JP2005117758A - モーター駆動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 モーターロック時にインバーターノイズを増大させずにスイッチング素子の温度上昇を抑制する。
【解決手段】 各スイッチング素子ごとに、各スイッチング素子をオンまたはオフする第1駆動回路23と並列に第2駆動回路24を備え、ロック検知回路25によりモーターのロック状態が検知されていないときには第1駆動回路23により各スイッチング素子のオンまたはオフを行い、ロック検知回路25によりモーターのロック状態が検知されたときには、第1駆動回路23と第2駆動回路24とを同期させて各スイッチング素子のオンまたはオフを行う。
【選択図】 図2


Description

本発明はモーターを駆動制御する装置に関する。
インバーターの温度上昇を抑制するために、モーターがロック状態になったことが検出されるとキャリアー周波数を低減するようにしたモーター駆動制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この出願の発明に関連する先行技術文献としては次のものがある。
特開平09−070195号公報
しかしながら、従来のモーター駆動制御装置では、モーターロック時にキャリアー周波数を低減するので、インバーターから発生するノイズが増大するという問題がある。
各スイッチング素子ごとに、各スイッチング素子をオンまたはオフする第1駆動回路と並列に第2駆動回路を備え、ロック検知回路によりモーターのロック状態が検知されていないときには第1駆動回路により各スイッチング素子のオンまたはオフを行い、ロック検知回路によりモーターのロック状態が検知されたときには、第1駆動回路と第2駆動回路とを同期させて各スイッチング素子のオンまたはオフを行う。
本発明によれば、モーターロック時にインバーターノイズを増大させずにスイッチング素子の温度上昇を抑制できる。
《第1の実施の形態》
図1は第1の実施の形態の構成を示す図である。バッテリー1はインバーター4へ直流電源を供給する。ノイズフィルター2はインバーター4のスイッチングノイズを低減する。平滑用コンデンサー3はインバーター4の直流入力電圧のリップルを平滑する。インバーター4は直流電力を三相交流電力に変換し、モーター6に交流電力を供給する。なお、この一実施の形態では三相のインバーター4と交流モーター6を例に上げて説明するが、本願発明は三相のインバーターとモーターに限定されない。スイッチング素子Q1〜Q6はモーター駆動制御回路9からのスイッチング信号にしたがってオン、オフを繰り返し、直流電力を交流電力に変換する。この一実施の形態ではスイッチング素子Q1〜Q6にIGBTを用いた例を示すが、トランジスターやSCRなどの他のスイッチング素子を用いてもよい。
電流センサー5a〜5cはモーター6に流れる交流電流を検出する。モーター6は三相交流モーターであり、トルクを発生する。位置センサー7はモーター6の回転子磁極の位置を検出し、速度センサー8はモーター6の回転速度を検出する。また、サーミスターTH0はインバーター4の温度を検出する。モーター駆動制御回路9はマイクロコンピューターとメモリなどの周辺部品から構成され、電流センサー5a〜5cからのモーター電流検出値と位置センサー7からのモーター回転子磁極位置に基づいて、スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチングパターンを演算し、後述するゲートドライバー回路でスイッチング素子Q1〜Q6をオン、オフする。
図2はモーター駆動制御回路9に内蔵されるゲートドライバー回路を示し、図3はゲートドライバー回路の動作を示すタイムチャートである。なお、図2および図3はスイッチング素子Q1のゲートドライバー回路とその動作を示すが、他のスイッチング素子Q2〜Q6についても同様である。上述したように、モーター駆動制御回路9はモーター6に流れる交流電流と回転子磁極位置に基づいてスイッチング素子Q1〜Q6のスイッチングパターンを演算し、各スイッチング素子Q1〜Q6にスイッチングパターン信号を出力する。
