JP2005120096A - モノクローナル抗体及びこれを用いる免疫学的測定法 - Google Patents

モノクローナル抗体及びこれを用いる免疫学的測定法 Download PDF

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Abstract

【課題】抗トロンビン・アンチトロンビンIII複合体(TAT)に特異的なモノクローナル抗体、及びこれを用いる抗トロンビン・アンチトロンビンIII複合体の免疫学的測定法を提供する。
【解決手段】本発明のモノクローナル抗体は、TATを特異的に認識し、かつこれと高い親和性を有するものである。従って、このモノクローナル抗体を用いることにより、検体中の交差反応物の影響を受けず、TAT濃度を精度良く測定することができ、特に血液凝固傾向の診断等に有用である。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規なモノクローナル抗体、及びこれを用い、ヒト検体中のトロンビン・アンチトロンビンIII複合体濃度を精度良く測定することができ、血液凝固傾向の診断に有用な免疫学的測定法に関する。
ヒトアンチトロンビンIII(以下、ATIII という)は、血液凝固系のセリンプロテアーゼの重要なインヒビターであり、トロンビンを始めとして活性化されたXII、XI、X、IX因子の活性を阻害する。ATIII とセリンプロテアーゼとの反応は、1:1のモル比で進行し、ATIII のアルギニン残基がセリンプロテアーゼの活性中心であるセリン残基とエステル結合して複合体を形成することによりセリンプロテアーゼの活性を抑制する。この様な複合体の一つとして、トロンビン・アンチトロンビンIII複合体(以下、TATという)が挙げられる。
ヒトの血液中におけるTATの増加は、血液凝固機序の始動、及びその活性化によってトロンビン又は他の血液凝固系のセリンプロテアーゼが生成されたことを示すものと考えられている。従って、血液中のTATの量を測定することにより、血液凝固系の動態の一端を知り得るものと推察され、それによって血液凝固面から患者の病態を解明すること、例えば血栓形成あるいは汎発性血管内血液凝固症(DIC)への病態の進展を早期に予知し、適切な治療をすることが可能となる。
ヒト検体中のTATを免疫学的に測定する方法として、抗TATneoantigen−ポリクローナル抗体を、125Iで標識したTATを用いてinhibition assayすることによりTATを測定する方法(非特許文献1);抗トロンビン−ポリクローナル抗体を固相抗体に用い、抗ATIII −ポリクローナル抗体を酵素標識抗体に用いたサンドイッチ系によるヒト検体中のTATの測定方法(非特許文献2)などが提案されている。更に、H.Pelzerらの方法に準じた、ポリクローナル抗体を用いたサンドイッチ系のキット(特許文献1)が提案され、商品化されている。
しかしながら、これらの測定方法は、いずれもポリクローナル抗体を利用するため、抗体の均一性に問題がある。すなわち、この均一でない抗体は検体中に含まれる交差反応物と反応する確率が高く、測定値が変動しやすいため、これまでの方法は、感度、精度、簡便性などの点で、現在の医療ニーズに合致するものとは言い難かった。
かかる欠点を克服するにはモノクローナル抗体の利用が考えられ、抗TATモノクローナル抗体としては、固相化ATIII 及び天然のATIII とは反応しないセリンプロテアーゼ・ATIII 複合体のATIII のネオ抗原に対するモノクローナル抗体(非特許文献3及び特許文献2)及び特許文献3が知られている。ところが、血液等の臨床検体中のTATは種々の形態で存在するため、これらのモノクローナル抗体を使用しても実際に臨床検体中のTATを正確に測定することはできなかった。
Herbert,L.Lau,The Journal of Biological Chemistry,255,5885−5893(1980) H.Pelzer,Thrombosis & Haemostasis,59,101−106(1988) S.Asakuraら,Biochimica Biophysica Acta,952,37−47(1988) 特開平3−48158号公報 フランス特許第2645647号 特開昭62−138187号公報
従って、本発明の目的は、TATを特異的に認識し、これと親和性が高く臨床検体中のTAT測定に有用なモノクローナル抗体、及びこれを用いたTATの測定方法を提供することにある。
