JP2016197969A - モータ駆動装置とモータ駆動方法 - Google Patents

モータ駆動装置とモータ駆動方法 Download PDF

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宏彰 村井
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Abstract

【課題】小型化が可能で電流許容時間が長いモータ駆動装置を提供する。
【解決手段】インバータ20は、複数相の何れか1相の駆動電流の電流経路を形成するスイッチング部が複数個並列に接続された特定アーム21を具備し、インバータ制御部40は、モータ10がトルクを出力し且つ回転を停止しているロック状態になるか否かを予め判定するロック判定部41と、ロック状態になると判定した場合に、モータ10の回転を、特定アーム21に流す駆動電流でロック状態に遷移させるロック制御部42とを具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、モータを駆動源とする例えば電動車両のモータ駆動装置とモータ駆動方法に関するものである。
従来、モータを駆動源とする電動車両のモータ駆動装置は、インバータを備え、当該インバータによるスイッチング制御でモータの駆動力を制御していた。このようなインバータのスイッチング制御では、車両に加わる負荷とモータのトルクとが釣り合って、タイヤのロック状態が続き、特定のスイッチング素子の温度が上昇することがある。
そのため、従来のモータ駆動装置では、最も温度が厳しいスイッチング素子を特定して、電流許容時間だけ電流を流し、その後は電流を制限することでスイッチング素子の保護を図っていた(特許文献1)。
特開平2012−100435号公報
しかし、特許文献1の制御方法では、タイヤがロック状態の場合に継続して大きな電流を流せないため、電流許容時間経過後に車両のずり下がりなどの事象を発生し易い。また、電流許容時間を設けないようにするためには、電流を流す複数相の全ての相のスイッチング素子の許容電流量を大きくする必要があり、インバータが大型化する課題がある。
本発明は、上記課題に鑑みて成されたものであり、その目的は、インバータの大型化を抑制しつつ、電流許容時間が長いモータ駆動装置とモータ駆動方法とを提供することである。
本発明の一態様に係わるモータ駆動装置は、1対のアームからなる相を複数備えたインバータの一部のアームに限って複数のスイッチング部が複数並列に接続されたインバータと、モータがトルクを出力し且つ回転を停止しているロック状態になるか否かを予め判定するロック判定部と、モータがロック状態になると判定された場合に、上記の一部のアームに駆動電流を流してモータをロック状態に遷移させるロック制御部と、を備えることを要旨とする。
本発明の一態様に係わるモータ駆動方法は、モータがトルクを出力し且つ回転を停止しているロック状態になるか否かを予め判定するロック判定過程と、1対のアームからなる相を複数備えたインバータのアームのうち、一部のアームに限って設けられた並列に接続された複数のスイッチング部に、駆動電流が流れる回転角度でモータをロック状態に遷移させるロック制御過程と、を行うことを要旨とする。
本発明によれば、インバータの一部のアームに限って設けられた複数のスイッチング部に駆動電流を流してモータをロック状態に遷移させる。したがって、インバータの大型化を抑制しつつ、電流許容時間が長いモータ駆動装置とモータ駆動方法とを提供することができる。
第1実施形態に係わるモータ駆動装置1の機能構成例を示す図である。 モータ駆動装置1の動作フローを示す図である。 モータ10の駆動電流の一例を示す図である。 ロック判定方法の一例を説明するためのトルクマップを模式的に示す図である。 ロック時に特定アームに流す駆動電流の例を模式的に示す図である。 第2実施形態に係わるモータ駆動装置2が、特定アーム21に流す駆動電流の例を模式的に示す図である。 第3実施形態に係わるモータ駆動装置3の特定アーム21に流れる電流を模式的に示す図である。 第4実施形態に係わるインバータ420の構成例を示す図である。 インバータ420の変形例であるインバータ520の構成例を示す図である。 比較例に係わる全ての相のスイッチング部の許容電流量を大きくした場合のインバータ920の構成を示す図である。 特定アーム21を変形した特定アーム621を具備するインバータ620の構成例を示す図である。
