JP4713836B2 - 薄膜磁気ヘッド、磁気記録装置及びその製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッド、磁気記録装置及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、薄膜磁気ヘッド、これを用いた磁気記録装置及びその製造方法に関し、更に詳しくは、薄膜磁気ヘッドの改良に係る。
近年、ハードデスク装置の面記録密度の向上にともなって薄膜磁気ヘッドの性能向上が求められている。薄膜磁気ヘッドは書き込みを目的とする書込素子と、読みだしを目的とし、磁気抵抗効果を利用した読取素子からの積層構造からなっている。特に最近のGMR Headは面密度150-200 (GB/P)を超える勢いである。GMR膜は複数の膜を組み合わせた多層構造である。GMRが発生するメカニズムはいくつかの種類があり、メカニズムによってGMR膜の層構造が変わる。量産を前提とするGMR膜としては、スピンバルブ膜(以下、SV膜と称する)や強磁性トンネル接合膜(以下、TMR膜と称する)が知られている。
一方、読取素子の性能向上にともなって、書込素子の性能向上も求められている。書き込み素子において、記録密度を高めるためには、狭トラック構造を実現し、トラック密度を上げなければならない。狭トラック構造を実現する手段として、上部記録磁材に、半導体加工技術を利用して、サブμm加工を施す手法が知られている。しかし、半導体技術を用いてトラック幅を微細化すると、書き込み磁束が得られにくくなるから、これを補う手段として、狭トラックポールには、高飽和磁束密度材料(以下HiBs材と称する)を使用するのが普通である。
また、薄膜磁気ヘッドが、ノート型パソコン、Desk Topパソコン、サーバーまたはワークステーションによく見られる高周波使用タイプのコンピューターに使用される場合、薄膜磁気ヘッドとして、高周波応答特性に優れていることが要求される。また、最近のハードディスクドライブはそのアクセススピードを求められており、そのスピードの応答に対応するため、薄膜磁気ヘッドのコンパクト化が求められている。
高周波特性は、バックギャップからポールまでのヨーク長(Yoke Length)を短くすることによって改善できる。ヨーク長YLの短縮化と、ポールへのHiBs材料の使用との組み合わせにより、たとえば、NLTSやOver Write特性(以下、O/W特性と称する)などを、高周波帯域(500MHz-1000MHz)まで、高レベルに維持し得る。
ヨーク長YLを短くする手法は、種々考えられる。その1つの方法はコイルピッチを可能な限り短くすることである。しかし、この技術には、次のような問題点がある。
まず、コイルピッチを短くすると、コイル幅が狭くなり、コイルの抵抗が高くなる。そのためコイルが発熱し、その熱によってポールの周囲が熱膨張する、いわゆるポールのサーマルプロトルージョン(Thermal Protorusion of Pole)が発生する。ポールのサーマルプロトルージョンが発生すると、ヘッドとメディアの衝突をおこすおそれが生じるため、サーマルプロトルージョンは、高密度記録に不可欠なスライダの低浮上化の障害となる。そのため、コイルピッチの短縮によって、ヨーク長YLを短くする手法には限界がある。
次に、コイルピッチの狭小化が進むにつれて、コイルを形成するためのフォトリソグラフィプロセスが困難になる。理由は、コイルピッチが狭小化されるほど、コイルをフォトリソグラフィプロセスによって形成する際、露光時の反射が悪影響を及ぼすためである。反射防止対策を行なわないかぎり、正確で、垂直なコイルが形成できない。たとえば、1.5μm以上の高さで、0.3μm〜0.5μm以下のコイルピッチを、現在のフォトリソグラフィ技術を適用して形成した場合、歩留が著しく低下する。
ヨーク長YLを短くする別の手法は、コイルターン数を少なくすることである。この場合は、コイルの高さを高くし、コイル抵抗を下げることができる。しかし、この方法ではコイルターン数が少なくなるため、十分な書き込み磁束を得ることができず、O/W特性不良を発生する。またコイルピッチの狭いコイルを高く形成することは極めて難しく、特にコイルをメッキによって形成した後、Seed層をイオンビームでエッチングする際、コイル間ショートが多発する。
一般的に、薄膜磁気ヘッドの書込素子は、空気ベアリング面(以下ABSと称する)に最も近いコイルの最小コイル幅が、ヨーク長YLを決定するようにデザインされている。この最小コイル幅のトータル長さは、全体のコイル抵抗の60〜70%以上の抵抗値を決めているため、ヨーク長YLを短くするには、最小コイル幅のトータル長さを可能な限り短くする必要がある。コイル抵抗を低減するために、太い幅のコイルを用いると、ヨーク長YLを短くすることができず、このような書込素子は高周波特性が劣化し、高周波領域でのNLTSやO/W特性に劣化が見られ、歩留を落とす原因となる。
ヨーク長YLを短くしたままで、コイルターン数をあげ、かつ、コイル抵抗の低減化を計る方法として、コイル断面積を増大(コイルの高さを高くする。)させるために考え得る構造は、コイルを2層、3層と、階層的に積み重ねる構造である。しかし、この階層構造をとった場合、Writeギャップ膜の位置とGMRセンサーの位置の距離が遠くなり、スライダー作成時の研磨の際に、ABSを研磨した場合、狭いGMRハイト(Reader部)と狭いスロート(Writer部)を両立させることは難しい。スライダーの研磨角度によってはスロートハイトが大きなバラツキ現象をおこす。
薄膜磁気ヘッドの高周波特性を改善するための手段として、従来より種々の先行技術が提案されている。例えば、U.S.P.6,043,959明細書は、第2のヨーク部(上部ヨーク部)を平面状に形成して、コイルの相互誘導インダクタンスを低減させ、高周波特性を改善する技術を開示している。U.S.P.6,259,583 B1明細書は、第2のヨーク部を、高透磁率で低異方性の層と、非磁性層とを交互に積層して、平面状に形成する構造を開示している。
上述した先行技術に示されているような平面形状のポール構造は、フォトリソグラフィによって画定されたものであり、記録密度を高めるためには、さらに、半導体加工技術を適用して、ポール部にサブμm加工を施し、狭トラック構造を実現しなければならない。しかし、このサブμm加工には、上述したような問題が付きまとう。上記先行技術には、その解決手段が記載されていない。
米国特許.6,043,959 明細書 米国特許第6,259,583 B1明細書
本発明の課題は、コイルターン数を増大させながら、コイル抵抗値を下げ、発熱量を低減した薄膜磁気ヘッド及び磁気記録装置を提供することである。
本発明のもう一つの課題は、ヨーク長を短くし、高周波特性を改善した薄膜磁気ヘッド及び磁気記録装置を提供することである。
本発明のさらにもう一つの課題は、ABS研磨の際のスロートハイトの不均衡研磨を回避し、高密度記録に不可欠なスライダの低浮上量化の要請に応え得る薄膜磁気ヘッド及び磁気記録装置を提供することである。
上述した課題を解決するため、本発明に係る薄膜磁気ヘッドでは、書き込み素子書き込み素子は、下部ヨークと、下部ポールと、上部ヨークと、上部ポールと、ギャップ膜と、下部コイルと、上部コイルとを含んでいる。
前記下部ポールは、媒体対向面側において、前記下部ヨークの前記一面上に突設され、前記ギャップ膜と隣接する端部がトラック幅の縮小された部分となっている。
前記上部ヨークは、前記下部ヨークに対して、間隔を隔てて配置され、前記媒体対向面を基準にして後方側のバックギャップ部により、前記下部ヨークと結合されている。
前記上部ポールは、前記ギャップ膜に隣接し、前記ギャップ膜を間に挟んで前記下部ポールと対向し、最上面が前記上部ヨークの一面に隣接している。
前記下部コイルは、前記下部ヨークの前記一面を基準にした前記下部ポールの高さ内で、前記バックギャップ部の周りを、スパイラル状に周回している。
前記上部コイルは、前記上部ヨークの前記一面を基準にした前記上部ポールの高さを利用して、前記下部コイルの上方に配置され、前記バックギャップ部の周りを、スパイラル状に周回している。
前記ギャップ膜は、前記下部ポールの前記高さ、及び、前記上部ポールの前記高さによって定まるポール長さの中間に位置する。
上述したように、本発明に係る薄膜磁気ヘッドでは、下部ポールは、媒体対向面側において、下部ヨークの一面上に突設されており、上部ヨークは、下部ヨークに対して、間隔を隔てて配置され、媒体対向面を基準にして後方側のバックギャップ部により、下部ヨークと結合されており、上部ポールは、ギャップ膜に隣接し、ギャップ膜を間に挟んで前記下部ポールと対向し、最上面が上部ヨークの一面に隣接しているから、下部ヨーク、下部ポール、ギャップ膜、上部ポール、上部ヨーク及びバックギャップ部を巡る薄膜磁気回路が形成される。ギャップ膜は変換ギャップとして動作する。
下部コイルは、バックギャップ部の周りを、スパイラル状に周回しており、上部コイルもバックギャップ部の周りを、スパイラル状に周回しているから、下部コイル及び上部コイルのコイルターン数の合計が、コイルターン数となる。このため、コイルターン数を増大させることができる。
下部コイルは、下部ヨークの一面を基準にした下部ポールの高さ内にあり、上部コイルは上部ヨークの一面を基準にした上部ポール部の高さを利用している。従って、下部コイルの高さを、下部ポールの高さによって定まる寸法まで拡大できる。同様に、上部コイルの高さも、上部ポールの高さに対応した寸法まで拡大できる。
しかも、上部コイルは、下部コイルの上方に配置されており、下部ヨークと上部ヨークとの間の間隔を利用したコイル階層構造が得られる。この構造によれば、同一平面上にコイルを配置する構造と異なって、コイルターン数を増大させながら、下部コイル及び上部コイルの幅を増大できる。また、コイル階層構造を採用したから、コイルターン数を増大させながら、ヨーク長を短くし、高周波特性を改善することができる。
上述したように、下部コイル及び上部コイルについて、合計コイルターン数を増大させながら、その高さ及び幅を増大させることができるから、必然的にコイル断面積も増大する。このため、コイルターン数を増大させながら、コイル抵抗値を下げ、発熱量を低減させることができる。
さらに、下部コイルは、下部ポールの高さ内にあり、上部コイルは上部ポール部の高さを利用しており、ギャップ膜は下部ポールの高さ、及び、上部ポールの高さによって定まるポール長さの中間に位置するから、コイル階層構造をとったにもかかわらず、ギャップ膜の下側に位置する下部ポールの高さと、ギャップ膜の上側に位置する上部ポールの高さとをバランスさせることができる。このため、ABSを研磨した場合に、ギャップ膜の両側における下部ポール及び上部ポールの研磨量を均一化し、研磨の不均衡に起因するヘッドとメディアの衝突を回避し、高密度記録に不可欠なスライダの低浮上量化の要請に応えることができる。
本発明に係る薄膜磁気ヘッドにおいて、下部コイルは、第1のコイル及び第2のコイルを含むことができる。第1のコイル及び第2のコイルの一方は、他方のコイルターン間のスペースに、絶縁して嵌め込まれる。
第1のコイル及び第2のコイルの間に存在する絶縁膜は、例えば、Chemical vapor deposition(以下、CVDと称する)を適用して、0.1μm程度の極薄膜のAl2O3膜として形成できる。したがって、バックギャップ部と下部ポールとの間で、第1のコイル及び第2のコイルの断面積を最大化し、コイルターン数を維持したままで、コイル抵抗値を下げ、発熱量を低減することができる。これにより、書き込み動作時に、ポールにおけるサーマルプロトリュージョンの発生を抑制し、ヘッドクラッシュ及び磁気記録媒体上の磁気記録の損傷若しくは破壊を回避し、延いては、高記録密度のための低浮上量の要求に応えることができることになる。
第1のコイル及び第2のコイルは、一方が、他方のコイルターン間のスペースに、第2の絶縁膜を介して嵌め込まれているから、コイル導体の配線密度が高くなる。このため、同一のターン数を保った状態では、ヨーク長YLを短くすることができる。
第1のコイル及び第2のコイルは同一方向の磁束を生じるように接続される。第1のコイル及び第2のコイルは、巻き方向が同一になるので、第1のコイルの内端と、第2のコイルの外端とを接続した直列接続構造をとることにより、同一方向の磁束を生じさせることができる。あるいは、第1のコイル及び第2のコイルを並列に接続して、同一方向の磁束を生じるようにしてもよい。この場合は、ターン数は少なくなるが、コイル抵抗値を低減できる。
上部コイルは、第3のコイルと、第4のコイルとを含んでいてもよい。前記第3のコイル及び前記第4のコイルは、一方が、他方のコイルターン間のスペースに、第4の絶縁膜を介して嵌め込まれる。前記第3のコイル及び前記第4のコイルは、同一方向の磁束を生じるように互いに接続され、さらに前記下部コイルに対して、同一方向の磁束を生じるように接続される。この態様の薄膜磁気ヘッドでは、追加的な第3のコイル及び第4のコイルにより、コイルターン数が増大され、書き込みのための起磁力が増大する。
本発明に係る薄膜磁気ヘッドにおいて、前記下部ポールは、複数の下部ポール膜を含むことができる。この場合、第1の下部ポール膜は、前記下部ヨークによって構成される。第2の下部ポール膜は、前記第1の下部ポール膜に隣接し、一面が、前記下部コイルと同じ高さ位置となるように平坦化される。他の下部ポール膜は、前記第2の下部ポール膜の上で、順次に隣接して設けられ、表面がその周りに設けられた絶縁膜と同一の高さで平坦化される。前記他の下部ポール膜のうち、最上層の下部ポール膜は、前記ギャップ膜と隣接する。
上述したように、第2の下部ポール膜は、一面が、下部コイルと同じ高さ位置となるように平坦化されているから、その平坦化面に絶縁膜を、均一な膜厚となるように形成することができる。従来、下部ポールの高さを小さくすると、コイルをカバーしているフォトレジストが、フォトリソグラフィプロセスにおいて後退し、コイルが露出し、その結果、コイル間ショート、さらには下部ポールとコイルとの間で、ショートが発生していた。本発明では、第2の下部ポール膜及びコイルの表面を、均一な膜厚の絶縁膜を形成できるように平坦化してあるから、平坦化面に付与された絶縁膜によって、コイルを保護し、第2の下部ポール膜の高さ(ABSからコイルの方向に図った距離)を短縮した場合でも、コイルがダメージを受けるのを防止することができる。
