JP3848405B2 - 防曇性オレフィン系樹脂積層フイルムおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、ハウス栽培やトンネル栽培に使用される防曇塗料の塗膜層を設けた防曇性オレフィン系樹脂積層フイルムに関するものである。更に詳しくは、透明性、フイルム強度、防曇塗料の密着性および生産性の良好な防曇性オレフィン系樹脂積層フイルムおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、トンネル栽培、ハウス栽培などが盛んに行われるようになり、それに伴って農業用被覆資材の需要が増加している。この農業用被覆資材としては、現在、塩化ビニル系樹脂フイルムが主流であるが、ポリエチレンやエチレン−酢酸ビニル共重合体を主体としたオレフィン系樹脂フイルムも増加傾向にある。
【0003】
なかでも、フイルム中に可塑剤を含まないオレフィン系樹脂フイルムは、長期の使用でも汚れが付きにくいが、フイルムの内側表面に付着した凝結水を栽培作物に滴下することなくフイルムの内側表面に沿って流れさせるいわゆる防曇性の持続が不十分であるので、その改良が望まれている。
【0004】
農業用オレフィン系樹脂フイルムに使用されている防曇剤としては、多価アルコールと高級脂肪酸との部分エステル化合物からなる防曇剤が従来より使用されている。これらの防曇剤はオレフィン系樹脂との相溶性が悪く、防曇効果が早期に失われてしまうため、シリカやハイドロタルサイト等の無機物の吸着性を利用し、その防曇持続を維持するものもあるが実際上の効果は少ないものであった。
【0005】
そこで、フイルムをハウスに展張後に、スプレーでコロイダルシリカおよび/またはコロイダルアルミナを主成分とする防曇塗料を塗布したものがあったが、剥離強度が弱く、その効果も2〜3ヵ月程度のものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、防曇塗料の塗膜層を設けた防曇性オレフィン系樹脂積層フイルムにおいて、透明性、フイルム強度、防曇塗料の密着性および生産性が改良された防曇性オレフィン系樹脂積層フイルムおよびその製造方法を提供することを目的となされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、オレフィン系樹脂積層フイルムにおいて、酢酸ビニル含有量が10〜20重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とした基層(A)の一方の片面に密度が0.910〜0.935g/cm 3 のエチレン系樹脂30〜70重量%に酢酸ビニル含有量が10〜20重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体30〜70重量%を配合した組成物からなり、かつ組成物の酢酸ビニル含有量が3〜10重量%となる一方の被覆層(B)を、他方の片面に密度が0.910〜0.935g/cm 3 のエチレン系樹脂からなる他方の被覆層(C)を設け、該一方の被覆層に合成樹脂バインダーとコロイダルシリカおよび/またはコロイダルアルミナを主成分とする防曇塗料の塗膜層(D)を設けたことを特徴とする防曇性オレフィン系樹脂積層フイルムに存する。
【0008】
また、オレフィン系樹脂積層フイルムにおいて、酢酸ビニル含有量が10〜20重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とした基層(A)の一方の片面に、密度が0.910〜0.935g/cm 3 のエチレン系樹脂30〜70重量%と酢酸ビニル含有量が10〜20重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体30〜70重量%とからなる組成物からなり、かつ組成物の酢酸ビニル含有量が3〜10重量%となる一方の被覆層(B)を、他方の片面に密度が0.910〜0.935g/cm 3 のエチレン系樹脂と酢酸ビニル含有量が20重量%以下のエチレン−酢酸ビニル共重合体とからなる組成物からなり、かつ組成物の酢酸ビニル含有量が6重量%以下、好ましくは0.1〜5重量%となる他方の被覆層(C)を設け、該一方の被覆層の片面に合成樹脂バインダーとコロイダルシリカおよび/またはコロイダルアルミナを主成分とする防曇塗料の塗膜層(D)を設けたことを特徴とする防曇性オレフィン系樹脂積層フイルムに存する。