図面を参照して、実施形態を説明する。図面の記載において同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
(第1実施形態)
[モータ駆動装置1の構成]
図1を参照して、第1実施形態に係わるモータ駆動装置1の構成を説明する。モータ駆動装置1はモータ10を駆動する。本実施形態のモータ駆動装置1は、インバータ20と、角度センサ30と、インバータ制御部40とを具備する。
モータ10は、例えばハイブリッドカーや電気自動車などの電動車両を駆動する三相永久磁石形同期電動機(以降、モータ)である。モータ10は、U相、V相、W相の三相コイル巻線が巻回されており、各相コイルの他端は中性点Zで互いに接続する。モータ10は、インバータ20から供給される三相交流電力に応じて駆動力を発生し、機械的に連結された図示を省略している駆動軸やディファレンシャルギアを介して、図示していない駆動輪を回転駆動する。
インバータ20は、図示を省略している電源装置とモータ10との間で電力変換を行う。インバータ20は、電源装置の正極Pと負極Nを介して供給される直流電力を3個の相電圧(U相、V相、W相)に変換すると共に、モータ10に生じる三相交流電力を直流電力に変換する。
直流電力を三相電力に変換するインバータ20の各相は、アーム回路を構成する。U相アーム回路は、正極P側のスイッチング部Su1と負極N側のスイッチング部Su2との直列接続である。以降の説明において、正極P側のスイッチング部を上アーム、負極N側のスイッチング部を下アームと称する。
V相アーム回路は、V相上アームのスイッチング部Sv1とV相下アームのスイッチング部Sv2との直列接続である。W相アーム回路は、W相上アームのスイッチング部Sw1とW相下側アームのスイッチング部Sw2との直列接続である。スイッチング部は、代表的にはIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)により構成される。他に、バイポーラトランジスタやMOSFETやGTO(Gate Turn Off thyristor)等を用いてもよい。なお、本実施形態では1つのスイッチング部は1個のIGBTに対応している例であるが、1つのスイッチング部が複数のIGBT等で構成されてもよい。また、各々のスイッチング部Su1,Su2,Sv1,Sv2,Sw1,Sw2には、逆並列に保護用の図示しないダイオードが接続されている。
本実施形態では、U相上アームが、複数のスイッチング部Su1aとSu1bとが並列接続された特定アーム21を構成する。U相アーム回路のU相上アームの2つのエミッタ電極とU相下アームの1つのコレクタ電極とが接続し、その接続点がモータ10のU相コイルの一端に接続する。
V相アーム回路のV相上アームのエミッタ電極とV相下アームのコレクタ電極とが接続し、その接続点がモータ10のV相コイルの一端に接続する。W相アーム回路も同様にW相上アームとW相下アームとの接続点がモータ10のW相コイルの一端に接続する。
モータ10には角度センサ30が設けられている。角度センサ30は、モータ10の図示しないロータの回転角を検出してインバータ制御部40に入力する。角度センサ30は、例えば一般的なレゾルバ等である。
インバータ制御部40には、角度センサ30の回転角情報の他に、各相に流れる相電流を電流センサで計測した相電流値情報も入力される。相電流値の瞬時値Iu,Iv,Iwの総和は、零になる関係から電流センサは全ての相に設ける必要はない。例えば、U相とV相に電流センサを設け演算でW相の相電流値(Iw=−(Iu+Iv))を求めてもよい。なお、図1において電流センサの表記は省略している。
インバータ制御部40は、ロック判定部41と、ロック制御部42とを具備する。インバータ制御部40は、電動車両の全体の動作を制御する図示を省略している車両コントローラから入力されるトルク指令と、電流センサから入力される相電流値情報とに基づいて、上記の三相交流電力をインバータ20に生じさせるPWM(Pulse Width Modulation)信号を生成する。PWM信号は、インバータ20のスイッチング部の各ゲート電極に接続する。
[モータ駆動装置1の動作]
ここからは図2も参照してモータ駆動装置1の動作を説明する。車両コントローラからトルク指令が入力される(ステップS1)と、インバータ制御部40は当該トルク指令に基づくPWM信号を生成する(ステップS2)。
図3に示すモータ10の相電流の一例を参照して、PMW信号について簡単に説明する。図3の横軸は電気角、縦軸は三相の各相の電流値である。U相とV相とW相の相電流(以降、駆動電流)は、それぞれが120度の位相差を持っている。
