JP2005116084A - 情報記録媒体 - Google Patents

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Hideki Nagano
秀樹 長野
Norihito Tamura
礼仁 田村
Yoshikazu Mitsui
良和 三井
Hiroki Ota
寛紀 太田
Toshinori Sugiyama
寿紀 杉山
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Abstract

【課題】CD-R,DVD-Rのような従来構造の色素ディスクを用いて,より波長の短いレーザー光での記録再生を試みたところ,記録感度がきわめて悪く,実用化されている青色レーザーの最大パワーを照射しても十分な記録が行なわれないため、特に青色レーザーで記録効率の良い光ディスクを提供する。
【解決手段】透明基板1,中間層2,記録層3,界面層4,保護層5を備え,透明基板1側からレーザー光を照射して情報の記録,再生を行なう。記録層2の光学的特性として光ディスク10が高反射率であるために,記録に用いるレーザー波長λにおける記録層2の屈折率(na)は,1.8以上であり,また,記録層2におけるレーザーの吸収は記録層の吸収係数(ka)と膜厚(da)の積に比例し,ka・da≧1.5である光ディスクを提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は光を用いて情報を記録,再生する情報記録媒体に関する。
従来から光を用いて,情報を記録し,再生する光情報記録媒体において,有機色素材料などからなる記録層が記録層として設けられた光ディスクが知られている。この光ディスクの中でも最近広く普及しているものに,追記型CD(CD−R)や追記型DVD(DVD−R)がある。これらは,例えば特許文献1に記載されているように,透明基板のプリフォーマットパターン形成面に色素を含む記録層,AuやAgを主成分とする金属反射層,保護層を順次積層してなり,記録層にレーザー光を吸収させて熱に変換し,その熱によって情報を記録するものである。この技術においては,金属反射層を有する構造であるため反射率が高く,且つ,色素記録層及び反射層のn,k,厚み等を最適化することで,再生専用媒体のCD−ROMやDVD−ROMと同等の高い反射率を得ることができる。また,構造が簡単で,かつ色素記録層を回転塗布によって形成することができるため,安価に媒体を供給することが可能である。
一方で,近年光ディスク広く普及するにつれてより一層の高密度化が要望されている。このため記録に用いるレーザー光を青色光領域(370〜500nm)にまで短波長化することが検討されており,このような青色レーザーを使用する光情報記録媒体として,日欧韓のAV製造メーカー9社が策定したBlu−ray規格(日経エレクトロニクス 2003.3.31)や,従来のDVD技術を基に青色レーザー記録を行なうHD DVD規格(Optronics 2003,No.7)などが提案されている。更には2003年4月にソニー社からBlu−rayレコーダーが発売されており,実用化され始めている。
特公平7-105065号公報
発明者らが従来の色素ディスクを用いて,より波長の短いレーザー光での記録再生を試みたところ,記録感度がきわめて悪く,実用化されている青色レーザーの最大パワーを照射しても十分な記録が行なわれないという問題点に直面した。
この原因として,熱伝導率の高い金属反射層への熱の拡散が多きすぎるためと考え,熱伝導率の低い材料に置き換えたところ,記録感度は改善されたが,反射率および記録前後での反射率差(コントラスト)がきわめて小さく,十分なS/Nが確保できなかった。
本発明の目的は,これらの問題点を解決する光情報記録媒体などに好適な情報記録媒体の構造を提供し,また,それによって短波長レーザーによる記録および再生に対応できる光情報記録媒体を提供することにある。
発明者らは上記の目的を達成するために種々の検討を行い,有機材料を記録層とした追記型の情報記録媒体の検討を行った。その結果,最もシンプルな構造を有し,なおかつ記録および再生特性に優れた情報記録媒体として,以下に説明する構造を有した情報記録媒体を発明した。以下,光情報記録媒体について詳しく説明する。
図1は本発明の実施形態に係る光情報記録媒体の一部断面図である。これらの図において1は基板,2は中間層,3は記録層,4は界面層,5は保護層であり,図1の光情報記録媒体は透明な基板1側からレーザー光を照射し,または図1の光情報記録媒体は記録層2側からレーザー光を照射して情報の記録,再生を行なう。