そこで本発明者らは、ATIII が血液凝固系のセリンプロテアーゼと結合(不可逆的結合)することによりネイティブなATIII にない新しい抗原部位が生じる(ネオ抗原)こと、またATIII がヘパリンと結合(可逆的結合)して構造変化を生じることを利用し、他の条件においてもネオ抗原が生じると考え、ATIII を固相化したり、ATIII に抗体を結合させることによってもセリンプロテアーゼと結合して生じるネオ抗原と類似したネオ抗原が生じることを見出した。更に、プロトロンビンにおいても固相化することによりα−トロンビンと類似のエピトープが生じることを見い出した。かかる知見に基づき、モノクローナル抗体を作成する際に、従来のスクリーニング法に加え、固相化ATIII や固相化プロトロンビンとも反応を示す抗体を反応せしめるスクリーニング方法を新たに導入することにより、従来とは異なる反応性を有するモノクローナル抗体が得られ、これを用いれば臨床検体中のTATが正確に定量できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、遊離のプロトロンビンとは反応せず;遊離及び固相化したトロンビン・アンチトロンビンIII複合体、遊離のトロンビン並びに固相化したプロトロンビンの三者と反応する抗トロンビン・アンチトロンビンIII複合体モノクローナル抗体を提供するものである。
また、本発明は、遊離のアンチトロンビンIIIとは反応せず;遊離及び固相化したトロンビン・アンチトロンビンIII複合体と反応し;セリンプロテアーゼと反応したアンチトロンビンIII、固相化したアンチトロンビンIII、及び抗アンチトロンビンIIIモノクローナル抗体が反応したアンチトロンビンIIIに共通して生じるアンチトロンビンIIIのネオ抗原と反応する抗トロンビン・アンチトロンビンIII複合体モノクローナル抗体を提供するものである。
また、本発明は、遊離のアンチトロンビンIIIとは反応せず;固相化したトロンビン・アンチトロンビンIII複合体との反応性が、遊離のトロンビン・アンチトロンビンIII複合体との反応性より強い抗トロンビン・アンチトロンビンIII複合体モノクローナル抗体を提供するものである。
更に、本発明は、上記モノクローナル抗体の製造法及びこれを利用したTATの免疫学的測定法を提供するものである。
本発明のモノクローナル抗体は、TATを特異的に認識し、かつこれと高い親和性を有するものである。従って、このモノクローナル抗体を用いることにより、検体中の交差反応物の影響を受けず、TAT濃度を精度良く測定することができ、特に血液凝固傾向の診断等に有用である。
本発明のモノクローナル抗体は、TATで免疫した哺乳動物の抗体産生細胞と、哺乳動物の骨髄腫細胞とを融合して得られるハイブリドーマにより産生される。
免疫原として用いられるTATは、トロンビンとATIII を結合させることにより作成される。ここで用いられるトロンビンとATIII は、通常の市販されているものであればいずれでも使用することができるが、市販のトロンビン製剤には安定化剤としてタンパク質が多く含まれるため、陽イオン交換樹脂やアフィニティークロマトグラフィー等により精製して得られるα−トロンビンを使用するのが好ましい。トロンビンとATIII は、1:1〜1:5のモル比で混合し、結合したTATはカラムクロマトグラフィー等で精製して用いるのが好ましい。
次に、得られたTATを免疫原として用い、常法により、ハイブリドーマ細胞を調製する。すなわち、まず免疫原としてのTATを哺乳動物に注射して免疫する。ここで免疫する哺乳動物は特に制限されず、後の操作において細胞融合に使用する骨髄腫細胞との適合性を考慮して選択することが好ましく、マウス、ラットなどが具体例として挙げられ、BALB/cマウスが一般的である。
上記の免疫原を哺乳動物に免疫する方法としては特に制限されず、例えばTAT単独又は2種以上を組合わせ、これを哺乳動物に皮下注射、腹腔内注射、血管内注射、筋肉注射、脾臓内注射などによる方法や、飼料又は水に加え、これと共に経口的に投与、免疫する方法等の通常の方法が採用できる。また、免疫する際に、必要に応じてアジュバントと併用することもできる。
次に、免疫動物から採取した脾臓細胞をマウス骨髄腫細胞と融合させる。マウス骨髄腫細胞としては、ヒポキサンチン−グアニン−ホスホリボシルトランスフェラーゼ欠損(HGPRT-)やチミジンキナーゼ欠損(TK-)等の適切なマーカーを有するものが好ましい。融合は、公知の手法に準じて行うことができる。また、融合促進剤としてポリエチレングリコール(PEG)、センダイウイルス(HVJ)等を用いることができる。脾臓細胞と骨髄腫細胞との混合比は1:1〜10:1が好ましい。場合によっては、電気融合法等により細胞融合を行うこともできる。
細胞融合した後、通常の選択用培地で培養することによりハイブリドーマを選択的に得ることができる。
ハイブリドーマのコロニーが充分に大きくなったところで目的とする抗体を産生する株の検索及びクローニングを行う。抗原に特異的な抗体の検索は、一般に抗体の検出に用いられている方法、例えば、ELISA法、RIA法等により行うことができる。
また、選択されたハイブリドーマを単クローン化するには、例えば限界希釈法や軟寒天法により行うことができる。この際、フィーダーとしてマウス胸腺細胞や腹腔マクロファージ、あるいはこれらと同様の効果を有する公知の添加剤を用いることが好ましい。
