JP2005116260A - 固体酸化物形燃料電池用電極及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】低温でも長期耐久性を損なうことなく焼結することができ、安価に製造することができるSOFC用電極とその製造方法、さらにはこのような電極を用いたSOFCを提供する。
【解決手段】電極材料にバインダ及び分散媒と共に、電極材料に対して質量比で0.5〜20%の金属酸化物、望ましくは導電性を備えた低融点酸化物を添加してスラリーとなし、該スラリーを塗布して500〜1000℃の温度範囲で焼成する。
【選択図】なし
【解決手段】電極材料にバインダ及び分散媒と共に、電極材料に対して質量比で0.5〜20%の金属酸化物、望ましくは導電性を備えた低融点酸化物を添加してスラリーとなし、該スラリーを塗布して500〜1000℃の温度範囲で焼成する。
【選択図】なし
Description
本発明は、電解質として固体酸化物を備えた固体酸化物形燃料電池に係わり、当該燃料電池において空気極あるいは燃料極として用いられる固体酸化物形燃料電池用電極及びその製造方法、さらにはこのような電極を用いた固体酸化物形燃料電池に関するものである。
燃料電池は、発電効率が高く、しかも有害な排ガスをほとんど発生せず、地球環境に優しいクリーンなエネルギー源として注目されており、自動車などの移動体用電源としての実用化が始まっている。
このような燃料電池は、使用する電解質の種類によって、リン酸形燃料電池(PAFC)、溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)、固体高分子形燃料電池(PEFC)、及び固体酸化物形燃料電池(以下、「SOFC」と略称する)に区分されている。
これらの中でSOFCは、電解質材料としてリン酸水溶液や溶融炭酸塩のような液体状材料の代わりにイオン導電性を有する固体酸化物電解質材料を用いたものであり、PAFC形やMCFC形の燃料電池に比べて発電効率が高く、高温度の排熱が得られることから、オンサイト用コージェネレーションシステムへの適用が期待されている。
これらの中でSOFCは、電解質材料としてリン酸水溶液や溶融炭酸塩のような液体状材料の代わりにイオン導電性を有する固体酸化物電解質材料を用いたものであり、PAFC形やMCFC形の燃料電池に比べて発電効率が高く、高温度の排熱が得られることから、オンサイト用コージェネレーションシステムへの適用が期待されている。
SOFCに用いる電極材料としては、燃料極の場合には、例えばNiサーメットなど、空気極の場合にはランタンコバルト系酸化物、ランタンマンガン系酸化物、ランタン−鉄系酸化物のようなペロブスカイト型酸化物等が用いられ、例えばYSZ(イットリア添加安定化ジルコニア)などから成る電解質上に、上記の電極材料を含むスラリーを塗布して乾燥させたのち、1000℃を超えるような高温で焼結することによって上記電解質上に電極層を形成するようにしている。
このとき、焼結が不十分であると長期使用の間に剥離等が生じ、電極性能の劣化が進行することになる一方、焼結温度が高温のために使用可能な構成部材が限定されるばかりでなく、界面に反応生成物が形成され、セル特性劣化の要因となることから、より低い温度で焼結できることが望ましい。
このような観点から、例えば特許文献1には、カソード粉末に、カソード粉末と同一組成のアルコキシドから成るゾル(前駆体ゾル)を混合し、乾燥してゾルをゲル化して、カソードスラリーを形成したのち、これを用いて酸化物固体電解質の上にカソードを形成し、次いでこれを燃料電池の運転温度(950℃程度)において焼結するSOFCの製造方法が開示されている。
特開2000−243405号公報
このような観点から、例えば特許文献1には、カソード粉末に、カソード粉末と同一組成のアルコキシドから成るゾル(前駆体ゾル)を混合し、乾燥してゾルをゲル化して、カソードスラリーを形成したのち、これを用いて酸化物固体電解質の上にカソードを形成し、次いでこれを燃料電池の運転温度(950℃程度)において焼結するSOFCの製造方法が開示されている。
しかしながら、上記引用文献1に記載の方法においては、焼結に際して、カソード中のゲルの結晶化が不十分であると、カソード粉末の全ての表面がゲルに覆われているために、電極性能の低下を招くという問題点がある。なお、焼結温度を低下させるために焼結助剤を使用することも考えられるが、一般的に知られた焼結助剤を用いると、電極性能が低下することから好ましくない。