U相の駆動電流は、電気角90度で最大値(+)になり、電気角180度で0、そして電気角270度で最大値(-)になる。U相アーム回路の上アームのPWM信号は、電気角90度でパルス幅が最大になるように変化する。一方、U相アーム回路の下アームのPWM信号は、電気角270度で最大になるように変化する。
つまり、U相上アームのPMW信号は、パルス幅0からパルス幅が徐々に拡大して電気角90度でパルス幅が最大になり、電気角180度で再びパルス幅が0になる。U相下アームのPWM信号は、電気角180度のパルス幅0からパルス幅が徐々に拡大して電気角270度でパルス幅が最大になる。このようにトルク指令に従う駆動電流がモータ10の各相に供給できるようにPWM信号のパルス幅が変化し、相電圧も変化する。V相とW相についても、位相が120度ずれているだけで同様の動作である。
ロック判定部41は、モータ10が、トルクを出力し且つ回転を停止しているロック状態になるか否かを予め判定する(ステップS3)。ステップS3はロック判定過程に相当する。
インバータ制御部40は、図4に示すトルクマップを記憶している。図4の横軸はロータの回転数[rpm]、縦軸はトルク[Nm]である。図4に示す変形した台形形状で示すトルクマップは、2軸(d軸とq軸)の電流値でマッピングされており、トルク指令で指令されたトルクをモータ10が発生するように2つの電流値を決定するのに用いる。
d軸とq軸の電流値でモータ10を制御する方法については、本実施形態の要部ではないのでこれ以上の説明は省略する。
ロック判定部41は、角度センサ30からモータ10のロータの単位時間当たりの回転角度を取得することでロータの回転速度を算出する。また、トルクマップを参照することで、モータ10がトルクを出力し且つ回転を停止しているロック状態になるか否かを予め判定する。電動車両が減速してトルクマップ上の制御点が、例えばα点からトルク0点に移動する場合(図4の実線)は、平坦な道路における停車と判定することができる。
一方、上り坂を減速しつつ停車する場合(図4の破線)は、回転数0の時のトルクがプラスで停車する。トルクが0で停車するかプラスで停車するかは、減速過程のトルクマップ上の2点の情報から推定することが可能である。つまり、電動車両のタイヤが完全にロックする前に、モータ10のロータの回転が、ロック状態になるか否かについて容易に判定することができる。なお、モータ10のロータの回転角度は、上記の電流センサで検出した各相の電気角から求めてもよい。
ロック判定部41が、ロック状態と判定すると(ステップS3のYES)、ロック制御部42がインバータ20の特定アーム21(一部のアーム)に駆動電流が流れる回転角度において、モータ10をロック状態へ遷移させる(ステップS4)。ステップS4は、モータ10をロックするロック過程に相当する。
本実施形態の特定アーム21は、U相上側アームの例である。したがって、ロック時の駆動電流は、図5に示すようにU相上側アーム→モータ10→V相下側アームとW相下側アームを経て負極Nに至る経路で流れる。
特定アーム21を構成するスイッチング部Su1a,Su1bの電流許容量を、他の相のスイッチング部Sv1やSw1と同じにしておけば、ロック時においてピーク電流値の半値を各素子Su1a,Su1bに分散させることができる。このように本実施形態のモータ駆動装置1によれば、スイッチング部が複数個並列に接続されたインバータ20の特定アーム21に駆動電流を流してモータ10をロック状態に遷移させるので、電流許容時間が短くなることを抑制し、車両のずり下がり等の事象を発生し難くすることができる。また、特定アーム21のみにスイッチング部を増やすので、インバータ20を小型にすることができる。また、インバータ20の電流許容時間を長くすることができる。
なお、特定アーム21は、何れの相のアーム回路の上下アームどちら側に設けてもよい。V相上側アームのSv1を特定アーム21にしてもよいし、W相上側アームのSw1を特定アーム21にしてもよい。また、各相の下側アームを特定アーム21にしてもよい。
ロック状態から、ドライバーが更にアクセルを踏んでトルク増(+)のトルク指令が入力されると、ロック状態を解除してモータ10は回転を再開する(ステップS5のYES)。トルク指令が、ロック状態になった時から増加しなければ電動車両のパワースイッチがOFFされるまでロック状態は維持される(ステップS6のNoからステップS4へのループ)。