スイッチングパターン信号21はスイッチング素子Q1に対するオン、オフ指令信号である。絶縁回路22はスイッチングパターン信号21を生成するマイクロコンピューターなどの弱電回路と、ゲートドライバー回路やスイッチング素子Q1などの強電回路とを絶縁し、スイッチングパターン信号21をスイッチング素子Q1と同じ電位レベルの信号に変換する。
モーター駆動制御回路9のゲートドライバー回路は、スイッチング素子Q1のゲートを駆動制御するための第1ゲートドライバー23と第2ゲートドライバー24とを備えており、第1ゲートドライバー23と第2ゲートドライバー24とは並列に接続されている。第1ゲートドライバー23はモーター駆動時、常に動作する。一方、第2ゲートドライバー24はモーター6がロック状態になったときだけ動作する。ゲート抵抗器23a、24aはそれぞれ、ゲートドライバー23、24の出力電流を制限する。
ロック検知回路25はモーター6がロック状態にあることを検知する。なお、ロック検知動作については後述する。論理積回路26は絶縁回路22の出力とロック検知回路25の出力との論理積を演算し、演算結果を第2ゲートドライバー24へ出力する。この論理積回路26によって、第2ゲートドライバー24はモーターロック時のみ、第1ゲートドライバー23と同期して動作する。
図3において、ロック検知回路25がモーター6のロック状態を検知していないとき、すなわち非ロック状態のときには、第2ゲートドライバー24は動作を停止している。ロック検知回路25でモーター6のロック状態を検知したとき、第2ゲートドライバー24が動作し、第2ゲートドライバー24は第1ゲートドライバー23のスイッチング信号出力と同期してスイッチング信号を出力する。
図4は、モーター6が非ロック状態にあるときのスイッチング素子Q1のターンオン時のスイッチング波形、すなわちスイッチング素子Q1の電圧、電流および損失を示すタイムチャートである。この場合は、第1ゲートドライバー23のみでスイッチング素子Q1を駆動制御している。スイッチング素子Q1がオフ状態からオン状態に遷移するまでにt1時間(ターンオン時間)がかかり、その時間中に損失(図中の斜線部)が発生する。このターンオン損失P1onは次式で表すことができる。
P1on=V・I・t1/6 ・・・ (1)
(1)式において、Vはスイッチング素子Q1両端の電圧、Iはスイッチング素子Q1に流れる電流である。なお、他のスイッチング素子Q2〜Q6についても同様である。
図5は、モーター6が非ロック状態にあるときのスイッチング素子Q1のターンオフ時のスイッチング波形、すなわちスイッチング素子Q1の電圧、電流および損失を示すタイムチャートである。スイッチング素子Q1がオン状態からオフ状態に遷移するまでにt2時間(ターンオフ時間)がかかり、その時間中に損失(図中の斜線部)が発生する。このターンオフ損失P1offは次式で表すことができる。
P1off=V・I・t2/6 ・・・ (2)
なお、他のスイッチング素子Q2〜Q6についても同様である。
図6は、モーター6がロック状態のときのスイッチング素子Q1のターンオン時のスイッチング波形、すなわちスイッチング素子Q1の電圧、電流および損失を示すタイムチャートである。この場合、第1ゲートドライバー23と第2ゲートドライバー24とでスイッチング素子Q1を駆動制御しており、ゲート抵抗器23aと24aとが等価的に並列接続となるため、スイッチング素子Q1に対するドライブ能力が高くなる。したがって、オフ状態からオン状態へ遷移するターンオン時間t3は、図4に示す第1ゲートドライバー23のみでスイッチング素子Q1を駆動制御した場合のターンオン時間t1よりも短くなる。
この場合のターンオン損失P2onは次式で表すことができる。
P2on=V・I・t3/6 ・・・ (3)
t3<t1であるから、損失もP2on<P1onとなり、スイッチング損失を減らすことができる。ただし、スイッチング時間が短くなった分だけスイッチング素子のオン時間が長くなり、オン損失が増える。
ここで、減少するスイッチング損失と増加するオン損失とを具体的な数値で対比検討する。ターンオン時間t1とターンオフ時間t2は通常、1μs程度である。第1ゲートドライバー23と第2ゲートドライバー24の能力が等しければ、モーターロック時には全体のドライブ能力は2倍になり、スイッチング時間は1/2になる。電圧V=300V、電流I=300A、キャリア周波数10kHzとすると、キャリアの一周期にターンオンとターンオフが1回ずつあるので、スイッチング損失の減少分ΔPswは次式に示すように150Wになる。