本発明は、従来のSOFC用電極における上記課題に着目してなされたものであって、その目的とするところは、低温でも長期耐久性を損なうことなく焼結することができ、安価に製造することができるSOFC用電極とその製造方法、さらにはこのような電極を用いたSOFCを提供することにある。
本発明のSOFC用電極は、電極材料に対して、質量比で0.5〜20%の金属酸化物を添加して成ることを特徴とし、本発明のSOFC用電極の製造方法においては、電極材料にバインダ及び分散媒と共に金属酸化物を添加してスラリーとなし、該スラリーを塗布したのち、500〜1000℃の温度範囲で焼成することを特徴としており、このようなSOFC用電極及び製造方法の構成を上記のような課題を解決するための手段としている。
また、本発明のSOFCは、上記のようなSOFC用電極を固体酸化物から成る電解質層の少なくとも一方の面に形成したものであることを特徴としている。
SOFCの製造に際して、電極材料は電解質上に塗布・焼結して積層されることになるが、電解質との密着性や、粒同士の接着性が悪いと界面抵抗が増し、電池性能が悪化することになる。
本発明によれば、質量比で0.5〜20%の金属酸化物を電極材料に添加してSOFC用電極としていることから、当該金属酸化物が焼成に際して焼結助剤として機能するため、500〜1000℃といった比較的低温域での焼成によって電極成分を結着させることができ、電解質との密着性及び粒同士の接着性が確保され、電池性能が向上すると共に、長期間の使用に際しても電極剥離による性能劣化を防ぐことができるようになる。そして、単セルでの性能が向上すれば、スタック化に際してもコンパクトな設計ができるようになり、燃料電池の小型コンパクト化が可能となる。さらに、焼成温度の低温化によってセルの構成部材として、耐熱金属などの材料を用いることができるようになり、設計の自由度が増し、さらなる薄型化、コンパクト化を実現できるようになるという極めて優れた効果がもたらされる。
本発明によれば、質量比で0.5〜20%の金属酸化物を電極材料に添加してSOFC用電極としていることから、当該金属酸化物が焼成に際して焼結助剤として機能するため、500〜1000℃といった比較的低温域での焼成によって電極成分を結着させることができ、電解質との密着性及び粒同士の接着性が確保され、電池性能が向上すると共に、長期間の使用に際しても電極剥離による性能劣化を防ぐことができるようになる。そして、単セルでの性能が向上すれば、スタック化に際してもコンパクトな設計ができるようになり、燃料電池の小型コンパクト化が可能となる。さらに、焼成温度の低温化によってセルの構成部材として、耐熱金属などの材料を用いることができるようになり、設計の自由度が増し、さらなる薄型化、コンパクト化を実現できるようになるという極めて優れた効果がもたらされる。
以下、本発明のSOFC用電極について、さらに詳細に説明する。なお、本明細書において、「%」は、特記しない限り質量百分率を意味する。
上記したように、本発明のSOFC用電極は、電極材料に、0.5〜20%の金属酸化物を添加したものである。
ここで、電極材料としては、当該SOFC用電極を燃料極として使用する場合、Pt、Ni、Cuなどの金属材料や、Ni−SDC(サマリウム・ドープ・セリア)、Ni−YSZ(イットリア安定化ジルコニア)、Ni−CGO(セリウム−ガリウム複合酸化物)、Cu−CeO2(セリア)などのサーメット材料、あるいはこれらの混合材料を用いることができる。
また、当該SOFC用電極を空気極として使用する場合には、Pt、Agなどの金属材料や、ランタン−コバルト系酸化物、ランタン−マンガン系酸化物、ランタン−鉄系酸化物、サマリウム−コバルト系酸化物のようなペロブスカイト型酸化物等を用いることができる。
ここで、電極材料としては、当該SOFC用電極を燃料極として使用する場合、Pt、Ni、Cuなどの金属材料や、Ni−SDC(サマリウム・ドープ・セリア)、Ni−YSZ(イットリア安定化ジルコニア)、Ni−CGO(セリウム−ガリウム複合酸化物)、Cu−CeO2(セリア)などのサーメット材料、あるいはこれらの混合材料を用いることができる。
また、当該SOFC用電極を空気極として使用する場合には、Pt、Agなどの金属材料や、ランタン−コバルト系酸化物、ランタン−マンガン系酸化物、ランタン−鉄系酸化物、サマリウム−コバルト系酸化物のようなペロブスカイト型酸化物等を用いることができる。
