JP2005121150A - 防振マウントのゴムストッパの組付構造及び組付方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】マウント本体18と別体をなすゴムストッパ20を、ストッパ本体36と、これより下向きに突き出すゴム製の挿通部38と、ゴム製の鍔部40とを有する形態となし、挿通部38をブラケット28の組付孔46に挿通して鍔部40とストッパ本体36とでブラケット28を表裏両側から弾性挟持させる組付構造において、ゴムストッパ20に、組付面37とは反対側の面からストッパ本体36を板厚方向に貫通して挿通部38の内部に向かう有底の内孔48を設け、その内孔48に押しピンを挿入してこれを下向きに押し込み、ブラケット28への組付けを行うようにする。
【選択図】 図2
Description
図9において、200はマウント本体とは別体に構成された板状のゴムストッパで、202は相手側のブラケット等剛性の組付部材である。
組付部材202には、所定位置にこれを板厚方向に貫通する組付孔204が形成されている。この例において組付孔204は、互いに異なった位置の3箇所に設けられている。
この組付構造では、実際の組付けに際して引張り部214を下向きに引っ張ることで、挿通部210を組付部材202の組付孔204に挿通し、そして鍔部212を組付孔204を通過させて組付部材202の裏側の面に弾性的に当接させ、以って鍔部212とストッパ本体206とで組付部材202を表裏両側から弾性的に挟み込ませる状態とする。
図示のようにこの組付方法では、先ず引張り部214を組付部材202の組付孔204に図中下向きに挿通し(図10(I)参照)、そして組付部材202の裏側からこの引張り部214を掴んで下向きに引張り力を加え、首部211を組付孔204に嵌め入れるとともに組付孔204に対し鍔部212を下向きに通過させる(図10(II)参照)。
この引張り力の解除によって、軸方向に伸び変形していた挿通部210、詳しくは首部211が弾性復元力で軸方向に縮むとともに併せてその弾性復元力で鍔部212が組付部材202の裏側の面に弾性当接した状態となる。
具体的にはこの特許文献1には、エンジンマウントにおけるエンジンを荷重支持するマウント本体に対して板状のゴムストッパを別体に構成し、そしてそのゴムストッパに棒状の挿通部と鍔部及び挿通部の一部から成る引張り部を設けて、その引張り部を引っ張ることにより、挿通部を組付部材の組付孔に挿通するとともに、鍔部を組付部材の裏側の面に弾性的に当接させ、その鍔部とストッパ本体とで組付部材を表裏両側から挟み込む状態にストッパ本体を組付部材に組み付けるようになした点が開示されている。
ここで鍔部は、ストッパ本体側において大径、反対側で小径となる逆傘状の形状となしておくことができる。
本発明によれば、各挿通部及び鍔部に対応して設けた内孔のそれぞれに複数の押しピンを同時に挿入し、そのまま下向きの押込力を加えることで、各挿通部を組付部材の各組付孔に同時に挿通してゴムストッパの組付部材への組付けを一挙に行うことが可能となる。
このようにすることで、ストッパ本体と鍔部とにより組付部材を表裏両側から弾性力で確実に挟み付ける状態となすことができ、組付部材へのゴムストッパの固定力を安定化することができる。
これにより鍔部が組付孔を完全に通過せずその内部に留まった状態のままとなって組付けが不完全となり、後において鍔部が組付孔から表側に外れてしまうといったことを確実に防止することができる。
図1において10はサスペンションメンバで、その4箇所にメンバマウント組付用の円筒部12が設けられている。
同図に示しているようにメンバマウント14は、マウント本体18と、これとは別体をなす板状のゴムストッパ20とを有している。
このボルト32はマウント本体18における上記内筒金具22を軸方向に挿通しており、その先端がブラケット28の下側に突き出していて、そこにナット33がねじ込まれている。
マウント本体18は、このボルト32及びナット33によりボデー16とブラケット28とが内筒金具22を軸方向に挟み付ける状態にかかるボデー16に取付固定されている。
また図4にゴムストッパ20単体の構成が具体的に示してある。
このゴムストッパ20は、その主体をなす板状のストッパ本体36と、円形の空所34周りの4箇所においてブラケット28への組付面37(図中下面)から下向きに突き出す短い略棒状の挿通部38とを有する形態で構成されている。
ここで鍔部40はストッパ本体36側が大径、反対側が小径の逆傘状をなしている。詳しくはここでは鍔部40はその全体が逆テーパ形状をなしている。
即ちゴムストッパ20は、ストッパ本体36と各鍔部40とでブラケット28を表裏両側から弾性的に挟み付ける状態でブラケット28に組み付けられている。
ここで内孔48は先細り形状の逆テーパ形状とされている。
即ちここでは内孔48は鍔部40に到る位置までは形成されておらず、従って当然に挿通部38における首部42の軸直角方向の肉厚は鍔部40のそれよりも薄いものとなっている。
また図6及び図7にその組付方法を工程順に示してある。
押し治具50は、4つの挿通部38に対応した位置において4本の押しピン54を有しており、それらが基板56の下面から下向きに突き出している。
