JP2005177907A - 穴加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な穴加工が可能となるドリルヒット数を増加させ、さらに研磨によるドリルの再使用の回数を増やすことで、ドリル寿命を延ばすことを目的とする。
【解決手段】特定のドリルを用いて、所定の回転数およびドリル送り速度で被加工物への穴開けを、所定のヒット数行った後、ドリルに生じた摩耗部分を研磨により除去する。これにより、プリント配線板の穴加工を行う際、ドリル送り速度を大きくさせても、ドリルの刃先の欠けやドリル折れが発生することなく、加工後の穴位置精度及び貫通孔の内壁粗さという加工品質の指標を良好に保ち、かつ良好な穴加工が可能となり、ドリル寿命を延ばすことができる穴加工方法を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、板状物にドリルを用いて穴を開ける加工方法に関するものであり、具体的には、プリント配線板の製造プロセスにおける貫通孔を形成する穴加工方法に関するものである。
従来からプリント配線板の製造方法においては、層間接続構造の形成のために、プリント配線板にドリルで貫通孔を開けることが行われている。
近年では、電子機器の小型化・高密度化に伴い、産業用にとどまらず民生用の分野においてもプリント配線板の高機能化及び価格競争力の強化が強く要求されるようになってきた。
特に、プリント配線板における価格競争力の強化については、その生産性を向上させる製造方法が重視されるようになってきている。そのため、ドリルでの穴開けを行うNC穴加工において、その生産性を向上させようとするためには、そのドリルの穴開け方向への送り速度を大きくする穴加工方法への要望が高くなってきている。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開2002−224907号公報
しかしながら、従来のドリルを使用したプリント配線板への穴開け方法では、生産性を上げるためにドリル送り速度を大きくさせると、穴加工時のドリル刃先の摩耗量の増大が発生し、穴加工する際の穴位置精度の悪化を生じる可能性があった。
また、ドリル刃先の摩耗量の増大は、穴加工できるヒット数の減少をともない、その結果、ドリル寿命を短くするものであった。
また、ドリル送り速度を大きくすると、単位時間当たりの加工量が増大することとなり、その際に生じる基板の切屑量も通常より多く発生してしまう。このため、切屑の排出性が悪化し、それによりドリル加工後の基板内部の貫通孔の内壁粗さが大きくなるという加工品質の悪化を引き起こすという問題点を有していた。
さらに、この加工の際の切屑排出性の悪化は、基板加工時のドリルの切れ味を悪化させる。このため、基板に対する穴開けの際の加工に対するドリルへの負担が大きくなってしまい、ドリルの刃先の欠けやドリル折れが発生するという問題点を有していた。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、プリント配線板の穴加工を行う際、ドリル送り速度を大きくさせても、ドリルの刃先の欠けやドリル折れの発生することなく、加工後の穴位置精度及び貫通孔の内壁粗さという加工品質の指標を良好に保ち、かつ良好な穴加工が可能となるヒット数を、大幅に増加させることによりドリル寿命を延ばすことができる穴加工方法を提供するものである。
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を有する。
本発明の請求項1に記載の発明は、ドリルを用いて、以下の(1)(2)手順を少なくとも1回繰り返して行った後、被加工物に穴開けを行う穴加工方法。(1)所定の回転数およびドリル送り速度で被加工物への穴開けを、所定のヒット数行う。(2)前記ドリルに生じた摩耗部分を研磨により除去する。としたもので、所定のヒット数経過後の研磨の回数、すなわちドリルの再使用の回数を増やすことができ、ドリル寿命を延ばすことができるという効果を有する。