そして、主成分である上記のような電極材料に対して、金属酸化物を0.5〜20%の割合で添加することにより、これらが焼結助剤の役割、すなわち電極材料粒子及び電解質表面との結着材として働き、電極の密着性を改善し、電池性能向上を図ることができる。このとき、金属酸化物の添加量が主成分の電極材料に対して0.5%に満たない場合には焼結助剤としての効果が充分に得られず、逆に20%を超えると当該酸化物が電極材料粒子の表面を覆ってしまうため、電極の機能が低下することになる。
このような金属酸化物としては、界面抵抗を下げ、電池性能をさらに向上させる観点から、当該金属酸化物が導電性、すなわちSOFCの作動温度(600〜1000℃付近)において、10−5S/cm以上の導電率を有するものであることが望ましい。
また、上記金属酸化物の融点としては、400℃以上1000℃以下であることが望ましい。すなわち、当該酸化物の融点が400℃未満であると燃料電池の作動温度において溶融状態となって結着剤としての働きが十分でなくなり、逆に融点が1000℃を超えると、低い温度域での焼成が難しくなって、本発明の効果が得られなくなる傾向があることによる。
また、上記金属酸化物の融点としては、400℃以上1000℃以下であることが望ましい。すなわち、当該酸化物の融点が400℃未満であると燃料電池の作動温度において溶融状態となって結着剤としての働きが十分でなくなり、逆に融点が1000℃を超えると、低い温度域での焼成が難しくなって、本発明の効果が得られなくなる傾向があることによる。
上記金属酸化物として、具体的には、酸化ホウ素、酸化亜鉛、酸化ビスマス、酸化バナジウム、酸化インジウム、酸化コバルト、酸化リチウム、酸化マンガン、酸化ナトリウム、酸化テルル及び酸化鉛を例示することができ、これらを単独で、あるいはこれらの2種以上を任意に組合わせて使用することができ、これらの金属酸化物を電極材料に所定の割合で添加することによって、電極特性を損ねることなく電極粒子同士及び電解質面との結着力を上げることができ、耐久性が向上し、電極焼成温度を低温化することができる。
本発明のSOFC用電極は、空気極として使用することが望ましく、この場合、電極材料としては、上述のように、ランタン−コバルト系酸化物(LSCなど)、ランタン−マンガン系酸化物(LSM、LCMなど)、ランタン−鉄系酸化物、サマリウム−コバルト系酸化物(SSCなど)のようなペロブスカイト型酸化物等の空気極材料を用いることができる。
本発明のSOFC用電極は、例えば上記の群から選ばれた電極材料にバインダ及び分散媒と共に、例えば上記金属酸化物群から選ばれた酸化物を添加してスラリーとなし、このスラリーを電解質あるいは支持基板上に塗布して、乾燥した後、500〜1000℃の温度で焼成することによって得ることができる。
このとき、焼成温度が500℃未満では、上記のような金属酸化物を添加したとしても電極材料を充分に焼結させることができず、逆に焼成温度が1000℃を超えた場合には、金属酸化物を添加することなく焼結できる従来の焼成温度に近く、本発明の目的を充分に達成することができない。
このとき、焼成温度が500℃未満では、上記のような金属酸化物を添加したとしても電極材料を充分に焼結させることができず、逆に焼成温度が1000℃を超えた場合には、金属酸化物を添加することなく焼結できる従来の焼成温度に近く、本発明の目的を充分に達成することができない。
なお、上記金属酸化物の粒径サイズについては、5μm以下、さらには1μm以下であることが望ましい。すなわち、金属酸化物の粒径が5μmを超えると、スラリー中における分散性が悪くなり、焼結助剤として機能しにくくなる傾向があることによる。
そして、固体酸化物から成る電解質層の一方の面に燃料極又は空気極として、あるいは当該電解質層の両面にそれぞれ燃料極及び空気極として本発明のSOFC用電極を積層することによってセルを形成することができ、これをスタック化することによってSOFCを作製することができる。
このようなSOFCにおいては、従来よりも低温で作製することができるので、材料の選択幅が拡がり、安価な材料を使用できることから、低コスト化が可能であると共に、全体を薄膜化することもできるので、電池の内部抵抗が低減し、高出力、また低温作動型のSOFCの設計が可能となる。
このようなSOFCにおいては、従来よりも低温で作製することができるので、材料の選択幅が拡がり、安価な材料を使用できることから、低コスト化が可能であると共に、全体を薄膜化することもできるので、電池の内部抵抗が低減し、高出力、また低温作動型のSOFCの設計が可能となる。