ΔPsw=(1/6)×300V×300A×(1μs−0.5μs)×2×10kHz=150W ・・・ (4)
一方、通常のスイッチング素子のオン電圧を2.5Vとすると、オン損失の増加分ΔPonは次式に示すように7.5Wとなる。
ΔPon=2.5V×300A×(1μs−0.5μs)×2×10kHz=7.5W ・・・ (5)
つまり、スイッチング損失は150W減少し、オン損失は7.5W増加することになるから、スイッチング素子1個あたり損失が142.5W減少することになる。
したがって、第1の実施の形態によればモーターロック時には損失が減少するので、スイッチング素子Q1〜Q6の温度上昇を抑制するためにモーターロック時にモータートルクを低減して損失を減らす必要はない。また、一実施の形態によればモーターロック時にもキャリア周波数を低減せず、高周波数一定のままとするので、モーターロック時にインバーターから発生するノイズが増加するようなことがなく、ノイズフィルター2を大型にする必要はない。
図7はロック検知処理を示すフローチャートである。モーター駆動制御回路9のマイクロコンピューターはこのロック検知処理を繰り返し実行する。ステップ1においてモーター回転速度が所定値N1以下か否かを確認し、モーター回転速度がN1以下の場合はステップ2へ、N1より大きい場合はステップ6へ進む。ここで、所定値N1はモーター6が停止またはほとんど停止状態にあるか否かを判定する基準値である。モーター回転速度がN1以下の場合は、ステップ2でモーター電流指令値が所定値I1以上か否かを確認する。モーター回転速度が所定値N1以下で、かつモーター電流指令値が所定値I1以上の場合は、ステップ3でロック検知回路25の出力を“1”、すなわちロック検知状態とする。
ここで、モーター電流指令値の所定値I1について説明する。図8は、モーター電流指令値がI1のときのスイッチング素子のジャンクション(接合部)温度の変化を示す図である。図において、横軸はモーター6がロックしてからの経過時間を示し、縦軸はジャンクション温度を示す。モーター6がロック状態にないとき、モーター電流は図9に実線で示すような正弦波となり、その周期がスイッチング素子Q1〜Q6のジャンクション温度の熱時定数と比べて無視できるほど小さいので、ジャンクション温度はほぼ一定になる。
モーター6がロック状態になると、モーター電流は図9に破線で示すような波形となる。図9に破線で示すロック時のモーター電流は、モーター回転速度0で、かつモーター電流のピーク値のときにロックした場合の波形を示す。このとき、スイッチング素子Q1〜Q6のジャンクション温度は図8に示すように上昇する。図8において、Tjmaxはジャンクション温度の最高温度を示し、この最高温度Tjmaxを超えるとスイッチング素子Q1〜Q6が破損するおそれがある。モーター電流指令値の所定値I1は最高ジャンクション温度Tjmaxを超えない最大電流である。この所定値I1より大きい電流I2が流れると、図8に示すようにジャンクションは最高温度Tjmaxを超えてしまう。
モーター回転速度が所定値N1以下でも、モーター電流指令値が所定値I1より小さい場合はステップ4へ進み、所定時間が経過したかどうかを確認する。この所定時間とは、ジャンクション温度が十分に低下する時間であり、これによってヒステリシスを持たせている。所定時間を経過していればステップ5へ進み、ロック検知回路25の出力を“0”、すなわち非ロック状態とする。なお、所定時間が経過していない場合は処理を終了する。
モーター回転速度が所定値N1より大きい場合は、ステップ6でモーター回転速度が所定値N2(>N1)以上か否かを確認する。モーター回転速度が所定値N2以上の場合はステップ5へ進み、ロック検知回路25の出力を“0”、すなわち非ロック状態とする。一方、モーター回転速度が所定値N2より小さい場合は処理を終了する。この所定値N1とN2により、モーター6のロック状態と非ロック状態の判定にヒステリシスを持たせている。
なお、上述した第1の実施の形態ではモーターロック状態の判定にモーター電流指令値を用いた例を示したが、電流センサー5a〜5cで検出したモーター6に流れる実際の電流を用いてモーターロック状態を判定するようにしてもよい。
