JP2005120892A - ベーンポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】 サイドプレートの重量増を抑制しつつ、高圧室内の作動液の圧力により発生するサイドプレート全体の撓みを極力減少させる。
【解決手段】 ベーンポンプには、ポンプ室から吐出された高圧の作動油が流入する高圧室がカバーとサイドプレート14との間に形成される。サイドプレート14の高圧室側の外側面14gには、軸方向で見て、サイドプレート14の内側面14fに形成された吸入用凹部73,73および吐出用凹部と重なる位置に、全周に渡って環状に延びる凸条80が形成されている。
【選択図】 図9

Description

本発明は、カム部材とロータとの間に複数のポンプ室を形成する複数のベーンが径方向に摺動自在にロータに設けられたベーンポンプに関し、該ベーンポンプは、例えば作動油を車両用の無段変速機に供給するための油圧ポンプとして使用される。
ベーンポンプでは、ハウジングとサイドプレートとの間に形成された高圧室内の高圧の作動油によりサイドプレートをポンプ室側に押し付けて、サイドプレートとロータおよびベーンとのクリアランスを減少させることにより、該クリアランスからの作動油の漏れを減少させている。ところが、作動油をポンプ室に吸入するための吸入用凹部がサイドプレートに形成されている場合、吸込側凹部の部分の厚み薄くなるために、高圧室内の油圧によりサイドプレートが局部的に撓んで、サイドプレートとロータまたはベーンとの間で焼き付きが発生することがある。そこで、この撓みの発生を防止するために、特許文献1に開示されたベーンポンプでは、1対の吸い込みポート側凹部がX軸線上に対向して形成されたサイドプレートに、圧接力調整用の凹部がX軸線にほぼ直交するY軸線方向に形成される。そして、サイドプレートの、X軸線方向の厚さとY軸線方向の厚さとをほぼ等しくすることにより、X軸線方向に集中していた撓みがY軸線方向に分散される結果、サイドプレートの撓みが均一になって、局部的な撓みが防止される。
特開2003−166478号公報
ところで、前記従来技術では、サイドプレートにおける局部的な撓みの発生は防止されるものの、全体的な撓みが発生する。そして、サイドプレートとロータまたはベーンとの間での焼き付きの発生防止やクリアランスの減少による吐出効率の向上を図るためには、サイドプレートの局部的な撓みはもちろん、全体的な撓みも極力減少させることが好ましい。このために、例えば、サイドプレート全体の厚みを増加させると、重量増を招来する問題があり、またベーンの背面に背圧用の作動油を供給するための背圧用供給路の通路長が長くなって、該供給路を形成するための加工作業量が増加して、コスト高となる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、請求項1−4記載の発明は、サイドプレートの重量増を抑制しつつ、高圧室内の作動液の圧力により発生するサイドプレート全体の撓みを極力減少させるとを目的とする。さらに、請求項4記載の発明は、背圧用供給路の加工を容易にして、コストの削減を図ることを目的とする。
請求項1記載の発明は、ハウジングと、前記ハウジング内に収容されたポンプユニットとを備えるベーンポンプであって、前記ポンプユニットが、内周面にカム面が形成されたカム部材と、前記カム部材の内側に配置されるロータと、前記ロータに径方向に摺動可能に設けられると共に前記カム面に接触して、前記カム部材と前記ロータとの間に複数のポンプ室を形成する複数のベーンと、前記カム部材および前記ロータの側方に配置されて前記ロータおよび前記各ベーンが摺接する内側面を有するサイドプレートとを備え、前記ポンプ室に作動液を導く吸入用凹部が前記内側面に形成され、前記ポンプ室から吐出された高圧の作動液が流入する高圧室が前記ハウジングと前記サイドプレートとの間に形成されたベーンポンプにおいて、前記サイドプレートの前記高圧室側の側面である外側面には、軸方向で見て前記吸入用凹部と重なる位置に、前記吸入用凹部の周方向幅以上に渡って周方向に延びる凸条が形成されているベーンポンプである。