得られた単クローン化ハイブリドーマを用いて本発明モノクローナル抗体を製造するには、当該ハイブリドーマを適当な培地中で培養するか、又はマウス等の腹腔内で培養すればよい。ここで用いられる培地としては、ハイブリドーマの培養に適した培地であれば特に制限されず、例えば牛胎児血清、L−グルタミン、L−ピルビン酸及び抗生物質(ペニシリンGとストレプトマイシン)を含むRPMI 1640培地等が好適である。培養は、例えば上記ハイブリドーマを104〜105個/ml濃度で培地に加え、5%炭酸ガス濃度、37℃の条件下で2〜4日間程度行うのが好ましい。この培養により得られた上清を遠心分離等すれば、本発明のモノクローナル抗体を得ることができる。一方、腹腔内培養は、ハイブリドーマをマウス腹腔内に投与し、その腹水を回収すればよい。
このようにして得られた培養上清中の本発明モノクローナル抗体はこのままでも使用可能であるが、例えば硫安沈澱による分画法、イオン交換クロマトグラフィー法、プロテインA結合担体、抗IgG抗体カラム等によって精製して用いることがより好ましい。
また、得られたモノクローナル抗体の特異性は、例えばウェスタンブロッティング法、遊離の抗原を用いたELISA、固相化抗原を用いたELISA、抗体結合抗原を用いたELISAなどにより、確認することができる。
本発明モノクローナル抗体は、その反応性により次の三種に大別することができる。
(1)遊離のプロトロンビンと反応せず;遊離及び固相化したTAT、遊離のトロンビン並びに固相化したプロトロンビンと反応するモノクローナル抗体。
このモノクローナル抗体には、後記モノクローナル抗体No.26202、26203及び26207が含まれる。より具体的には、遊離のプロトロンビン、遊離のATIII 、抗ATIII モノクローナル抗体とATIII との結合物、固相化したATIII 、及び固相化したセリンプロテアーゼ(活性化血液凝固第10因子等)と反応したATIII と反応せず;遊離のTAT、固相化したTAT、抗ATIII モノクローナル抗体と反応したTAT、遊離のトロンビン、固相化したトロンビン及び固相化したプロトロンビンと反応するモノクローナル抗体である。
(2)遊離のアンチトロンビンIIIとは反応せず;遊離及び固相化したTATと反応し;セリンプロテアーゼと反応したATIII 、固相化したATIII 、及び抗ATIII モノクローナル抗体が反応したATIII に共通して生じるATIII のネオ抗原と反応するモノクローナル抗体。
このモノクローナル抗体には、後記モノクローナル抗体No.26205、26208、26209、26214、26216、26218及び26219が含まれる。より具体的には、遊離のATIII 、遊離のトロンビン、遊離のプロトロンビン、固相化したトロンビン及び固相化したプロトロンビンと反応せず;遊離のTAT、固相化したTAT、抗ATIII モノクローナル抗体と反応したTAT、固相化したATIII 、固相化したセリンプロテアーゼと反応したATIII 、及び抗ATIII モノクローナル抗体が反応したATIII と反応するモノクローナル抗体である。
(3)遊離のATIII とは反応せず、固相化したTATとの反応性が遊離のTATの反応性より強いモノクローナル抗体。
このモノクローナル抗体には、後記モノクローナル抗体No.26206、26210及び26213が含まれる。
より具体的には、遊離のTAT、遊離のATIII 、遊離のトロンビン、遊離のプロトロンビン、固相化したATIII 、固相化したトロンビン、固相化したプロトロンビン及び抗ATIIIモノクローナル抗体が反応したATIII と反応せず;固相化したTAT、固相化したセリンプロテアーゼと反応したATIII 及び抗ATIIIモノクローナル抗体が反応したTATと反応するモノクローナル抗体である。
本発明のモノクローナル抗体の1種又は2種以上を組合わせて用い、通常の免疫学的測定法を実施すれば、検体中のTATを精度良く定量することができる。
本発明のTAT測定法は、前記本発明モノクローナル抗体の2種以上を組合わせ、被検体と接触させて免疫測定すればよいが、抗体とATIII 、プロトロンビン等との反応による誤差をなくし、正確にTATを測定するには、異なる反応性を有するモノクローナル抗体を組合わせるのが好ましい。すなわち、前記(1)、(2)及び(3)のモノクローナル抗体並びに遊離のATIII と反応せず、セリンプロテアーゼと反応したATIII に生じるATIII のネオ抗原と反応するモノクローナル抗体から選ばれるモノクローナル抗体の2種以上を任意に組合わせて用いるのが好ましい。このうち、特に前記(1)のモノクローナル抗体と、前記(2)及び(3)のモノクローナル抗体並びに遊離のATIII と反応せず、セリンプロテアーゼと反応したATIII に生じるATIII のネオ抗原と反応するモノクローナル抗体から選ばれた1種以上とを組合わせて用いるのが好ましい。ここで、遊離のATIII と反応せず、セリンプロテアーゼと反応したATIII に生じるATIII のネオ抗原と反応するモノクローナル抗体としては、後記モノクローナル抗体No.26211、26212、26217及び26220が含まれる。より具体的には、遊離のATIII 、遊離のトロンビン、遊離のプロトロンビン、固相化したATIII 、固相化したトロンビン、固相化したプロトロンビン及び抗ATIIIモノクローナル抗体と反応したATIII と反応せず;遊離のTAT、固相化したTAT、固相化したセリンプロテアーゼと反応したATIII 及び抗ATIIIモノクローナル抗体が反応したTATと強く反応するモノクローナル抗体である。
