JP2005117757A - 電流検出回路の故障診断装置およびモータ制御システム - Google Patents

電流検出回路の故障診断装置およびモータ制御システム Download PDF

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和俊 永山
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良三 正木
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金子  悟
Takefumi Sawada
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Abstract

【課題】モータの電流を検出し、磁極位置センサなしでモータを制御するモータ制御システムに備えられ、モータの電流の高周波成分を抽出するフィルタ回路の故障を診断する電流検出回路の故障診断装置、およびこの故障診断装置を有するモータ制御システムを提供する。
【解決手段】同期モータ1の電流iu、ivおよびiwを検出し、故障診断部16において搬送波半周期ごとにサンプリングした値の差分と、フィルタ部15により抽出したiu、ivおよびiwの高周波成分iuf、ivfおよびiwfを搬送波半周期ごとにサンプリングした値の差分とを比較し、フィルタ部15におけるフィルタ処理が正常か否かをuvw3相それぞれについて判定する。2相以上のフィルタ処理が異常であると判定された場合はフィルタ処理されていないモータ電流のサンプリング値iu、ivおよびiwにより、モータ1の磁極位置θを算出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、モータの電流を検出し、磁極位置センサなしでモータを制御するモータ制御システムに関する。
同期モータの速度やトルクを制御するためには、磁極位置を知る必要がある。磁極位置に基づいて電流制御あるいは電圧制御を行うことで、同期モータのトルクや速度を制御できる。この磁極位置をエンコーダやレゾルバ等のセンサによって検出することなく、同期モータの電流を検出して磁極位置を知ることができるモータ制御システムが知られている。このモータ制御システムでは、搬送波の半周期ごとに変化する電流検出用の電圧をモータに印加して、モータの各相の電流を検出し、検出された電流により半周期ごとの電流差分ベクトルを求める。次に、求められた電流差分ベクトルの半周期ごとの差を演算し、その演算された差によるベクトルの位相を求める。このようにして求められたベクトルの位相を磁極位置として、モータの制御を行う。このとき、ハイパスフィルタやバンドパスフィルタなどのフィルタ回路に検出したモータの電流を通過させ、その高周波成分のみを抽出して増幅し、それによって電流差分ベクトルを求める。このようにすることで、モータに印加する電流検出用の電圧を小さくすることができ、モータの駆動に与える影響を小さくすることができる(特許文献1)。
特開2001−169590号公報
このモータ制御システムでは、フィルタ回路が故障すると、正しい磁極位置が求められず適切にモータを制御できなくなる。
本発明による電流検出回路の故障診断装置は、モータの電流を検出する電流検出手段と、電流検出手段により検出された電流の高周波成分を抽出する高周波電流抽出手段と、モータへの印加電圧にさらに電圧を重畳する電圧重畳手段と、電流検出手段により検出された電流と高周波電流抽出手段により抽出された電流の高周波成分とに基づいてモータを制御する制御手段とを備えたモータ制御システムに搭載され、電流の変化量と電流の高周波成分の変化量との比較結果に基づいて高周波電流抽出手段の異常を検出するものである。
本発明によるモータ制御システムは、モータの電流を検出する電流検出手段と、電流検出手段により検出された電流の高周波成分を抽出する高周波電流抽出手段と、モータへの印加電圧にさらに電圧を重畳する電圧重畳手段と、電流検出手段により検出された電流と高周波電流抽出手段により抽出された電流の高周波成分とに基づいてモータを制御する制御手段と、高周波電流抽出手段により抽出された電流の高周波成分に基づいて電圧重畳手段により重畳された電圧によって生じる電流の差分を算出し、その算出された差分によりモータの磁極位置を検出する磁極位置検出手段と、電流の変化量と電流の高周波成分の変化量との比較結果に基づいて高周波電流抽出手段の異常を検出する故障診断装置とを備え、故障診断装置により高周波電流抽出手段の異常を検出した場合、電圧重畳手段により重畳する電圧をそれまでより高い電圧に切り換え、電流の高周波成分に代えて、電流検出手段により検出された電流に基づいて、磁極位置検出手段により磁極位置を算出するものである。