特に、請求項2に記載するドリルを用いることにより、ドリル穴加工を行う際のドリル送り速度を大きくさせても、加工後の穴位置精度及び加工後の基板内部の貫通孔の内壁粗さという加工品質が良好であり、また、加工後のドリルの刃先の欠け及びドリル折れが発生することもなく、良好な穴加工が可能となるドリルのヒット数は、従来と比較して大幅に増加させることができるという効果を有する。
本発明の請求項2に記載の発明は、ドリルは、ドリル径が0.30〜0.40mmの範囲にあり、アンダーカット径は、前記ドリル径との差で0.01〜0.02mmの範囲内でアンダーカット径が小さくなる寸法形状であり、かつ所定範囲の寸法形状を有するウエブ厚、ネジレ角、刃先二番角、溝幅比、先端角、刃長を備え、Co含有率が5.5〜9.5重量%の範囲内のWC−Co超硬合金で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の穴加工方法としたもので、これにより、ドリル送り速度を大きくする場合にドリルが折れやすくなるという問題に対して、先端付近がやや太いアンダーカット形状を採用することで穴開けが進行した段階で、基板からドリルの中腹部にかかる負荷を低減するという効果を有する。
また、ドリルの素材として、Co含有量が5.5〜9.5重量%の範囲内のWC−Co超硬合金を採用した。この理由は次の通りである。
すなわち、Co含有量が大きすぎると、材質的には脆くなるためドリル折れには強くなるが、ドリルの耐摩耗性は弱くなり、穴位置精度が確保できなくなる。一方、Co含有量が小さすぎると、ドリル折れの発生となる。Co含有量がこの範囲であれば、素材自身の剛性が高く、また、ドリルの耐摩耗性も維持できるため、ドリル折れもなく、穴位置精度も確保できるのである。
さらに、所定のヒット数経過後の研磨の回数、すなわちドリルの再使用の回数を増やすことができ、ドリル寿命を延ばすことができるという効果を有する。
本発明の請求項3に記載の発明は、ウエブ厚は、ドリル径の0.30〜0.40倍の範囲であることを特徴とする請求項2に記載の穴加工方法としたもので、ドリル送り速度を大きくした場合、穴加工時のドリル刃先の摩耗量の増大が発生し、穴加工する際の穴位置精度が悪化するという問題に対し、ウエブ厚を比較的大きくすることにより、ドリルの剛性が増し、ドリル送り速度を大きくした穴加工においても、穴位置精度の悪化を軽減させるという作用効果を有する。
本発明の請求項4に記載の発明は、ネジレ角は、40〜45°の範囲であることを特徴とする請求項2に記載の穴加工方法としたもので、従来のドリル送り速度においては、ネジレ角が小さい方が切屑の排出性は良いとされていた。これは、ドリル穴加工時の切屑は、螺旋状を形成した溝が切屑の排出経路となり、その溝に沿って排出される構造であるため、ネジレ角が小さい場合には、切屑の排出経路が短くなるためである。しかし、ドリル送り速度を大きくする場合は、対象板のドリルの加工所要時間がより短くなるため、切屑排出のための所要時間が短くなる。また、より切屑の排出方向が軸方向ではなく円周方向となるため、よりネジレ角を40〜45°として従来より大きくした方が切屑の排出性がより良好となるという作用効果を有する。
本発明の請求項5に記載の発明は、刃先二番角は、10〜15°の範囲であることを特徴とする請求項2に記載の穴加工方法としたもので、ドリル送り速度を大きくすると、刃先の欠けの発生が多くなるという問題に対して、ドリル刃先部の刃先二番角を従来より小さくすることにより、プリント配線板を穴加工する際の刃先の強度がより強くなる形状とし、刃先の欠けを防止するという作用効果を有する。