免疫学的測定法としては特に制限されず、例えばオクタロニー法、一次元免疫拡散法、免疫比濁法、酵素免疫測定法、ラテックス免疫測定法、ラジオイムノアッセイ、フロロイムノアッセイなどを利用することができる。これらのうち、酵素免疫測定法を使用する場合には、例えば抗TATモノクローナル抗体のいずれかを適当な緩衝液中で不溶性担体に固定化して不溶化抗体とし、別の抗TATモノクローナル抗体を酵素で標識し、これらを被検体と反応させ、第二の抗体に結合させた酵素の活性を測ることにより、検体中のTATを測定することができる。
上記で使用する不溶性担体としては、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの各種合成高分子、ガラス、シリコン、不溶性多糖(架橋デキストラン、ポリサッカライド)などが好ましく、これらの担体は球状、棒状、微粒子等の形状、あるいは試験管、マイクロプレートなどの形態で用いることができる。なお、不溶化抗体作成の条件としては、球状、棒状、試験管、マイクロプレートの形態の場合及び微粒子の形態の場合、抗体濃度は各々1〜10μg /ml及び1〜10mg/ml、緩衝溶液はリン酸緩衝液、グリシン緩衝液、炭酸緩衝液、トリス緩衝液などのpH7〜10の中性からアルカリ性、室温又は4℃で1時間〜72時間で調製することが好ましい。
また、使用する酵素標識抗体は公知の方法によって作成することができ、例えば中根らの方法(Nakane P.K et al,J.Histochem Cytochem,22,1084−1089,1974)あるいは石川らの方法(マレイミド法:「酵素免疫測定法 第3版」医学書院)などに従い、断片化していない免疫グロブリン分子をそのままか、あるいは必要に応じて抗体を適当なプロテアーゼで限定分解してF(ab')2 、又はFab'とした後、酵素で標識することができる。標識に使用する酵素としては、ペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、グルコースオキシダーゼなどが挙げられる。
標識物質が酵素である場合には、その活性を測定するために基質、及び必要により発色剤が用いられる。酵素としてペルオキシダーゼを用いる場合には、基質として過酸化水素を用い、発色剤としてo−フェニレンジアミン、3,3′,5,5′−テトラメチルベンチジン、2,2′−アジノジ−〔3−エチルベンズチアゾリンスルホン酸〕アンモニウム塩等;酵素としてアルカリフォスファターゼを用いる場合には、基質として、p−ニトロフェニルフォスフェート、3−(4−メトキシスピロ{1,2−ジオキセタン−3,2′−トリシクロ−〔3.3.1.13,7〕デカン}−4−イル)フェニルフォスフェート:AMPPD等;酵素としてβ−D−ガラクトシダーゼを用いる場合には、基質として、β−D−ガラクトピラノシド、4−メチルウンベリフェリル−β−D−ガラクトピラノシド等;酵素としてグルコースオキシダーゼを用いる場合には、ペルオキシダーゼの共存下で基質として、β−D−グルコース、発色剤としてペルオキシダーゼの発色剤を用いることができる。
次に、実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
(1)TATの調製:
市販のトロンビン製剤(ミドリ十字社製)には安定化剤としてのタンパク質が多く含まれるため、これを精製した。すなわち、α−トロンビン50000unitsを50mlの50mMリン酸緩衝液(pH7.0)(以下、リン酸緩衝液と略す)に溶かしたものをS−Sepharoseカラム(2.5×11cm)にアプライし、吸着したタンパク質をNaClを含むリン酸緩衝液の直線濃度勾配(0−0.4M NaCl)で溶出した。α−トロンビン活性は、合成基質S−2238(第一化学薬品社製)を用い、405nmの吸光度の増加で確認し、活性ピークをプールした。これをBenzamidine−sepharose 6Bカラム(2×6cm)にアプライし、吸着したタンパク質を0−0.1M Benzamidin及び0.5M NaCl含有リン酸緩衝液を用いた直線濃度勾配にて溶出した。そして、得られたα−トロンビンは0.1M NaClを含む20mM Tris−HCl(pH7.4)に対して透析した後、SDS−PAGEで純度検定を行い、−80℃で保存した。α−トロンビンは、−80℃で保存することにより自己分解が防げる。
こうして得たα−トロンビンと市販のATIII 製剤(ヘキスト社製)をpH7.4の条件でモル比1:1.5で混合し、37℃で10分間保温した。反応生成物中にはTAT、α−トロンビン及びTAT分解物が残存するので、これをHeparin−sepharoseカラム(2×6cm)にアプライした。吸着したタンパク質を0.1−2M NaClを含む20mM Tris−HCl(pH7.4)で溶出し、TAT画分をSDS−PAGEで確認した後、回収した。こうして得られた精製TATは、モノクローナル抗体作成の免疫原及びスクリーニングに使用するのに充分な純度を有していた。なお、精製TATは、自己分解を防ぐため、−80℃で保存した。