これによれば、周方向に延びる凸条により、吸入用凹部が形成された部分の厚みが増加するので、高圧室内の作動液の圧力による荷重に対する剛性が、吸入用凹部が形成された部分で高められる。しかも、凸条は、サイドプレートの外側面に部分的に突出して形成されるために、サイドプレートの重量増が抑制される。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のベーンポンプにおいて、前記内側面には前記ポンプ室から吐出された作動液が流入する吐出用凹部が形成され、前記凸条は、軸方向で見て前記吐出用凹部と重なる位置で全周に渡って環状に延びているものである。
これによれば、吐出用凹部が形成されたサイドプレートにおいても、全周に渡って形成された凸条により、サイドプレートが全周に渡って剛性が高められる。
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載のベーンポンプにおいて、前記凸条の径方向内方には、前記ロータの駆動軸が挿通される挿通孔まで達する中央凹部が形成され、前記凸条と中央凹部との境界は、前記吸入用凹部の最内周縁に一致またはほぼ一致するものである。
これによれば、吸入用凹部が形成された径方向範囲で凸条の幅を大きくして所要の剛性を確保したうえで、中央凹部の径を大きくできるのでサイドプレートの重量増が抑制される。
請求項4記載の発明は、請求項1または請求項2記載のベーンポンプにおいて、前記凸条の径方向内方には、前記ロータの駆動軸が挿通される挿通孔まで達する中央凹部が形成され、前記中央凹部の底壁には、前記高圧室内の作動液を前記各ベーンの背面に供給するための背圧用供給路が軸方向に貫通して形成されているものである。
これによれば、中央凹部の底壁に形成される背圧用供給路の軸方向での長さが、中央凹部がない場合に比べて短くなる。
請求項1記載の発明によれば、次の効果が奏される。すなわち、軸方向で見て吸入用凹部と重なる位置形成された凸条により、吸入用凹部が形成された部分での剛性が高められるので、高圧室内の作動液の圧力により発生するサイドプレート全体の撓みを極力減少させることができて、サイドプレートとロータまたはベーンとの間での焼き付きの発生が防止され、クリアランスの減少による吐出効率の向上が得られる。そのうえ、サイドプレートの重量増が抑制される。
請求項2記載の発明によれば、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、全周に渡って形成された凸条により、吸入用凹部および吐出用凹部が形成されたサイドプレートが全周に渡って剛性が高められるので、サイドプレート全体の撓みを一層減少させることができる。
請求項3記載の発明によれば、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、吸入用凹部が形成された部分での所要の剛性を確保したうえで、サイドプレートの重量増が一層抑制される。
請求項4記載の発明によれば、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、サイドプレートに形成される背圧用供給路の軸方向での長さが短くなるので、加工が容易になって、コストが削減される。
以下、本発明の実施形態を図1ないし図10を参照して説明する。
図1,図2を参照すると、本発明が適用されたベーンポンプPは、作動液としての作動油を液圧利用機器である車両用の金属ベルト式無段変速機に供給するための油圧ポンプとして使用され、該無段変速機が収容されるミッションケース内に配置される。
ベーンポンプPは、ポンプユニットUと、第1ハウジング部としてのボディ1および第2ハウジング部としてのカバー2から構成されるハウジングHと、ボディ1およびカバー2により挟持されて、複数のボルトBによりボディ1およびカバー2と共に一体に結合されるシールプレート3とを備える。カバー2には、シールプレート3との合わせ面2aに開口する凹部2bが形成され、該凹部2bがシールプレート3により覆われることで、ポンプユニットUが収容される収容室4が形成される。