このように、第1の実施の形態によれば、各スイッチング素子Q1〜Q6ごとに、各スイッチング素子Q1〜Q6をオンまたはオフする第1ゲートドライバー23と並列に第2ゲートドライバー24を備え、通常は第1ゲートドライバー23により各スイッチング素子Q1〜Q6のオンまたはオフを行い、ロック検知回路25によりモーターのロック状態が検知されたときには、第1ゲートドライバー23と第2ゲートドライバー24とを同期させて各スイッチング素子Q1〜Q6のオンまたはオフを行うようにしたので、モーターロック時にインバーターノイズを増大させずにスイッチング素子の温度上昇を抑制できる。
また、第1の実施の形態によれば、モーター6の回転速度が所定値以下で、かつモーター6に流れる電流が所定値以上の場合に、モーター6がロック状態であると判定するようにしたので、モーターのロック状態を確実に検知できる。
《発明の第2の実施の形態》
図10は第2の実施の形態のロック検知処理を示すフローチャートである。なお、図7と同様な処理を行うステップに対しては同一のステップ番号を付して相違点を中心に説明する。また、この第2の実施の形態の構成は図1に示す構成と同様であり、説明を省略する。モーター回転速度が所定値N1以下で、かつモーター電流指令値が所定値I1以上の場合には、ステップ7で位置センサー7によりモーター6の回転子磁極位置を検出し、続くステップ8で磁極位置における通電相、つまり通電状態にあるスイッチング素子を判別する。ステップ9では通電状態にあるスイッチング素子のみ、ロック検知回路25の出力を“1”、すなわちロック状態とする。
図11は、通常動作状態(非ロック状態)からロック状態(回転速度0の場合)になったときのモーター電流波形を示す。図11に示すように、U相電流のピーク時にモーターロックした場合、U相電流は大きいが、V相電流とW相電流は小さい。この場合、V相ととW相のスイッチング素子のジャンクション温度が最高温度Tjmaxを超えない電流であれば、ロック状態とする必要がない。したがって、この場合はU相だけロック状態とする。なお、図11に示す例ではU相電流のピーク時にロックした場合を示したが、タイミングによっては二相の電流が大きくなり、その二相をロック状態とすることもある。
この第2の実施の形態によれば通電電流の大きいスイッチング素子の損失を減らすことができ、そのスイッチング素子のスイッチング素子のジャンクション温度上昇を抑制できる。また、スイッチング速度を速くするとスイッチングノイズが大きくなるが、通電電流の大きいスイッチング素子だけスイッチング速度を速くするので、スイッチングノイズの発生を抑制できる。
《発明の第3の実施の形態》
図12は第3の実施の形態の構成を示す。温度センサーTH1〜TH6はスイッチング素子Q1〜Q6の温度を検出する。なお、これらの温度センサーTH1〜TH6の温度検出点はジャンクション温度が理想的であるが、現在の技術では実現できないので、スイッチング素子近傍の温度を検出する。図12において、温度センサーTH1〜TH6以外の構成機器は図1に示す機器と同様であり、説明を省略する。
図13は第3の実施の形態のロック検知処理を示すフローチャートである。なお、図7に示す処理と同様な処理を行うステップに対しては同一の符号を付して相違点を中心に説明する。ステップ10において温度センサーTH1〜TH6によりスイッチング素子Q1〜Q6の温度を検出する。各通電電流の大きさによって各スイッチング素子の温度検出値が異なるので、ステップ11で温度上昇の大きいスイッチング素子を判別する。ここで、「温度上昇が大きい」とは、図8の最高温度TjmaxにマージンΔT(例えば10℃)を持たせ、(Tjmax−ΔT)を超えた温度を指す。ステップ12で温度上昇の大きいスイッチング素子だけ、ロック検知回路25の出力を“1”、すなわちロック状態とする。
第3の実施の形態によればジャンクション温度上昇の大きいスイッチング素子の損失を減らすことができ、ジャンクション温度上昇を抑制できる。また、スイッチング速度を速くするとスイッチングノイズが大きくなるが、ジャンクション温度上昇の大きいスイッチング素子だけスイッチング速度を速くするので、スイッチングノイズの発生を抑制できる。
《第3の実施の形態の変形例》
