JP2004123795A - 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、ブタジエン含有量が10〜40重量%のABS系樹脂0.5〜10重量部、軟質アクリル系樹脂0.5〜5重量部、防滴剤1.0〜4.0重量部を配合してなる農業用塩化ビニル系樹脂フィルムであり、上記防滴剤は溶融開始温度が40℃〜60℃の防滴剤と溶融開始温度が65℃〜80℃の防滴剤の2種類を少なくとも併用することを特徴とする。
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、農業用塩化ビニル系樹脂フィルムに関し、特に、透明性、耐候性、換気作業性が良好であり、低温衝撃性(耐脆性破壊)を向上させた農業用塩化ビニル系樹脂フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
軟質塩化ビニル系樹脂フィルムは、農業用ハウス、トンネルなどの農作物の施設栽培用被覆資材として保温、作物生育促進を目的として広く用いられている。しかしながら、農業用塩化ビニル系樹脂フィルムには、通常、柔軟性を付与するために可塑剤が配合されており、この可塑剤は感温性が大きく、低温下ではフィルムの硬度が増し、冬期、特に寒冷地において強風のためにフィルムのバタツキによる破れが発生しやすい傾向があり、夏期には、ハウスのサイド換気部においてフィルムを巻き上げた状態で夏を越したときに、可塑剤に起因する添加剤の滲出(ブリード)によりフィルム同士がブロッキングしやすいという問題点があった。
【0003】
このため、寒冷地区における伸び、耐衝撃性の物性を改善する方法として、農業用塩化ビニル系樹脂フィルム中の可塑剤の量を増加する方法や耐寒性可塑剤を配合する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
塩化ビニル系樹脂フィルム中の可塑剤量を増加させる方法は、低温強度に対して向上効果があるが、夏場等の高温時にフィルムがベタついたり弛む等の悪影響が生じる。また、可塑剤の量をあまり増量することなく耐寒性可塑剤を配合する方法は、耐寒性可塑剤が塩化ビニル系樹脂との相溶性が悪いためにフィルム表面にブリードしたり、フィルムが耐熱性や耐候性に劣る欠点がある。
【0005】
また、塩素化ポリエチレンを配合する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、低温衝撃性の向上が十分でなく、また、耐候性も劣る。
【0006】
【特許文献1】
特開昭58−49742号公報(第2−5頁)
【特許文献2】
特開2000−129062号公報(第2−3頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、かかる状況にあって、フィルムの透明性や耐候性を損なうことなく、低温下における脆性破壊耐性を向上させ、サイド換気部に使用しても、フィルム同士の癒着やブロッキングがなく、スムーズに開閉できる農業用塩化ビニル系樹脂フィルムを提供することを目的として、塩化ビニル系樹脂にABS系樹脂を配合することを提案しているが、これに軟質アクリル系樹脂を配合することにより、さらに性能が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の要旨とするところは、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、ブタジエン含有量が10〜40重量%のABS系樹脂0.5〜7重量部、軟質アクリル系樹脂0.5〜5重量部、防滴剤1.0〜4.0重量部を配合してなる農業用塩化ビニル系樹脂フィルムに存する。
【0009】
また、上記防滴剤は溶融開始温度が40℃〜60℃の防滴剤と融点溶融開始温度が65℃〜80℃の防滴剤の少なくとも2種類を併用することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いるABS系樹脂とは、ブタジエンを主成分とするゴムにスチレンを主とする芳香族ビニル化合物とアクリロニトリルを主とするシアン化ビニル化合物を含む単量体をグラフト重合して得られるアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系共重合体(ABS樹脂)、あるいは該ABS樹脂に別途製造したアクリロニトリル−スチレン系共重合体(AS樹脂)を混合してなる樹脂をいう。
【0011】
本発明において、上記ABS樹脂に使用されるゴムはブタジエンを含むことが必須であり、その他に芳香族ビニル化合物やシアン化ビニル化合物、アクリル酸エステル、カルボン酸ビニル化合物などブタジエンと共重合し得る他の単量体を含む共重合体であってもよい。
【0012】
