JP2005120215A - 2液型構造用アクリル接着剤組成物およびこれを用いた接着構造 - Google Patents

2液型構造用アクリル接着剤組成物およびこれを用いた接着構造 Download PDF

Info

Publication number
JP2005120215A
JP2005120215A JP2003356429A JP2003356429A JP2005120215A JP 2005120215 A JP2005120215 A JP 2005120215A JP 2003356429 A JP2003356429 A JP 2003356429A JP 2003356429 A JP2003356429 A JP 2003356429A JP 2005120215 A JP2005120215 A JP 2005120215A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adhesive
adherend
liquid part
acrylic
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003356429A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005120215A5 (ja
Inventor
Toyoo Kawase
豊生 川瀬
Yoshio Shizawa
義雄 志澤
Hiroyuki Harada
裕之 原田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hori Glass Co Ltd
Original Assignee
Hori Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hori Glass Co Ltd filed Critical Hori Glass Co Ltd
Priority to JP2003356429A priority Critical patent/JP2005120215A/ja
Publication of JP2005120215A publication Critical patent/JP2005120215A/ja
Publication of JP2005120215A5 publication Critical patent/JP2005120215A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

【課題】低温環境においても、重合がスムーズに行なわれ、硬化不良を招くことのない技術を提供する。
【解決手段】1また2以上のアクリレート、もしくはメタクリレートモノマーまたはアクリル化もしくはメタクリル化オリゴマーと、0〜15重量パーセントの量で存在するアクリル酸またはメタクリル酸とを含有する接着剤第1液部分と、アクリル酸およびメタクリル酸化合物の重合を引き起こすフリーラジカル発生剤を含有する活性剤第2液部分とからなる2液型構造用アクリル接着剤組成物を用いて、自動車用ガラスに被着体を接着する。被着体1における接着面の周縁部に接着剤のはみ出しを遮る凸条2を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車ガラス用接着剤等として好適に用いられる2液型構造用アクリル接着剤組成物に関するものである。
自動車ガラス用接着剤は、自動車用ガラスに対し、インナーミラー取り付け用ブラケットや、モール、プロテクター、位置決め用基準ピン、ヒンジ等の各部材を取り付けるために使用されている。例えば、フロントガラスにインナーミラー取り付け用のブラケットを接着させる場合、この接着部位は、接着後、直射日光の照射、ガラス面の結露、運転中の振動等に曝されるだけでなく、運転手等がインナーミラーを動かす度に接着部位に力が加わる。このため、自動車ガラス用接着剤には、ガラスに対する強固な接着力と共に、耐振動性、耐候性、耐衝撃性、耐水性、耐熱性等の各種特性が要求され、通常、エポキシ系、ウレタン系、シリコーン系、変性シリコーン等の接着剤が使用されている。
しかしながら、エポキシ系接着剤は−40℃から90℃の環境下を繰り返される冷熱サイクル試験において、被着体の線膨張係数より発生する歪みを吸収できずガラスに割れを生じてしまう為、使用できなかった。近年、エポキシ系接着剤に可とう性を付与したものが各社から、製造及び販売されているが、上記の各特性を満たすものはなかった。
また、ウレタン組成物やシリコーン組成物なども多く使用されてきたが、その多くは湿気硬化タイプの為、硬化までの養生時間が長く、また、短縮する為にある一定環境下に設定した乾燥室を必要とし、いずれにしても広大な養生スペースを確保する必要があった。
