磁性膜221は飽和磁束密度の高いCoFeNで構成することができる。
第1の磁性膜211、第3の磁性膜222及び第2の磁性膜221の先端部は、微小厚みのギャップ膜24を隔てて対向する第1のポール部P1及び第2のポール部P2の一部を構成しており、第1のポール部P1及び第2のポール部P2において書き込みを行なう。ギャップ膜24は、非磁性金属膜またはアルミナ等の無機絶縁膜によって構成される。
図示実施例において、第1のポール部P1は、第1の磁性膜211の端部によって構成される第1のポール片の上に、第2のポール片212、第3のポール片213及び第4のポール片214を、この順序で積層した構造を有する。第2のポール片212、第3のポール片213及び第4のポール片214は、CoFeNまたはCoNiFeなどのHiBs材によって構成する。
第2のポール部P2は、ギャップ膜24の上に、第2の磁性膜221の端部によって構成される第5のポール片及び第3の磁性膜222の端部によって構成される第6のポール片224を、順次に積層した構造となっている。
図4を参照すると、第1の磁性膜211の端部、第2のポール片212及び第3のポール片213は、ABSのトラック幅方向に広がりを見せているが、第4のポール片214は、その上端側が、両側から、狭トラック幅PW(図4参照)となるように削減されており、その上に積層されているギャップ膜24、第2の磁性膜221の端部によって構成される第5のポール片及び第3の磁性膜222の端部によって構成される第6のポール片224も、第4のポール片214とほぼ同じ狭トラック幅PWとなっている。これにより、高密度記録に対応した狭トラック幅PWが得られる。
第3の磁性膜222及び第2の磁性膜221は、更に、第1の磁性膜211との間にインナーギャップを保って、ABS52、53の後方に延び、バックギャップ片216、217及び218において、第1の磁性膜211に結合されている。
図示実施例において、インナーギャップは、絶縁膜254〜256及びギャップ膜24によって埋められており、第3の磁性膜222及び第2の磁性膜221によって構成される第2のヨーク部は、ギャップ膜24の上に形成されている。
第2の磁性膜221、及び、第3の磁性膜222によって構成される第2のヨーク部は、広い部分223と、細い部分224とを含む。広い部分223は、表面が平坦で、ABS52、53を基準にして後方側のバックギャップ部216〜218により、第1の磁性膜211と結合されている。これにより、第1の磁性膜211、バックギャップ部216〜218、第2の磁性膜221、第3の磁性膜222及び書き込みギャップ膜24をめぐる書き込み磁気回路が構成される。細い部分224は第2のポール部P2を構成する。
第1のポール部P1は、ギャップ膜24と隣接する磁性膜、すなわち第4のポール片214が、幅方向の両側において、第2のポール部P2の幅に合わせてエッチングされ、エッチングによって生じた両側の凹部の底部に、第4のポール片214の残部S1、S2が存在する。残部S1、S2は膜厚が第4のポール片214の根元部に近づくにつれて増大する。このような構造によれば、ギャップ膜24と隣接する第4のポール片214の磁気飽和を回避し、オーバライト特性を改善することができる。図示実施例では、残部S1、S2はなだらかな傾斜面となっているが、これに限定する趣旨ではない。
ギャップ膜24と隣接する第4のポール片214は、Co及びFeを含む磁性材料でなる。より具体的には、CoFe又はCoFeNの何れかでなる。CoFe又はCoFeNは、飽和磁束密度が2.2〜2.4(T)のHiBs材料である。第4のポール片214は、FeN、CoFe又はCoFeNのスパッタ膜であってもよい。第2のポール部P2に関しても、ギャップ膜24と隣接する第2の磁性膜221は、同様の磁性材料によって構成することが望ましい。
以上の組み合わせにより、0.1〜0.2μmのトラック幅PWを有し、100(Gb/p)以上の高記録面密度に対応できる高記録面密度対応型の薄膜磁気ヘッドを実現することが可能になる。
図示実施例において、コイルは、第1のコイル231と、第2のコイル232とを含む。第1のコイル231及び第2のコイル232は、第1のヨーク部を構成する第1の磁性膜211の一面上に形成された第1の絶縁膜251の面上で、バックギャップ部216〜218の周りを、渦巻き状に周回し、一方が、他方のコイルターン間のスペースに、第2の絶縁膜252を介して嵌め込まれ、同一方向の磁束を生じるように接続される。
第1のコイル231及び第2のコイル232の間に存在する第2の絶縁膜252は、例えば、Chemical Vapor Deposition(以下、CVDと称する)を適用して、0.1μm程度の極薄膜のAl2O3膜として形成できる。したがって、バックギャップ部216〜218と第1のポール部P1との間で、第1のコイル231及び第2のコイル232の断面積を最大化し、コイルターン数を維持したままで、コイル抵抗値を下げ、発熱量を低減することができる。これにより、書き込み動作時に、ポール部P1、P2におけるサーマルプロトリュージョンの発生を抑制し、ヘッドクラッシュ及び磁気記録媒体上の磁気記録の損傷若しくは破壊を回避し、延いては、高記録密度のための低浮上量の要求に応えることができることになる。
第1のコイル231及び第2のコイル232は、一方が、他方のコイルターン間のスペースに、第2の絶縁膜252を介して嵌め込まれているから、コイル導体の配線密度が高くなる。このため、同一のターン数を保った状態では、ヨーク長YLを短くすることができる。
第1のコイル231及び第2のコイル232は、同一方向の磁束を生じるように接続される。第1のコイル231及び第2のコイル232は、巻き方向が同一になるので、第1のコイル231の内端と、第2のコイル232の外端とを接続した直列接続構造をとることにより、同一方向の磁束を生じさせることができる。あるいは、第1のコイル231及び第2のコイル232を並列に接続して、同一方向の磁束を生じるようにしてもよい。この場合は、ターン数は少なくなるが、コイル抵抗値を低減できる。
図示実施例において、第1のコイル231及び第2のコイル232は、上面が導体面による同一平面を構成している。この構成によれば、第1のコイル231及び第2のコイル232の上面に対して、共通の絶縁膜254を付与することができるので、第1のコイル231及び第2のコイル232の上面に対する絶縁構造が簡単化される。また、第1のコイル231及び第2のコイル232の上に更に他のコイルを形成する際に、安定したベースを提供し、他のコイルを高精度のパターンとして形成することが可能になる。
第1のコイル231及び第2のコイル232の上に、更に、他のコイルを形成する際は、第1のコイル231及び第2のコイル232の平坦化とあわせて、第2のポール片212及びバックギャップ片216の上面も、コイルの導体面と同一平面となるようにする。こうすることにより、他のコイルを形成する際に必要となるポール片及びバックギャップ片を、平坦化された第2のポール片212及びバックギャップ片216の上面に、高精度パターンとして形成することができる。
次に、図3〜図6を参照すると、第1及び第2のコイル231、232は、バックギャップ部216〜218の周りを周回している。第1のコイル231は、スパイラル状であって、第1の磁性膜211の平坦な一面に形成された絶縁膜251の面上に配置され、絶縁膜251の面に対して垂直となる1つの軸の周りを、平面状に周回する。第1のコイル231は、Cu(銅)などの導電金属材料によって構成される。絶縁膜251は、Al2O3、SiO2、AlNまたはDLC等の無機絶縁材料によって構成される。
第2のコイル232もスパイラル状であって、第1のコイル231のコイルターン間のスペースに、絶縁膜252を介して嵌め込まれ、軸の周りを平面状に周回する。第2のコイル232も、Cu(銅)などの導電金属材料によって構成される。絶縁膜252も、Al2O3、SiO2、AlNまたはDLC等の無機絶縁材料によって構成される。
第1のコイル231及び第2のコイル232の周りは、絶縁膜253によって埋められている(図3参照)。絶縁膜253も、Al2O3、SiO2、AlNまたはDLC等の無機絶縁材料によって構成される。
第1のコイル231及び第2のコイル232の間に存在する絶縁膜252は、例えば、CVDを適用して、0.1μm程度の極薄膜のAl2O3膜として形成できる。したがって、バックギャップ片216〜218とポール部P1、P2との間で、第1のコイル231及び第2のコイル232の断面積を最大化し、コイルターン数を維持したままで、コイル抵抗値を下げ、発熱量を低減することができる。これにより、書き込み動作時に、ポール部P1、P2におけるサーマルプロトリュージョンの発生を抑制し、ヘッドクラッシュ及び磁気記録媒体上の磁気記録の損傷若しくは破壊を回避し、延いては、高記録密度のための低浮上量の要求に応えることができることになる。
第2のコイル232は、第1のコイル231のコイルターン間のスペースに、絶縁膜252を介して嵌め込まれているから、コイル導体の配線密度が高くなる。このため、同一のターン数を保った状態では、ヨーク長YL(図3参照)を短くし、高周波特性を改善することができる。
第1のコイル231及び第2のコイル232は同一方向の磁束を生じるように接続される。第1のコイル231及び第2のコイル232は、巻き方向が同一になるので、第1のコイル231の内端281と、第2のコイル232の外端283とを、接続導体282で接続した直列接続構造をとることにより、同一方向の磁束を生じさせることができる。第1のコイル231の外端286は接続導体285により端子284に接続され、更に、リード導体291により外部に導かれ、取り出し電極に接続される。第2のコイル232の内端287は接続導体288により、端子289に接続され、更に、リード導体292により外部に導かれ、取り出し電極に接続される。
図6の図示とは異なって、第1のコイル231及び第2のコイル232を並列に接続して、同一方向の磁束を生じるようにしてもよい。この場合は、ターン数は少なくなるが、コイル抵抗値を低減できる。
しかも、第2のコイル232と、第2のポール片212及びバックギャップ片216とは、例えば、CVDを適用して、0.1μm程度の極薄膜となり得る絶縁膜252によって隔てられるので、ヨーク長YLの短縮化を、更に促進することができる。
第1のコイル231及び第2のコイル232は、上面が導体面による同一平面を構成している。この構成によれば、第1のコイル231及び第2のコイル232の上面に対して、共通の絶縁膜254を付与することができるので、第1のコイル231及び第2のコイル232の上面に対する絶縁構造が簡単化される。また、第1のコイル231及び第2のコイル232の上に、平坦な安定したベース面を形成し、その後に高精度のパターンを形成することができる。
この場合、第1のコイル231は、メッキ膜であり、第1の磁性膜211の一面に付着された絶縁膜251の上に形成される。第2のコイル232も、メッキ膜であり、第1のコイル231のコイルターン間に生じるスペース内において、絶縁膜252の上に形成される。絶縁膜252は、スペースの底面及び両側面に形成される。