本発明によれば、モータの電流を検出し、検出された電流の高周波成分を高周波電流抽出手段により抽出し、検出した電流の変化量と抽出した電流の高周波成分の変化量との比較結果に基づいて高周波成分抽出手段の異常を検出することとしたので、高周波成分抽出手段の故障を即時に検出することができる。
本発明によるモータ制御システムによれば、高周波成分抽出手段の異常を検出した場合、モータへの印加電圧にさらに重畳する電圧をそれまでより高い電圧に切り換え、モータ電流の高周波成分に代えて、検出したモータ電流に基づいて磁極位置を算出することとしたので、高周波成分抽出手段が故障した場合にも磁極位置を算出することができ、モータの運転を継続することができる。
図1に、本発明による電流検出回路の故障診断装置を備えたモータ制御システムの一実施形態を示す。このモータ制御システムでは、同期モータ1をバッテリー2の直流エネルギーで駆動する。バッテリー2より供給される直流電力は、インバータ3により3相の交流電力に変換され、同期モータ1に供給される。このときのモータ印加電圧は、コントローラ4における演算結果によって決定される。以下にコントローラ4の各機能ブロックの動作を説明し、それにより同期モータ1への印加電圧を決定する方法を説明する。
電流指令値発生部6は、外部より与えられる同期モータ1が発生すべきトルク指令値Trefに対して、d軸電流指令値idrおよびq軸電流指令値iqrを決定し、電流制御部7へ出力する。ここで、d軸は同期モータ1の磁極位置(磁束)の方向、q軸は電気的にd軸に直交する方向を示しており、このd軸およびq軸により、d−q軸座標系が構成される。なお、idrおよびiqrはトルク指令値Trefに対して様々な割合で設定することができるが、その割合によってモータ損失が異なり、モータ損失を最小とするidrとiqrの割合は、モータ速度によって変化する。そこで、電流指令値発生部6では、速度検出部13で求められたモータ速度Nに基づいて、トルク指令値Trefに対してモータ損失が最も少ない最適なidr,iqrを出力するようにしている。
同期モータ1において磁石を有する回転子が回転すると、d−q軸座標系も回転する。このd−q軸座標系の回転変位量、すなわち磁極の位相をθで表し、以下、これを磁極位置θと呼ぶことにする。速度検出部13は、この磁極位置θを一定時間ごとに検出し、その変化量によりモータ速度Nを求めている。磁極位置θは、磁極位置検出部12において、同期モータ1の出力電流より後述する方法によって求められる。
コントローラ4の外部に備えられた電流センサ5u、5vおよび5wによって、同期モータ1の3相(u相、v相およびw相)電流がそれぞれ検出される。これら検出されたモータ電流は、コントローラ4の電流検出部10およびフィルタ部15に出力される。このうち、フィルタ部15に出力された電流にはフィルタ処理が行われ、電流の高周波成分のみが抽出される。抽出された高周波電流は、電流検出部10に出力される。
電流検出部10は、電流センサ5u、5vおよび5wによって検出されたモータ電流と、フィルタ部15によって抽出された高周波電流をサンプリングする。このときのサンプリングのタイミングを図2に示す。図2の符号20に示す搬送波における各頂点(符号21に示す各点)のタイミングに合わせて、検出されたモータ電流と抽出された高周波電流をサンプリングする。このタイミングは、後に説明するPWM信号発生部9より出力されるタイミング信号Pdによって判別する。なお、搬送波20は周波数10kHzのときの例を示しているが、その他の周波数としてもよい。サンプリングされた値のうち、uvw各相のモータ電流に対するサンプリング値iu、ivおよびiwは、図1に示す座標変換部11、磁極位置検出部12および故障診断部16に出力される。また、uvw各相の高周波電流に対するサンプリング値iuf、ivfおよびiwfは、磁極位置検出部12および故障診断部16に出力される。
