JP2005119214A - 画像形成装置及び液体吐出装置の信頼性維持方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高粘度記録液を使用した場合、吸引キャップのニップ部に記録液が残存してしまい、吸引キャップでノズル面をキャッピングしたときに残存記録液が飛び散って、混色、ノズルの目詰まり、ミストの発生などが生じる。
【解決手段】 吸引キャップ72aでノズル面をキャッピングしてノズル吸引を行い、吸引キャップ72aをノズル面から離間してキャップ内吸引を行い、ワイパーブレード73でワイピングを行った後、吸引キャップ72aをノズル面に接触させて残存記録液をノズル面に転移させ、吸引キャップ72aをノズル面から離間し、ワイパーブレード73でワイピングを行った後、吸引キャップ72aでノズル面をキャッピングする。
【選択図】 図9

Description

本発明は画像形成装置及び液体吐出装置の信頼性維持方法に関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、プリンタ/ファクシミリ/複写機の複合機などの各種画像形成装置において、記録液を吐出する液滴吐出ヘッドを記録ヘッドとして備えたものにあっては、記録液を吐出する記録ヘッドの性能を維持回復する機構が不可欠である。
このヘッドの性能維持回復機構の主な機能は、インクの自然蒸発によるノズル孔付近の記録液の増粘固着を防止するために密閉性の高いキャップ部材で覆うキャップ機能と、ノズル孔内に発生した気泡などによる吐出不良を記録液を排出することで回復したり、キャップ機能を通じてヘッドのノズルから記録液を吸引する吐出回復機能と、ノズル面に付着し液滴の飛翔状態を変化させる原因となる残留記録液を拭き取るためのワイピング機能などで構成される。
特開2002−254666号公報 特開平6−340091号公報 特開平11−157103号公報 特許第3216706号公報
このような維持回復機構にあっては、特許文献1にも記載されているように、キャッピング手段(キャップ部材)でヘッドのノズル面をキャッピングした状態で吸引を行った後、ワイピング部材によってヘッドのノズル面をワイピングして清浄化し、その後再度ヘッドのノズル面をキャッピング手段でキャッピングするという工程が行われる。
ところで、最近のインクを用いる画像形成装置においては、普通紙への高品質印字を可能にするために着色剤として有機顔料、カーボンブラック等を用いる顔料系インクの使用が検討、あるいは実用化がされているが、顔料は、染料とは異なり水への溶解性がないため、通常は、顔料を分散剤とともに混合し、分散処理して水に安定分散させた状態の水性インクとして用いられる。
このような顔料系インクは染料系インクよりも総じて粘度が高くなり、高粘度故の問題が生じている。本発明者らの実験によると、顔料系インクを用いるヘッドの信頼性維持のため、従来のように、吸引キャップによるキャッピング状態での吸引、ワイピング部材によるワイピングを行った後、再度吸引キャップによるキャッピングを行ったところ、混色、ノズルの目詰まり、ミストの発生などの不都合が発生した。これらの不都合が発生した場合には、当然に、混色、画像抜けなどが発生して画像品質が低下する。
そこで、本発明者らは鋭意研究したところ、吸引キャップでノズル面をキャッピングした状態で吸引を行い、その後ワイピングのために吸引キャップをノズル面から離間させたときに、顔料系インクを用いた場合には染料系インクを用いた場合よりも、吸引キャップのノズル面との接触部位(ニップ部)にインクが残存しやすく、ワイピング後再度吸引キャップでノズル面をキャッピングするためにノズル面に接触させたときに、ニップ部に残存しているインクが飛び散ることで、混色、ノズルへの付着による目詰まり、ミストの発生などが引き起こされることが判明した。
また、ワイピング後再度吸引キャップでノズル面をキャッピングするためにノズル面に接触させたときに残存インクが飛び散らない場合でも、ニップ部に高粘度インクが残存したまま吸引キャップでノズル面をキャッピングしたときには、実験による1時間以内に印写のための吸引キャップをヘッドのノズル面から離間させると、インクが泡状になる現象が発生し、泡状になるときに跳ねたり、あるいは、キャップのニップ部が振動することによって跳ねたりすることが確認された。このようなインクの跳ねも、混色、ノズルへの付着による目詰まり、ミストの発生などを引き起こす原因となる。
本発明は上記の課題と知見に基づいてなされたものであり、高粘度の記録液を用いる画像形成装置ないし液体吐出装置における画像品質の向上を図ることを目的とする。
本発明に係る画像形成装置は、ワイピング手段でヘッドのノズル面をワイピングし、吸引キャップをヘッドのノズル面に接触させた後離間させ、再度ワイピング手段でヘッドのノズル面をワイピングする信頼性維持手段を備えたものである。
他の本発明に係る画像形成装置は、吸引キャップでノズル面をキャッピングした状態でノズルから記録液を吸引する吸引工程を複数回行い、最終回の吸引工程での吸引量がそれ以外の回の吸引工程の吸引量よりも少ない信頼性維持手段を備えたものである。
更に他の本発明に係る画像形成装置は、ワイピング手段でヘッドのノズル面をワイピングし、吸引キャップをヘッドのノズル面に接触させた後離間させ、再度ワイピング手段でヘッドのノズル面をワイピングするとともに、吸引キャップでノズル面をキャッピングした状態でノズルから記録液を吸引する吸引工程を複数回行い、最終回の吸引工程での吸引量がそれ以外の回の吸引工程の吸引量よりも少ない信頼性維持手段を備えたものである。
これらの本発明に係る画像形成装置においては、液滴吐出ヘッドに充填される記録液は25℃における粘度が5mPa・s〜20mPa・sであることが好ましい。
本発明に係る液体吐出装置の信頼性維持方法は、ヘッドのノズル面をワイピング手段でワイピングする工程を少なくとも2回以上行い、各ワイピング工程の間で前記ヘッドのノズル面をキャッピングするための吸引キャップをノズル面に接触させて、この吸引キャップのニップ部に残存している記録液をノズル面に転移させる工程を行う構成としたものである。
