JP2005116460A - スプレーグロー放電イオン化方法及び装置 - Google Patents

スプレーグロー放電イオン化方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ペニング効果を示すガスを用いてイオン化の効率化を図りつつ質量分析の主要なイオン化方法である大気圧化学イオン化(APCI)法、電子スプレーイオン化(ESI)法との共用あるいは交互利用ができるスプレーグロー放電イオン化方法及び装置を提供する。
【解決手段】スプレーグロー放電イオン化装置であって、被測定化合物を含む流体を供給する供給口Aと、この供給口Aを取囲みこの供給口Aからの流体を噴霧流化するペニング効果を示すガスの吹出し口Bと、前記噴霧流の生成口Cに設けられる接地側の放電電極Eと、前記噴霧流の進行方向に配置され前記接地側の放電電極Eに対向する電圧印加側の放電電極Fとを備え、前記ペニング効果を示す霧化ガス1により噴霧流化しながら前記流体を構成する被測定化合物成分を前記励起されたペニング効果を示す霧化ガス1によりイオン化し質量分析計する。
【選択図】図1

Description

本発明は、非共有電子対、π電子などを有する化学物質の質量分析等に用いるスプレーグロー放電イオン化方法及び装置に関するものである。
このような質量分析において被測定試料の構成化合物をイオン化して分析する方法は、イオン化法と呼ばれている。
化合物のイオン化法には、(1)電子イオン化(Electron Ionization;EI)法、(2)化学イオン化(Chemical Ionization;CI)法、(3)高速原子衝撃(Fast Atom Bombardment;FAB)法、(4)プラズマ(Inductively Coupled Plasma:ICP)法、(5)レーザー脱離(Laser Desorption;LD)法、(6)サーモスプレー(Thermospray)法、(7)電子スプレーイオン化(Electrospray Ionization;ESI)法、(8)大気圧化学イオン化(Atmospheric Pressure Chemical Ionization;APCI)法など種々の方法が提案されている。
質量分析では検出手段を他の被測定物質の分離手段と組み合わせて用いる複合型の分析方法が盛んに利用されている。上記した何れの技術においても、被測定試料の効果的なイオン化が分析の精度と感度の向上のために技術的に大きな意味があることは明らかである。特に前記複合型の分析においては、質量分析計を被測定試料の分離手段、例えばガスクロマトグラフ(GC)、液体クロマトグラフ(LC)、キャピラリー電気泳動(CE)などに結合して設けることが多い。
この複合型の分析方法においては、前記被測定試料の分離手段により分離された被測定試料中の被測定化合物をできる限り破壊することなく、効率的にそれぞれの化学成分をイオン化することができるイオン化手段が付属していることが重要である。
前記した液体クロマトグラフ(LC)、キャピラリー電気泳動(CE)などガスクロマトグラフ(GC)以外の分離装置と組み合わせて用いる場合、効率の良いイオン化法は、前述した電子スプレーイオン化(ESI)法および大気圧化学イオン化(APCI)法である。電子スプレーイオン化法では、イオン化される被測定化合物が極性物質であれば、比較的低いイオン化電位あるいは高いプロトン親和力または電子親和力を持つためにイオン化が容易であるが、非極性の化合物ではイオン化が困難な場合が多い。また、大気圧化学イオン化法は、気化した溶媒がコロナ放電でイオン化し、物質のイオン化を容易にする作用をするため一部の非極性化合物もイオン化できるが、溶媒より高いプロトン親和力または電子親和力、あるいは溶媒より低いイオン化エネルギー(イオン化ポテンシャルとも言う)または酸度を有する必要がある。このような非極性物質のイオン化が困難であるという問題を改善するために、ヘリウム、アルゴンなどの高イオン化エネルギー物質を介在させるイオン化の方法が提案されている。
そのような方法を利用して質量分析特性を向上させる技術としては、例えば、下記特許文献1に開示されたものがある。
ここでは、従来技術である電子スプレーイオン化法では、例えば、非極性分子であるダイオキシンやPCBの微量成分ではイオン化が困難なため、このような成分の検出はほとんど不可能であったことが述べられている。