車両に搭載された内燃機関により回転方向Rに回転駆動されるベーンポンプPの駆動軸5は、前記内燃機関のクランク軸の動力が伝達される動力伝達部材が取り付けられる取付部5aが設けられる基端部側で、ボディ1に装着された軸受6と、駆動軸5の先端部側で収容室4の底壁2cに装着された軸受7とを介して、ハウジングHに回転可能に支持される。
図3を併せて参照して、ポンプユニットUについて説明する。ポンプユニットUは、円柱面からなる外周面10aと楕円に近似した形状の内周面10bとを有する環状のカム部材としてのカムリング10と、カムリング10の内側に配置されたロータ11と、ロータ11に周方向に等間隔に径方向を指向して設けられた複数のベーン溝11a内に、それぞれ径方向に摺動可能に嵌合された複数のベーン12と、カムリング10およびロータ11の、軸方向Aでの一方の側方に配置されて、カムリング10およびロータ11の一側方(ボディ1側)の側面を覆う第1側方部材としての第1サイドプレート13と、カムリング10およびロータ11の、軸方向Aでの他方の側方に配置されて、カムリング10およびロータ11の他側方(カバー2側)の側面を覆う第2側方部材としての第2サイドプレート14と、第1サイドプレート13に固定された環状のベーンガイド60と、1対の位置決め用ピン15とを備える。両ピン15は、カムリング10に直径方向に対向して設けられた1対の貫通孔10cを軸方向Aに貫通すると共に、第1サイドプレート13に設けられた1対の貫通孔13c(図4も参照)および第2サイドプレート14に設けられた1対の凹部14c(図6も参照)にそれぞれ挿入されて、ロータ11およびベーン12がカムリング10の内側に配置され、カムリング10が第1,第2サイドプレート13,14により挟持された状態で、カムリング10および両サイドプレート13,14の周方向の位置を整合させる。
そして、カムリング10、ロータ11、ベーン12および両サイドプレート13,14が、両ピン15により一体化されて構成されたポンプユニットUは、ボディ1に回転可能に保持された状態の駆動軸5に挿入され、両ピン15の第1サイドプレート13からの突出部15aが、シールプレート5の1対の貫通孔3cに挿入された後、ボディ3の1対の圧入孔1cに圧入されることで、ボディ1に固定される。その後、第2サイドプレート14とカバー2とがOリング16により密封されるように、カバー2がボディ1に被せられて、ボルトBにより締結される。
なお、この明細書および特許請求の範囲において、軸方向Aとはロータ11の回転中心線Lが延びる方向であり、側方とは軸方向Aでの一方側または他方側である。また、径方向および周方向は、それぞれ、ロータ11の回転中心線Lを中心とした放射方向およびロータ11の回転中心線Lを中心とした円周方向を意味する。
駆動軸5とロータ11とは、ロータ11の中心部に形成された挿通孔11bに挿通される駆動軸5の結合部5bが挿通孔11b内でロータ11とスプライン結合されることにより、一体回転可能に結合される。また、各ベーン12の外端は、カムリング10の内周面10bに形成されたカム面17に摺接し、カム面17とロータ11の外周面との間で、第1,第2サイドプレート13,14に挟まれた空間が複数のベーン12により仕切られることにより、ロータ11の回転に応じて容積が変化する可変容積室からなる複数のポンプ室18が形成される。
さらに、ロータ11には各ベーン溝11aの底部を構成する背圧室11dが形成され、またカバー2の一部である底壁2cと第2サイドプレート14との間には、ポンプ室18から吐出された作動油の一部が、第2サイドプレート14に形成された各第2背圧用供給路71,72を介して導入される高圧室70(図2参照)が形成される。そして、ベーンポンプPの運転後は、各第2背圧用供給路71,72を通じて高圧室70の作動油が背圧用作動油として背圧室11dに導かれ、この背圧用作動油の背圧が各ベーン12の内端の端面である背面12eに作用することにより、各ベーン12はベーン溝11a内で径方向で外方に押し出されて、各ベーン12の外端がカム面17に押し付けられる。