他の本発明に係る液体吐出装置の信頼性維持方法は、吸引キャップでヘッドのノズル面をキャッピングした状態で吸引を行う工程を少なくとも2回以上行い、最終回の吸引工程では最終回以外の吸引工程よりも吸引量を少なくして吸引を行う構成としたものである。
これらの本発明に係る液体吐出装置の信頼性維持方法においては、記録液は25℃における粘度が5mPa・s〜20mPa・sであることが好ましい。
本発明に係る画像形成装置及び液体吐出装置の信頼性維持方法によれば、2回以上のワイピング工程と、ワイピング工程とワイピング工程との間で吸引キャップをヘッドのノズル面に接触させる工程とを行うので、吸引キャップのニップ部に残存した記録液をノズル面に転写させた後ワイピングを行うので、吸引キャップのニップ部に残存した記録液がキャッピング時に飛び散ることを低減することができて、画像品質が向上する。
他の本発明に係る画像形成装置及び液体吐出装置の信頼性維持方法によれば、ヘッドからの吸引工程を複数回行い、最終回の工程での吸引量をそれ以外の回の吸引量より少なくしているので、吸引キャップのニップ部の残存記録液量を低減でき、残存記録液がキャッピング時に飛び散ることを低減することができて、画像品質が向上する。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。図1は本発明に係る液体吐出装置の信頼性維持方法を適用した本発明に係る画像形成装置の一例を示す同画像形成装置を前方側から見た斜視説明図である。
この画像形成装置は、装置本体1と、装置本体1に装着した用紙を装填するための給紙トレイ2と、装置本体1に装着され画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ3とを備え、さらに、装置本体1の前面4の一端部側には、前面4から前方側に突き出し、上面5よりも低くなったカートリッジ装填部6を有し、このカートリッジ装填部6の上面に操作キーや表示器などの操作部7を配置している。カートリッジ装填部6には液体補充手段としての液体保管用タンク(メインタンク)であるインクカートリッジ10の脱着を行うための開閉可能な前カバー8を有している。
次に、この画像形成装置の機構部について図2及び図3を参照して説明する。なお、図2は同機構部の全体構成を説明する概略構成図、図3は同機構部の要部平面説明図である。
図示しない左右の側板に横架したガイド部材であるガイドロッド11とステー12とでキャリッジ13を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モータによって図3で矢示方向に移動走査する。
このキャリッジ13には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する4個のインクジェットヘッドからなる記録ヘッド14を複数のインク吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド14を構成するインクジェットヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどをインクを吐出するためのエネルギー発生手段として備えたものなどを使用できるが、ここでは圧電アクチュエータ(圧電素子)をエネルギー発生手段に用いたヘッドを搭載している。また、記録ヘッド14としては各色の液滴を吐出するための複数のノズル列を有する1つのインクジェットヘッドで構成することもできる。
また、キャリッジ13には、記録ヘッド14に各色のインクを供給するための各色の液体容器であるサブタンク15を搭載している。このサブタンク15にはインク供給チューブ16を介して前述した各色のメインタンク(インクカートリッジ)10からインクが補充供給される。ここで、メインタンク10は、それぞれ各色に対応してイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインクを収容しているが、ブラックインクを収容するメインタンク10は、他のカラーインクを収容するメインタンク10よりもインクの収容容量を大きくしている。
一方、給紙トレイ3の用紙積載部(圧板)21上に積載した用紙22を給紙するための給紙部として、用紙積載部21から用紙22を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)23及び給紙コロ23に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド24を備え、この分離パッド24は給紙コロ23側に付勢されている。
そして、この給紙部から給紙された用紙22を記録ヘッド14の下方側で搬送するための搬送部として、用紙22を静電吸着して搬送するための搬送ベルト31と、給紙部からガイド25を介して送られる用紙22を搬送ベルト31との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ32と、略鉛直上方に送られる用紙22を略90°方向転換させて搬送ベルト31上に倣わせるための搬送ガイド33と、押さえ部材34で搬送ベルト31側に付勢された先端加圧コロ35とを備えている。また、搬送ベルト31表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ36を備えている。
ここで、搬送ベルト31は、無端状ベルトであり、搬送ローラ37とテンションローラ38との間に掛け渡されて、図3のベルト搬送方向に周回するように構成している。帯電ローラ36は、搬送ベルト31の表層に接触し、搬送ベルト31の回動に従動して回転するように配置され、加圧力として軸の両端に各2.5Nをかけている。
また、搬送ベルト31の裏側には、記録ヘッド14による印写領域に対応してガイド部材41を配置している。このガイド部材41は、上面が搬送ベルト31を支持する2つのローラ(搬送ローラ37とテンションローラ38)の接線よりも記録ヘッド14側に突出している。これにより、搬送ベルト31は印写領域ではガイド部材41の上面にて押し上げられてガイドされるので、高精度な平面性を維持される。