保護膜258は、書き込み素子2の全体を覆っている。保護膜258は、Al2O3またはSiO2等の無機絶縁材料で構成されている。
読み取り素子3の付近には、第1のシールド膜31と、絶縁膜32と、第2のシールド膜33とが備えられている。第1のシールド膜31及び第2のシールド膜33は、NiFe等によって構成される。第1のシールド膜31は、Al2O3、SiO2等の絶縁膜16の上に形成されている。絶縁膜16はAl2O3−TiC等でなる基体15の表面に形成されている。
読み取り素子3は、第1のシールド膜31及び第2のシールド膜33の間の絶縁膜32の内部に配置されている。読み取り素子3は、端面がABS52、53に臨んでいる。読み取り素子3は、巨大磁気抵抗効果素子(GMR素子)を含む。GMR素子は、スピンバルブ膜または強磁性トンネル接合素子の何れかによって構成することができる。
次に、本発明に係る薄膜磁気ヘッドの別の実施例について、図7、図8を参照して説明する。図7及び図8において、図1〜図6に表れた構成部分と同一の構成部分については、同一の参照符号を付してある。図示実施例の薄膜磁気ヘッドの基本的構造は、図1〜図6に図示した薄膜磁気ヘッドと同じである。
図1〜図6に図示され説明された薄膜磁気ヘッドと相違する点の1つは、第1のコイル231の内端281の上に、導体層282〜285を積層し、第1のコイル231を第2のコイル232に接続するための接続導体を形成したことである。導体層282〜285は、第3のポール片213、第4のポール片214、第2の磁性膜221及び第3の磁性膜222と同一の工程によって形成され、パターン化されたものである。
従って、図7及び図8に示した薄膜磁気ヘッドによれば、図1〜図6に示した薄膜磁気ヘッドの有する作用効果が得られる他、第1のコイル231を第2のコイル232に接続するための接続導体形成工程が簡単化されるという利点が得られる。
更に、本発明に係る薄膜磁気ヘッドの別の実施例について、図9及び図10を参照して説明する。図9及び図10において、図1〜図6に表れた構成部分と同一の構成部分については、同一の参照符号を付してある。図示実施例の薄膜磁気ヘッドの基本的構造は、図1〜図6に図示され、説明された薄膜磁気ヘッドと同じである。
図1〜図6に図示され説明された薄膜磁気ヘッドと相違する点の1つは、第1のコイル231の内端281の上に、導体層282〜284を積層し、第1のコイル231を第2のコイル232に接続するための接続導体を形成したことである。導体層282〜284は、第3のポール片213、第2の磁性膜221及び第3の磁性膜222と同一の工程によって形成され、パターン化されたものである。図9及び図10に示した薄膜磁気ヘッドによれば、図1〜図6に示した薄膜磁気ヘッドの有する作用効果が得られる他、第1のコイル231を第2のコイル232に接続するための接続導体形成工程が簡単化されるという利点が得られる。
もう一つの相違点は、第1のコイル231のみを備え、第1のコイル231のコイルターン間に生じるスペースを、絶縁膜252で埋め、絶縁膜252を絶縁膜254で覆ったことである。
2.薄膜磁気ヘッドの製造方法
(1)実施例1
製造方法に係る実施例1は、上述した薄膜磁気ヘッドのうち、第1のコイル231及び第2のコイル232を有する第1の態様に係る薄膜磁気ヘッド(図1〜図6)の製造プロセスである。図11〜図35に図示するプロセスは、ウエハー上で実行されるものであることを予め断っておく。
<図11の状態に至るプロセス>
図11を参照すると、基体15の上に付着された絶縁膜16の上に、第1のシ−ルド膜31、読み取り素子3、絶縁膜32、第2のシ−ルド膜33、絶縁膜34及び第1の磁性膜211を、周知のプロセスによって形成する。
具体例を述べると、絶縁膜16はアルミナ膜でなり、例えば、3μm程度の膜厚となるように形成する。第1のシールド膜31は、NiFeなどの磁性材料を用い、フレームメッキ法によって2〜3μmの膜厚として形成する。絶縁膜32は、一般には、2段階ステップで形成される。第1ステップでは、3〜4μmの膜厚のアルミナ膜を形成した後、その表面をCMPで平坦化し、その後、読み取り素子となるGMR素子3を形成する。その後、第2ステップで、GMR素子3を覆うアルミナ膜を成膜する。第2のシールと膜33はNiFeなどの磁性材料を用い、1.0〜1.5μmの膜厚となるように形成する。絶縁膜34は、0.2〜0.3μmのアルミナ膜として形成する。
第1の磁性膜211は、CoNiFe(2.1T)又はCoFeN(2.4T)を用い、3.0〜4.0μmの膜厚として形成する。第1の磁性膜211のうち、第1のポール片となる端部に、NiFe(80%:20%)もしくはNiFe(45%:55%)のメッキ膜、又は、FeAlN、FeN、FeCo、CoFeNもしくはFeZrNのスパッタ膜を、0.5〜0.6μmの厚みで形成してもよい。
その後、第1の磁性膜211の平坦な表面に、コイル形成に要する面積よりも少し大きい面積で、例えば、0.2μmの厚みの絶縁膜251を成膜し、絶縁膜251の表面にSeed膜260を形成する。Seed膜260は、絶縁膜251の表面及び第1の磁性膜211の表面を覆うように形成する。Seed膜260は、Cuメッキ下地膜として適切な材料を用い、Cu-CVDの適用によって、50nm〜80nmの膜厚となるように形成する。
次に、Seed膜260の上にフォトレジスト膜を、スピンコート法などの適用によって形成した後、コイルパターンを有するマスクを用いて露光し、現像する。これにより、所定のパターンを有するレジストフレームが形成される。フォトレジスト膜は、ポジティブフォトレジスト、ネガティブフォトレジストの何れでもよい。
次に、選択的Cuメッキ処理を実行し、コイル形成用パターンの内部に存在するSeed膜260の上に、第1のコイル231を、例えば3〜3.5μmの厚みとなるように成長させる。図11は、上記選択的Cuメッキ処理終了後の状態を示している。
<図12の状態に至るプロセス>
次に、第2のポール片212及びバックギャップ片216を形成するためのフォトリソグラフィ工程を実行して、ポール片及びバックギャップ片のためのレジストフレームを形成する。
次に、選択的メッキ処理を行い、第1の磁性膜211の上に第2のポール片212及びバックギャップ片216を成長させ、その後、レジストフレームを、ケミカルエッチングなどの手段によって除去する。これにより、図12に示すように、第1の磁性膜211の一面上に、ポール片212及びバックギャップ片216が間隔を隔てて形成される。ポール片212及びバックギャップ片216は、例えば、CoNiFe(1.9〜2.2T)により、3.5〜4.0μmの膜厚となるように成膜する。
<図13の状態に至るプロセス>
次に、図13に示すように、第1のコイル231、ポール片212及びバックギャップ片216を覆うフォトレジスト膜RS2を形成する。そして、フォトレジスト膜RS2をマスクとして、第1の磁性膜211を、Reactive Ion Etching(以下、RIEと称する)又はIon Beam Etching(以下IBEと称する)などのドライエッチングを実行し、パターニングする。
<図14の状態に至るプロセス>
図13に示した状態において、フォトレジスト膜RS2に対してフォトリソグラフィ工程を実行し、図14に示すように、第1のコイル231及びその周囲を覆うレジストカバーFR2を形成し、更に、レジストカバーFR2の全体を覆う絶縁膜253を付着させる。絶縁膜253は、4〜5μmの範囲の膜厚となるように形成する。図14は、絶縁膜253を形成した後の状態を示している。
<図15の状態に至るプロセス>
次に、絶縁膜253及びレジストカバーFR2を、Chemical MechaNical Polishing(以下、CMPと称する)によって研磨し、平坦化する。CMPにあたっては、アルミナ系スラリーを用いる。図15はCMP処理を施した後の状態を示している。
<図16の状態に至るプロセス>
次に、レジストカバーFR2を除去した後、絶縁膜251、253、第1のコイル231、第2のポール片212及びバックギャップ片216の表面及び側面に、0.1〜0.15μm程度の膜厚を有する絶縁膜252を付着させる。絶縁膜252をAl2O3膜として形成する場合、180〜220℃の温度条件で、H2O、N2、N2OまたはH2O2の減圧雰囲気中に、Al(CH3)3またはAlCl3を交互に断続的に噴射するアルミナCVD膜形成方法を採用することができる。
更に、絶縁膜252の表面に、Cu-CVDによって、0.05〜0.1μmの範囲の膜厚となるように、Seed膜261を付着させる。Seed膜261は、Cuを、例えば、50nmの膜厚となるようにスパッタした後、CVDを適用して、例えば50nmの膜厚のCu膜を成膜することによって得られる。この方法によれば、狭い領域内で、ステップカバレッジの良好な成膜を行うことができる。
次に、Seed膜261の上に、第2のコイルとなるメッキ膜232を、例えば、3〜4μmの膜厚となるように形成する。メッキ膜232は、Cuを主成分とする。図16は、メッキ膜232を形成した後の状態を示している。
<図17の状態に至るプロセス>
次に、図17に図示するように、メッキ膜232をCMPによって研磨し、平坦化する。このCMPによって、第2のコイル232が、平面状の渦巻きパターンとなるように、パターン化されるとともに、第1のコイル231から、絶縁膜252によって分離される。CMP後の第2のコイル232の膜厚は、例えば2.5〜3.0μmの範囲となる。CMPにおいては、第2のポール片212、バックギャップ片216および絶縁膜253の表面も、第1のコイル231及び第2のコイル232の表面と同一の平面となるように研磨される。
<図18の状態に至るプロセス>
次に、第1のコイル231及び第2のコイル232の表面を覆う絶縁膜254を付着させる。絶縁膜254は、Al2O3でなり、例えば、0.2〜0.3μmの膜厚となるように形成する。
次に、絶縁膜254を形成してある一面上で、フォトリソグラフィ工程を実行し、第1のコイル231の内端281と第2のコイル232の外端283(図6参照)とを接続する接続導体282のためのレジストフレーム、第3のポール片213及びバックギャップ片217のためのレジストフレームを形成し、得られたレジストフレームによって画定されたパターンにしたがって、フレームメッキを実行する。これにより、図18に示すように、接続導体282、第3のポール片213及びバックギャップ片217が形成される。接続導体282、第3のポール片213及びバックギャップ片217は、CoFe、CoNiFe(1.9〜2.1T)またはNiFeのメッキ膜であり、例えば、0.8〜1.5μmの範囲の膜厚を有する。
<図19の状態に至るプロセス>