図2,図3を参照すると、カムリング10には、回転中心線Lを挟んで径方向で対向する位置で、周方向での所定範囲に、ポンプ室18に吸入路24からの作動油を導く凹部からなる1対の第1,第2補助吸入口20,20および1対の第1,第2吐出用連通路21,21が形成される。各補助吸入口20,20は、外周面10aおよびカム面17で開口してカムリング10の両側面に設けられ、各吐出用連通路21,21は、カム面17のみに開口してカムリング10の両側面に設けられた1対の凹部21aと両凹部21aを連通させる1対の貫通孔21bとから構成される。
ここで、吸入路24は、入口ポート24aと、吸入ポート24aに連通する環状通路24bとから構成される。吸入ポート24aは、軸方向Aにカバー2を貫通して形成されて合わせ面2aで開口する孔がシールプレート3により覆われることで形成され、ほぼ円環状の環状通路24bは、収容室4を形成する周壁面とポンプユニットUの外周面との径方向での間に形成される間隙がシールプレート3により覆われることで形成される。
図4−図6を参照すると、ポンプ室18側の側面であってロータ11および各ベーン12が摺接する内側面13fを有する第1サイドプレート13には、その中央部に駆動軸5が挿通される挿通孔13dと、軸方向Aで見て第1,第2補助吸入口20,20とそれぞれ重なる位置に径方向の切欠からなる共にポンプ室18に連通する第1,第2吸入ポート22,22と、軸方向Aで見て第1,第2吐出連通路21,21とそれぞれ重なる位置に貫通孔からなると共にポンプ室18に連通する第1,第2吐出ポート23,23とが形成される。
さらに、内側面13fには、ベーンガイド60の一部が嵌入して収容される収容凹部61と、収容凹部61の底面61aに形成された環状溝、この実施形態では円環状溝から構成される補助背圧用供給路としての第1背圧用供給路62とが形成される。そして、第1サイドプレート13には、第1背圧供給路62に位置して後述のピン64が圧入される貫通孔からなる取付孔13eが形成される。
平板状の金属製の板材からなるベーンガイド60には、中央部に駆動軸5が挿通される挿通孔60dと、ベーンガイド60を第1サイドプレート13に固定するための1対のピン64がそれぞれ圧入される1対の貫通孔60eとが形成される。ベーンガイド60の外周面60aのうち、ベーンガイド60が第1サイドプレート13に固定された状態で、収容凹部61から軸方向Aで内側面13fからポンプ室18側に所定の突出量Tで突出する部分は、各ベーン12の一部である背面12eが接触する接触面60a1を構成する。これにより、ロータ11の停止時に、各ベーン12の外端が、カム面17との間に僅かな間隙を介して対向する位置か、またはカム面17に極軽く接触する位置を占めるように、各ベーン12の径方向での位置が設定される。
図4を参照すると、収容凹部61は、軸方向Aから見て接触面60a1の外形および接触面60a1が形成される外周面60aの外形よりも大きい。そのため、ベーンガイド60の一部は、収容凹部61内に嵌入して収容される嵌入部60b(図6参照)となっている。そして、ベーンガイド60の厚みは、各ベーン12を支持するための所要の剛性が確保されるように設定される一方、収容凹部61の深さは、ベーンガイド60が収容凹部61の底面61aに接触して第1サイドプレート13に固定された状態で、ベーンガイド60の突出量Tが極力小さくなるように設定される。
図3,図4を参照すると、第1背圧用供給路62は、1対のピン64により第1,第2部分62a,62bに二分される。第1,第2部分62a,62bは、それぞれ、ロータ11の回転につれてポンプ室18の容積が増加する吸入域およびロータ11の回転につれてポンプ室18の容積が減少する吐出域に渡って形成される。そして、各ピン64は、吸入域の終了点で第1背圧用供給路62を閉塞するように配置され、第1,第2部分62a,62bでの背圧用作動液の流通はピン64により遮断される。