さらに、記録ヘッド14で記録された用紙22を排紙するための排紙部として、搬送ベルト31から用紙22を分離するための分離爪51と、排紙ローラ52及び排紙コロ53とを備え、排紙ローラ52の下方に排紙トレイ3を備えている。ここで、排紙ローラ52と排紙コロ53との間から排紙トレイ3までの高さは排紙トレイ3にストックできる量を多くするためにある程度高くしている。
また、装置本体1の背面部には両面給紙ユニット61が着脱自在に装着されている。この両面給紙ユニット61は搬送ベルト31の逆方向回転で戻される用紙22を取り込んで反転させて再度カウンタローラ32と搬送ベルト11との間に給紙する。また、この両面給紙ユニット61の上面には手差し給紙部62を設けている。
さらに、図3に示すように、キャリッジ13の走査方向の一方の非印字領域には、記録ヘッド14のノズルの状態を維持し、回復するための信頼性維持手段である維持回復機構(以下「サブシステム」という。)71を配置し、他方の非印字領域には空吐出受け部材81を配置している。
サブシステム71には、記録ヘッド14のノズル面をキャピングするためのキャッピング手段であるキャップ部材72a、72b、72c、72dと、ノズル面をワイピングするためのワイピング手段であるワイパーブレード73などを備えている。
このように構成した画像形成装置においては、給紙トレイ2から用紙22が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙22はガイド25で案内され、搬送ベルト31とカウンタローラ32との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド33で案内されて先端加圧コロ35で搬送ベルト31に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、図示しない制御回路によって高圧電源から帯電ローラ36に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト31が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト31上に用紙22が給送されると、用紙22が搬送ベルト31に静電的に吸着され、搬送ベルト31の周回移動によって用紙22が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ13を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド14を駆動することにより、停止している用紙22にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙22を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙22の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙22を排紙トレイ3に排紙する。
また、印字(記録)待機中にはキャリッジ13はサブシステム37側に移動されて、キャップ72a〜72dで記録ヘッド14をキャッピングされ、ノズルを湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止し、また、記録開始前、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出する回復動作を行って安定した吐出性能を維持する。
次に、サブシステム71の構成について図4ないし図6をも参照して説明する。なお、同4は同システムの平面説明図、図5は同システムの吸引キャップの概略断面説明図、図6は同システムの模式的概略構成図である。
フレーム211には、2つのキャップホルダ212A、212Bと、空吐出受け213と、清浄化手段としての弾性体を含むワイピング部材であるワイパーブレード73と、キャリッジロック215とがそれぞれ昇降可能に保持されている。
キャップホルダ212A、212B(以下両者を併せて「キャップホルダ212」という。)には、2つの記録ヘッド14のノズル面をそれぞれキャッピングする2つのキャップ72a、72b、72c、72d(以下これらを「キャップ72」という。)を保持している。
ここで、印字領域に最も近い側のキャップホルダ212Aに保持したキャップ72aにはチューブ219を介して吸引手段であるチューブポンプ(吸引ポンプ)220を接続し、その他のキャップ72b、72c、72dはチューブポンプ220を接続していない。すなわち、キャップ72aのみを吸引及び保湿用キャップ(以下、単に「吸引キャップ」という。)とし、その他のキャップ72b、72c、72dはいずれも単なる保湿用キャップとしている。したがって、記録ヘッド14の回復動作を行うときには、回復動作を行うヘッド14を吸引キャップ72aによってキャッピング可能な位置に選択的に移動する。
なお、吸引キャップ72aは、図5に示すように、キャップ本体91に弾性部材からなるシール部材92を有し、このシール部材92の先端部(ニップ部)93をノズル面に接触することノズル面をキャッピングする。なお、キャップ本体91の底面にはチューブ219を接続するための接続口94を形成している。
また、これらのキャップホルダ212A、212Bの下方にはカム軸221を回転可能に配置し、このカム軸221には、キャップホルダ212A、212Bを昇降させるためのキャップカム222A、222Bと、ワイパーブレード73を昇降させるためのワイパーカム224、キャリッジロック215をキャリッジロックアーム217を介して昇降させるためのキャリッジロックカム225をそれぞれ設けている。
さらに、ワイパーブレード73の印字領域側にはワイパーブレード73を清浄化するためのワイパークリーナ218を矢示方向に揺動可能で、図示しないスプリングでワイパーブレード73から離れる方向に付勢して配置し、カム軸221にはこのワイパークリーナ218を揺動させるためのワイパークリーナカム228を設けている。
ここで、キャップ72はキャップカム222A、222Bにより昇降させられる。ワイパーブレード73はワイパーカム224に昇降させられ、下降時にワイパークリーナ218が進出して、このワイパークリーナ218と空吐出受け213とに挟まれながら下降することで、ワイパーブレード214に付着したインクが空吐出受け213に掻き落とされる。