本発明の請求項6に記載の発明は、溝幅比は、2.0〜2.5倍の範囲であることを特徴とする請求項2に記載の穴加工方法としたもので、溝間幅に対する溝幅の比率、すなわち溝幅比を従来と比較して大きくすることによって、溝幅を広げて切屑の排出経路を確保することができる。これにより、ドリルの剛性を上げるためにウエブ厚を大きくすることで、溝が浅くなってしまうという欠点を補うことができ、切屑(特に導電層の金属成分)の排出性を向上させてドリルへの負荷を低減するという作用効果を有する。
本発明の請求項7に記載の発明は、ウエブ厚は、ドリル径の0.30〜0.40倍の範囲であり、ネジレ角は40〜45°の範囲であり、刃先二番角は10〜15°の範囲であり、溝幅比は2.0〜2.5倍の範囲であることを特徴とする請求項2に記載の穴加工方法としたもので、先端付近がやや太いアンダーカット形状を採用することでドリルにかかる負荷を低減するという効果と、ドリルの高剛性・高耐摩耗性によるドリル折れの防止および穴位置精度も確保できるという作用効果を有するものの、材質的にはやや脆い。
これを補うために、ウエブ厚を比較的大きくすることによるドリル剛性の向上、ネジレ角を40〜45°とすることによる切屑排出性の向上、ドリル刃先部の刃先二番角を従来より小さくすることによる刃先強度の強化、溝幅比を従来と比較して大きくすることによる切屑排出性の向上とドリルへの負荷を低減するという、ドリルの形状的な要素による作用効果を組み合わせることによって、ドリル強度を確保し、ドリル送り速度の大きい穴開け加工を容易に行うことができるという作用効果を有する。
本発明の請求項8に記載の発明は、先端角は、130〜140°の範囲であることを特徴とする請求項2または請求項7に記載の穴加工方法としたもので、先端角を従来より大きく(鈍角)することによって、先端部の強度を確保し、プリント配線板に対する接触の瞬間に起こるドリル欠けを防止できるという作用効果を有する。
本発明の請求項9に記載の発明は、刃長は、5.0〜6.0mmの範囲であることを特徴とする請求項2または請求項7に記載の穴加工方法としたもので、刃長を従来より長めにすることで、プリント配線板を多数重ねて一度に穴開けすることができ生産性を向上するという効果を有する。また、刃長を6.0mm以下とすることで、長すぎることによるドリル剛性の低下という弊害を生じることなく、ドリル折れの発生や穴位置精度の悪化を防止するという作用効果を有する。
本発明の請求項10に記載の発明は、先端角は、130〜140°の範囲であり、刃長は5.0〜6.0mmの範囲であることを特徴とする請求項2または請求項7に記載の穴加工方法としたもので、ドリル欠けを防止しつつ生産性をも向上するという作用効果を有する。
本発明の請求項11に記載の発明は、所定のヒット数は、4000ヒット以下であることを特徴とする請求項1に記載の穴加工方法としたもので、所定のヒット数を4000ヒット以下とすることで、20μmを超える内壁粗さが発生せず、良好な内壁粗さを得ることができる。また、4000ヒット後のドリルの摩耗に対して研磨を施すことにより、ドリルの再使用を実現できるという作用効果を有する。
本発明の請求項12に記載の発明は、所定の回転数およびドリル送り速度は、回転数12万rpmおよびドリル送り速度130〜200ipm、または、回転数10万rpmおよびドリル送り速度60〜180ipmであることを特徴とする請求項1に記載の穴加工方法としたもので、貫通孔の内壁粗さという加工品質が良好であり、また、加工後のドリルの刃先の欠け及びドリル折れが発生しない穴加工方法での加工条件を提供するものである。
本発明の請求項13に記載の発明は、被加工物は、ガラス繊維を含むものであることを特徴とする請求項1に記載の穴加工方法としたもので、ガラス繊維を含む被加工物としての対象板に対して、穴位置精度の向上に特に効果がある。