【0009】
さらに、三層共押出インフレーション成形機によりチューブ状のオレフィン系樹脂積層フイルムを成形するにあたり、酢酸ビニル含有量が10〜20重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とした基層(A)を中間層押出機で、密度が0.910〜0.935g/cm 3 のエチレン系樹脂30〜70重量%に酢酸ビニル含有量が10〜20重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体30〜70重量%を配合した組成物からなり、かつ組成物の酢酸ビニル含有量が3〜10重量%となる一方の被覆層(B)を外面側押出機で、密度が0.910〜0.935g/cm 3 のエチレン系樹脂からなる他方の被覆層(C)を内面側押出機で、それぞれ押出し、三層チューブ状のオレフィン系樹脂積層フイルムを成形し、該三層チューブ状のオレフィン系樹脂積層フイルムの偏平に折り畳まれたフイルムの外面側の両面に合成樹脂バインダーとコロイダルシリカおよび/またはコロイダルアルミナを主成分とする防曇塗料を塗布、乾燥し塗膜層(D)を形成したことを特徴とする防曇性オレフィン系樹脂積層フイルムの製造方法に存する。
【0010】
さらにまた、該三層チューブ状のオレフィン系樹脂積層フイルムの偏平に折り畳まれたフイルムの外面側の両面同時にあるいは各片面ずつを、合成樹脂バインダーとコロイダルシリカおよび/またはコロイダルアルミナを主成分とする防曇塗料を塗布、乾燥し塗膜層(D)を形成したことを特徴とする防曇性オレフィン系樹脂積層フイルムの製造方法。
あるいは、該三層チューブ状のオレフィン系樹脂積層フイルムが片端で切断され、略U字状の偏平に折り畳まれたフイルムの外面側の各片面ずつを、合成樹脂バインダーとコロイダルシリカおよび/またはコロイダルアルミナを主成分とする防曇塗料を塗布、乾燥し塗膜層(D)を形成したことを特徴とする防曇性オレフィン系樹脂積層フイルムの製造方法に存する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のオレフィン系樹脂積層フイルムの基層(A)としては、酢酸ビニル含有量が10〜20重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とし、他のオレフィン系樹脂を10重量%以下の少量配合することができる。この他のオレフィン系樹脂としては、α−オレフィン系の単独重合体、α−オレフィンを主成分とする異種単量体との共重合体であり、具体的には、例えばポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、アイオノマー樹脂等が挙げられる。これらのうち、密度が0.910〜0.935g/cm 3 の低密度ポリエチレンやエチレン−α−オレフィン共重合体および酢酸ビニル含有量が10重量%未満のエチレン−酢酸ビニル共重合体が強度、透明性や耐候性の点から好ましい。
【0012】
本発明の防曇性オレフィン系樹脂積層フイルムの防曇塗料の塗膜層(D)が設けられる一方の被覆層(B)としては、密度が0.910〜0.935g/cm 3 のエチレン系樹脂30〜70重量%と酢酸ビニル含有量が10〜20重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体30〜70重量%との組成物からなり、かつ組成物の酢酸ビニル含有量が3〜10重量%となるものである。
また、上記の組成物に使用される密度が0.910〜0.935g/cm 3 のエチレン系樹脂としては、エチレンを主成分とする重合体であり、具体的には、高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、酢酸ビニル含有量が4重量%以下のエチレン−酢酸ビニル共重合体やメタロセン触媒によるポリエチレン等が挙げられる。これらのうち、密度が0.910〜0.935g/cm 3 の低密度ポリエチレンやエチレン−α−オレフィン共重合体が好適に使用できる。
【0013】
本発明のオレフィン系樹脂積層フイルムの他方の被覆層(C)としては、密度が0.910〜0.935g/cm 3 のエチレン系樹脂の単独樹脂層が好ましく、該エチレン系樹脂に酢酸ビニル含有量が20重量%以下のエチレン−酢酸ビニル共重合体を配合した組成物である場合は、該組成物の酢酸ビニル含有量が6重量%以下、好ましくは0.1〜4重量%となるような組成物が使用できる。