座標変換部11は、電流検出部10より入力するモータ電流のサンプリング値iu、ivおよびiwに対して、磁極位置検出部12より出力される磁極位置θに基づいて座標変換を行い、d−q軸座標系のd軸電流idおよびq軸電流iqを算出する。算出されたd軸電流idおよびq軸電流iqは、電流制御部7に出力される。
電流制御部7は、電流指令値発生部6より入力するd軸電流指令値idrと、座標変換部11より入力するd軸電流idとの差により、d軸電流偏差を求める。さらに、そのd軸電流偏差に対して周知の比例・積分制御演算を行い、d軸電圧指令値Vdsを得る。このd軸電圧指令値Vdsには、後に説明する重畳電圧生成部14より出力される重畳電圧Vpが加算され、d軸電圧指令値Vds1となって座標変換部8に出力される。同様に、q軸電流指令値iqrとq軸電流iqに対して得られるq軸電圧指令値Vqsも、座標変換部8に出力される。このとき、q軸電圧指令値Vqsに対しては、重畳電圧Vpは加算されない。
座標変換部8は、入力するd軸電圧指令値Vds1およびq軸電圧指令値Vqsに対して、磁極位置検出部12より出力される磁極位置θに基づいて座標変換を行い、静止座標系の3相電圧指令値Vus、VvsおよびVwsを算出する。算出された3相電圧指令値Vus、VvsおよびVwsは、PWM信号発生部9に出力される。
PWM信号発生部9は、座標変換部8より入力する3相電圧指令値Vus、VvsおよびVwsをそれぞれ搬送波と比較することでパルス幅を算出し、3相のPWMパルスPu、PvおよびPwをインバータ3に出力する。これにより、同期モータ1に印加する電圧が決定される。また、PWM信号発生部9は、搬送波よりサンプリングのタイミングを示す信号Pdを抽出し、電流検出部10および重畳電圧生成部14へ出力する。
重畳電圧生成部14は、図2の符号22に示す重畳電圧Vpを出力する。符号22に示す重畳電圧Vpは、搬送波20の半周期ごと、すなわち符号21に示す各点のタイミングごとに、極性を切り換えられる。この切り換えのタイミングは、図1に示すPWM信号発生部9より出力されるタイミング信号Pdにより判別する。このように極性を切り換えられた重畳電圧Vpを電流制御部7から出力するd軸電圧指令値Vdsに重畳することで、同期モータ1の3相電流に磁極位置θに応じた電流変化を発生させる。発生した電流変化は電流センサ5u、5vおよび5wによって検出され、磁極位置検出部12において、後述する方法によって磁極位置θが求められる。このとき、フィルタ回路15によって検出した電流の高周波成分のみを抽出することで、重畳電圧Vpを小さくすることができ、同期モータ1の駆動に与える影響を小さくすることができる。
重畳電圧Vpには2種類の電圧があり、後に説明する故障診断部16から出力される診断開始信号および故障信号の状態によって、どちらかの電圧が選択されて用いられる。診断開始信号および故障信号が通常時の状態であるときの重畳電圧はVp1(負極性時は−Vp1)であり、フィルタ回路15の故障診断中、もしくはフィルタ回路15が故障している状態を示している場合は、重畳電圧をVp2(負極性時は−Vp2)とする。ここで、Vp1<Vp2である。このように重畳する電圧を高くすることで、重畳電圧Vpにより発生した電流変化の高周波成分をフィルタ回路15によって抽出しなくても、磁極位置θを求めることができる。
図2において、診断開始信号23が未診断であり、かつ故障信号24が正常である期間、すなわち時刻t0〜t2およびt4〜t6では、符号22に示す重畳電圧Vpは、通常時の電圧Vp1と−Vp1が用いられている。診断開始信号23が診断中である期間および故障信号24が故障である期間、すなわち時刻t2〜t4、t6〜t8およびt8〜t10では、符号22に示す重畳電圧Vpは、Vp2と−Vp2が用いられている。
磁極位置検出部12では、搬送波の1周期の間における高周波電流のサンプリング値iuf、ivfおよびiwfから、重畳電圧Vpによって発生する電流差分を求めることにより、磁極位置θを求める。この方法を以下に説明する。まず、サンプリング値iufおよびivfについて、下記の式(1)により、搬送波の前半の半周期における差分ΔiufおよびΔivfを求める。ここで、計算対象とする1周期においてはじめにサンプリングした時刻、たとえば図2の時刻t0を時刻t(2n)と表し、その次にサンプリングした時刻、たとえば時刻t1を時刻t(2n+1)と表す。
