JP2005119399A - 車両の駆動力制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の駆動状態を制御することでクラッチ制御をオフとした後のクラッチの締結ロック状態を回避できる車両の駆動力制御装置を提供する。
【解決手段】モータ4と、そのモータ4で駆動される後輪3L、3Rと、モータ4から後輪3L、3Rへの動力伝達経路に介装されるクラッチ12とを備えた車両の駆動力制御装置である。上記クラッチ12は、電磁クラッチ106を操作することによる制御によってメカニカル機構でクラッチの接続・切断が行われる。そして、上記電磁クラッチ106によって外輪部材101に保持器104を固定状態の間中、上記モータ側の回転軸の加速度が車輪側回転軸の加速度以上の加速度状態となるようにモータ4の出力トルクの下限値を制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、モータと車輪との間にクラッチを介挿した車両の駆動力制御装置に関するものである。
従来、前輪をエンジンで駆動し、後輪を電動モータで駆動可能とし、モータから後輪までのトルク伝達経路にクラッチや減速機が介装されている車両の駆動力制御装置としては、例えば特許文献1に記載されるものがある。
この装置は、発進アシストとしてモータを駆動するものであり、上記クラッチとして噛み合いにて接続するドグクラッチが例示されている。そして、クラッチをオフに制御してもドグクラッチが接続状態でロックされていると判定した場合には、ドグクラッチ上に作用するトルクを打ち消す方向に若しくは正逆両方向に向けて、一時的にモータを駆動することで、上記クラッチ制御オフ時における上記クラッチのロック状態を解除することが開示されている。
特開平11−091389号公報
クラッチの制御状態をオフにしたにも関わらずクラッチが締結状態でロックしたままの場合には、急勾配の下り坂を走行中などの走行状態よって車輪の速度が上昇することでモータが過回転領域に達するおそれがある。このようなことは特に、大きな減速比の減速機が介装されている場合に起きやすい。
したがって、クラッチ制御状態をオフにした後に車速が上昇してモータの回転が過回転領域に近づいてからクラッチを解除しようとすると、モータが過回転状態となるおそれがある。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、車両の駆動状態をクラッチ状態に合わせて制御することでクラッチ制御をオフとした後のクラッチの締結ロック状態を回避できる車両の駆動力制御装置を提供するものである。
上記課題を解決するために、本発明は、モータと、そのモータで駆動される車輪と、モータから車輪への動力伝達経路に介装されるクラッチとを備えた車両の駆動力制御装置において、
上記クラッチは、モータ側の回転軸に連結する第1の回転部材と、車輪側の回転軸に連結する第2の回転部材と、その第1及び第2の回転部材の間に形成された係合空間に介挿される係合子と、その係合子の周方向の位置を規制する保持器と、第1及び第2の回転部材の一方に対する上記保持器の固定・解放を行うことでクラッチの接続・切断を制御するクラッチ操作部と、を備え、上記クラッチ操作部による上記保持器の固定状態で第1及び第2の回転部材の他方と保持器との間の位相が変わることによって、上記係合子が第1及び第2の回転部材の間に噛み込んで第1及び第2の回転部材間でトルク伝達可能となる機構のクラッチであり、かつ、
上記クラッチ操作部による上記保持器の固定状態中に作動して、上記モータ側の回転軸の加速度を上記車輪側の回転軸の加速度以上の加速度状態に制御するクラッチ状態制御手段を備えることを特徴とするものである。
ここで、「上記クラッチ操作部による上記保持器の固定状態中に作動して」とは、上記保持器の固定状態の間中、連続的に作動する場合と、上記保持器の固定状態のときに一時的に作動する場合の両方を含む意味である。
本発明によれば、モータと車輪との間に介在するクラッチとして上述のようなメカニカルな接続・切断機構を備えたクラッチを採用することで、安価なクラッチを提供できると共にクラッチ制御のオフ時(保持器の固定から解放への移行)にトルク伝達トルクが大きな状態であっても実際のクラッチ切断時のショック発生を小さくすることができる。
また、上記機構を持ったクラッチを採用しても、本発明にあっては、クラッチ操作部の状態を固定状態(クラッチ接続制御状態)から解放状態(クラッチ切断制御状態)としたときに、クラッチが接続状態でロックしたままとなることを回避することができる。
次に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係る車両のシステム構成を説明する図である。
この図1に示すように、本実施形態の車両は、左右前輪1L、1Rが、内燃機関であるエンジン2(主駆動源)によって駆動される主駆動輪であり、左右後輪3L、3Rが、モータ4(モータ)によって駆動可能な従駆動輪である。
すなわち、エンジン2の出力トルクTeが、トランスミッション30及びディファレンスギア31を通じて左右前輪1L、1Rに伝達されるようになっている。
上記トランスミッション30には、現在の変速のレンジを検出するシフト位置検出手段32が設けられ、該シフト位置検出手段32は、検出したシフト位置信号を4WDコントローラ8に出力する。