以上の理由により、近年、硬化の早さ、接着力、弾性という観点から注目されてきたのが、SGA接着剤と呼ばれる構造用アクリル接着剤である(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、この構造用アクリル接着剤はモノマーが重合される場合、発熱反応を伴って重合が促進されるが、特に冬季の場合、接着させてからある程度の低温環境に置かれた場合、その発熱反応が外気の影響で阻害され、充分な重合反応が進まず、接着力不足、硬化時間延長といった問題点、すなわちSGA接着剤が本来持っている硬化速度の速さといった特徴が失われる場合があった。また、上記インナーミラー取り付け用ブラケットにSGA接着剤を採用した場合、接着剤がはみ出したり、接着剤の厚みを制御するのは生産上、非常に手間がかかり、且つ、困難であった。
特開平11−92735号公報
そこで、本発明は、低温環境においても、重合がスムーズに行なわれ、硬化不良を招くことのない技術を提供することにある。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
接着剤第1液部分および活性剤第2液部分からなる2液型構造用アクリル接着剤組成物であって、
前記接着剤第1液部分は、1また2以上のアクリレート、もしくはメタクリレートモノマーまたはアクリル化もしくはメタクリル化オリゴマーと、0〜15重量パーセントの量で存在するアクリル酸またはメタクリル酸とを含有するものであり、
前記活性剤第2液部分は、アクリル酸およびメタクリル酸化合物の重合を引き起こすフリーラジカル発生剤を含有するものである、
ことを特徴とする、2液型構造用アクリル接着剤組成物。
<請求項2記載の発明>
1また2以上のアクリレート、もしくはメタクリレートモノマーまたはアクリル化もしくはメタクリル化オリゴマーと、0〜15重量パーセントの量で存在するアクリル酸またはメタクリル酸とを含有する接着剤第1液部分と、アクリル酸およびメタクリル酸化合物の重合を引き起こすフリーラジカル発生剤を含有する活性剤第2液部分とからなる2液型構造用アクリル接着剤組成物を用いて、自動車用ガラスに被着体を接着してなることを特徴とする接着構造。
<請求項3記載の発明>
前記被着体が、鉄、ステンレス、アルミニウムなどの金属部材である、請求項2記載の接着構造。
<請求項4記載の発明>
前記被着体における接着面の周縁部に接着剤のはみ出しを遮る凸部が形成されている、請求項2または3記載の接着構造。
<請求項5記載の発明>
前記被着体における接着面の周縁部に周方向に沿って環状に延在する凸条が形成されており、この凸条の突出高さが0.3mm以上とされている、請求項2〜4のいずれか1項に記載の接着構造。
上記本発明によれば、低温環境においても重合がスムーズに行なわれ、硬化不良が防止される。また、上記本発明の接着構造においては凸部(凸条含む。以下同じ。)により接着剤のはみ出しが防止され、外観見栄えが良くなる。さらに、突出高さが0.3mm以上の凸条を設けた場合には、凸条の断熱作用により低温環境下における重合阻害防止効果が向上する。
以下、本発明の実施形態について詳説する。
先ず、本発明の組成物を構成する接着剤第1液部分の好適なアクリレートまたはメタクリレートモノマーとしては、アクリル酸及びメタクリル酸のテトラエチレングリコール、イソデシル、ヒドロキシエチル並びにヒドロキシプロピルエステル、アクリル酸及びメタクリル酸のブチル、イソデシル、メチル、テトラヒドロフルフリル、イソボルニル並びに2−エリルヘキシルエステル、ブチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ビスフェノールA、エトキシ化ビスフェノールA、ペンタエリトリトール及びその他のジアクリレート、ジメタクリレート、トリアクリレート、トレメタクリレート、テトラアクリレート、並びにテトラメタクリレート等を挙げることができる。
好適なアクリル化またはメタクリル化オリゴマーはそれらが所望の最終用途の適切な接着性を有し、アクリレートまたはメタクリレート官能価を有する限りにおいては広範囲の物質から製造できる。このようなオリゴマーは既知であり、当分野において用いられている。特に好適なアクリル化またはメタクリル化オリゴマーは、アクリレート官能価によりキャップされたポリウレタン主鎖を有するもの、たとえば、ポリエステルポリオールまたはポリ(アルキレンオキシド)ポリオールと過剰のジイソシアネートとの反応により形成され、次いでさらにヒドロキシ基含有アクリレートまたはメタクリレート、例えばヒドロキシエチルアクリレートと反応したものである。以下では、このようなオリゴマーを、ウレタン/アクリレートオリゴマーまたはアクリル化もしくはメタクリル化オリゴマーという。
