JP2005118923A - 穴開けドリルおよびそれを用いた穴開け加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ドリル穴加工を行なう際、ドリル送り速度を大きくしても、加工後の穴位置精度及び貫通孔の内壁粗さという加工品質が良好であり、また、ドリルの刃先の欠け及びドリル折れも発生しないすぐれた穴開けドリルとそれを用いた穴開け加工方法を提供する。
【解決手段】ドリル径が0.30〜0.40mmの範囲にあり、アンダーカット径は、前記ドリル径との差で0.01〜0.02mmの範囲内でアンダーカット径が小さくなる寸法形状であり、かつ所定範囲の寸法形状を有するウエブ厚、ネジレ角、刃先二番角、溝幅比、先端角、刃長を備え、Co含有量が5.5〜9.5重量%の範囲内のWC−Co超硬合金で形成されていることを特徴とする穴開けドリル。
【選択図】図1

Description

本発明は、板状物に穴を開ける穴開けドリルに関するものであり、さらに詳細には、プリント配線板の製造プロセスにおける貫通孔を形成する穴開けに適した穴開けドリルおよびそれを用いた穴開け加工方法に関するものである。
従来からプリント配線板の製造方法においては、層間接続構造の形成のために、プリント配線板にドリルで貫通孔を開けることが行われている。
近年では、電子機器の小型化・高密度化に伴い、産業用にとどまらず民生用の分野においてもプリント配線板の高機能化及び価格競争力の強化が強く要求されるようになってきた。
特に、プリント配線板における価格競争力の強化については、その生産性を向上させる製造方法が重視されるようになってきている。そのため、ドリルでの穴開けを行なうNC穴加工において、その生産性を向上させようとするためには、そのドリルの穴開け方向への送り速度を大きくする穴開け加工方法への要望が高くなってきている。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開2002−224907号公報
しかしながら、従来のドリルを使用したプリント配線板への穴開け方法では、生産性を上げるためにドリル送り速度を大きくさせると、穴加工時のドリル刃先の摩耗量の増大が発生し、穴加工する際の穴位置精度の悪化を生じる可能性があった。
また、ドリル送り速度を大きくすると、単位時間当りの加工量が増加することとなり、その際に生じる基板の切屑量も通常より多く発生してしまう。そのため、切屑の排出性が悪化し、それによりドリル加工後の基板内部の貫通孔の内壁粗さが大きくなるという加工品質の悪化を引き起こすという問題点を有していた。
また、この加工の際の切屑排出性の悪化は、基板加工時のドリルの切れ味を悪化させる。このため、基板に対する穴開けの際の加工に対するドリルへの負担が大きくなってしまい、ドリルの刃先の欠けやドリル折れが発生するという問題点を有していた。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、プリント配線板の穴加工を行なう際、ドリル送り速度を大きくさせても、加工後の穴位置精度及び貫通孔の内壁粗さという加工品質の指標を良好に保つものである。また、加工後のドリルの刃先の欠けやドリル折れの発生しないすぐれた穴開けドリルとそれを用いた穴開け加工方法を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を有する。
本発明の請求項1に記載の発明は、ドリル径が0.30〜0.40mmの範囲にあり、アンダーカット径は、前記ドリル径との差で0.01〜0.02mmの範囲内でアンダーカット径が小さくなる寸法形状であり、かつ所定範囲の寸法形状を有するウエブ厚、ネジレ角、刃先二番角、溝幅比、先端角、刃長を備え、Co含有量が5.5〜9.5重量%の範囲内のWC−Co超硬合金で形成されていることを特徴とする穴開けドリルとしたもので、これにより、ドリル送り速度を大きくする場合にドリルが折れやすくなるという問題に対して、先端付近がやや太いアンダーカット形状を採用することで穴開けが進行した段階で、基板からドリルの中腹部にかかる負荷を低減するという効果を有する。
