JP2005120232A - 紫外線吸収性塗布組成物及び紫外線吸収性フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 経年変化なく、280〜400nm付近の紫外線領域の中の吸収特性を簡単に変更することが出来る塗布組成物、塗膜層を有する農業用フィルムを提供する。
【解決手段】 必須成分として、炭素化合物であるフラーレンC70またはC60を1種以上とバインダー樹脂を含有してなる、280nm〜400nmの紫外線を選択的に吸収する紫外線吸収性塗布組成物、好ましくは熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に、必須成分として、炭素化合物であるフラーレンC70またはC60を1種以上とバインダー樹脂を含有する塗膜層を形成してなることを特徴とする、280nm〜400nmの紫外線領域を選択的に吸収する紫外線吸収性フィルム。
【選択図】 図1

Description

本発明は280〜400nmの紫外線領域のうち一部分を選択的に吸収し遮蔽することができる紫外線吸収性塗布組成物、及び該組成物を用いて形成した塗膜層を形成した紫外線吸収性フィルム、及び該フラーレン含有塗膜層の形成方法に関するものである。更に詳しくは、経年変化なく、280〜400nm付近の紫外線領域の中の吸収特性を簡単に変更することが出来る塗布組成物、塗膜層を有する農業用フィルムに関するものである。
作物の施設園芸用に用いられる農業用被覆資材としてのフィルムに要求される性能としては、耐候性、防塵性が必須であるが、更に、280nm〜400nmの範囲の紫外線を遮蔽する性能(以下UVカット性と記す)も要求される場合がある。
UVカット性は、被覆資材であるフィルム自身の耐候性向上は勿論、ハウス内に設置される内張りカーテン等のハウス内資材の劣化防止、灰色カビ病や菌核病等の病害防止、アブラ虫やコナジラミ等の害虫防止等に優れた効果を有する。
しかし一方で、カット波長によっては作物の受粉の役割を果たすミツバチ等の昆虫の活動が抑制される、ナスの色付きが悪い等のマイナス効果もある。
これらに対し悪影響を及ぼさない様にするには、310nm〜340nmの紫外線透過率を35〜40%以上にするのが好ましいと言われている。そのため、紫外線領域の波長透過を選択的に調整出来ることが好ましい。
一方、昨今の状況下被覆資材の張替え作業低減を図るべく耐久性の要望に応えるべく原料樹脂もポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエチレン系樹脂やポリエステル系樹脂やフッ素系樹脂等の基材の選択幅も多岐になり、夫々の樹脂で種々の工夫を凝らし10年以上の長期展張可能な被覆資材が商品化されている。
この状況にあって、UVカット性も各種樹脂に応じたUV吸収剤を選択し、直接基材樹脂に分散せしめるか、塗料化した上で塗布し、UV吸収層を形成させることで上記の効果の発揮、種々の効果のバランスを取りながらUVカット性能の長寿命化を図っている。
しかしながら、従来使用されているベンゾフェノン系、ベンゾフェノール系、ベンゾトリアゾール系等の有機系UV吸収剤では経時に伴いブリードアウト現象が生じやすく、長期に渉る性能維持は困難である。これらの高分子量化を行い、性能維持向上を図っているが、未だ十分と言えないのが実情である。
又、近年酸化亜鉛、酸化オスミウム等の無機酸化物もUV吸収剤として使用されるようになってきたが、水分、特に酸性の水存在下では水酸化物となり、性能低下は免れない。
特にこれらの従来の有機、無機のUV吸収剤は、紫外線波長域の吸収チャートがなだらかで且つ単純であり、280〜400nmの範囲内での、微妙な紫外線吸収ピークや吸収強度の調整を行うことが難しかった。
すなわち、本発明の目的は、280〜400nm付近の紫外線領域中の一部波長を選択的に吸収、すなわち遮蔽することができ、長期に渉って所望のUV遮蔽性能を有する、紫外線遮蔽性塗布組成物、及び該塗布組成物の塗膜を有する紫外線遮蔽性フィルム、好ましくは農業用フィルムを提供することを目的とするものである。
本発明者らは上記の諸欠点を解決した、280〜400nm付近の紫外線の一部分を選択的に遮蔽することができる塗料を種々探索していた中で、フラーレン化合物、特にフラーレンC60とフラーレンC70には、紫外線領域にそれぞれ異なる特殊な紫外線吸収ピークが現れることに気づき、本用途に応用することを見出した。