第1背圧用供給路62は、第1,第2部分62a,62bのそれぞれにおいて、吸入域の後半および吐出域の前半に対応する部分がベーンガイド60により覆われ、吐出域の後半から吸入域の前半にかけて対応する部分がベーンガイド60により部分的に覆われない。そして、第1,第2部分62a,62bにおいてベーンガイド60により覆われない部分が、第1背圧用供給路62の1対の開口63a,63bを構成する。第1背圧用供給路62は、各開口63a,63bを通じて、第2背圧用供給路71,72(図3に二点鎖線で示されている。)および背圧室11dを介して高圧室70に連通すると共に、吐出域から吸入域への移行域にあるベーン12に対応する背圧室11dに背圧用作動液を供給する。
図3,図7−図10を参照すると、ポンプ室18側の側面であってロータ11およびベーン12が摺接する内側面14fおよび高圧室70(図2参照)側の側面である外側面14gを有する第2サイドプレート14には、その中央部に駆動軸5(図2参照)が挿通される挿通孔14dと、高圧室70に連通して背圧室11dに高圧室70内の高圧の作動油を供給する主背圧用供給路としての1対の第2背圧用供給路71,72とが形成される。各第2背圧用供給路71,72は、この実施形態では、第2サイドプレート14を軸方向Aに貫通する円弧状の長孔から構成され、図3に示されるように、吸入域にあるベーンの背圧室11dに背圧用作動液を供給するために、吸入域に対応する位置に形成される。各第2背圧用供給路71,72において、内側面14fに形成される出口71b,72bの径方向幅は、外側面14gに形成される入口71a,72aの径方向幅よりも大きく、各背圧室11dの径方向での幅にほぼ等しく設定される。
図3,図7,図8を参照すると、内側面14fには、軸方向Aで見て第1,第2吸入ポート22,22とそれぞれ重なる位置に、外周面に開口する凹部からなると共に第1,第2補助吸入口20,20と対面する第1,第2吸入用凹部73,73と、軸方向Aで見て第1,第2吐出ポート23,23とそれぞれ重なる位置に、凹部からなると共に第1,第2吐出用連通路21,21と対面する第1,第2吐出用凹部74,74とが形成される。ここで、図3によく示されるように、ポンプユニットUにおいて、第1吸入ポート22および第1吐出ポート23を通じて作動油の吸入および吐出が行われる部分が第1ポンプ部を構成し、第2吸入ポート22および第2吐出ポート23を通じて作動油の吸入および吐出が行われる部分が第2ポンプ部を構成する。なお、図3において、第1吐出ポート23と第1吐出用連通路21と第1吐出用凹部74、および第2吐出ポート23と第2吐出用連通路21と第2吐出用凹部74は、軸方向Aで重なる輪郭を有しているが、説明の便宜上、それらは僅かにずらして記載されている。
そして、図7,図8,図10に示されるように、第1吐出用凹部74には、高圧室70に連通するように後述する凸条80を軸方向Aに貫通する貫通孔からなる連通路75が形成され、連通路75を通じて前記第1ポンプ部のポンプ室18から吐出された高圧の作動油が高圧室70(図2参照)に供給される。
図7,図10を参照すると、第2吐出用凹部74において、回転方向Rで後方寄りの領域には、ベーン12が軸方向Aで移動することを規制する規制部76が形成される。内側面14fと同一平面上にある規制面76aを有する規制部76は、第2吐出用凹部74において第2吐出ポート23に軸方向Aで対応する仮想吐出ポート77(図7に二点鎖線で示される。)の最後縁77aよりも回転方向Rで前方に位置する。さらに、規制部76は、軸方向Aで見てポンプ室18と重なる範囲に位置する(図3参照)と共に、第2吐出用凹部74の最後縁74aから回転方向Rで前方に向かって部分的に突出する。この結果、規制部76は、第2吐出用凹部74および仮想吐出ポート77の最内周縁74b,77bから径方向に部分的に突出する。
図8−図10を参照すると、第2サイドプレート14の外側面14gには、全周に渡って延びる環状、この実施形態では円環状の凸条80と、凸条80の径方向内方に、挿通孔14dまで達する中央凹部81と、凸条80の径方向外方にOリング16(図2参照)が装着される環状の凹部82が形成されている。
