JP2005119452A - アシストグリップ装置 - Google Patents

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浩 鈴木
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Abstract

【課題】 車両の内装外観を良好にすることができるとともに、乗員の頭上空間を広くすることができるアシストグリップ装置を提供する。
【解決手段】 車両のサイドインナパネル11に取付部12を形成する。取付部12には一対の脚部18aと両脚部18aの先端部間を連結する把持部18bとを有するグリップ18を、取付部12内の不使用位置P1と取付部12外の使用位置との間で回動可能に配設する。取付部12内にはグリップ18が不使用位置P1に回動されたとき、両脚部18aと把持部18bとの間に形成される空間Sを閉鎖するための閉鎖部材25を変移可能に配設する。
【選択図】 図2

Description

この発明は、自動車等の車両におけるアシストグリップ装置に関するものである。
この種のアシストグリップ装置は、乗員が助手席や後部左席または右席に着座した状態で、グリップに手を掛けて、身体の安定を保持できるようにするためのものである。そして、このアシストグリップ装置は、車両の助手席や後部左右席に対応して、サイドインナパネルの上部やルーフインナパネルの内面、あるいは前部席の背もたれ部の背面等に、グリップが車室内に向かって突出するように配置されているのが一般的である。従って、突出配置されたグリップのために、車両の内装外観が悪くなるとともに、乗員の頭上空間等が狭くなる問題があった。
一方、特許文献1に記載されたアシストグリップ装置においては、グリップの不使用時にはそのグリップが前部席のシートの背面に沿うように回動配置され、その状態においてグリップの両端部が格納溝内に格納されて、その両端部が突出しないようになっている。
特開2003−2103号公報
ところが、前記特許文献1のアシストグリップ装置においては、前述のように、グリップの両端部のみが格納溝内に格納されていて、中間の把持部は室内側に突出しており、外観等の問題は解決していない。つまり、把持部が溝内に格納されていると、その把持部に手指を掛けることが困難になるため、格納することができず、室内側に突出せざるを得ないためである。
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、車両の内装外観を良好にすることができるとともに、車両の室内空間を広くすることができるアシストグリップ装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、車室内のグリップ取付部に、脚部と脚部の先端部に位置する把持部とを有するグリップを、取付部内の不使用位置と取付部外の使用位置との間で回動可能に配設し、前記取付部内には前記グリップが不使用位置に回動されたとき、脚部と把持部との間に形成される空間を閉鎖するための閉鎖部材をその閉鎖位置から退避可能に配設したことを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明においては、請求項1に記載の発明において、前記グリップが不使用位置に回動されたとき、そのグリップが閉鎖部材とともに車室内の面に対してフラッシュサーフェス状態を形成することを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記グリップを不使用位置に回動付勢するための付勢部材と、その付勢部材によるグリップの急速回動を抑制するためのダンパとを設けたことを特徴とするものである。
(作用)
請求項1に記載の発明においては、グリップの不使用時には、グリップの脚部と把持部との間に形成される空間が閉鎖部材により閉鎖されている。よって、不要な部分を隠蔽することができて、車両の内装外観を良好に保つことができる。さらに、グリップが取付部内に位置するため、車室内における乗員の頭上空間を広くすることができる。
請求項2に記載の発明においては、不使用位置のグリップが閉鎖部材とともに、サイドインナパネルの車室内の面とほぼ同一面に配置されて、車両の内装外観を一層良好にすることができる。
請求項3に記載の発明においては、グリップの把持を解放すれば、そのグリップが付勢部材の付勢力により、取付部外の使用位置から取付部内の不使用位置に自動的に回動される。よって、グリップを手動操作にて不使用位置に回動させる必要がなく、操作が容易であるとともに、グリップが取付部外の使用位置に突出配置されたまま放置されるのを防止することができる。また、このグリップの不使用位置への回動時には、ダンパによりグリップの急速回動が抑制されるため、グリップの復帰動作に対して高級感を付与することができる。
以上のように、この発明によれば、車両の内装外観を良好にすることができるとともに、乗員の頭上空間等の車室内の空間を広くすることができる。
(第1実施形態)
以下に、この発明の第1実施形態を、図1〜図4に基づいて説明する。