なお、フラーレンに紫外線吸収性があること自体は知られており、例えばサンケア化粧品に含有するアイデアが(特許文献1)開示されているが、現実には使用されていない。なぜなら紫外線を完全にカットする目的では、フラーレンだけでは不十分であり、化粧品に応用する場合には、有機溶剤を使えない等の障壁があるからである。
また従来はフラーレン単価が非常に高価であることもあり、こうしたフラーレンの紫外線吸収特性を応用する用途は、他に考えられられていなかった。
特開平9−278625号公報
本発明の要旨とするところは、フラーレン類の特異な紫外線吸収能を活かした、選択的な紫外線遮蔽能を有する樹脂組成物,該樹脂組成物の塗膜を形成させた農業用フィルムにある。 特に、同素化合物である、炭素化合物フラーレンC70とC60を混合し、その混合比率を変えることで、約280nm〜400nm範囲で所望の領域のUV吸収能を得ること、更にフラーレンを樹脂に均一に分散せしめることで、良好なUV遮蔽塗膜層を形成させた農業用フィルムにある。
すなわち、本発明は、(1)必須成分として、炭素化合物であるフラーレンC70またはC60を1種以上とバインダー樹脂を含有してなる、280nm〜400nmの紫外線を選択的に吸収する紫外線吸収性塗布組成物、(2)フラーレンC70及びフラーレンC60を混合比1:100から100:1の範囲で混合したフラ−レン混合物を用いることを特徴とする(1)記載の紫外線吸収性塗布組成物、(3)該バインダー樹脂が、アクリル系樹脂、アクリル変性ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂の有機溶剤可溶型樹脂から選択された樹脂であることを特徴とする(1)又は(2)記載の紫外線吸収性塗布組成物、(4)熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に、必須成分として、炭素化合物であるフラーレンC70またはC60を1種以上とバインダー樹脂を含有する塗膜層を形成してなることを特徴とする、280nm〜400nmの紫外線領域を選択的に吸収する紫外線吸収性フィルム。(5)塗膜層の厚さが0.3μ〜10μであることを特徴とする(4)記載の紫外線吸収性フィルム、(6)熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に、必須成分として、炭素化合物であるフラーレンC70またはC60を1種以上とバインダー樹脂を含有する塗膜層を形成してなることを特徴とする、農業用フィルム、(7)炭素化合物であるフラーレンを予め、フラーレンを溶解する有機溶媒にて溶解し、該溶液を有機溶剤型塗料樹脂と均一に混合し、その後溶剤を除去したフラーレン分散樹脂固体を、再度溶剤にて塗料化し、塗布、乾燥せしめるフラーレン含有塗膜層の形成方法、についての発明である。
本発明によれば、280〜400nmの紫外線領域において一部波長を選択的に吸収、すなわち遮蔽することができる紫外線吸収性、遮蔽性の塗布組成物およびフィルムが得られる。特に、フラーレンC70とフラーレンC60の種類の選択や、混合比率を代えることにより、紫外線吸収領域の微妙な吸収特性を調整可能であり、従って、ミツバチの飛翔性やナスの色付き等に影響する微妙な紫外線領域の紫外線吸収率の調整を必要とする農業用フィルムなどに好適に採用することができる。
また本願発明の塗布組成物に用いるフラーレンは、無機化合物であるため、有機系の紫外線吸収剤に顕著に起こるブリードアウトの心配は少なく、また、従来の無機系紫外線吸収剤に比べて、無毒かつ無変色であるため、長期に渉って所望のUV遮蔽性能を有することが可能である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の塗布組成物は、少なくとも必須成分として、炭素化合物であるフラーレンC70またはC60を一種以上とバインダー樹脂を含む塗布組成物である。この塗布組成物は、紫外線280〜400nmの紫外線領域において選択的に吸収する紫外線吸収性を有する。
炭素化合物であるフラーレンC70、60は、例えば、アーク放電法、炭化水素を原料とした燃焼法等により生成した煤を、から溶媒抽出法等によって溶媒可溶成分を分離・精製して混合フラーレンを得たのち、これを昇華法、カラムクロマト法等により純度95%以上に精製分離したC70、C60を主成分とする炭素化合物であり、市販品として入手可能である。
フラーレンC70とフラーレンC60は、同素化合物であるが、塗布組成物とした場合の各々の紫外線吸収特性は異なる。図2に示すように、オレフィン系樹脂基材にアクリル変性オレフィン樹脂をバインダー樹脂として、フラーレンC70を含有した被膜(実施例4)は波長330nm近辺と波長380nm近辺の2つの吸収ピークを有するが、図2に示すフラーレンC60を含有した被膜(実施例1)の場合は、波長330nm近辺に、強度が比較的大の1つの吸収ピークを有する。