凸条80は、軸方向Aで見て第1,第2吸入用凹部73,73および第1,第2吐出用凹部74,74と重なる位置に形成される。したがって、この凸条80は、第1吸入用凹部73,73の周方向幅以上に渡って周方向に延びている。凸条80と中央凹部81との境界83は、軸方向Aで見て、第1,第2吸入用凹部73,73および第1,第2吐出用凹部74,74の最内周縁73b,73b,74b,74bに一致またはほぼ一致し、凸条80の径方向の幅Wは、全周に渡って均一であり、第1,第2吐出用凹部74,74の径方向での幅にほぼ一致する。しかしながら、凸条80の幅Wは、第1,第2吸入用凹部73,73に対応する部分で他の部分に比べて大きくされてもよく、また高さも、第1,第2吸入用凹部73,73に対応する部分では、それ以外の部分に比べて高くされてもよい。
中央凹部81の底壁81aには第2背圧用供給路71,72が形成されている。また、第2サイドプレート14の所要の剛性が確保される範囲で、第2サイドプレート14の軽量化の観点から、底壁81aの軸方向Aでの厚みは小さく、また中央凹部81の深さおよび周壁81bの径は大きく設定されることが好ましい。
次に、前述のように構成された実施形態の作用および効果について説明する。
ベーンポンプPが運転されて、ロータ11が駆動軸5と一体に回転方向Rに回転を開始すると、ロータ11の回転につれて、その容積が増加しつつあるポンプ室18に対して、作動油が貯留されたリザーバから、吸入路24を経て吸引された作動油が、第1,第2吸入ポート22,22、第1,第2補助吸入口20,20および第1,第2吸入用凹部73,73からポンプ室18に吸入される。そして、ポンプ室18の容積が最大に達した後、ポンプ室18内の作動油が、その容積が減少しつつあるポンプ室18から、第1,第2吐出ポート23,23に、直接に、そして第1,第2吐出用凹部74,74および第1,第2吐出用連通路21,21を介して、吐出され、ボディ1に形成された吐出路を経て前記無段変速機の作動油路に供給される。
第2サイドプレート14の外側面14gには、軸方向Aで見て第1,第2吸入用凹部73,73と重なる位置に、第1,第2吸入用凹部73,73の周方向幅以上に渡って周方向に延びる凸条80が形成されていることにより、第1,第2吸入用凹部73,73が形成された部分の厚みが増加するため、高圧室70内の作動油の圧力による荷重に対する剛性が、第1,第2吸入用凹部73,73が形成された部分で高められるので、高圧室70内の作動油の圧力により発生する第2サイドプレート14全体の撓みを極力減少させることができて、第2サイドプレート14とロータ11またはベーン12との間での焼き付きの発生が防止され、クリアランスの減少による吐出効率の向上が得られる。しかも、凸条80は、第2サイドプレート14の外側面14gに部分的に突出して形成されるために、第2サイドプレート14の重量増が抑制される。
第2サイドプレート14の内側面14fにはポンプ室18から吐出された作動油が流入する第1,第2吸入用凹部73,73および第1,第2吐出用凹部74,74が形成され、凸条80は、軸方向Aで見て第1,第2吸入用凹部73,73および第1,第2吐出用凹部74,74と重なる位置で全周に渡って環状に延びていることにより、全周に渡って形成された凸条80により、第2サイドプレート14が全周に渡って剛性が高められるので、第2サイドプレート14全体の撓みを一層減少させることができる。
第2サイドプレート14において、凸条80の径方向内方には、挿通孔14dまで達する中央凹部81が形成され、凸条80と中央凹部81との境界83は、第1,第2吸入用凹部73,73および第1,第2突出用凹部74,74の最内周縁73b,73b,74b,74bに一致またはほぼ一致することにより、第1,第2吸入用凹部73,73および第1,第2突出用凹部74,74が形成された径方向範囲で凸条80の幅を大きくして所要の剛性を確保したうえで、中央凹部81の径を大きくできるので第2サイドプレート14の重量増が一層抑制される。
第2サイドプレート14には、中央凹部81の底壁81aに第2背圧用供給路71,72が軸方向Aに貫通して形成されることにより、第2背圧用供給71,72の軸方向Aでの長さが、中央凹部81がない場合に比べて短くなるので、加工が容易になって、コストが削減される。
以下、前述した実施形態の一部の構成を変更した実施形態について、変更した構成に関して説明する。