ABS樹脂は、上記したように、上記ゴムに芳香族ビニル化合物とシアン化ビニル化合物を含む単量体をグラフト重合して得られるが、その際に必要に応じて(メタ)アクリル酸エステル、カルボン酸ビニル化合物、マレイミド系ビニル化合物などの共重合可能な他の単量体を共にグラフト重合に用いることもできる。
【0013】
また、AS樹脂は、芳香族ビニル化合物とシアン化ビニル化合物を共重合して得られるが、その際に必要に応じてこれらと共重合可能な他の単量体、例えば、(メタ)アクリル酸エステル、カルボン酸ビニル化合物、マレイミド系ビニル化合物などを用いることができる。
【0014】
上記ABS系樹脂の塩化ビニル系樹脂への配合量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して0.5〜7重量部、好ましくは1〜5重量部がよい。0.5重量部より少ないと耐寒脆性破壊特性が向上されることがなく、7重量部より多いと耐候性が低下して好ましくない。このABS系樹脂のブタジエン含有量は10〜40重量%の範囲でなければならない。10重量%より少ないと耐寒脆性破壊特性が向上せず、40重量%より多いと耐候性が低下し、透明性も劣るので好ましくない。上記範囲内でも15〜35重量%が好ましい。
【0015】
本発明に用いる軟質アクリル系樹脂は、たとえば、アルキル基の炭素数が1〜12である少なくとも1種のアクリル酸アルキルエステル30〜99.9重量%、アルキル基の炭素数が1〜8である少なくとも1種のメタクリル酸アルキルエステル0〜70重量%、これらと共重合可能な不飽和単量体0〜30重量%、多官能架橋性重合体および/または多官能グラフト単量体0.1〜10重量%からなる単量体混合物を乳化重合してなるTgが25℃以下である架橋アクリル酸エステル系重合体からなるゴム成分の存在下、アルキル基の炭素数が1〜12である少なくとも1種のアクリル酸アルキルエステル30〜99重量%、アルキル基の炭素数が1〜8である少なくとも1種のメタクリル酸アルキルエステル1〜70重量%、これらと共重合可能な不飽和単量体0〜30重量%からなる単量体混合物を乳化重合してなるコアシェル型重合体であるTgが25℃以下の軟質アクリル系樹脂、
【0016】
あるいは、アルキル基の炭素数が1〜8である少なくとも1種のメタクリル酸アルキルエステル60重量%以上とからなるTgが70℃以下である架橋メタクリル酸エステル系重合体のからなるゴム成分の存在下、アルキル基の炭素数が1〜12である少なくとも1種のアクリル酸アルキルエステル30〜99.9重量%、アルキル基の炭素数が1〜8である少なくとも1種のメタクリル酸アルキルエステル0〜70重量%、これらと共重合可能な不飽和単量体0〜30重量%、多官能架橋性重合体および/または多官能グラフト単量体0.1〜10重量%からなる単量体混合物を乳化重合し、さらに、アルキル基の炭素数が1〜12である少なくとも1種のアクリル酸アルキルエステル30〜99重量%、アルキル基の炭素数が1〜8である少なくとも1種のメタクリル酸アルキルエステル1〜70重量%、これらと共重合可能な不飽和単量体0〜30重量%からなる単量体混合物を乳化重合してなるコアシェル型重合体である軟質アクリル系樹脂が挙げられる。
【0017】
または、上記の軟質アクリル系樹脂を、凝固剤を用いて凝固させる際に、他の(メタ)アクリル酸エステル系重合体を混合して、同時に凝固させた軟質アクリル系樹脂でもよい。
【0018】
上記アクリル系樹脂において、アルキル基の炭素数が1〜12のアクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸エチルヘキシル、アクリル酸オクチル等が挙げられ、得られるポリマーのTgが低いアクリル酸ブチル、アクリル酸エチルヘキシルが特に好ましく用いられる。これらのアクリル酸アルキルエステルは、2種以上を併用して用いることができる。
【0019】
また、アルキル基の炭素数が1〜8であるメタクリル酸アルキルエステルとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル等が挙げられ、メタクリル酸メチルが好ましく用いられる。これらのメタクリル酸アルキルエステルは、2種以上を併用して用いることができる。
【0020】