キャリッジロック215は図示しない圧縮バネによって上方(ロック方向)に付勢されて、キャリッジロックアーム217で昇降させられる。
そして、チューブポンプ220及びカム軸221を回転駆動するために、モータ231の回転をモータ軸231aに設けたモータギヤ232に、チューブポンプ220のポンプ軸220aに設けたポンプギヤ233を噛み合わせ、更にこのポンプギヤ233と一体の中間ギヤ234に中間ギヤ235を介して一方向クラッチ237付きの中間ギヤ236を噛み合わせ、この中間ギヤ236と同軸の中間ギヤ238に中間ギヤ239を介してカム軸221に固定したカムギヤ240を噛み合わせている。
また、カム軸221にはホームポジションを検出するためのホームポジションセンサ用カム241を設け、このサブシステム71に設けた図示しないホームポジションセンサにてキャップ72が最下端に来たときにホームポジションレバー(不図示)を作動させ、センサが開状態になってモータ231(ポンプ220以外)のホームポジションを検知する。なお、電源オン時には、キャップ72(キャップホルダ212)の位置に関係なく上下(昇降)し、移動開始までは位置検出を行わず、キャップ72のホーム位置(上昇途中)を検知した後に、定められた量を移動して最下端へ移動する。その後、キャリッジが左右に移動して位置検知後キャップ位置に戻り、記録ヘッド14がキャッピングされる。
このサブシステム71においては、モータ231が正転することによってモータギヤ232、中間ギヤ233、ポンプギヤ234、中間ギヤ235、236までが回転し、チューブポンプ220の軸220aが回転することでチューブポンプ220が作動して、吸引キャップ72a内を吸引する。その他のギヤ238以降は一方向クラッチ237によって回転が遮断されるので回転(作動)しない。
モータ231が逆転することによって、一方向クラッチ237が連結されるので、モータ231の回転が、モータギヤ232、中間ギヤ233、ポンプギヤ234、中間ギヤ235、236、238、239を経てカムギヤ240に伝達され、カム軸221が回転する。このとき、チューブポンプ220はポンプ軸220aの逆転では回転しない構造となっている。
ここで、維持回復動作を行う記録ヘッド14を吸引キャップ72aの位置にした状態で、モータ231を逆転してカム軸221を回転させて吸引キャップ72aを上昇させて記録ヘッド14のノズル面をキャッピングし、モータ231を正転してチューブポンプ220を作動させることで記録ヘッド14のノズルから吸引(ノズル吸引)を行うことができる。
この状態から、モータ231を逆転させることでカム軸221を回転させ、これにより、吸引キャップ72aを記録ヘッド14のノズル面から離間させることができる。その後、ワイパーブレード73がワイピング位置(ノズル面と接触する位置)に上昇し、この状態でキャリッジ13を移動させることにより、記録ヘッド14のノズル面をワイパーブレード73で拭きとって(ワイピングして)清浄化することができ、その後ワイパーブレード73は下降する。なお、その後チューブポンプ220を作動させることで吸引キャップ72a内のインクを吸引することができる。
このようなサブシステム71の維持回復動作によって吸引ポンプ220で吸引されたインク、あるいはワイパーブレード73に付着してワイパークリーナ218でワイパーブレード73から除去されたインクは、廃インクとなって、図示しない廃液貯留タンクに排出される。
次に、この画像形成装置の制御部の概要について図7を参照して説明する。なお、同図は同制御部の全体ブロック説明図である。
この制御部280は、装置全体の制御を司るCPU281と、CPU281が実行するプログラム、その他の固定データを格納するROM282と、画像データ等を一時格納するRAM283と、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための不揮発性メモリ(NVRAM)284と、画像データに対する各種信号処理、並び替え等を行う画像処理やその他装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC285とを備えている。
また、この制御部は、ホスト側とのデータ、信号の送受を行うためのI/F286と、記録ヘッド14を駆動制御するためのヘッド駆動制御部287及びヘッドドライバ288と、主走査モータ290を駆動するための主走査モータ駆動部291と、副走査モータ292を駆動するための副走査モータ駆動部293、サブシステム71のモータ231を駆動するためのサブシステム駆動部294と、図示しない各種センサからの検知信号を入力するためのI/O296などを備えている。この制御部280には、この装置に必要な情報の入力及び表示をおこなうための操作パネル297(操作部7)が接続されている。
制御部280は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置、イメージスキャナなどの画像読み取り装置、デジタルカメラなどの撮像装置などのホスト側からの印刷データ等をケーブル或いはネットを介してI/F286で受信する。
そして、CPU281は、I/F286に含まれる受信バッファ内の印刷データを読み出して解析し、ASIC285にて必要な画像処理、データの並び替え処理等を行ってヘッド駆動制御部287に画像データを転送する。なお、画像出力するためのドットパターンデータの生成は、例えばROM282にフォントデータを格納して行っても良いし、ホスト側のプリンタドライバで画像データをビットマップデータに展開してこの装置に転送するようにしても良い。
ヘッド駆動制御部287は、記録ヘッド14の1行分に相当する画像データ(ドットパターンデータ)を受け取ると、この1行分のドットパターンデータを、クロック信号に同期して、ヘッドドライバ288にシリアルデータで送出し、また所定のタイミングでラッチ信号をヘッドドライバ288に送出する。
このヘッド駆動制御部287は、駆動波形(駆動信号)のパターンデータを格納したROM(ROM282で構成することもできる。)と、このROMから読出される駆動波形のデータをD/A変換するD/A変換器を含む波形生成回路及びアンプ等で構成される駆動波形発生回路を含む。