上述した第3の実施の形態では、温度センサーTH1〜TH6により検出したスイッチング素子Q1〜Q6の温度に基づいて温度上昇の大小を判定したが、通常、温度センサーTH1〜TH6の温度検出時定数はスイッチング素子Q1〜Q6のジャンクション温度の熱時定数より大きいため、過渡的に正確なジャンクション温度を測定できない。そこで、この場合にはジャンクション温度の推定演算を行う。これにより、過渡時のジャンクション温度を正確に求めることができ、温度上昇の大きなスイッチング素子を正確に判別できる。
図14は変形例のロック検知処理を示すフローチャートである。なお、図13に示す処理と同様な処理を行うステップに対しては同一のステップ番号を付して相違点を中心に説明する。ステップ13においてロック開始時点の温度初期値を検出し、続くステップ14でジャンクション温度推定演算を行う。
ここで、ジャンクション温度の推定演算方法を説明する。モーター6がロック状態にあると判定された時点において、各スイッチング素子Q1〜Q6ごとの冷却フィン温度Tfと接合部温度Tjの初期値Tf0、Tj0を次式により求める。
Tf0=Ts+K1,
Tj0=Tf0+K2 ・・・(6)
(6)式において、K1、K2は定数であり、各スイッチング素子Q1〜Q6に対して最適値を設定する。
次に、モーター6がロック状態になってからの経過時間をΔtとして、ロック状態における各スイッチング素子Q1〜Q6ごとのフィン温度と接合部温度の推定値Tfs、Tjsを次式により求める。
Tfs[n]=(Ts−K3・I−Tfs[n−1])・Δt/K4+Tfs[n−1],
Tjs[n]=(Tfs[n]−K5・I−Tjs[n−1]・Δt/K6+Tjs[n−1]
・・・ (7)
(7)式において、Iはインバーター4の三相出力電流Iu、Iv、Iwである。また、K3〜K6は定数であり、各スイッチング素子Q1〜Q6に対して最適値を設定する。なお、記号[n]は今回の演算値を表し、記号[n−1]は前回の演算値を表す。モーター6がロック状態に入った直後の演算では、Tfs[n−1]に初期値Tf0を、Tjs[n−1]には初期値Tj0をそれぞれ設定する。
ステップ11で温度上昇の大きいスイッチング素子を判別する。ここで、「温度上昇が大きい」とは、図8の最高温度TjmaxにマージンΔT(例えば10℃)を持たせ、(Tjmax−ΔT)を超えた温度を指す。ステップ12で温度上昇の大きいスイッチング素子だけ、ロック検知回路25の出力を“1”、すなわちロック状態とする。
このように、各スイッチング素子Q1〜Q6の温度に基づいて各スイッチング素子のジャンクション温度を推定し、ロック検知回路25によりモーター6のロック状態が検知されたときには、推定したジャンクション温度が所定値より高いスイッチング素子のみ、第1ゲートドライバー23と第2ゲートドライバー24とを同期させてオンまたはオフを行うようにしたので、過渡時のジャンクション温度を正確に求めることができ、温度上昇の大きなスイッチング素子を正確に判別できる。そして、ジャンクション温度上昇の大きいスイッチング素子の損失を減らすことができ、ジャンクション温度上昇を抑制できる。また、スイッチング速度を速くするとスイッチングノイズが大きくなるが、ジャンクション温度上昇の大きいスイッチング素子だけスイッチング速度を速くするので、スイッチングノイズの発生を抑制できる。
特許請求の範囲の構成要素と一実施の形態の構成要素との対応関係は次の通りである。すなわち、第1ゲートドライバー23が第1駆動回路を、第2ゲートドライバー24が第2駆動回路を、論理積回路26およびモーター駆動制御回路9が制御回路および温度推定回路を、速度センサー8が速度検出回路を、電流センサー5a〜5cが電流検出回路を、位置センサー7が磁極位置検出回路を、温度センサーTH1〜TH6が温度検出回路をそれぞれ構成する。なお、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、各構成要素は上記構成に限定されるものではない。