Δiuf(t(2n))=iuf(t(2n+1))−iuf(t(2n))
Δivf(t(2n))=ivf(t(2n+1))−ivf(t(2n))
・・・(1)
次に、求められた差分ΔiufとΔivfを、2相交流(α−β)座標系の差分ΔiαfとΔiβfに変換する。この変換された差分を、Δiαf(t(2n))およびΔiβf(t(2n))と表す。
なお、以上説明した内容について、差分ΔiufまたはΔivfの代わりにサンプリング値iwfの差分Δiwfを下記の式(2)により求め、この差分Δiwfと差分ΔiufまたはΔivfのいずれか、または差分Δiuf、ΔivfおよびΔiwf全てにより、Δiαf(t(2n))とΔiβf(t(2n))を求めてもよい。
Δiwf(t(2n))=iwf(t(2n+1))−iwf(t(2n))
・・・(2)
次に、後半の半周期、すなわち時刻t(2n+1)から時刻t(2n+2)の間においても上記と同様の演算を行い、このときの2相交流(α−β)座標系の差分Δiαf(t(2n+1))とΔiβf(t(2n+1))を求める。その後、下記の式(3)によって、搬送波の1周期の間におけるΔiαfとΔiβfの差であるΔΔiαfとΔΔiβfをそれぞれ求める。
ΔΔiαf=Δiαf(t(2n+1))−Δiαf(t(2n))
ΔΔiβf=Δiβf(t(2n+1))−Δiβf(t(2n)) (3)
このようにして算出されたΔΔiαfとΔΔiβfを、2相交流(α−β)座標系におけるベクトルとしてそれぞれ表し、そのベクトルを合成したベクトルの位相角をθabとする。図3において、符号31に示すベクトルをΔΔiαf、符号32に示すベクトルをΔΔiβfとすると、ベクトル31と32を合成した符号33に示すベクトルの位相角34がθabを表す。このθabが磁極位置θである。
上記のようにして、磁極位置θが求められる。この磁極位置θに基づいて、上記に説明した方法によって、同期モータ1への印加電圧が決定される。次に、故障診断部16の動作について説明する。故障診断部16は、コントローラ4における電流検出回路の故障診断装置として機能する。
故障診断部16では、フィルタ部15の異常を診断する。診断の結果、フィルタ部15が異常であると判断した場合、磁極位置検出部12および重畳電圧生成部14に故障信号を出力する。フィルタ部15に対する異常の診断は、外部から図示しない診断要求の信号を入力したときや、あらかじめ設定された時間となったときなどに行われる。なお異常の診断を行うとき、故障診断部16は診断開始信号を重畳電圧生成部14に出力する。故障診断部16より出力する故障信号および診断開始信号の信号波形は、たとえば上述した図2に示したとおりである。図2において、符号23に診断開始信号、符号24に故障信号の例をそれぞれ示している。
ここで、フィルタ部15はuvw3相のそれぞれに対してフィルタ処理を行うが、上記で説明したように、モータ電流のサンプリング値iuf、ivfおよびiwfのうちいずれか2つが正常であれば、磁極位置θを求めることができる。そのため、フィルタ部15における3相のフィルタ処理のうちいずれか2相が正常であれば、故障診断部16において、フィルタ部15は正常と判断する。このとき、磁極位置検出部12では、正常な相の電流のサンプリング値を用いて上記の計算を行う。フィルタ部15において2相以上のフィルタ処理が異常となったとき、故障診断部16においてフィルタ部15は異常であると判断する。フィルタ部15における3相のフィルタ処理が正常か否かをそれぞれ判断する方法を、次に説明する。
下記の式(4)により、電流検出部10より出力されるモータ電流のサンプリング値iu、ivおよびiwについて、搬送波半周期ごとの電流差分を求める。ここで、計算対象とする1周期においてはじめにサンプリングした時刻を時刻t(2n)と表し、その次にサンプリングした時刻を時刻t(2n+1)と表す。
Δiu(t(2n))=iu(t(2n+1))−iu(t(2n))
Δiv(t(2n))=iv(t(2n+1))−iv(t(2n))
Δiw(t(2n))=iw(t(2n+1))−iw(t(2n))