本発明の請求項14に記載の発明は、(1)(2)手順を2回繰り返して行った後、被加工物に穴開けを、3000ヒットで行うことを特徴とする請求項1に記載の穴加工方法としたもので、ドリルを所定のヒット数の穴加工の後生じたドリルの摩耗に対して2回研磨を施し、さらに3000ヒットの穴加工を行うことで、ドリルの再使用を実現させ、ドリルの寿命を延ばすとともに、良好な内壁粗さを得ることができる穴加工方法を提供する。
本発明の請求項15に記載の発明は、ドリル送り速度を4.2m/min、または4.8m/minとしたことを特徴とする請求項14に記載の穴加工方法としたもので、比較的ドリル送り速度を大きくした場合においても、良好な穴位置精度と内壁粗さを有する穴加工方法を提供し、さらにドリルの再使用を実現させ、ドリルの寿命を延ばすことができる。
本発明によれば、ドリル穴加工を行う際、ドリル送り速度を大きくさせても、加工後の穴位置精度及び加工後の基板内部の貫通孔の内壁粗さという加工品質の指標を良好に保ち、また、加工後のドリル刃先の欠けやドリル折れの発生することもない。
また、良好な穴加工が可能となるヒット数を、従来と比較して大幅に増加させることができ、穴加工でのドリル寿命を延ばすことができるという効果を有する。
(実施の形態)
本実施の形態は、プリント配線板の製造工程において、0.35mm程度の直径の貫通孔を開けるための穴加工方法についてである。
以下に、図面を参照にしながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態の穴加工の際、使用するドリルの側面図であり、図2は、ドリル1のアンダーカット部22の断面図である。
図1において、螺旋状に溝11が切られた刃部31と、工作機器に取り付けるためのシャンク部32とを有しており、その刃部31のうち、さらに先端付近はそれ以外の部分よりやや太径の先端部21と、その先端部21を除いた部分のアンダーカット部22とで構成されている。また、刃部31のうち、溝11と溝11との間の部分を溝間12といい、そのドリル1の溝11は、二重の螺旋状を形成している。
ドリル1の各部寸法等を以下のように表示する。
すなわち、先端部21の直径をドリル径d、アンダーカット部22の直径をアンダーカット径u、刃部31の全長を刃長L、刃部31の先端から溝11の終端までの長さを溝長M、溝11の軸方向における幅を溝間幅a、溝間12の軸方向における幅を溝幅b、先端の開き角を先端角φ、先端の逃げ角を刃先二番角λ、溝11が側面上で軸方向となす角をネジレ角θと称する。
また、図2において、ドリル1のアンダーカット部22の断面図における溝11と溝11に挟まれた部分の肉厚をウエブ厚wと表示する。
本実施の形態で用いるドリル1は、ドリル径dを0.35mm、アンダーカット径uを0.33とした。
このように先端部21とその後方との間にわずかに段差のあるアンダーカット形状とすることにより、穴開けが進行して先端部21が対象板の裏面に突出した後の時点において、ドリル1にかかる負荷を低減させることができる。
また、被加工物としての対象板に開いた貫通孔の内壁面とドリル1との外面との間にわずかの隙間ができるため、これによりドリル1のドリル折れを防止することができる。
ドリル径dとアンダーカット径uとの差(d−u)は、あまり小さすぎる場合には意味がなく、逆に大きすぎるとアンダーカット径uの不足により、ドリル1の強度自身が低下してしまうこととなる。このため、差(d−u)は、0.01〜0.02mmの範囲内が適切であり、本実施の形態では0.02mmとした。
また、ドリル1は、ウエブ厚wを0.12mmとした。これは、ドリル径dに対して0.34倍に相当する。ドリル送り速度を大きくして穴加工を行うためには、ドリル径に対するウエブ厚wの比率をもっと大きく取らなければならない。しかしながら、あまりウエブ厚wを大きくしすぎると、溝11の本来の役割である切屑の排出経路としての機能が低下してしまう。切屑が詰まってしまうと、局所的にドリルに大きな負荷がかかり、ドリル折れの発生となる。このため、この比率の好ましい範囲は、0.30〜0.40倍であり、本実施の形態では0.34倍としたのである。