さらに用いる多官能性単量体は、得られる軟質アクリル系樹脂のゴム弾性に大きく影響し、良好なゴム弾性を得るために、分子構造内にアルキレンオキサイド基を有する多官能性単量体が好ましく用いられる。このような多官能性単量体としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイドジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイドジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等が挙げられ、好ましくは、エチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート等の分子構造内にアルキレンオキサイド基を有する多官能アクリレートであり、これら多官能性単量体は1種もしくは2種以上を併用することができる。また多官能グラフト重合体としては、例えば、アリル(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート等が使用できる。
【0021】
上記軟質アクリル系樹脂の塩化ビニル系樹脂への配合量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して0.5〜5.0重量部、好ましくは1.0〜3.0重量部である。0.5重量部より少ないと加工性、耐候性が改良されず、5.0重量部より多いと加工性・物性共に比例して向上することがないために好ましくない。
【0022】
本発明に用いる防滴剤は、溶融開始温度が40℃〜60℃の防滴剤と溶融開始温度が65℃〜80℃の防滴剤の2種類を少なくとも併用することにより、フィルム同士の耐ブロッキング性が向上する。また、高温時における防滴持続性も向上する。溶融開始温度が40℃〜60℃の防滴剤としては、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート等のソルビタン脂肪酸エステルやそれらのアルキレンオキサイド付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステルやそれらの混合物が挙げられ、なかでもソルビタンモノステアレートが好ましい。溶融開始温度が65℃〜80℃の防滴剤としては、ソルビタンモノベヘネート、グリセリンモノベヘネート等の炭素数が20以上、好ましくは22以上の高級脂肪酸の多価アルコールエステルが挙げられる。
【0023】
上記防滴剤の塩化ビニル系樹脂への配合量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して1.0〜4.0重量部、好ましくは2.0〜3.0重量部である。1.0重量部より少ないと防滴性やフィルム同士の耐ブロッキング性が向上せず、4.0重量部を超えるとコストが高くなるだけでなく、ブルームが発生し、透明性が低下するので好ましくない。
【0024】
本発明のフィルムのベースとなる塩化ビニル系樹脂としては、例えば、数平均重合度が約800〜2500、好ましくは約1000から1800のポリ塩化ビニル、塩化ビニルを主体とする共重合体(例えばエチレン−塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、塩化ビニル−ハロゲン化オレフィン共重合体など)、あるいはこれらのポリ塩化ビニルまたは塩化ビニル共重合体を主体とする他の相溶性の樹脂(例えばポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、部分ケン化ポリビニルアルコールなど)とのブレンド物が挙げられる。これら塩化ビニル系樹脂は塊状重合法、乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法など常用のいかなる製造法によって得られたものでもよい。これら塩化ビニル系樹脂は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0025】
また、前記塩化ビニル系樹脂に対しては、その100重量部あたり、可塑剤を30〜60重量部、好ましくは40〜55重量部、滑剤および/または熱安定剤を0.5〜7.0重量部、好ましくは1.0〜5.0重量部、防霧剤を0〜1.0重量部、好ましくは0.02〜0.5重量部、紫外線吸収剤および/またはヒンダードアミン系光安定剤を0〜3.0重量部、好ましくは0.1〜0.5重量部配合することができる。
【0026】
上記可塑剤としては、例えば、ジ−n−オクチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジイソデシルフタレート等のフタル酸誘導体、ジイソオクチルイソフタレート等のイソフタル酸誘導体、ジオクチルアジペート等のアジピン酸誘導体、その他トリクレジルフォスフェート、トリキシレニルフォスフェート、エポキシ化大豆油等が挙げられ、なかでもジ−2−エチルヘキシルフタレート、トリクレジルフォスフェート、が適している。
【0027】
上記滑剤または熱安定剤としては、例えばポリエチレンワックス、脂肪酸アミド、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、リシノール酸バリウム、有機亜リン酸エステルのようなキレーター、エポキシ樹脂などが挙げられる。