また、下部コイルを構成する第1のコイル及び第2のコイルに対して、共通の絶縁膜を付与することができるので、下部コイルの上面に対する絶縁構造が簡単化される。また、下部コイルの上に更に他の構成部分を形成する際に、安定したベースを提供し、他の構成部分を高精度のパターンとして形成することが可能になる。
より具体的な構造として、下部ポールは、第3の下部ポール膜及び第4の下部ポール膜を含むことができる。第3の下部ポール膜は前記第2の下部ポール膜に隣接し、第4の下部ポール膜は前記第3の下部ポール膜に隣接して最上層を構成している。
前記上部ポールも、複数の上部ポール膜を含み、前記複数の上部ポール膜は前記ギャップ膜の上に順次に隣接し、最上層の上部ポール膜が前記上部ヨークに隣接する。
より具体的には、上部ポールは、第1の上部ポール膜乃至第3の上部ポール膜を含み、前記第1の上部ポール膜は前記ギャップ膜に隣接し、前記第2の上部ポール膜は前記第1の上部ポール膜に隣接し、前記第3の上部ポール膜は前記第2の上部ポール膜に隣接している。
本発明に係る薄膜磁気ヘッドは、コイル接続導体を含んでいる。前記コイル接続導体は、第1の接続導体膜乃至第6の接続導体膜を含む。
前記第1の接続導体膜は、前記第1のコイル膜の内端であり、その表面が、前記第1のコイル、前記第2のコイル及び前記第2の下部ポール膜と同一の高さで平坦化されている。
前記第2の接続導体膜は、前記第1の接続導体膜と同じ材料で構成され、前記第1の接続導体膜の前記表面に形成され、その表面が、前記第2の下部ポール膜に隣接する第3の下部ポール膜、と同一の高さで平坦化されている。
前記第3の接続導体膜は前記第2の接続導体膜に隣接し、前記第4の接続導体膜は前記第3の接続導体膜に隣接し、前記第5の接続導体膜は前記第4の接続導体膜に隣接し、前記第6の接続導体膜は前記第5の接続導体膜に隣接する。
また、前記バックギャップ部は、第1乃至第6のバックギャップ膜を含む。前記第1のバックギャップ膜は、前記第1の下部ポール膜と同一の材料でなり、前記下部ヨークの前記一面に隣接して形成され、その表面が、前記第1のコイル、前記第2のコイル及び前記第2の下部ポール膜と同一の高さで平坦化されている。
前記第2のバックギャップ膜は、前記第3の下部ポール膜と同じ材料で構成され、前記第1のバックギャップ膜に隣接して形成され、その表面が、前記第3の下部ポール膜と同一の高さで平坦化されている。
前記第3のバックギャップ膜は、前記第2のバックギャップ膜に隣接する。前記第4のバックギャップ膜は前記第3のバックギャップ膜に隣接する。前記第5のバックギャップ膜は前記第4のバックギャップ膜に隣接する。前記第6のバックギャップ膜は前記第5のバックギャップ膜に隣接する。
上記構造によれば、コイル接続導体を構成する第1乃至第6の接続導体膜、及び、バックギャップ膜を構成する第1乃至第6のバックギャップ膜を、それぞれに要求される所定のプロセスにより、同一平坦面上で形成できるので、製造が容易である。
更に具体的には、前記第3の下部ポール膜、前記第2の接続導体膜及び第2のバックギャップ膜は、表面が互いに同一の高さで平坦化されている。第4の下部ポール膜、前記第3の接続導体膜及び第3のバックギャップ膜は、表面が互いに同一の高さで平坦化されている。前記第1の上部ポール膜、前記第4の接続導体膜及び第4のバックギャップ膜は、表面が互いに同一の高さで平坦化されている。前記第2の上部ポール膜、前記第5の接続導体膜及び第5のバックギャップ膜は、表面が互いに同一の高さで平坦化されている。前記第3の上部ポール膜、前記第6の接続導体膜及び前記第6のバックギャップ膜は、表面が、前記第3のコイル及び前記第4のコイルの表面と、同一の高さで平坦化されている。前記上部ヨークは、両端が前記第3の上部ポール膜及び前記第6のバックギャップ膜に隣接する。
上記構造によれば、コイル接続導体を構成する第1乃至第6の接続導体膜、及び、バックギャップ膜を構成する第1乃至第6のバックギャップ膜を、下部ポール膜及び上部ポール膜とを、それぞれに要求される所定のプロセスにより、同一平坦面上で形成できるので、製造が容易である。
さらに、本発明は、下部ポールが、複数の下部ポール膜を順次に隣接させた構造となるので、これらのポール膜のそれぞれに適した磁性材料、及び、プロセスを選択し、狭トラックで、書き込み性能の高い書き込み素子を実現できる。例えば、下部ポールを、飽和磁束密度の高い磁性材料CoFeN(2.4T)を用いて構成することにより、コイルで発生した磁束を、途中飽和を生じさせることなく、書き込みポール領域に有効に到達させ、フラックスロスの少ない書き込み素子を実現できる。
上部ポールP2が形成される段階では、既に、下部ポールP1の大部分が形成されているから、上部ポールP2は、それに適した材料及びプロセスによって形成できる。上部ポールP2を、HiBs材のCoFex、FeNxで構成し、この上部ポールP2に対し、CoNiFeのメッキ層またはアルミナ絶縁膜をマスクに、Reactive Ion Etching(以下RIEと称する)を、最終形状の途中まで施し、最終形状をIon Beam Etching(以下、IBEと称する)で行なうことが可能であり、トラック幅をフォトリソグラフィの限界以上に狭く形成することができる。具体的には、150GB/in2-200GB/in2に必要とされる0.1μm以下のトラック幅を正確に実現することで可能である。そのため、これまで量産では不可能とされていた0.1〜0.2μm以下のトラック幅が正確にコントロールできる。
また、上部ポールを、HiBs材で全体的に高く形成することが可能なため、磁気ボリュームを増大させることができる。上述した構造の上部ポールは、アルミナMask材を用いることにより、従来よりも狭いトラック幅となるように形成できる。そのため上部ポールについて、その先端の磁気ボリュームを減少させることなく、150GB/in2-200GB/in2の上部ポールを正確に形成できる。
本発明は、更に、薄膜磁気ヘッドとヘッド支持装置とを組み合わせた磁気ヘッド装置、及び、この磁気ヘッド装置と磁気記録媒体(ハ−ドディスク)とを組み合わせた磁気記録再生装置、薄膜磁気ヘッドの製造方法についても開示する。
本発明の他の目的、構成及び利点については、添付図面を参照し、更に詳しく説明する。図面は単なる例示にすぎない。
1.薄膜磁気ヘッド
図1〜図4を参照すると、本発明に係る薄膜磁気ヘッドは、スライダ5と、書き込み素子2と、読取素子3とを含む。スライダ5は、例えば、Al2O3−TiC等でなる基体15の表面に、Al2O3、SiO2等の絶縁膜16を設けた(図3参照)セラミック構造体である。スライダ5は、媒体対向面に浮上特性制御用の幾何学的形状を有している。そのような幾何学的形状の代表例として、図示では、ABS側の基底面50に、第1の段部51、第2の段部52、第3の段部53、第4の段部54、及び、第5の段部55を備える例を示してある。基底面50は、矢印F1で示す空気の流れ方向に対する負圧発生部となり、第2の段部52及び第3の段部53は、第1の段部51から立ち上がるステップ状の空気軸受けを構成する。第2の段部52及び第3の段部53の表面は、ABSとなる。第4の段部54は、基底面50からステップ状に立ち上がり、第5の段部55は第4の段部54からステップ状に立ちあがっている。電磁変換素子2、3は第5の段部55に設けられている。
電磁変換素子2、3は、書き込み素子2と、読取素子3とを含む。書き込み素子2及び読取素子3は、空気の流れ方向Aで見て、空気流出端(トレーリング.エッジ)の側に備えられている。
図3、図4を参照するに、書き込み素子2は、下部ヨーク211と、上部ヨーク224と、アルミナ等でなるギャップ膜24と、下部ポールP1と、上部ポールP2と、下部コイル231、232と、上部コイル233、234と、更に、バックギャップ部(216〜218)、(225〜227)とを有している。「下部」及び「上部」という表現は、図示実施例を参照する限りの表現であって、上下関係が、逆転する場合もありえる。
下部ヨーク211は、絶縁膜34によって支持され、その表面は実質的に平坦な平面となっている。絶縁膜34は、例えば、Al2O3、SiO2、AlNまたはDLC等の無機絶縁材料によって構成される。上部ヨーク224は、下部ヨーク211とはインナーギャップを介して向き合っている。
下部ヨーク211及び上部ヨーク224は、例えば、NiFe、CoFe、CoFeN、CoNiFe、FeNまたはFeZrN等の磁性材料から選択することができる。下部ヨーク211及び上部ヨーク224のそれぞれは、各膜厚が、例えば、0.25〜3μmの範囲に設定される。このような下部ヨーク211、上部ヨーク224はフレームメッキ法によって形成できる。
図示実施例において、下部ヨーク211は、CoFeNまたはCoNiFeのいずれかによって構成するものとする。上部ヨーク224も、CoNiFeやCoFeNで構成することができる。
下部ヨーク211及び上部ヨーク224の先端部は、微小厚みのギャップ膜24を隔てて対向する下部ポールP1及び上部ポールP2の一部を構成しており、下部ポールP1及び上部ポールP2において書き込みを行なう。ギャップ膜24は、非磁性金属膜またはアルミナ等の無機絶縁膜によって構成される。
下部ポールP1は、下部ヨーク211の端部によって構成される第1の下部ポール膜211の上に、第2の下部ポール膜212、第3の下部ポール膜213及び第4の下部第4の下部ポール膜214を、この順序で積層した構造を有する。第2の下部ポール膜212、第3の下部ポール膜213及び第4の下部ポール膜214は、CoFeNまたはCoNiFeのいずれかによって構成することができる。
第2の下部ポール膜212は、第1のコイル231及び第2のコイル232の前方において、第1の下部ポール膜211に隣接し、一面が、第1のコイル231及び第2のコイル232と同じ高さ位置となるように平坦化されている。
第3の下部ポール膜223は、第2の下部ポール膜212の上に隣接して設けられ、表面がその周りに設けられた絶縁膜255と同一の高さで平坦化されている。
最上層の第4の下部ポール膜224は、ギャップ膜24と隣接し、ギャップ膜24と隣接する領域の後方に、凹部291と、凹部291によって膜厚の減少された部分とを有し、凹部291を構成する端がスロートハイトを決定する。
ギャップ膜24は、下部ポールP1の高さ、及び、上部ポールP2の高さによって定まるポール長さの中間に位置する。
下部コイルを構成する第1のコイル231及び第2のコイル232は、下部ヨーク211の一面を基準にした下部ポールP1の高さ内で、バックギャップ部(216〜218)の周りを、スパイラル状に周回している。図示実施例において、第1のコイル231及び第2のコイル232は、一方が、他方のコイルターン間のスペースに嵌め込まれ、絶縁膜252によって互いに絶縁されている。第1のコイル231及び第2のコイル232は、コイル接続導体となる第1の接続導体膜281により、同一方向の磁束を生じるように互いに接続されている。
図示実施例において、第1のコイル231は、スパイラル状であって、下部ヨーク211の平坦な一面に形成された絶縁膜251の面上に配置され、絶縁膜251の面に対して垂直となる1つの軸の周りを平面状に周回する。第1のコイル231は、Cu(銅)などの導電金属材料によって構成される。絶縁膜251は、Al2O3、SiO2、AlNまたはDLC等の無機絶縁材料によって構成される。
第2のコイル232もスパイラル状であって、第1のコイル231のコイルターン間のスペースに、絶縁膜252により絶縁して嵌め込まれ、軸の周りを平面状に周回する。第2のコイル232も、Cu(銅)などの導電金属材料によって構成される。絶縁膜252も、Al2O3、SiO2、AlNまたはDLC等の無機絶縁材料によって構成される。
第1のコイル231及び第2のコイル232の周りは、絶縁膜253によって埋められている(図3参照)。絶縁膜253も、Al2O3、SiO2、AlNまたはDLC等の無機絶縁材料によって構成される。
第1のコイル231及び第2のコイル232を互いに絶縁する絶縁膜252は、例えば、CVDを適用して、0.1μm程度の極薄膜のAl2O3膜として形成できる。したがって、バックギャップ膜216とポールP1、P2との間で、第1のコイル231及び第2のコイル232の断面積を最大化し、コイルターン数を維持したままで、コイル抵抗値を下げ、発熱量を低減することができる。これにより、書き込み動作時に、ポールP1、P2におけるサーマルプロトリュージョンの発生を抑制し、ヘッドクラッシュ及び磁気記録媒体上の磁気記録の損傷若しくは破壊を回避し、延いては、高記録密度のための低浮上量の要求に応えることができることになる。
第2のコイル232は、第1のコイル231のコイルターン間のスペースに、絶縁膜252を介して嵌め込まれているから、コイル導体の配線密度が高くなる。このため、同一のターン数を保った状態では、ヨーク長YL(図3参照)を短くすることができる。
第1のコイル231及び第2のコイル232は、同一方向の磁束を生じるように接続される。第1のコイル231及び第2のコイル232は、巻き方向が同一になるので、第1のコイル231の内端281と、第2のコイル232の外端283とを、接続導体282で接続した直列接続構造をとることにより、同一方向の磁束を生じさせることができる。第1のコイル231の外端286は接続導体285により端子284に接続され、更に、リード導体291により外部に導かれ、取り出し電極に接続される。第2のコイル232の内端287は接続導体288により、端子289に接続され、更に、リード導体により外部に導かれ、取り出し電極に接続される。
図5の図示とは異なって、第1のコイル231及び第2のコイル232を並列に接続して、同一方向の磁束を生じるようにしてもよい。この場合は、ターン数は少なくなるが、コイル抵抗値を低減できる。
上部コイルは、第3のコイル233と、第4のコイル234とを含む。上部コイル233、234は、上部ヨーク224の一面を基準にした上部ポールP2の高さを利用して、下部コイル231、232の上方に配置され、バックギャップ部(225〜227)の周りを、スパイラル状に周回している。第3のコイル233及び第4のコイル234は、第1のコイル231及び第2のコイル232の上に、絶縁膜255〜258によって絶縁して積層され、一方が、他方のコイルターン間のスペースに、絶縁膜271によって絶縁して嵌め込まれている。第3のコイル233及び第4のコイル234は、第1及び第2のコイル231、232とともに、同一方向の磁束を生じる。