図1には、自動車等の車両において後部右席に対応するように、サイドインナパネルの上部のグリップ取付部に装設されたアシストグリップ装置が示されている。なお、車両の後部左席及び助手席に対応する位置にも、同様のアシストグリップ装置が装設されている。
図1〜図3に示すように、車両におけるサイドインナパネル11の上部には車両の室内側に向かって開口する取付部12が設けられている。この取付部12は、サイドインナパネル11に形成された開口13と、その開口13の内部に位置するように、車両のサイドアウタパネル14の内側の補強板15に対して複数のボルト16により取り付けられた凹状のケース17とから構成されている。このケース17は、ガラス繊維入り合成樹脂等の剛性を有する材料により、車両の内側面及び上面側に開口したほぼ箱形状に形成されている。
前記ケース17内にはグリップ18がその基端部において支軸19を介して、図2に示す取付部12内の不使用位置P1と、図4に示す取付部12外の使用位置P2との間で回動可能に配設されている。このグリップ18は、一対の脚部18aと、両脚部18aの先端部間を一体に連結する把持部18bと、両脚部18aの基端部間を一体に連結する連結部18cとを有するように、合成樹脂により四角環状に形成されている。そして、グリップ18の両脚部18aの基端内面には前記支軸19を挿通するための一対の軸支部20が突設されるとともに、一方の軸支部20の外周面にはギヤ21が一体形成されている。なお、グリップ18の取付部12内における不使用位置P1は、ケース17に形成したストッパ31によって規制される。
前記グリップ18の支軸19には付勢部材としてのバネ22が巻装され、その両端がグリップ18及びケース17に掛止されている。そして、このバネ22により、グリップ18が取付部12内の不使用位置P1に向かって回動付勢されている。ケース17内にはオイルダンパ23が取り付けられ、その作動軸23aには前記グリップ18上のギヤ21に噛合するギヤ24が取り付けられている。そして、バネ22の付勢力により、グリップ18が使用位置P2から不使用位置P1に回動されるとき、このダンパ23の緩衝作用にて、グリップ18の急速回動が抑制されるようになっている。
前記ケース17内には閉鎖部材25が支軸26を介して、取付部12の内側へ回動変移可能に配設されている。この閉鎖部材25は合成樹脂により平板状に形成され、その基端内面には前記支軸26を挿通するための一対の軸支部27が突設されるとともに、一方の軸支部27の先端には係合部28が延長形成されている。閉鎖部材25の支軸26にはバネ29が巻装され、その両端が閉鎖部材25及びケース17に掛止されている。そして、このバネ29により、閉鎖部材25が図2の反時計方向に回動付勢されて、通常は係合部28とケース17内のストッパ30との係合により、取付部12の開口13に沿った位置に配置されようになっている。
そして、この状態で、グリップ18が不使用位置P1に回動配置されたとき、そのグリップ18の両脚部18aと把持部18bと連結部18cとの間に形成される空間Sが閉鎖部材25により閉鎖されるようになっている。また、グリップ18が不使用位置P1に回動配置された状態では、図2に示すように、グリップ18の平面状の外面がサイドインナパネル11及び閉鎖部材25の外面とほぼ同一面に配置されるようになっている。
次に、前記のように構成されたアシストグリップ装置の作用を説明する。
さて、図2に示す状態では、グリップ18が取付部12内の不使用位置P1に配置されるとともに、そのグリップ18の中央の空間Sが閉鎖部材25により閉鎖されている。また、この状態においては、グリップ18及び閉鎖部材25の外面がサイドインナパネル11の室内側の面とほぼ同一面に配置され、いわゆるフラッシュサーフェス状態が形成されている。このため、グリップ18の不使用時には、アシストグリップ装置の部分の見かけ上の凹凸が小さくなり、車両の内装外観が向上する。しかも、グリップ18がサイドインナパネル11から室内側に突出していないので、車室内における乗員の頭上空間が広くなる。
この状態で、グリップ18を使用する場合には、グリップ18の中央の空間Sに手指を挿入すると、図2に鎖線で示すように、閉鎖部材25がバネ29の付勢力に抗して取付部12の内側に回動変移される。その後、グリップ18の把持部18bに手指を掛け、図4に示すように、グリップ18をバネ22の付勢力に抗して、取付部12外の使用位置P2に回動させれば、そのグリップ18を把持して、乗員は自身の身体を安定に保持することができる。
その後、グリップ18の把持部18bに対する把持が解放されると、グリップ18がバネ22の付勢力により、図4の時計方向に復帰回動されて、図2に示すように取付部12内の不使用位置P1に収納配置される。このため、グリップ18を手動操作にて不使用位置P1に回動させる必要がないとともに、グリップ18が取付部12外の使用位置P2に放置されることもない。また、このグリップ18の復帰回動時には、ダンパ23の緩衝作用によりグリップ18の急速回動が抑制される。このため、グリップ18はその復帰回動に伴って、ストッパ31を強く叩打することはなく、不快な衝撃音が発生することもない。従って、グリップ18の動作に高級感を付与することができる。