前記基板1としては,使用するレーザー光に対して種々のプラスチックが用いられる。プラスチックとしては,ポリカーボネート樹脂,アクリル樹脂,メタクリル樹脂,塩化ビニル樹脂,酢酸ビニル樹脂,ポリエステル樹脂,ポリエチレン樹脂,ポリプロピレン樹脂,ポリイミド樹脂,ポリスチレン樹脂,エポキシ樹脂等が挙げられるが,高生産性,コスト,耐吸湿性の点から射出成型ポリカーボネート樹脂基板が特に好ましい。
基板1の形状は円盤状,カード状等で良い。基板1の表面には記録位置を表わすグルーブ及び/又はピットを有する。また,情報を示すようなピットを設けても良い。このようなグルーブやピットは,基板1の成形時に付与するのが好ましいが,基板1上に紫外線硬化樹脂層を設けて付与することもできる。更に必要に応じて基板1上に中間層2を設けても良い。
記録層3に塗布型色素材料を用いた場合,記録層3に用いられる色素材料は公知一般のレーザーによる良好な記録,再生に適した色素材料を用いることができ,たとえば例えば,シアニン系色素,スクアリリウム色素,アズレニウム系色素等のポリメチン系色素,ポルフィリン化合物,フタロシアニン系色素,ジチオール系色素,アゾ金属錯体色素,アヌレン系化合物,オキソノール色素,アゾール誘導体,トリアジン誘導体,1−アミノブタジエン誘導体,桂皮酸誘導体,テトラアザポルフィン誘導体,スチリル誘導体,クマリン誘導体,スチルベン誘導体などの光照射により変質する有機物が挙げられる。また,かかる材料は,これらの有機材質を1又は2種以上の混合してもよい。更には記録再生に用いられるレーザー光が400nm近傍の波長である場合,ポルフィセン系化合物,アヌレン系化合物を用いることが望ましい。
ポルフィセン系化合物は,下記の一般式(化1)を有しており,この一般式中のR1〜R4は,それぞれ独立して水素原子,ハロゲン原子,ヒドロキシル基,あるいはメチル基,エチル基,n-プロピル基,イソプロピル基,n-ブチル基,tert-ブチル基,sec-ブチル基,n-ペンチル基,n-ヘキシル基等の炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルキル基が挙げられる。前記一般式中のX1 〜X8はそれぞれ独立して水素原子;ハロゲン原子;ヒドロキシル基;ホルミル基;カルボキシル基;シアノ基;ニトロ基;アミノ基;スルホン酸基;あるいはメチル基,エチル基,n-プロピル基,イソプロピル基,n-ブチル基,tert-ブチル基,sec-ブチル基,n-ペンチル基,n-ヘキシル基等の炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルキル基;ビニル基,プロペニル基,ベテニル基,ペンテニル基,ヘキセニル基等の1〜20の直鎖または分岐のアルケニル基;メトキシ基,エトキシ基,n-プロポキシ基,イソプロポキシ基,n-ブトキシ基,tert-ブトキシ基,エトキシカルボニルプロポキシ基,sec-ブトキシ基,n-ペンチルオキシ基,n-ヘキシルオキシ基,n-ヘプチルオキシ基等の置換されていてもよい炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルコキシ基;ヒドロキシメチル基,ヒドロキシエチル基等の炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基;ベンゼン環,ナフタレン環,アントラセン環,チオフェン環,フラン環,ピロール環,ピラゾール環,ピリジン環,ピラン環等の炭素数6〜12の芳香環または複素環;カルボキシルメチル基等のカルボキシルアルキル基;メトキシカルボニル基,トリフルオロメトキシカルボニル基,エトキシカルボニル基,n-プロポキシカルボニル基,イソプロポキシカルボニル基,n-ブトキシカルボニル基,tert-ブトキシカルボニル基,sec-ブトキシカルボニル基,n-ペンチルオキシカルボニル基,n-ヘキシルオキシカルボニル基等の置換されていてもよい炭素数2〜21の直鎖または分岐のアルコキシカルボニル基;メチルカルボニルオキシ基,エチルカルボニルオキシ基,n-プロピルカルボニルオキシ基,イソプロピルカルボニルオキシ基,n-ブチルカルボニルオキシ基,sec-ブチルカルボニルオキシ基,tert-ブチルカルボニルオキシ基,n-ペンチルカルボニルオキシ基等の置換されていてもよい炭素数2〜21の直鎖または分岐のアルキルカルボニルオキシ基;メトキシカルボニルメチル基,メトキシカルボニルエチル基,エトキシカルボニルメチル基,エトキシカルボニルエチル基,n-プロポキシカルボニルエチル基,n-プロポキシカルボニルプロピル基,イソプロポキシカルボニルメチル基,イソプロポキシカルボニルエチル基等の炭素数3〜22の直鎖または分岐のアルコキシカルボニルアルキル基が挙げられる。また,X1 〜X8およびR1〜R4 のうち隣接する置換基どうしが結合して環状を形成してもよい。前記一般式において,Mは2個の水素原子,Ni, Co, Cu, Zn, Pd, Pt, Fe, Mn, Sn, Mg, Rh等の2価の金属,TiO, FeCl, VO, Sn(Y)2等の3〜4価の金属誘導体およびSi(Y)2, Ge(Y)2等の誘導体(Yはハロゲン原子,アルキル基,アリール基,ヒドロキシル基,アルコキシ基,アリールオキシ基,アルキルチオ基,アリールチオ基)等のポルフィセン系化合物に配位することができる誘導体であればよいが,300〜500nmに極大吸収をもち,モル吸光係数が大きい点で,特にNi, Zn, Co, Cuが特に好ましい。