第1のコイル231〜第4のコイル234は、第1の接続導体膜281〜第6の接続導体膜286によって接続されている。第1の接続導体膜281〜第6の接続導体膜286のうち、第1の接続導体膜281は、第1のコイル231の内端であり、その表面が、第1のコイル231、第2のコイル232、第2の下部ポール膜212及び第1のバックギャップ膜216と同一の高さで平坦化されている。第1の接続導体膜281、第1のコイル231、第2のコイル232、第2の下部ポール膜212及び第1のバックギャップ膜216の周りは、絶縁膜253によって埋められている。平坦化された表面は、絶縁膜254によってカバーされている。
第2の接続導体膜282は第1の接続導体膜281に隣接する。第2の接続導体膜282は、第1の接続導体膜281と同じ材料で構成され、第1の接続導体膜281の表面に形成され、その表面が、第2の下部ポール膜212に隣接する第3の下部ポール膜213と同一の高さで平坦化されている。
第3の接続導体膜283は第2の接続導体膜282に隣接する。第4の接続導体膜284は第3の接続導体膜283に隣接する。第5の接続導体膜285は第4の接続導体膜284に隣接する。第6の接続導体膜286は第5の接続導体膜285に隣接している。上述した第2乃至第6の接続導体膜282〜286により、第1のコイル231の内端である第1の接続導体膜281が、第3のコイル233の内端である第6の接続導体膜286に接続される。
バックギャップ部は、さらに、第2のバックギャップ膜217〜第6のバックギャップ膜227を含む。第2のバックギャップ膜217は第1のバックギャップ膜216に隣接する。第3のバックギャップ膜218は第2のバックギャップ膜217に隣接する。第4のバックギャップ膜225は第3のバックギャップ膜218に隣接する。第5のバックギャップ膜226は第4のバックギャップ膜225に隣接する。第6のバックギャップ膜227は第5のバックギャップ膜226に隣接する。第3のコイル233及び第4のコイル234は第6のバックギャップ膜227の周りを周回する。
上部ポールP2は、第1の上部ポール膜221乃至第3の上部ポール膜223を含む。第1の上部ポール膜221はギャップ膜24に隣接する。第1の上部ポール膜221は、内端縁が、第4の下部ポール膜214のスロートハイトTHを決める内端にほぼ一致する。
第2の上部ポール膜222は第1の上部ポール膜221に隣接している。第3の上部ポール膜223は、第2の上部ポール膜222に隣接している。第3の上部ポール膜223は、第1の上部ポール膜221及び第2の上部ポール膜222の先端面の位置するABSから若干後退した位置にあり、その前面が絶縁膜272によって閉じられている。
上記の構成において、第3の下部ポール膜213、第2の接続導体膜282及び第2のバックギャップ膜217は、絶縁膜254とともに、表面が互いに同一の高さで平坦化されている。
第1の上部ポール膜221、第4の接続導体膜284、第4のバックギャップ膜225及び第4の接続導体膜284は、絶縁膜257とともに、表面が互いに同一の高さで平坦化されている。
第2の上部ポール膜222、第5の接続導体膜285及び第5のバックギャップ膜226は、絶縁膜258とともに、表面が互いに同一の高さで平坦化されている。
第3の上部ポール膜223、第6の接続導体膜286及び第6のバックギャップ膜227は、絶縁膜272とともに、表面が、第3のコイル233及び第4のコイル234の表面と、同一の高さで平坦化されており、
上部ヨーク224は、両端が第3の上部ポール膜223及び第6のバックギャップ膜227に隣接する。上部ヨーク224は、平坦化された第3のコイル233及び第4のコイル234の表面をカバーする絶縁膜273の上に設けられ、絶縁膜273によって第3のコイル233及び第4のコイル234から絶縁されている。上部ヨーク224は、ABS52、53の後方に延び、バックギャップ膜216〜218、225〜227において、下部ヨーク211に結合されている。これにより、下部ヨーク211、下部ポール部P1、ギャップ膜24、上部ポールP2、上部ヨーク224及びバックギャップ膜216〜218、225〜227を巡る薄膜磁気回路が完結する。
保護膜274は、書き込み素子2の全体を覆っている。保護膜274は、Al2O3またはSiO2等の無機絶縁材料で構成されている。
読取素子3の付近には、第1のシールド膜31と、絶縁膜32と、第2のシールド膜33とが備えられている。第1のシールド膜31及び第2のシールド膜33は、NiFe等によって構成される。第1のシールド膜31は、Al2O3、SiO2等の絶縁膜16の上に形成されている。絶縁膜16はAl2O3−TiC等でなる基体15の表面に形成されている。
読取素子3は、第1のシールド膜31及び第2のシールド膜33の間の絶縁膜32の内部に配置されている。読取素子3は、端面がABS52、53に臨んでいる。読取素子3は、巨大磁気抵抗効果素子(GMR素子)を含む。GMR素子は、スピンバルブ膜または強磁性トンネル接合素子の何れかによって構成することができる。
上述した薄膜磁気ヘッドについて、その全体を観察すると、まず、図4に示すように、下部ヨーク211の端部、第2の下部ポール膜212及び第3の下部ポール膜213は、ABSのトラック幅方向に広がりを見せているが、第4の下部ポール膜214は、その上端側が、両側から、狭トラック幅PWとなるように削減されており、その上に積層されているギャップ膜24、第1の上部ポール膜221、第2の上部ポール膜222、第3の上部ポール膜223及び上部ヨーク224の端部によって構成される。第4の上部ポール膜224も、第4の下部ポール膜214とほぼ同じ狭トラック幅PWとなっている。これにより、高密度記録に対応した狭トラック幅PWが得られる。
次に、図5を参照すると、第1及び第2のコイル231、232は、バックギャップ膜216の周りを周回している。図示が複雑になるため、省略されているが、この上に第3のコイル233及び第4のコイル234が備えられ、これらは、第1及び第2のコイル231、232と直列に接続される。
上述したように、本発明に係る薄膜磁気ヘッドでは、下部ポールP1は、媒体対向面側において、下部ヨーク211の一面上に突設されており、上部ヨーク224は、下部ヨーク211に対して、間隔を隔てて配置され、媒体対向面を基準にして後方側のバックギャップ部(216〜218)、(225〜227)により、下部ヨーク211と結合されている。上部ポールP2は、ギャップ膜24を間に挟んで、下部ポールP1と対向し、最上面が上部ヨーク224の一面に隣接している。従って、下部ヨーク211、下部ポールP1、ギャップ膜24、上部ポールP2、上部ヨーク224及びバックギャップ部(216〜218)、(225〜227)を巡る薄膜磁気回路が形成される。ギャップ膜24は変換ギャップとして動作する。
下部コイル231、232は、バックギャップ部(216〜218)の周りを、スパイラル状に周回しており、上部コイル233、234もバックギャップ部(225〜227)の周りを、スパイラル状に周回しているから、下部コイル231、232及び上部コイル233、234のコイルターン数の合計が、コイルターン数となる。このため、コイルターン数を増大させることができる。
下部コイル231、232は、下部ヨーク211の一面を基準にした下部ポールP1の高さ内にあり、上部コイル233、234は上部ヨーク224の一面を基準にした上部ポールP2の高さを利用している。従って、下部コイル231、232の高さを、下部ポールP1の高さによって定まる寸法まで拡大できる。同様に、上部コイル233、234の高さも、上部ポールP2の高さに対応した寸法まで拡大できる。
しかも、上部コイル233、234は、下部コイル231、232の上方に配置されており、下部ヨーク211と上部ヨーク224との間の間隔(インナーギャップ)を利用したコイル階層構造が得られる。この構造によれば、同一平面上にコイルを配置する構造と異なって、コイルターン数を増大させながら、下部コイル231、232及び上部コイル233、234の幅を増大できる。また、コイル階層構造を採用したから、コイルターン数を増大させながら、ヨーク長YLを短くし、高周波特性を改善することができる。
上述したように、下部コイル231、232及び上部コイル233、234について、合計コイルターン数を増大させながら、その高さ及び幅を増大させることができるから、必然的にコイル断面積も増大する。このため、コイルターン数を増大させながら、コイル抵抗値を下げ、発熱量を低減させることができる。
更に、下部コイル231、232は、下部ポールP1の高さ内にあり、上部コイル233、234は上部ポールP2の高さを利用しており、ギャップ膜24は下部ポールP1の高さ、及び、上部ポールP2の高さによって定まるポール長さの中間に位置するから、コイル階層構造をとったにもかかわらず、ギャップ膜24の下側に位置する下部ポールP1の高さと、ギャップ膜24の上側に位置する上部ポールP2の高さとをバランスさせることができる。このため、ABSを研磨した場合に、ギャップ膜24の両側における下部ポールP1及び上部ポールP2の研磨量を均一化し、研磨の不均衡に起因するヘッドとメディアの衝突を回避し、高密度記録に不可欠なスライダの低浮上量化の要請に応えることができる。
図示実施例において、下部コイル231、232は、第1のコイル231及び第2のコイル232を含む。第1のコイル231及び第2のコイル232の一方は、他方のコイルターン間のスペースに、絶縁して嵌め込まれる。
第1のコイル231及び第2のコイル232の間に存在する絶縁膜252は、例えば、CVDを適用して、0.1μm程度の極薄膜のAl2O3膜として形成できる。したがって、バックギャップ部216〜218と下部ポールP1との間で、第1のコイル231及び第2のコイル232の断面積を最大化し、コイルターン数を維持したままで、コイル抵抗値を下げ、発熱量を低減することができる。これにより、書き込み動作時に、ポールP1、P2におけるサーマルプロトリュージョンの発生を抑制し、ヘッドクラッシュ及び磁気記録媒体上の磁気記録の損傷若しくは破壊を回避し、延いては、高記録密度のための低浮上量の要求に応えることができることになる。
第1のコイル231及び第2のコイル232は、一方が、他方のコイルターン間のスペースに、絶縁膜252によって絶縁して嵌め込まれているから、コイル導体の配線密度が高くなる。このため、同一のターン数を保った状態では、ヨーク長YLを短くすることができる。
第1のコイル231及び第2のコイル232は、同一方向の磁束を生じるように接続される。第1のコイル231及び第2のコイル232は、巻き方向が同一になるので、第1のコイル231の内端と、第2のコイル232の外端とを接続した直列接続構造をとることにより、同一方向の磁束を生じさせることができる。あるいは、第1のコイル231及び第2のコイル232を並列に接続して、同一方向の磁束を生じるようにしてもよい。この場合は、ターン数は少なくなるが、コイル抵抗値を低減できる。
第3のコイル233及び第4のコイル234も、一方が、他方のコイルターン間のスペースに、絶縁膜271によって絶縁して嵌め込まれる。第3のコイル233及び第4のコイル234は、同一方向の磁束を生じるように互いに接続され、さらに下部コイル231、232に対して、同一方向の磁束を生じるように接続される。この態様の薄膜磁気ヘッドでは、追加的な第3のコイル233及び第4のコイル234により、コイルターン数が増大され、書き込みのための起磁力が増大する。
図示実施例において、下部ポールP1は、複数の下部ポール膜211〜214を含む。第1の下部ポール膜211は、下部ヨーク211によって構成される。第2の下部ポール膜212は、第1の下部ポール膜211に隣接し、一面が、下部コイル231、232と同じ高さ位置となるように平坦化される。他の下部ポール膜213、214は、第2の下部ポール膜212の上で、順次に隣接して設けられ、表面がその周りに設けられた絶縁膜と同一の高さで平坦化される。最上層の第4の下部ポール膜214は、ギャップ膜24と隣接する。
上述したように、第2の下部ポール膜212は、一面が、下部コイル231、232と同じ高さ位置となるように平坦化されているから、その平坦化面に絶縁膜254を、均一な膜厚となるように形成することができる。従来、下部ポールP1の高さを小さくすると、第1のコイル231及び第2のコイル232をカバーしているフォトレジストが、フォトリソグラフィプロセスにおいて後退し、第1のコイル231及び第2のコイル232が露出し、その結果、コイル間ショート、さらには下部ポールP1と、第1のコイル231及び第2のコイル232との間で、ショートが発生していた。本発明では、第2の下部ポール膜212、第1のコイル231及び第2のコイル232の表面を、均一な膜厚の絶縁膜254を形成できるように平坦化してあるから、平坦化面に付与された絶縁膜254によって、第1のコイル231及び第2のコイル232を保護し、第2の下部ポール膜212の高さ(ABSからコイルの方向に図った距離)を短縮した場合でも、第1のコイル231及び第2のコイル232がダメージを受けるのを防止することができる。
また、第1のコイル231及び第2のコイル232に対して、共通の絶縁膜254を付与することができるので、第1のコイル231及び第2のコイル232の上面に対する絶縁構造が簡単化される。しかも、第1のコイル231及び第2のコイル232の上に更に他の構成部分を形成する際に、安定したベースを提供し、他の構成部分を高精度のパターンとして形成することが可能になる。
図示実施例では、下部ポールP1は、第3の下部ポール膜213及び第4の下部ポール膜214を含む。第3の下部ポール膜213は、第2の下部ポール膜212に隣接し、第4の下部ポール膜214は第3の下部ポール膜213に隣接して最上層を構成している。
上部ポールP2も、複数の上部ポール膜221〜223を含み、これらはギャップ膜24の上に順次に隣接し、最上層の上部ポール膜223が上部ヨーク224に隣接する。
より具体的には、上部ポールP2は、第1の上部ポール膜221〜第3の上部ポール膜213を含み、第1の上部ポール膜221はギャップ膜24に隣接し、第2の上部ポール膜222は第1の上部ポール膜221に隣接し、第3の上部ポール膜223は第2の上部ポール膜222に隣接している。