また、ドリル1は、ネジレ角θを40°とした。従来のドリルでは、切屑排出性の点からネジレ角は小さい方が良いとされており、30°程度である。しかし、ドリル送り速度が大きくなると、対象板のドリルの加工所要時間がより短くなるため、切屑排出のための所要時間が短くなり、また、より切屑の排出方向が軸方向ではなく円周方向となるため、ネジレ角θを40°とした実験の結果、良好な切屑排出性が得られた。
さらに、ドリル1は、刃先二番角λを10°とした。従来のドリルでは、刃先二番角は20°程度である。
しかし、ドリル送り速度が従来より大きくなると、基板の先端部21に対する負荷が大きくなるため、刃先の欠けの発生が多くなってしまう。そこで、ドリル刃先部の刃先二番角λを小さくすることにより、穴加工をする際の対象板に対する刃先の強度がより強くなる形状としたのである。
さらに、ドリル1は、溝幅bの溝間幅aに対する比率(以下、溝幅比と称す)を2.3としている。従来のドリルではこの溝幅比は小さく、1.6程度しかない。しかし、前述のように本実施の形態では、ドリルの強度を確保するために、ウエブ厚wを大きくしている。これは溝11が浅いことを意味するので、その分溝間幅aを広げて溝11の断面積を確保しないと切屑の排出性が悪くなるためである。このため、溝幅比は2.0〜2.5程度あることが望ましく、本実施の形態では2.3としたのである。
さらに、ドリル1は、WC−Co超硬合金を素材とするとともに、そのCo含有量を6.0重量%としている。従来のドリルでは、Co含有量は12%程度である。しかし、本実施の形態のように、ドリル送り速度の大きいドリル穴加工を行う場合には、素材のたわみによる穴位置精度の低下が問題となってくる。
特に、対象板がガラス繊維を含むものである場合には穴位置精度のズレが生じやすい。Co含有量を5.5〜9.5重量%程度まで下げると、WC−Co超硬合金の硬度が高く、穴位置精度を確保できるのである。そこで、本実施の形態では6.0重量%としたのである。なお、Co含有量の低減は、材料的には脆いというマイナス面も伴うことは避けられない。本実施の形態では、前述の各対策により、ドリルの形状的な要素でドリルの強度を確保することにより、ドリル送り速度の大きいドリル穴加工方法が実現できるのである。
そして、ドリル1では、先端角φを130°としている。先端角φが小さいとドリル先端付近の強度が低くなる。ドリル径d(及び穴径)が従来程度に大きすぎる場合にはドリル先端に局部的に大きな負荷が発生し、ドリルの直線性が損なわれてしまうため、穴位置精度が悪化となる。ドリル先端部の強度を確保し、かつ、生産性を向上させるため、先端角φを130〜140°程度とし、本実施の形態では130°とした。
そして、本実施の形態におけるドリル1は、刃長Lを5.2mmとしている。また、溝長Mも5.0mm確保している。通常、刃長を長めにすると、プリント配線板を多数重ねて一度に穴開けし、生産性を上げられるが、逆にあまり長すぎると加工する際にドリルの剛性が不足し、ドリル折れの発生や穴位置精度が悪化するためである。
本実施の形態では、前述の各対策によりドリルの形状的な要素でドリル強度を確保することによりドリル折れを防止しているため、ドリル送り速度が大きい場合においても、穴開け加工を実現することができるのである。
また、本実施の形態で用いるドリル1は、高いドリル送り速度での穴加工を対象とするため、基板の加工時間を短くすることができる。これにより、ドリルへの加工時の負荷が減少し、ドリルの摩耗量が小さくなる。
一般に、ドリルの穴加工回数(ヒット数)が増加すると、ドリルの摩耗量が増し、その影響で穴位置精度が悪化することが知られている。
一方、本発明は、高いドリル送り速度での穴加工に適したドリルを用いることにより、ヒット数の増加によるドリルの摩耗量は従来と比較して小さくすることができる。