一般式
Figure 2005116084
アヌレン系化合物は下記の一般式(化2)を有しており,この一般式中のX1〜X3としてはそれぞれ独立して,酸素原子,イオウ原子,セレン原子,イミノ基が挙げられる。前記一般式中のR1〜R6は,それぞれ独立して水素原子;ハロゲン原子;ヒドロキシル基;カルボキシル基;メトキシカルボニル基,トリフルオロメトキシカルボニル基,エトキシカルボニル基,n-プロポキシカルボニル基,イソプロポキシカルボニル基,n-ブトキシカルボニル基,tert-ブトキシカルボニル基,sec-ブトキシカルボニル基,n-ペンチルオキシカルボニル基,n-ヘキシルオキシカルボニル基等の置換されていてもよい炭素数2〜21の直鎖または分岐のアルコキシカルボニル基;あるいはメチル基,エチル基,n-プロピル基,イソプロピル基,n-ブチル基,tert-ブチル基,sec-ブチル基,n-ペンチル基,n-ヘキシル基等の炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルキル基が挙げられる。前記一般式中のR7 〜R12 はそれぞれ独立して水素原子;ハロゲン原子;ヒドロキシル基;ホルミル基;カルボキシル基;シアノ基;ニトロ基;アミノ基;スルホン酸基;あるいはメチル基,エチル基,n-プロピル基,イソプロピル基,n-ブチル基,tert-ブチル基,sec-ブチル基,n-ペンチル基,n-ヘキシル基等の炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルキル基;ビニル基,プロペニル基,ベテニル基,ペンテニル基,ヘキセニル基等の1〜20の直鎖または分岐のアルケニル基;メトキシ基,エトキシ基,n-プロポキシ基,イソプロポキシ基,n-ブトキシ基,tert-ブトキシ基,エトキシカルボニルプロポキシ基,sec-ブトキシ基,n-ペンチルオキシ基,n-ヘキシルオキシ基,n-ヘプチルオキシ基等の置換されていてもよい炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルコキシ基;ヒドロキシメチル基,ヒドロキシエチル基等の炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基;ベンゼン環,ナフタレン環,アントラセン環,チオフェン環,フラン環,ピロール環,ピラゾール環,ピリジン環,ピラン環等の炭素数6〜12の芳香環または複素環;カルボキシルメチル基等のカルボキシルアルキル基;メトキシカルボニル基,トリフルオロメトキシカルボニル基,エトキシカルボニル基,n-プロポキシカルボニル基,イソプロポキシカルボニル基,n-ブトキシカルボニル基,tert-ブトキシカルボニル基,sec-ブトキシカルボニル基,n-ペンチルオキシカルボニル基,n-ヘキシルオキシカルボニル基等の置換されていてもよい炭素数2〜21の直鎖または分岐のアルコキシカルボニル基;メチルカルボニルオキシ基,エチルカルボニルオキシ基,n-プロピルカルボニルオキシ基,イソプロピルカルボニルオキシ基,n-ブチルカルボニルオキシ基,sec-ブチルカルボニルオキシ基,tert-ブチルカルボニルオキシ基,n-ペンチルカルボニルオキシ基等の置換されていてもよい炭素数2〜21の直鎖または分岐のアルキルカルボニルオキシ基;メトキシカルボニルメチル基,メトキシカルボニルエチル基,エトキシカルボニルメチル基,エトキシカルボニルエチル基,n-プロポキシカルボニルエチル基,n-プロポキシカルボニルプロピル基,イソプロポキシカルボニルメチル基,イソプロポキシカルボニルエチル基等の炭素数3〜22の直鎖または分岐のアルコキシカルボニルアルキル基が挙げられる。また,R1 〜R12 のうち隣接する置換基どうしが結合して環状を形成してもよい。
一般式
Figure 2005116084