また、穴開けドリルの素材として、Co含有量が5.5〜9.5重量%の範囲内のWC−Co超硬合金を採用した。この理由は次の通りである。
すなわち、Co含有量が大きすぎると、材質的には脆くなるためドリル折れには強くなるが、ドリルの耐摩耗性は弱くなり、穴位置精度が確保できなくなる。一方、Co含有量が小さすぎると、ドリル折れの発生となる。Co含有量がこの範囲であれば、素材自身の剛性が高く、また、ドリルの耐摩耗性も維持できるため、ドリル折れもなく、穴位置精度も確保できるのである。
本発明の請求項2に記載の発明は、ウエブ厚はドリル径の0.30〜0.40倍の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の穴開けドリルとしたもので、ドリル送り速度を大きくした場合、穴加工時のドリル刃先の摩耗量の増大が発生し、穴加工する際の穴位置精度が悪化するという問題に対し、ウエブ厚を比較的大きくすることにより、ドリルの剛性が増し、ドリル送り速度を大きくした穴加工においても、穴位置精度の悪化を軽減させるという作用効果を有する。
本発明の請求項3に記載の発明は、ネジレ角は40〜45°の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の穴開けドリルとしたもので、従来のドリル送り速度においては、ネジレ角が小さい方が切屑の排出性は良いとされていた。これは、ドリル穴加工時の切屑は、螺旋状を形成した溝が切屑の排出経路となり、その溝に沿って排出される構造であるため、ネジレ角が小さい場合には、切屑の排出経路が短くなるためである。しかし、ドリル送り速度を大きくする場合は、対象板のドリルの加工所要時間がより短くなるため、切屑排出のための所要時間が短くなる。また、より切屑の排出方向が軸方向ではなく円周方向となるため、よりネジレ角を40〜45°として従来より大きくした方が切屑の排出性がより良好となるという作用効果を有する。
本発明の請求項4に記載の発明は、刃先二番角は10〜15°の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の穴開けドリルとしたもので、ドリル送り速度を大きくすると、刃先の欠けの発生が多くなるという問題に対して、ドリル刃先部の刃先二番角を従来より小さくすることにより、プリント配線板を穴加工する際の刃先の強度がより強くなる形状とし、刃先の欠けを防止するという作用効果を有する。
本発明の請求項5に記載の発明は、溝幅比は2.0〜2.5倍の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の穴開けドリルとしたもので、溝間幅に対する溝幅の比率、すなわち溝幅比を従来と比較して大きくすることによって、溝幅を広げて切屑の排出経路を確保することができる。これにより、ドリルの剛性を上げるためにウエブ厚を大きくすることで、溝が浅くなってしまうという欠点を補うことができ、切屑(特に導電層の金属成分)の排出性を向上させてドリルへの負荷を低減するという作用効果を有する。
本発明の請求項6に記載の発明は、ウエブ厚はドリル径の0.30〜0.40倍の範囲であり、ネジレ角は40〜45°の範囲であり、刃先二番角は10〜15°の範囲であり、溝幅比は2.0〜2.5倍の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の穴開けドリルとしたもので、先端付近がやや太いアンダーカット形状を採用することでドリルにかかる負荷を低減するという効果と、ドリルの高剛性・高耐摩耗性によるドリル折れの防止および穴位置精度も確保できるという作用効果を有するものの、材質的にはやや脆い。