以上説明したように本実施形態のモータ駆動装置1によれば、一部のアームに限り、並列に接続された複数のスイッチングが設けられ、一部のアームに駆動電流が流れる回転角度において、モータ10をロック状態へ遷移させる。これにより、一部のアームだけの電流許容量を増加させるだけで、インバータ20の電流許容時間を長くすることができる。よって、モータ駆動装置1の大型化を抑制しつつ、電流許容時間を長くすることができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係わるモータ駆動装置2について説明する。モータ駆動装置2は、モータ10の回転がロック状態にならないと判定した場合に、特定アーム21の特定のスイッチング部に駆動電流を流すインバータ制御部241を具備する点で、モータ駆動装置1と異なる。
なお、モータ駆動装置2の機能構成例は、モータ駆動装置1(図1)と同じであり、その表記を省略する。新しい構成のインバータ制御部241の参照符号のみを表記して説明する。
本実施形態では上記の様に、インバータ20の特定アーム21のスイッチング部の電気的特性は、特定アーム21以外の他相のスイッチング部と同じである。インバータ制御部241は、ロック状態になると判定する前の状態における駆動電流を、他相のスイッチング部と同じ電気的特性を有する特定アーム21のスイッチング部に流す。
図6に、ロック状態になると判定する前の特定アーム21に流れる駆動電流を模式的に示す。モータ10が回転している間の駆動電流は、1個のスイッチング部Su1bに流す。モータ10をロック状態に遷移させる時は、特定アーム21を構成する2個のスイッチング部Su1aとSu1bとの両方に駆動電流を流す(図5)。
特定アーム21の少なくとも1つのスイッチング部の電気的特性を、特定アーム21以外の他相のスイッチング部と同じにする。そして、モータ10の回転時の駆動電流を、特定アーム21のその同じ電気的特性のスイッチング部に流すことで、回転時の各相の駆動電流のバラつきを少なくすることができる。つまり、本実施形態のモータ駆動装置2によれば、モータ10の否ロック状態(通常回転状態)において、特定アーム21以外のアームとの間で、スイッチング部の電気的特性を揃えることができるので、インバータ20から出力される電流の脈動を抑制できる。
なお、本実施形態では特定アーム21を構成するスイッチング部Su1aとSu1bの電気的特性が同じであるので、モータ10の回転時の駆動電流を、上記の例とは逆のスイッチング部Su1aに流してもよい。また、ロック状態に遷移させる時にのみ駆動電流を流すスイッチング部Su1a又はSu1bの電流許容量を、一方のスイッチング部の電流許容量より大きくしてもよい。そうすることでインバータ20の電流許容時間を更に延長することができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係わるモータ駆動装置3について説明する。モータ駆動装置3は、特定アーム21のスイッチング部の信頼性を向上させることができるインバータ制御部341を具備する点で、モータ駆動装置1,2と異なる。なお、モータ駆動装置3の機能構成例は、モータ駆動装置1(図1)と同じであり、その表記を省略する。新しい構成のインバータ制御部341の参照符号のみを表記して説明する。
インバータ制御部341は、モータ10が、トルクを出力し且つ回転を停止しているロック状態になると判定する前の状態において、特定アーム21の複数のスイッチング部Su1a,Su1bのそれぞれに、駆動電流を順番に流す。図7に、ロック状態になると判定する前の状態において、特定アーム21に流れる駆動電流を模式的に示す。
図7(a)は、図3に示す電気角0度〜180度のU相の相電流が+の範囲の電流が、例えばU相上側のスイッチング部Su1bに流れる様子を表している(回転時(1))。図7(b)は、図3に図示していない次の360度〜540度のU相の相電流が+の範囲の電流が、もう一方のU相上側のスイッチング部Su1aに流れる様子を表している(回転時(2))。このようにモータ10の駆動を、特定アーム21の複数のスイッチング部Su1aとSu1bとに、駆動電流を順番に流して分担させる。
以上説明した本実施形態のモータ駆動装置3によれば、モータ10の駆動を、特定アーム21の複数のスイッチング部Su1aとSu1bとに分担させるのでスイッチング部Su1a,Su1bの故障を抑制する効果を奏する。つまり、特定アーム21はモータ10をロック状態へ遷移させる時に大電流を供給するので、ロックさせない場合のスイッチング部の負担を軽減することができる。よって、インバータ20の信頼性を向上させることが可能である。