また、ヘッドドライバ288は、ヘッド駆動制御部287からのクロック信号及び画像データであるシリアルデータを入力するシフトレジスタと、シフトレジスタのレジスト値をヘッド駆動制御部287からのラッチ信号でラッチするラッチ回路と、ラッチ回路の出力値をレベル変化するレベル変換回路(レベルシフタ)と、このレベルシフタでオン/オフが制御されるアナログスイッチアレイ(スイッチ手段)等を含み、アナログスイッチアレイのオン/オフを制御することで駆動波形に含まれる所要の駆動波形を選択的に記録ヘッド14のアクチュエータ手段に印加してヘッドを駆動する。
次に、この画像形成装置における信頼性維持回復動作(本発明に係る液体吐出装置の信頼性維持方法でもある)の一例について図8をも参照して説明する。
まず、前述したように、維持回復動作を行う記録ヘッド14を吸引キャップ72aの位置にした状態で、モータ231を逆転して吸引キャップ72aを上昇させて記録ヘッド14のノズル面をキャッピングし、モータ231を正転してチューブポンプ220を作動させることで記録ヘッド14のノズルから吸引(ノズル吸引)を行う。
この状態から、モータ231を逆転させて吸引キャップ72aを記録ヘッド14のノズル面から離間させ、その後、ワイパーブレード73がワイピング位置(ノズル面と接触する位置)に上昇し、この状態でキャリッジ13を移動させることにより、記録ヘッド14のノズル面をワイパーブレード73で拭きとって清浄化し(ワイピング)、その後ワイパーブレード73を下降させるワイピング工程を行う。そして、モータ231を正転してチューブポンプ220を作動させて吸引キャップ72a内のインクを吸引することができる。
さらに、モータ231を逆転させて吸引キャップ72aを記録ヘッド14のノズル面に接触させる。これにより、吸引キャップ72aのノズル面接触部位(ニップ部)93に残存しているインクがノズル面に転移する。その後、更にモータ231を逆転させて吸引キャップ72aをノズル面から離間させ、ワイパーブレード73の上昇とキャリッジ13の移動によってノズル面をワイピングするワイピング工程を行う。そして、そのままモータ231の逆転を継続して吸引キャップ72aを上昇させて記録ヘッド14のノズル面をキャッピングする。
このように、複数回のワイピング工程を行うとともに、ワイピング工程とワイピング工程との間で、吸引キャップをヘッドのノズル面に接触させることで、吸引キャップにキャップ内吸引後も残存しているインクを一旦ヘッドのノズル面に転移させた後ノズル面のワイピングを行う。
これにより、吸引キャップでキャッピングしてノズル吸引を行い、吸引キャップを離間してキャップ内吸引を行った後にもニップ部に残存しているインクの量を低減ないし無くすることができ、吸引キャップでノズル面を保湿のためのキャッピングするときに、残存インクが飛び散ることを防止できる。したがって、残存インクが飛び散ることで、混色を生じたり、飛び散ったインクがノズル内に侵入しその結果増粘してノズル目詰まりを生じ、吐出不能になったり、あるいは、飛び散るインクがミストとなって飛散することなどが低減して、画像品質が向上する。
本発明者らの実験によると、使用する記録液であるインクの25℃における粘度が5mPa・s未満であれば、吸引キャップでノズル面をキャッピングしてノズル吸引を行い、吸引キャップを離間したときに、吸引キャップのニップ部に残存しているインクの量は極めて少なくと、再度吸引キャップでノズル面をキャッピングしても、画像品質に影響を与える結果となるようなインクの飛び散りなどを認めることできなかった。
これに対して、使用する記録液であるインクの25℃における粘度が5mPa・s以上になると、特に粘度が高くなるほど(25℃における粘度が7mPa・s以上)、吸引キャップのニップ部に残存するインクの量が増え、再度吸引キャップでノズル面をキャッピングしたときにその残存インクが飛び散るという現象が確認された。
したがって、本発明は、記録ヘッドで使用する記録液が、25℃における粘度が5mPa・s以上の記録液である場合に特に有効である。なお、液滴として吐出可能な記録液としては25℃における粘度が20mPa・sのものであった。
なお、ここでは、ワイピング工程を2回とし、その間で吸引キャップをノズル面に接触させる工程を1回行う例で説明したが、ワイピング工程を3回以上として、各ワイピング工程の間で吸引キャップをノズル面に接触させるようにすることもできる。
次に、この画像形成装置における信頼性維持回復動作(本発明に係る液体吐出装置の信頼性維持方法でもある)の他の例について図9をも参照して説明する。
まず、前述したように、維持回復動作を行う記録ヘッド14を吸引キャップ72aの位置にした状態で、モータ231を逆転して吸引キャップ72aを上昇させて記録ヘッド14のノズル面をキャッピングし、モータ231を正転してチューブポンプ220を作動させることで記録ヘッド14のノズルから1回目(1段目)のノズル吸引を行う。このときの吸引量は、吸引量Aとしている。
この状態から、モータ231を逆転させて吸引キャップ72aを記録ヘッド14のノズル面から離間させ、その後、ワイパーブレード73がワイピング位置(ノズル面と接触する位置)に上昇し、この状態でキャリッジ13を移動させることにより、記録ヘッド14のノズル面をワイパーブレード73で拭きとって清浄化し(ワイピング)、その後ワイパーブレード73を下降させるワイピング工程を行う。そして、モータ231を正転してチューブポンプ220を作動させて吸引キャップ72a内のインクを吸引することができる。
さらに、モータ231を逆転させて吸引キャップ72aによって記録ヘッド14のノズル面を再度キャッピングする。そして、チューブポンプ220を作動させることで記録ヘッド14のノズルから2回目(2段目)のノズル吸引を行う。このときの吸引量は、吸引量Bとし、吸引量Aとの関係では、B<Aである。
その後、吸引キャップ72aをノズル面から離間させ、ワイパーブレード73の上昇とキャリッジ13の移動によってノズル面をワイピングするワイピング工程を行う。そして、吸引キャップ72a内の吸引を行った後、吸引キャップ72aを上昇させて記録ヘッド14のノズル面をキャッピングする。