凸条80は、第1,第2吸入用凹部73,73の周方向幅にほぼ等しい範囲で形成されてもよい。また、各ピン64は、第1部分62aおよび第2部分62bの相互の間で背圧用作動液の流通を制限する絞りを形成するように、第1背圧用供給路62に設けられてもよい。
規制部76の規制面76aに周方向に延びる溝が設けられてもよい。この場合、該溝により作動油が吐出されるときの流路抵抗が減少して、吐出効率の低下が一層少なくなる。
本発明の実施形態であるベーンポンプを一部破断して示す平面図である。 図1および図3のII−II矢視での断面図である。 図2のIII−III矢視でのポンプユニットの断面図である。 図1のベーンポンプの第1サイドプレートの内側面側の平面図である。 図4のV−V矢視での断面図である。 図4のVI−VI矢視での断面図である。 図1のベーンポンプの第2サイドプレートの内側面側からの平面図である。 図7の第2サイドプレートの外側面側からの平面図である。 図8のIX−IX矢視での断面図である。 図8のX−X矢視での断面図である。
符号の説明
1…ボディ、2…カバー、3…シールプレート、3d…連通口、4…収容室、5…駆動軸、6,7…軸受、10…カムリング、11…ロータ、11d…背圧室、12…ベーン、13,14…サイドプレート、13f,14f…内側面、14g…外側面、15…ピン、16…Oリング、17…カム面、18…ポンプ室、20,20…補助吸入口、21,21…吐出用連通路、22,22…吸入ポート、23,23…吐出ポート、24…吸入路、
60…ベーンガイド、61…収容凹部、62…第1背圧用供給路、62a,62b…第1,第2部分、63a,63b…開口、64…ピン、70…高圧室、71,72…第2背圧用供給路、73,73…吸入用凹部、74,74…吐出用凹部、75…連通路、76…規制部、77…仮想吐出ポート、80…凸条、81…中央凹部、82…凹部、83…境界、
P…ベーンポンプ、U…ポンプユニット、H…ハウジング、R…回転方向、A…軸方向、L…回転軸線、T…突出量、W…幅。

Claims (4)

  1. ハウジングと、前記ハウジング内に収容されたポンプユニットとを備えるベーンポンプであって、前記ポンプユニットが、内周面にカム面が形成されたカム部材と、前記カム部材の内側に配置されるロータと、前記ロータに径方向に摺動可能に設けられると共に前記カム面に接触して、前記カム部材と前記ロータとの間に複数のポンプ室を形成する複数のベーンと、前記カム部材および前記ロータの側方に配置されて前記ロータおよび前記各ベーンが摺接する内側面を有するサイドプレートとを備え、前記ポンプ室に作動液を導く吸入用凹部が前記内側面に形成され、前記ポンプ室から吐出された高圧の作動液が流入する高圧室が前記ハウジングと前記サイドプレートとの間に形成されたベーンポンプにおいて、
    前記サイドプレートの前記高圧室側の側面である外側面には、軸方向で見て前記吸入用凹部と重なる位置に、前記吸入用凹部の周方向幅以上に渡って周方向に延びる凸条が形成されていることを特徴とするベーンポンプ。
  2. 前記内側面には前記ポンプ室から吐出された作動液が流入する吐出用凹部が形成され、前記凸条は、軸方向で見て前記吐出用凹部と重なる位置で全周に渡って環状に延びていることを特徴とする請求項1記載のベーンポンプ。
  3. 前記凸条の径方向内方には、前記ロータの駆動軸が挿通される挿通孔まで達する中央凹部が形成され、前記凸条と中央凹部との境界は、前記吸入用凹部の最内周縁に一致またはほぼ一致することを特徴とする請求項1または請求項2記載のベーンポンプ。
  4. 前記凸条の径方向内方には、前記ロータの駆動軸が挿通される挿通孔まで達する中央凹部が形成され、前記中央凹部の底壁には、前記高圧室内の作動液を前記各ベーンの背面に供給するための背圧用供給路が軸方向に貫通して形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のベーンポンプ。
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