このことから、ドリルの摩耗が大きくなることによる穴位置精度の悪化を減少させることができるため、穴加工の可能回数となるドリルのヒット数、すなわちドリル寿命を長くすることが可能となる。
また、本発明は、高いドリル送り速度での穴加工に適したドリルを用いることにより、穴加工によるドリル摩耗量を小さくすることができる。
これにより、後述するドリルの再研磨において、ドリルの摩耗部分を研磨により除去する研磨量を少なくすることが可能となる。
この結果、ドリルを再使用するために行う所定ヒット数経過後のドリルの再研磨の回数を増加させることができ、ドリル寿命を長くすることが可能となる。
ここで、本実施の形態で用いるドリル1と従来のドリルとの摩耗量の比較について、以下に説明する。
図6は、4000ヒット加工後のドリルの摩耗量を示したものであり、(a)は従来品、(b)は開発品である。また、加工後の摩耗量の斜線部をそれぞれSa、Sbとする。
図6より、従来型のドリルの摩耗量Saは大きいが、一方、本実施の形態で用いるドリル1(図中、開発品)の摩耗量Sbは小さくなっていることがわかる。
上記の本発明の本実施の形態におけるドリル1を用いた穴加工方法について、以下に説明する。
試験条件は、以下の通りとした。
まず、被加工物としての基板は、FR−4相当であり、それに銅箔を重ね合わせたもの(板厚:t=1.2mm、銅箔18μm)とし、3枚重ねでドリル穴加工を実施した。
また、あて板は、現在主流であるエントリーボード(LEシート、三菱ガス化学製)を用い、捨て板としてはベーク板を用いた。
また、ドリルの回転数を120Krpmとし、ドリル送り速度を2.4m/min、3.6m/min、4.2m/min、4.8m/minの4条件で穴加工した。ここでは、回転数を一定としているため、各ドリル送り速度の設定により、それぞれの1回転あたりのドリルの軸方向への移動量を示すチップロードは、20μm/rev、30μm/rev、35μm/rev、40μm/revとなる。
さらに、ドリル寿命を確認するために、以下に説明する研磨方法で2回の研磨が施されたドリルを用いて穴加工を行った。
ここで、ドリルの研磨方法について、説明する。
図7は、再研磨ドリル作成における研削面の説明図であり、Pを刃先2番面、Qを刃先3番面と称し、それぞれ対向した2面ずつで構成されている。
購入した新品ドリルを用いて、所定のヒット数(4000ヒット)で基板を穴加工する。
摩耗が生じたこの新品のドリルを、それぞれの研削面を研削するために2組の研削砥石で構成された再研磨装置(図示せず)を用いて、実際の加工の際に切削面となる刃先2番面Pの2面のみを研削面(斜線部)とし、研磨量として約0.050〜0.10mm程度の研削研磨を行うものである。
すなわち、本実施の形態における確認試験に用いたドリルは、穴加工を行っていない新品の本発明のドリルを用いて4000ヒットまで穴加工した後、1回目の研磨を施し、そのドリルをさらに4000ヒットまで穴加工した後、再度、2回目の研磨を施したものである。
上記の2回の研磨を施した本発明のドリルを用いた穴加工について、1000ヒット毎に穴位置精度と加工穴の内壁粗さを確認した結果を以下に示す。
この試験条件により、各ドリル送り速度の条件について、各10本のドリル1で実施した結果、4000ヒット(4000穴)までドリルの刃先の欠けやドリル折れは発生せず、切屑の詰まりも発生しなかった。
これに対し、比較例として用いた2回の研磨を施した従来型(ドリル送り速度:4.2m/min)では、特にチップロードが大きい場合において、ドリルの刃先の欠けやドリルの摩耗量が異常に大きくなった。
次に、2回の研磨を施した従来および本発明のドリルにおける各ドリル送り速度による穴位置精度を図3に示す。なお、従来品のドリルの加工条件は、ドリル送り速度:4.2m/minとした。
従来品のドリルと本発明のドリル(図中、開発品)とでは、ドリルのヒット数による影響が異なり、本発明のドリル(開発品)では、ドリル送り速度を大きくするにしたがい、穴位置精度(バラツキ)は小さくなり、良好な結果を示している。