(4)
下記の式(5)〜(7)の判定により、式(4)によって表されるモータ電流の差分と、式(1)および(2)によって表される高周波電流の差分との差の絶対値が、所定値(Aと表す)以上となるか否かを判定する。式(5)〜(7)のいずれかを満たす場合、その相のフィルタ処理は異常であると判定される。なお、所定値Aはuvw3相に対してそれぞれ異なる値を設定してもよい。
u相:|Δiu(t(2n))−Δiuf(t(2n))|>A (5)
v相:|Δiv(t(2n))−Δivf(t(2n))|>A (6)
w相:|Δiw(t(2n))−Δiwf(t(2n))|>A (7)
故障診断部16は、このようにしてフィルタ部15の異常を診断する。診断の結果フィルタ部15が異常であると判断された場合、磁極位置検出部12では、高周波電流のサンプリング値iuf、ivfおよびiwfに代えて、フィルタ処理をしていないモータ電流のサンプリング値iu、ivおよびiwにより、磁極位置θを算出する。このときの算出方法は、上記に述べた高周波電流のサンプリング値による方法と同様である。またこのとき、重畳電圧生成部14より出力する重畳電圧Vpは、通常時の電圧Vp1に代えて異常時の電圧Vp2とされる。
上記に説明した故障診断の処理の流れを示すフローチャートを図4に示す。このフローチャートはコントローラ4で実行されるプログラムに基づくものであり、コントローラ4の動作中は常に実行されている。
ステップS1では、故障診断部16において、電流センサ5u、5vおよび5wが正常であるか否かの判定を行う。電流センサ5u、5vおよび5wにより検出された電流のサンプリング値iu、ivおよびiwが下記の式(8)を満たす場合は正常であると判定し、ステップS2へ進む。式(8)を満たさない場合は異常であると判定し、ステップS21へ進む。
|iu+iv+iw|≒0 (8)
ステップS2では、重畳電圧生成部14において、故障診断部16より故障信号が出力されているか否かの判定を行う。故障信号が出力されている場合はステップS3へ進み、出力されていない場合はステップS4へ進む。ステップS3では、重畳電圧生成部14より出力する重畳電圧を、異常時の電圧±Vp2とする。
ステップS4では、重畳電圧生成部14において、故障診断部16が診断中であるか否かを判定する。故障診断部16より出力する診断開始信号が診断中であることを示している場合は、診断中であると判定し、ステップS6へ進む。診断開始信号が未診断であることを示している場合は、診断中ではないと判定し、ステップS5へ進む。ステップS5では、重畳電圧生成部14より出力する重畳電圧を、通常時の電圧±Vp1とする。
ステップS6では、故障診断部16において、ステップS1と同様にして、電流センサ5u、5vおよび5wが正常であるか否かの判定を式(8)により行う。正常であると判定した場合はステップS7へ進み、正常でないと判定した場合はステップS21へ進む。ステップS7では、ステップS3と同様に、重畳電圧生成部14より出力する重畳電圧を異常時の電圧±Vp2とする。
ステップS8では、故障診断部16において、電流センサ5u、5vおよび5wの出力によるモータ電流のサンプリング値iu、ivおよびiwの変化量、すなわち差分Δiu、ΔivおよびΔiwを求める。この差分Δiu、ΔivおよびΔiwは、前述の式(4)によって表される。また、高周波電流のサンプリング値iuf、ivfおよびiwfについても、同様にして、前述の式(1)および(2)によって表される差分Δiuf、ΔivfおよびΔiwfを求める。
ステップS9では、故障診断部16において、フィルタ部15のu相のフィルタ処理が正常であるか否かを判定する。この判定は、前述の式(5)によって行う。式(5)を満たさない場合、u相のフィルタ処理は正常であると判定し、ステップS10へ進む。式(5)を満たす場合、u相のフィルタ処理は異常であると判定し、ステップS11へ進む。ステップS10では、故障診断部16においてu相のフィルタが正常であることを記憶し、ステップS11では、故障診断部16においてu相のフィルタが異常であることを記憶する。ステップS10またはS11において記憶した結果は、後に説明するステップS18において用いられる。