好適なジイソシアネートとしては、トルエン−2,4−ジイソシアネート、4,4'−メチレン−ビス(シクロヘキシルイソシアネート)、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート及びイソホロンジイソシアネート等を挙げることができる。好適なポリエステルポリオールとしては、当分野では既知の、ラクトンまたはカルボン酸と多価ヒドロキシ化合物の反応により形成されたものを挙げることができる。この反応に用いる好適なラクトンの例としてはカプラクトンを挙げることができ、好適なカルボン酸の例としては、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸を挙げることができる。またこの反応に用いる好適なヒドロキシ化合物の例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセロール、エリトリトール、ペンタエリトリトール、ポリ(エチレンオキシド)ジオール、ポリ(エチレンオキシド/プロピレオキシド)ジオール、ポリ(テトラメチレンオキシド)ジオール、1,6−ヘキサンジオール−イソフタレート ジオール、1,6−ヘキサンジオール−アジペート ジオール及び1,6−ヘキサンジオール−エチレングリコール−アジペートジオールを挙げることができる。
上記アクリル化またはメタクリル化オリゴマーを得るための反応に用いるポリ(アルキレンオキシド)ポリオールとしては、通常、環式エーテル、たとえばアルキレンオキシド、ジオキソラン及びテトラヒドロフランのブロック共重合を含む重合、グリコールの縮合または環式エーテルとグリコールの縮合から得られるものを用いることができる。それらは周知のものであり、また市販もされており、ポリアルキレンエーテルグリコール、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレンオキシドグリコール、ポリグリコール及びポリオキシアルキレングリコールとも呼ばれるものである。これらの化合物は、式HO(RO)nH(式中、Rはアルキレン基、nは少なくとも2である)で表される。アルキレン基は、単一の鎖または互いにエーテル酸素原子により分離している2またはそれよりも多いアルキレン鎖からなることもできる。好ましいポリ(アルキレンオキシド)ポリオールは、各々、対の酸素原子で分離しているアルキレン鎖において1〜9、好ましくは1〜6炭素原子を有し、約100〜約4000、好ましくは約100〜約2500の範囲の数平均分子量を有する。すべてのアルキレン単位が同じである必要はない。
また、上記アクリル化またはメタクリル化オリゴマーを得るための反応に用いる好適なヒドロキシ基含有アクリルモノマーとしては、ヒドロキシエチルメタクリレート及びヒドロキシプロピルメタクリレートを挙げることができ、これは接着剤液部分において20〜50重量パーセントの量で存在することになる。アクリル酸またはメタクリル酸は任意に存在してもよく、もし存在するとすれば、組成物の接着剤第1液部の1〜20重量パーセントが好ましい。
本発明の活性剤第2液部分は、触媒の反応性を向上させる他の成分を含む、または含まない重合触媒であり、アクリル酸およびメタクリル酸化合物の重合を引き起こすフリーラジカル発生剤である。そのような触媒としては、過酸化物、ヒドロペルオキシド、ペルエステル、過酸、たとえば紫外線などの放射エネルギーや熱によりフリーラジカルを発生させるものを用いることができる。これらの触媒の具体例としては、過酸化ベンゾイル、クメンヒドロペルオキシド、第三級ブチルヒドロペルオキシド、過酸化ジクミル、過酸化第三級ブチルアセテート、過安息香酸第三級ブチル、ジ第三級ブチルアゾジイソブチロニトリルなどを挙げることができる。これらのフリーラジカル生成触媒は、接着剤組成物の重量に基づいて約0.01〜約10重量パーセントの量で使用される。好ましくは、触媒は約0.05〜約3重量パーセントの量で使用される。
触媒の反応性を向上させる他の成分は開始剤または活性剤および助触媒である。開始剤および活性剤としては、第三級アミンおよびアルデヒド−アミン反応生成物等を用いることができる。有用な第三級アミンとしては、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルトルイジン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジエチルトルイジンなどを挙げることができる。アルデヒド−アミン反応生成物は、ブチルアルデヒド−アニリンおよびブチルアルデヒド−ブチルアミン組成物などの組成物を含む。助触媒としては、ナフテン酸コバルト、ニッケル、マンガンまたは鉄、オクチル酸銅、アセチルアセトン酸銅、ヘキシル酸鉄、またはプロピオン酸鉄などの、遷移金属の有機塩を用いることができる。