精製したTAT濃度は、バイオ−ラッド社から市販されているブラッドフォード法に基づく比色定量法(プロテインアッセイ)により、BSAを標準品として定量した。その結果、TAT濃度は35μg /mlであり、この値をELISA、LTIAの測定に利用した。
(2)免疫:
上記方法により精製したTATについて、280nmの吸光度における100mOD 量を1回の免疫に使用した。初回免疫はフロインドの完全アジュバントを用い、追加免疫ではフロインドの不完全アジュバントを使用した。TAT100μl とフロインドのアジュバント100μl を混合し、得られたエマルジョン200μl を1回の免疫につき、1匹のBALB/c♂マウスの腹腔に注射を行い、4回免疫を2週間間隔で繰り返した。
また、フロインドのアジュバントの他、フナコシより市販されているリビ−アジュバントシステムの変法により免疫を行った。この免疫エマルジョンの作成は次の操作により行った。すなわち、ポッターホモジナイザーを使用し、グラインダーチューブに精製TAT100mOD 量を加え、窒素を吹き付けて乾固させ、更に、クロロホルム:メタノール=4:1の混合液に溶解しているトレハロースジミコール酸(TDM)及びモノリン酸リピッドA(MPL)を加え、窒素を吹き付け乾固させた。本チューブにスクアレン4μl を加え、スリーワンモーターにセットしたテフロン(登録商標)棒にて抗原、アジュバント及びスクアレンを1200rpm で3分間混合した。その後、0.2% Tween 80及び0.72% NaClを含む13mMリン酸緩衝液(pH7.2)を200μl 加え、1200rpm で4分間混合し、免疫エマルジョンを作成した。得られたエマルジョン200μl を1回の免疫につき1匹のBALB/c♂マウス腹腔に注射し、4回免疫を2週間間隔で繰り返した。なお、初回免疫ではTDM50μg 及びMPL50μg を、追加免疫ではTDMを50μg 及びMPL5μg を使用した。
これらの2方法により免疫したマウスの眼底静脈から採血し、抗体価をELISA法で測定し、抗体価の高いマウスを選んで細胞融合に使用した。
(3)細胞融合:
4回目の免疫から4週間後、生理食塩水200μl に希釈した精製TAT100mOD 量をマウス腹腔に注射し、その3日後にマウスから脾臓を摘出した。摘出した脾臓をRPMI 1640培地中でピンセット及びスライドグラスの磨りの部分でよくほぐし、脾細胞を回収した。これを1500rpm で5分間遠心して脾細胞を集め、更に同培地で洗浄、遠心した。最終的に15%牛胎児血清(FCS)を含む同培地2mlを加え、脾細胞懸濁液を調製した。生きた脾細胞数は、アクリジンオレンジ/臭化エチジュウム溶液(各0.1mgをPBS1mlに溶解)と懸濁液を1:1で混ぜ、蛍光顕微鏡下で数えた。生きた脾細胞108個と予め培養しておいた対数増殖期のマウス骨髄腫細胞(ミエローマ細胞)SP2/O−Ag14の107個を混合した後、1500rpm で5分遠心した。上清を除去後、細胞をよく解きほぐした後、GKN溶液(NaCl:8g,KCl:0.4g,グルコース:2g,Na2HPO4:1.41g,NaH2PO4・2H2O:0.78gを精製水1lに溶解)にて懸濁させ、1500rpm で5分間遠心を行い、細胞の洗浄を行った。同洗浄を繰り返した後、50%(w/v)のポリエチレングリコール1540を含むGKN溶液0.5mlを徐々に加え、静かに1分間攪拌した。これに、GKN溶液10mlを徐々に静かに加えて反応を停止させ、1500rpm で5分間遠心した。得られた細胞を、30mlの15%FCSを含むRPMI 1640に浮遊させ、HAT培地(10-4Mヒポキサンチン、4×10-7Mアミノプテリン、1.5×10-5Mチミジン及び15%FCS含有RPMI 1640培地)及びフィーダー細胞が含まれる(1ウエル当り200μl )96穴マイクロカルチャープレート3枚に1ウエル当り0.1mlづつ分注し、37℃、5%炭酸ガス培養器中で培養した。10日後に全てのウエルで融合細胞の増殖を確認した。
(4)抗TAT抗体産生ハイブリドーマの選択とクローン化:
培養上清中の抗TAT抗体の存在の有無をELISA法で測定した。すなわち、精製TAT(0.5mOD )、ATIII (2μg /ml)、α−トロンビン(2μg /ml)、プロトロンビン(2μg /ml)を固相化した96穴マイクロプレート、更に、抗ATIIIモノクローナル抗体(F(ab')2:5mOD )を固相化した96穴マイクロプレートにTAT(0.5mOD )、ATIII (2μg /ml)を結合させた96穴マイクロプレート、すなわち6種類のプレートを使用してスクリーニングを行った。