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なお、上記電解質層の材料としては、酸素イオン導電性を有する公知の材料、例えばYSZ(イットリウム添加安定化ジルコニア)、SSZ(スカンジウム添加安定化ジルコニア)、SDC(サマリウム添加セリア)、LSGM(ランタンガレート)などを用いることができる。
なお、上記電解質層の材料としては、酸素イオン導電性を有する公知の材料、例えばYSZ(イットリウム添加安定化ジルコニア)、SSZ(スカンジウム添加安定化ジルコニア)、SDC(サマリウム添加セリア)、LSGM(ランタンガレート)などを用いることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されることはない。
(発明例1)
図1に示すように、SUS430ステンレス鋼から成り、厚さ0.1mmの多孔質金属支持体2の両面に、NiO粉及び8YSZ(8モル%イットリア添加安定化ジルコニア)粉(平均粒径:1μm)を含み、バインダーと分散媒から成るスラリーをスクリーン印刷法によって塗布して乾燥したのち、1100℃の不活性雰囲気中で焼成することによってNi−8YSZサーメットから成る燃料極3を0.2mmの厚さに形成した。
そして、この燃料極3の表面上に、YSZ原料溶液をSPD法(熱スプレー分解法)によって5μmの厚さに成膜して、電解質層4とした。
図1に示すように、SUS430ステンレス鋼から成り、厚さ0.1mmの多孔質金属支持体2の両面に、NiO粉及び8YSZ(8モル%イットリア添加安定化ジルコニア)粉(平均粒径:1μm)を含み、バインダーと分散媒から成るスラリーをスクリーン印刷法によって塗布して乾燥したのち、1100℃の不活性雰囲気中で焼成することによってNi−8YSZサーメットから成る燃料極3を0.2mmの厚さに形成した。
そして、この燃料極3の表面上に、YSZ原料溶液をSPD法(熱スプレー分解法)によって5μmの厚さに成膜して、電解質層4とした。
さらに、電解質層4の上に、平均粒径1μmのLSM(La−Sr−Mn系複合酸化物)に対して、平均粒径0.5μmの酸化ホウ素(B2O3)を5%添加し、これにバインダーとしてEC(エチルセルロース)と、溶剤(分散媒)としてフタル酸ジブチル及びテルピネオールを加え、ボールミル中で12〜24時間混練することにより得られたカソードスラリーをスクリーン印刷法によって塗布し、600℃で焼成することによって厚さ20μmの空気極5を形成し、燃料電池セル1を得た。
そして、このようにして得られた燃料電池セル1について、公知の発電出力評価装置を用い、650℃に保持した状態で、空気極5の側に空気、燃料極3の側に水素ガスをそれぞれ導入して当該セル1の発電出力を測定した。
その結果を当該燃料電池セル1の仕様と共に、表1に示す。
その結果を当該燃料電池セル1の仕様と共に、表1に示す。
(発明例2)
図2に示すように、NiO及びSDC(平均粒径:1μm)から成るグリーンシートを1200℃で焼結することによって、Ni−SDCサーメットから成る厚さ1mmの燃料極3とした。そして、当該燃料極3の表面に平均粒径0.4μmのSSZを含むスラリーをスクリーン印刷法によって塗布したのち、さらにこの上に平均粒径0.5μmのSDCを含むスラリーを同じくスクリーン印刷法によって塗布し、1400℃で焼成することによって、SSZから成る電解質層4と、SDCから成る中間層6をそれぞれ10μmの厚さに形成した。
図2に示すように、NiO及びSDC(平均粒径:1μm)から成るグリーンシートを1200℃で焼結することによって、Ni−SDCサーメットから成る厚さ1mmの燃料極3とした。そして、当該燃料極3の表面に平均粒径0.4μmのSSZを含むスラリーをスクリーン印刷法によって塗布したのち、さらにこの上に平均粒径0.5μmのSDCを含むスラリーを同じくスクリーン印刷法によって塗布し、1400℃で焼成することによって、SSZから成る電解質層4と、SDCから成る中間層6をそれぞれ10μmの厚さに形成した。
次いで、上記SDC層6の上に、平均粒径5μmのSSC(Sm−Sr−Co系複合酸化物)に対して、平均粒径1μmの酸化ビスマス(Bi2O3)を10%添加し、これにバインダーとしてECと、溶剤(分散媒)としてフタル酸ジブチル及びテルピネオールを加え、同様にボールミル中で12〜24時間混練することにより得られたカソードスラリーをスクリーン印刷法によって塗布し、850℃で焼成することによって空気極5を厚さ20μmに形成し、燃料電池セル10を作製した。