【0028】
上記防霧剤としては、例えばパーフロロアルキル基またはパーフロロアルケニル基を含有する高分子、あるいは低分子のフッ素系界面活性剤などが挙げられ、一般に、少なくとも0.001重量%、好ましくは0.01重量%の水中溶解度を有し、25℃において水の表面張力を35×10−3N/m以下、好ましくは30×10−3N/m以下に低下させる能力を有するものが好ましい。また、パーフロロアルキル基は、その炭素鎖中に酸素原子が介在してもよい。
【0029】
上記紫外線吸収剤としては、例えばベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸系のものなどが挙げられる。ベンゾトリアゾール系のものとしては、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−アミル−5′−イソブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、(2′−ヒドロキシ−3′−イソブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、(2′−ヒドロキシ−3′−イソブチル−5′−プロピルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[(2′−ヒドロキシ−5′−(1,1,3,3,−テトラメチル)フェニル)ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
【0030】
また、ベンゾフェノン系のものとしては、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4、4′−ジメトキシベンゾフェノン、2,2′,4、4′−テトラメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
【0031】
また、サリチル酸系のものとしては、フェニルサリチレート、パラオクチルフェニルサリチレートなどが挙げられる。
【0032】
これらの紫外線吸収剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができるが、特にベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系のものが好ましい。
【0033】
ヒンダードアミン系光安定剤としては、特開平1−197543号公報や特開平2−30529号公報に記載されているものを挙げることができ、具体的な市販の化合物を例示すれば、TINUVIN770、TINUVIN780、TINUVIN144、TINUVIN371、TINUVIN622LD、CHIMASSORB944(以上チバスペシャルティケミカルズ社製)MARK LA−57、MARK LA−62、MARK LA−63、MARK LA−67、MARK LA−68(以上旭電化工業社製)などが挙げられる。
【0034】
さらに、充填剤、酸化防止剤、帯電防止剤、着色剤等、他の通常の樹脂添加剤を必要に応じて含有させることができる。充填剤は通常フィルムのベタツキを抑制したり、あるいは保温性を維持するために用いられ、このようなものとしては、シリカ、タルク、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイト、ケイ酸カルシウム、水酸化マグネシウム、カオリンクレー、マイカ、アルミナ、炭酸マグネシウム、リン酸リチウム、ゼオライト、リチウム・アルミニウム複合水酸化物塩、リチウム・マウネシウム・アルミニウム複合水酸化物縮合ケイ酸塩などの無機質系のものが挙げられる。充填剤は、フィルムの厚さに応じて、種類と配合量が決められるが、基材の塩化ビニル系樹脂に対し、通常0.05〜10重量%、好ましくは0.1〜7重量%の範囲で用いられる。
【0035】
上記塩化ビニル系樹脂に各樹脂添加剤を配合するには、それぞれ必要量秤量し、リボンブレンダー、バンバリーミキサー、スーパーミキサーその他従来から知られている配合機、混合機に仕込み混練すればよい。
【0036】
このようにして得られる樹脂組成物は、それ自体既知の方法、例えばカレンダー法、押出成形法、溶液流延法などによりフィルム状に成形することができる。
【0037】
本発明のフィルムの厚さは、あまり薄いと強度が不十分となるので好ましくなく、逆に厚すぎるとフィルム化作業その他に不便をきたすので、一般には0.03〜0.3mm、好ましくは0.05〜0.2mmの範囲とするのが適当である。
【0038】