図示実施例の薄膜磁気ヘッドは、更に、コイル接続導体として機能する第1の接続導体膜乃至第6の接続導体膜281〜286を含む。第1の接続導体膜281は、第1のコイル231の内端であり、その表面が、第1のコイル231、第2のコイル232及び第2の下部ポール膜212と同一の高さで平坦化されている。
第2の接続導体膜282は、第1の接続導体膜281と同じ材料で構成され、第1の接続導体膜281の表面に形成され、その表面が、第2の下部ポール膜212に隣接する第3の下部ポール膜213と同一の高さで平坦化されている。第2の接続導体膜282は、第1の接続導体膜281とは異なる材料で構成してもよい。
第3の接続導体膜283は第2の接続導体膜282に隣接し、第4の接続導体膜284は第3の接続導体膜283に隣接し、第5の接続導体膜285は第4の接続導体膜284に隣接し、第6の接続導体膜286は第5の接続導体膜285に隣接する。
また、第1のバックギャップ膜216は、第1の下部ポール膜211と同一の材料でなり、下部ヨーク211の一面に隣接して形成され、その表面が、第1のコイル231、第2のコイル232及び第2の下部ポール膜212と同一の高さで平坦化されている。
第2のバックギャップ膜217は、第3の下部ポール膜213と同じ材料で構成され、第1のバックギャップ膜216に隣接して形成され、その表面が、第3の下部ポール膜213と同一の高さで平坦化されている。
第3のバックギャップ膜218は、第2のバックギャップ膜217に隣接する。第4のバックギャップ膜225は第3のバックギャップ膜218に隣接する。第5のバックギャップ膜226は第4のバックギャップ膜225に隣接する。第6のバックギャップ膜227は第5のバックギャップ膜226に隣接する。
上記構造によれば、コイル接続導体を構成する第1〜第6の接続導体膜281〜286、及び、バックギャップ膜を構成する第1〜第6のバックギャップ膜(216〜218)、(225〜227)を、それぞれに要求される所定のプロセスにより、同一平坦面上で形成できるので、製造が容易である。
更に具体的には、第3の下部ポール膜213、第2の接続導体膜282及び第2のバックギャップ膜217は、表面が互いに同一の高さで平坦化されている。第4の下部ポール膜214、第3の接続導体膜283及び第3のバックギャップ膜218は、表面が互いに同一の高さで平坦化されている。第1の上部ポール膜221、第4の接続導体膜284及び第4のバックギャップ膜225は、表面が互いに同一の高さで平坦化されている。第2の上部ポール膜222、第5の接続導体膜285及び第5のバックギャップ膜226は、表面が互いに同一の高さで平坦化されている。第3の上部ポール膜223、第6の接続導体膜286及び第6のバックギャップ膜227は、表面が、第3のコイル233及び第4のコイル234の表面と、同一の高さで平坦化されている。上部ヨーク224は、両端が第3の上部ポール膜223及び第6のバックギャップ膜227に隣接する。
上記構造によれば、第1〜第6の接続導体膜281〜286、第1〜第6のバックギャップ膜(216〜218)、(225〜227)、下部ポール膜212〜214及び上部ポール膜221〜223とを、それぞれに要求される所定のプロセスにより、同一平坦面上で形成できるので、製造が容易である。
さらに、本発明は、下部ポールP1が、第1〜第4の下部ポール膜211〜214を順次に隣接させた構造となるので、第1〜第4の下部ポール膜211〜214のそれぞれに適した磁性材料、及び、プロセスを選択し、狭トラックで、書き込み性能の高い書き込み素子を実現できる。例えば、下部ポールP1を、飽和磁束密度の高い磁性材料CoFeN(2.4T)を用いて構成することにより、コイルで発生した磁束を、途中飽和を生じさせることなく、書き込みポール領域に有効に到達させ、フラックスロスの少ない書き込み素子を実現できる。
更に、上部ポールP2が形成される段階では、既に、下部ポールP1の大部分が形成されているから、上部ポールP2は、それに適した材料及びプロセスによって形成できる。上部ポールP2を、HiBs材のCoFex、FeNxで構成し、この上部ポールP2に対し、CoNiFeのメッキ層またはアルミナ絶縁膜をマスクに、RIEを、最終形状の途中まで施し、最終形状をIBEで付与することが可能であり、トラック幅をフォトリソグラフィの限界以上に狭く形成することができる。具体的には、150GB/in2-200GB/in2に必要とされる0.1μm以下のトラック幅を正確に実現することができる。そのため、これまで量産では不可能とされていた0.1〜0.2μm以下のトラック幅が正確にコントロールできる。
また、上部ポールP2を、HiBs材で全体的に高く形成することが可能なため、磁気ボリュームを増大させることができる。また、上部ポールP2のトラック幅をIBEによって画定する場合、アルミナMask材を用いることにより、上部ポールP2のサイドエッチ量を極端に少なくできるため、IBEの処理時間が短時間で済む。そのため、上部ポールP2の先端について、磁気ボリュームを減少させることなく、150GB/in2-200GB/in2の面密度を実現することができる。
第2のコイル232と、第2の下部ポール膜212及びバックギャップ膜216とは、例えば、CVDを適用して、0.1μm程度の極薄膜となり得る絶縁膜252によって隔てられるので、ヨーク長YLの短縮化を、更に促進することができる。
最上層の第4の下部ポール膜214は、反対側が書き込みのためのギャップ膜24と隣接し、ギャップ膜24と隣接する領域の後方に、凹部291と、凹部291によって膜厚の減少された部分とを有し、凹部291を構成する端がスロートハイトTHを決定する。この構造によれば、書き込み電流の立ち上がりが速く、O/W特性の優れた書き込み素子を実現できる。
図6は本発明に係る薄膜磁気ヘッドの別の実施例を示す断面図、図7は図6に示した薄膜磁気ヘッドをABS側から見た図である。図において、図1及び図2に表れた構成部分と同一の構成部分については、同一の参照符号を付し、重複説明は省略する。この実施例では、コイル接続導体は、第1の接続導体膜281と、第2の接続導体膜282と、第3の接続導体膜283とより構成されている。第1の接続導体膜281は、第1のコイル231、第2のコイル232、第2の下部ポール膜212、第1のバックギャップ膜216及び絶縁膜253とともに、表面が同一の高さとなるように平坦化されている。
第2の接続導体膜282は、第3の下部ポール膜213、第2のバックギャップ膜217及び絶縁膜255とともに、表面が同一の高さとなるように平坦化されている。
第3の接続導体膜283は、第3のコイル233、第4のコイル234、第3の上部ポール膜223、第6のバックギャップ膜227及び絶縁膜272とともに、表面が同一の高さとなるように平坦化されている。この実施例の場合も、図1〜図5に示した実施例と同様の作用効果を得ることができる。
2.薄膜磁気ヘッドの製造方法
(1)実施例1
製造方法に係る実施例1は、図1〜図5に図示した薄膜磁気ヘッドの製造プロセスである。図8〜図47に図示するプロセスは、ウエハー上で実行されるものであることを予め断っておく。
<図8の状態に至るプロセス>
図8を参照すると、基体15の上に付着された絶縁膜16の上に、第1のシ−ルド膜31、読取素子3、絶縁膜32、第2のシ−ルド膜33、絶縁膜34及び下部ヨーク211を、周知のプロセスによって形成する。一例を述べると、まず、基体15に、例えばアルミナでなる絶縁膜16を約3μmの厚さで堆積する。次に下部シールド膜(3)を形成するために、この上にフォトレジスト膜をマスクにメッキ法にてパーマロイを約2〜3μmの厚みで選択的に形成する。次に約3〜4μmの厚さでアルミナ膜(図示せず)を形成し、Chemical Mechanical Polishing(以下、CMPと称する)を適用して、平坦化する。続いてシールドギャップを構成する絶縁膜32、読取素子3とそのリード線(図示せず)を形成し、約1.0〜1.5μmの厚さで、上部シールド膜33を選択的に形成する。その後0.3μmの厚みで、例えばアルミナでなる絶縁膜33を形成する。
その後、絶縁膜33の上にCoNiFe(1.9T)とCoFeN(2.4T)の磁性材から成る下部ヨーク211を3.0〜4.0μmの厚みで形成する。このとき第1の下部ポールP1はNiFe(80%:20%)やNiFe(45%:55%)、CoNiFe等のメッキ膜でもよいが、本実施例ではFeAIN、FeN、FeCo、CoFeN、FeZrN等のスパッタ〜膜を0.5〜1.5μmの厚みで形成する。
次に、下部ヨーク211の平坦な表面に、コイル形成に要する面積よりも少し大きい面積で、絶縁膜251を形成する。絶縁膜251はアルミナ絶縁膜であり、0.2μm程度の膜厚となるように形成する。次に、絶縁膜251の上で、フォトリソグラフィプロセスを実行し、ポール形成領域及びバックギャップ形成領域を開口させる。
次に、絶縁膜251の表面にSeed膜を形成する。Seed膜は、絶縁膜251の表面及び下部ヨーク211の表面を覆うように形成する。Seed膜は、Cuメッキ下地膜として適切な材料を用い、Cu-CVDの適用によって、50nm〜80nmの膜厚となるように形成する。
次に、Seed膜の上にフォトレジスト膜を、スピンコート法などの適用によって形成した後、コイルパターンを有するマスクを用いて露光し、現像する。フォトレジスト膜は、ポジティブフォトレジスト、ネガティブフォトレジストの何れでもよい。
上述した露光プロセスを経て現像することにより、コイル形成用パターンが得られる。コイル形成用パターンは、レジストフレームによって画定されている。
次に、選択的Cuメッキ処理を実行し、コイル形成用パターンの内部に存在するSeed膜の上に、第1のコイル231を、例えば3〜3.5μmの厚みとなるように成長させる。この後、レジストフレームをケミカルエッチングなどの手段によって除去する。図8は、レジストフレームを除去した後の状態を示している。
<図9の状態に至るプロセス>
次に、レジストフレームを除去した後、ポール膜及びバックギャップ膜を形成するためのフォトリソグラフィプロセスを実行して、ポール膜及びバックギャップ膜のためのレジストフレームを形成する。
次に、下部ヨーク211をSeed膜として、選択的メッキ処理を行い、下部ヨーク211の上にポール膜及びバックギャップ膜を成長させ、その後、レジストフレームを、ケミカルエッチングなどの手段によって除去する。これにより、図9に示すように、下部ヨーク211の一面上に、第2の下部ポール膜212及び第1のバックギャップ膜216が間隔を隔てて形成される。第2の下部ポール膜212及びバックギャップ膜216は、例えばCoNiFe(2.3T)を用いて3〜3.5μmの膜厚となるように形成する。
<図10の状態に至るプロセス>
次に、図10に示すように、第1のコイル231、第2の下部ポール膜212及びバックギャップ膜216を覆うフォトレジスト膜RS1を形成する。この後、フォトレジスト膜RS1に対してフォトリソグラフィプロセスを実行し、更に、IBEを実行することにより、第1のヨーク211を、所定のパターンとなるようにパターニングする。
<図11の状態に至るプロセス>
次に、図11に示すように、第1のコイル231及びその周囲を覆うレジストカバーFR1を形成し、更に、レジストカバーFR1の全体を覆う絶縁膜253を付着させる。絶縁膜253は、アルミナを、4〜5μmの範囲の膜厚となるように形成する。
<図12の状態に至るプロセス>
次に、絶縁膜253及びレジストカバーFR1を、CMPによって研磨し、平坦化する。図12はCMP処理を施した後の状態を示している。CMPは、第2の下部ポール膜212及び第1のバックギャップ膜216が露出するまで実行する。第2の下部ポール膜212及び第1のバックギャップ膜216は、CMPの終了した状態で、3.5〜4.0μmの膜厚となるようにする。第1のコイル231は露出させない。
<図13の状態に至るプロセス>
次に、ケミカルエッチングなどの手段によって、レジストカバーFR1を除去する。
<図14の状態に至るプロセス>
次に、絶縁膜251、253、第1のコイル231、第2の下部ポール膜212及び第1のバックギャップ膜216の表面及び側面に、絶縁膜252を付着させる。絶縁膜252は、具体的には、高純度のアルミナを用いたAl2O3−CVDによって、0.1〜0.15μm程度の膜厚となるように形成する。
次に、絶縁膜252の表面に、スパッタまたはCu-CVDによって、50nm〜80nmの範囲の膜厚となるように、Seed膜261を付着させる。
<図15の状態に至るプロセス>
次に、図15に図示するように、Seed膜261の上に、第2のコイルとなるメッキ膜232を、例えば3〜4μmの膜厚となるように形成する。メッキ膜232は、Cuを主成分とする。
ここで、Seed層261は、Cu-CVDによって形成されており、第1のコイル231の凹凸に正確に追従したStep coverageの良好なCu-CVD膜が形成されているから、第1のコイル231のターン間が狭く細長いスペースであっても、キーホールを生じさせることなく、第2のコイルのためのメッキ膜232を、第1のコイル231のターン間に埋め込むことができる。
Cu−CVDの際に必要となるデポジッションガスは高価であるから、本発明では、Cu−CVDは、専ら、そのStep coverageのよさを生かし、狭いスペースに、均一な膜厚のSeed層261を形成するために用い、必要な膜厚はメッキによって確保する。
<図16の状態に至るプロセス>
次に、図16に図示するように、メッキ膜232をCMPによって研磨し、平坦化する。CMPにあたっては、アルミナ系スラリーを用いる。これにより、第2のコイル232が、平面状のスパイラルパターンとなるように、パターン化されるとともに、第1のコイル231から、絶縁膜252によって分離される。CMPにおいては、第2の下部ポール膜212、第1のバックギャップ膜216および絶縁膜253の表面も、第1のコイル231及び第2のコイル232の表面と同一の平面となるように研磨される。このCMPにより、第2の下部ポール膜212、第1のバックギャップ膜216、絶縁膜253、第1のコイル231及び第2のコイル232は、膜厚が2.5μm〜3.0μmの範囲となるように調整される。
ここで、第2の下部ポール膜212のエッジと、第2のコイル232のエッジとは、Al203-CVDによる絶縁膜252を挟んで、互いに近接した位置にあり、ABS52、53(図3参照)に近くなる。このため、磁束のロスが少なくなり、オーバーライトの優れた書き込みヘッドが形成できる。
<図17の状態に至るプロセス>