このように、ここでは、複数回のノズル吸引(吸引キャップでキャッピングした状態での吸引)を行うとともに、最終回(最終段)のノズル吸引での吸引量を、他の回(段)の吸引量よりも少なくする。
すなわち、前述したように、本発明者らの実験によると、使用する記録液であるインクの25℃における粘度が5mPa・s未満であれば、吸引キャップでノズル面をキャッピングしてノズル吸引を行い、吸引キャップを離間したときに、吸引キャップのニップ部に残存しているインクの量は極めて少なくと、再度吸引キャップでノズル面をキャッピングしても、画像品質に影響を与える結果となるようなインクの飛び散りなどを認めることできなかった。
これに対して、使用する記録液であるインクの25℃における粘度が5mPa・s以上になると、特に粘度が高くなるほど(25℃における粘度が7mPa・s以上)、吸引キャップのニップ部に残存するインクの量が増え、再度吸引キャップでノズル面をキャッピングしたときにその残存インクが飛び散るという現象が確認された。
このとき、上述した高粘度(5mPa・s以上)の記録液を用いた場合、ノズル吸引の吸引量を少なくするほど吸引キャップのニップ部に残存するインクの量が低減することが確認された。そこで、複数回のノズル吸引を行うとともに、最終回の吸引量を少なくして、吸引キャップのニップ部の残存量を少なくした状態にした後、吸引キャップでノズル面をキャッピングすることによって、残存インクの飛び散りを低減ないし無くすることができて、前述したように、混色、非吐出、ミストの発生を低減でき、画像品質を向上できる。
したがってまた、本発明は、記録ヘッドで使用する記録液が、25℃における粘度が5mPa・s以上の記録液である場合に特に有効である。なお、液滴として吐出可能な記録液としては25℃における粘度が20mPa・sのものであった。
なお、ここでは、ノズル吸引工程を2回とし、最終回である2回目の吸引量を1回目の吸引量よりも少なくする例で説明したが、ノズル吸引工程を3回以上として、最終回の吸引量を他の回の吸引量より少なくするようにすることもできる。
次に、この画像形成装置における信頼性維持回復動作(本発明に係る液体吐出装置の信頼性維持方法でもある)の更に他の例について図10をも参照して説明する。
この例は、前記図7及び図8で示した各例を組み合わせたものであり、吸引量Aでのノズル吸引→ワイピング→吸引量Bでのノズル吸引→ワイピング→吸引キャップのノズル面への接触→ワイピング、の順に行うようにしたものである。
このようにすれば、吸引キャップのニップ部の残存インク量をより確実に低減ないし無くすることができ、画像品質の向上を図れる。
次に、この画像形成装置で用いている液体であるインクの一例について説明するが、これに限られるものでないことはもちろんである。
まず、インクは、25℃における静的表面張力γがγ≧20であることが好ましい。これにより、吐出安定性を確保することができる。つまり、25℃における静的表面張力γが、γ≧20であれば、液滴が正常に形成されるため、鮮明な画像を形成することができる。逆に20>γの場合、インクがノズル面に対して完全に濡れるか、あるいは低めの接触角を示すため、ノズル近傍にインクが溢れ出てしまう。この状態ではノズルに正常なメニスカスが形成されないため、液滴が正常に形成されず、吐出方向が曲がってしまったり、不要な小滴(サテライト滴)が発生したり、ミストが発生したり、最悪の場合液滴が吐出されないなどの不具合が生じる。このような状態では狙いの画素を形成することができないため、画像欠陥が生じてしまうおそれがある。
インクには色材を含有している。色材は、溶解した状態で含有させても良いし、分散させた状態で含有させても良い。この場合、溶解した状態で用いられる色材としては、染料が好ましい。また、分散した状態で用いられる色材としては、顔料、あるいは溶媒に対して溶解性が低い染料が挙げられる。顔料を用いることで、高い耐光性、耐水性を得ることができる。
これらの中では、色材を分散した状態で含有させることが好ましい。つまり、色材を分散した状態で含有させると、記録媒体(用紙)に着弾した瞬間にpH変化が生じて色材の分散が破壊され色材が凝集する、あるいは、色材が記録媒体の繊維の目に引っかかり遠くまで流れ出さない現象が生じる。このような現象が生じる結果、フェザリングやカラーブリードを抑制することができ、鮮明な画像を得ることができる。
逆に、色材を溶解した状態で含有させると、記録媒体に着弾した瞬間にpH変化が生じても溶解した色材は容易には析出しないため色材は凝集しない。また、色材が溶解した状態ではインクが記録媒体に浸透した際に繊維の目に引っかかることなく遠くまで流れ出てしまう。このような現象が生じる結果、フェザリングやカラーブリードが生じてしまい、不鮮明な画像になるおそれがある。
使用できる染料としては、カラーインデックスにおいて酸性染料、直接染料、反応性染料、食用染料に分類される染料で、耐水、耐光性が優れたものが挙げられる。また、これら染料は複数種類を混合して用いても良いし、あるいは顔料等の他の色素と混合して用いても良い。これらは効果が阻害されない範囲で添加される。
これら染料を具体的に挙げれば、酸性染料及び食用染料としては、
C.I.アシッドイエロー17、23、42、44、79、142、
C.I.アシッドレッド1、8、13、14、18、26、27、35、37、42、52、82、87、89、92、97、106、111、114、115、134、186、249、254、289、
C.I.アシッドブルー9、29、45、92、249
C.I.アシッドブラック1、2
などを挙げることができる。
直接染料としては、
C.I.ダイレクトイエロー1、12、24、26、33、44、50、86、120、132、142、144、
C.I.ダイレクトレッド1、4、9、13、17、20、28、31、39、80、81、83、89、225、227、
C.I.ダイレクトオレンジ26、29、62、102、
C.I.ダイレクトブルー1、2、6、15、22、25、71、76、79、86、87、90、98、163、165、199、202、
C.I.ダイレクトブラック19、22、32、38、51、56、71、74、75、77、154、168、171
などを挙げることができる。
反応染料としては、