従来型のドリルでは、ヒット数が1000から2000ヒットに増えた場合、穴位置精度(バラツキ)の変化量の増加は顕著となり、100μmを超えるほどである。これに対し、本発明のドリル(開発品)では、穴位置精度の変化量が小さくなってきていることがわかる。
特に、本発明のドリルにおける穴位置精度は、ドリル送り速度4.2m/min、ドリルのヒット数3000ヒット時の場合において、60μmを超える位置ずれはなく、良好な穴位置精度が得られる。この場合での穴位置精度分布を図4に示す。
なお、ドリル送り速度を4.8m/minとした場合においても、図3に示すように、同様な穴位置精度が得られた。
次に、1000ヒット毎の加工穴の内壁の粗さを測定し、従来型のドリルと比較した。
ドリル送り速度4.2m/min場合の内壁粗さの測定結果を図5に示す。
この結果から、従来品のドリルと開発品のドリルとでは、ドリルのヒット数による影響が異なり、特に2000ヒット付近での比較において、本発明のドリル(図中、開発品)では、内壁粗さは10μm前後と小さく、ヒット数を4000ヒットまで増加させても、その内壁粗さは20μm以下を維持していることがわかる。
これに対し、従来品のドリルでの内壁粗さは、特に2000ヒット付近で増加量は顕著となり、バラツキも大きくなるという結果になった。また、ヒット数を4000ヒットまで増加させてもその傾向は変わらず、バラツキも大きいままの結果となった。
以上の結果より、本発明のドリルは、穴加工を4000ヒット行った後、1回目の研磨を施し、さらに4000ヒットの穴加工をした後、2回目の研磨を施したものであり、それをさらに4000ヒットの穴加工を行っても、20μmを超える内壁粗さは発生しないという、良好な内壁粗さが得られた。
なお、ドリルの回転数を100Krpmとし、ドリル送り速度を2.0m/min、3.0m/min、3.5m/min、4.0m/minの4条件で穴加工した場合においても、上記の結果と同様に、ドリルの刃先の欠けやドリル折れは発生せず、切屑の詰まりも発生することなく、さらに穴位置精度及び内壁粗さについても良好な結果となった。
また、これらの結果は、所定のヒット数を4000ヒットとした場合における良好な結果であるが、所定のヒット数を4000以下としても、同等以上の結果が得られることは言うまでもない。
以上、詳細に説明したように本実施の形態によれば、ドリルの形状をアンダーカット形状とし、各ドリル形状仕様についてドリルの強度を確保し、切屑排出性にも考慮した剛性の高い素材で構成している。
これにより、ドリル穴加工を行う際のドリル送り速度を大きくさせても、加工後の穴位置精度及び加工後の基板内部の貫通孔の内壁粗さという加工品質が良好であり、また、加工後のドリルの刃先の欠け及びドリル折れすることもない。
また、良好な穴加工が可能となるドリルヒット数は、従来と比較して大幅に増加させることができ、穴加工でのドリル寿命を延ばすことができるという効果を有する。
さらに、所定のヒット数経過後の研磨の回数、すなわちドリルの再使用の回数を増やすことができ、このことからも、本発明のドリルを用いた穴加工は、ドリル寿命を延ばすことができるという効果を有する。
本発明にかかるドリルは、プリント配線板の穴加工を行う際、ドリル送り速度を大きくさせても、加工後の穴位置精度及び基板内部の貫通孔の内壁粗さという加工品質が良好であり、また、加工後のドリルの刃先の欠け及びドリル折れも発生することがない。
また、良好な穴加工が可能となるドリルヒット数は、従来と比較して大幅に増加させることができ、さらに研磨によるドリルの再使用の回数を増やすことで、ドリル寿命を延ばすことができるという効果を有する。
これにより本発明は、高い信頼性を必要とするプリント配線板の製造プロセスに適した穴加工方法を提供することができ、産業上の利用可能性が大といえる。