開始剤または活性剤は使用する場合、接着剤の重量に基づいて最大約15重量パーセントの量で添加するのが好ましい。特に好ましい使用量は0.01〜約5重量パーセントである。助触媒は好ましくは最大約0.5重量パーセント、特に好ましくは約1ppm〜約0.5重量パーセントの量で使用される。
本発明の活性剤第2液成分にはエポキシ樹脂等の重合助剤等も使用できる。このエポキシ樹脂としては、平均して1分子当り2個以上のエポキシ基を有するものが好適に使用できる。エポキシ樹脂の例としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、カテコール、レゾルシノール等の多価フェノール、グリセリンやポリエチレングリコール等の多価アルコールとエピクロルヒドリンを反応させて得られるポリグリシジルエーテル:p−ヒドロキシ安息香酸、β−ヒドロキシナフトエ酸のようなヒドロキシカルボン酸とエピクロルヒドリンを反応させて得られるグリシジルエーテルエステル:フタル酸、テレフタル酸のようなポリカルボン酸とエピクロルヒドリンを反応させて得られるポリグリシジルエステル:さらにはエポキシ化フェノールノボラック樹脂、エポキシ化クレゾールノボラック樹脂、エポキシ化ポリオレフィン、環式脂肪族エポキシ樹脂、その他ウレタン変性エポキシ樹脂等を挙げることができる。
エポキシ樹脂等の重合助剤使用する場合、接着剤の重量に基づいて最大約10重量パーセントの量で添加するのが好ましい。特に好ましい使用量は0.1〜約4重量パーセントである。
また、本発明の活性剤第2液成分には可塑剤等も使用できる。可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジラウリルフタレート(DLP)、ジブチルベンジルフタレート(BBP)、ジオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート、トリオクチルフォスフェート、トリス(クロロエチル)フォスフェート、トリス(ジクロロプロピル)フォスフェート、アジピン酸プロピレングリコールポリエステル、アジピン酸ブチレングリコールポリエステル、エポキシステアリン酸アルキル、エポキシ化大豆油等を挙げることができ、これらは単独または混合して使用することができる。可塑剤を使用する場合、接着剤の重量に基づいて最大約5重量パーセントの量で添加するのが好ましい。特に好ましい使用量は0.5〜約3重量パーセントである。
本発明の活性剤第2液成分には顔料及び染料等も使用することができる。顔料には、無機顔料と有機顔料とがあるが、本発明ではいずれも使用できる。無機顔料としては、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、群青、ベンガラ等の金属酸化物、リトポン、鉛、カドミウム、鉄、コバルト、アルミニウム等の硫黄物、塩酸塩、硫酸塩等を使用することができ、有機顔料としては、アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料等を使用することができる。
本発明の組成物は通常2つの部分として調製され、使用する直前に、2つの部分を混合し、これを被着体の少なくとも一方の接着面に塗布する。あるいは、触媒を含む部分を一方の被着体の接着面に塗布し、活性剤を含む部分をもう一方の被着体の接着面に塗布することもできる。これらの被着体の接着面相互を押し付けると、触媒を含む部分および活性剤を含む部分はともに混合して、結果として接着が行われる。塗布のし易さの観点では、前者が好ましく、2液混合塗布カートリッジシステム(例えば、MIX PAC社のカートリッジシステム200、400シリーズ、Ratio-Pak社からカートリッジシステム)に用いることもできる。この場合、混合させるノズルも内径や、全長、エレメントの数により、種々のものが選択できる。
本発明の接着剤は、自動車用ガラスに対して被着体を接着するのに好ましいものである。自動車用ガラスとしては、自動車用の強化ガラス、黒色セラミックプリントガラス、中間層にポリビニルブチラールを使用した合せガラス等、特に限定なく使用できる。また被着体が、鉄、ステンレス、アルミニウム等の金属部材である場合に好適である。