【0014】
本発明のオレフィン系樹脂積層フイルムの一方の被覆層(B)上に設ける防曇塗料の塗膜層(D)に使用される合成樹脂バインダーとしては、アクリル変性ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。合成樹脂バインダーは、通常、水や水とアルコールなどの水性溶剤との混合溶剤に分散させて、水系エマルションとして用いられる。
本発明の防曇塗料には、所望に応じ塗布性を向上させる目的でシリコーン系界面活性剤やフッ素系界面活性剤を含有させることができ、また、本発明の目的が損なわれない範囲で、従来慣用されている乳化剤、分散剤、安定剤、架橋剤などの各種添加成分を含有させることができる。さらに、塗膜の耐候性を高めるためにヒンダードアミン系光安定剤や紫外線吸収剤なども含有させることができる。
架橋剤は特に塗膜の耐水性を向上させるために使用され、例えばエポキシ系やアジリジン系のものが挙げられる。
【0015】
さらに、本発明の防曇性オレフィン系樹脂積層フイルムの各樹脂層には、従来より慣用されている他の添加剤、例えば無機充填材、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤等を配合することができる。
【0016】
本発明において使用可能な無機充填材としては、赤外線吸収能のあるものが好ましく、酸化物、水酸化物、炭酸塩、ケイ酸塩やその複合物などが挙げられる。
具体的には、シリカ、タルク、ハイドロタルサイト類、マイカ、ゼオライト、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、リチウムアルミニウム複合水酸化物塩、リン酸ジルコニウムなどが挙げられる。これらは、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。 これらの無機充填材の大きさは、0.01〜10μm、好ましくは0.1〜5μm程度である。
これらの無機充填剤は、オレフィン系樹脂積層フイルムの基層に配合されるのが好ましく、基層を構成する樹脂成分100重量部に対し、20重量部以下、好ましくは1〜10重量部の範囲で配合することができる。
【0017】
紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−メチル−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系の他、サルチル酸系のものが挙げられる。
【0018】
ヒンダードアミン系光安定剤としては、特開平1−197543号公報や特開平2−30529号公報に記載されているものを挙げることができ、具体的な市販の化合物を例示すれば、TINUVIN770,TINUVIN780,TINUVIN144,TINUVIN622LD,CHIMASSORB944(以上、チバガイギー社製)、MARK LA−57,MARK LA−62,MARK LA−63,MARK LA−67,MARK LA−68(以上、旭電化社製)等が挙げられる。
【0019】
これらの添加剤以外に、所望に応じ各種添加剤、例えば滑剤、熱安定剤、酸化防止剤、界面活性剤、着色剤などを含ませることができる。
滑剤としては、ポリエチレンワックス、脂肪酸アミド、ステアリン酸などが挙げられ、熱安定剤、酸化防止剤としては、カルボン酸の金属塩、フェノール系抗酸化剤や有機亜リン酸エステルのようなキレーターなどが挙げられる。
【0020】
本発明のオレフィン系樹脂積層フイルムを作成するには、基材樹脂に各種添加剤をそれぞれ所定の割合で配合し、混練して樹脂組成物を調整したのち、三層共押出インフレーション成形により積層フイルムとすることができる。
かかるフイルムは、透明、梨地あるいは半梨地でもよく、フイルムの厚さは、あまり薄いと強度が不十分となるので好ましくなく、逆に厚すぎるとフイルム化作業その他に不便をきたすので、一般には0.04〜0.3mm、好ましくは0.05〜0.2mmの範囲で選ばれる。
【0021】