本発明の実施の形態におけるドリルの側面図 同実施の形態におけるドリルのアンダーカット部の断面図 同実施の形態における穴位置精度を示すグラフ 同実施の形態における穴位置精度分布図 同実施の形態における内壁粗さを示すグラフ ドリル摩耗量を示す図 ドリルの研磨方法を示す図
符号の説明
1 ドリル
11 溝
12 溝間
21 先端部
22 アンダーカット部
31 刃部
32 シャンク部
a 溝間幅
b 溝幅
w ウエブ厚
d ドリル径
u アンダーカット径
L 刃長
M 溝長
φ 先端角
θ ネジレ角
λ 刃先二番角

Claims (15)

  1. ドリルを用いて、以下の(1)(2)手順を少なくとも1回繰り返して行った後、被加工物に穴開けを行う穴加工方法。
    (1)所定の回転数およびドリル送り速度で被加工物への穴開けを、所定のヒット数行う。
    (2)前記ドリルに生じた摩耗部分を研磨により除去する。
  2. ドリルは、ドリル径が0.30〜0.40mmの範囲にあり、アンダーカット径は、前記ドリル径との差で0.01〜0.02mmの範囲内でアンダーカット径が小さくなる寸法形状であり、かつ所定範囲の寸法形状を有するウエブ厚、ネジレ角、刃先二番角、溝幅比、先端角、刃長を備え、Co含有率が5.5〜9.5重量%の範囲内のWC−Co超硬合金で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の穴加工方法。
  3. ウエブ厚は、ドリル径の0.30〜0.40倍の範囲であることを特徴とする請求項2に記載の穴加工方法。
  4. ネジレ角は、40〜45°の範囲であることを特徴とする請求項2に記載の穴加工方法。
  5. 刃先二番角は、10〜15°の範囲であることを特徴とする請求項2に記載の穴加工方法。
  6. 溝幅比は、2.0〜2.5倍の範囲であることを特徴とする請求項2に記載の穴加工方法。
  7. ウエブ厚は、ドリル径の0.30〜0.40倍の範囲であり、ネジレ角は40〜45°の範囲であり、刃先二番角は10〜15°の範囲であり、溝幅比は2.0〜2.5倍の範囲であることを特徴とする請求項2に記載の穴加工方法。
  8. 先端角は、130〜140°の範囲であることを特徴とする請求項2または請求項7に記載の穴加工方法。
  9. 刃長は、5.0〜6.0mmの範囲であることを特徴とする請求項2または請求項7に記載の穴加工方法。
  10. 先端角は、130〜140°の範囲であり、刃長は5.0〜6.0mmの範囲であることを特徴とする請求項2または請求項7に記載の穴加工方法。
  11. 所定のヒット数は、4000ヒット以下であることを特徴とする請求項1に記載の穴加工方法。
  12. 所定の回転数およびドリル送り速度は、回転数12万rpmおよびドリル送り速度130〜200ipm、または、回転数10万rpmおよびドリル送り速度60〜180ipmであることを特徴とする請求項1に記載の穴加工方法。
  13. 被加工物は、ガラス繊維を含むものであることを特徴とする請求項1に記載の穴加工方法。
  14. (1)(2)手順を2回繰り返して行った後、被加工物に穴開けを、3000ヒットで行うことを特徴とする請求項1に記載の穴加工方法。
  15. ドリル送り速度を4.2m/min、または4.8m/minとしたことを特徴とする請求項14に記載の穴加工方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103737049A (zh) * 2013-12-20 2014-04-23 柳州正菱集团有限公司 一种汽车后钢板弹簧吊环的扩10mm孔工艺
CN106077732A (zh) * 2016-07-04 2016-11-09 奥士康精密电路(惠州)有限公司 一种pcb板槽孔倾斜度控制方法

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