接着剤のはみ出しを防止するために、被着体における接着面の周縁部に接着剤のはみ出しを遮る凸部を設けるのも好ましい形態である。この凸部は、多数不連続に形成しても良いが、接着面の周縁部に周方向に沿って環状に延在するように、すなわち凸条として形成し、凸条によって囲まれる中央部が凹部となるようにするのが好ましい(実施例の図1参照)。通常の場合、この凸部の突出高さは0.3mm以上が好ましく、0.5mm以上であるのが特に好ましい。凸部の突出高さは、接着剤ははみ出し防止機能という観点からは特に上限はなく、材料の強度、寸法等によって任意に選択できる。このような凸部を設ける場合、コストや加工のしやすさから、被着体の材質としてアルミニウムを採用するのが好ましい。
これらの被着体を接着するに際しては、埃や油分を除去する為に、予め脱脂をしても良い。脱脂は通常、有機溶剤で行うことができ、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコールや、アセトンやメチルエチルケトン等のケトン類を好適に用いることができるが、これらに限定されるものではない。
これら被着体には、必要に応じて、ポリイソシアネート組成物やシランカップリング剤などの、一般的にプライマーと呼ばれるものを塗布することもできる。シランカップリング剤とは、相互になじみの悪いガラス、シリカ、金属、粘土等の無機材料と高分子等の有機材料とを化学結合できる官能基を有する下記式(1)で表される有機ケイ素化合物をいう。
Y〜(CH2nSiX3 ・・・(1)
(式中のXはアルコキシ基やアセトキシ基、イソプロポキシ基、アミノ基、ハロゲン等の加水分解性の置換基で、無機と反応し、Yは有機質と反応しやすいビニル基、エポキシ基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基などである)
(被着体の成型)
アルミニウム(ADC−12)を用いて、図1に示すように接着面の周縁部に周方向に沿って環状に延在する凸条2が形成された本発明に係るインナーミラー取り付け用ブラケット被着体1を公知の成型法で作製した。凸条2の突出高さaは、0mm(凸条なし)、0.1mm、0.3mm、0.5mm、0.7mm、0.9mm,1.2mmの5種類作成した(以下、この順に被着体1〜7という)。他の寸法は図1に示すとおりとし、各例共通とした。なお、符号3は、凸条2によって囲まれた凹部を示している。
(2液混合装置の準備)
本発明構造用アクリル接着剤(商品名:MA320/Plexsus社製)を2液混合塗布カートリッジ(第1液:活性剤第2液、10:1/MIX PAC社製)に充填し、先端にはスタチックミキサーノズル(商品名MC08−24/MIX PAC社製)を装着した。
(実施例1)
被着体3(a:0.3mm)を、イソプロピルアルコールを用いて脱脂した後、その接着面に、上記で作成したカートリッジと専用のエアーガンとを用いて充分に混合された本発明に係るアクリル接着剤を凹部に0.25g充填・塗布し、自動車用黒色セラミックプリントガラスに接着した。そして、この被着体を接着した自動車用ガラスを25℃の雰囲気下で2時間保持した後、引張強度を測定した。また、5℃の雰囲気下で保持する以外は同様にした試験も行なった。
(実施例2〜5)
被着体4(a:0.5mm)、被着体5(a:0.7mm)、被着体6(a:0.9mm)、被着体7(a:1.2mm)を用いた以外は実施例1と同様にして評価を行なった。
(実施例6、7)
被着体1(a:0mm)および被着体2(a:0.1mm)を用いた以外は実施例1と同様にして評価を行なった。
(比較例)
被着体4(a:0.5mm)を用い、接着剤を1液湿気硬化型ウレタン接着剤(商品名:ハマタイトWS−292/横浜ゴム(株)製)に変えた以外は実施例1と同様にして評価を行なった。
(評価結果)
評価結果を表1に示した。同表からも明らかなように、本発明に係る構造用アクリル接着剤を用い、かつ接着面に突出高さが0.3mm以上の凸条を設けた実施例1〜5においては、接着剤のはみ出しがないため外観見栄えが良好であるだけでなく、低温環境においても、重合がスムーズに行なわれ、硬化不良を招かなかった。凸条のない平坦な接着面を有する実施例6は接着剤のはみ出しにより外観見栄えが良好とはならず、また低温環境における重合が進行し難かった。また実施例7は、突出高さが0.1mmの凸条を設けたため着剤のはみ出しがなく外観見栄えが良好であったが、実施例6と同様に低温環境における重合が進行し難かった。ただし、実施例6と比較例との対比からも明らかなように、本発明に係る接着剤自体の低温重合性能は従来の接着剤と比べて優れていることが判明した。
Figure 2005120215
本発明は、自動車用ガラスに対し、インナーミラー取り付け用ブラケットや、モール、プロテクター、位置決め用基準ピン、ヒンジ等の各部材を接着する用途に好適であるが、他の接着用途にも使用できることはいうまでもない。
実施例で使用した被着体の説明図である。
符号の説明
1…被着体(インナーミラー取り付け用ブラケット)、2…凸条。