上記エンジン2の吸気管路14(例えばインテークマニホールド)には、メインスロットルバルブ15とサブスロットルバルブ16が介装されている。メインスロットルバルブ15は、アクセル開度指示装置(加速指示操作部)であるアクセルペダル17の踏み込み量等に応じてスロットル開度が調整制御される。このメインスロットルバルブ15は、アクセルペダル17の踏み込み量に機械的に連動するか、あるいは当該アクセルペダル17の踏み込み量を検出するアクセルセンサ40の踏み込み量検出値に応じて、エンジンコントローラ18が電気的に調整制御することで、そのスロットル開度が調整される。上記アクセルセンサ40の踏み込み量検出値は、4WDコントローラ8にも出力される。
また、サブスロットルバルブ16は、ステップモータ19をアクチュエータとし、そのステップ数に応じた回転角により開度が調整制御される。上記ステップモータ19の回転角は、モータコントローラ10220からの駆動信号によって調整制御される。なお、サブスロットルバルブ16にはスロットルセンサが設けられており、このスロットルセンサで検出されるスロットル開度検出値に基づいて、上記ステップモータ19のステップ数はフィードバック制御される。ここで、上記サブスロットルバルブ16のスロットル開度をメインスロットルバルブ15の開度以下等に調整することによって、運転者のアクセルペダルの操作とは独立して、エンジン2の出力トルクを制御することができる。
また、エンジン2の回転数を検出するエンジン回転数検出センサ21を備え、エンジン回転数検出センサ21は、検出した信号をエンジンコントローラ18及び4WDコントローラ8に出力する。
また、符号34は制動指示操作部を構成するブレーキペダルであって、そのブレーキペダル34のストローク量がブレーキストロークセンサ35によって検出される。該ブレーキストロークセンサ35は、検出したブレーキストローク量を制動コントローラ10236及び4WDコントローラ8に出力する。
制動コントローラ10236は、入力したブレーキストローク量に応じて、各車輪1L、2R、3L、3Rに装備したディスクブレーキなどの制動装置37FL、37FR、37RL、37RRを通じて、車両に作用する制動力を制御する。
また、上記エンジン2の回転トルクTeの一部は、無端ベルト6を介して発電機7に伝達されることで、上記発電機7は、エンジン2の回転数Neにプーリ比を乗じた回転数Nhで回転する。
上記発電機7は、図2に示すように、出力電圧Vを調整するための電圧調整器22(レギュレータ)を備え、4WDコントローラ8によって発電機制御指令値c1(デューティ比)が制御されることで、界磁電流Ifhを通じて、エンジン2に対する発電負荷トルクTh及び発電する電圧Vが制御される。すなわち、電圧調整器22は、4WDコントローラ8から発電機制御指令c1(デューティ比)を入力し、その発電機制御指令c1に応じた値に発電機7の界磁電流Ifhを調整すると共に、発電機7の出力電圧Vを検出しつつ4WDコントローラ8に出力可能となっている。なお、発電機7の回転数Nhは、エンジン2の回転数Neからプーリ比に基づき演算することができる。
その発電機7が発電した電力は、電線9を介してモータ4に供給可能となっている。その電線9の途中にはジャンクションボックス10が設けられている。上記モータ4の駆動軸は、減速機11及びクラッチ12を介して後輪3L、3Rに接続可能となっている。符号13はデフを表す。
また、上記ジャンクションボックス10内には電流センサ23が設けられ、該電流センサ23は、発電機7からモータ4に供給される電力の電流値Iaを検出し、当該検出した電機子電流信号を4WDコントローラ8に出力する。また、電線9を流れる電圧値(モータ4の電圧)が4WDコントローラ8で検出される。符号24は、リレーであり、4WDコントローラ8から指令によってモータ4に供給される電圧(電流)の遮断及び接続が制御される。
また、モータ4は、4WDコントローラ8からの指令によって界磁電流Ifmが制御され、その界磁電流Ifmの調整によって駆動トルクが目標モータトルクに調整される。なお、符号25はモータ4の温度を測定するサーミスタである。
上記モータ4の駆動軸の回転数Nmを検出するモータ用回転数センサ26を備え、該モータ用回転数センサ26は、検出したモータ4の回転数信号を4WDコントローラ8に出力する。
また、本実施形態のクラッチ12は、次に示すようなメカニカルな機構で接続・切断が行われるクラッチであって、4WDコントローラ8からのクラッチ制御指令に応じて電磁クラッチ部106が接続状態又は切断状態となって、クラッチ12の接続・切断の制御が行われるものである。
次に、そのクラッチ12の機構・構成について図3及び図4を参照して説明する。
第2の回転部材である内輪部材100と第1の回転部材である外輪部材101とが同軸に配置され、その内輪部材100の外径面と外輪部材101の内径面との間の空間に係合子であるローラ102が複数介挿されている。外輪部材101の内径面は円筒面となっているが、内輪部材100の外径面には、周方向に沿って所定間隔毎にカム面100aが形成されている。該カム面100aは、例えば平坦面となることで、径方向で対向する外輪部材101の内径面との間に、それぞれ係合空間103を形成し、その係合空間103の円周方向両側が、両側に行くほど狭くなる楔空間103aとなっている。なお、係合空間103は円周方向両側に楔空間103a(内輪部材100と外輪部材102との対向距離がローラ102よりも小さくなる空間)が形成されれば、上記カム面100aは凹面形状などの他の輪郭形状の面となっていても良い。また、隣り合うカム面100a同士は連続している必要はなく、所定間隔だけ開くようにして形成されていても良い。そして、上記各係合空間103内に上記ローラ102がそれぞれ配置されると共に、上記複数のローラ102は、上記内輪部材100と外輪部材101との間に介在された保持器104の各ポケットに収容されている。すなわち、保持器104によって各ローラ102間の間隔が一定に規制されつまり周方向の位置が規制されている。保持器104は、スイッチバネ105を介して内輪部材100に連結している。該スイッチバネ105は、保持器104に対して円周方向に向かうバネ力を発揮可能となっていて、保持器104のポケットに収容されている各ローラ102の位置が対応する係合空間103の略中央位置に配置される中立位置に向けて、保持器104を付与支持している。