(第4実施形態)
図8に、第4実施形態に係わるインバータ420の構成例を示す。インバータ420は、複数相のアーム回路の上アームと下アームに、特定アームを交互に具備する。なお、インバータ420を具備するモータ駆動装置4の機能構成例は、上記のモータ駆動装置1(図1)と同じであるのでその表記を省略する。
インバータ420は、U相上アームが特定アーム21u、V相下アームが特定アーム21v、W相上アームが特定アーム21wである。このように隣接するアーム回路の上アームと下アームに特定アーム21u,21v,21wを交互に具備することで、モータ10のロータの回転が極低回転の時のモータ10の駆動を確実・安定的に行うことができる。極低回転とは、例えばクリープ速度以下の極低速度に対応するロータの回転のことである。
ロータの回転が極低回転の場合は、図3に示した駆動電流の周波数も極めて低い周波数になる。駆動電流の周波数が極めて低くなると、隣接する相間の上アームと下アームに大電流が長時間流れるようになる。
例えば、電気角60度のU相とV相に流れる駆動電流は大きく、W相の駆動電流は零である。また、電気角180度のV相とW相に流れる駆動電流は大きく、U相の駆動電流は零である。
ロータの回転が極めて遅いと、隣接するアーム回路の上アームと下アームとに大電流が長時間流れることになる。その結果、スイッチング部を保護する必要がある。
モータ10が、ロック状態から否ロック状態へ遷移するような極低回転時において、複数のアームに大電流が長時間流れる場合がある。そのような状態においても本実施形態によれば、隣接する上アーム又は下アームの電流容量を増加させることで、インバータ20の大型化を抑制しつつ、電流許容時間を長くすることができる。
図8を参照して、電動車両をモータ10の極低回転における後退で登坂させた場合について説明する。電動車両が前傾して停車している場合は、後退による登坂が行われる可能性があると判断し、W相上アームの特定アーム21wでロック状態に遷移するようにインバータ制御部40が、モータ10の回転角度を制御する。
それにより、後退での登坂が行われた場合は、隣接するV相下アームの特定アーム21v、更にその隣のU相上アームの特定アーム21uによって大電流が許容できる。したがって、電動車両がモータ10の極低回転で坂を後退する場合でも、インバータ20の電流許容時間を長くすることができる。なお、図8の説明では、前傾して後退で登坂させる場合を例に説明したが、その逆も然り、後傾して前進で登坂させる場合であっても、インバータ制御部40が回転角度の制御を実行することができる。
図9に、インバータ420を変形したインバータ520の構成例を示す。インバータ520は、U相下側アームを特定アーム21u、V相上側アームを特定アーム21v、W相下側アームを特定アーム21wで構成したものである。このように特定アームを、インバータ420と逆の関係で構成しても同じ作用効果を奏することができる。
図10に、比較例に係わる許容電流量を大きくしたインバータ920の構成を示す。インバータ920では、U相、V相、W相の三相に流れる駆動電流の許容電流量を大きくするために、各相に4個、全部で12個のスイッチング部が必要であった。
一方、第1実施形態〜第3実施形態のインバータ20を構成するスイッチング部の数は7個であり、比較例のインバータ920と比較してスイッチング部を5個削減することができる。また、第4実施形態のインバータ420でも3個のスイッチング部を削減することができる。
以上説明したように本実施形態のモータ駆動装置1〜4によれば、モータ駆動装置の小型化及び電流許容時間の延長に寄与することができる。なお、上記の説明において本発明の主要部ではないモータ10以降の駆動系の説明は省略したが、駆動軸上の何処かにクラッチ等の機構を設けることで、モータ10の回転状態からロック状態への移行を、より滑らかにすることが可能である。つまり、本発明においては、ロック状態になるか否かを予め判定した場合だけでなく、比較的大きな段差に乗り上げた場合など、急遽ロック状態に陥った場合でも、クラッチ等の機構により、車両を動かさずモータ10を回転させることができる。そのため、ロック状態で停車後であっても、スイッチング素子が複数設けられた相に電流が流れるようモータの回転角度を制御することができる。
また、上記の例のロック判定部41は、トルクマップを参照することでロックすべきか否かを判定していたが、他の方法でロックすべきか否かを判定してもよい。例えば、電動車両が搭載する加速度センサや傾斜センサのセンサ情報を用いて、モータ10が、ロック状態になるか否かを判定するようにしてもよい。