そこで、下記特許文献1によれば、基本的には前記イオン化の効率を上げるための手段としてマイクロ波共振器により発生する高周波プラズマを採用することを提案し、更に、そこで利用される液体の霧化(spray)器に、分離した被測定試料の導入部の周りに被測定試料の気化を容易にするシース液供給部と共にヘリウムガスやアルゴンガスの導入部を併設して、前記ガスの導入により、被測定試料成分のイオン化効率を向上させることを提案している(下記特許文献1の〔0009〕を参照)。
そして、前記ガスの導入は、これらガスのプラズマを生成し、従来法ではイオン化ポテンシャルが高いためにイオン化できなかった非極性化合物のイオン化を向上させることが説明されている(下記特許文献1の〔0015〕を参照)。ここでは、ヘリウムガスやアルゴンガスは励起状態ではなく、プラズマとして働いているので、ペニング効果によるイオン化ではないことが推測できる。
ここで、ペニングイオン化とは、準安定励起原子が、それより低いエネルギーのイオン化電位をもつ第2の原子から、準安定励起原子の空位になっている基底準位に電子を取り込み、第2の原子がイオン化する現象である。
一方、前記ペニング効果の原理を利用して、他の分離手段で分離された被測定試料のイオン化を容易にして、イオン化された被測定試料を質量分析計に供給して、被測定試料のイオン化効率を高めるための技術として、霧化した試料にあらかじめ生成した励起ガスを作用させる方法が報告されている。例えば、Zhu(下記特許文献2)の開発したものがあり、この方法はコイル付きの長い管状の放電室を用いている。また、Bertrand等の開発した方法(下記特許文献3)ではガス混合用と放電用の2つのチャンバーを用いるなど、質量分析計に接続するインターフェースを持っている。そのため、質量分析の主要なイオン化法であるコロナ放電電極を用いる大気圧化学イオン化(APCI)法、電子スプレーイオン化(ESI)法などとの装置の共用化が難しい、という不都合がある。
特開2001−108656号公報 米国特許5,192,865号明細書 米国特許6,124,675号明細書
本発明は、上記状況に鑑みて、ペニング効果を示すガスを用いてイオン化の効率化を図りつつ、質量分析の主要なイオン化方法である大気圧化学イオン化(APCI)法、電子スプレーイオン化(ESI)法との共用あるいは交互利用ができるスプレーグロー放電イオン化方法及び装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕スプレーグロー放電イオン化方法において、被測定化合物を含む流体を取り囲むようにこの流体を噴霧流化するペニング効果を示すガスを供給し、その噴霧流中でグロー放電を起こして、ペニング効果を示すガスのカチオン、ペニング効果を示す励起原子を生成させ、イオン化し難い化学物質を高い感度で直接または中間に生成する化学種を介してイオン化することを特徴とする。
〔2〕上記〔1〕記載のスプレーグロー放電イオン化方法であって、前記噴霧流が加熱されることを特徴とする。
〔3〕上記〔1〕記載のスプレーグロー放電イオン化方法であって、前記ペニング効果を示すガスとして希ガスを用いることを特徴とする。
〔4〕上記〔3〕記載のスプレーグロー放電イオン化方法であって、前記希ガスとしてアルゴンを用いることを特徴とする。
〔5〕上記〔4〕記載のスプレーグロー放電イオン化方法であって、前記希ガスがアルゴンArであって、アルゴンカチオンAr+ 、励起アルゴンAr* を生成することを特徴とする。
〔6〕上記〔1〕記載のスプレーグロー放電イオン化方法であって、更に前記噴霧流を乾燥するために乾燥ガスを吹き付けることを特徴とする。
〔7〕上記〔6〕記載のスプレーグロー放電イオン化方法であって、前記乾燥ガスとして窒素ガス、空気または希ガスを用いることを特徴とする。
〔8〕スプレーグロー放電イオン化装置において、被測定化合物を含む流体を供給する供給口と、この供給口を取り囲み該供給口からの流体を噴霧流化するペニング効果を示すガスの吹出し口と、前記噴霧流が生成される生成口に設けられる接地側の放電電極と、前記噴霧流の進行方向に配置され、前記接地側の放電電極に対向する電圧印加側の放電電極とを備え、前記ペニング効果を示すガスにより噴霧流化しながら前記流体を構成する被測定化合物成分をカチオン化および励起されたペニング効果を示すガスによりイオン化し質量分析計することを特徴とする。
〔9〕上記〔8〕記載のスプレーグロー放電イオン化装置であって、前記供給口及び噴霧流化するペニング効果を示すガスの吹出し口の周囲または近傍に設けた噴霧流を乾燥するための乾燥ガス吹出し口を備えることを特徴とする。
〔10〕上記〔8〕記載のスプレーグロー放電イオン化装置において、前記ペニング効果を示すガスが希ガスであることを特徴とする。