これらの有機色素は透明樹脂基板上に直接あるいは他の層を介してキャスト法,スピンコート法,浸漬法等の塗布方法を好適に用い,成膜することができるが,量産性,コスト面からスピンコート法が好ましい。スピンコート法による形成の場合,スピンコートの後,加熱あるいは溶媒蒸気にあてる等の処理を行っても良い。ドクターブレード法,キャスト法,スピンコート法,浸漬法等の塗布方法により記録層を形成する場合の塗布溶媒としては,基板を侵さない溶媒であれば特に限定されない。塗布溶媒としては,基板を侵さない溶媒であれば特に限定されない。例えば,ジアセトンアルコール,3−ヒドロキシ−2−ブタノン等のケトンアルコール系溶媒,メチルセロソルブ,エチルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒,n−ヘキサン,n−ヘプタン等の炭化水素系溶媒,テトラフルオロプロパノール,オクタフルオロペンタノール,ヘキサフルオロブタノール等のパーフルオロアルキルアルコール系溶媒,シクロヘキサン,メチルシクロヘキサン,エチルシクロヘキサン,ジメチルシクロヘキサン,n−ブチルシクロヘキサン,t−ブチルシクロヘキサン,シクロオクタン等の炭化水素系溶媒,ジイソプロピルエーテル,ジブチルエーテル等のエーテル系溶媒,乳酸メチル,乳酸エチル,イソ酪酸メチル等のヒドロキシルエステル系溶媒などが挙げられる。
必要に応じてバインダー,レベリング剤,消泡剤などを使用しても良い。バインダーとしてはポリビニルアルコール,ポリビニルピロリドン,ケトン樹脂,ニトロセルロース,酢酸セルロース,ポリビニルブチラール,ポリカーボネート等が用いられる。記録層2の安定性や耐光性の向上のために,一重項酸素クエンチャー,紫外線吸収剤等を含有しても良い。一重項酸素クエンチャーとしては,遷移含金属アゾ化合物(例えばアセチルアセトナートキレート,ビスフェニルジチオール,サリチルアルデヒドオキシム,ビスジチオ−α−ジケトン等)が挙げられる。
記録層3の光学的特性として光ディスク10が高反射率であるために,記録に用いるレーザー波長λにおける記録層3の屈折率(na)は,1.8以上あることが望ましい。それ以下ではレーザー光による記録前後の光学的な変化が乏しく,信号振幅が得られないからである。
上記記録層3におけるレーザーの吸収は記録層の吸収係数(ka)と膜厚(da)の積に比例し,ka・da≧1.5であることが望ましい。それ以下では記録層2がレーザー光を吸収できる効率が悪く,記録感度不足となる。
また,中間層2の吸収係数(km)および界面層の吸収係数(ks)は0.5以下であることが好ましい。このような場合,これらの層での吸収が小さくなり,結果として記録層での吸収が増えて記録感度が向上する。記録感度の観点から界面層4の熱伝導率は1W/cm・K以下であることが好ましい。これ以上であると記録層の熱が界面層に拡散してしまい,記録感度が低下する。
中間層,界面層としては,酸化物,窒化物,炭化物,フッ化物,ホウ化物,硫化物,セレン化物や,半導体,半金属,およびそれらの化合物,混合物などを用いることができる。たとえば,CeO,La,SiO,SiO,In,Al,GeO,GeO,PbO,SnO,SnO,Bi,TeO,Ta,Sc,Y,TiO,ZrO,V,Nb,Cr,CrO,CoO,Co,Fe,Fe,WO,WO,CdS,ZnS,CdSe,ZnSe,In,InSe,Sb,SbSe,Ga,GaSe,GeS,GeSe,GeSe,SnS,SnS,SnSe,SnSe,PbS,PbSe,BiSe,Bi,MoS,MoSe,MgF,CeF,CaF,TaN,Si,AlN,BN,CrN,Si,Ge,TiB,BC,SiC,B,Cおよびこれらに類似した組成を有するものならびにこれらの混合物である。これらのうち,硫化物ではZnSまたはMoSおよびそれらに類似した組成の化合物が,屈折率が適当な大きさでありかつ膜が安定である点で好ましい。窒化物としては,膜が安定でかつ強固な点で,TaN,Si,AlNまたはAlSiNおよびそれらに類似する組成の化合物が好ましい。酸化物として好ましいのはY、Sc、CeO、TiO、ZrO、SiO、Ta、In、Al、SnO、Co、Fe、FeまたはSiOおよびそれらに類似する組成の化合物である。Coは高温でCoOに変化しその際に放出する酸素が記録のきっかけになるため記録感度が向上する。同様の効果はFe、Feなどや、GeN、CrNなどの窒化物でも表われる。Ge、Siおよびその混合物も好ましく、水素を含むSiの非晶質も好適である。SiAlONまたはそれに類似する組成の化合物も好ましい。
ZnSとSiOの混合物は,その含有量の比を変えることによって屈折率を約1.5〜2.4まで変えることができるため,所望の屈折率を選ぶことができる。また,熱伝導率が小さく記録感度が高いという利点を持つ。特に,SiOの含有量が5モル%以上45モル%以下の場合が好ましい。
スピンコート法により形成された色素記録媒体の記録層は,塗布面からみて凹んでいるグルーブ部の記録層の厚さが厚くなり,ランド部の記録層の厚さが薄くなる。少なくともグルーブ部の記録層の厚さ(da)はレーザー波長λに対し,λ/(6・na)以上が必要であり,基板上に形成されたグルーブのU字溝の形状を最適化する必要がある。色素の光学定数(na)とした場合,グルーブ部のU字溝における凹みの深さはλ/(6・na)から5λ/(6・na),望ましくはλ/(3・na)から2λ/(3・na)が必要である。