上記のオレフィン系樹脂積層フイルムをインフレーション成形した後、該チューブ状を偏平に折り畳まれたフイルムあるいは片端で切断され、略U字状の偏平に折り畳まれたフイルムの外面となる一方の被覆層(B)に、所望によりコロナ放電処理等を施し密着性を改善し、防曇塗料を塗布、乾燥し塗膜層(D)を形成させる。この塗膜層(D)を形成させるには、グラビアコーター、リバースコーター、ナイフコーター、バーコーター、スプレーコーター、浸せき法など公知のコーティング法等を用いて塗布し、70〜150℃、好ましくは80〜120℃の熱風を用いて、フイルムの温度が70〜100℃となるように乾燥温度を設定して、乾燥後の膜厚が0.2〜5μm、好ましくは0.5〜2μm程度の塗膜を形成させればよい。さらに、折り畳まれたフイルムの反対面も同様に処理することにより一方の被覆層(B)の全面に塗膜層(D)を形成させることができる。
また、他方の被覆層(C)には、所望に応じ、防塵処理などの慣用の処理を施すことができる。
【0022】
【発明の効果】
本発明の防曇性オレフィン系樹脂積層フイルムは、特定の樹脂組成物である一方の被覆層(B)の表面に防曇塗料の塗膜層(D)を設けたので、従来より低い乾燥温度で処理しても塗膜の密着性が優れている。その為、低い乾燥温度で処理できるので、偏平な略チューブ状の積層フイルムの内面となる他方の被覆層(C)同士の熱融着現象がなく生産性も良好で、また、フイルム強度や透明性も優れているので、温室ハウス栽培やトンネル栽培の被覆材として好適に用いられる。
【0023】
【実施例】
次に実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。なお、各例中における物性の評価は以下に示す方法によっておこなったものである。
【0024】
(1)密着性:
塗布乾燥後のフイルムの塗膜のセロテープによる剥離テストにより評価した。
○: 剥がれない
△: 一部剥がれる
×: 全面剥がれる
【0025】
(3)生産性:
偏平な略チューブ状の折り畳まれた防曇性オレフィン系樹脂積層フイルムの内面側の他方の被覆層どおしの融着状態を評価した。
○: 簡単に剥がれる
△: やや抵抗があるが剥がれる
×: 部分的に融着があり剥がれない
【0026】
実施例1
酢酸ビニル単位含有量15重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体(日本ユニカー社製、NUC−3753)100重量部に、ヒンダードアミン系光安定剤0.5重量部および平均粒径3μmのシリカ3重量部を添加し、押出機により基層(A)用ペレットを作成した。次に、酢酸ビニル単位含有量15重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体(日本ユニカー社製、NUC−3753)34重量部と低密度ポリエチレン(日本ユニカー社製、NUC−8133、密度0.923g/cm 3 )66重量部からなる樹脂組成物に、ヒンダードアミン系光安定剤0.5重量部を添加し、押出機により一方の被覆層(B)用ペレットを作成した。さらに、低密度ポリエチレン(日本ユニカー社製、NUC−8133、密度0.923g/cm 3 )100重量部に、ヒンダードアミン系光安定剤0.5重量部を添加し、押出機により他方の被覆層(C)用ペレットを作成した。三層インフレーション成形機の中間用押出機に基層(A)用ペレットを、2台の被覆層用押出機の外側押出機に一方の被覆(B)用ペレットを、内側押出機に他方の被覆(C)用ペレットを供給し、基層が70μm、一方および他方の被覆層が各15μmの三種三層で、直径22cmのチューブ状を折り畳み折り径34.5cm、厚さ100μmのオレフィン系樹脂積層フイルムを得た。得られた偏平なチューブ状の折り畳まれたオレフィン系樹脂積層フイルムの一方の被覆層(B)である外面に、予めコロナ放電処理を施した後、アクリル変性ポリウレタン系エマルション(旭電化工業社製、ボンタイタ−HUX−401)40重量部、コロイダルシリカ(日産化学工業社製、スノーテックス20、平均粒径15nm、水分散)60重量部、シリコーン系界面活性剤(日本ユニカー社製、L−77)0.5重量部からなる防曇塗料をバーコーター#5で塗布し、乾燥温度を表1の各温度に設定したオーブンに60秒間入れて乾燥させ、防曇塗料の塗膜層(D)を形成させた。該塗膜層(D)の密着性と生産性を評価し、その結果を表1に示す。
【0027】
実施例2