具体的には、TAT又はモノクローナル抗体の各濃度を、0.72% NaClを含む13mMリン酸緩衝液(pH7.2:PBS)で希釈し、50μl /ウエルの割合で96穴マイクロプレートに分注し、4℃で一夜放置した。これを、1%牛血清アルブミン及び0.05%Tween 20を含むPBS(pH7.2:BSA−PBS)で3回洗浄した。更に、各抗原を結合した96穴マイクロプレートは、BSA−PBSで各抗原を希釈し、50μl /ウエルの割合で96穴マイクロプレートに分注し、4℃で一夜放置し、スクリーニング用の各プレートを調製した。各プレートの各ウエルに培養上清50μl を加え、37℃で1時間保温した。次いでPBSで3回洗浄した後、BSA−PBSで1000倍に希釈したペルオキシダーゼ標識抗マウスIgG抗体(Fc部位に特異的,ヤギ由来)を50μl 加え、37℃で1時間保温した。これをPBSで5回洗浄した後、0.2%オルトフェニレンジアミン及び0.02%過酸化水素水を含むクエン酸−リン酸緩衝液(pH5.0)を50μl /ウエル加え、室温で30分反応させた後、4.5M硫酸を50μl /ウエル加えて反応を停止させた。この反応で、550nmにおける吸光度が高い結果を出した上清を得たウエルを選択した。
なお、固相化したモノクローナル抗体は、ELISAに用いたペルオキシダーゼ標識抗マウスIgG抗体(Fc部位に特異的,ヤギ由来)が反応しない様にペプシン処理によりF(ab')2とし、未反応のIgG画分を除くため、DEAE−Sephacel(陰イオン交換樹脂)にて精製した。
単クローン化は限界希釈法で行った。すなわち、フィーダー細胞としてBALB/cマウスの胸腺細胞を1ウエル当たり106個/0.2mlづつ分注した96穴マイクロカルチャープレートに特異抗体陽性ウエル中のハイブリドーマを10個/mlとなるように希釈したものを0.1mlづつ分注した。培地は、初回はHAT培地を、2回目はHT培地を、3回目以降は15%FCSを含むRPMI 1640を用い、37℃、5%炭酸ガス培養器中で10日間培養した。
ELISA法による特異抗体陽性ウエルの選択及び限界希釈法による単クローン化操作を各3回繰り返した。スクリーニング2回目以降は、TAT固相化プレートのみで行った。その結果、抗TATモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ17株を確立した。
得られた17株のハイブリドーマは、それぞれ26202、26203、26205、26206、26207、26208、26209、26210、26211、26212、26213、26214、26216、26217、26218、26219、26220と命名し、そのうち7株について、工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託した。当該株名と受託番号を表1に示す。
Figure 2005120096
また、各モノクローナル抗体のクラス・サブクラスはZymed社のMonoAb−ID EIA kitを用いて決定し、表2に示した。
Figure 2005120096
(5)モノクローナル抗体の分離及び精製:
前項の方法によって得られた抗TATモノクローナル抗体産生ハイブリドーマをマウス腹腔内で培養し、モノクローナル抗体を作らせた。
前処理として、8週齢のBALB/cマウスの腹腔内に0.5mlのブリスタン(2,6,10,14−テトラメチルペンタデカン)を投与した。8日後、0.5mlのRPMI 1640培地に浮遊したハイブリドーマ4〜15×105個をこのマウスの腹腔内に投与した。投与後9日目から腹水を繰り返し採取してプールした。集めた腹水は3000rpm で10分間遠心分離を行い、細胞等の不溶物を除去した。上清部分に等容の飽和硫酸アンモニウム溶液を攪拌しながら加え、一夜、4℃に放置して得られた沈澱を遠心分離によって回収した。沈澱を20mM Tris−HCl緩衝液(pH8.0)に溶解、透析した。同緩衝液で平衡化したDEAE−Sephacelカラムに透析内容物を吸着させた後、同緩衝液中のNaCl 0−0.3Mの直線濃度勾配で溶出させ、精製抗体を得た。
実施例2 モノクローナル抗体の反応特異性
(1)ウエスタンブロッティング:
上記で得られた17種類のモノクローナル抗体の反応特異性をウエスタンブロッティングにより確認した。すなわち、4−20% SDS−PAGEにおいて1ウエル当り、α−トロンビン(1μg )とATIII (2.6μg )の37℃、5分間の反応物にα−トロンビン(1μg )を添加した物をアプライした。また、FX(1μg )にラッセルバイパーベノム(RVV;20ng)を加え、37℃で5分間反応させた後、更に、ATIII (2μg )を加え、37℃で5分間反応させた物に、FX、FXa(各0.5μg )を添加した物をアプライした。これらサンプルを電気泳動後、25mM Tris、192mM グリシン、20%メタノールの転写緩衝液を用い、40V/5cm、4時間の条件でニトロセルロース膜に転写した。ニトロセルロース膜は、BSA−PBSにて4℃で一晩ブロッキング後、今回得た各モノクローナル抗体を反応させた。転写膜を短冊状に切り、短冊当り各ハイブリドーマの培養上清500μl を室温で1時間反応させた後、0.05% Tween 20を含むPBS(PBST)で3回洗浄し、BSA−PBSで1000倍に希釈したペルオキシダーゼ標識抗マウスIgG抗体(Fc部位に特異的)500μl を室温で1時間反応させた。更に、PBSTで3回洗浄後、50mM Tris−HCl(pH7.6)100mlにジアミノベンチジン25mg、過酸化水素20μl を含む基質液を加え酵素反応を行った。バンドが確認でき次第、水洗にて反応停止を行った。その結果を表3に示す。