第1の実施の形態の構成を示す図である。 モーター駆動制御回路に内蔵されるゲートドライバー回路を示す図である。 ゲートドライバー回路の動作を示すタイムチャートである。 モーターが非ロック状態にあるときのスイッチング素子のターンオン時のスイッチング波形を示すタイムチャートである。 モーターが非ロック状態にあるときのスイッチング素子のターンオフ時のスイッチング波形を示すタイムチャートである。 モーターがロック状態にあるときのスイッチング素子のターンオン時のスイッチング波形を示すタイムチャートである。 第1の実施の形態のロック検知処理を示すフローチャートである。 モーター電流指令値がI1とI2のときのスイッチング素子のジャンクション温度の変化を示す図である。 非ロック時のモーター電流波形と、モーター電流のピーク値のときにモーターロックした場合のモーター電流波形とを示す図である。 第2の実施の形態のロック検知処理を示すフローチャートである。 通常動作状態(非ロック状態)からロック状態になったときのモーター電流波形を示す図である。 第3の実施の形態の構成を示す図である。 第3の実施の形態のロック検知処理を示すフローチャートである。 第3の実施の形態の変形例のロック検知処理を示すフローチャートである。
符号の説明
1 バッテリー
2 ノイズフィルター
3 平滑用コンデンサー
4 インバーター
5a〜5c 電流センサー
6 モーター
7 位置センサー
8 速度センサー
9 モーター駆動制御回路
21 スイッチングパターン信号
22 絶縁回路
23 第1ゲートドライバー
23a 抵抗器
24 第2ゲートドライバー
24a 抵抗器
25 ロック検知回路
26 論理積回路
Q1〜Q6 スイッチング素子
TH0〜TH6 温度センサー

Claims (5)

  1. 複数のスイッチング素子により直流電力を交流電力に変換してモーターに供給するモーター駆動制御装置において、
    モーターのロック状態を検知するロック検知回路と、
    前記各スイッチング素子ごとに設けられ、前記各スイッチング素子をオンまたはオフする複数の第1駆動回路と、
    前記各第1駆動回路と並列に接続され、前記各スイッチング素子をオンまたはオフする複数の第2駆動回路と、
    前記ロック検知回路によりモーターのロック状態が検知されていないときには前記第1駆動回路により前記各スイッチング素子のオンまたはオフを行い、前記ロック検知回路によりモーターのロック状態が検知されたときには、前記第1駆動回路と前記第2駆動回路とを同期させて前記各スイッチング素子のオンまたはオフを行う制御回路とを備えることを特徴とするモーター駆動制御装置。
  2. 請求項1の記載のモーター駆動制御装置において、
    モーターの回転速度を検出する速度検出回路と、
    モーターに流れる電流を検出する電流検出回路とを備え、
    前記ロック検知回路は、モーターの回転速度が所定値以下で、かつモーターに流れる電流が所定値以上の場合に、モーターがロック状態であると判定することを特徴とするモーター駆動制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のモーター駆動制御装置において、
    モーターの回転子磁極位置を検出する磁極位置検出回路を備え、
    前記制御回路は、前記磁極位置検出回路による検出結果に基づいて通電状態にあるスイッチング素子を判別し、前記ロック検知回路によりモーターのロック状態が検知されたときには、前記通電状態にあるスイッチング素子のみ、前記第1駆動回路と前記第2駆動回路とを同期させてオンまたはオフを行うことを特徴とするモーター駆動制御装置。
  4. 請求項1または請求項2に記載のモーター駆動制御装置において、
    前記各スイッチング素子の温度を検出する温度検出回路を備え、
    前記制御回路は、前記ロック検知回路によりモーターのロック状態が検知されたときには、前記温度検出回路により検出された温度が所定値より高いスイッチング素子のみ、前記第1駆動回路と前記第2駆動回路とを同期させてオンまたはオフを行うことを特徴とするモーター駆動制御装置。
  5. 請求項4に記載のモーター駆動制御装置において、
    前記ロック検知回路によりモーターのロック状態が検知された時点における前記温度検出手段により検出された温度に基づいて、前記各スイッチング素子のジャンクション温度を推定する温度推定回路を備え、
    前記制御回路は、前記ロック検知回路によりモーターのロック状態が検知されたときには、前記温度推定回路により推定されたジャンクション温度が所定値より高いスイッチング素子のみ、前記第1駆動回路と前記第2駆動回路とを同期させてオンまたはオフを行うことを特徴とするモーター駆動制御装置。
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