さらに、上記クラッチ12には、クラッチ操作部を構成する電磁クラッチ部106を備え、通電をオン(クラッチ制御電流オン)にすることで、上記保持器104を外輪部材101に接続状態(外輪部材102に対し保持器104を固定)とし、通電をオフ(クラッチ制御電流オフ)にすることで上記保持器104と外輪部材101とを非接続状態(外輪部材104に対し保持器104を解放)とする。符号107はアーマチュアを、符号108はロータを、符号109は電磁コイルをそれぞれ示している。
そして、上記外輪部材101がモータ4の駆動軸側に接続され、内輪部材100が車輪側の回転軸に接続されている。
上記機構のクラッチ12にあっては、上記保持器104が解放状態では、ローラ102がスイッチバネ105の作用で係合空間103の中央位置に保持されることから、内輪部材100と外輪部材101との間でローラ102を介したトルクの伝達は行われず、内輪部材100と外輪部材101とは独立して回転可能な状態となっている。
一方、保持器104の固定状態では、内輪部材100と外輪部材101との間の相対的な回転差によって内輪部材104と保持器104との間に位相差が発生すると、上記スイッチバネ105の弾性力に抗してローラ102が楔空間103aへ移動し当該楔空間103aに噛み込む、つまり、内輪部材100と外輪部材101との間にローラ102が噛み込むことで、内輪部材100と外輪部材101との間でトルクの伝達が可能となる。なお、トルク伝達方向は、左右のどちらの楔空間103aにローラ102が噛み込むかで異なる。
すなわち、上記構成のクラッチ12にあっては、電磁クラッチ部106への通電のオン・オフ(クラッチ制御電流のオン・オフ)によって、クラッチ12の接続・切断を制御する。
また、各車輪1L、1R、3L、3Rには、車輪速センサ27FL、27FR、27RL、27RRが設けられている。各車輪速センサ27FL、27FR、27RL、27RRは、対応する車輪1L、1R、3L、3Rの回転速度に応じたパルス信号を車輪速検出値として4WDコントローラ8に出力する。
4WDコントローラ8は、図5に示すように、発電機制御部8A、リレー制御部8B、モータ制御部8C、クラッチ制御部8D、余剰トルク演算部8E、目標トルク制限部8F、余剰トルク変換部8G、モータトルク調整部8J、及びクラッチ解放処理部8Hを備える。
上記発電機制御部8Aは、電圧調整器22を通じて、発電機7の発電電圧Vをモニターしながら、当該発電機7の発電機指令値c1を出力して界磁電流Ifhを調整する。
リレー制御部8Bは、発電機7からモータ4への電力供給の遮断・接続を制御する。
モータ制御部8Cは、モータ4の界磁電流Ifmを調整することで、当該モータ4のトルクを所要の値に調整する。
クラッチ制御部8Dは、上記クラッチ12の電磁クラッチ部106への通電のオン・オフによってクラッチ12の状態を制御し、4輪駆動状態と判定している間は電磁クラッチ部106を通電状態とする。
また、所定のサンプリング時間毎に、入力した各信号に基づき、余剰トルク演算部8E→目標トルク制限部8F→余剰トルク変換部8Gの順に循環して処理が行われる。
次に、余剰トルク演算部8Eでは、図6に示すような処理を行う。
すなわち、先ず、ステップS10において、車輪速センサ27FL、27FR、27RL、27RRからの信号に基づき演算した、前輪1L、1R(主駆動輪)の車輪速から後輪3L、3R(従駆動輪)の車輪速を減算することで、前輪1L、1Rの加速スリップ量であるスリップ速度ΔVFを求め、ステップS20に移行する。
ここで、スリップ速度ΔVFの演算は、例えば、次のように行われる。
前輪1L、1Rにおける左右輪速の平均値である平均前輪速VWf、及び後輪3L、3Rにおける左右輪速の平均値である平均後輪速VWrを、それぞれ下記式により算出する。
VWf=(VWfl+VWfr)/2
VWr=(VWrl+VWrr)/2
次に、上記平均前輪速VWfと平均後輪速VWrとの偏差から、主駆動輪である前輪1L、1Rのスリップ速度(加速スリップ量)ΔVFを、下記式により算出する。
ΔVF = VWf −VWr
ステップS20では、上記求めたスリップ速度ΔVFが所定値、例えばゼロより大きいか否かを判定する。スリップ速度ΔVFが0以下と判定した場合には、前輪1L、1Rが加速スリップしていないと推定されるので、ステップS30に移行し、Thにゼロを代入した後、復帰する。
一方、ステップS20において、スリップ速度ΔVFが0より大きいと判定した場合には、前輪1L、1Rが加速スリップしていると推定されるので、ステップS40に移行する。
ステップS40では、前輪1L、1Rの加速スリップを抑えるために必要な吸収トルクTΔVFを、下記式によって演算してステップS50に移行する。この吸収トルクTΔVFは加速スリップ量に比例した量となる。
TΔVF = K1 × ΔVF
ここで、K1は、実験などによって求めたゲインである。
ステップS50では、現在の発電機7の負荷トルクTGを、下記式に基づき演算したのち、ステップS60に移行する。
V × Ia
TG =K2・─────────
K3 × Nh
ここで、
V :発電機7の電圧
Ia:発電機7の電機子電流
Nh:発電機7の回転数
K3:効率
K2:係数
である。
ステップS60では、下記式に基づき、余剰トルクつまり発電機7で負荷すべき目標の発電負荷トルクThを求め、復帰する。