次に、図17に図示するように、第1のコイル231及び第2のコイル232の表面を覆う絶縁膜254を付着させる。絶縁膜254は、Al2O3でなり、例えば、0.2〜0.3μmの膜厚となるように形成する。絶縁膜254には、第2の下部ポール膜212、第1のバックギャップ膜216及び第1の接続導体膜281の真上に、開口を設ける。そして、第1のコイル231と第2コイル232とを電気的に接続するジャンパ配線となる第2の接続導体膜282を、開口をとおして、第1の接続導体膜281の上に設ける。第2の接続導体膜282は、0.5〜1.0μmの範囲の膜厚となるように形成する。第2の下部ポール膜212及び第1のバックギャップ膜216の真上に設けられた開口には、第3のポール膜213及び第2のバックギャップ膜217を形成する。
第2の接続導体膜282を構成する材料はCuが望ましいが、第3の下部ポール膜213と同じ材料でもよい。第3の下部ポール膜213は、NiFe、CoNiFe、CoFe等のメッキ膜でもよいが、CoNiFe(1.9〜2.3T)を用い、1〜2μmの膜厚とする。
<図18の状態に至るプロセス>
次に、第3の下部ポール膜213及びバックギャップ膜217を形成してある表面に、Al2O3でなる絶縁膜255を、例えば、1〜1.5μmの範囲の膜厚として形成した後、CMPを施し、最終的に0.5μmの膜厚となるように研磨する。
<図19の状態に至るプロセス>
次に、第3の下部ポール膜213の上に、第4の下部ポール膜214のためのスパッタ膜を形成した後、その上にNiFe、CoNiFeのメッキパターンを形成する。スパッタ膜は0.3〜0.5μmのCoFeN(2.4T)によって構成する。CoFeNのスパッタ膜の他、FeAIN、FeN、FeCo、FeZrN等のスパッタ膜でもよい。
次に、第3の下部ポール膜213、第2のバックギャプ膜217及び第2の接続導体膜282の各被研磨面に、第4の下部ポール膜214、第3のバックギャップ膜218及び第3の接続導体膜283を、例えば、0.5μmの膜厚となるように形成する。第4の下部ポール膜214は、CoFeNによって構成することができる。
次に、フォトリソグラフィプロセスの適用により、第4の下部ポール膜214、第3のバックギャップ膜218及び第3の接続導体膜283の上に、レジストマスクFR3を形成した後、絶縁膜256を、スパッタなどの手段によって付着させる。レジストマスクFR3は、リフトオフし易いように、T型の形状とする。
<図20の状態に至るプロセス>
次に、レジストマスクFR3をリフトオフした後、第4の下部ポール膜214、第3のバックギャップ膜218及び第3の接続導体膜283の上に、レジストマスクFR4を形成する。第4の下部ポール膜214の上のレジストマスクFR4は、第4の下部ポール膜214の後方側をカバーしないような形状とする。
次に、レジストマスクFR4をMaskとして、IBEを施し、第4の下部ポール膜214のCoFeNの一部を、例えば0.2〜0.3μmの高さとなるようにエッチングする。次に、スパッタによって、0.2〜0.3μmの膜厚となるように、Al2O3の絶縁膜257を自己整合的に付着させる。
<図21の状態に至るプロセス>
次に、レジストマスクFR4をリフトオフした後、表面に、軽くCMPを施し、第4の下部ポール膜214及び絶縁膜257を平坦化する。その後、0.08〜0.1μmの厚みで、ギャップ膜24を形成する。ギャップ膜24は、Al2O3、Ru、NiCu、Taなどの非磁性材料によって形成される。
<図22、図23の状態に至るプロセス>
次に、図22に示すように、第3のバックギャップ膜218の上で、ギャップ膜24に開口を設けた後、図23に示すように、第1の上部ポール膜221として、HiBs材であるFeAlN、FeN、FeCo、CoFeN、FeZrN等のスパッタ膜を、0.1〜0.5μmの厚みで形成する。
<図24の状態に至るプロセス>
次に、第1の上部ポール膜221の表面に、フォトリソグラフィプロセスの適用によって、レジストカバーFR5を形成する。レジストカバーFR5は、第4の下部ポール膜214の上方、第3のバックギャップ膜218の上方及び第3の接続導体膜283の上方のそれぞれに位置するように形成する。次に、レジストカバーFR5をマスクにして、第1の上部ポール膜221をエッチングする。そのエッチングは、IBEやRIEである。これにより、図24に示すように、所定形状にパターニングされた第1の上部ポール膜221、第4のバックギャップ膜224及び第4の接続導体膜284が形成される。
<図25の状態に至るプロセス>
次に、図25に図示するように、エッチングされた部分に、Al2O3でなる絶縁膜257を、例えば、0.2〜0.6μmの範囲の膜厚となるように、スパッタなどの手段によって付着させる。この後、レジストカバーFR5を、リフトオフ方法によって除去する。
<図26、図27の状態に至るプロセス>
次に、絶縁膜257、第1の上部ポール膜221、第4のバックギャップ膜224及び第4の接続導体膜284の表面を、CMPによって研磨し、より完全に平坦化する。
次に、平坦化された表面に、スパッタによって、たとえば、0.1μmの膜厚を有するSeed膜を形成した後、Seed膜の上で、フォトリソグラフィプロセスを実行して、レジストフレームを形成する。そして、CoFeN(2.4T)を、3〜4μmの膜厚となるように選択的にメッキし、図26に図示するように、第2の上部ポール膜222及び第5のバックギャップ膜225を形成する。
<図28の状態に至るプロセス>
次に、Seed膜をイオンミリングなどの手段によって除去する。この段階で、第4の下部ポール膜214、ギャップ膜24、第1の上部ポール膜221及び第2の上部ポール膜222を、イオンミリングによってパターン化してもよい。その後、第4の接続導体膜284の上に、第5の接続導体膜285を、Cuの選択的メッキによって形成する。
<図29、図30の状態に至るプロセス>
次に、スパッタなどによって、アルミナでなる絶縁膜258を、2〜4μmの膜厚となるように付着させた後、絶縁膜258の表面をCMPによって研磨する。このCMPは、絶縁膜258、第2の上部ポール膜222、第5のバックギャップ膜225及び第5の接続導体膜285の各表面が、均一な平坦面となるように実行する。
<図31の状態に至るプロセス>
次に、絶縁膜258の表面で、選択的Cuメッキ処理を実行し、第3のコイル233を、例えば3〜3.5μmの厚みとなるように成長させる。第3のコイル233を形成するプロセスにおいて、第5の接続導体膜285の表面に、第6の接続導体膜286を、選択的Cuメッキ処理によって形成する。
第3のコイル233は、第1のコイル231とほぼ同じプロセスで形成される。具体的には、絶縁膜258の表面にSeed膜を形成する。Seed膜は、Cuメッキ下地膜として適切な材料を用い、Cu-CVDの適用によって、50nm〜80nmの膜厚となるように形成する。
次に、Seed膜の上にフォトレジスト膜を、スピンコート法などの適用によって形成した後、コイルパターンを有するマスクを用いて露光し、現像する。フォトレジスト膜は、ポジティブフォトレジスト、ネガティブフォトレジストの何れでもよい。
次に、選択的Cuメッキ処理を実行し、第3のコイル233を形成する。この後、レジストフレームをケミカルエッチングなどの手段によって除去する。図31は、レジストフレームを除去した後の状態を示している。
<図32の状態に至るプロセス>
次に、第2の上部ポール膜222、及び、第5のバックギャップ膜225をSeed膜として、選択的メッキ処理を行い、第3の上部ポール膜223及び第6のバックギャップ膜226を成長させる。第3の上部ポール膜223及び第6のバックギャップ膜226は、例えばCoNiFe(2.3T)を用いて3.5〜4.0μmの膜厚となるように形成する。
<図33の状態に至るプロセス>
次に、絶縁膜258、第3のコイル233、第3の上部ポール膜223及び第6のバックギャップ膜226の表面及び側面に、絶縁膜271を付着させる。絶縁膜271は、具体的には、高純度のアルミナを用いたAl2O3−CVDによって、0.1〜0.15μm程度の膜厚となるように形成する。
<図34の状態に至るプロセス>
次に、第3のコイル233、第3の上部ポール膜223、第6のバックギャプ膜226及び第6の接続導体膜286を覆うフォトレジスト膜を形成した後、フォトレジスト膜に対してフォトリソグラフィプロセスを実行し、図34に示すように、第3のコイル233及びその周囲を覆うレジストカバーFR6を形成する。
<図35、図36の状態に至るプロセス>
次に、図35、図36に図示するように、レジストカバーFR6の全体を覆う絶縁膜272を付着させる。絶縁膜272は、3〜5μmの範囲の膜厚となるように形成する。
<図37の状態に至るプロセス>
次に、絶縁膜272及びレジストカバーFR6を、CMPによって研磨し、平坦化する。CMPにあたっては、アルミナ系スラリーを用いる。図37はCMP処理を施した後の状態を示している。
<図38の状態に至るプロセス>
次に、レジストカバーFR6を除去した後、第3のコイル233、第3の上部ポール膜223、第6のバックギャップ膜226、第6の接続導体膜286及び絶縁膜272の表面及び側面に、Cu−CVDによって、0.05〜0.1μmの範囲の膜厚となるように、Seed膜262を付着させる。
<図39、図40の状態に至るプロセス>
次に、図39、図40に図示するように、Seed膜262の上に、第4のコイルとなるメッキ膜234を、例えば、3〜4μmの膜厚となるように形成する。メッキ膜234は、Cuを主成分とする。
<図41、図42の状態に至るプロセス>
次に、図41、図42に図示するように、メッキ膜234をCMPによって研磨し、平坦化する。CMPにあたっては、アルミナ系スラリーを用いる。これにより、第4のコイル234が、平面状のスパイラルパターンとなるように、パターン化されるとともに、第3のコイル233から、絶縁膜271によって分離される。CMPにおいては、第3の上部ポール膜223、第6のバックギャップ膜226、第6の接続導体膜286および絶縁膜272の表面も、第3のコイル233及び第4のコイル234の表面と同一の平面となるように研磨される。第3のコイル233及び第4のコイル234は、膜厚が2.0〜3.0μmの範囲となる。
<図43、図44の状態に至るプロセス>
次に、第3のコイル233及び第4のコイル234の表面を覆う絶縁膜273を付着させる。絶縁膜273は、Al2O3でなり、例えば、0.2μmの膜厚となるように形成する。
次に、第6のバックギャップ膜226及び第4の上部ポール膜234の真上において、絶縁膜273に部分的に開口させ、絶縁膜273の表面に、第6のバックギャップ膜226及び第4の上部ポール膜234を連結するように、上部ヨーク224を形成する。上部ヨーク224は、フレームメッキ法によって、NiFeまたはCoNiFeなどのパターンメッキとして形成する。
<図45、図46、図47の状態に至るプロセス>
次に、図45、図46に図示するように、保護膜274を、20〜40μmの膜厚となるように付着させる。図47を参照すると、下部ヨーク211の中間部に、スロートハイト零点TH0があり、ここまで、研磨され、研磨された面がABSとなる。
第1及び第2のコイル231、232は、バックギャップ膜の周りを周回している。第1及び第2のコイル231、232の上に第3のコイル233及び第4のコイル234が備えられ、これらは、第1及び第2のコイル231、232と直列に接続される(図45、図46参照)。
図45、図46に図示するように、第1及び第2のコイル231、232は、下部ポールを構成する第2の下部ポール膜212〜214の高さ内にあり、第3のコイル233及び第4のコイル234は、上部ポールを構成する第1の上部ポール膜221〜第3のポール膜223の高さを利用しており、ギャップ膜24は第2の下部ポール膜212〜214の高さ、及び、第1の上部ポール膜221〜第3のポール膜223の高さによって定まるポール長さの中間に位置するから、コイル階層構造をとったにもかかわらず、ギャップ膜24の下側に位置する下部ポールの高さと、ギャップ膜24の上側に位置する上部ポールの高さとをバランスさせることができる。このため、ABSを研磨した場合に、ギャップ膜の両側における下部ポール及び上部ポールの研磨量を均一化し、研磨の不均衡に起因するヘッドとメディアの衝突を回避し、高密度記録に不可欠なスライダの低浮上量化の要請に応えることができる。
(2)実施例2
製造方法に係る実施例2は、図6、図7に図示した薄膜磁気ヘッドの製造プロセスであり、図48〜図79に図示されている。図48〜図79に図示するプロセスも、ウエハー上で実行されるものであることを予め断っておく。
<図48〜図50の状態に至るプロセス>
図48〜図50の状態に至るプロセスは、実施例1の図8〜図10に図示したプロセスと実質的に同じであるので、詳細は省略する。
<図51の状態に至るプロセス>
図50において、フォトレジスト膜RS2に対してフォトリソグラフィプロセスを実行し、更に、IBEを実行することにより、第1のヨーク211を、所定のパターンとなるようにパターニングした後、フォトレジスト膜RS2を除去する。
次に、絶縁膜251、第1のコイル231、第2の下部ポール膜212、第1のバックギャップ膜216及び第1の接続導体膜281の表面及び側面に、絶縁膜252を付着させる。絶縁膜252は、具体的には、高純度のアルミナを用いたAl2O3−CVDによって、0.1〜0.15μm程度の膜厚となるように形成する。
次に、絶縁膜252の表面に、スパッタまたはCu-CVDによって、50nm〜80nmの範囲の膜厚となるように、Seed膜261を付着させる。
<図52の状態に至るプロセス>
次に、図52に図示するように、次に、Seed膜261の上に、第2のコイルとなるメッキ膜232を、フレームメッキ法により、例えば、3〜4μmの膜厚となるように形成する。メッキ膜232は、Cuを主成分とし、選択メッキ法によって形成する。メッキ膜232によって覆われていないSeed膜261は、希塩酸、希硫酸もしくは硫酸銅などを用いたウエットエッチング、又は、Ion Millingなどのドライエッチングによって除去する。
ここで、Seed層261は、Cu-CVDによって形成されており、第1のコイル231の凹凸に正確に追従したStep coverageの良好なCu-CVD膜が形成されているから、第1のコイル231のターン間が狭く細長いスペースであっても、キーホールを生じさせることなく、第2のコイル232のためのメッキ膜232を、第1のコイル231のターン間に埋め込むことができる。