これを補うために、ウエブ厚を比較的大きくすることによるドリル剛性の向上、ネジレ角を40〜45°とすることによる切屑排出性の向上、ドリル刃先部の刃先二番角を従来より小さくすることによる刃先強度の強化、溝幅比を従来と比較して大きくすることによる切屑排出性の向上とドリルへの負荷を低減するという、ドリルの形状的な要素による作用効果を組み合わせることによって、ドリル強度を確保し、ドリル送り速度の大きい穴開け加工を容易に行うことができるという作用効果を有する。
本発明の請求項7に記載の発明は、先端角は130〜140°の範囲であることを特徴とする請求項1または請求項6に記載の穴開けドリルとしたもので、先端角を従来より大きく(鈍角)することによって、先端部の強度を確保し、プリント配線板に対する接触の瞬間に起こるドリル欠けを防止できるという作用効果を有する。
本発明の請求項8に記載の発明は、刃長は5.0〜6.0mmの範囲であることを特徴とする請求項1または請求項6に記載の穴開けドリルとしたもので、刃長を従来より長めにすることで、プリント配線板を多数重ねて一度に穴開けすることができ生産性を向上するという効果を有する。また、刃長を6.0mm以下とすることで、長すぎることによるドリル剛性の低下という弊害を生じることなく、ドリル折れの発生や穴位置精度の悪化を防止するという作用効果を有する。
本発明の請求項9に記載の発明は、先端角は130〜140°の範囲であり、刃長は5.0〜6.0mmの範囲であることを特徴とする請求項1または請求項6に記載の穴開けドリルとしたもので、ドリル欠けを防止しつつ生産性をも向上するという作用効果を有する。
本発明の請求項10に記載の発明は、請求項1または請求項6に記載の穴開けドリルを、所定の回転数、および所定のドリル送り速度で被加工物に穴開けを行う穴開け加工方法としたもので、本発明の穴開けドリルは、ドリル剛性を向上させ、さらにドリルの加工時に発生する切屑排出性を向上させたドリルである。この穴開けドリルを用いて被加工物に穴開けを行う穴開け加工方法を採用することで、ドリル送り速度を大きくしても、加工後の穴位置精度及び加工後の基板内部の貫通孔の内壁粗さという加工品質が良好であり、また、加工後のドリルの刃先の欠け及びドリル折れも発生しないすぐれた穴開け加工方法を実現できるという作用効果を有する。
本発明の請求項11に記載の発明は、回転数が12万rpm、ドリル送り速度が130〜200ipmであることを特徴とする請求項10に記載の穴開け加工方法としたもので、貫通孔の内壁粗さという加工品質が良好であり、また、加工後のドリルの刃先の欠け及びドリル折れが発生しない穴開け加工方法での加工条件を提供するものである。
本発明の請求項12に記載の発明は、被加工物はガラス繊維を含むものであることを特徴とする請求項10に記載の穴開け加工方法としたもので、ガラス繊維を含む被加工物としての対象板に対して、穴位置精度の向上に特に効果がある。
本発明によれば、ドリル穴加工を行なう際、ドリル送り速度を大きくさせても、加工後の穴位置精度及び加工後の基板内部の貫通孔の内壁粗さという加工品質の指標を良好に保ち、また、加工後のドリル刃先の欠けやドリル折れの発生しないすぐれた穴開けドリルとそれを用いた穴開け加工方法を実現できるものである。
(実施の形態1)
本実施の形態は、プリント配線板の製造工程において、0.35mm程度の直径の貫通孔を開けるための穴開けドリル及びそれを用いた穴開け方法についてである。
以下に、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態1における穴開けドリルの側面図であり、図2は、穴開けドリル1のアンダーカット部22の断面図である。
図1において、螺旋状に溝11が切られた刃部31と、工作機器に取り付けるためのシャンク部32とを有しており、その刃部31のうち、さらに先端付近はそれ以外の部分よりやや太径の先端部21と、その先端部21を除いた部分のアンダーカット部22とで構成されている。また、刃部31のうち、溝11と溝11との間の部分を溝間12といい、その穴開けドリル1の溝11は、二重の螺旋状を形成している。
穴開けドリル1の各部寸法等を以下のように表示する。