従って、必要とされる紫外線の吸収(遮蔽)波長領域及びそのカット率に応じて、使用するフラーレンの種類を選択し、またはC70/C60の混合比を1:100〜100:1の範囲、好ましくは1:20〜20:1の範囲で選択したフラーレン混合物を使用すればよい。
さらに、本発明の塗布組成物はC70より大きな高次フラーレンを含んでも良い。一般にフラーレン類はアーク法における煤より抽出した混合フラーレンでC60が70〜80%、C70が10〜15%であり残りが高次フラーレンである。燃焼法等により得られた煤ではC60/C70の比は0.26〜5.7の値をとり得るが、一例をあげるとC60が約65%、C70が約25%、残りが高次フラーレンという組成の混合フラーレンであり、これら混合フラーレンをそのまま、あるいは適宜C60およびC70を添加して使用する事も可能である。
本発明のバインダー樹脂は基材フィルム種によってその最適なバインダー樹脂を任意に選択しうるが、アクリル系樹脂、アクリル変性ポリオレフィン系樹脂や、フッ素系樹脂、オルガノシロキサン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、アミノ系(アルキッド系、メラミンアルキッド系)樹脂、等の公知の被膜に用いられる有機溶剤可溶型塗料樹脂から選択できる。
これらのうち、特に好ましくは、アクリル系樹脂、アクリル変性ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂が挙げられる。
アクリル系樹脂としては、例えばヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート5〜40重量%、分子内に1個若しくは2個以上のカルボキシル基を含むα、β―不飽和カルボン酸0〜20重量%及び残部がこれら化合物と共重合可能な他のビニル系化合物からなるモノマー成分を共重合して得られる共重合体を挙げることができる。
また上記アクリル系樹脂の他の例として、特に剛性の高いポリエステル系樹脂基材に対し好ましい例として幹成分としての架橋アクリル酸エステル系弾性体の存在下に、分岐成分としてのメタクリル酸アルキルエステル単量体、又はメタクリル酸アルキルエステル単量体を主成分とし、これと共重合可能なビニル系単量体との混合物を重合して得られるグラフト共重合体であって、架橋アクリル酸エステル系弾性体を5〜80%含む重合組成物が挙げられる。(例えば特開平11−221883号記載のアクリル樹脂)
アクリル変性ポリオレフィン系樹脂としてはポリオレフィン系樹脂とアクリル系樹脂の共重合体が種々適用でき、中でも以下に記載の重合生成物(A)が好ましい。ポリオレフィン系樹脂成分とアクリル系樹脂成分の比率としては、薄膜層と基材との密着性、耐久性の点からアクリル成分の量が全体の60〜90重量%が好ましい。
重合生成物(A)は一分子中に少なくとも1個の官能基を有するオレフィン樹脂(a)と該官能基と反応性を有するラジカル重合性単量体(b)とを反応させて得られるラジカル重合性オレフィン樹脂(c)にアルキル(メタ)アクリレートを含有する共重合可能な単量体(d)を共重合して得られる重合生成物であり、例えば、特願平2001−42683号公報に記載された重合組成物である。
塗布組成物中の、バインダー樹脂に対するフラーレン化合物の含有量は、バインダー樹脂に対し、0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%、更に好ましくは0.1〜2重量%であることが好ましい。フラーレン化合物の含有量が多すぎると、塗膜厚みによる紫外線透過率の制御、変更が難しくなり、少なすぎると性能の発現が低下し、塗膜厚みの増大を招く等の点で好ましく
ない。
本発明の紫外線吸収性塗布組成物であるフラーレン含有樹脂塗料の調整は、予めフラーレンを、トルエン、ベンゼン等のフラーレン可溶性溶媒に溶かしたフラーレン溶液を、バインダー樹脂塗料に添加し塗料樹脂中に分散させ、塗料中の溶剤を加熱方式や真空方式にて溶剤を蒸発せしめ、目的のUV吸収特性を有するフラーレン分散バインダー樹脂固体を作成する。