〔11〕上記〔10〕記載のスプレーグロー放電イオン化装置において、前記希ガスが、He、Ne、Ar、Kr又はXeであることを特徴とする。
〔12〕上記〔8〕記載のスプレーグロー放電イオン化装置において、前記被測定化合物がイオン化し難い化学物質であることを特徴とする。
〔13〕上記〔12〕記載のスプレーグロー放電イオン化装置において、前記化学物質が芳香族ニトロ化物、オキシン銅、ハロゲン化ニトロベンジル又は多環芳香族炭化水素であることを特徴とする。
〔14〕上記〔9〕記載のスプレーグロー放電イオン化装置において、前記乾燥ガスが窒素、空気または希ガスであることを特徴とする。
〔15〕上記〔8〕記載のスプレーグロー放電イオン化装置において、前記放電電極の表面を酸化を受け難い材料で被覆することを特徴とする。
〔16〕上記〔15〕記載のスプレーグロー放電イオン化装置において、前記酸化を受け難い材料が金、白金又は銀であることを特徴とする。
〔17〕上記〔8〕記載のスプレーグロー放電イオン化装置において、前記電圧印加側の放電電極は複数本の電極であることを特徴とする。
〔18〕上記〔17〕記載のスプレーグロー放電イオン化装置において、前記複数本の電極は針状電極であることを特徴とする。
〔19〕上記〔17〕又は〔18〕記載のスプレーグロー放電イオン化装置において、前記電極の3次元位置を調整する3次アクチュエータを具備することを特徴とする。
〔20〕上記〔8〕記載のスプレーグロー放電イオン化装置において、前記電極を除いてイオン源において電気的絶縁を施されていることを特徴とする。
本発明のスプレーグロー放電イオン化方法及び装置は、従来の反応室を設けて質量分析計(MS)に被測定化合物成分をイオン化して供給する場合と異なり、噴霧流を直接グロー放電し、生成するペニング効果のあるガスのカチオンおよび励起原子を用いてイオン化するため、イオン化の効率化を図りつつ質量分析の主要なイオン化方法である大気圧化学イオン化(APCI)法、電子スプレーイオン化(ESI)法との共用あるいは交互利用ができる。
ペニング効果のあるガスと質量分析計に供給する被測定化合物を含有する流体とを、前記ペニング効果のあるガスと前記被測定化合物を含有する流体とが十分混合された噴霧流となし、かつ、その噴霧流が細流として、放電電極に供給されると共に、高電流下において形成される放電が細長くなるように、前記噴霧流を形成するペニング効果のあるガスの供給手段を取り囲んで、またはその近傍に、シースガス供給手段を配置する。放電電極は、上流側が接地電極であり、下流側が電圧印加電極からなる配置とする。
これにより、被測定化合物を含有する流体を噴霧流化しながら前記流体を構成する被測定化合物をイオン化し、質量分析計に供給することができる。
これらにより、感度が2桁以上改善された被測定化合物の分析が実現できた。
また、本発明では、噴霧流化ガス(spraying gas)としてペニング効果を示すガスを用いた。
前記ペニング効果を示すガスの効果を調節するために、前記ペニング効果を示すガスに、少なくとも1つ以上の、添加物、例えばクロロホルムなどの有機物質を添加するように変形することができる。これらは、イオン化マトリクスと呼ばれ、溶媒の機能もこれに類似する。
さらに、霧化した噴霧流を流体供給体の先端またはその近傍と噴霧流の下流に設けた単数或いは複数(複数の構成とする場合先端は、上流側電極と等距離に配置し、全ての電極が効率よくイオン化に働くようにすることが肝要である)の電極間に数マイクロアンペアから数十ミリアンペアの定電流が流れるように放電(定電流放電)させることである。この際、ペニング効果を調節するために数十ボルトから数十キロボルトの電圧を印加して放電させるような変形も可能である。
本発明のイオン化手段のような大きな放電電流を実現して、それによりペニングイオン化に用いる励起状態のガスを多量に発生させ、被測定化合物分子の分解などを起こさない好ましいイオン化を実現することは、先行技術のAPCI法では不可能であったが、本発明によれば、前記大きな放電電流によるペニングイオン化用励起ガス大量生成とそれらと被測定物質の噴霧流による急速な混合によりS/N比の改善された被測定化合物の効率的なイオン化を可能とすることにより、高感度な測定が可能となった。
更に好ましいイオン化の実現には、生成イオンを更に下流に設けたリペラーにより質量分析計に誘導するように構成することが望ましい。
本発明は、流体供給体の先端から供給する噴霧化流体は、室温から数千度のガスで加熱することにより行うが、噴霧流化ガス、シースガスの一方または両方に液化ガスを用いて0〜−180℃のような低温でイオン化しても良い。すなわち、被測定化合物の状態温度を考慮した変形が可能である。