次に、接続導体282、第3のポール片213及びバックギャップ片217を形成してある表面に、Al2O3でなる絶縁膜255を、例えば、1〜2μmの膜厚となるように付着させた後、絶縁膜255、第3のポール片213、バックギャップ片217及び接続導体281の表面を、CMPによって研磨する。このCMPは、第3のポール片213及びバックギャップ片217の膜厚が、例えば、0.2〜0.6μmの範囲となるように実行する。図19はCMP実行後の状態を示している。
<図20の状態に至るプロセス>
次に、図20に図示するように、絶縁膜255、第3のポール片213及びバックギャップ片217の被研磨面に、第4のポール片214(図3参照)のための磁性膜214を、例えば、0.5μm〜1μmの膜厚となるように、スパッタ形成する。磁性膜214は、CoFeN(2.4T)、FeAlN、FeN、FeCoまたはFeZrNによって構成することができる。実施例では、磁性膜214は、CoFeN(2.4T)によって構成されている。更に、磁性膜214の表面に、フレームメッキ法によって、NiFeまたはCoNiFeなどのパターンメッキ250を形成する。パターンメッキ250は、バックギャップ216、217及び第3のポール片213の真上に位置するように形成する。
<図21の状態に至るプロセス>
次に、図21に図示するように、パターンメッキ250をマスクとして、磁性膜214を、Ion Beamによってエッチングする。
<図22の状態に至るプロセス>
次に、アルミナなどでなる絶縁膜256を、2〜3μmの膜厚となるようにスパッタし、その後、絶縁膜256を、パターンメッキ250が除去される位置まで、CMPによって研磨し平坦化する。図22は、このCMP処理が終了した後の状態を示している。
<図23、図24の状態に至るプロセス>
次に、CMPによって平坦化された面に、ギャップ膜24を0.06〜0.1μmの膜厚となるように形成する。ギャップ膜24は、例えば、Ruなどの非磁性金属材料でなり、スパッタ等によって形成することができる。
次に、ギャップ膜24の表面、及び、平坦化面に、第2の磁性膜221を形成する。第2の磁性膜221は、HiBs材を用いて構成する。具体的には、FeAlN、FeN、CoFe、CoFeN、FeZrNなどのHiBs材料のうち、特に、CoFe、CoFeNが適している。第2の磁性膜221は、この後、第3の磁性膜をメッキによって形成する際に、Seed膜として用いられるものであり、例えば、0.3〜0.6μmの膜厚となるように形成する。
次に、第2の磁性膜221をSeed膜として、フレームメッキ法により、第3の磁性膜222を形成する。第3の磁性膜222は、例えば、NiFe(組成比55:45)、CoNiFe(組成比約67:15:18、1.9T〜2.1)、または、CoFe(組成比40:60、2.3T)等によって構成される。その厚みは、3.5〜4.0μmの範囲である。第3の磁性膜222は、広い部分223と、細い部分224とを有するように形成される。広い部分223は、第2のヨーク部を構成する部分であり、細い部分224は第2のポール部を構成する部分である。図23、図24は、第3の磁性膜222を形成した後の状態を示している。
この後、第3の磁性膜222をマスクとして、Seed膜として用いられた第2の磁性膜221を、Ion Millingでエッチングする。このときのIon Beamの照射角度は、例えば、30〜45度の範囲である。
<図25〜図27の状態に至るプロセス>
次に、図25〜図27に図示するように、第3の磁性膜222のうち、細い部分224を除き、第3の磁性膜222の広い部分223の全体を、レジストマスクFR3によって覆う。レジストマスクFR3は、5〜7μmの膜厚となるように付着させる。レジストマスクFR3は、第3の磁性膜222の上で凸状となり、第1のコイル231及び第2のコイル232をも覆うように広がる。
第2のヨーク部は、図27に図示するように、広い部分223を有するとともに、第2のポール部を構成する細い部分224に向かって、次第に幅が拡大するフレア部分225を含んでいる。レジストマスクFR3は、そのエッジが、フレアポイントFP1の近傍又はスロートハイトゼロの近傍において、細い部分224の表面に対して、直交するように形成してある。図示実施例では、レジストマスクFR3の対上がり位置は、フレアポイントFP1と一致しているが、対上がり位置は、ABSより後方側で、フレアポイントFP1の前後に設定できる。
<図28〜図31の状態に至るプロセス>
次に、図28〜図31に図示するように、レジストマスクFR3をエッチバックさせて、第2のヨーク部を構成する第3の磁性膜222の表面を露出させる。レジストマスクFR3をエッチバックさせるプロセスとしては、O2が混入されているプラズマによるドライエッチングプロセス、ハロゲン系又はフロン系のプラズマアッシングによる等方性のドライエッチングプロセス、又は、異方性のドライエッチングプロセスの何れかを採用することができる。これらのエッチング.プロセスによれば、平坦性に優れたドライエッチングを行うことができる。上述した異方性のドライエッチング.プロセスは、O2又はハロゲン系ガス、例えば、SF4、SF6などのフロン系ガスを用いて行うことができる。
エッチバックのプロセスにより、レジストマスクFR3が、第2の磁性膜221及び第3の磁性膜222の外周縁に沿い、ミスアライメントを生じることなく、自己整合的に、隙間なく完全に密着する。このため、その後のエッチングプロセスにおいて、第2の磁性膜221及び第3の磁性膜222の外周縁が、Ion Beamなどのエッチング手段によってアタックされることがなくなり、第2の磁性膜221及び第3の磁性膜222によって構成される第2のヨーク部が高精度のパターンとして形成されることになる。
第2の磁性膜221及び第3の磁性膜222は、図30、図31に図示するように、広い部分223を有するとともに、第2のポール部を構成する細い部分224に向かって、次第に幅が拡大するフレア部分225を含んでいる。本発明では、フレア部分225についても、レジストマスクが、ミスアライメントを生じることなく、自己整合的に、隙間なく完全に密着するから、その後のエッチングプロセスにおいて、フレア部分225の外周縁も、Ion Beamなどのエッチング手段によってアタックされることがなくなる。したがって、フレア部分225と細い部分224との境界に生じるフレアポイントFP1の変動を回避し、薄膜磁気ヘッドとしたときのABSからフレアポイントFP1までの距離を、一定した微小寸法に設定し、オーバライト特性を確保することができる。
<図32、図33の状態に至るプロセス>
次に、図32、33に図示するように、レジストマスクFR3において、第2のポール部に相当する細い部分に設けられた開口を通して、その内部に含まれる磁性膜221、222及び/又はギャップ膜24をエッチングする。このエッチングは、第1のポール部を構成する第4のポール片214の表面が現れるように実行する。
<図34、図35の状態に至るプロセス>
図32及び図33に図示したプロセスが終了した後、レジストマスクFR3を除去し、IBEにより、追加的なポールエッチングを行う。これにより、図34、及び、図35に示した状態になる。
上記追加的なエッチングによって、細い部分224の両側に凹部が生じる。このとき、第1のポール部P1を構成する磁性膜211〜214のうち、ギャップ膜24と隣接する磁性膜214(第4のポール片)については、その全部をエッチングするのではなく、凹部の底部に、当該磁性膜214の残部S1、S2が残るようにエッチングする。エッチング手段として、IBEを用いた場合、Ion Beamの照射角度の選定、及び、細い部分の幾何学的構造によって、磁性膜214は、底部の残部S1、S2の膜厚が、第1のポール部P1の根元部に近づくにつれて増大するようにエッチングされる。このような構造によれば、トラック幅を狭小化したままで、ギャップ膜24と隣接する磁性膜214の断面積を確保し、その磁気飽和を回避し、オーバライト特性を改善することができる。
この後、アルミナなどでなる保護膜258(図3、図4参照)を、例えば、20〜40μmの膜厚となるように形成して、プロセスが完了する。この後は、さらに、ウエハから、単品の薄膜磁気ヘッドを取り出すための切断加工、スロートハイト設定のための研磨工程、ABSの加工などの周知の工程が実行される。
次に、本発明に係るトリミング方法の利点について、従来トリミング方法と対比して説明する。
図36は本発明に係るトリミング方法を示す平面図、図38は図36に示したトリミングを経た後の状態を示す図である。図36を参照すると、上述したエッチバックのプロセスにより、レジストマスクFR3が、第2のヨーク部を構成する第3の磁性膜222の外周縁に沿い、ミスアライメントを生じることなく、自己整合的に、隙間なく完全に密着する。このため、その後のエッチングプロセスにおいて、第3の磁性膜222の外周縁が、Ion Beamなどのエッチング手段によってアタックされることがなくなり、第3の磁性膜222が高精度のパターンとして形成されることになる。
第3の磁性膜222は、広い部分223を有するとともに、第2のポール部を構成する細い部分224に向かって、次第に幅が拡大するフレア部分225を含んでいる。本発明では、フレア部分225についても、レジストマスクFR3が、ミスアライメントを生じることなく、自己整合的に、隙間なく完全に密着するから、その後のエッチングプロセスにおいて、フレア部分225の外周縁も、Ion Beamなどのエッチング手段によってアタックされることがなくなる。したがって、フレア部分225と細い部分224との境界に生じるフレアポイントFP1の変動を回避し、薄膜磁気ヘッドとしたときのABSからフレアポイントFP1までの距離Aを、一定した微小寸法に設定し、オーバライト特性を確保することができる。
図37は従来のトリミング方法を示す平面図、図39は図37のトリミングを経た後の状態を示す平面図である。従来は図37に図示するように、上部ヨークを構成する第3の磁性膜22の形状に沿って、コイル部分を覆うようにトリミング.マスクFR3を設けていた。
このために、上部ポールとなる細い部分224から上部ヨークとなる広い部分223にかけて、次第に幅が増大するフレア部分225が、Ion Beamによってトリミングされ、図39に示すように、幅の拡大を開始するフレア.ポイントFP1が、点FP2まで後退し、ABSからフレアポイントFP2までの距離Bまで拡大される。距離Bは距離Aよりも大きい(B>A)。
この後退は、磁気ボリュームを減少させ、オーバライト特性を劣化させる。なぜなら、フレア部分225において、フレアポイントFP1が、ABSに近いほど、優れたオーバライト特性が得られるからである。トラック幅が0.2μm以下に狭小化された場合は、特に、フレアポイントをABSに近づけなければならない。
本発明によれば、これら、従来のトリミング方法に付随する問題点を解決できることは、上述した説明から明らかである。
(2)実施例2
実施例2は、図7、図8に図示された薄膜磁気ヘッドの製造方法に係る。図40〜図58はその製造プロセスを示している。図40〜図58に図示するプロセスも、ウエハー上で実行されるものであることを予め断っておく。