17種類のモノクローナル抗体は、TAT、α−トロンビン及びFXa・ATと反応するものの、他の物とは反応が認められなかった。このことから、20種類のモノクローナル抗体はα−トロンビンとATIII のネオ抗原に対するものであることが明らかとなった。
Figure 2005120096
表3の結果から、No.26202、26203及び26207はTAT及びα−トロンビンと反応し、他の抗原とは反応しなかったことから、これらはTAT及びα−トロンビンに対する抗体であることが明らかとなった。また他の抗体はTAT及びFXa・ATと反応し、他の抗原とは反応しなかったことから、これらはTAT及びATIII のネオ抗原に対する抗体に対する抗体であることが明らかとなった。
(2)ELISA(固相化抗原):
上記で得られた17種類のモノクローナル抗体の反応特異性をELISAにより確認した。すなわち、TAT(0.5mOD )、ATIII (2μg /ml)、α−トロンビン(2μg /ml)、プロトロンビン(2μg /ml)、FXa(FXとして0.5μg /ml:FX10μg にRVV0.2μg を加え、37℃で15分間反応させた物)、FXa・AT(FXとして0.5μg /ml:FXa5.5μg にATIII 5μg を加え、37℃で5分間反応させた物で、遊離のATIII はほとんど含まない)の各濃度をPBSで希釈して50μl /ウエルの割合で96穴マイクロプレートに分注し、4℃で一夜放置し、BSA−PBSで3回洗浄したプレートを固相化抗原との反応特異性の試験に使用した。モノクローナル抗体を反応させる操作以降は、実施例1(4)のハイブリドーマの選択に従って行った。その結果を表4に示す。
Figure 2005120096
(3)ELISA(抗体結合抗原):
F(ab')2にした2種類の抗ATIII モノクローナル抗体(5mOD )をPBSで希釈して50μl /ウエルの割合で96穴マイクロプレートに分注し、4℃で一夜放置した。これをBSA−PBSで3回洗浄し、TAT(0.5mOD )、ATIII (2μg /ml)をBSA−PBSで希釈して50μl /ウエルの割合で96穴マイクロプレートに分注した。これを、4℃で一晩放置し、抗体に結合させた抗原プレートを作成し、抗体結合抗原との反応特異性の試験に使用した。モノクローナル抗体を反応させる操作以降は、実施例1(4)のハイブリドーマの選択に従って行った。その結果を表5に示す。
Figure 2005120096
(4)ELISA(遊離の抗原):
TAT(0.2mOD )をPBSで希釈して50μl /ウエルの割合で96穴マイクロプレートに分注し、4℃で一夜放置した。これをBSA−PBSで3回洗浄し、TAT(100mOD )、ATIII (100μg /ml)、α−トロンビン(100μg /ml)又はプロトロンビン(100μg /ml)をBSA−PBSで希釈して50μl /ウエルの割合で96穴マイクロプレートに分注し、更に各モノクローナル抗体の培養上清を50μl /ウエルの割合で96穴マイクロプレートに分注した後、37℃で1時間反応させた。ペルオキシダーゼ標識抗体を反応させる操作以降は、実施例1(4)のハイブリドーマの選択に従って行った。その結果を表6に示す。
Figure 2005120096
表4、5及び6より、本発明の17種類のモノクローナル抗体は、前記の(1)、(2)及び(3)のグループに大別できることがわかる。
実施例3 酵素免疫測定法
(1)ペルオキシダーゼ標識抗体調製:
抗体を標識する酵素として西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)を用い、中根らの方法(Nakane et al.J.Histochem.22:1084,1974)に従って標識した。すなわち、断片化していない17種類のIgG分子各5OD相当を、0.2M 炭酸緩衝液(pH9.5)で透析してTrisを除き、コロジオンバッグで約500μl にまで濃縮した。各抗体当たりHRP5mgを使用した。HRP(東洋紡社製)5mgを1mlの精製水に溶かし、0.1M NaIO4 75μl を加え、室温で20分攪拌し、これを1mM酢酸緩衝液(pH4.0)に対して透析してpHを4程度に下げた。0.2M 炭酸緩衝液(pH9.5)を100μl 加えてpHを9付近にし、前記のIgG溶液と混合して室温で2時間攪拌し、IgGとHRPの標識を行った。反応停止は4mg/ml NaBH4 100μl を加えることで行い、PBSで透析した後、4℃で保存した。
(2)TATの測定:
まず、抗体(IgG)を4mOD となるようにPBSで希釈し、96穴マイクロプレートに100μl /ウエルづつ分注し、4℃にて一晩静置して固定化した。これを吸引除去後、BSA−PBSを300μl /ウエル分注して室温で1時間放置した。BSA−PBSを吸引除去後、精製TATをBSA−PBSでそれぞれ0.3ng/ml〜60ng/mlまで6段階希釈したものを各々100μl /ウエルづつ加え、室温で2時間反応させた。PBSで3回洗浄後、上記で作成したHRP−標識モノクローナル抗体を8mOD の濃度にBSA−PBSで希釈後、100μl /ウエルづつ加え、室温で2時間反応させた。PBSで5回洗浄後、H22を基質にオルトフェニレンジアミンを発色剤として酵素反応を行い、492/690nmの吸光度で活性を測定した。なお、基質溶液は実施例1(4)のハイブリドーマの選択に従って調製した。酵素免疫測定法において、TAT(10ng/ml)、ATIII (300μg /ml)及びプロトロンビン(170μg /ml)を測定した時のそれぞれの吸光度を表7に示した。
Figure 2005120096
実施例4 ラテックス免疫比濁法
(1)モノクローナル抗体感作ラテックスの調製:
5mM EDTA・2Na及び150mM NaClを含む50mM グリシン緩衝液(pH9.6)で各抗体を1 OD(280nmにおける吸光度)の濃度に希釈した溶液と、同緩衝液で1%の濃度に希釈したラテックス(φ0.12μm )を各1容量混合し、4℃、3時間ウエイブローターで混和した。本混合液(2容量)と等容量の0.5%牛血清アルブミンを含む同緩衝液を加え、4℃、2時間ウエイブローターで混和した。25000×g、1時間の遠心にてラテックスを回収し、上清を吸引除去し、沈渣に0.1%牛血清アルブミン及び0.005% Tween 80を含む同緩衝液を2容量加え、4℃、17時間程度ウエイブローターで混和した。更に、25000×g、1時間の遠心にてラテックスを回収し、上清を吸引除去し、沈渣に0.1%牛血清アルブミン及び10%グリセロールを含む同緩衝液を2容量加え、4℃、一晩ウエイブローターで混和・懸濁した。本懸濁液を抗体感作ラテックスとして測定に使用した。
(2)TATの測定:
1%牛血清アルブミン、5mM EDTA・2Na及び150mM NaClを含む100mMリン酸緩衝液(pH7.2)300μl と、上記抗体感作ラテックス2種類、各50μl づつを混合した。これに、1%BSAを含む100mMリン酸緩衝液(pH7.2)で所定の濃度に希釈したTAT溶液100μl を加えて混合し、5分後に波長600nmの吸光度を測定した。試薬ブランクはサンプルの代わりにTATを含まない同リン酸緩衝液を用いた。本ラテックス免疫比濁法において、TAT(1μg /ml)、ATIII (300μg /ml)及びプロトロンビン(170μg /ml)を測定した時の吸光度を表8に示した。
Figure 2005120096

Claims (6)

  1. 遊離のアンチトロンビンIIIとは反応せず;遊離及び固相化したトロンビン・アンチトロンビンIII複合体と反応し;セリンプロテアーゼと反応したアンチトロンビンIII、固相化したアンチトロンビンIII、及び抗アンチトロンビンIIIモノクローナル抗体が反応したアンチトロンビンIIIに共通して生じるアンチトロンビンIIIのネオ抗原と反応する抗トロンビン・アンチトロンビンIII複合体モノクローナル抗体。
  2. 遊離のアンチトロンビンIIIとは反応せず;固相化したトロンビン・アンチトロンビンIII複合体との反応性が、遊離のトロンビン・アンチトロンビンIII複合体との反応性より強い抗トロンビン・アンチトロンビンIII複合体モノクローナル抗体。
  3. 遊離のアンチトロンビンIIIとは反応せず;セリンプロテアーゼと反応したアンチトロンビンIIIに生じるアンチトロンビンIIIのネオ抗原と反応する抗トロンビン・アンチトロンビンIII複合体モノクローナル抗体。
  4. トロンビン・アンチトロンビンIII複合体で免疫した哺乳動物の抗体産生細胞と、哺乳動物の骨髄腫細胞とを融合させて得られた、請求項1〜3のいずれかの項記載のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ。
  5. 請求項1及び2記載のモノクローナル抗体並びに遊離のアンチトロンビンIIIとは反応せず、トロンビン、セリンプロテアーゼと反応したアンチトロンビンIIIに生じるアンチトロンビンIIIのネオ抗原と反応するモノクローナル抗体から選ばれるモノクローナル抗体の2種以上を組合わせ、被検体と接触させて免疫測定を行うことを特徴とするトロンビン・アンチトロンビンIII複合体の測定法。
  6. 請求項1及び2記載のモノクローナル抗体並びに遊離のアンチトロンビンIIIとは反応せず、セリンプロテアーゼと反応したアンチトロンビンIIIに生じるアンチトロンビンIIIのネオ抗原と反応するモノクローナル抗体から選ばれるモノクローナル抗体の1種以上とを組合わせ、被検体と接触させて免疫測定を行うことを特徴とするトロンビン・アンチトロンビンIII複合体の測定法。
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