C.I.リアクティブブラック3、4、7、11、12、17、
C.I.リアクティブイエロー1、5、11、13、14、20、21、22、25、40、47、51、55、65、67、
C.I.リアクティブレッド1、14、17、25、26、32、37、44、46、55、60、66、74、79、96、97、
C.I.リアクティブブルー1、2、7、14、15、23、32、35、38、41、63、80、95
などを挙げることができる。
特に酸性染料及び直接染料が好ましく用いることができる。
使用できる顔料としては、具体的には以下のものが挙げられる。この場合、これら顔料は複数種類を混合して用いても良いし、あるいは染料等の他の色素と混合して用いても良い。
有機顔料としては、アゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、インジコ系、チオインジコ系、ペリレン系、イソインドレノン系、アニリンブラック、アゾメチン系、ローダミンBレーキ顔料、カーボンブラックなどが挙げられる。
また、前記顔料は、粒子径が0.01〜0.15μmの粒子状として使用するのが好ましい。
無機顔料としては、酸化鉄、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、紺青、カドミウムレッド、クロムイエロー、金属粉が挙げられる。有機顔料としては、アゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ペリレン系、イソインドレノン系、アニリンブラツク、アゾメチン系、ローダミンBレーキ顔料、カーボンブラックなどが挙げられる。
また、これらの顔料の粒子径は0.01から0.15μmで用いることが好ましい。0.01μm以下では隠蔽力が低下し濃度が低く、また、耐光性が低下し、高分子染料系と混合した際のインクの耐光性が従来の染料系と同等となってしまう。また、0.15μm以上では、ヘッドの目詰まりやフィルタでの目詰まりが発生し、吐出安定性を得ることができないおそれがある。
インクには、インクを所望の物性にするため、またインクの乾燥を防止して吐出不良を防止するため、また、色材の溶解安定性、分散安定性を向上させるためなどの目的から、次の水溶性有機溶媒を使用することが好ましい。
すなわち、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、グリセロール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプローラクタム等の含窒素複素環化合物、ホルミアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、γ−ブチローラクトンである。これらの溶媒は水と共に単独もしくは複数混合して用いられる。
これらの中で特に好ましいものは、ジエチレングリコール、チオジエタノール、ポリエチレングリコール200〜600、トリエチレングリコール、グリセロール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、ペトリオール、1,5−ペンタンジオール、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチルピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノンである。これらを用いることにより色材の高い溶解性あるいは高い分散性と水分蒸発により噴射特性不良の防止に対して優れた効果が得られる。
また、インクは、浸透剤を含有することが好ましい。
浸透剤はインクと記録媒体の濡れ性を向上させ、浸透速度を調整する目的で添加される。浸透剤としては、下記式(I)〜(IV)で表わされるものが好ましい。すなわち、下記式(I)のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系界面活性剤、式(II)のアセチレングリコール系界面活性剤、下記式(III)のポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤ならびに式(IV)のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル系界面活性剤は、液の表面張力を低下させることができるので、濡れ性を向上させ、浸透速度を高めることができる。
Figure 2005119214

(Rは分岐していても良い炭素数6〜14の炭化水素鎖、k:5〜20)
Figure 2005119214

(m、n≦20,0<m+n≦40)
Figure 2005119214

(Rは分岐してもよい炭素数6〜14の炭化水素鎖、nは5〜20)
Figure 2005119214

(Rは炭素数6〜14の炭化水素鎖、m、nは20以下の数)
前記式(I)〜(IV)の化合物以外では、例えばジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールクロロフェニルエーテル等の多価アルコールのアルキル及びアリールエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体等のノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、エタノール、2−プロパノール等の低級アルコール類を用いることができるが、特にジエチレングリコールモノブチルエーテルが好ましい。
また、インクには、インクに接する部材の溶出、腐食を防止する目的でpH調整剤、あるいは防錆剤を添加することが好ましい。pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響を及ぼさずにpHを6以上に調整できるものであれば、任意の物質を用いることができる。例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩等が挙げられる。防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト等がある。