<図40の状態に至るプロセス>
図40を参照すると、基体15の上に付着された絶縁膜16の上に、第1のシ−ルド膜31、読み取り素子3、絶縁膜32、第2のシ−ルド膜33、絶縁膜34及び第1の磁性膜211が、周知のプロセスによって形成されている。
具体例を述べると、絶縁膜16はアルミナ膜でなり、例えば、3μm程度の膜厚となるように形成する。第1のシールド膜31は、NiFeなどの磁性材料を用い、フレームメッキ法によって2〜2.5μmの膜厚として形成する。絶縁膜32は、一般には、2段階ステップで形成される。第1ステップでは、3〜4μmの膜厚のアルミナ膜を形成した後、その表面をCMPで平坦化し、その後、読み取り素子となるGMR素子3を形成する。その後、第2ステップで、GMR素子3を覆うアルミナ膜を成膜する。第2のシールと膜33はNiFeなどの磁性材料を用い、1.0〜1.5μmの膜厚となるように形成する。絶縁膜34は、0.2〜0.3μmのアルミナ膜として形成する。
第1の磁性膜211は、フレームメッキ法により、3.0〜4.0μmの範囲の膜厚となるように形成する。第1の磁性膜211は、CoFe(1.9T)またはCoFeN(2.4T)で構成することができる。第1の磁性膜211は、NiFe(80%:20%)、NiFe(45%:55%)またはCoNiFeのメッキ膜で構成できるほか、FeAlN、FeN、FeCo、CoFeNまたはFeZrNなどのスパッタ膜により、0.5〜0.6μmの膜厚として形成することもできる。
その後、第1の磁性膜211の平坦な表面に、コイル形成に要する面積よりも少し大きい面積で、絶縁膜251を、例えば、0.2μmの膜厚となるように形成した後、選択的に開口部OP1、OP2を形成し、絶縁膜251の面上に、選択的なフレームメッキ法により、第1のコイル231を形成する。第1のコイル231は、例えば3〜3.5μmの厚みとなるように成長させる。図40は、上記選択的Cuメッキ処理終了後の状態を示している。
<図41の状態に至るプロセス>
図40の状態から図41の状態に至るプロセスでは、開口部OP1、OP2を通して、選択的メッキ処理を行い、第1の磁性膜211の上にポール片及びバックギャップ片を、例えば3.5μmの膜厚となるように形成し、その後、レジストフレームを、ケミカルエッチングなどの手段によって除去する。これにより、図41に示すように、第1の磁性膜211の一面上に、ポール片212及びバックギャップ片216が間隔を隔てて形成される。ポール片212及びバックギャップ片216は、CoNiFe(組成比67:15:18 1.8〜1.9T)又はFeCo(組成比60:40 2.4T)で構成することができる。
<図42の状態に至るプロセス>
図41の状態から図42の状態に至るプロセスでは、第1のコイル231、ポール片221及びバックギャップ片216を覆うフォトレジスト膜RS4を形成する。そして、フォトレジスト膜RS4によるレジストカバーをマスクにして、IBE(以下、IBEと称する)により、第1の磁性膜211を、選択的にエッチングし、パターニングする。
<図43の状態に至るプロセス>
図42の状態から図43の状態に至るプロセスでは、図42に図示されたレジストカバーRS4を除去した後、図43に図示するように、絶縁膜251、第1のコイル231、第2のポール片212及びバックギャップ片216の表面及び側面に、絶縁膜252を付着させる。絶縁膜252は、具体的には、Al2O3−CVDによって形成されるもので、0.05〜0.15μmの膜厚となるように形成する。絶縁膜252は、減圧雰囲気下で、100℃以上の温度で形成する。絶縁膜252をAl2O3膜として形成する場合、H2O、N2、N2OまたはH2O2の減圧雰囲気中に、Al(CH3)3またはAlCl3を交互に断続的に噴射するアルミナCVD膜形成方法を採用することができる。
次に、絶縁膜252の表面に、Seed膜261を付着させる。Seed膜261は、例えば、膜厚50nmのCuスパッタ膜、及び、膜厚50nmのCu-CVD膜の積層膜として構成することができる。Seed膜261を、Cu-CVD膜として形成することにより、Seed膜261を、第1のコイル231の凹凸に正確に追従して、第1のコイル231の側面、底面、底角及び表面に、良好なステップカバレッジを保って付着させることができる。
<図44の状態に至るプロセス>
図43の状態から図44の状態に至るプロセスでは、Seed膜261の上に、第2のコイルとなるメッキ膜232を、フレームメッキ法により、例えば、3〜5μmの膜厚となるように形成する。
Seed膜261は、Cu-CVD膜として形成され、第1のコイル231の凹凸に正確に追従して、第1のコイル231の側面、底面、底角及び表面に、良好なステップカバレッジを保って付着させてあるから、第1のコイル231のコイルターン間に生じる細く長い空間に対して、底部にキーホールを生じることなく、メッキ膜232を形成することができる。メッキ膜232は、Cuを主成分とし、選択メッキ法によって形成する。メッキ膜232によって覆われていないSeed膜261は、希塩酸、希硫酸もしくは硫酸銅などを用いたウエットエッチング、又は、Ion Millingなどのドライエッチングによって除去する。
その後、メッキ膜232及びメッキ膜232によって覆われていない領域、及び、メッキ膜232を覆うように、Al2O3でなる絶縁膜253を形成する。絶縁膜253は、3〜5μmのスパッタ膜として形成する。
<図45の状態に至るプロセス>
図44の状態から図45の状態に至るプロセスでは、絶縁膜253及びメッキ膜232をCMPによって研磨し、平坦化する。これにより、第2のコイル232が、平面状の渦巻きパターンとなるように、パターン化されるとともに、第1のコイル231から、絶縁膜252によって分離される。CMPにおいては、第2のポール片212、バックギャップ片216および絶縁膜253の表面も、第1のコイル231及び第2のコイル232の表面と同一の平面となるように研磨される。
<図46の状態に至るプロセス>
図45の状態から図46の状態に至るプロセスでは、第1のコイル231及び第2のコイル232の表面を覆う絶縁膜254を付着させる。絶縁膜254は、Al2O3でなり、例えば、0.2μm〜0.5μmの膜厚となるように形成する。
次に、絶縁膜254に対して、リアクティブイオンエッチング(以下RIEと称する)又はIon Millingを施し、第3のポール片213及びバックギャップ片217(図7、図8参照)のための開口を形成する。その後、メッキにより、第3のポール片213及びバックギャップ片217を形成する。第3のポール片213及びバックギャップ片217を形成した後は、レジストフレームは除去する。第3のポール片213及びバックギャップ片217は、CoFe(2.2T)又はCoNiFe(1.9T又は2.1T)のメッキ膜であり、例えば、1〜2μmの範囲の膜厚を有する。
次に、第3のポール片213及びバックギャップ片217を形成してある表面に、Al2O3でなる絶縁膜255を、例えば、1〜2μmの膜厚となるように付着させた後、絶縁膜255、第3のポール片213及びバックギャップ片217の表面を、CMPによって研磨する。このCMPにより、第3のポール片213及びバックギャップ片217は、絶縁膜255の内部に自己整合的に埋め込まれることになる。
<図47、図48の状態に至るプロセス>
図46の状態から図47の状態に至るプロセスでは、絶縁膜255、第3のポール片213及びバックギャップ片217の被研磨面に、磁性膜214を、例えば、0.5〜1.0μmの膜厚となるように形成する。磁性膜214は、CoFeN(2.4T)のメッキ膜、又は、FeAlN、FeN、FeCoもしくはFeZrNのスパッタ膜によって構成することができる。この後、第3のポール片213及びバックギャップ片217の上に、NiFeまたはCoNiFeのパターンメッキ膜でなるマスク250が形成される。そして、マスク250を介して、磁性膜214をIBEの適用によってパターニングする。
これにより、図48に図示するように、第4のポール片214と、バックギャップ片218が形成される。
パターンメッキ膜でなるマスク250を用いて磁性膜214をパターニングする場合、Ion Beamが用いられ、その照射角度を零度と75度に設定する。これにより、HiBs材でなる磁性膜214を選択的にパターニングすることができる。
磁性膜214は上記とは異なる方法によってもパターニングすることができる。例えば、Cl2またはBCl3+Cl2などのハロゲン系ガス雰囲気中、50℃〜300℃の高温で、RIEを実行し、磁性膜214を、例えば、その膜厚の80%程度までエッチングする。RIEを行うときの温度は、50℃以上、特に、200〜250℃の範囲が好ましい。この温度範囲であれば、高精度のパターンを得ることができる。
また、Cl2系ガスにO2を導入することで、エッチングプロファイルを正確にコントロールできる。特に、BCl3+Cl2ガスにO2を混入することにより、残存ボロンガスの堆積物を綺麗に除去できるので、エッチングプロファイルを極めて正確にコントロールできる。
さらに、Cl2、BCl3+Cl2またはこれらにO2を混入したガスに、C O2ガスを混合したエッチングガスを用いることにより、RIEのエッチングスピードが速まり、Mask材との選択比が30〜50%も向上する。
上述のようにして、磁性膜214を一部(80%程度)エッチングした後、残存する磁性膜214に対して、追加的なIBEを施す。このIBEは、例えば、40〜75度の照射角度で行う。
上述したように、NiFeまたはCoNiFeのパターンメッキ膜でなるマスク250を用いて、磁性膜214をパターニングすることにより、第4のポール片214を正確に形成することができる。このため、第4のポール片214によって定まるスロートハイトを高精度でコントロールすることができる。例えば、スロートハイトを、0.1〜0.5μm又は0.2〜0.7μmのように、自由にコントロールすることができる。したがって、書き込み電流の立ち上がりが速く、かつ、オーバライト特性の優れた薄膜磁気ヘッドを得ることができる。
しかも、厚いHiBs材で構成された第4のポール片214によってスロートハイトが決定されるため、メディアに磁気記録を与えるための書き込み磁束を、途中の漏洩を減少させながら、ポール端に集中させることができる。このため、サイドライトやサイドイレーズの問題が解消される。
<図49、図50の状態に至るプロセス>
図48の状態から図49の状態に至るプロセスでは、Al2O3でなる絶縁膜256を、スパッタなどの手段によって、3〜4μmの膜厚となるように付着させる。この後、図50に図示するように、絶縁膜256、第4のポール片214及びバックギャップ片218の表面を、CMPによって研磨して平坦化する。これにより、第4のポール片214及びバックギャップ片218は、絶縁膜256の内部に自己整合的に埋め込まれることになる。
<図51及び図52の状態に至るプロセス>