図1の光情報記録媒体の場合,記録層2上に直接にあるいは他の層を介して界面層4を設ける。界面層4としては誘電体物質が用いられるが,光学特性および耐久性の点からSiO2を主成分とするが好ましい。成膜方法としては,例えばスパッタリング法,真空蒸着法等が挙げられる。
基板の複素屈折率nb*,中間層の複素屈折率nm*,記録層の複素屈折率na*,界面層の複素屈折率ns*,中間層の膜厚dm,記録層の膜厚da,界面層の膜厚ds,記録再生に用いるレーザ波長λとしたときにこれらが以下の関係を満足することが好ましい。
nb*=nb−i・kb
nm*=nm−i・km
na*=na−i・ka
ns*=ns−i・ks
na≧1.8
ka・da≧1.5
km≦0.5
ks≦0.5
λ・(N+1/4)≦2・(nm・dm+na・da+ns・ds)G≦λ・(N+3/4)(Nは0および自然数)
λ・N≦2・(nm・dm+na・da+ns・ds)L≦λ・(N+1/2)(Nは0および自然数)
||na*|−|ns*||≧0.15かつ||na*|−|nm*||≧0.15
||nb*|−|nm*||≦0.70
ただし,da'は上記案内溝と案内溝の間(溝間)での前記有機色素の膜厚daを示しており,(nm・dm+na・da+ns・ds)Gは上記案内溝部におけるnm・dm+na・da'+ns・dsの値,(nm・dm+na・da+ns・ds)Lは上記案内溝と案内溝の間(溝間)でのnm・dm+na・da+ns・dsの値を示す,|na*|は√(na2+ka2)
上記の関係を満たすとき,レーザー波長λにおける光ディスクの反射率が大きく,記録後の反射率変化も大きく,得られる信号振幅が大きい。
上記の中間層と界面層は同じ材料を用いてもよい。この場合,ディスクが製造しやすくディスクコストを抑えることができる。それぞれの屈折率の関係は||na*|−|ns*||=||na*|−|nm*||となる。
中間層と界面層とで異なる材料を用いる場合,それぞれの屈折率の関係が
||na*|−|ns*||>||na*|−|nm*||
となるような材料を選ぶと反射率が大きくなるという利点を有する。また,それぞれの屈折率の関係が
||na*|−|ns*||<||na*|−|nm*||
となるような材料を選ぶと信号変調度(記録部と未記録部の反射率差)が大きくなるという利点を有する。
反射率,変調度等の特性を改善するために,記録層と界面層との間に光干渉層を設けても良い。光干渉層を形成する材料としては,無機誘電体,ポリマー等が挙げられる。
本発明においては,記録媒体の強度や機械特性を向上させるために,接着剤を用いて2枚の基板を貼り合わせても良い。その際,界面層上に保護層を形成しても良いし,保護層を形成しないで貼り合わせても良い。保護層としては記録層,界面層を保護できる層であればよく,例えば紫外線硬化樹脂,シリコーン系樹脂等によって形成される。貼り合わせに使用される接着剤としては,紫外線硬化樹脂,ホットメルト接着剤等が使用される。この時,貼り合わせる基板の両方に記録層を設けても良いし,片側だけでも良い。
前記のようにして得られた光情報記録媒体への記録は,記録媒体の両面または片面に設けた記録層にレーザー光を照射することにより行なう。レーザー光の照射された部分には,レーザー光エネルギーの吸収による,分解,発熱,溶融等の記録層の熱的変形が起こる。記録された情報の再生は,レーザー光により,熱的変形が起きている部分と起きていない部分の反射率の差を読み取ることにより行う。レーザー光は,高密度記録のため波長は短いほど好ましいが,記録層の吸光度から波長370〜500nmのものが好ましい。波長370〜500nmのレーザー光の代表例としては,中心波長405nm付近の高出力半導体レーザー等が挙げられる。
本発明による光情報記録媒体は,表2に示すように350〜500nmのレーザー光に対する記録再生特性が優れ,高反射率,高密度記録が可能である。
以下,本発明を実施例とともに具体的に説明するが,かかる実施例はその要旨を超えない限り,本発明を限定するものではない。
直径120mm,厚さ0.6mmのポリカーボネート樹脂基板の表面に,0.45μmピッチのU字型溝とをあらかじめ形成した基板1を用意した。U字型溝の溝幅は約0.20μm,深さを100nmとした。この基板1上にスパッタリング法により45nmの厚みのZnS/SiO2(80/20)からなる中間層2を成膜した。中間層2の上に形成する記録層材料として下記の一般式(化3)で示されるポルフィセン化合物系の色素0.3gを用い,この色素をテトラフロロプロパノール30g に溶解し,これを40℃下で30分間超音波分散した後,0.2μmのフィルターでろ過した。このようにして調整された色素溶液を基板1上に,この液を回転数500rpmから2000rpmに加速しながらスピンコートし,記録層3を形成した。記録層の膜厚は約60nmであった。