上記の特定アーム21は、2個のスイッチング部を並列に接続した例で説明を行ったがこの例に限られない。特定アーム21を構成するスイッチング部の数は2個以上の複数個であってもよい。
図11に、特定アームを3個のスイッチング部の並列接続で構成したインバータ620を示す。インバータ620のU相上アームは、スイチング部Su1aとSu1bとSu1cの並列接続の特定アーム621である。特定アーム621は、上記の特定アーム21と同じように何れの相のアーム回路の上下アームのどちら側に設けてもよい。
インバータ620を具備するモータ駆動装置に対しても、上記のモータ駆動装置1〜4で説明した本実施形態の考えを適用することが可能である。インバータ620を具備するモータ駆動装置も、上記のモータ駆動装置1〜4と同じ作用効果を奏する。
上記のように、本発明の実施形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
1 モータ駆動装置
2 モータ駆動装置
3 モータ駆動装置
4 モータ駆動装置
10 モータ
20 インバータ
21 特定アーム
30 角度センサ
40 インバータ制御部
41 ロック判定部
42 ロック制御部
220 インバータ
420 インバータ
520 インバータ
620 インバータ
621 特定アーム

Claims (5)

  1. モータに複数相の駆動電流を供給するインバータと、
    前記インバータを制御するインバータ制御部と、を備え、
    前記インバータは、1対のアームからなる相を複数備え、前記アームの各々には1つのスイッチング部が設けられ、前記アームのうち、一部の前記アームに限り、並列に接続された複数の前記スイッチング部が設けられ、
    前記インバータ制御部は、前記モータが、トルクを出力し且つ回転を停止しているロック状態になるか否かを予め判定するロック判定部と、
    前記モータが前記ロック状態になると判定された場合に、前記一部のアームに前記駆動電流が流れる回転角度において、前記モータを前記ロック状態に遷移させるロック制御部と、
    を備えることを特徴とするモータ駆動装置。
  2. 前記アームの各々に設けられた前記スイッチング部は同じ電気的特性を有し、
    前記インバータ制御部は、
    前記並列に接続された複数の前記スイッチング部のうち、
    1つのスイッチング部を、前記モータが前記ロック状態になるか否かに係わらず動作させ、
    残りのスイッチング部を、前記モータが前記ロック状態になると判定された場合に限って動作させる、
    ことを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。
  3. 前記アームの各々に設けられた前記スイッチング部は同じ電気的特性を有し、
    前記インバータ制御部は、
    前記モータが前記ロック状態にならないと判定された場合に、前記並列に接続された複数の前記スイッチング部を1つずつ切り替えて動作させる
    ことを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。
  4. 前記1対のアームは、上アーム及び下アームからなり、
    前記一部のアームは、隣接するアーム間で前記上アーム又は前記下アームに交互に設けられることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載したモータ駆動装置。
  5. モータに複数相の駆動電流を供給するインバータと、前記インバータを制御するインバータ制御部とを備えたモータ駆動装置が、前記モータを駆動するモータ駆動方法であって、
    前記モータがトルクを出力し且つ回転を停止しているロック状態になるか否かを予め判定するロック判定過程と、
    前記モータが前記ロック状態になると判定された場合に、1対の前記アームからなる相を複数備えた前記インバータの前記アームのうち、一部の前記アームに限って設けられた並列に接続された複数のスイッチング部に、前記駆動電流が流れる回転角度で前記モータを前記ロック状態に遷移させるロック制御過程と、
    を行うことを特徴とするモータ駆動方法。
JP2015077464A 2015-04-06 2015-04-06 モータ駆動装置とモータ駆動方法 Active JP6492900B2 (ja)

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