シースガス(カーテンガス)としては、高電流下においては、形成される放電が細長く安定になるようにペニング効果の低いシースガスを流すことが重要であり、そのような特性を持つシースガスとして、乾燥窒素ガス、純空気のような、イオン化効率を妨げないものを挙げることができる。
更に、数十マイクロアンペアー以下程度の少量の放電によりペニングイオン化を行う場合は、シースガスとしてペニング効果のあるガスを用いても細長い放電が可能であるので、シースガスとしてHe、Ne、Ar、Kr又はXeなどを用いることができる。
以下、本発明の特徴を図面を参照しながらより詳細に説明する。
近年、環境化学物質の液体クロマトグラフ/質量分析法(LC/MS)開発が急速に進み、LC/MSを必要とする環境や廃棄物関連の分析が数多く見受けられる。しかしながら、現在のLC/MSでは感度が無いか乏しい環境、廃棄物関連等の化学物質も少なくない。
そこで、本発明者らは、多環芳香族炭化水素、オキシン銅、ハロゲン化炭化水素、芳香族ニトロ化物など、APCI、ESIによるイオン化では感度が乏しい環境、廃棄物等に関連する化学物質を高感度で測定するため、新たなイオン化法in−Spray Glow Discharge Ionization(SGDI)を開発した。
図1は本発明のスプレーグロー放電イオン化(SGDI)装置の基本構成模式図である。
この図において、Aは被測定化合物を含む流体を供給する供給口、Bは供給口Aを取り囲み、その供給口Aからの流体を噴霧流化するペニング効果を示すガスの吹出し口、Cは噴霧流の生成口、Dはこの噴霧流を乾燥するために吹き付けられる乾燥ガス(シースガス)の吹き出し口、Eはその噴霧流の生成口Cに設けられる接地側の放電電極、Fは噴霧流の進行方向に配置され、接地側の放電電極Eに対向する電圧印加側の放電電極であり、前記ペニング効果を示すガスにより供給口Aからの流体を噴霧流化しながら前記流体を構成する被測定化合物成分を前記励起されたペニング効果を示すガスによりイオン化し質量分析する。
さらに詳しく説明すると、1はペニング効果を示す霧化ガス、2はシースガス、3は噴霧流形成ノズル、4は噴霧流供給口、5は高速液体クロマトグラフにより分離された被測定化合物を含む流体を供給する流体入り口、6は放電電極装置(接地側)、7は放電電極装置(電圧印加電極)、9は質量分析計導入用差動排気系(スキマー)、10は質量分析計、11は噴霧流加熱用円筒ヒーター、12はシースガス加熱用環状ヒーターである。
図1において、例えば、高速液体クロマトグラフ、キャピラリー電気泳動などにより分離された被測定化合物分子を含む流体を、大気圧下で、流体入り口5から供給し、ペニング効果を示す霧化ガス1を、噴霧流の生成口Cで噴霧流形成ノズル3により噴霧流化ガスとして前記流体供給口Aの周囲に導入して、流体を噴霧流化した。その際、ペニング効果を示す霧化ガス1は、1〜3mm内径(I.D.)程度のステンレス(SUS)あるいは四フッ化エチレン樹脂製の管を用いて供給される。
また、噴霧流加熱用円筒ヒーター11は供給される流体を加熱し、流体を霧化し易くする。さらに、シースガス2を前記ペニング効果を示す霧化ガス1を取り囲むように供給することで、形成された噴霧流の拡散が小さくなり、ペニング効果を示すガスが十分混合された噴霧流が形成される。その際、シースガス2は1〜3mm内径(I.D.)程度のステンレス(SUS)あるいは四フッ化エチレン樹脂製の管を用いて供給される。
更に、放電電極は、噴霧流の上流側に接地電極6、下流側に電圧印加電極7を配置する。噴霧流中に先端を露出する電極6,7間に数十ボルト〜数十キロボルトの電圧を印加すると、上流側の電極6が噴霧流供給口4と電気的に接続されて接地される。かつ、周囲と電気的に絶縁して配置されている電圧印加電極7を用いてグロー放電することにより、励起原子およびカチオンを生成し、被測定化合物分子と生成したペニング効果を示す霧化ガス1の励起原子およびカチオンが十分混合され、噴霧流中の被測定化合物分子を、比較的安定にかつ効率的にイオン化する。生成した被測定化合物のイオンは、質量分析計導入用差動排気系9と質量分析計(MS)10の入り口に誘導され検出される。
図2は本発明のSGDIイオン源の構造を示す模式図、図3はその要部構成図、図4はそのイオン化の原理を示す図である。