フラーレンの可溶性溶媒とは、例えばトルエン、ベンゼン、o−キシレン、p−キシレン、1,2,3−トリメチルベンゼン、1,2,3,4,−テトラメチルベンゼン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等のベンゼン系有機溶媒、1−メチルナフタレン、1−ブロモ−2−メチルナフタレン等のナフタレン系有機溶媒、その他二硫化炭素やキノリン等が挙げられるが、溶解力、毒性、沸点の点からトルエンが好ましい。フラーレン溶液中のフラーレン含有率は、その使用溶媒中のフラーレン可溶量によりほぼ範囲が定められてしまうが、たとえば、トルエンやベンゼンを用いる場合で、凡そ1〜3mg/ml(溶媒)となる。
そしてフラーレン含有塗膜層の形成方法としては、このフラーレン分散バインダー樹脂固体を再度適切な溶剤に溶解せしめ、塗工方法に適した粘度に調整した塗布液を公知の塗布・乾燥方法によって、基材フィルム上に被膜を形成する。
塗工方法は、グラビアコート方式、リバースロールコート方式等通常の塗工方法によれば良い。乾燥方法も、ジェットノズル、平流、向流温風乾燥方式、輻射過熱方式等公知の方法によればよい。
形成される塗膜層の厚みとしては、塗膜樹脂、基材樹脂の弾性率や、紫外線透過率の目標設定値に応じて適時選択されるが0.1〜20μm、好ましくは0.3〜10μm、好ましくは1〜7μmが挙げられる。
本発明の塗布組成物、及びフィルムの塗膜層には、上記の成分以外に、必要に応じて種々の公知の他成分を含むことができる。例えば、他の紫外線吸収剤を併用して含有することも可能である。
フラーレン含有被膜層を形成するための基材となるフィルムは、軟質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルム、ポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリエステル樹脂系フィルム、フッ素樹脂フィルムから用途に応じて選ばれる。特にポリオレフィン系樹脂フィルムは、波長280nm以上の紫外線領域の光を殆どカットできない特性を有するため、本発明の紫外線吸収性塗膜を設けることによる効果が大であり、好ましい。
上記の熱可塑性樹脂フィルムである基材フィルムには、その用途に応じて種々公知の樹脂添加剤、例えば防曇剤、光安定剤、他の紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、帯電防止剤、無機微粒子等が配合できる。
例えば光安定剤としては農業用フィルム等に通常配合される種々の化合物を使用できる。具体的には特公昭62−59745号公報題欄第37行〜第16欄第18行目、特開平2−30529号明細書第20頁第15行〜第38頁大行目に記載されているヒンダードアミン系化合物である。
本発明で使用可能な市販のヒンダードアミン化合物を例示すれば、TINUVIN770、TINUVIN780、TINUVIN144、TINUVIN622LD、CHIMASSORB119FL、CHIMASSORB944LD(以上、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)サノールLS−765(三共(株)製)、MARK LA−63、MARK LA−68、MARK LA−62、MARK LA−67(以上、アデカ・アーガス社製)等が挙げられる。
酸化防止剤としては2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,2´−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−エチルフェノール)、ジラウリルチオジプロピオネート等を挙げることができる。
他の紫外線吸収剤としては例えばベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系シアノアクリレート系、フェニルサリシレート系、トリアジン系等の紫外線吸収剤が挙げられる。
滑剤としては例えばポリエチレンワックス、ビスアマイド,ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、脂肪族アルコール等が挙げられる。
無機微粒子としては、保温剤として有効なMg、Ca、Zn、Al、Si及びLiの少なくとも1つの原子を含有する無機酸化物、無機水酸化物等が挙げられる。具体的には,酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、水酸化マグネシウム、珪酸アルミニウム、アルミノケイ酸カルシウム、ハイドロタルサイト類化合物等の無機微粒子が挙げられる。
防曇剤としてはソルビタン脂肪族エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪族エステル等が挙げられる。