Claims (5)

  1. 接着剤第1液部分および活性剤第2液部分からなる2液型構造用アクリル接着剤組成物であって、
    前記接着剤第1液部分は、1また2以上のアクリレート、もしくはメタクリレートモノマーまたはアクリル化もしくはメタクリル化オリゴマーと、0〜15重量パーセントの量で存在するアクリル酸またはメタクリル酸とを含有するものであり、
    前記活性剤第2液部分は、アクリル酸およびメタクリル酸化合物の重合を引き起こすフリーラジカル発生剤を含有するものである、
    ことを特徴とする、2液型構造用アクリル接着剤組成物。
  2. 1また2以上のアクリレート、もしくはメタクリレートモノマーまたはアクリル化もしくはメタクリル化オリゴマーと、0〜15重量パーセントの量で存在するアクリル酸またはメタクリル酸とを含有する接着剤第1液部分と、アクリル酸およびメタクリル酸化合物の重合を引き起こすフリーラジカル発生剤を含有する活性剤第2液部分とからなる2液型構造用アクリル接着剤組成物を用いて、自動車用ガラスに被着体を接着してなることを特徴とする接着構造。
  3. 前記被着体が、鉄、ステンレス、アルミニウムなどの金属部材である、請求項2記載の接着構造。
  4. 前記被着体における接着面の周縁部に接着剤のはみ出しを遮る凸部が形成されている、請求項2または3記載の接着構造。
  5. 前記被着体における接着面の周縁部に周方向に沿って環状に延在する凸条が形成されており、この凸条の突出高さが0.3mm以上とされている、請求項2〜4のいずれか1項に記載の接着構造。
JP2003356429A 2003-10-16 2003-10-16 2液型構造用アクリル接着剤組成物およびこれを用いた接着構造 Pending JP2005120215A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003356429A JP2005120215A (ja) 2003-10-16 2003-10-16 2液型構造用アクリル接着剤組成物およびこれを用いた接着構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003356429A JP2005120215A (ja) 2003-10-16 2003-10-16 2液型構造用アクリル接着剤組成物およびこれを用いた接着構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005120215A true JP2005120215A (ja) 2005-05-12
JP2005120215A5 JP2005120215A5 (ja) 2006-11-30