実施例1のオレフィン系樹脂積層フイルムにおいて、一方の被覆層(B)として酢酸ビニル単位含有量15重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体(日本ユニカー社製、NUC−3753)50重量部と低密度ポリエチレン(日本ユニカー社製、NUC−8133、密度0.923g/cm 3 )50重量部からなる樹脂組成物に、ヒンダードアミン系光安定剤0.5重量部を添加したペレットを使用した以外は実施例1と同様にして三種三層の偏平なチューブ状の折り畳まれたオレフィン系樹脂積層フイルムを得た。得られたチューブ状の折り畳まれたオレフィン系樹脂積層フイルムの一方の被覆層(B)である外面に、実施例1と同様にして塗布し、乾燥温度を表1の各温度に設定したオーブンに60秒間入れて乾燥させ、防曇塗料の塗布層(D)を形成させた。該塗膜層(D)の密着性と生産性を評価し、その結果を表1に示す。
【0028】
実施例3
実施例1のオレフィン系樹脂積層フイルムにおいて、他方の被覆層(C)として低密度ポリエチレン(日本ユニカー社製、NUC−8133、密度0.923g/cm 3 )90重量部と酢酸ビニル単位含有量15重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体(日本ユニカー社製、NUC−3753)10重量部とからなる樹脂組成物に、ヒンダードアミン系光安定剤0.5重量部を添加したペレットを使用した以外は実施例1と同様にして三種三層のチューブ状の折り畳まれたオレフィン系樹脂積層フイルムを得た。得られたチューブ状の折り畳まれたオレフィン系樹脂積層フイルムの一方の被覆層である外側面に、実施例1と同様にして塗布し、乾燥温度を表1の各温度に設定したオーブンに60秒間入れて乾燥させ、防曇塗料の塗布層の密着性と生産性を評価し、その結果を表1に示す。
【0029】
比較例1
実施例1のオレフィン系樹脂積層フイルムにおいて、一方の被覆層として酢酸ビニル単位含有量5重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体(日本ユニカー社製、NUC−3250)100重量部に、ヒンダードアミン系光安定剤0.5重量部を添加したペレットを使用した以外は実施例1と同様にして三種三層のチューブ状の折り畳まれたオレフィン系樹脂積層フイルムを得た。
得られたチューブ状の折り畳まれたオレフィン系樹脂積層フイルムの一方の被覆層である外側面に、実施例1と同様にして塗布し、乾燥温度を表1の各温度に設定したオーブンに60秒間入れて乾燥させ、防曇塗料の塗布層の密着性と生産性を評価し、その結果を表1に示す。
【0030】
比較例2
実施例1のオレフィン系樹脂積層フイルムにおいて、一方の被覆層として酢酸ビニル単位含有量7.5重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体(日本ユニカー社製、NUC−3270)100重量部に、ヒンダードアミン系光安定剤0.5重量部を添加したペレットを使用した以外は実施例1と同様にして三種三層のチューブ状の折り畳まれたオレフィン系樹脂積層フイルムを得た。
得られたチューブ状の折り畳まれたオレフィン系樹脂積層フイルムの一方の被覆層である外側面に、実施例1と同様にして塗布し、乾燥温度を表1の各温度に設定したオーブンに60秒間入れて乾燥させ、防曇塗料の塗布層の密着性と生産性を評価し、その結果を表1に示す。
【0031】
比較例3
酢酸ビニル単位含有量10重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体(日本ユニカー社製、NUC−3212)100重量部に、ヒンダードアミン系光安定剤0.5重量部を添加したペレットを使用し、厚さ100μmの単層のチューブ状の折り畳まれたフイルムを得た。
得られたチューブ状の折り畳まれた単層フイルムの外側面に、実施例1と同様にして塗布し、乾燥温度を表1の各温度に設定したオーブンに60秒間入れて乾燥させ、防曇塗料の塗布層の密着性と生産性を評価し、その結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
実施例4
大型インフレーション成形機により、実施例1においてフイルムのサイズを、基層100μm、一方および他方の被覆層が各25μm、合計150μmの厚みで、直径約1.9mのチューブ状の三種三層のオレフィン系樹脂積層フイルムとした以外は各層の構成は実施例1と全く同一にして成形した。冷却後、ガイドロールで偏平に折り畳み、片端を切断し、略U字状の折り径3mのフイルムを巻き取った。