以上の各種添加剤は、夫々1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。上記各種添加剤の配合量はフィルムの性能や塗膜層の密着性を悪化させない範囲で選択すればよい。
本発明に係わる基材となる合成樹脂フィルムは従来から公知のフィルム化技術でフィルム化することによって製造される。公知のフィルム化技術としては、Tダイ押し出し法、インフレーション成形法、溶融流延法などがある。
基材フィルムの厚さはあまり薄いと強度が不十分となり、逆にあまり厚いと展張時の取り扱い作業に不便を来し好ましくない。農業用フィルムとしては、基材強度、耐久性、取り扱い作業性を勘案して通常、0.03〜0.5mm、好ましくは0.05〜0.3mmが好ましい。基材フィルム自身が2層以上の多層構成フィルムであってもよい。
本発明の塗膜層は、熱可塑性樹脂フィルムの片面又は両面に設けてもよいが、本願発明の紫外線吸収性フィルムを温室等に被覆する農業用フィルムとして用いる場合には、特に、温室等に展張時に外側となる面に塗膜層を設けることが好ましい。その場合、温室展張時内側となる面には、コロイダルシリカ及び/又はコロイダルアルミナなどのコロイド状無機化合物とバインダー樹脂からなる防曇塗膜層を設けることが可能である。
本発明による紫外線吸収性フィルムの紫外線吸収特性は、その基材として用いる熱可塑性樹脂の種類や、塗膜中のフラーレン含有量によって異なるが、例えばポリオレフィン系樹脂を基材フィルムとする場合、以下の紫外線吸収特性を有することが可能である。
フラーレンC60を使用した場合には、330nmに吸収ピークを有する一方、310nm近辺の吸収は小さく、310nmにおける光線透過率(X310)を30〜70%、330nmにおける光線透過率(X330)を15〜50%で、X310/X330として、1.1〜2.5の範囲で調整可能である。
一方、フラーレンC70を使用した場合には、330nm近辺の吸収ピークのほかに380nm近辺に吸収ピークを有することが可能で、380nmにおける光線透過率(X380)を、20〜70%の間で調整可能となる。
またフラーレンC60とフラーレンC70を適宜の比率で混合することにより、両者の特性を併用した、紫外線吸収フィルムを得ることが可能となる。
以下、本発明を実施例比較例に基づいて説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の例に限定されるものではない。
<基材フィルムの調整>
以下の2種類の基材フィルムを用意した。
(1)ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム
縦、横それぞれ3.5倍に延伸され、密度が1.392g/cm2、厚みが150μmのもの
(2)ポリオレフィン樹脂フィルム
MFR2.2、密度0.91のメタロセンポリエチレンのインフレーション法による(成形温度160℃、ブロー比2.0)100μm厚みのフィルム
<フラーレン類溶解液の調整>
フロンティアカーボン(株)製フラーレンC70又はC60を、各々単独または下記の比率で混合した下記に示すフラーレンを50mg秤量し、トルエン25gに溶解せしめたフラーレン含有トルエン溶液を作成した。
溶液a フラーレンC60
溶液b フラーレンC60:フラーレンC70=6:2のフラーレン混合物
溶液c フラーレンC60:フラーレンC70=1:1のフラーレン混合物
溶液d フラーレンC70
<被膜形成用樹脂の調整>
(1)特願平10−25623号(特開平11−221883号公報)の実施例の記載に従い該実施例記載のアクリル樹脂溶液イを調整した。
(2)特願2001−42683号(特開2002−240216号公報)の実施例の記載に従い、該公報表―2に記載の重合体組成物Aの組成によるアクリル変性ポリオレフィン樹脂溶液を調整した。
<フラーレン含有樹脂固体の調整>
上記各々のフラーレン溶液を、アクリル系樹脂又はアクリル変性ポリオレフィン樹脂を10g溶解する溶液に加えて均一に混合し、その後溶剤を除去して、フラーレン分散樹脂固体を得た。
<紫外線吸収フィルムの作成>
(1) ポリエチレンテレフタレート系
上記(1)のポリエチレンテレフタレート系樹脂基材フィルムに対し、上記(1)のアクリル樹脂と各フラーレンa,b,c,dを含有するフラーレン含有樹脂固体を溶剤にて塗料化して20%固形分の塗料を作成し、この塗料をリバースロールコート法により24μ厚の湿潤塗膜を形成させ、熱風乾燥炉にて80℃30秒間乾燥させ、4.8μの樹脂塗膜層を形成した。