図50の状態から図51、図52の状態に至るプロセスでは、平坦化された研磨面に、フォトリソグラフィの適用によって形成されたレジストフレームを用い、第3の磁性膜222を、フレームメッキメッキ法によって選択的に形成する。第3の磁性膜222は、CoNiFe(組成比67:15:18 1.8〜1.9T)又はFeCo(組成比60:40 2.4T)で構成することができる。その厚みは、例えば、3.5〜4.0μmの範囲である。第3の磁性膜222は、ヨークの主要部を占める広い部分223と、ポール部となる細い部分224とを有するパターンである。
<図53及び図54の状態に至るプロセス>
図51、52の状態から図53、図54の状態に至るプロセスでは、Ion Beamを、30〜50度の角度で照射し、第3の磁性膜222をマスクとして、第2の磁性膜221をエッチングし、除去する。
<図55及び図56の状態に至るプロセス>
次に、図55、図56に図示するように、第3の磁性膜222のうち、細い部分224を除き、第3の磁性膜222の広い部分223の全体を、レジストマスクFR4によって覆う。レジストマスクFR4は、5〜7μmの膜厚となるように付着する。レジストマスクFR4は、第3の磁性膜222の上で凸状となり、第1のコイル231及び第2のコイル232をも覆うように広がる。
<図57及び図58の状態に至るプロセス>
次に、図57、図58に図示するように、レジストマスクFR4をエッチバックさせて、第2のヨーク部を構成する第3の磁性膜222の表面を露出させる。レジストマスクFR4をエッチバックさせるプロセスとしては、O2が混入されているプラズマによるドライエッチングプロセス、ハロゲン系又はフロン系のプラズマアッシングによる等方性のドライエッチングプロセス、又は、異方性のドライエッチングプロセスの何れかを採用することができる。これらのエッチング.プロセスによれば、平坦性に優れたドライエッチングを行うことができる。上述した異方性のドライエッチング.プロセスは、O2又はハロゲン系ガス、例えば、SF4、SF6などのフロン系ガスを用いて行うことができる。
エッチバックのプロセスにより、レジストマスクFR4が、第2の磁性膜221及び第3の磁性膜222の外周縁に沿い、ミスアライメントを生じることなく、自己整合的に、隙間なく完全に密着する。このため、その後のエッチングプロセスにおいて、第2の磁性膜221及び第3の磁性膜222の外周縁が、Ion Beamなどのエッチング手段によってアタックされることがなくなり、第2の磁性膜221及び第3の磁性膜222によって構成される第2のヨーク部が高精度のパターンとして形成されることになる。
フレア部分についても、レジストマスクが、ミスアライメントを生じることなく、自己整合的に、隙間なく完全に密着するから、その後のエッチングプロセスにおいて、フレア部分225の外周縁も、Ion Beamなどのエッチング手段によってアタックされることがなくなる。したがって、フレア部分と細い部分224との境界に生じるフレアポイントの変動を回避し、薄膜磁気ヘッドとしたときのABSからフレアポイントまでの距離を、一定した微小寸法に設定し、オーバライト特性を確保することができる。
次に、レジストマスクFR4において、第2のポール部に相当する細い部分に設けられた開口を通して、その内部に含まれる磁性膜及び/又はギャップ膜24をエッチングする。細い部分に対する上記エッチングにより、0.1〜0.2μmの狭トラック幅を有する高記録面密度対応型の薄膜磁気ヘッドが実現される。
上記エッチングによって、細い部分の両側に凹部が生じる。このとき、第1のポール部P1を構成する磁性膜211〜214のうち、ギャップ膜24と隣接する磁性膜214(第4のポール片)については、その全部をエッチングするのではなく、凹部の底部に、当該磁性膜214の残部S1、S2が残るようにエッチングする。エッチング手段として、IBEを用いた場合、Ion Beamの照射角度の選定、及び、細い部分の幾何学的構造によって、磁性膜214は、底部の残部S1、S2の膜厚が、その根元部に近づくにつれて増大するようにエッチングされる。このような構造によれば、トラック幅を狭小化したままで、ギャップ膜24と隣接する磁性膜214の断面積を確保し、その磁気飽和を回避し、オーバライト特性を改善することができる。
図57及び図58に図示したプロセスが終了した後、レジストマスクFR4を除去する。この後、アルミナなどでなる保護膜258(図3、図4参照)を、例えば、20〜40μmの膜厚となるように形成して、プロセスが完了する。この後は、さらに、ウエハから、単品の薄膜磁気ヘッドを取り出すための切断加工、スロートハイト設定のための研磨工程、ABSの加工などの周知の工程が実行される。
(3)実施例3
実施例3は、図9及び図10に図示した薄膜磁気ヘッドの製造プロセスであり、図59〜図65に図示されている。実施例1または実施例2において図示され、説明されたプロセスであって、実施例3においても適用されるプロセスについては、実施例1又は実施例2の説明を参照し、図示は省略することがある。
<図59の状態に至るプロセス>
基体15の上に付着された絶縁膜16の上に、第1のシ−ルド膜31、読み取り素子3、絶縁膜32、第2のシ−ルド膜33、絶縁膜34及び第1の磁性膜211を、周知のプロセスによって形成する。
具体例を述べると、絶縁膜16はアルミナ膜でなり、例えば、3μm程度の膜厚となるように形成する。第1のシールド膜31は、NiFeなどの磁性材料を用い、フレームメッキ法によって2〜3μmの膜厚として形成する。絶縁膜32は、一般には、2段階ステップで形成される。第1ステップでは、3〜4μmの膜厚のアルミナ膜を形成した後、その表面をCMPで平坦化し、その後、読み取り素子となるGMR素子3を形成する。その後、第2ステップで、GMR素子3を覆うアルミナ膜を成膜する。第2のシールと膜33はNiFeなどの磁性材料を用い、1.0〜1.5μmの膜厚となるように形成する。絶縁膜34は、0.2〜0.3μmのアルミナ膜として形成する。
第1の磁性膜211は、CoNiFe(2.1T)又はCoFeN(2.4T)を用い、1.5〜2.0μmの膜厚として形成する。第1の磁性膜211のうち、第1のポール片となる端部に、NiFe(80%:20%)もしくはNiFe(45%:55%)のメッキ膜、又は、FeAlN、FeN、FeCo、CoFeNもしくはFeZrNのスパッタ膜を、0.5〜0.6μmの厚みで形成し、Ion Millingでパターン化してもよい。
その後、第1の磁性膜211の平坦な表面に、コイル形成に要する面積よりも少し大きい面積で、絶縁膜251を、例えば、0.2〜0.3μmの膜厚で形成する。絶縁膜251は、バックギャップ部及びポール部に相当する部分に開口が生じるように形成する。そして、この開口に、フレームメッキ法の適用によって、第2のポール片212及び第1のバックギャップ片216を形成する。図59は第2のポール片212及び第1のバックギャップ片216を形成した後の状態を示している。
<図60の状態に至るプロセス>
図59の工程の後、絶縁膜251を形成してある一面上で、フォトリソグラフィ工程を実行し、レストフレームメッキ法により、第1のコイル231を、2.5〜3.5μmの膜厚で形成する。次に、第1のコイル231のコイルターン間のスペースに、フォトレジストでなる絶縁膜252を形成する。
次に、ポール片213及びバックギャップ片217を形成してある表面に、Al2O3でなる絶縁膜254を、例えば、3〜4μmの膜厚となるように付着させた後、絶縁膜254、ポール片212及びバックギャップ片216の表面を、CMPによって研磨する。図60はCMPが終了した後の状態を示している。
<図61及び図62の状態に至るプロセス>
図60の状態から図61及び図62に至るには、まず、絶縁膜254を形成してある一面上に、HiB材であるCoFeでなる磁性膜を、0.5〜0.6μmの膜厚で形成した後、CoFeでなる前記磁性膜の面上に、接続導体281、第2のポール片212及びバックギャップ片212と対応するメッキパターンを形成する。そして、メッキパターンをマスクとして、磁性膜213をIon Millingによってエッチングする。これにより、接続導体282、第3のポール片213及びバックギャップ片217が得られる。
次に、接続導体282、第3のポール片213及びバックギャップ片217を形成してある表面に、Al2O3でなる絶縁膜255を、例えば、2〜3μmの膜厚となるように付着させた後、絶縁膜255、第3のポール片213、バックギャップ片217及び接続導体281の表面を、CMPによって研磨する。
次に、CMPによって平坦化された面に、ギャップ膜24を0.06〜0.1μmの膜厚となるように形成する。ギャップ膜24は、例えば、Ruなどの非磁性金属材料でなり、スパッタ等によって形成することができる。
次に、ギャップ膜24の表面、及び、平坦化面に、第2の磁性膜221を形成する。第2の磁性膜221は、HiBs材を用いて構成する。具体的には、FeAlN、FeN、CoFe、CoFeN、FeZrNなどのHiBs材料のうち、特に、CoFe及びCoFeNが適している。第2の磁性膜221は、この後、第3の磁性膜をメッキによって形成する際に、Seed膜として用いられるものであり、例えば、0.3〜0.6μmの膜厚となるように形成する。
この後、第2の磁性膜221をSeed膜として、フレームメッキ法により、第3の磁性膜222を形成する。第3の磁性膜222は、例えば、NiFe(組成比55:45)、CoNiFe(組成比約67:15:18、1.9T〜2.1)、または、CoFe(組成比40:60、2.3T)等によって構成される。その厚みは、3.5〜4.0μmの範囲である。第3の磁性膜222は、広い部分223と、細い部分224とを有するように形成される(図26参照)。広い部分223は、第2のヨーク部を構成する部分であり、細い部分224は第2のポール部を構成する部分である。
次に、第3の磁性膜222のうち、細い部分224を除き、第3の磁性膜222の広い部分23の全体を、レジストマスクFR5によって覆う。レジストマスクFR3は、第1のコイル231及び第2のコイル232をも覆うように広がっている。また、レジストマスクFR5は、その端面が、細い部分224の表面に対して、直交するように形成する。図61及び図62はレジストマスクFR3を形成した後の状態を示している。
<図63及び図64の状態に至るプロセス>
次に、図63、図64に図示するように、レジストマスクFR5をエッチバックさせて、第2のヨーク部を構成する第3の磁性膜222の表面を露出させる。レジストマスクFR5をエッチバックさせるプロセスとしては、O2が混入されているプラズマによるドライエッチングプロセス、ハロゲン系又はフロン系のプラズマアッシングによる等方性のドライエッチングプロセス、又は、異方性のドライエッチングプロセスの何れかを採用することができること、これらのエッチング.プロセスによれば、平坦性に優れたドライエッチングを行うことができること、上述した異方性のドライエッチング.プロセスは、O2又はハロゲン系ガス、例えば、SF4、SF6などのフロン系ガスを用いて行うことができること、などは既に述べたとおりである。