次にこの記録層3がコートされた基板1を80℃のオーブンで30分乾燥した後,記録層3の上にスパッタリング法により膜厚40nmのZnS・SiO2(80/20)膜を成膜し,界面層4を形成した。さらに,この界面層4の上に紫外線硬化樹脂5を10μmの厚さでスピンコートし,これに紫外線を照射して硬化させて,記録層付基板を得た。さらに遅効性紫外線硬化型接着剤6をつけ,全く記録層を形成しない以外は同様にして得られたダミー基板7と接着し,光情報記録媒体とした。或いは,界面層4の紫外線硬化樹脂5を形成せず,紫外線硬化型接着剤6'を用いて 直接ダミー基板7と接着してもよい。
一般式
Figure 2005116084
この化合物(a)のオクタフルオロペンタノール1wt% 溶液を作製し,平坦なポリカーボネート製円盤上にスピンコート法により薄膜を形成した。この薄膜の吸収スペクトルを透過法により測定したところ,λmaxは343nmであり,屈折率は2.05,吸収係数は0.05であった。
本実施例では,実施例1とは異なる膜厚の中間層および界面層にて作製するが,この他は実施例1と同様の材料および方法で図1に示す構造の光ディスクを作製した。
実施例1と同様にして作製されたポリカーボネイト基板1上にスパッタリング法により35nmの厚みのZnS/SiO2(80/20)からなる中間層2を成膜した。中間層2の上に形成する記録層材料として一般式(化3)で示されるポルフィセン化合物系の色素0.4gを用い,この色素をテトラフロロプロパノール30g に溶解し,これを40℃下で30分間超音波分散した後,0.2μmのフィルターでろ過した。このようにして調整された色素溶液を基板1上に,この液を回転数500rpmから2000rpmに加速しながらスピンコートし,記録層3を形成した。記録層の膜厚は約80nmであった。
次にこの記録層3がコートされた基板1を80℃のオーブンで30分乾燥した後,記録層3の上にスパッタリング法により膜厚30nmのZnS・SiO2(80/20)膜を成膜し,界面層4を形成した。さらに,この界面層4の上に紫外線硬化樹脂5を10μmの厚さでスピンコートし,これに紫外線を照射して硬化させて,記録層付基板を得た。さらに遅効性紫外線硬化型接着剤6をつけ,全く記録層を形成しない以外は同様にして得られたダミー基板7と接着し,光情報記録媒体とした。
本実施例では,実施例1とは異なる膜厚の中間層および界面層にて作製するが,この他は実施例1と同様の材料および方法で図1に示す構造の光ディスクを作製した。
実施例1と同様にして作製されたポリカーボネイト基板1上にスパッタリング法により30nmの厚みのZnS/SiO2(80/20)からなる中間層2を成膜した。中間層2の上に形成する記録層材料として一般式(化3)で示されるポルフィセン化合物系の色素0.5gを用い,この色素をテトラフロロプロパノール30g に溶解し,これを40℃下で30分間超音波分散した後,0.2μmのフィルターでろ過した。このようにして調整された色素溶液を基板1上に,この液を回転数500rpmから2000rpmに加速しながらスピンコートし,記録層3を形成した。記録層の膜厚は約100nm(案内溝部)であった。
次にこの記録層3がコートされた基板1を80℃のオーブンで30分乾燥した後,記録層3の上にスパッタリング法により膜厚20nmのZnS・SiO2(80/20)膜を成膜し,界面層4を形成した。さらに,この界面層4の上に紫外線硬化樹脂5を10μmの厚さでスピンコートし,これに紫外線を照射して硬化させて,記録層付基板を得た。さらに遅効性紫外線硬化型接着剤6をつけ,全く記録層を形成しない以外は同様にして得られたダミー基板7と接着し,光情報記録媒体とした。
本実施例では,実施例1とは異なる色素を使用し、異なる膜厚の中間層および界面層にて作製するが,この他は実施例1と同様の方法で図1に示す構造の光ディスクを作製した。
実施例1と同様にして作製されたポリカーボネイト基板1上にスパッタリング法により70nmの厚みのZnS/SiO2(80/20)からなる中間層2を成膜した。中間層2の上に形成する記録層材料として下記の一般式(化4)で示されるアヌレン化合物系の色素0.3gを用い,この色素をテトラフロロプロパノール30g に溶解し,これを40℃下で30分間超音波分散した後,0.2μmのフィルターでろ過した。このようにして調整された色素溶液を基板1上に,この液を回転数500rpmから2000rpmに加速しながらスピンコートし,記録層3を形成した。記録層の膜厚は約60nmであった。
次にこの記録層3がコートされた基板1を80℃のオーブンで30分乾燥した後,記録層3の上にスパッタリング法により膜厚95nmのZnS・SiO2(80/20)膜を成膜し,界面層4を形成した。さらに,この界面層4の上に紫外線硬化樹脂5を10μmの厚さでスピンコートし,これに紫外線を照射して硬化させて,記録層付基板を得た。さらに遅効性紫外線硬化型接着剤6をつけ,全く記録層を形成しない以外は同様にして得られたダミー基板7と接着し,光情報記録媒体とした。