Th = TG + TΔVF
次に、目標トルク制限部8Fの処理について、図7に基づいて説明する。
すなわち、まず、ステップS110で、上記目標発電負荷トルクThが、発電機7の最大負荷容量HQより大きいか否かを判定する。目標発電負荷トルクThが当該発電機7の最大負荷容量HQ以下と判定した場合には、復帰する。一方、目標発電負荷トルクThが発電機7の最大負荷容量HQよりも大きいと判定した場合には、ステップS120に移行する。
ステップS120では、目標の発電負荷トルクThにおける最大負荷容量HQを越える超過トルクΔTbを下記式によって求め、ステップS130に移行する。
ΔTb= Th − HQ
ステップS130では、エンジン回転数検出センサ21及びスロットルセンサからの信号等に基づいて、現在のエンジントルクTeを演算してステップS140に移行する。
ステップS140では、下記式のように、上記エンジントルクTeから上記超過トルクΔTbを減算したエンジントルク上限値TeMを演算し、求めたエンジントルク上限値TeMをエンジンコントローラ18に出力した後に、ステップS150に移行する。
TeM =Te −ΔTb
ステップS150では、目標発電負荷トルクThに最大負荷容量HQを代入した後に、復帰する。
次に、余剰トルク変換部8Gの処理について、図8に基づいて説明する。
まず、ステップS200で、Thが0より大きいか否かを判定する。Th>0と判定されれば、前輪1L、1Rが加速スリップしているので、ステップS210に移行する。また、Th≦0と判定されれば、前輪1L、1Rは加速スリップしていない状態であるので、2輪駆動状態としてステップS270に移行する。
ステップS210では、4輪駆動状態から2輪駆動状態への移行か否かを判定し、2輪への移行と判定した場合にはステップS270に移行し、そうでない場合には、通常の処理をすべく、ステップS290にて、クラッチ接続処理部8Kを実行し、つまりクラッチ制御部8Dを通じて電磁クラッチ部106を通電状態として、ステップS220に移行する。
例えば、モータ回転数が許容限界回転数に近づいたと判定したり、目標モータトルクが減少中で且つ当該目標モータトルクが所定閾値トルクT−TM1(例えば1[Nm])以下となった判定した場合に、クラッチ12を解放すべき2輪駆動状態への移行と判定する。
ここで、モータ4へのトルク指令値である目標モータトルクが減少中か否かは、例えば、下記のように、目標モータトルクについて前回値と単純に比較して判定する。
Tm(n−1) −Tm(n−2)<0
ここで、添え字(n−1)は、1演算周期前の目標モータトルクを示し、添え字(n−2)は、2演算周期前の目標モータトルクを示す。もっとも、ノイズ等の影響を抑えるために、下記のように3周期分以上の目標モータトルクの履歴値に基づいて減少中か否かを判定しても良い(下記式では6周期分の値を使用した例)。また、複数演算周期分だけ連続して目標モータトルク値が減少している場合に、減少中と判定しても良い。
{Tm(n−1)+Tm(n−2)+Tm(n−3)}
− {Tm(n−4)+Tm(n−5)+Tm(n−6)} < 0
次に、ステップS220では、モータ用回転数センサ21が検出したモータ4の回転数Nmを入力し、そのモータ4の回転数Nmに応じた目標モータ界磁電流Ifmを算出し、当該目標モータ界磁電流Ifmをモータ制御部8Cに出力した後、ステップS230に移行する。
ここで、上記モータ4の回転数Nmに対する目標モータ界磁電流Ifmは、回転数Nmが所定回転数以下の場合には一定の所定電流値とし、モータ4が所定の回転数以上になった場合には、公知の弱め界磁制御方式でモータ4の界磁電流Ifmを小さくする。すなわち、モータ4が高速回転になるとモータ誘起電圧Eの上昇によりモータトルクが低下することから、上述のように、モータ4の回転数Nmが所定値以上になったらモータ4の界磁電流Ifmを小さくして誘起電圧Eを低下させることでモータ4に流れる電流を増加させて所要モータトルクを得るようにする。この結果、モータ4が高速回転になってもモータ誘起電圧Eの上昇を抑えてモータトルクの低下を抑制するため、所要のモータトルクを得ることができる。また、モータ界磁電流Ifmを所定の回転数未満と所定の回転数以上との2段階で制御することで、連続的な界磁電流制御に比べ制御の電子回路を安価にできる。
なお、所要のモータトルクに対しモータ4の回転数Nmに応じて界磁電流Ifmを調整することでモータトルクを連続的に補正するモータトルク補正手段を備えても良い。すなわち、2段階切替えに対し、モータ回転数Nmに応じてモータ4の界磁電流Ifmを調整すると良い。この結果、モータ4が高速回転になってもモータ4の誘起電圧Eの上昇を抑えモータトルクの低下を抑制するため、所要のモータトルクを得ることができる。また、なめらかなモータトルク特性にできるため、2段階制御に比べ車両は安定して走行できるし、常にモータ駆動効率が良い状態にすることができる。
次に、ステップS230では、上記余剰トルク演算部8Eが演算した発電負荷トルクThに基づきマップなどから対応する目標モータトルクTm(n)を算出して、ステップS240に移行する。
ステップS240では、モータトルク調整部8Jの処理を行った後にステップS250に移行する。
ステップS250では、上記目標モータトルクTm(n)及び目標モータ界磁電流Ifmを変数として、マップなどに基づき、対応する目標電機子電流Iaを求め、ステップS260に移行する。ステップS260では、上記目標電機子電流Iaに基づき、発電機制御指令値であるデューティ比c1を演算し出力した後に、復帰する。
一方、クラッチ解放すべき2輪駆動への移行、若しくは2輪駆動状態と判定されてステップS270に移行すると、クラッチ解放処理部8Hを実行した後に、ステップS280に移行する。