次に、エッチングバックされたレジストマスクFR5を用いて、第2のポール部に相当する細い部分に設けられた開口を通して、エッチングする。このエッチングは、第1のポール部を構成する第3のポール片213の表面まで実行する。
ここで、エッチバックのプロセスにより、レジストマスクFR5が、第2の磁性膜221及び第3の磁性膜222の外周縁に沿い、ミスアライメントを生じることなく、自己整合的に、隙間なく完全に密着する。このため、その後の開口部を通したエッチングプロセスにおいて、第2の磁性膜221及び第3の磁性膜222の外周縁が、Ion Beamなどのエッチング手段によってアタックされることがなくなり、第2の磁性膜221及び第3の磁性膜222によって構成される第2のヨーク部が高精度のパターンとして形成されることになる。
第2の磁性膜221及び第3の磁性膜222は、広い部分223を有するとともに、第2のポール部を構成する細い部分224に向かって、次第に幅が拡大するフレア部分225(図5など参照)を含んでいる。本発明では、フレア部分225についても、レジストマスクが、ミスアライメントを生じることなく、自己整合的に、隙間なく完全に密着するから、その後のエッチングプロセスにおいて、フレア部分225の外周縁も、Ion Beamなどのエッチング手段によってアタックされることがなくなる。したがって、フレア部分225と細い部分224との境界に生じるフレアポイントFP1の変動を回避し、薄膜磁気ヘッドとしたときのABSからフレアポイントFP1までの距離を、一定した微小寸法に設定し、オーバライト特性を確保することができる。
<図65の状態に至るプロセス>
図63及び図64に図示したプロセスが終了した後、レジストマスクFR3を除去し、その後、IBEを用い、第1のポール部に含まれる第3のポール片213を、追加的にエッチングする。
上記エッチングによって、図65に図示するように、細い部分の両側に凹部が生じる。このとき、ギャップ膜24と隣接する磁性膜213(第3のポール片)については、その全部をエッチングするのではなく、凹部の底部に、当該磁性膜213の残部S1、S2が残るようにエッチングする。エッチング手段として、IBEを用いた場合、Ion Beamの照射角度の選定、及び、細い部分の幾何学的構造によって、磁性膜213は、底部の残部S1、S2の膜厚が、第3のポール片213の根元部に近づくにつれて増大するようにエッチングされる。このような構造によれば、トラック幅を狭小化したままで、ギャップ膜24と隣接する磁性膜213の断面積を確保し、その磁気飽和を回避し、オーバライト特性を改善することができる。
この後、アルミナなどでなる保護膜258(図3、図4参照)を、例えば、20〜40μmの膜厚となるように形成して、ウエハ上でのプロセスがほぼ完了する。さらに、ウエハから、単品の薄膜磁気ヘッドを取り出すための切断加工、スロートハイト設定のための研磨工程、ABSの加工などの周知の工程が実行される。
3.磁気ヘッド装置及び磁気記録再生装置
本発明は、更に、磁気ヘッド装置及び磁気記録再生装置についても開示する。図66及び図67を参照すると、本発明に係る磁気ヘッド装置は、図1〜図10に示した薄膜磁気ヘッド400と、ヘッド支持装置6とを含む。ヘッド支持装置6は、金属薄板でなる支持体61の長手方向の一端にある自由端に、同じく金属薄板でなる可撓体62を取付け、この可撓体62の下面に薄膜磁気ヘッド400を取付けた構造となっている。
具体的には、可撓体62は、支持体61の長手方向軸線と略平行して伸びる2つの外側枠部621、622と、支持体61から離れた端において外側枠部621、622を連結する横枠623と、横枠623の略中央部から外側枠部621、622に略平行するように延びていて先端を自由端とした舌状片624とを有する。横枠623のある方向とは反対側の一端は、支持体61の自由端付近に溶接等の手段によって取付けられている。
支持体61の下面には、例えば半球状の荷重用突起625が設けられている。この荷重用突起625により、支持体61の自由端から舌状片624へ荷重力が伝えられる。
薄膜磁気ヘッド400は、舌状片624の下面に接着等の手段によって取付けられている。薄膜磁気ヘッド400は、ピッチ動作及びロール動作が許容されるように支持されている。
本発明に適用可能なヘッド支持装置6は、上記実施例に限定するものではなく、これまで提案され、またはこれから提案されることのあるヘッド支持装置を、広く適用できる。例えば、支持体61と舌状片624とを、タブテープ(TAB)等のフレキシブルな高分子系配線板を用いて一体化したもの等を用いることもできる。また、従来より周知のジンバル構造を持つものを自由に用いることができる。
次に、図68を参照すると、本発明に係る磁気記録再生装置は、軸70の回りに回転可能に設けられた磁気ディスク71と、磁気ディスク71に対して情報の記録及び再生を行う薄膜磁気ヘッド72と、薄膜磁気ヘッド72を磁気ディスク71のトラック上に位置決めするためのアッセンブリキャリッジ装置73とを備えている。
アセンブリキャリッジ装置73は、軸74を中心にして回動可能なキャリッジ75と、このキャリッジ75を回動駆動する例えばボイスコイルモータ(VCM)からなるアクチュエータ76とから主として構成されている。
キャリッジ75には、軸74の方向にスタックされた複数の駆動アーム77の基部が取り付けられており、各駆動アーム77の先端部には、薄膜磁気ヘッド72を搭載したヘッドサスペンションアッセンブリ78が固着されている。各ヘッドサスペンションアセンブリ78は、その先端部に有する薄膜磁気ヘッド72が、各磁気ディスク71の表面に対して対向するように駆動アーム77の先端部に設けられている。
駆動アーム77、ヘッドサスペンションアッセンブリ78及び薄膜磁気ヘッド72は、図66、図67を参照して説明した磁気ヘッド装置を構成する。薄膜磁気ヘッド72は、図1〜図10に示した構造を有する。従って、図68に示した磁気記録再生装置は、図1〜図10を参照して説明した作用効果を奏する。
以上、好ましい実施例を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の変形態様を採り得ることは自明である。
本発明に係る薄膜磁気ヘッドをABS側から見た平面図である。 図1に示した薄膜磁気ヘッドの断面図である。 図1、図2に示した薄膜磁気ヘッドの電磁変換部分の構造を、拡大して示す断面図である。 図3に示した電磁変換部分をABS側から見た図である。 図3及び図4に示した電磁変換部分のうち、書き込み素子の部分を切り取って示す斜視図である。 図3乃至図5に示した電磁変換部分における書き込み素子のコイル構造を示す平面図である。 本発明に係る薄膜磁気ヘッドの電磁変換部分について、別の実施例を、拡大して示す断面図である。 図7に示した電磁変換部分をABS側から見た図である。 本発明に係る薄膜磁気ヘッドの電磁変換部分について、更に別の実施例を、拡大して示す断面図である。 図9に示した電磁変換部分をABS側から見た図である。 図3乃至図6に示した電磁変換部を持つ薄膜磁気ヘッドの製造工程を示す図である。 図11に示した工程の後の工程を示す図である。 図12に示した工程の後の工程を示す図である。 図13に示した工程の後の工程を示す図である。 図14に示した工程の後の工程を示す図である。 図15に示した工程の後の工程を示す図である。 図16に示した工程の後の工程を示す図である。 図17に示した工程の後の工程を示す図である。 図18に示した工程の後の工程を示す図である。 図19に示した工程の後の工程を示す図である。 図20に示した工程の後の工程を示す図である。 図21に示した工程の後の工程を示す図である。 図22に示した工程の後の工程を示す図である。 図23に示した工程をABS側から見た図である。 図23及び図24に示した工程の後の工程を示す図である。 図25に示した工程をABS側から見た図である。 図25に示した工程を平面視した図である。 図25〜図27に示した工程の後の工程を示す図である。 図28に示した工程をABS側から見た図である。 図28及び図29に示した工程において、書き込み素子の部分を切り取って示す斜視図である。 図28〜図30に示した工程を平面視した図である。 図28〜図31に示した工程の後の工程を示す図である。 図32に示した工程をABS側から見た図である。 図32及び図33に示した工程の後の工程を示す図である。 図34に示した工程をABS側から見た図である。 図34及び図35に示した工程の詳細を示す図である。 従来の工程を示す図である。 図36に示した工程を経て得られた第2のヨーク部のパターンを示す図である。 図37に示した従来工程を経て得られた第2のヨーク部のパターンを示す図である。 図7及び図8に示した薄膜磁気ヘッドの工程を示す図である。 図40に示した工程の後の工程を示す図である。 図41に示した工程の後の工程を示す図である。 図42に示した工程の後の工程を示す図である。 図43に示した工程の後の工程を示す図である。 図44に示した工程の後の工程を示す図である。 図45に示した工程の後の工程を示す図である。 図46に示した工程の後の工程を示す図である。 図47に示した工程の後の工程を示す図である。 図48に示した工程の後の工程を示す図である。 図49に示した工程の後の工程を示す図である。 図50に示した工程の後の工程を示す図である。 図51に示した工程をABS側から見た図である。 図51及び図52に示した工程の後の工程を示す図である。 図53に示した工程をABS側から見た図である。 図53及び図54に示した工程の後の工程を示す図である。 図55に示した工程をABS側から見た図である。 図55及び図56に示した工程の後の工程を示す図である。 図57に示した工程を、ABS側から見た図である。 図9及び図10に示した薄膜磁気ヘッドの製造工程を示す図である。 図59に示した工程の後の工程を示す図である。 図60に示した工程の後の工程を示す図である。 図61に示した工程をABS側から見た図である。 図61及び図62に示した工程の後の工程を示す図である。 図63に示した工程をABS側から見た図である。 図65に示した工程の後の工程を示す図である。 本発明に係る薄膜磁気ヘッドを用いた磁気ヘッド装置の正面図である。 図66に示した磁気ヘッド装置を底面側(ABS側)から見た図である。 本発明に係る薄膜磁気ヘッド及び磁気ヘッド装置と、磁気記録媒体とを組み合わせた磁気記録再生装置を、概略的に示す斜視図である。
符号の説明
2 書き込み素子(電磁変換素子)
211 第1のヨーク部(第1の磁性膜)
221 第2のヨーク部(第2の磁性膜)
222 第2のヨーク部(第3の磁性膜)
24 ギャップ膜
P1、P2 第1〜第2のポール部
212〜214 第2〜第4のポール片
216〜218 バックギャップ片(バックギャップ部)
231、232 第1〜第2のコイル(メッキ膜)
3 読み取り素子(電磁変換素子/GMR素子)
72、400 薄膜磁気ヘッド