Figure 2005116084
本実施例では,実施例4とは異なる膜厚の中間層および界面層にて作製するが,この他は実施例4と同様の材料および方法で図1に示す構造の光ディスクを作製した。
実施例1と同様にして作製されたポリカーボネイト基板1上にスパッタリング法により70nmの厚みのZnS/SiO2(80/20)からなる中間層2を成膜した。中間層2の上に形成する記録層材料として一般式(化4)で示されるアヌレン化合物系の色素0.4gを用い,この色素をテトラフロロプロパノール30g に溶解し,これを40℃下で30分間超音波分散した後,0.2μmのフィルターでろ過した。このようにして調整された色素溶液を基板1上に,この液を回転数500rpmから2000rpmに加速しながらスピンコートし,記録層3を形成した。記録層の膜厚は約80nmであった。
次にこの記録層3がコートされた基板1を80℃のオーブンで30分乾燥した後,記録層3の上にスパッタリング法により膜厚75nmのZnS・SiO2(80/20)膜を成膜し,界面層4を形成した。さらに,この界面層4の上に紫外線硬化樹脂5を10μmの厚さでスピンコートし,これに紫外線を照射して硬化させて,記録層付基板を得た。さらに遅効性紫外線硬化型接着剤6をつけ,全く記録層を形成しない以外は同様にして得られたダミー基板7と接着し,光情報記録媒体とした。
本実施例では,実施例4とは異なる膜厚の中間層および界面層にて作製するが,この他は実施例4と同様の材料および方法で図1に示す構造の光ディスクを作製した。
実施例1と同様にして作製されたポリカーボネイト基板1上にスパッタリング法により90nmの厚みのZnS/SiO2(80/20)からなる中間層2を成膜した。中間層2の上に形成する記録層材料として一般式(化4)で示されるポルフィセン化合物系の色素0.5gを用い,この色素をテトラフロロプロパノール30g に溶解し,これを40℃下で30分間超音波分散した後,0.2μmのフィルターでろ過した。このようにして調整された色素溶液を基板1上に,この液を回転数500rpmから2000rpmに加速しながらスピンコートし,記録層3を形成した。記録層の膜厚は約100nmであった。
次にこの記録層3がコートされた基板1を80℃のオーブンで30分乾燥した後,記録層3の上にスパッタリング法により膜厚35nmのZnS・SiO2(80/20)膜を成膜し,界面層4を形成した。さらに,この界面層4の上に紫外線硬化樹脂5を10μmの厚さでスピンコートし,これに紫外線を照射して硬化させて,記録層付基板を得た。さらに遅効性紫外線硬化型接着剤6をつけ,全く記録層を形成しない以外は同様にして得られたダミー基板7と接着し,光情報記録媒体とした。
本実施例では,実施例1とは異なる色素を使用し、異なる膜厚の中間層および界面層にて作製するが,この他は実施例1と同様の方法で図1に示す構造の光ディスクを作製した。
実施例1と同様にして作製されたポリカーボネイト基板1上にスパッタリング法により40nmの厚みのZnS/SiO2(80/20)からなる中間層2を成膜した。中間層2の上に形成する記録層材料として下記の一般式(化5)で示されるポルフィセン化合物系の色素0.3gを用い,この色素をテトラフロロプロパノール30g に溶解し,これを40℃下で30分間超音波分散した後,0.2μmのフィルターでろ過した。このようにして調整された色素溶液を基板1上に,この液を回転数500rpmから2000rpmに加速しながらスピンコートし,記録層3を形成した。記録層の膜厚は約60nmであった。
次にこの記録層3がコートされた基板1を80℃のオーブンで30分乾燥した後,記録層3の上にスパッタリング法により膜厚40nmのZnS・SiO2(80/20)膜を成膜し,界面層4を形成した。さらに,この界面層4の上に紫外線硬化樹脂5を10μmの厚さでスピンコートし,これに紫外線を照射して硬化させて,記録層付基板を得た。さらに遅効性紫外線硬化型接着剤6をつけ,全く記録層を形成しない以外は同様にして得られたダミー基板7と接着し,光情報記録媒体とした。
Figure 2005116084
本実施例では,実施例7とは異なる膜厚の中間層および界面層にて作製するが,この他は実施例7と同様の材料および方法で図1に示す構造の光ディスクを作製した。
実施例1と同様にして作製されたポリカーボネイト基板1上にスパッタリング法により35nmの厚みのZnS/SiO2(80/20)からなる中間層2を成膜した。中間層2の上に形成する記録層材料として一般式(化5)で示されるポルフィセン化合物系の色素0.4gを用い,この色素をテトラフロロプロパノール30g に溶解し,これを40℃下で30分間超音波分散した後,0.2μmのフィルターでろ過した。このようにして調整された色素溶液を基板1上に,この液を回転数500rpmから2000rpmに加速しながらスピンコートし,記録層3を形成した。記録層の膜厚は約80nmであった。