溶液aを用いた例を実施例1、溶液bを用いた例を実施例2、溶液cを用いた例を実施例3、溶液dを用いた例を実施例4とし、フラーレン溶液を用いずにアクリル樹脂のみの塗膜層を設けた例を比較例1とする。
(2) ポリオレフィン系
上記(2)のポリオレフィン系樹脂基材フィルムに対し、上記(2)のアクリル変性ポリオレフィン樹脂と各フラーレンa,b,c,dを含有するフラーレン含有樹脂固体を溶剤にて塗料化し、厚み μmの塗膜層を形成した。溶液aを用いた例を実施例5、溶液bを用いた例を実施例6、溶液cを用いた例を実施例7、溶液dを用いた例を実施例8とし、フラーレン溶液を用いずにアクリル変性ポリオレフィン樹脂のみの塗膜層を設けた例を比較例2とする。
<紫外線吸収特性の測定>
上記実施例1〜4と比較例1、及び実施例5〜8と比較例2の塗膜形成フィルムについて、JIS K7105法に準拠して、280nm〜400nmの紫外線領域を含む範囲の光波長における全光線透過率を測定した。
(1)のポリエチレンテレフタレート系フィルムの結果を図1に、(2)のポリオレフィン系フィルムの結果を図2に示す。この結果、フラーレンC70又はフラーレンC60を一種以上とバインダー樹脂を含有する塗布組成物には、280〜400nmの紫外線領域において、特殊な吸収特性があることがみいだされ、かつ、そのC70とC60の種類や混合比率を代えることにより、紫外線吸収領域の微妙な吸収特性を変化させることができることがわかった。
以上のとおり本発明によれば、280〜400nmの紫外線領域において一部波長を選択的に吸収、すなわち遮蔽することができる紫外線吸収性、遮蔽性の塗布組成物およびフィルムが得られる。特に、フラーレンC70とフラーレンC60の種類の選択や、混合比率を代えることにより、紫外線吸収領域の微妙な吸収特性を調整可能であり、従って、ミツバチの飛翔性やナスの色付き等に影響する微妙な紫外線領域の紫外線吸収率の調整を必要とする農業用フィルムなどに好適に採用することができる。
また本願発明の塗布組成物に用いるフラーレンは、無機化合物であるため、有機系の紫外線吸収剤に顕著に起こるブリードアウトの心配は少なく、また、従来の無機系紫外線吸収剤に比べて、無毒かつ無変色であるため、長期に渉って所望のUV遮蔽性能を有することが可能である。
ポリエチレンテレフタレート系の基材を用いた実施例1〜4、比較例1のフィルムの光線透過率の結果を示すグラフ。 ポリオレフィン系の基材を用いた実施例5〜8、比較例2のフィルムの光線透過率の結果を示すグラフ。

Claims (7)

  1. 必須成分として、炭素化合物であるフラーレンC70またはC60を1種以上とバインダー樹脂を含有してなる、280nm〜400nmの紫外線を選択的に吸収する紫外線吸収性塗布組成物。
  2. フラーレンC70及びフラーレンC60を混合比1:100から100:1の範囲で混合したフラ−レン混合物を用いることを特徴とする請求項1記載の紫外線吸収性塗布組成物。
  3. 該バインダー樹脂が、アクリル系樹脂、アクリル変性ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂の有機溶剤可溶型樹脂から選択された樹脂であることを特徴とする請求項1又は2記載の紫外線吸収性塗布組成物。
  4. 熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に、必須成分として、炭素化合物であるフラーレンC70またはC60を1種以上とバインダー樹脂を含有する塗膜層を形成してなることを特徴とする、280nm〜400nmの紫外線領域を選択的に吸収する紫外線吸収性フィルム。
  5. 塗膜層の厚さが0.3μ〜10μであることを特徴とする請求項4記載の紫外線吸収性フィルム。
  6. 熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に、必須成分として、炭素化合物であるフラーレンC70またはC60を1種以上とバインダー樹脂を含有する塗膜層を形成してなることを特徴とする、農業用フィルム。
  7. 炭素化合物であるフラーレンを予め、フラーレンを溶解する有機溶媒にて溶解し、該溶液を有機溶剤型塗料樹脂と均一に混合し、その後溶剤を除去したフラーレン分散樹脂固体を、再度溶剤にて塗料化し、塗布、乾燥せしめるフラーレン含有塗膜層の形成方法。
JP2003356820A 2003-10-16 2003-10-16 紫外線吸収性塗布組成物及び紫外線吸収性フィルム Pending JP2005120232A (ja)

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