Claims (18)

  1. 書き込み素子を含む薄膜磁気ヘッドであって、
    前記書き込み素子は、第1のヨーク部と、第1のポール部と、第2のポール部と、第2のヨーク部と、ギャップ膜と、コイルとを含んでおり、
    前記第1のポール部は、媒体対向面側において、前記第1のヨーク部の前記一面上に突設され、上端が縮小された幅を有しており、
    前記第2のポール部は、前記第1のポール部の前記上端と、前記ギャップ膜を介して、同一幅で対向しており、
    前記第2のヨーク部は、前記媒体対向面側が前記第2のポール部に連続し、その反対側である後方側が、バックギャップ部により、前記第1のヨーク部と結合されており、
    前記コイルは、前記第1の磁性膜の前記一面上で、前記バックギャップ部の周りを、渦巻き状に周回しており、
    さらに、前記第1のポール部は、前記ギャップ膜と隣接する磁性膜が、幅方向の両側において、前記第2のポール部の幅に合わせてエッチングされ、エッチングによって生じた凹部の底部に、前記磁性膜の残部が存在し、前記残部は膜厚が前記第1のポール部の根元部に近づくにつれて増大する
    薄膜磁気ヘッド。
  2. 請求項1に記載された薄膜磁気ヘッドであって、
    前記コイルは、第1のコイルと、第2のコイルとを含み、
    前記第1のコイル及び前記第2のコイルは、前記第1の磁性膜の前記一面上に形成された第1の絶縁膜の面上で、前記バックギャップ部の周りを、渦巻き状に周回し、一方が、他方のコイルターン間のスペースに、第2の絶縁膜を介して嵌め込まれ、同一方向の磁束を生じるように接続されている
    薄膜磁気ヘッド。
  3. 請求項1又は2の何れかに記載された薄膜磁気ヘッドであって、
    前記コイルは、コイルターン間のスペースが、有機絶縁樹脂によって埋められており、
    前記コイル及び前記有機樹脂は、無機絶縁材料でなる第3の絶縁膜によって覆われており、
    前記第3の絶縁膜は、表面が平坦化されており、
    前記第1のポール部は、第1のポール片と、第2のポール片と、第3のポール片とを含み、
    前記第1のポール片は、前記第1の磁性膜の端によって構成されており、
    前記第2のポール片は、一面が前記第1のポール片に隣接しており、
    前記第3のポール片は、一面が前記第2のポール片の他面に隣接しており、
    前記第2のポール片は、前記他面が、前記第3の絶縁膜の平坦化された平面と、同一位置になるように平坦化されており、
    前記第3のポール片は、前記他面が、前記第3の絶縁膜の平坦化された平面に設けられた第4の絶縁膜の表面と同一位置になるように平坦化されており、
    前記ギャップ膜は、前記第3のポール片及び前記第4の絶縁膜の平坦化された表面上に存在する
    薄膜磁気ヘッド。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載された薄膜磁気ヘッドであって、更に、読み取り素子を含んでおり、前記読み取り素子は、巨大磁気抵抗効果素子を含む薄膜磁気ヘッド。
  5. 請求項4に記載された薄膜磁気ヘッドであって、前記巨大磁気抵抗効果素子は、スピンバルブ膜または強磁性トンネル接合の何れかを含む薄膜磁気ヘッド。
  6. 薄膜磁気ヘッドと、磁気記録媒体とを含む磁気記録再生装置であって、
    前記薄膜磁気ヘッドは、請求項1乃至5の何れかに記載されたものでなり、
    前記磁気記録媒体は、前記薄膜磁気ヘッドと協働して磁気記録再生を行う
    磁気記録再生装置。
  7. 書き込み素子を有する薄膜磁気ヘッドの製造方法であって、
    前記薄膜磁気ヘッドは、請求項1乃至5の何れかに記載されたものでなり、
    前記書き込み素子の製造にあたり、
    前記第2のヨーク部となる磁性膜を、均一な膜厚となるように形成した後、前記第2のヨーク部をレジストマスクによって覆い、前記レジストマスクは、前記第2のポール部に対応する開口を有しており、
    次に、レジストマスクをエッチバックさせて、前記第2のヨーク部を露出させ、
    その後、前記開口を通して、その内部に含まれる磁性膜及び/又はギャップ膜をエッチングする
    工程を含む薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  8. 請求項7に記載された薄膜磁気ヘッドの製造方法であって、
    前記第2のヨーク部は、第2の磁性膜と、第3の磁性膜とを含んでおり、
    前記ギャップ膜と隣接して、前記第2の磁性膜を、均一な膜厚となるように形成した後、前記第2の磁性膜の上に、第3の磁性膜を形成し、
    その後、前記第3の磁性膜の上に前記レジストマスクを形成する
    工程を含む薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  9. 請求項8に記載された薄膜磁気ヘッドの製造方法であって、
    前記第3の磁性膜を形成した後、前記レジストマスクを形成する前、前記第3の磁性膜をマスクとして、前記第2の磁性膜をエッチングする
    工程を含む薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  10. 請求項8に記載された薄膜磁気ヘッドの製造方法であって、
    前記開口を通して、その内部に含まれる磁性膜及び/又はギャップ膜をエッチングした後、前記レジストマスクを除去し、
    次に、前記第3の磁性膜をマスクにして、前記第2の磁性膜をエッチングする
    工程を含む薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  11. 請求項7乃至10の何れかに記載された薄膜磁気ヘッドの製造方法であって、前記レジストマスクをエッチバックさせるプロセスは、O2が混入されているプラズマによるドライエッチングプロセスである薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  12. 請求項7乃至10の何れかに記載された製造方法であって、前記レジストマスクをエッチバックさせるプロセスは、ハロゲン系又はフロン系のプラズマによるドライエッチングプロセスである薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  13. 請求項7乃至10の何れかに記載された製造方法であって、前記レジストマスクをエッチバックさせるプロセスは、等方性のドライエッチングプロセスである薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  14. 請求項7乃至10の何れかに記載された製造方法であって、前記レジストマスクをエッチバックさせるプロセスは、異方性のドライエッチングプロセスである薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  15. 請求項7乃至14の何れかに記載された製造方法であって、前記ギャップ膜と隣接する前記磁性膜は、CoとFeとを含有する磁性材料でなる薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  16. 請求項7乃至14の何れかに記載された製造方法であって、前記ギャップ膜と隣接する前記磁性膜は、CoFe又はCoFeNでなる薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  17. 請求項7乃至14の何れかに記載された製造方法であって、前記ギャップ膜と隣接する前記磁性膜は、FeN、CoFe又はCoFeNのスパッタ膜でなる
    薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  18. 請求項7乃至17の何れかに記載された製造方法であって、前記レジストマスクは、前記開口における壁面が前記第2のヨーク部となる磁性膜の膜面に対して直交している薄膜磁気ヘッドの製造方法。
JP2003356282A 2003-10-16 2003-10-16 薄膜磁気ヘッド、これを用いた磁気記録装置及びその製造方法 Pending JP2005122818A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003356282A JP2005122818A (ja) 2003-10-16 2003-10-16 薄膜磁気ヘッド、これを用いた磁気記録装置及びその製造方法
US10/687,634 US7046480B2 (en) 2003-10-16 2003-10-20 Thin film magnetic head and manufacturing method thereof