そして、このようにして得られた燃料電池セル10について、同様の発電出力評価装置を用い、650℃に保持した状態で、空気極5の側に空気、燃料極3の側に水素ガスをそれぞれ導入して当該セル10の発電出力を測定した。
その結果を当該燃料電池セル10の仕様と共に、表1に併せて示す。
その結果を当該燃料電池セル10の仕様と共に、表1に併せて示す。
(比較例1)
図2に示すように、グリーンシートを1200℃で焼結することによって得られたNi−SDCサーメットから成る上記実施例2と同様の燃料極3の上に、SSZから成る電解質層4と、SDCから成る中間層を同様に形成したのち、さらにこの上に平均粒径5μmのSSCと、バインダーとしてのECと、溶剤としてのフタル酸ジブチル及びテルピネオールから成るカソードスラリーをスクリーン印刷法によって塗布し、同様に850℃で焼成することによって空気極を厚さ20μmに形成し、当該比較例1に係る燃料電池セルを得た。すなわち、当該比較例1に係るセルは、空気極に酸化ビスマス(金属酸化物)を含まないことにおいてのみ、上記実施例2に係る燃料電池セル10と相違する。
図2に示すように、グリーンシートを1200℃で焼結することによって得られたNi−SDCサーメットから成る上記実施例2と同様の燃料極3の上に、SSZから成る電解質層4と、SDCから成る中間層を同様に形成したのち、さらにこの上に平均粒径5μmのSSCと、バインダーとしてのECと、溶剤としてのフタル酸ジブチル及びテルピネオールから成るカソードスラリーをスクリーン印刷法によって塗布し、同様に850℃で焼成することによって空気極を厚さ20μmに形成し、当該比較例1に係る燃料電池セルを得た。すなわち、当該比較例1に係るセルは、空気極に酸化ビスマス(金属酸化物)を含まないことにおいてのみ、上記実施例2に係る燃料電池セル10と相違する。
そして、このようにして得られた燃料電池セルについても、同様に発電出力を測定し、その結果を表1に併せて示す。
表1の結果から明らかなように、酸化ホウ素や酸化ビスマスなどの低融点導電性酸化物を添加して焼成した本発明実施例に係る燃料電池セルにおいては、このような金属酸化物を添加することなく低温域で空気極を焼成した比較例のセルに較べて、電極性能に劣ることが確認された。また、発電出力を繰り返し測定した後も、セル出力にほとんど変化はなく、耐久性に優れていることも判明した。
1,10 セル
3 燃料極
4 電解質層
5 空気極
3 燃料極
4 電解質層
5 空気極
Claims (8)
- 電極材料に対して、質量比で0.5〜20%の金属酸化物を添加して成ることを特徴とする固体酸化物形燃料電池用電極。
- 上記金属酸化物が固体酸化物形燃料電池の作動温度において導電性を備えていることを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池用電極。
- 上記金属酸化物の融点が400〜1000℃であることを特徴とする請求項1又は2に記載の固体酸化物形燃料電池用電極。
- 上記金属酸化物が酸化ホウ素、酸化亜鉛、酸化ビスマス、酸化バナジウム、酸化インジウム、酸化コバルト、酸化リチウム、酸化マンガン、酸化ナトリウム、酸化テルル及び酸化鉛から成る群から選ばれた少なくとも1種の酸化物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の固体酸化物形燃料電池用電極。
- 空気極であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の固体酸化物形燃料電池用電極。
- 請求項1〜5のいずれか1つの項に記載の固体酸化物形燃料電池用電極の製造方法であって、電極材料にバインダ及び分散媒と共に金属酸化物を添加してスラリーとなし、該スラリーを塗布して500〜1000℃の温度範囲で焼成することを特徴とする燃料電池用電極の製造方法。
- 上記金属酸化物の粒径が5μm以下であることを特徴とする請求項6に記載の固体酸化物形燃料電池用電極の製造方法。
- 固体酸化物から成る電解質層の少なくとも一方の面に請求項1〜5のいずれか1つの項に記載の固体酸化物形燃料電池用電極を形成して成ることを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
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-
2003
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