図2において、20はヒータープローブ、21はHPLC(High Performance Liquid Chromatografy),CE(キャピラリー電気泳動),GC(Gas Chromatografy),SFC(Specific fuel Consumption)などのクロマトグラフからの溶出液またはガス、22はクロマトグラフからの溶出液またはガス21を噴霧流化するスプレーガスとしてのHe,Ne,Ar,Kr,Xeなどの希ガス、23は噴霧流を乾燥するために吹き付けられる乾燥ガスであり、グロー放電電流が大きい場合には窒素ガス、空気を、グロー放電電流が小さい場合には希ガスを用いる。24は接地電極(グロー放電電極)、25は電圧印加電極(グロー放電電極)、26は高電圧電源、27は3次元アクチュエータ、28は質量吸入口、29は質量分析計を示している。
また、電圧印加電極として、図3および図4に示すように、複数の針状電極30,31,32を配置するようにしてもよい。なお、図4において、34はグロー放電を示している。
さらに、電圧印加電極は放電状態を最適にするために3次元アクチュエータ27を用いてx,y,zの方向に調整することができる。
また、上記した放電電極の表面は酸化を受け難い材料で被覆され、その材料としては金、白金、又は銀を用いるのが望ましい。
また、ここでは、市販のLC/MS装置のヒータープローブ20に、グロー放電電極24,25と、高電圧電源26を付加して製作し、スプレーガス22にアルゴンを用いている。よって、従来のイオン化装置と簡単に切り替えられるため、相互補完的な使用ができ、製作費も安価である。
そのイオン化の機構を図3及び図4を用いて説明する。
ヒータープローブ20からクロマトグラフからの溶出液(ガスでもよい)をスプレーガス(アルゴン)22により噴霧流化し、その雰囲気下でグロー放電を起こしてアルゴンカチオンAr+ 、励起アルゴンAr* を生成する。このAr+ ,Ar* がAPCI、ESIでは感度の乏しい(イオン化エネルギーが高くプロトン親和力の低い)化学物質を直接またはH3 + のような内部エネルギーの高い中間生成化学種を介してイオン化することにより高感度を得る。
イオン化の機構をより詳細に展開すると以下のようである。
Ar+ΔH→Ar* …(1)
Ar* +M→Ar- +M+ …(2)
Ar- →Ar+e- …(3)
ここで、ΔHはアルゴン(Ar)の励起エネルギー、Ar* は励起アルゴン、Mはイオン化の対象となる分子である。上記式(2)は、ペニングイオン化と呼ばれる。また、以下の反応も並行している。
Ar+ΔH′→Ar+ +e …(4)
Ar+ +M→Ar+M+ …(5)
Ar+ +M→ArM+ …(5′)
Ar+ +mS→Ar+S+ nS+(m−n−1)S- …(6a)
Ar* +mS→Ar- +S+ nS+(m−n−1)S- …(6a′)
Ar+ +mS→Ar+H+ nS+〔S−H〕・(m−n−1)S …(6b)
Ar* +mS→Ar- +H+ nS+〔S−H〕・(m−n−1)S…(6b′)
+ nS+M→(n+1)S+M+ …(7a)
+ nS+M→nS+MH+ …(7b)
ここで、ΔH′はArのイオン化エネルギー、Sは溶媒分子、H+ はプロトンである。上記(7a)と(7b)は大気圧化学イオン化(APCI)法と同じイオン化法である。
そこで、臭素系難燃剤の質量スペクトル、芳香族ニトロ化物などのマスクロマトグラムを従来のイオン化法(APCI、ESI)と比較し、新イオン化法の特徴、感度を評価した。
図5は本発明のSGDI法と従来のAPCI法によるTBBAのスペクトルの比較を示す。
図5(a)に示すように、従来のAPCI法では溶媒イオンによるイオン化であるため、イオン化のエネルギーが低く、(1)分子の脱プロトン化イオン、及び(2)更に4HBrが脱離したイオンのみが観測される。
これに対して、図5(b)に示すように、本発明のSGDI法では、Ar+ ,Ar* などのカチオンや準安定物質による反応が優先するため、イオン化時の余剰のエネルギーによってTBBAイオンは開裂し、沢山のフラグメントイオンを生成する。
次に、本発明のSGDI法による、従来のAPCI法、ESI法で感度の乏しい化学物質の感度について説明する。
本発明のSGDI法と従来のAPCI法によるマスクロマトグラムを用いた感度の比較を、図6(ニトロビフェニル)、図7(TBAビスアリルエーテル)に、また、図8に本発明のSGDI法と従来のESI法(APCI法では分解、無感度)による4ニトロベンジールブロマイドの感度の比較を、図9に本発明のSGDI法と従来のESI法、APCI法によるオキシン銅のクロマトグラフの感度の比較をそれぞれ示す。
これらの図より分かるように、従来の溶媒を介したイオン化法であるAPCI法や高電場におけるイオン蒸発をイオン生成原理とするESI法では、これらのプロトン親和力が低くイオン化エネルギーの高物質はイオン化され難い。