すなわち、先端部21の直径をドリル径d、アンダーカット部22の直径をアンダーカット径u、刃部31の全長を刃長L、刃部31の先端から溝11の終端までの長さを溝長M、溝11の軸方向における幅を溝間幅a、溝間12の軸方向における幅を溝幅b、先端の開き角を先端角φ、先端の逃げ角を刃先二番角λ、溝11が側面上で軸方向となす角をネジレ角θと称する。
また、図2において、穴開けドリル1のアンダーカット部22の断面図における溝11と溝11に挟まれた部分の肉厚をウエブ厚wと表示する。
本実施の形態における穴開けドリル1は、ドリル径dを0.35mm、アンダーカット径uを0.33とした。
このように先端部21とその後方との間にわずかの段差のあるアンダーカット形状とすることにより、穴開けが進行して先端部21が対象板の裏面に突出した後の時点において、穴開けドリル1にかかる負荷を軽減させるためである。また、被加工物としての対象板に開いた貫通孔の内壁面と穴開けドリル1との外面との間にわずかの隙間ができるため、これにより穴開けドリル1のドリル折れを防止することができる。ドリル径dとアンダーカット径uとの差(d−u)は、あまり小さすぎる場合には意味がなく、逆に大きすぎるとアンダーカット径uの不足により、穴開けドリル1の強度自身が低下してしまうこととなる。このため、差(d−u)は、0.01〜0.02mmの範囲内が適切であり、本実施の形態では、0.02mmとした。
また、穴開けドリル1ではウエブ厚wを0.12mmとした。これは、ドリル径dに対して0.34倍に相当する。ドリル送り速度が大きい穴加工を行なうためには、ドリル径に対するウエブ厚wの比率をもっと大きく取らなければならない。しかしながら、あまりウエブ厚wを大きくしすぎると、溝11の本来の役割である切屑の排出経路としての機能が低下してしまう。切屑が詰まってしまうと、局所的にドリルに大きな負荷がかかり、ドリル折れの発生となる。このため、この比率の好ましい範囲は、0.30〜0.40倍であり、本実施の形態では0.34倍としたのである。
また、本実施の形態における穴開けドリル1は、ネジレ角θを40°とした。従来の穴開けドリルでは、切屑排出性の点からネジレ角は小さい方が良いとされており、30°程度である。
しかし、ドリル送り速度が大きくなると、対象板のドリルの加工所要時間がより短くなるため、切屑排出のための所要時間が短くなり、また、より切屑の排出方向が軸方向ではなく円周方向となるため、ネジレ角θを40°とした実験の結果、良好な切屑排出性が得られた。
さらに、本実施の形態における穴開けドリル1は、刃先二番角λを10°とした。従来の穴開けドリルでは、刃先二番角は20°程度である。
しかし、ドリル送り速度が従来より大きくなると、基板の先端部21に対する負荷が大きくなるため、刃先の欠けの発生が多くなってしまう。そこで、ドリル刃先部の刃先二番角λを小さくすることにより、穴加工をする際の対象板に対する刃先の強度がより強くなる形状としたのである。
さらに、本実施の形態における穴開けドリル1は、溝幅bの溝間幅aに対する比率(以下、溝幅比と称す)を2.3としている。従来の穴開けドリルではこの溝幅比は小さく、1.6程度しかない。
しかし、前述のように本実施の形態では、ドリルの強度を確保するために、ウエブ厚wを大きくしている。これは溝11が浅いことを意味するので、その分溝幅間aを広げて溝11の断面積を確保しないと切屑の排出性が悪くなるためである。このため、溝幅比は2.0〜2.5程度あることが望ましく、本実施の形態では2.3としたのである。
さらに、本実施の形態における穴開けドリル1は、WC−Co超硬合金を素材とするとともに、そのCo含有量を6.0重量%としている。従来の穴開けドリルでは、Co含有量は12%程度である。
しかし、本実施の形態のように、ドリル送り速度の大きいドリル穴加工を行なう場合には、素材のたわみによる穴位置精度の低下が問題となってくる。
特に、対象板がガラス繊維を含むものである場合には穴位置精度のズレが生じやすい。Co含有量を5.5〜9.5重量%程度まで下げると、WC−Co超硬合金の硬度が高く、穴位置精度を確保できるのである。そこで、本実施の形態では6.0重量%としたのである。