Cu−CVDの際に必要となるデポジッションガスは高価であるから、本発明では、Cu−CVDは、専ら、そのStep coverageのよさを生かし、狭いスペースに、均一な膜厚のSeed層261を形成するために用い、必要な膜厚はメッキによって確保する。
ここで、第2の下部ポール膜212のエッジと、第2のコイル232のエッジとは、Al2O3-CVDによる絶縁膜252を挟んで、互いに近接した位置にあり、ABSに近くなる。このため、磁束のロスが少なくなり、オーバーライトの優れた書き込みヘッドが形成できる。
その後、メッキ膜232によって覆われていない領域、及び、メッキ膜232を覆うように、Al2O3でなる絶縁膜253を形成する。絶縁膜253は、4〜6μmのスパッタ膜として形成する。
<図53の状態に至るプロセス>
図52の状態から図53の状態に至るプロセスでは、絶縁膜253及びメッキ膜232をCMPによって研磨し、平坦化する。これにより、第2のコイル232が、平面状のスパイラルパターンとなるように、パターン化されるとともに、第1のコイル231から、絶縁膜252によって分離される。CMPにおいては、第2の下部ポール膜212、第1の接続導体膜216および絶縁膜252の表面も、第1のコイル231及び第2のコイル232の表面と同一の平面となるように研磨される。
<図54の状態に至るプロセス>
図53の状態から図54の状態に至るプロセスでは、第1のコイル231及び第2のコイル232の表面を覆う絶縁膜254を付着させる。絶縁膜254は、Al2O3でなり、例えば、0.2μm〜0.5μmの膜厚となるように形成する。
次に、絶縁膜254に対して、RIE又はIon Millingを施し、第3の下部ポール膜213、第2のバックギャップ膜217及び第2の接続導体膜282のための開口を形成する。その後、メッキにより、第3の下部ポール膜213、第2のバックギャップ膜217及び第2の接続導体膜282を形成する。第3の下部ポール膜213、第2のバックギャップ膜217及び第2の接続導体膜282は、CoFe又はCoNiFe(2.1〜2.3T)のメッキ膜であり、例えば、1〜2μmの範囲の膜厚を有する。
次に、第3の下部ポール膜213及び第2のバックギャップ膜217を形成してある表面に、Al2O3でなる絶縁膜255を、例えば、1〜2μmの膜厚となるように付着させた後、絶縁膜255、第3の下部ポール膜213及び第2のバックギャップ膜217の表面を、CMPによって研磨する。
<図55、図56の状態に至るプロセス>
図54の状態から図55の状態に至るプロセスでは、絶縁膜255、第3の下部ポール膜213及び第2のバックギャップ膜217の被研磨面に、第4の下部ポール膜となる磁性膜214を、例えば、0.5〜1.0μmの膜厚となるように形成する。磁性膜214は、CoFeN(2.4T)のメッキ膜、又は、FeAlN、FeN、FeCoもしくはFeZrNのスパッタ膜によって構成することができる。この後、第3の下部ポール膜213及び第2のバックギャップ膜217の上に、NiFeまたはCoNiFeのパターンメッキ膜でなるマスク250が形成される。そして、マスク250を介して、磁性膜214をIBEの適用によってパターニングする。これにより、図56に図示するように、第4の下部ポール膜214と、第3のバックギャップ膜218が形成される。
パターンメッキ膜でなるマスク250を用いて磁性膜214をパターニングする場合、Ion Beamが用いられ、その照射角度を零度と75度に設定する。これにより、HiBs材でなる第4の下部ポール膜214を選択的にパターニングすることができる。
磁性膜214は上記とは異なる方法によってもパターニングすることができる。例えば、Cl2またはBCl3+Cl2などのハロゲン系ガス雰囲気中、50℃〜300℃の高温で、RIEを実行し、磁性膜214を、例えば、その膜厚の80%程度までエッチングする。RIEを行うときの温度は、50℃以上、特に、200〜250℃の範囲が好ましい。この温度範囲であれば、高精度のパターンを得ることができる。
また、Cl2系ガスにO2を導入することで、エッチングプロファイルを正確にコントロールできる。特に、BCl3+Cl2ガスにO2を混入することにより、残存ボロンガスの堆積物を綺麗に除去できるので、エッチングプロファイルを極めて正確にコントロールできる。
さらに、Cl2、BCl3+Cl2またはこれらにO2を混入したガスに、CO2ガスを混合したエッチングガスを用いることにより、RIEのエッチングスピードが速まり、Mask材との選択比が30〜50%も向上する。
上述のようにして、磁性膜214を一部(80%程度)エッチングした後、残存部分に対して、追加的なIBEを施す。このIBEは、例えば、40〜70度の照射角度で行う。
上述したように、NiFeまたはCoNiFeのパターンメッキ膜でなるマスク250を用いて、磁性膜214をパターニングすることにより、第4の下部ポール膜214を正確に形成することができる。このため、第4の下部ポール膜214によって定まるスロートハイトを高精度でコントロールすることができる。例えば、スロートハイトを、0.1〜0.5μm又は0.2〜0.7μmのように、自由にコントロールすることができる。したがって、書き込み電流の立ち上がりが速く、かつ、オーバライト特性の優れた薄膜磁気ヘッドを得ることができる。
しかも、厚いHiBs材で構成された第4の下部ポール膜214によってスロートハイトが決定されるため、メディアに磁気記録を与えるための書き込み磁束を、途中の漏洩を減少させながら、ポール端に集中させることができる。このため、サイドライトやサイドイレーズの問題が解消される。
<図57、図58の状態に至るプロセス>
図56の状態から図57の状態に至るプロセスでは、Al2O3でなる絶縁膜256を、スパッタなどの手段によって付着させる。この後、図58に図示するように、絶縁膜256、第4の下部ポール膜214、第3のバックギャップ膜218及び第3の接続導体膜283の表面を、CMPによって研磨して平坦化する。
<図59の状態に至るプロセス>
次に、第4の下部ポール膜214、第3のバックギャップ膜218及び第3の接続導体膜283の上に、レジストマスクFR7を形成する。第4の下部ポール膜214の上のレジストマスクFR7は、第4の下部ポール膜214の後方側をカバーしないような形状とする。
次に、レジストマスクFR7をマスクとして、IBEを施し、第4の下部ポール膜214のCoFeNの一部を、例えば0.2〜0.3μmの高さとなるようにエッチングし、凹部291を形成する。次に、スパッタによって、0.2〜0.3μmの膜厚となるように、Al2O3の絶縁膜257を自己整合的に付着させる。
<図60、図61の状態に至るプロセス>
次に、レジストマスクFR7をリフトオフした後、表面に、軽くCMPを施し、第4の下部ポール膜214及び絶縁膜257を平坦化する。その後、0.08〜0.1μmの厚みで、ギャップ膜24を形成する。ギャップ膜24は、Al2O3、Ru、NiCu、Taなどの非磁性材料によって形成される。
次に、第1の上部ポール膜221として、HiBs材であるFeAlN、FeN、FeCo、CoFeN、FeZrN等のスパッタ膜を、0.1〜0.5μmの厚みで形成する。
次に、第1の上部ポール膜221の表面に、フォトリソグラフィ工程及びフレームメッキ法の適用によって、第2の上部ポール膜222、第3の上部ポール膜223、第5のバックギャップ膜225、第6のバックギャップ膜226、第5の接続導体膜285及び第6の接続導体膜286を形成する。これらの厚み及び組成は、既に述べたとおりである。第2の上部ポール膜222及び第3の上部ポール膜223は、フォトリソグラフィ工程によるパターン精度をもって、縮小されたトラック幅を有するように、狭幅に形成する(図61参照)。
<図62、図63の状態に至るプロセス>
次に、第2の上部ポール膜222、第3の上部ポール膜223、第5のバックギャップ膜225、第6のバックギャップ膜226、第5の接続導体膜285及び第6の接続導体膜286をマスクにして、第1の上部ポール膜221をエッチングする。エッチングはギャップ膜24が露出するまで行なう。そのエッチングは、IBEやRIEである。これにより、図62、図63に示すように、第2の上部ポール膜222、第3の上部ポール膜223、第5のバックギャップ膜225及び第6のバックギャップ膜226が所定形状にパターニングされる。この後、第5の接続導体膜285及び第6の接続導体膜286を選択的にエッチングする。
<図64、図65の状態に至るプロセス>
次に、第2の上部ポール膜222、第3の上部ポール膜223、第5のバックギャップ膜225及び第6のバックギャップ膜226をマスクにして、絶縁膜255が露出するまでエッチングし、平坦化した後、露出した絶縁膜255の表面に、第3のコイル233を形成する。この工程において、第3の接続導体膜283が再び形成される。
<図66、図67の状態に至るプロセス>
次に、絶縁膜255、第3のコイル233、第1の上部ポール膜221〜第3の上部ポール膜223、第3のバックギャップ膜218〜第6のバックギャップ膜226の表面及び側面に、絶縁膜271を付着させる。絶縁膜271は、具体的には、高純度のアルミナを用いたAl2O3−CVDによって、0.1〜0.15μm程度の膜厚となるように形成する。
<図68、図69の状態に至るプロセス>
次に、絶縁膜271の表面に、スパッタまたはCu-CVDによって、50nm〜80nmの範囲の膜厚となるように、Seed膜262を付着させる。 次に、次に、Seed膜262の上に、第4のコイルとなるメッキ膜234を、フレームメッキ法により、例えば、3〜4μmの膜厚となるように形成する。メッキ膜234は、Cuを主成分とし、選択メッキ法によって形成する。
<図70、図71の状態に至るプロセス>
次に、メッキ膜234によって覆われていないSeed膜262は、希塩酸、希硫酸もしくは硫酸銅などを用いたウエットエッチング、又は、Ion Millingなどのドライエッチングによって除去する。
ここで、Seed層262は、Cu-CVDによって形成されており、第3のコイル233の凹凸に正確に追従したStep coverageの良好なCu-CVD膜が形成されているから、第3のコイル233のターン間が狭く細長いスペースであっても、キーホールを生じさせることなく、第4のコイルのためのメッキ膜234を、第3のコイル233のターン間に埋め込むことができる。
Cu−CVDの際に必要となるデポジッションガスは高価であるから、Cu−CVDは、専ら、そのStep coverageのよさを生かし、狭いスペースに、均一な膜厚のSeed層262を形成するために用い、必要な膜厚はメッキによって確保する。
ここで、第1の上部ポール膜221〜第3の上部ポール膜223のエッジと、第4のコイル234のエッジとは、Al203-CVDによる絶縁膜271を挟んで、互いに近接した位置にあり、ABSに近くなる。このため、磁束のロスが少なくなり、オーバーライトの優れた書き込みヘッドが形成できる。
<図72の状態に至るプロセス>
次に、メッキ膜234によって覆われていない領域、及び、メッキ膜234を覆うように、Al2O3でなる絶縁膜272を形成する。絶縁膜272は、4〜6μmのスパッタ膜として形成する。
<図73の状態に至るプロセス>
図72の状態から図73の状態に至るプロセスでは、絶縁膜272及びメッキ膜234をCMPによって研磨し、平坦化する。これにより、第4のコイル234が、平面状のスパイラルパターンとなるように、パターン化されるとともに、第3のコイル233から、絶縁膜272によって分離される。CMPにおいては、第3の上部ポール膜223、第6の接続導体膜226および絶縁膜272の表面が、第3のコイル233及び第4のコイル234の表面と同一の平面となるように研磨される。
<図74の状態に至るプロセス>
図73の状態から図74の状態に至るプロセスでは、第3のコイル233及び第4のコイル234の表面を覆う絶縁膜273を付着させる。絶縁膜273は、Al2O3でなり、例えば、0.2μm〜0.5μmの膜厚となるように形成する。第6のバックギャップ膜226及び第4の上部ポール膜234の真上において、絶縁膜273を、部分的に開口させる。
<図75、図76の状態に至るプロセス>
次に、絶縁膜273の表面に、第6のバックギャップ膜226及び第4の上部ポール膜234を連結するように、上部ヨーク224を形成する。上部ヨーク224は、フレームメッキ法によって、NiFeまたはCoNiFeなどのパターンメッキとして形成する。
<図77の状態に至るプロセス>
次に、保護膜274を、20〜40μmの膜厚となるように付着させる。保護膜274はアルミナをスパッタすることによって形成される。
<図78、図79の状態に至るプロセス>
次に、切断工程により、ウエハから薄膜磁気ヘッド素子を取り出した後、ポール側を研磨する。図78は研磨後の状態を示している。ここで、第1及び第2のコイル231、232は、下部ポールを構成する第2の下部ポール膜212〜214の高さ内にあり、第3のコイル233及び第4のコイル234は、上部ポールを構成する第1の上部ポール膜221〜第3のポール膜223の高さを利用しており、ギャップ膜24は第2の下部ポール膜212〜214の高さ、及び、第1の上部ポール膜221〜第3のポール膜223の高さによって定まるポール長さの中間に位置するから、コイル階層構造をとったにもかかわらず、ギャップ膜24の下側に位置する下部ポールの高さと、ギャップ膜24の上側に位置する上部ポールの高さとをバランスさせることができる。このため、ABSを研磨した場合に、ギャップ膜の両側における下部ポール及び上部ポールの研磨量を均一化し、研磨の不均衡に起因するヘッドとメディアの衝突を回避し、高密度記録に不可欠なスライダの低浮上量化の要請に応えることができる。
3.磁気ヘッド装置及び磁気記録再生装置
本発明は、更に、磁気ヘッド装置及び磁気記録再生装置についても開示する。図80及び図81を参照すると、本発明に係る磁気ヘッド装置は、図1〜図7に示した薄膜磁気ヘッド400と、ヘッド支持装置6とを含む。ヘッド支持装置6は、金属薄板でなる支持体61の長手方向の一端にある自由端に、同じく金属薄板でなる可撓体62を取付け、この可撓体62の下面に薄膜磁気ヘッド400を取付けた構造となっている。