従って、この実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1) このアシストグリップ装置では、グリップ18が不使用位置P1に回動されたとき、両脚部18aと把持部18bとの間に形成される空間Sを閉鎖するための閉鎖部材25が配設されている。このため、ケース17の内部が隠蔽されるため、車両の内装外観を良好に保つことができるとともに、車室内における乗員の頭上空間を広くすることができる。
(2) しかも、前記グリップ18が不使用位置P1に回動されたとき、そのグリップ18がサイドインナパネル11の室内側の面及び閉鎖部材25とほぼ同一面に配置されるため、フラッシュサーフェス状態になって、車両の内装外観を一層良好にすることができる。
(3) このアシストグリップ装置では、前記グリップ18の急速回動を抑制するためのダンパ23が設けられている。このため、グリップ18の不使用位置P1への復帰動作が緩慢になって、高級感を付与することができる。
(4) このアシストグリップ装置では、前記グリップ18及び閉鎖部材25等の諸部品がこのケース17に取り付けられ、このケース17がサイドインナパネル11とサイドアウタパネル14との間の補強板15に固定されている。このため、車両に対するアシストグリップ装置の組み付け時には、予めケース17にグリップ18及び閉鎖部材25等の諸部品を組み付けた後、そのケース17を車両の補強板15に装着すればよく、その組み付け作業を容易に行うことができる。
(第2実施形態)
次に、この発明の第2実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心にして説明する。
さて、この第2実施形態においては、図5に示すように、グリップ18は前記第1実施形態のような連結部18cを備えず、全体がコの字状をなしている。すなわち、グリップ18は、先端において回動可能に支持された一対の脚部18aと両脚部18aの先端部間に連結された把持部18bとにより形成されている。そして、このグリップ18が取付部12内の不使用位置P1に回動配置された状態で、グリップ18の両脚部18aと把持部18bとの間に形成される空間Sが閉鎖部材25により閉鎖されるようになっている。
従って、この第2実施形態においても、前記第1実施形態における(1)〜(4)に記載の効果と同様の効果を得ることができる。
(変更例)
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ グリップ18がモータ等の駆動源により、スイッチの切換操作等に基づいて、使用位置P2から不使用位置P1に復帰回動されるように構成すること。なお、このように構成した場合には、前記駆動源とグリップ18との間にワンウェイクラッチを設ける。そして、グリップ18が使用位置P2から不使用位置P1に復帰回動される際には、駆動源の駆動がグリップ18に伝達されるが、グリップ18が乗員により不使用位置P1から使用位置P2に引き出される際には、駆動源との間の連結が解除されるようにする。
・ グリップ18として、全体としてL字状あるいはT字状をなすように、脚部18aが1本のみ設けられた構成とすること。
・ 前記のように構成したアシストグリップ装置を車両のルーフインナパネルや、後方に座席が存在する座席の背もたれ部等に設けること。
第1実施形態のアシストグリップ装置を示す車両の要部内側面図。 図1の2−2線における部分拡大断面図。 図1のアシストグリップ装置の分解斜視図。 図2のアシストグリップ装置の使用状態を示す部分断面図。 第2実施形態のアシストグリップ装置を示す車両の要部内側面図。
符号の説明
11…サイドインナパネル、12…取付部、13…開口、17…ケース、18…グリップ、18a…脚部、18b…把持部、19…支軸、22…付勢部材としてのバネ、23…ダンパ、25…閉鎖部材、26…支軸、29…バネ、P1…不使用位置、P2…使用位置、S…空間。

Claims (3)

  1. 車室内のグリップ取付部に、脚部と脚部の先端部に位置する把持部とを有するグリップを、取付部内の不使用位置と取付部外の使用位置との間で回動可能に配設し、前記取付部内には前記グリップが不使用位置に回動されたとき、脚部と把持部との間に形成される空間を閉鎖するための閉鎖部材をその閉鎖位置から退避可能に配設したことを特徴とするアシストグリップ装置。
  2. 前記グリップが不使用位置に回動されたとき、そのグリップが閉鎖部材とともに車室内の面に対してフラッシュサーフェス状態を形成することを特徴とする請求項1に記載のアシストグリップ装置。
  3. 前記グリップを不使用位置に回動付勢するための付勢部材と、その付勢部材によるグリップの急速回動を抑制するためのダンパとを設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のアシストグリップ装置。
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