これに対して、本発明のSGDI法では、溶媒を介したイオン化だけでなく、励起アルゴンAr* によるペニングイオン化とアルゴンカチオンAr+ によるイオン化が並行する。SGDIではこれらの高エネルギーの準安定物質(Ar* とAr+ )が多量に生成し、直接またはH3 + のような内部エネルギーの高い中間生成化学種を介して対象物質をイオン化できるため、高感度が得られると考えられる。
表1に高イオン化エネルギー、低プロトン親和力化学物質のSGDI感度(対従来法)を示す。
Figure 2005116460
これらの図、表が示すように、環境、廃棄物中の難揮発性化学物質の主要な分析方法である、従来のLC/MSのイオン化法(ESI法,APCI法)でイオン化できるものは、(1)ある程度以上のプロトン親和力のある物質、(2)ある程度以上の電子親和力のある物質、(3)イオン化エネルギーの低い物質、(4)酸度の低い物質のいずれかであったが、本発明のSGDI法の開発によって、さらに(5)プロトン親和力の大小に関わらず、また(6)イオン化エネルギーの大小に関わらず、π電子を有する物質を高い感度で分析できるようになった。
〔具体例1〕
ここでは、被測定試料として1−ニトロナフタレンの100ppm標準溶液10μLを固定相がC18(Waters Xterra−C18;化学組成オクタデシルシラン)カラムとした高速液体クロマトグラフ(HPLC)(Waters社製、Alliance 2690)に注入し、水/アセトニトリルが20/80の移動相を用いて分離した。そして、前記カラムから流出する移動相を、本発明の図1に記載の、被測定化合物成分をイオン化し質量分析計(MS:Waters社製、ZQ−4000)に供給する装置と、図12に示す従来のAPCI装置(Waters社製、ZQ−4000に付属)にそれぞれ供給してイオン化し、それぞれの装置でイオン化したものを同一質量走査条件〔質量スペクトルを繰り返し連続的に測定する条件。測定対象物質に固有の特定質量の強度を時間軸に対してプロットすると、その物質の量の時間変化を表すクロマトグラフが得られる。そのピークの高さまたは面積は試料量に比例する。イオン化の感度とはこのピーク高さ、面積あるいはS/N(信号/ノイズ)比を意味する。〕で測定した。
得られたクロマトグラムを図10に示す。上段は、イオン化電流4μA、シースガスを窒素とし、供給窒素の温度を450℃、流量を513L/時間の条件、噴霧ガスも窒素とし、流量6L/時間の条件のAPCI装置と連結した場合のクロマトグラムである。下段は、イオン化電流30μA、シースガスをアルゴンとし、供給アルゴンの温度を450℃、流量を513L/時間の条件、噴霧ガスもアルゴンとし、流量6L/時間の条件の本発明の装置と連結した場合のクロマトグラムである。これらのピークのS/N比を比較すると、本発明の装置と連結した場合には約50倍も感度が改善されたことが分かる。
なお、図12に示す従来のAPCI装置において、5bは1〜3mm内径(I.D.)程度のステンレス(SUS)あるいは四フッ化エチレン樹脂製管の霧化ガス供給手段であり、8bは霧化された被測定化合物分子をイオン化するコロナ放電電極である。本発明の被測定化合物分子のイオン化装置との違いは、噴霧流化のペニング効果を示すガスとシースガスの組み合わせと、放電電極の配置と構造にある。
図10において、上段の、1219AP12はデータ番号を、S/N:RMS=8.66はS/N比を、5:ScanAP+ は質量検出条件を、114.923は測定イオンの質量を、そして8.94e6は8.9×106 のことであり、信号強度のフルスケール検出量をそれぞれ意味する。また、下段の、1228PI12はデータ番号を、S/N:RMS=406.47はS/N比を、4:ScanAP+ は質量検出条件を、144.005は測定イオンの質量を、そして2.76e8は2.76×108 のことであり、検出信号強度のフルスケールをそれぞれ意味する。なお、図10において上段と下段の測定イオンの質量数が異なるが、一般にイオン化法が異なると同一物質でも生成するイオンが異なり、具体例1ではそれぞれのイオン化法で最高のS/N比を得るようなイオンを用いたためである。
〔具体例2〕