具体的には、可撓体62は、支持体61の長手方向軸線と略平行して伸びる2つの外側枠部621、622と、支持体61から離れた端において外側枠部621、622を連結する横枠623と、横枠623の略中央部から外側枠部621、622に略平行するように延びていて先端を自由端とした舌状片624とを有する。横枠623のある方向とは反対側の一端は、支持体61の自由端付近に溶接等の手段によって取付けられている。
支持体61の下面には、例えば半球状の荷重用突起625が設けられている。この荷重用突起625により、支持体61の自由端から舌状片624へ荷重力が伝えられる。
薄膜磁気ヘッド400は、舌状片624の下面に接着等の手段によって取付けられている。薄膜磁気ヘッド400は、ピッチ動作及びロ〜ル動作が許容されるように支持されている。
本発明に適用可能なヘッド支持装置6は、上記実施例に限定するものではなく、これまで提案され、またはこれから提案されることのあるヘッド支持装置を、広く適用できる。例えば、支持体61と舌状片624とを、タブテープ(TAB)等のフレキシブルな高分子系配線板を用いて一体化したもの等を用いることもできる。また、従来より周知のジンバル構造を持つものを自由に用いることができる。
次に、図82を参照すると、本発明に係る磁気記録再生装置は、軸70の回りに回転可能に設けられた磁気ディスク71と、磁気ディスク71に対して情報の記録及び再生を行う薄膜磁気ヘッド72と、薄膜磁気ヘッド72を磁気ディスク71のトラック上に位置決めするためのアッセンブリキャリッジ装置73とを備えている。
アセンブリキャリッジ装置73は、軸74を中心にして回動可能なキャリッジ75と、このキャリッジ75を回動駆動する例えばボイスコイルモ〜タ(VCM)からなるアクチュエ〜タ76とから主として構成されている。
キャリッジ75には、軸74の方向にスタックされた複数の駆動ア〜ム77の基部が取り付けられており、各駆動ア〜ム77の先端部には、薄膜磁気ヘッド72を搭載したヘッドサスペンションアッセンブリ78が固着されている。各ヘッドサスペンションアセンブリ78は、その先端部に有する薄膜磁気ヘッド72が、各磁気ディスク71の表面に対して対向するように駆動ア〜ム77の先端部に設けられている。
駆動ア〜ム77、ヘッドサスペンションアッセンブリ78及び薄膜磁気ヘッド72は、図80、図81を参照して説明した磁気ヘッド装置を構成する。薄膜磁気ヘッド72は、図1〜図7に示した構造を有する。従って、図82に示した磁気記録再生装置は、図1〜図7を参照して説明した作用効果を奏する。
以上、好ましい実施例を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の変形態様を採り得ることは自明である。
本発明に係る薄膜磁気ヘッドを、ABS側から見た図である。 図1に示した薄膜磁気ヘッドの断面図である。 図1及び図2に示した薄膜磁気ヘッドの電磁変換部分の構造を、拡大して示す断面図である。 図3に示した電磁変換部分をABS側から見た図である。 図3、図4に示した電磁変換部分における書き込み素子のコイル構造を示す平面図である。 本発明に係る薄膜磁気ヘッドの電磁変換部分について、別の実施例を、拡大して示す断面図である。 図6に示した電磁変換部分をABS側から見た図である。 図3乃至図5に示した電磁変換部を持つ薄膜磁気ヘッドの製造プロセスを示す図である。 図8に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図9に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図10に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図11に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図12に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図13に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図14に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図15に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図16に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図17に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図18に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図19に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図20に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図21に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図22に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図23に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図24に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図25に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図26に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図27に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図28に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図29に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図30に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図31に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図32に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図33に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図34に示したプロセスを経て得られた書き込み素子を、ABS側から見た図である。 図35の36−36線に沿った断面図である。 図35、図36に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図37に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図38に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図39の40−40線に沿った断面図である。 図39、図40に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図41の42−42線に沿った断面図である。 図41、図42に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図43の44−44線に沿った断面図である。 図43、図44に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図45の46−46線に沿った断面図である。 図45、図46に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図46、図47に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図6、図7に示した電磁変換部を持つ薄膜磁気ヘッドの製造プロセスを示す図である。 図49に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図50に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図51に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図52に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図53に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図54に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図55に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図56に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図57に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図58に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図59に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図60に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図61に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図62の63−63線に沿った断面図である。 図62、63に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図64の65−65線に沿った断面図である。 図64、図65に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図66の67−67線に沿った断面図である。 図66、図67に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図68の69−69線に沿った断面図である。 図68、図69に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図70の71−71線に沿った断面図である。 図70、図71に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図72に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図73に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図74に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図75の状態をABS側から見た図である。 図76に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図77に示したプロセスの後のプロセスを示す図である。 図78の状態をABS側から見た図である。 本発明に係る薄膜磁気ヘッドを用いた磁気ヘッド装置の正面図である。 図80に示した磁気ヘッド装置を底面側(ABS側)から見た図である。 本発明に係る薄膜磁気ヘッド及び磁気ヘッド装置と磁気記録媒体とを組み合わせた磁気記録再生装置を概略的に示す斜視図である。
符号の説明
2 電磁変換素子(書き込み素子)
211 下部ヨーク
212 第2の下部ポール膜
213 第3の下部ポール膜
214 第4の下部ポール膜
221 第1の上部ポール膜
222 第2の上部ポール膜
223 第3の上部ポール膜
224 上部ヨーク
24 ギャップ膜
3 電磁変換素子(読取素子)


Claims (18)

  1. 書き込み素子を含む薄膜磁気ヘッドであって、
    前記書き込み素子は、下部ヨークと、下部ポールと、上部ヨークと、上部ポールと、ギャップ膜と、下部コイルと、上部コイルとを含んでおり、
    前記下部ポールは、複数の下部ポール膜を含み、
    第1の下部ポール膜は、前記下部ヨークによって構成され、
    第2の下部ポール膜は、前記第1の下部ポール膜に隣接し、一面が平坦化され、
    他の下部ポール膜は、前記第2の下部ポール膜の上で、順次に隣接して設けられ、表面がその周りに設けられた絶縁膜と同一の高さで平坦化され、
    最上層の下部ポール膜は、ギャップ膜と隣接し、前記ギャップ膜と隣接する領域の後方に、凹部と、前記凹部によって膜厚の減少された部分とを有し、前記凹部を構成する端がスロートハイトを決定し、
    前記上部ヨークは、前記下部ヨークに対して、間隔を隔てて配置され、前記媒体対向面を基準にして後方側のバックギャップ部により、前記下部ヨークと結合されており、
    前記上部ポールは、前記ギャップ膜に隣接し、前記ギャップ膜を間に挟んで前記最上層の前記下部ポール膜と対向しており、
    前記下部コイルは、前記下部ヨークの前記一面を基準にした前記第2の下部ポール膜の高さ内で、前記バックギャップ部の周りを、スパイラル状に周回しており、
    前記上部コイルは、前記上部ヨークの前記一面を基準にした前記上部ポールの高さを利用して、前記下部コイルの上方に配置され、前記バックギャップ部の周りを、スパイラル状に周回し、
    更に、前記下部ヨークと、前記最上層の前記下部ポール膜よりは下層の下部ポール膜とは、その両側の端部が空気ベアリング面のトラック幅方向に広がり、
    前記最上層の前記下部ポール膜、前記ギャップ膜及び前記上部ポールは、両側から、狭トラック幅となるように削減されており、
    前記下部コイルは、第1のコイルと、第2のコイルとを含んでおり、
    前記第2のコイルは、前記第1のコイルのコイルターン間のスペースに嵌め込まれ、前記スペースの底面及び側面に付着された無機絶縁膜によって前記第1のコイルから絶縁され、前記無機絶縁膜の底面及び側面に付着されたシード膜の上に成膜されためっき膜であって、同一方向の磁束を生じるように、前記第1のコイルに接続されている。