ここで、本実施形態のクラッチ解放処理部8Hでは、クラッチ制御部8Dを通じて電磁クラッチ部106を通電オフ状態として保持器104を解放する。
ステップS280では、発電機制御指令値であるデューティ比c1に「0」を設定した後に、復帰する。また、4輪駆動状態から2輪駆動状態に移行する際における、その他の処理も行う。
次に、モータトルク調整部8Jの処理を図9を参照しつつ説明する。モータトルク調整部8Jはクラッチ状態制御手段を構成する。
まず、ステップS310にて、後輪の車輪速センサから後輪3R、3Lの車輪速を入力し、その車輪速について微分演算を行うことで後輪3R、3Lの車輪加速度Aを演算してステップS320に移行する。
ステップS320では、下記式に基づき後輪の車輪加速度Aに基づくモータ4で後輪3R、3Lを駆動できる最小限のモータトルクTA、つまり車輪を駆動するためのモータ側の最低限のモータトルクTAを演算してステップS330に移行する。なお、本実施例では、モータトルクTAに対して余裕代α(>0)だけ余裕を持たせているが、α=0としても良い。
TA = (IM×A/R) +α
ここで、IM:モータ4〜クラッチ12間のイナーシャ
R:後輪のタイヤ径
である。
ステップS330では、現在の目標モータトルクTm(n)と上記モータトルクとを比較して、現在の目標モータトルクの方が大きいか等しいければ、何もすることなく復帰する。一方、目標モータトルクTm(n)の方が小さければ、ステップS340に移行する。
このS330の処理は、クラッチ位置における、上記モータ側の回転軸の加速度が車輪側の回転軸の加速度以上か否かを判定する処理である。
ステップS340では、目標モータトルクTm(n)に上記モータトルクTAを代入して処理を終了する。
次に、エンジンコントローラ18の処理について説明する。
エンジンコントローラ18では、所定のサンプリング時間毎に、入力した各信号に基づいて図10に示すような処理が行われる。
すなわち、まずステップS610で、アクセルセンサ40からの検出信号に基づいて、運転者の要求する目標出力トルクTeNを演算して、ステップS620に移行する。
ステップS620では、4WDコントローラ8から制限出力トルクTeMの入力があるか否かを判定する。入力が有ると判定するとステップS630に移行する。一方、入力が無いと判定した場合にはステップS670に移行する。
ステップS630では、制限出力トルクTeMが目標出力トルクTeNよりも小さいか否かを判定する。制限出力トルクTeMの方が小さいと判定した場合には、ステップS640に移行する。一方、制限出力トルクTeMの方が大きいか目標出力トルクTeNと等しければステップS670に移行する。
ステップS640では、目標出力トルクTeNに制限出力トルクTeMを代入することで目標出力トルクTeNを制限して、ステップS670に移行する。
ステップS670では、スロットル開度やエンジン回転数などに基づき、現在の出力トルクTeを算出してステップS680に移行する。
ステップS680では、現在の出力トルクTeに対する目標出力トルクTeNのの偏差分ΔTe′を下記式に基づき出力して、ステップS690に移行する。
ΔTe′ =TeN − Te
ステップS690では、その偏差分ΔTeに応じたスロットル開度θの変化分Δθを演算し、その開度の変化分Δθに対応する開度信号を上記ステップモータ19に出力して、復帰する。
ここで、S620〜S640が主駆動源出力調整手段を構成する。
次に、上記構成の装置における作用などについて説明する。
路面μが小さいためや運転者によるアクセルペダル17の踏み込み量が大きいなどによって、エンジン2から前輪1L、1Rに伝達されたトルクが路面反力限界トルクよりも大きくなると、つまり、主駆動輪1L、1Rである前輪1L、1Rが加速スリップすると、電磁クラッチ部106が通電状態となることでクラッチ12が接続されると共に、その加速スリップ量に応じた発電負荷トルクThで発電機7が発電することで、4輪駆動状態に移行する。続いて、前輪1L、1Rに伝達される駆動トルクが、当該前輪1L、1Rの路面反力限界トルクに近づくように調整されることで、2輪駆動状態に移行する。この結果、主駆動輪である前輪1L、1Rでの加速スリップが抑えられる。
しかも、発電機7で発電した余剰の電力によってモータ4が駆動されて従駆動輪である後輪3L、3Rも駆動されることで、車両の加速性が向上する。
このとき、主駆動輪1L、1Rの路面反力限界トルクを越えた余剰のトルクでモータ4を駆動するため、エネルギー効率が向上し、燃費の向上に繋がる。
ここで、常時、後輪3L、3Rを駆動状態とした場合には、力学的エネルギー→電気的エネルギー→力学的エネルギーと何回かエネルギー変換を行うために、変換効率分のエネルギー損失が発生することで、前輪1L、1Rだけで駆動した場合に比べて車両の加速性が低下する。このため、後輪3L、3Rの駆動は原則として抑えることが望まれる。これに対し、本実施形態では、滑り易い路面等では前輪1L、1Rに全てのエンジン2の出力トルクTeを伝達しても全てが駆動力として使用されないことに鑑みて、前輪1L、1Rで有効利用できない駆動力を後輪3L、3Rに出力して加速性を向上させるものである。
また、上述のように加速スリップが発生しクラッチ12が接続されて4輪駆動状態となっているときに、上記加速スリップが抑えられるにつれて、モータトルクが連続して減少していく。そして、4輪駆動状態から2輪駆動状態に移行と判定すると、電磁クラッチ部106による接続が切断されてクラッチ制御上はオフ状態となる。