なお、Co含有量の低減は、材料的には脆いというマイナス面も伴うことは避けられない。本実施の形態では、前述の各対策により、ドリルの形状的な要素でドリルの強度を確保することにより、ドリル送り速度の大きいドリル穴開け加工方法が実現できるのである。
そして、穴開けドリル1では、先端角φを130°としている。先端角φが小さいとドリル先端付近の強度が低くなる。ドリル径d(及び穴径)が従来程度に大きすぎる場合にはドリル先端に局部的に大きな負荷が発生し、ドリルの直線性が損なわれてしまうため、穴位置精度が悪化となる。ドリル先端部の強度を確保し、かつ、生産性を向上させるため、先端角φを130〜140°程度とし、本実施の形態では130°とした。
そして、本実施の形態における穴開けドリル1は、刃長Lを5.2mmとしている。また、溝長Mも5.0mm確保している。
通常、刃長を長めにすると、プリント配線板を多数重ねて一度に穴開けし、生産性を上げられるが、逆にあまり長すぎると加工する際にドリルの剛性が不足し、ドリル折れの発生や穴位置精度が悪化するためである。
本実施の形態では、前述の各方策によりドリルの形状的な要素でドリル強度を確保することによりドリル折れを防止しているため、ドリル送り速度が大きい場合においても、穴開け加工を実現することができるのである。
上記の本実施の形態における穴開けドリル1を用いた穴開け加工方法について、以下に説明する。
試験条件は、次のとおりとした。
まず、対象板は、FR−4相当であり、それに銅箔を重ね合わせたもの(板厚:t=1.2mm、銅箔18μm)とし、3枚重ねでドリル穴開け加工を実施した。
また、あて板は、現在主流であるエントリーボード(LEシート、三菱ガス化学製)を用い、捨て板としてはベーク板を用いた。
そして、ドリルの回転数を120Krpmとし、ドリル送り速度を2.4m/min、3.6m/min、4.2m/min、4.8m/minの4条件で穴開け加工した。ここでは、回転数を一定としているため、各ドリル送り速度の設定により、それぞれの1回転あたりのドリルの軸方向への移動量を示すチップロードは、20μm/rev、30μm/rev、35μm/rev、40μm/revとなる。
この試験条件により、各ドリル送り速度の条件について、各10本の穴開けドリル1で実施した結果、4000ピット(4000穴)までドリルの刃先の欠けやドリル折れは発生せず、切屑の詰まりも発生しなかった。
一方、比較例として用いた従来型のドリルでは、特にチップロードが大きい場合において、ドリルの刃先の欠けやドリルの摩耗量が異常に大きくなった。また、その時の各ドリル送り速度による穴位置精度を示す穴位置精度は、図3に示す結果が得られた。
従来型のドリルと本発明のドリルとではドリル送り速度による影響が異なり、穴開けドリル1(図中、開発品)では、ドリル送り速度を大きくするにしたがい、穴位置精度は小さくなっていることがわかる。これに対し、従来型のドリル(図中、従来品)では、ドリル送り速度を大きくしても、その穴位置精度は大きい値であり、ほとんど変わらない結果となった。
この結果より、60μmを越える位置ずれはなく、良好な穴位置精度が得られた。特に、開発品において、ドリル送り速度4.2m/minの場合での3000ピット時の穴位置精度分布の結果を図4に示す。
また、各開けた穴の内壁の粗さを測定し、従来型のドリルと比較したところ、図5に示す結果が得られた。これによれば、従来品と開発品とでは穴位置精度と同様、ドリル送り速度による影響が異なり、穴開けドリル1(図中、開発品)では、各ドリル送り速度による内壁粗さは3.6m/minで10μm前後と小さくなり、その後ドリル送り速度を大きくしてもその内壁粗さは10μm前後を維持していることがわかる。
この結果より、15μmを越える内壁粗さはなく、良好な内壁粗さが得られた。一方、従来型のドリルでは、ドリル送り速度を大きくすると、その内壁粗さはほぼ同等であり、そのバラツキは大きくなる結果となった。