  2. 請求項1に記載された薄膜磁気ヘッドであって、
    前記上部コイルは、第3のコイルと、第4のコイルとを含んでおり、
    前記第4のコイルは、前記第3のコイルのコイルターン間のスペースに嵌め込まれ、前記スペースの底面及び側面に付着された無機絶縁膜によって前記第3のコイルから絶縁され、前記無機絶縁膜の底面及び側面に付着されたシード膜の上に成膜されためっき膜であって、同一方向の磁束を生じるように、前記第3のコイルに接続されている。
  3. 請求項1に記載された薄膜磁気ヘッドであって、
    前記下部ポールは、第3の下部ポール膜及び第4の下部ポール膜を含み、前記第3の下部ポール膜は前記第2の下部ポール膜に隣接し、第4の下部ポール膜は前記第3の下部ポール膜に隣接して最上層を構成している。
  4. 請求項1に記載された薄膜磁気ヘッドであって、
    前記上部ポールは、複数の上部ポール膜を含み、前記複数の上部ポール膜は前記ギャップ膜の上に順次に隣接し、最上層の上部ポール膜が前記上部ヨークに隣接する。
  5. 請求項4に記載された薄膜磁気ヘッドであって、
    前記上部ポールは、第1の上部ポール膜乃至第3の上部ポール膜を含み、前記第1の上部ポール膜は前記ギャップ膜に隣接し、前記第2の上部ポール膜は前記第1の上部ポール膜に隣接し、前記第3の上部ポール膜は前記第2の上部ポール膜に隣接している。
  6. 請求項5に記載された薄膜磁気ヘッドであって、
    さらに、コイル接続導体を含んでおり、
    前記コイル接続導体は、第1の接続導体膜乃至第6の接続導体膜を含んでおり、
    前記第1の接続導体膜は、前記第1のコイル膜の内端であり、その表面が、前記第1のコイル、前記第2のコイル及び前記第2の下部ポール膜と同一の高さで平坦化されており、
    前記第2の接続導体膜は、前記第1の接続導体膜と同じ材料で構成され、前記第1の接続導体膜の前記表面に形成され、その表面が、前記第2の下部ポール膜に隣接する第3の下部ポール膜、と同一の高さで平坦化されており、
    前記第3の接続導体膜は前記第2の接続導体膜に隣接し、前記第4の接続導体膜は前記第3の接続導体膜に隣接し、前記第5の接続導体膜は前記第4の接続導体膜に隣接し、前記第6の接続導体膜は前記第5の接続導体膜に隣接しており、
    前記バックギャップ部は、第1乃至第6のバックギャップ膜を含んでおり、
    前記第1のバックギャップ膜は、前記第1の下部ポール膜と同一の材料でなり、前記下部ヨークの前記一面に隣接して形成され、その表面が、前記第1のコイル、前記第2のコイル及び前記第2の下部ポール膜と同一の高さで平坦化されており、
    前記第2のバックギャップ膜は、前記第3の下部ポール膜と同じ材料で構成され、前記第1のバックギャップ膜に隣接して形成され、その表面が、前記第3の下部ポール膜と同一の高さで平坦化されており、
    前記第3のバックギャップ膜は、前記第2のバックギャップ膜に隣接しており、
    前記第4のバックギャップ膜は前記第3のバックギャップ膜に隣接しており、
    前記第5のバックギャップ膜は前記第4のバックギャップ膜に隣接しており、
    前記第6のバックギャップ膜は前記第5のバックギャップ膜に隣接している。
  7. 請求項6に記載された薄膜磁気ヘッドであって、
    前記第3の下部ポール膜、前記第2の接続導体膜及び第2のバックギャップ膜は、表面が互いに同一の高さで平坦化されており、
    第4の下部ポール膜、前記第3の接続導体膜及び第3のバックギャップ膜は、表面が互いに同一の高さで平坦化されており、
    前記第1の上部ポール膜、前記第4の接続導体膜及び第4のバックギャップ膜は、表面が互いに同一の高さで平坦化されており、
    前記第2の上部ポール膜、前記第5の接続導体膜及び第5のバックギャップ膜は、表面が互いに同一の高さで平坦化されており、
    前記第3の上部ポール膜、前記第6の接続導体膜及び前記第6のバックギャップ膜は、表面が、前記第3のコイル及び前記第4のコイルの表面と、同一の高さで平坦化されており、
    前記上部ヨークは、両端が前記第3の上部ポール膜及び前記第6のバックギャップ膜に隣接する。
  8. 薄膜磁気ヘッドと、磁気記録媒体とを含む磁気記録再生装置であって、
    前記薄膜磁気ヘッドは、書き込み素子を含んでおり、
    前記書き込み素子は、下部ヨークと、下部ポールと、上部ヨークと、上部ポールと、ギャップ膜と、下部コイルと、上部コイルとを含んでおり、
    前記下部ポールは、複数の下部ポール膜を含み、
    第1の下部ポール膜は、前記下部ヨークによって構成され、
    第2の下部ポール膜は、前記第1の下部ポール膜に隣接し、一面が平坦化され、
    他の下部ポール膜は、前記第2の下部ポール膜の上で、順次に隣接して設けられ、表面がその周りに設けられた絶縁膜と同一の高さで平坦化され、
    最上層の下部ポール膜は、ギャップ膜と隣接し、前記ギャップ膜と隣接する領域の後方に、凹部と、前記凹部によって膜厚の減少された部分とを有し、前記凹部を構成する端がスロートハイトを決定し、
    前記上部ヨークは、前記下部ヨークに対して、間隔を隔てて配置され、前記媒体対向面を基準にして後方側のバックギャップ部により、前記下部ヨークと結合されており、
    前記上部ポールは、前記ギャップ膜に隣接し、前記ギャップ膜を間に挟んで前記最上層の前記下部ポール膜と対向しており、
    前記下部コイルは、前記下部ヨークの前記一面を基準にした前記第2の下部ポール膜の高さ内で、前記バックギャップ部の周りを、スパイラル状に周回しており、
    前記上部コイルは、前記上部ヨークの前記一面を基準にした前記上部ポールの高さを利用して、前記下部コイルの上方に配置され、前記バックギャップ部の周りを、スパイラル状に周回し、
    更に、前記下部ヨークと、前記最上層の前記下部ポール膜よりは下層の下部ポール膜とは、その両側の端部が空気ベアリング面のトラック幅方向に広がり、
    前記最上層の前記下部ポール膜、前記ギャップ膜及び前記上部ポールは、両側から、狭トラック幅となるように削減されており、
    前記下部コイルは、第1のコイルと、第2のコイルとを含んでおり、
    前記第2のコイルは、前記第1のコイルのコイルターン間のスペースに嵌め込まれ、前記スペースの底面及び側面に付着された無機絶縁膜によって前記第1のコイルから絶縁され、前記無機絶縁膜の底面及び側面に付着されたシード膜の上に成膜されためっき膜であって、同一方向の磁束を生じるように、前記第1のコイルに接続されており、
    前記磁気ヘッドと前記磁気記録媒体との間で、磁気記録及び再生を行う。
  9. 請求項8に記載された磁気記録再生装置であって、
    前記上部コイルは、第3のコイルと、第4のコイルとを含んでおり、
    前記第4のコイルは、前記第3のコイルのコイルターン間のスペースに嵌め込まれ、前記スペースの底面及び側面に付着された無機絶縁膜によって前記第3のコイルから絶縁され、前記無機絶縁膜の底面及び側面に付着されたシード膜の上に成膜されためっき膜であって、同一方向の磁束を生じるように、前記第3のコイルに接続されている。
  10. 請求項8に記載された磁気記録再生装置であって、
    前記下部ポールは、第3の下部ポール膜及び第4の下部ポール膜を含み、前記第3の下部ポール膜は前記第2の下部ポール膜に隣接し、第4の下部ポール膜は前記第3の下部ポール膜に隣接して最上層を構成している。
  11. 請求項8に記載された磁気記録再生装置であって、
    前記上部ポールは、複数の上部ポール膜を含み、前記複数の上部ポール膜は前記ギャップ膜の上に順次に隣接し、最上層の上部ポール膜が前記上部ヨークに隣接する。
  12. 請求項11に記載された磁気記録再生装置であって、
    前記上部ポールは、第1の上部ポール膜乃至第3の上部ポール膜を含み、前記第1の上部ポール膜は前記ギャップ膜に隣接し、前記第2の上部ポール膜は前記第1の上部ポール膜に隣接し、前記第3の上部ポール膜は前記第2の上部ポール膜に隣接している。
  13. 請求項12に記載された磁気記録再生装置であって、
    さらに、コイル接続導体を含んでおり、
    前記コイル接続導体は、第1の接続導体膜乃至第6の接続導体膜を含んでおり、
    前記第1の接続導体膜は、前記第1のコイル膜の内端であり、その表面が、前記第1のコイル、前記第2のコイル及び前記第2の下部ポール膜と同一の高さで平坦化されており、
    前記第2の接続導体膜は、前記第1の接続導体膜と同じ材料で構成され、前記第1の接続導体膜の前記表面に形成され、その表面が、前記第2の下部ポール膜に隣接する第3の下部ポール膜、と同一の高さで平坦化されており、
    前記第3の接続導体膜は前記第2の接続導体膜に隣接し、前記第4の接続導体膜は前記第3の接続導体膜に隣接し、前記第5の接続導体膜は前記第4の接続導体膜に隣接し、前記第6の接続導体膜は前記第5の接続導体膜に隣接しており、
    前記バックギャップ部は、第1乃至第6のバックギャップ膜を含んでおり、
    前記第1のバックギャップ膜は、前記第1の下部ポール膜と同一の材料でなり、前記下部ヨークの前記一面に隣接して形成され、その表面が、前記第1のコイル、前記第2のコイル及び前記第2の下部ポール膜と同一の高さで平坦化されており、
    前記第2のバックギャップ膜は、前記第3の下部ポール膜と同じ材料で構成され、前記第1のバックギャップ膜に隣接して形成され、その表面が、前記第3の下部ポール膜と同一の高さで平坦化されており、
    前記第3のバックギャップ膜は、前記第2のバックギャップ膜に隣接しており、
    前記第4のバックギャップ膜は前記第3のバックギャップ膜に隣接しており、
    前記第5のバックギャップ膜は前記第4のバックギャップ膜に隣接しており、
    前記第6のバックギャップ膜は前記第5のバックギャップ膜に隣接している。
  14. 請求項13に記載された磁気記録再生装置であって、
    前記第3の下部ポール膜、前記第2の接続導体膜及び第2のバックギャップ膜は、表面が互いに同一の高さで平坦化されており、
    第4の下部ポール膜、前記第3の接続導体膜及び第3のバックギャップ膜は、表面が互いに同一の高さで平坦化されており、
    前記第1の上部ポール膜、前記第4の接続導体膜及び第4のバックギャップ膜は、表面が互いに同一の高さで平坦化されており、
    前記第2の上部ポール膜、前記第5の接続導体膜及び第5のバックギャップ膜は、表面が互いに同一の高さで平坦化されており、
    前記第3の上部ポール膜、前記第6の接続導体膜及び前記第6のバックギャップ膜は、表面が、前記第3のコイル及び前記第4のコイルの表面と、同一の高さで平坦化されており、
    前記上部ヨークは、両端が前記第3の上部ポール膜及び前記第6のバックギャップ膜に隣接する。
  15. 請求項1乃至7の何れかに記載された薄膜磁気ヘッドの製造方法であって、
    下部ヨークの一面上に、下部ポール、下部コイル、バックギャップ膜及びコイル接続導体を形成し、
    その工程において、
    前記下部ポールは、複数の下部ポール膜を積層して構成し、
    前記下部ヨークと、前記最上層の前記下部ポール膜よりは下層の下部ポール膜とは、その両側の端部が空気ベアリング面のトラック幅方向に広がり、前記最上層の前記下部ポール膜及び前記ギャップ膜は、両側から、狭トラック幅となるように削減し、
    前記下部ポールを形成した後、前記ギャップ膜を形成する前、前記下部ポールのうち、前記ギャップ膜と隣接すべき最上層の下部ポール膜について、前記ギャップ膜と隣接する領域の後方を削減して、端がスロートハイトを決定する凹部を形成し、
    前記下部コイルは、前記下部ヨークの前記一面を基準にした前記下部ポールの高さ内で、前記バックギャップ部の周りを、スパイラル状に周回させ、一端を前記コイル接続導体のための第1の接続導体膜とし、
    次に、前記下部コイルを覆う絶縁膜、及び、前記下部ポールに隣接するギャップ膜を形成し、
    次に、前記ギャップ膜の上に上部ポールを形成し、前記上部ポールを、両側から、狭トラック幅となるように削減するとともに、前記絶縁膜の上に上部コイルを形成し、前記上部コイルは、前記上部ポールの高さを利用して、前記下部コイルの上方に配置され、前記バックギャップ部の周りを、スパイラル状に周回し、前記下部コイルに対してコイル接続導体によって接続され、
    次に、前記上部ポールと前記バックギャップとを接続するように、上部ヨークを形成する工程を含み、
    前記下部コイルの形成にあたり、第1のコイルをスパイラル状に形成した後、前記第1のコイルのコイルターン間のスペースの内壁面に、無機絶縁膜を形成し、
    次に、前記無機絶縁膜の表面に、めっきのためのシード膜を形成し、
    次に、前記シード膜を用いてめっき処理を施すことにより、前記スペース内に第2のコイルを電気絶縁して嵌めこみ、かつ、同一方向の磁束を生じるように、前記第1のコイルに接続する。
  16. 請求項15に記載された製造方法であって、
    前記上部コイルの形成にあたり、第3のコイルをスパイラル状に形成した後、前記第3のコイルのコイルターン間のスペースの内壁面に無機絶縁膜を形成し、
    次に、前記無機絶縁膜の表面にめっきのためのシード膜を形成し、
    次に、前記シード膜を用いてめっき処理を施すことにより、前記スペース内に第4のコイルを電気絶縁して嵌めこみ、かつ、同一方向の磁束を生じるように、前記第3のコイルに接続する。
  17. 請求項16に記載された製造方法であって、
    第1の下部ポール膜となる前記下部ヨークの一面上に、前記下部コイル、第2の下部ポール膜、第1のバックギャップ膜及び第1の接続導体膜を形成した後、これらの表面を平坦化し、
    その後、前記ギャップ膜、前記上部ポール、前記上部コイル及び前記上部ヨークを形成する、
    工程を含む。
  18. 請求項17に記載された製造方法であって、
    前記ギャップ膜、前記上部ポール及び前記上部コイルを形成した後、前記上部ポール及び前記上部コイルの表面を平坦化し、
    次に、平坦化された表面に絶縁膜を形成し、その絶縁膜の上に前記上部ヨークを形成する、
    工程を含む。
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