ここで、本実施形態で採用された上記クラッチ12の作動について説明すると、電磁クラッチ部106が通電状態となると、保持器104を介して各ローラ102の円周方向位置が外輪に拘束(固定)された状態となる。この状態でモータからの駆動トルクが外輪部材101に伝達されると、外輪部材101及びローラ102と内輪部材100との間に位相差が発生し、相対的に係合空間103の中央部に位置していた各ローラ102がそれぞれ左側の楔空間103aに噛み込むことで、図11に示すように、当該ローラ102を介して外輪部材101から内輪部材100へトルクが伝達可能な状態となり、この結果、モータ4のトルクによって従駆動輪である後輪3L、3Rが駆動される。
また、このモータ4からのトルク伝達状態で、電磁クラッチ部106の通電を停止すると、つまりクラッチ制御電流をオフ状態にして保持器104を解放すると、モータ4からのトルク伝達トルクが徐徐に小さくなって、スイッチバネ105のばね力が勝った時点でローラ102が係合空間103の中央部位置に復帰して、実際にクラッチ12がオフ状態となる。
したがって、上述のような機構のクラッチ12を採用すると、モータトルクが大きい状態でクラッチ12をオフに制御(電磁クラッチ部106の通電を停止)してもクラッチ12の実際の切断はモータトルクの小さい状態のときに(クラッチ位置におけるモータ側の加速度と車輪側の加速度とが同じ値に近づいたとき)常に実施される結果、実際のクラッチ12の切断時に発生するショックを抑えることができ、しかもクラッチ12のオフ制御が容易となる。また、上記クラッチ12は安価である。
一方、電磁クラッチ部106が通電状態、つまりクラッチ制御オンでの走行中において、急勾配の下り坂を走行中などの走行状態を想定した場合には、後輪3L、3Rの車輪速が大きくなって、外輪部材101よりも内輪部材100の加速が大きくなると、つまり、車輪側からのトルクがモータ側からのトルクを上回る状態になると、上記外輪部材101及びローラ102と内輪部材100との間にあった上記位相差が解消し、さらに反対方向の位相差が発生する結果、上記ローラ102の噛み込みが外れ、続けて図12のように、反対側に位置する右側の楔空間103aに対してローラ102が噛み込む。つまり、いわゆる逆噛み込み状態となって、後輪側からモータ側に向けてのトルク伝達状態となる。この状態で、電磁クラッチ部106の通電を中止して保持器104を解放した場合には、モータ4のトルクを大きくしないと(若しくは車輪からのトルクが小さくならないと)、上記逆噛み込み状態が解消することなく、後輪3L、3Rからのトルクがモータに伝達されてモータ4が後輪3L、3Rに連れ回され、モータ4が過回転するおそれがある。
これに対し、本実施形態では、電磁クラッチ部106が通電状態つまりクラッチ制御がオンの状態では、クラッチ12におけるモータ側の加速度が常に車輪側の加速度よりも大きな状態にモータ4のトルクを制御している結果、クラッチ制御をオフ(電磁クラッチ部106への通電を停止)するときに上記のような逆噛み込み状態となっていない。したがって、モータトルクの低下(若しくは車輪側からのトルクの増加)にともなって確実にクラッチ12をオフ状態とすることができる。
このため、例えば、急な下り坂での走行などによって、モータの回転数が過回転領域に近づいたために、モータ保護の観点からクラッチ制御をオフ(電磁クラッチ部106への通電を停止)として保持器104を解放すれば、その時点から、モータの回転数が低下して、若しくは後輪の回転が大きくなることで、ローラ102が中立位置に復帰してクラッチが切断される結果、モータ4が過回転状態となることを回避できる。なおこのとき、逆噛み込み状態となっていたならば、逆噛み込みが解消せずに後輪3L、3Rの高速回転によってモータ4が連れ回る状態となって、モータ4の回転数が過回転状態となってしまうおそれがある。
ここで、上記実施形態では、発電機7の発電した電圧でモータ4を駆動して4輪駆動を実施する構成の場合で説明しているが、これに限定されない。モータ4ヘ電力供給できるバッテリを備える駆動システムに採用しても良い。この場合には、バッテリから電力を供給するようにすればよいし、さらにはバッテリからの供給と共に発電機7からの電力供給も併行して行うようにしてもよい。
または、上記実施形態では、主駆動源として内燃機関を例示しているが、主駆動源をモータ等から構成しても良い。また、上記実施形態では、4輪自動車を例に説明しているが、モータを駆動源とする2輪車に適用しても構わない。
また、上記システムでは、前輪の加速スリップに応じて4輪駆動状態に移行する場合で説明したが、発進時やアクセル開度などに応じて4輪駆動状態に移行するシステムであっても適用可能である。つまり、モータの駆動条件は上記条件に限定されない。
また、上記クラッチ12の説明では、内輪部材100と外輪部材101との径方向で対向する部分に係合空間103が形成されるとしているが、これに限定されず、軸方向などに係合空間103が形成するような構造であっても良い。また、カム面100aを外輪部材101側に設けて、内輪部材100と保持器104とをクラッチ作動部で固定・解放するようにしても良い。また、クラッチ操作部として、電磁クラッチ以外のクラッチ機構を採用しても良い。
次に、第2実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上記第1実施形態と同様な装置などについては同一の符号を付して説明する。
本実施形態の基本構成は、上記第1実施形態と同様であるが、クラッチ状態制御手段が異なる。すなわち、上記モータトルク調整部8Jの処理、及びエンジンコントローラ18の一部の処理が上記第1実施形態と異なる。