Family

ID=34613680

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003356429A Pending JP2005120215A (ja) 2003-10-16 2003-10-16 2液型構造用アクリル接着剤組成物およびこれを用いた接着構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005120215A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9027294B2 (en) 2010-07-27 2015-05-12 Agc Automotive Americas R&D, Inc. Window assembly having a primer

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59169323U (ja) * 1983-04-28 1984-11-13 日本板硝子株式会社 板ガラスと他部材との接合体
JPS61105246A (ja) * 1984-10-29 1986-05-23 Toyota Motor Corp 車輛用後写鏡の取付方法
JPH0693235A (ja) * 1992-03-17 1994-04-05 Natl Starch & Chem Investment Holding Corp アクリル接着剤組成物および有機硼素開始剤系
JP2002088108A (ja) * 2000-09-18 2002-03-27 Denki Kagaku Kogyo Kk 硬化性樹脂組成物、硬化体、接着剤組成物及び接合体

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59169323U (ja) * 1983-04-28 1984-11-13 日本板硝子株式会社 板ガラスと他部材との接合体
JPS61105246A (ja) * 1984-10-29 1986-05-23 Toyota Motor Corp 車輛用後写鏡の取付方法
JPH0693235A (ja) * 1992-03-17 1994-04-05 Natl Starch & Chem Investment Holding Corp アクリル接着剤組成物および有機硼素開始剤系
JP2002088108A (ja) * 2000-09-18 2002-03-27 Denki Kagaku Kogyo Kk 硬化性樹脂組成物、硬化体、接着剤組成物及び接合体

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9027294B2 (en) 2010-07-27 2015-05-12 Agc Automotive Americas R&D, Inc. Window assembly having a primer

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5317985B2 (ja) ヘムフランジ接着結合
US7569634B2 (en) Curable adhesive composition, adhesive kit and method of adhering substrates
EP1756189B1 (en) Blocked polyurethane prepolymers useful in coating compositions
CN107922570B (zh) 用于环氧树脂胶粘剂的封端型聚氨基甲酸酯增韧剂
KR102522215B1 (ko) 에폭시-아크릴계 하이브리드 접착제
CN102057010A (zh) 单组分环氧基结构粘合剂
CA2277155C (en) Additives for controlling cure rate of polymerizable composition
KR100730680B1 (ko) 접착제/밀봉제 조성물 및 이를 사용한 접착된 구조체
JPH09505334A (ja) トポグラフィー形成法
JP2005146035A (ja) 接着方法および接着構造
JPH04275380A (ja) アクリル接着剤組成物
WO2008032677A1 (fr) Composition de résine polymérisable par voie radicalaire pour un revêtement ou un adhésif
JPH09279103A (ja) 硬化型粘接着シート、部材の接合方法、及び光重合性組成物
JP2005120215A (ja) 2液型構造用アクリル接着剤組成物およびこれを用いた接着構造
EP1189958B1 (en) Trifunctional olefinic-capped polymers and compositions that include such polymers
JP2005120215A5 (ja)
JP5206461B2 (ja) 窓枠付き車両用窓ガラスの車両本体への接着・固定方法および窓枠付き車両用窓ガラスと車両本体との接着・固定構造
JP2005200434A (ja) 2液型構造用アクリル接着剤組成物、ならびにこれを用いた接着構造および接着方法
JP2005200434A5 (ja)
JPH0823004B2 (ja) ハニカムサンドイッチ構造体用接着剤およびハニカムサンドイッチ構造体
JPH11181361A (ja) 硬化型粘接着シート及び積層体
JP2006002012A (ja) 2液型構造用アクリル接着剤組成物
WO2001040396A2 (en) Urethane modified epoxy adhesive composition
JP2006002012A5 (ja)
CA2561867C (en) Curable adhesive composition, adhesive kit and method of adhering substrates

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Effective date: 20061013

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061013

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100115

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20100122

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100625