ステップS12では、故障診断部16において、ステップS9と同様にして、フィルタ部15のv相のフィルタ処理が正常であるか否かを前述の式(6)によって判定する。式(6)を満たさない場合、v相のフィルタ処理は正常であると判定し、ステップS13へ進む。式(6)を満たす場合、v相のフィルタ処理は異常であると判定し、ステップS14へ進む。ステップS10およびS11と同様に、ステップS13では故障診断部16においてv相のフィルタが正常であることを記憶し、ステップS14では故障診断部16においてv相のフィルタが異常であることを記憶する。ステップS13またはS14において記憶した結果は、後に説明するステップS18において用いられる。
ステップS15では、故障診断部16において、ステップS9などと同様にして、フィルタ部15のw相のフィルタ処理が正常であるか否かを前述の式(7)によって判定する。式(7)を満たさない場合、w相のフィルタ処理は正常であると判定し、ステップS16へ進む。式(7)を満たす場合、w相のフィルタ処理は異常であると判定し、ステップS17へ進む。ステップS10およびS11などと同様に、ステップS16では故障診断部16においてw相のフィルタが正常であることを記憶し、ステップS17では故障診断部16においてw相のフィルタが異常であることを記憶する。ステップS16またはS17において記憶した結果は、後に説明するステップS18において用いられる。
ステップS18では、故障診断部16において、フィルタ部15のuvw3相のフィルタ処理のうち、2相以上が異常であるか否かを判定する。この判定は、ステップS9〜S17の処理結果によって判定される。2相以上が異常であると判定した場合、ステップS19へ進む。そうでない場合はステップS20へ進む。ステップS19では故障診断部16から故障信号を出力し、ステップS22へ進む。ステップ20では故障診断部16から故障信号を出力せずに、ステップS23へ進む。
ステップS22では、磁極位置検出部12において、電流センサ5u、5vおよび5wの出力によるモータ電流のサンプリング値iu、ivおよびiwにより磁極位置θを算出する。これらのサンプリング値には、フィルタ部15におけるフィルタ処理は行われていない。ステップS22を実行した後は、ステップS1へ戻る。
ステップS23では、磁極位置検出部12において、高周波電流のサンプリング値iuf、ivfおよびiwfにより磁極位置θを求める。このときのサンプリング値は、ステップS9〜S17においてフィルタ処理が正常と判定されたいずれか2つの相のものを用いる。ステップS23を実行した後は、ステップS1へ戻る。
ステップS1またはS6でセンサが正常でないと判断されると、ステップS21に進む。このステップS21では、電流センサ5u、5vおよび5wのいずれかが故障しているとして、同期モータ1を停止する。このとき、コントローラ4より外部に信号を出力するなどして、電流センサの故障により同期モータ1を停止することをユーザに報知するのが望ましい。ステップS21を実行した後は、ステップS1へ戻る。
上述した電流検出回路の故障診断装置によれば、電流センサ5u、5vおよび5wにより検出した同期モータ1の電流の変化量と、電流センサ5u、5vおよび5wにより検出してフィルタ部15により抽出した電流の高周波成分の変化量との比較結果に基づいてフィルタ部15の異常を検出することとしたので、フィルタ部15の故障を即時に検出することができる。
また上述した電流検出回路の故障診断装置によれば、同期モータ1の電流の変化量と、電流の高周波成分の変化量とを比較するとき、重畳電圧生成部14により重畳する電圧をそれまでより高い電圧に切り換えさせることとしたので、その比較結果によりフィルタ部15の故障を即時に検出することができる。
上述したモータ制御システムによれば、故障診断部16によりフィルタ部15の異常を検出した場合、重畳電圧生成部14により重畳する電圧をそれまでより高い電圧に切り換える。また、フィルタ部15により抽出された電流の高周波成分に代えて、電流センサ5u、5vおよび5wにより検出された電流に基づいて磁極位置検出部12により磁極位置θを算出する。このようにしたので、フィルタ部15が故障した場合にも電流センサ5u、5vおよび5wにより検出された電流に基づいて磁極位置θを算出することができ、同期モータ1の運転を継続することができる。