以上、詳細に説明したように本実施の形態によれば、穴開けドリル1の形状をアンダーカット形状とし、各ドリル形状仕様についてドリルの強度を確保し、切屑排出性にも考慮した剛性の高い素材で構成している。
これにより、ドリル穴加工を行なう際のドリル送り速度を大きくさせても、加工後の穴位置精度及び加工後の基板内部の貫通孔の内壁粗さという加工品質が良好であり、また、加工後のドリルの刃先の欠け及びドリル折れも発生しないすぐれた穴開けドリル及びその穴開けドリルを用いた穴開け加工方法を実現している。
本発明にかかる穴開けドリルは、プリント配線板の穴加工を行なう際、ドリル送り速度を大きくさせても、加工後の穴位置精度及び基板内部の貫通孔の内壁粗さという加工品質が良好であり、また、加工後のドリルの刃先の欠け及びドリル折れも発生しないという効果を有している。また、加工後のドリルの刃先の欠け及びドリル折れ等の信頼性を高めることが必要なプリント配線板の製造プロセスに適した穴開けドリルとして適用することができる。よって本発明は、産業上の利用可能性が大といえる。
本発明の実施の形態における穴開けドリルの側面図 同実施の形態における穴開けドリルのアンダーカット部の断面図 同実施の形態における穴位置精度を示すグラフ 同実施の形態における穴位置精度分布図 同実施の形態における内壁粗さを示すグラフ
符号の説明
1 穴開けドリル
11 溝
12 溝間
21 先端部
22 アンダーカット部
31 刃部
32 シャンク部
a 溝間幅
b 溝幅
w ウエブ厚
d ドリル径
u アンダーカット径
L 刃長
M 溝長
φ 先端角
θ ネジレ角
λ 刃先二番角

Claims (12)

  1. ドリル径が0.30〜0.40mmの範囲にあり、アンダーカット径は、前記ドリル径との差で0.01〜0.02mmの範囲内でアンダーカット径が小さくなる寸法形状であり、かつ所定範囲の寸法形状を有するウエブ厚、ネジレ角、刃先二番角、溝幅比、先端角、刃長を備え、Co含有量が5.5〜9.5重量%の範囲内のWC−Co超硬合金で形成されていることを特徴とする穴開けドリル。
  2. ウエブ厚はドリル径の0.30〜0.40倍の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の穴開けドリル。
  3. ネジレ角は40〜45°の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の穴開けドリル。
  4. 刃先二番角は10〜15°の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の穴開けドリル。
  5. 溝幅比は2.0〜2.5倍の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の穴開けドリル。
  6. ウエブ厚はドリル径の0.30〜0.40倍の範囲であり、ネジレ角は40〜45°の範囲であり、刃先二番角は10〜15°の範囲であり、溝幅比は2.0〜2.5倍の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の穴開けドリル。
  7. 先端角は130〜140°の範囲であることを特徴とする請求項1または請求項6に記載の穴開けドリル。
  8. 刃長は5.0〜6.0mmの範囲であることを特徴とする請求項1または請求項6に記載の穴開けドリル。
  9. 先端角は130〜140°の範囲であり、刃長は5.0〜6.0mmの範囲であることを特徴とする請求項1または請求項6に記載の穴開けドリル。
  10. 請求項1または請求項6に記載の穴開けドリルを、所定の回転数、および所定のドリル送り速度で被加工物に穴開けを行う穴開け加工方法。
  11. 回転数が12万rpm、ドリル送り速度が130〜200ipmであることを特徴とする請求項10に記載の穴開け加工方法。
  12. 被加工物はガラス繊維を含むものであることを特徴とする請求項10に記載の穴開け加工方法。
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