次に、グラビアコーターで、略U字状に偏平に折り畳まれたオレフィン系樹脂積層フイルムの片面をまず実施例1の防曇塗料を塗布し、90℃に設定した長さ20mの乾燥炉で乾燥させ、膜厚2μmの塗膜層を形成させた。更に、他の片面も同様に行い一方の被覆層の全面に防曇塗料の塗膜層を形成し、防曇性オレフィン系樹脂積層フイルムを得た。
該防曇性オレフィン系樹脂積層フイルムの一方の被覆層上に形成された塗膜層の密着性は良好であり、略U字状に偏平に折り畳まれた防曇性オレフィン系樹脂積層フイルムの内面となる他方の被覆層同士の乾燥処理での融着もなく生産性も良好であった。
Claims (3)
- 三層共押出インフレーション成形機によりチューブ状のオレフィン系樹脂積層フイルムを成形するにあたり、酢酸ビニル含有量が10〜20重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とした基層(A)を中間層押出機で、密度が0.910〜0.935g/cm 3 のエチレン系樹脂30〜70重量%に酢酸ビニル含有量が10〜20重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体30〜70重量%を配合した組成物からなり、かつ組成物の酢酸ビニル含有量が3〜10重量%となる一方の被覆層(B)を外面側押出機で、密度が0.910〜0.935g/cm 3 のエチレン系樹脂からなる他方の被覆層(C)を内面側押出機で、それぞれ押出し、三層チューブ状のオレフィン系樹脂積層フイルムを成形し、該三層チューブ状のオレフィン系樹脂積層フイルムの偏平に折り畳まれたフイルムの外面側の両面に合成樹脂バインダーとコロイダルシリカおよび/またはコロイダルアルミナを主成分とする防曇塗料を塗布、乾燥し塗膜層(D)を形成したことを特徴とする防曇性オレフィン系樹脂積層フイルムの製造方法。
- 三層共押出インフレーション成形機によりチューブ状のオレフィン系樹脂積層フイルムを成形するにあたり、酢酸ビニル含有量が10〜20重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とした基層(A)を中間層押出機で、密度が0.910〜0.935g/cm 3 のエチレン系樹脂30〜70重量%に酢酸ビニル含有量が10〜20重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体30〜70重量%を配合した組成物からなり、かつ組成物の酢酸ビニル含有量が3〜10重量%となる一方の被覆層(B)を外面側押出機で、密度が0.910〜0.935g/cm 3 のエチレン系樹脂からなる他方の被覆層(C)を内面側押出機で、それぞれ押出し、三層チューブ状のオレフィン系樹脂積層フイルムを成形し、該三層チューブ状のオレフィン系樹脂積層フイルムの偏平に折り畳まれたフイルムの外面側の両面同時にあるいは各片面ずつを、合成樹脂バインダーとコロイダルシリカおよび/またはコロイダルアルミナを主成分とする防曇塗料を塗布、乾燥し塗膜層(D)を形成したことを特徴とする防曇性オレフィン系樹脂積層フイルムの製造方法。
- 三層共押出インフレーション成形機によりチューブ状のオレフィン系樹脂積層フイルムを成形するにあたり、酢酸ビニル含有量が10〜20重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とした基層(A)を中間層押出機で、密度が0.910〜0.935g/cm 3 のエチレン系樹脂30〜70重量%に酢酸ビニル含有量が10〜20重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体30〜70重量%を配合した組成物からなり、かつ組成物の酢酸ビニル含有量が3〜10重量%となる一方の被覆層(B)を外面側押出機で、密度が0.910〜0.935g/cm 3 のエチレン系樹脂からなる他方の被覆層(C)を内面側押出機で、それぞれ押出し、三層チューブ状のオレフィン系樹脂積層フイルムを成形し、該三層チューブ状のオレフィン系樹脂積層フイルムが片端で切断され、略U字状に偏平に折り畳まれたフイルムの外面側の各片面ずつを、合成樹脂バインダーとコロイダルシリカおよび/またはコロイダルアルミナを主成分とする防曇塗料を塗布、乾燥し塗膜層(D)を形成したことを特徴とする防曇性オレフィン系樹脂積層フイルムの製造方法。
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