ここで各押しピン54は先細りの逆テーパ形状をなしており、且つその軸方向寸法が内孔48の深さよりも長いものとされている。
この保持凹部58の底面は受け面60とされており、更にその受け面60に、上記挿通部38のそれぞれを遊挿させる穴部62が図中下向きに設けられている。
先ず図6(I),図8(I)に示しているように、ブラケット28を受け治具52の保持凹部58に嵌め込んで、そこに位置決め状態に保持させる。
このとき、各挿通部38の先端部の位置決め部44をブラケット28の組付孔46内に嵌入させる状態に、ゴムストッパ20をブラケット28上にセットする。
ここにおいてゴムストッパ20は、それら位置決め部44と組付孔46との嵌合に基づいて、ブラケット28に対する正規の組付位置に位置決めされる。
更にこの状態で、引き続き押し治具50を下向きに押し下げて行くと、各押しピン54が挿通部38を下向きに押し込み、ブラケット28の各組付孔46に対し、各鍔部40を弾性的に縮径させながら、更にまた首部42を軸方向に伸び変形させながら、各挿通部38を組付孔46に挿通させる。
この操作によって、各鍔部40は組付孔46内に留まることなく確実に組付孔46を下向きに通過させられる。
ここにおいて各鍔部40は図7(IV),図8(IV)に示しているように、それまで伸び変形していた首部42の弾性復元力でブラケット28の図中下面、即ち裏側の面に弾性的に当接した状態となり、ここにおいて鍔部40とストッパ本体36とがブラケット28を表裏両側から弾性的に挟み付ける状態となって、ゴムストッパ20がブラケット28に組付状態となる。
例えば上記実施形態は本発明をメンバマウントに適用した場合の例であるが、本発明はエンジンマウントその他各種の防振マウントのマウント本体と別体に構成されたゴムストッパの組付構造或いは組付方法として適用可能であるなど、その趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態・態様で構成・実施可能である。
18 マウント本体
20 ゴムストッパ
28 ブラケット(組付部材)
36 ストッパ本体
37 組付面
38 挿通部
40 鍔部
42 首部
44 位置決め部
46 組付孔
48 内孔
50 押し治具
54 押しピン
Claims (6)
- 防振対象を荷重支持するマウント本体と別体をなすゴムストッパを、(イ)板状をなすストッパ本体と、(ロ)該ストッパ本体におけるブラケット等相手側の剛性の組付部材への組付面から突き出して該組付部材の貫通の組付孔に挿通される、該ストッパ本体と一体に形成されたゴム製の挿通部と、(ハ)該ストッパ本体の前記組付面から離隔した位置において該挿通部から軸直角方向に突出する形態で該挿通部に一体に形成された、該挿通部よりも大径のゴム製の鍔部と、を有する形態となし、前記挿通部を前記組付孔に挿通して前記鍔部を前記組付部材の裏側に位置させ、表側の前記ストッパ本体と該裏側の鍔部とで該組付部材を表裏両側から弾性挟持させる状態に前記ゴムストッパを該組付部材に組み付けるようになしたゴムストッパの組付構造において、
前記組付面とは反対側の面から前記ストッパ本体を板厚方向に貫通して前記挿通部の内部に向かう、該挿通部を非貫通の有底の内孔であって、該挿通部に下向きの力を加える押しピンを内部に挿入させる該内孔が設けてあり、且つ該内孔は、該挿通部における前記ストッパ本体と鍔部との間の首部の軸直角方向の肉厚が、該鍔部の軸直角方向の肉厚よりも薄くなる形状で設けてあることを特徴とする防振マウントのゴムストッパの組付構造。 - 請求項1において、前記ゴムストッパには複数の前記挿通部及び鍔部がそれぞれ異なった位置に設けてあり、それら挿通部及び鍔部に対応して複数の前記内孔が設けてあることを特徴とする防振マウントのゴムストッパの組付構造。
- 請求項1,2の何れかにおいて、前記挿通部は前記鍔部よりも更に先端側まで軸方向に突き出しており、該鍔部より先端側に突き出した部分が、前記組付部材の組付孔に嵌合して前記ゴムストッパの該組付部材への組付位置を位置出しする位置決め部となしてあることを特徴とする防振マウントのゴムストッパの組付構造。
- 請求項1〜3の何れかにおいて、組付前における前記首部の軸方向寸法が前記組付部材の厚み寸法よりも小寸法となしてあることを特徴とする防振マウントのゴムストッパの組付構造。
- 請求項1〜4の何れかにおいて、前記内孔は先端側に向かって先細り形状となるテーパ孔となしてあることを特徴とする防振マウントのゴムストッパの組付構造。
- 請求項1〜5の何れかのゴムストッパの前記組付部材への組付方法であって、
前記内孔よりも軸方向寸法の長い押しピンを有する押し治具を用い、該押しピンを該内孔内に挿入した状態で該押し治具を押し込んで、前記鍔部が前記組付部材の裏側の面を通過して離れる位置まで、前記首部を軸方向に伸び変形させながら前記挿通部を前記組付孔に挿通させ、その後に押込力を除いて該首部の弾性復元力で該鍔部を該組付部材の裏側の面に弾性的に当接させることを特徴とする防振マウントのゴムストッパの組付方法。
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