また、本発明における農業用塩化ビニル系樹脂フィルムの、実際にハウスまたはトンネルに展張した際に外側になる面に、アクリル系樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂等の、溶剤系塗料、水系塗料、紫外線硬化型塗料等の塗料を塗工し、防塵性を付与することを目的とした塗膜を形成してもよい。また、ハウス等に展張したとき内側になる面に、アクリル系樹脂等の、溶剤系塗料、水系塗料、紫外線硬化型塗料等の塗料に、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ等のコロイド無機物を添加した被膜を塗工して防曇性の塗膜を形成してもよい。
【0039】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の例に限定されるものではない。なお、各実施例および比較例の評価は、以下に示す方法によって行った。
【0040】
(1)耐候性
UV試験機(岩崎電気社製、「アイスーパーSUV−W13」)でフィルム試料に紫外線を間欠的に照射し、4サイクル(1サイクル=24時間)後までの着色状態を肉眼で観察した。評価基準は次のとおり。
◎ 4サイクル後、僅かに黄着色が認められる
○ 4サイクル後、褐色に着色が認められる
△ 3サイクル後、褐色の斑点が認められる
× 2サイクル後、褐色の斑点が認められる
【0041】
(2)低温衝撃性
槽付きフィルムインパクトテスター(東洋精機社製)を用いて、−18℃でのフィルム試料の脆性破壊率を算出した(N=30)。評価基準は次のとおり。
◎ 脆性破壊率40%未満
○ 脆性破壊率40%以上60%未満
△ 脆性破壊率60%以上100%未満
× 脆性破壊率100%
【0042】
(3)換気作業性(ベタツキ性)
JIS K 6732に準拠した方法でフィルム試料の30mm幅あたりの剥離強さを引張試験機(島津製作所社製「オートグラフ」)で測定した。評価基準は次のとおり。
◎ 20グラム未満
○ 20グラム以上80グラム未満
△ 80グラム以上160グラム未満
× 160グラム以上
【0043】
(基体フィルムの調整)
実施例1〜3、比較例1〜6
塩化ビニル樹脂(平均重合度1300) 100重量部
ジ−2−エチルヘキシルフタレート(DOP) 47重量部
トリクレジルフォスフェート(TCP) 5重量部
エポキシ樹脂 2重量部
バリウム−亜鉛系複合液状安定剤 1.5重量部
バリウム−亜鉛系複合粉体安定剤 1.0重量部
メチレンビスステアリン酸アミド 0.4重量部
エチレンビスステアリン酸アミド 0.5重量部
紫外線吸収剤、光安定剤 0.3重量部
よりなる樹脂組成物を準備し、表1に示した種類および量のABS系樹脂、軟質アクリル系樹脂、防滴剤を配合した。
【0044】
各配合物をスーパーミキサーで10分間攪拌混合した後、180℃に加熱したミルロール上で混練し、厚さ0.10mmの基体フィルムを得た。
得られたフィルムを評価し、その結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
表1中の注記*1〜*5は以下のとおりである。
*1:ABS樹脂(ブタジエン含有量薬30%)
〔日本エイアンドエル社製、商品名「クララスチックK−2540A」〕*2:ABS樹脂(ブタジエン含有量薬20%)
〔旭化成社製、商品名「スタイラック220」〕
*3:軟質アクリル系樹脂
〔クラレ社製、商品名「パラペットSA1000−NP」〕
*4:ソルビタンモノステアレート(溶融開始温度45〜50℃)
〔理研ビタミン社製、商品名「SA−6638」〕
*5:ソルビタンモノべへネート(溶融開始温度74〜80℃)
〔理研ビタミン社製、商品名「B−300」〕
*6:グリセリンモノべへネート(溶融開始温度74〜80℃)
〔理研ビタミン社製、商品名「B−100」〕
【0047】
【発明の効果】
本発明は、ABS樹脂、軟質アクリル系樹脂、高融点防滴剤を含有させることにより、フィルムの透明性や耐候性を損なうことなく、低温下における脆性破壊耐性を向上させ、サイド換気部に使用しても、フィルム同士の癒着やブロッキングがなく、スムーズに開閉できる農業用塩化ビニル系樹脂フィルムを得ることができる。
Claims (2)
- 塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、ブタジエン含有量が10〜40重量%のABS系樹脂0.5〜7重量部、軟質アクリル系樹脂0.5〜5重量部、防滴剤1.0〜4.0重量部を配合してなる農業用塩化ビニル系樹脂フィルム。
- 上記防滴剤は溶融開始温度が40℃〜60℃の防滴剤と溶融開始温度が65℃〜80℃の防滴剤の少なくとも2種類を併用することを特徴とする請求項1に記載の農業用塩化ビニル系樹脂フィルム。
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