上述の実施の形態では、故障診断部16はコントローラ4の機能の一部である例を説明したが、この故障診断部16の機能を切り離して、コントローラ4とは別個の電流検出回路の故障診断装置としてもよい。または、その他の機能も合わせてコントローラ4から切り離し、この機能を実現する電流検出回路の故障診断装置としてもよい。
上述の実施の形態では、電流検出手段を電流センサ5u、5vおよび5w、高周波電流抽出手段をフィルタ部15、制御手段をコントローラ4、電圧重畳手段を重畳電圧生成部14、磁極位置算出手段を磁極位置検出部12により実現し、故障検出装置を故障診断部16で実現している。しかし、これらはあくまで一例であり、本発明の特徴が損なわれない限り、各構成要素は上記実施の形態に限定されない。
上述の実施の形態では、同期モータ1をインバータ3で制御する例について説明したが、電流センサ5u,5vおよび5w、フィルタ部15および故障診断部16に相当する機能を備えるのであれば、同期モータに限らず、誘導モータ、直流モータやその他の方式のモータを制御するものであっても、本発明を適用できる。
本発明による電流検出回路の故障診断装置を備えたモータ制御システムの一実施形態を示す図である。 搬送波と、電流検出部10におけるサンプリングのタイミングと、重畳電圧生成部14より出力する重畳電圧Vpと、故障診断部16より出力する診断開始信号および故障信号との関係を示す図である。 搬送波の1周期の間における電流値の差分ΔΔiαfおよびΔΔiβfと、磁極位置θを表す位相角θabとの関係を示すベクトル図である。 コントローラ4で実行される故障診断の処理の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
1 同期モータ
2 バッテリー
3 インバータ
4 コントローラ
5u,5v,5w 電流センサ
6 電流指令値発生部
7 電流制御部
8 座標変換部
9 PWM制御部
10 電流検出部
11 座標変換部
12 磁極位置検出部
13 速度検出部
14 重畳電圧生成部
15 フィルタ部
16 故障診断部

Claims (3)

  1. モータの電流を検出する電流検出手段と、
    前記電流検出手段により検出された電流の高周波成分を抽出する高周波電流抽出手段と、
    前記モータへの印加電圧にさらに電圧を重畳する電圧重畳手段と、
    前記電流検出手段により検出された電流と前記高周波電流抽出手段により抽出された前記電流の高周波成分とに基づいて前記モータを制御する制御手段とを備えたモータ制御システムに搭載され、
    前記電流の変化量と前記電流の高周波成分の変化量との比較結果に基づいて前記高周波電流抽出手段の異常を検出することを特徴とする電流検出回路の故障診断装置。
  2. 請求項1の電流検出回路の故障診断装置において、
    前記比較を行うときに、前記電圧重畳手段により重畳する電圧をそれまでより高い電圧に切り換えさせることを特徴とする電流検出回路の故障診断装置。
  3. モータの電流を検出する電流検出手段と、
    前記電流検出手段により検出された電流の高周波成分を抽出する高周波電流抽出手段と、
    前記モータへの印加電圧にさらに電圧を重畳する電圧重畳手段と、
    前記電流検出手段により検出された電流と前記高周波電流抽出手段により抽出された前記電流の高周波成分とに基づいて前記モータを制御する制御手段と、
    前記高周波電流抽出手段により抽出された前記電流の高周波成分に基づいて前記電圧重畳手段により重畳された電圧によって生じる前記電流の差分を算出し、その算出された差分により前記モータの磁極位置を検出する磁極位置検出手段と、
    前記電流の変化量と前記電流の高周波成分の変化量との比較結果に基づいて前記高周波電流抽出手段の異常を検出する故障診断装置とを備え、
    前記故障診断装置により前記高周波電流抽出手段の異常を検出した場合、前記電圧重畳手段により重畳する電圧をそれまでより高い電圧に切り換え、前記電流の高周波成分に代えて、前記電流検出手段により検出された電流に基づいて、前記磁極位置検出手段により磁極位置を算出することを特徴とするモータ制御システム。
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