被測定試料として2−ニトロフルオレンの100ppm標準溶液10μLを固定相がC30(野村化学社製 Develosil RP−fllerene;化学組成トリアコンチルシラン)カラムとした高速液体クロマトグラフ(HPLC)(Waters社製、Alliance 2690)に注入し、水/メタノールが10/90の移動相として分離した。そして、前記Bカラムから流出する移動相を、本発明の図1に記載の、被測定化合物成分をイオン化し質量分析計(MS:Wasters社製、ZQ−4000)に供給する装置と、図12に示す従来のAPCI(Micromass社製,Quattro Ultimaに付属)装置に供給してイオン化し、それぞれの装置でイオン化したものを同一質量走査条件で想定した。
得られたクロマトグラムを図11に示す。上段は、イオン化電流2.5μA、シースガスを窒素とし、供給窒素の温度を480℃、流量を499L/時間の条件、噴霧ガスも窒素とし、流量5.6L/時間の条件のAPCI装置と連結した場合のクロマトグラムである。下段は、イオン化電流700μA、シースガスを窒素とし、供給窒素の温度を480℃、流量を482L/時間の条件、噴霧ガスはアルゴンとし、流量5.6L/時間の条件の本発明の装置と連結した場合のクロマトグラムである。これらのピークのS/N比を比較すると、本発明の装置と連結した場合には約200倍も感度が改善されたことが分かる。
図11において、上段の、0514ap07はデータ番号を、S/N:RMS=22.73はS/N比を、4:ScanAP- は質量検出条件を、210.145は測定イオンの質量を、そして6.60e5は6.60×105 のことであり、検出信号強度のフルスケールをそれぞれ意味する。また、下段の、0528pe07はデータ番号を、S/N:RMS=4184.35はS/N比を、4:ScanAP+ は質量検出条件を、182.205は測定イオンの質量を、そして4.31e8は4.31×108 のことであり、検出信号強度のフルスケールをそれぞれ意味する。なお、図11において上段と下段の測定イオンの質量数が異なるが、一般にイオン化法が異なると同一物質でも生成するイオンが異なり、具体例2ではそれぞれのイオン化法で最高のS/N比を得るようなイオンを用いたためである。
なお、前記各被測定化合物は代謝としてエストロゲン作用および抗アンドロゲン作用を示す有害環境汚染物質であり、微量の検出が必要な化合物である。
本発明のスプレーグロー放電イオン化方法及び装置は、特に、環境、廃棄物に関連する化学物質の質量分析に好適である。また、代謝薬物のなかにも本発明が有効な化学種が多数存在すると考えられる。
本発明のスプレーグロー放電イオン化(SGDI)装置の基本構成模式図である。 本発明のSGDIイオン源の構造を示す模式図である。 本発明のイオン源の要部構成図である。 本発明のイオン化の原理を示す図である。 本発明のSGDI法と従来のAPCI法によるTBBAのスペクトルの比較を示す図である。 本発明のSGDI法と従来のAPCI法によるマスクロマトグラムを用いたニトロビフェニルのスペクトルの比較を示す図である。 本発明のSGDI法と従来のAPCI法によるマスクロマトグラムを用いたTBAビスアリルエーテルの感度の比較を示す図である。 本発明のSGDI法と従来のESI法によるマスクロマトグラムを用いた4ニトロベンジールブロマイドの感度の比較を示す図である。 本発明のSGDI法と従来のESI法、APCI法によるオキシン銅のクロマトグラフの感度の比較を示す図である。 具体例1および図12に示すAPCI装置を用いた被測定試料中の1−ニトロナフタレンの分析感度の比較を示す図である。 具体例2および図12に示すAPCI装置を用いた被測定試料中の2−ニトロフルオレンの分析感度の比較を示す図である。 従来のAPCI装置の模式図である。
符号の説明
A 被測定化合物を含む流体を供給する供給口
B 流体を噴霧流化するペニング効果を示す霧化ガスの吹出し口
C 噴霧流の生成口
D 乾燥ガス(シースガス)の吹出し口
E 接地側の放電電極
F 電圧印加側の放電電極
1 ペニング効果を示す霧化ガス
2 シースガス
3 噴霧流形成ノズル
4 噴霧流供給口
5 流体入り口(高速液体クロマトグラフなどから)
6 放電電極(接地側)装置
7 放電電極(電圧印加電極)装置
9 質量分析計導入用差動排気系(スキマー)
10 質量分析計
11 噴霧流加熱用円筒ヒーター
12 シースガス加熱用環状ヒーター
20 ヒータープローブ
21 クロマトグラフからの溶出液またはガス
22 希ガス(スプレーガス)
23 乾燥ガス(シースガス)
24 接地電極
25 電圧印加電極
26 高電圧電源
27 3次元アクチュエータ
28 質量吸入口
29 質量分析計
30,31,32 針状電極
34 グロー放電

Claims (20)

  1. (a)被測定化合物を含む流体を取り囲むように該流体を噴霧流化するペニング効果を示すガスを供給し、