本第2実施形態のモータトルク調整部8Jは、図13に示すような処理となっている。すなわち、まず、ステップS310にて、後輪3L、3Rの車輪速センサから後輪3L、3Rの車輪速を入力し、その車輪速について微分演算を行うことで後輪3L、3Rの車輪加速度Aを演算してステップS320に移行する。
ステップS320では、車輪加速度Aに応じたモータトルクTA、つまり車輪を駆動するためのモータ側の最低モータトルクTAを演算してステップS330に移行する。
ステップS330では、現在の目標モータトルクTm(n)と上記モータトルクTAとを比較して、現在の目標モータトルクの方が大きいか等しいければ、ステップS380に移行して制限トルクTeKに「0」を代入した後に復帰する。一方、目標モータトルクTm(n)の方が小さければ、ステップS350に移行する。
このS330の処理は、クラッチ位置における、上記モータ側の回転軸の加速度が車輪側回転軸の加速度以上か否かを判定する処理である。
ステップS350では、モータトルクTAと目標モータトルクとの偏差トルク分ΔTb(=TA−Tm(n))を演算し、続けてステップS360にて、エンジン回転数検出センサ21及びスロットルセンサからの信号などに基づいて、現在のエンジントルクTeを演算してステップS370に移行する。
ステップS370では、下記式のように、上記偏差トルク分ΔTbに応じたトルクを減算した制限トルクTeKを演算し出力した後に処理を終了する。
TeK=Te −K5・ΔTb
K5は、実験などから求まるゲインである。
ここで、上記モータトルク調整部8Jでは、従駆動輪である後輪3L、3Rの加速度AをモータトルクTAに換算して、モータトルクでのトルクの差分に基づいて制限トルクTeKを演算しているが、これに限定されない、目標モータトルクTmを後輪の加速度に換算して後輪の実加速度との差分を求め、その加速度の差分から上記制限トルクTeKを演算しても良い。
次に、本実施形態におけるエンジンコントローラ18の処理を図14を参照して説明する。基本の処理の流れは上記第1実施形態と同様である。但し、ステップS610とステップS620との間に、ステップS612〜ステップS616の処理が追加されている点が異なる。
すなわち、ステップS610にて、運転者の要求する目標出力トルクTeNを演算した後に、ステップS612に移行してTeKがゼロより大きい、つまり制限トルクTeKの入力があるか否かを判定し、制限トルクTeKの入力があると判定した場合にはステップS614に移行する。一方、制限トルクTeKの入力が無いと判定した場合には、第1実施形態と同様にステップS620に移行する。
ステップS614では、制限トルクTeKと目標出力トルクTeNとを比較して、制限トルクTeKの方が小さければステップS616に移行し、そうで無ければステップS620に移行する。
ステップS616では、目標出力トルクTeNに制限トルクTeKを代入して目標出力トルクを低減した後にステップS620に移行する。
ステップS620以降の処理は、第1実施形態と同様である。
また、本実施形態では、上記クラッチ解放処理部8Hの処理が若干異なる。すなわち、本実施形態のクラッチ解放処理部8Hでは、クラッチ位置において上記モータ側の回転軸の加速度が車輪側回転軸の加速度以上か否かを判定し、モータ側の回転軸の加速度が車輪側回転軸の加速度以上であれば、そのままクラッチ操作部の通電を停止してクラッチを切断状態とする。一方、上記モータ側の回転軸の加速度が車輪側の回転軸の加速度未満と判定した場合には、一時的(例えば500msの時間だけ)に制限トルクTeKを小さな値(例えばゼロに近い値)としてから、クラッチ操作部の通電を停止する。なお、この一時的(例えば500msの時間だけ)に制限トルクTeKを小さな値とする制御を、4輪駆動状態から2輪駆動状態に移行する際に1回だけ無条件に行うようにしても良い。
その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
本発明によれば、クラッチ制御がオン、つまりクラッチ12を接続状態に制御している間は、上記モータ側の回転軸の加速度が車輪側回転軸の加速度以上となるように、エンジントルクの上限値が制御されるので、クラッチ制御をオフにするときにクラッチ12が逆噛み込み状態となっていることが防止若しくは低減されて、モータの過回転状態を防止することができる。
また、万一、実際にクラッチ制御をオフとする際にクラッチ12が逆噛み込み状態となっていても、モータの回転をさらに上げることなくエンジンのトルクを一時的に抜くことでクラッチ12の逆噛み込み状態が解消された状態としてクラッチ制御をオフにすることができる。すなわち、モータが許容限界回転に近づいたので、クラッチ制御をオフとする際に、逆噛み込み解消のためにモータの回転数を大きくする必要がない。
なお、上記説明では、クラッチ制御がオンの間中、エンジンの上限値を制限トルクTeKにする制御と、クラッチ制御をオフにする際に一時的にエンジンのトルクを抜く制御との両方の制御を併用しているが、どちらか一方の制御だけを採用しても良い。また、上記クラッチ制御をオフにする際に一時的にエンジンのトルクを抜く制御を、上記第1実施形態に適用しても構わない。
また、エンジンの上限値を制限トルクTeKにする制御を、上記第1実施形態で採用しても良い。
その他の作用・効果は、上記第1実施形態と同様である。