さらに、インクには、防腐防黴を目的として防腐防黴剤を添加することが好ましい。防腐防黴剤としてはデヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、イソチアゾリン系化合物、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム等が使用できる。
さらにまた、インクには、不要な泡立ちを抑制するために消泡剤を添加することが好ましい。消泡剤としては、シリコン系の消泡剤が好ましく用いられる。一般にシリコン系消泡剤には、オイル型、コンパウンド型、自己乳化型、エマルジョン型などがあるが、水系での使用を考慮すると、自己乳化型、もしくはエマルジョン型を用いることが、信頼性を確保する上で好ましい。また、アミノ変性、カルビノール変性、メタクリル変性、ポリエーテル変性、アルキル変性、高級脂肪酸エステル変性、アルキレンオキサイド変性、等の変性シリコン系消泡剤を使用しても良い。
市販のシリコン系消泡剤で入手可能なものとしては、信越化学工業(株)のシリコーン消泡剤(KS508、KS531、KM72、KM85など:商品名)、東レ・ダウ・コーニング(株)のシリコーン消泡剤(Q2-3183A、SH5510など:商品名)、日本ユニカー(株)のシリコーン消泡剤(SAG30など:商品名)、旭電化工業(株)の消泡剤(アデカノールシリーズ:商品名)などが挙げられる。
そして、この記録液を25℃における粘度が5mPa・s以上になるように調整して作製し、これを前述した実施形態の画像形成装置に使用してサブシステム71による記録ヘッド14の信頼性維持回復動作を行った。この結果、ノズル吸引→ワイピング→キャップ内吸引→再度のキャッピングを行った場合には、吸引キャップ72aのニップ部93に残存している記録液が飛び散って画像品質に影響を与える場合が生じたが、前述した第1例ないし第3例で説明した信頼性維持回復動作を行ったところ、いずれの例でも、吸引キャップ72aのニップ部93の残存記録液量が低減して、記録液の飛び散りが殆ど確認されないか、無くなり、所望の画像品質が得られた。
なお、本発明は、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機などの画像形成装置に適用することができ、また、インク以外の液体である記録液を用いた画像形成装置にも適用することができる。
本発明に係る画像形成装置の一例を示す前方側から見た斜視説明図である。 同画像形成装置の機構部の概略を示す構成図である。 同機構部の要部平面説明図である。 同画像形成装置のサブシステムの平面説明図である。 同サブシステムの吸引キャップの断面説明図である。 同システムの概略構成図である。 同画像形成装置の制御部の概略ブロック説明図である。 信頼性維持回復動作の一例の説明に供するフロー図である。 信頼性維持回復動作の他の例の説明に供するフロー図である。 信頼性維持回復動作の更に他の例の説明に供するフロー図である。
符号の説明
10…インクカートリッジ
13…キャリッジ
14…記録ヘッド
15…サブタンク
71…サブシステム
72a〜72d…キャップ
73…ワイパーブレード
220…吸引ポンプ
231…モータ

Claims (7)

  1. 液滴を吐出する液滴吐出ヘッドのノズル面をキャッピングする吸引キャップと、前記ヘッドのノズル面をワイピングするワイピング手段とを含む信頼性維持手段を備えた画像形成装置において、前記信頼性維持手段は、前記ワイピング手段で前記ヘッドのノズル面をワイピングし、前記吸引キャップを前記ヘッドのノズル面に接触させた後離間させ、再度前記ワイピング手段で前記ヘッドのノズル面をワイピングすることを特徴とする画像形成装置。
  2. 液滴を吐出する液滴吐出ヘッドのノズル面をキャッピングする吸引キャップと、前記ヘッドのノズル面をワイピングするワイピング手段とを含む信頼性維持手段を備えた画像形成装置において、前記信頼性維持手段は、前記吸引キャップで前記ノズル面をキャッピングした状態で前記ノズルから記録液を吸引する吸引工程を複数回行い、最終回の吸引工程での吸引量がそれ以外の回の吸引工程の吸引量よりも少ないことを特徴とする画像形成装置。
  3. 液滴を吐出する液滴吐出ヘッドのノズル面をキャッピングする吸引キャップと、前記ヘッドのノズル面をワイピングするワイピング手段とを含む信頼性維持手段を備えた画像形成装置において、前記信頼性維持手段は、前記ワイピング手段で前記ヘッドのノズル面をワイピングし、前記吸引キャップを前記ヘッドのノズル面に接触させた後離間させ、再度前記ワイピング手段で前記ヘッドのノズル面をワイピングするとともに、前記吸引キャップで前記ノズル面をキャッピングした状態で前記ノズルから記録液を吸引する吸引工程を複数回行い、最終回の吸引工程での吸引量がそれ以外の回の吸引工程の吸引量よりも少ないことを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置において、前記液滴吐出ヘッドに充填される記録液は25℃における粘度が5mPa・s〜20mPa・sであることを特徴とする画像形成装置。
  5. 記録液の液滴を吐出する液滴吐出ヘッドを含む液体吐出装置の信頼性を維持する信頼性維持方法において、前記ヘッドのノズル面をワイピング手段でワイピングする工程を少なくとも2回以上行い、各ワイピング工程の間で前記ヘッドのノズル面をキャッピングするための吸引キャップを前記ノズル面に接触させて、この吸引キャップのニップ部に残存している記録液を前記ノズル面に転移させる工程を行うことを特徴とする液体吐出装置の信頼性維持方法。
  6. 液滴を吐出する液滴吐出ヘッドを含む液体吐出装置の信頼性を維持する信頼性維持方法において、吸引キャップで前記ヘッドのノズル面をキャッピングした状態で吸引を行う工程を少なくとも2回以上行い、最終回の吸引工程では最終回以外の吸引工程よりも吸引量を少なくして吸引を行うことを特徴とする液体吐出装置の信頼性維持方法。
  7. 請求項5又は6に記載の液体吐出装置の信頼性維持方法において、前記記録液は25℃における粘度が5mPa・s〜20mPa・sであることを特徴とする液体吐出装置の信頼性維持方法。
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