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003356282A JP2005122818A (ja) 2003-10-16 2003-10-16 薄膜磁気ヘッド、これを用いた磁気記録装置及びその製造方法
US10/687,634 US7046480B2 (en) 2003-10-16 2003-10-20 Thin film magnetic head and manufacturing method thereof

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005122818A true JP2005122818A (ja) 2005-05-12

Family

ID=34680584

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003356282A Pending JP2005122818A (ja) 2003-10-16 2003-10-16 薄膜磁気ヘッド、これを用いた磁気記録装置及びその製造方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US7046480B2 (ja)
JP (1) JP2005122818A (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7187519B2 (en) * 2003-12-03 2007-03-06 Seagate Technology Llc High gradient disc drive writer
US7310204B1 (en) * 2003-12-19 2007-12-18 Western Digital (Fremont), Llc Inductive writer design for using a soft magnetic pedestal having a high magnetic saturation layer
US7463448B2 (en) * 2005-04-20 2008-12-09 Headway Technologies, Inc. Thin film magnetic head having upper and lower poles and a gap film within a trench
US7463450B2 (en) * 2005-05-23 2008-12-09 Headweay Technologies, Inc. Thin film magnetic head
US7748104B2 (en) * 2006-04-25 2010-07-06 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. Structure and method for reduced corrosion of auxiliary poles during the fabrication of perpendicular write heads
US8243387B2 (en) * 2007-04-10 2012-08-14 Tdk Corporation Magnetic head with plated magnetic film formed on PdNi alloy electrode film
US8018675B2 (en) * 2008-03-06 2011-09-13 Tdk Corporation Thin film magnetic head
US8741389B2 (en) * 2009-06-17 2014-06-03 Seagate Technology Llc Controlling thickness uniformity and interfaces in stacks
WO2017111910A1 (en) * 2015-12-21 2017-06-29 Intel Corporation High performance integrated rf passives using dual lithography process
KR101818170B1 (ko) * 2016-03-17 2018-01-12 주식회사 모다이노칩 코일 패턴 및 그 형성 방법, 이를 구비하는 칩 소자

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6043959A (en) * 1998-03-23 2000-03-28 Read-Rite Corporation Inductive write head formed with flat yoke and merged with magnetoresistive read transducer
US6259583B1 (en) * 1998-09-16 2001-07-10 International Business Machines, Corporation Laminated yoke head with a domain control element
JP2000149219A (ja) * 1998-11-12 2000-05-30 Tdk Corp 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法
JP2001084537A (ja) * 1999-07-14 2001-03-30 Tdk Corp バー状ヘッド集合体、薄膜磁気ヘッド、磁気ヘッド装置及び磁気ディスク装置
JP3565492B2 (ja) * 2000-02-17 2004-09-15 Tdk株式会社 薄膜磁気ヘッド、磁気ヘッド装置及び磁気ディスク装置
JP3877985B2 (ja) * 2001-08-15 2007-02-07 富士通株式会社 磁気抵抗ヘッド及びその製造方法
JP2003282323A (ja) * 2002-03-20 2003-10-03 Tdk Corp マイクロデバイス

Also Published As

Publication number Publication date
US7046480B2 (en) 2006-05-16
US20050083607A1 (en) 2005-04-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7508630B2 (en) Thin film magnetic head and method of manufacturing the same
JP4377799B2 (ja) 薄膜磁気ヘッド、これを用いた磁気記録装置及びその製造方法
JP4970768B2 (ja) 薄膜磁気ヘッド用構造物およびその製造方法並びに薄膜磁気ヘッド
US7549216B2 (en) Method of manufacturing a thin film magnetic head
JP4028476B2 (ja) 薄膜磁気ヘッドの製造方法
JP2006139898A (ja) 薄膜磁気ヘッド用構造物およびその製造方法並びに薄膜磁気ヘッド
JP2007257815A (ja) 磁気デバイス、垂直磁気記録ヘッド、磁気記録装置、磁性層パターンの形成方法および垂直磁気記録ヘッドの製造方法
US20070153418A1 (en) Magnetic recording head and fabrication process
US7151647B2 (en) Thin film magnetic head and manufacturing method for creating high surface recording density and including a second yoke portion having two layers of which one is etched to form a narrow portion and a sloped flare portion
US7382578B2 (en) Thin film magnetic head, method of manufacturing the same and magnetic recording apparatus
US7463448B2 (en) Thin film magnetic head having upper and lower poles and a gap film within a trench
JP2005122818A (ja) 薄膜磁気ヘッド、これを用いた磁気記録装置及びその製造方法
JP2008243351A (ja) 磁気ヘッド及びその製造方法
JP2001266312A (ja) 薄膜磁気ヘッドの製造方法
US7360301B2 (en) Method of manufacturing a thin film magnetic head
JP4601995B2 (ja) 薄膜磁気ヘッドの製造方法
JP2002042307A (ja) 誘導型薄膜磁気ヘッドおよび磁気ディスク装置
JP2005116090A (ja) 薄膜磁気ヘッド、これを用いた磁気記録装置及びその製造方法
JP2005018918A (ja) 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法、ならびに磁気記録装置
JP2006031774A (ja) 薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリ、ヘッドアームアセンブリ、磁気記録装置および薄膜磁気ヘッドの製造方法
JP4713836B2 (ja) 薄膜磁気ヘッド、磁気記録装置及びその製造方法
US20050050715A1 (en) Method of manufacturing thin-film magnetic head
JP2009026375A (ja) 磁気ヘッドの製造方法及び磁気ヘッド
US7075751B2 (en) Thin-film magnetic head and method of manufacturing same
JP2005116008A (ja) 薄膜磁気ヘッド、これを用いた磁気記録装置及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060901

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081022

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081029

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090108

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090401

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090727

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20090810

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20091016