本発明に基づく実施形態に係る概略装置構成図である。 本発明に基づく実施形態に係るシステム構成図である。 本実施形態に係るクラッチの構造を示す断面図である。 本実施形態に係るクラッチの機構を示す模式図である。 本発明に基づく実施形態に係る4WDコントローラ102を示すブロック図である。 本発明に基づく実施形態に係る余剰トルク演算部の処理を示す図である。 本発明に基づく実施形態に係る目標トルク制御部の処理を示す図である。 本発明に基づく実施形態に係る余剰トルク変換部の処理を示す図である。 本発明の実施形態に係るモータトルク調整部を説明する図である。 本発明に基づく実施形態に係るエンジンコントローラの処理を示す図である。 モータから車輪にトルク伝達がある状態を示す図である。 車輪からモータにトルク伝達がある状態を示す図である。 本発明の第2実施形態に係るモータトルク調整部を説明する図である。 本発明に基づく第2実施形態に係るエンジンコントローラの処理を示す図である。
符号の説明
1L、1R 前輪
2 エンジン
3L、3R 後輪
4 モータ
6 ベルト
7 発電機
8 4WDコントローラ
8A 発電機制御部
8B リレー制御部
8C モータ制御部
8D クラッチ制御部
8E 余剰トルク演算部
8F 目標トルク制限部
8G 余剰トルク変換部
8H クラッチ解放処理部
8J モータトルク調整部
9 電線
10 ジャンクションボックス
11 減速機
12 クラッチ
14 吸気管路
15 メインスロットルバルブ
16 サブスロットルバルブ
18 エンジンコントローラ
19 ステップモータ
20 モータコントローラ
21 エンジン回転数センサ
22 電圧調整器
23 電流センサ
26 モータ用回転数センサ
27FL、27FR、27RL、27RR
車輪速センサ
30 トランスミッション
31 ディファレンシャル・ギヤ
32 シフト位置検出手段
34 ブレーキペダル
35 ブレーキストロークセンサ
36 制動コントローラ102
37FL、37FR、37RL、37RR
制動装置
40 アクセルセンサ
100 内輪部材
101 外輪部材
102 ローラ(係合子)
103 係合空間
103a 楔空間
104 保持器
105 スイッチバネ
106 電磁クラッチ部
Ifh 発電機の界磁電流
V 発電機の電圧
Nh 発電機の回転数
Ia 目標電機子電流
Ifm 目標モータ界磁電流
E モータの誘起電圧
Nm モータの回転数(回転速度)
Th 目標発電機負荷トルク
Tm(n) モータの現在の目標トルク
Te エンジンの出力トルク

Claims (8)

  1. モータと、そのモータで駆動される車輪と、モータから車輪への動力伝達経路に介装されるクラッチとを備えた車両の駆動力制御装置において、
    上記クラッチは、モータ側の回転軸に連結する第1の回転部材と、車輪側の回転軸に連結する第2の回転部材と、その第1及び第2の回転部材の間に形成された係合空間に介挿される係合子と、その係合子の周方向の位置を規制する保持器と、第1及び第2の回転部材の一方に対する上記保持器の固定・解放を行うことでクラッチの接続・切断を制御するクラッチ操作部と、を備え、上記クラッチ操作部による上記保持器の固定状態で第1及び第2の回転部材の他方と保持器との間の位相が変わることによって、上記係合子が第1及び第2の回転部材の間に噛み込んで第1及び第2の回転部材間でトルク伝達可能となる機構のクラッチであり、かつ、
    上記クラッチ操作部による上記保持器の固定状態中に作動して、上記モータ側の回転軸の加速度を上記車輪側の回転軸の加速度以上の加速度状態に制御するクラッチ状態制御手段を備えることを特徴とする車両の駆動力制御装置。
  2. 上記クラッチ状態制御手段は、上記モータの出力トルクの下限値を、車輪の加速度に基づき求められる、モータが車輪を駆動できる最小限のモータトルク以上に制御することで、上記モータ側の回転軸の加速度を上記車輪側の回転軸の加速度以上とすることを特徴とする請求項1に記載した車両の駆動力制御装置。
  3. 主駆動輪を駆動する主駆動源を備えると共に、上記モータで駆動される車輪を従駆動輪としたことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載した車両の駆動力制御装置。
  4. 運転者の加速指示とは関係無く上記主駆動源の出力を調整可能な主駆動源出力調整手段とを備え、
    上記クラッチ状態制御手段は、上記クラッチ操作部による上記保持器の固定状態中に、上記モータ側の回転軸の加速度が車輪側回転軸の加速度未満の加速度状態である若しくは当該加速度状態になると判定すると、上記主駆動源出力調整手段を介して主駆動源の出力を低減することを特徴とする請求項3に記載した車両の駆動力制御装置。
  5. 運転者の加速・減速指示とは関係無く上記主駆動源の出力を調整可能な主駆動源出力調整手段とを備え、
    上記クラッチ状態制御手段は、上記クラッチ操作部によるクラッチの状態を接続状態から切断状態に変更する際に、上記主駆動源出力調整手段を介して主駆動源の出力を一時的に小さく抑えることを特徴とする請求項3に記載した車両の駆動力制御装置。
  6. 上記出力調整手段を介してエンジンの出力を一時的に小さく抑える処理は、上記クラッチ操作部によるクラッチの状態を接続状態から切断状態に変更する際に、上記モータ側の回転軸の加速度が上記車輪側の回転軸の加速度未満と判定された場合にだけ実施することを特徴とする請求項5に記載した車両の駆動力制御装置。
  7. モータの回転数が、当該モータに設定されている許容限界回転数に近づくと、上記クラッチ操作部によるクラッチの接続を解除させるモータ保護手段を備えることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載した車両の駆動力制御装置。
  8. 主駆動源の出力で駆動される発電機を設けて、その発電機の出力を上記モータに供給可能としたことを特徴とする請求項3〜請求項7のいずれにかに記載した車両の駆動力制御装置。
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