    (b)その噴霧流中でグロー放電を起こして、ペニング効果を示すガスのカチオン、ペニング効果を示す励起原子を生成させ、イオン化し難い化学物質を高い感度で直接または中間に生成する化学種を介してイオン化することを特徴とするスプレーグロー放電イオン化方法。
  2. 請求項1記載のスプレーグロー放電イオン化方法であって、前記噴霧流が加熱されることを特徴とするスプレーグロー放電イオン化方法。
  3. 請求項1記載のスプレーグロー放電イオン化方法であって、前記ペニング効果を示すガスとして希ガスを用いることを特徴とするスプレーグロー放電イオン化方法。
  4. 請求項3記載のスプレーグロー放電イオン化方法であって、前記希ガスとしてアルゴンを用いることを特徴とするスプレーグロー放電イオン化方法。
  5. 請求項4記載のスプレーグロー放電イオン化方法であって、前記希ガスがアルゴンArであって、アルゴンカチオンAr+ 、励起アルゴンAr* を生成することを特徴とするスプレーグロー放電イオン化方法。
  6. 請求項1記載のスプレーグロー放電イオン化方法であって、更に前記噴霧流を乾燥するために乾燥ガスを吹き付けることを特徴とするスプレーグロー放電イオン化方法。
  7. 請求項6記載のスプレーグロー放電イオン化方法であって、前記乾燥ガスとして窒素ガス、空気または希ガスを用いることを特徴とするスプレーグロー放電イオン化方法。
  8. (a)被測定化合物を含む流体を供給する供給口と、
    (b)該供給口を取り囲み該供給口からの流体を噴霧流化するペニング効果を示すガスの吹出し口と、
    (c)前記噴霧流が生成される生成口に設けられる接地側の放電電極と、
    (d)前記噴霧流の進行方向に配置され、前記接地側の放電電極に対向する電圧印加側の放電電極とを備え、
    (e)前記ペニング効果を示すガスにより噴霧流化しながら前記流体を構成する被測定化合物成分をカチオン化および励起されたペニング効果を示すガスによりイオン化し質量分析計することを特徴とするスプレーグロー放電イオン化装置。
  9. 請求項8記載のスプレーグロー放電イオン化装置であって、前記供給口及び噴霧流化するペニング効果を示すガスの吹出し口の周囲または近傍に設けた噴霧流を乾燥するための乾燥ガス吹出し口を備えることを特徴とするスプレーグロー放電イオン化装置。
  10. 請求項8記載のスプレーグロー放電イオン化装置において、前記ペニング効果を示すガスが希ガスであることを特徴とするスプレーグロー放電イオン化装置。
  11. 請求項10記載のスプレーグロー放電イオン化装置において、前記希ガスが、He、Ne、Ar、Kr又はXeであることを特徴とするスプレーグロー放電イオン化装置。
  12. 請求項8記載のスプレーグロー放電イオン化装置において、前記被測定化合物がイオン化し難い化学物質であることを特徴とするスプレーグロー放電イオン化装置。
  13. 請求項12記載のスプレーグロー放電イオン化装置において、前記化学物質が芳香族ニトロ化物、オキシン銅、ハロゲン化ニトロベンジル又は多環芳香族炭化水素であることを特徴とするスプレーグロー放電イオン化装置。
  14. 請求項9記載のスプレーグロー放電イオン化装置において、前記乾燥ガスが窒素、空気または希ガスであることを特徴とするスプレーグロー放電イオン化装置。
  15. 請求項8記載のスプレーグロー放電イオン化装置において、前記放電電極の表面を酸化を受け難い材料で被覆することを特徴とするスプレーグロー放電イオン化装置。
  16. 請求項15記載のスプレーグロー放電イオン化装置において、前記酸化を受け難い材料が金、白金又は銀であることを特徴とするスプレーグロー放電イオン化装置。
  17. 請求項8記載のスプレーグロー放電イオン化装置において、前記電圧印加側の放電電極は複数本の電極であることを特徴とするスプレーグロー放電イオン化装置。
  18. 請求項17記載のスプレーグロー放電イオン化装置において、前記複数本の電極は針状電極であることを特徴とするスプレーグロー放電イオン化装置。
  19. 請求項17又は18記載のスプレーグロー放電イオン化装置において、前記電極の3次元位置を調整する3次アクチュエータを具備することを特徴とするスプレーグロー放電イオン化装置。
  20. 請求項8記載のスプレーグロー放電イオン化装置において、前記電極を除いてイオン源において電気的絶縁を施されていることを特徴とするスプレーグロー放電イオン化装置。
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