次にこの記録層3がコートされた基板1を80℃のオーブンで30分乾燥した後,記録層3の上にスパッタリング法により膜厚30nmのZnS・SiO2(80/20)膜を成膜し,界面層4を形成した。さらに,この界面層4の上に紫外線硬化樹脂5を10μmの厚さでスピンコートし,これに紫外線を照射して硬化させて,記録層付基板を得た。さらに遅効性紫外線硬化型接着剤6をつけ,全く記録層を形成しない以外は同様にして得られたダミー基板7と接着し,光情報記録媒体とした。
(比較例1)
本実施例では,実施例1とは異なる膜厚のに使用するが,この他は実施例1と同様の材料および方法で図1に示す構造の光ディスクを作製した。
実施例1と同様にして作製されたポリカーボネイト基板1上にスパッタリング法により100nmの厚みのZnS/SiO2(80/20)からなる中間層2を成膜した。中間層2の上に形成する記録層材料として一般式(化3)で示されるポルフィセン化合物系の色素0.5gを用い,この色素をテトラフロロプロパノール30g に溶解し,これを40℃下で30分間超音波分散した後,0.2μmのフィルターでろ過した。このようにして調整された色素溶液を基板1上に,この液を回転数500rpmから2000rpmに加速しながらスピンコートし,記録層3を形成した。記録層の膜厚は約80nmであった。
次にこの記録層3がコートされた基板1を80℃のオーブンで30分乾燥した後,記録層3の上にスパッタリング法により膜厚100nmのZnS・SiO2(80/20)膜を成膜し,界面層4を形成した。さらに,この界面層4の上に紫外線硬化樹脂5を10μmの厚さでスピンコートし,これに紫外線を照射して硬化させて,記録層付基板を得た。
さらに遅効性紫外線硬化型接着剤6をつけ,全く記録層を形成しない以外は同様にして得られたダミー基板7と接着し,光情報記録媒体とした。
(比較例2)
本実施例では,実施例1とは異なる膜厚のに使用するが,この他は実施例1と同様の材料および方法で図1に示す構造の光ディスクを作製した。
実施例1と同様にして作製されたポリカーボネイト基板1上にスパッタリング法により35nmの厚みのZnS/SiO2(80/20)からなる中間層2を成膜した。中間層2の上に形成する記録層材料として一般式(化4)で示されるアヌレン化合物系の色素0.5gを用い,この色素をテトラフロロプロパノール30g に溶解し,これを40℃下で30分間超音波分散した後,0.2μmのフィルターでろ過した。このようにして調整された色素溶液を基板1上に,この液を回転数500rpmから2000rpmに加速しながらスピンコートし,記録層3を形成した。記録層の膜厚は約60nmであった。
次にこの記録層3がコートされた基板1を80℃のオーブンで30分乾燥した後,記録層3の上にスパッタリング法により膜厚80nmのZnS・SiO2(80/20)膜を成膜し,界面層4を形成した。さらに,この界面層4の上に紫外線硬化樹脂5を10μmの厚さでスピンコートし,これに紫外線を照射して硬化させて,記録層付基板を得た。さらに遅効性紫外線硬化型接着剤6をつけ,全く記録層を形成しない以外は同様にして得られたダミー基板7と接着し,光情報記録媒体とした。
前記実施例1〜8および比較例1〜2により作製した光情報記録媒体(10)に出射波長405nmのレーザー(NA=0.65)を搭載したドライブで,線速4m/s,記録パワー7.5mWで8−16信号を入力して記録した。これを同ドライブで再生パワー0.5mWで再生信号を測定した。前記実施例1〜8および比較例1〜2により作製した光情報記録媒体(10)の記録層,中間層,界面層の膜厚,記録パワー,反射率,変調度を次の表2に示す。
Figure 2005116084
(表1)より本発明の則って作製された情報記録媒体の反射率および変調度は良好な再生特性が得られる事が明らかになった。
さらに上記実施例で用いた色素材料を変えて,na<1.8となるような材料を用いて同様の検討を行なったところ,記録前後の反射率変化が記録前の反射率に対して10%以下ときわめて小さくなった。
またkaの小さい色素材料を用いてka・da<1.5となるようにしてディスクを作製し同様の検討を行なったところ,記録パワー15mWを投入しても記録がほとんど行なわれなかった。これは記録層にレーザ光がほとんど吸収されず記録感度が低下したためである。
また,中間層および界面層の吸収係数ksおよびkmを0.5より大きい値として同様の検討を行なったところ,ks,kmが0.5以下の場合に比べて記録に必要な投入パワーが2mW上昇した。これは,中間層あるいは界面層がレーザ光を吸収してしまい,記録層での吸収が減ったためである。
本発明では中間層,界面層としてZnS−SiO2を用いたが,これらの一部または全部をCeO,La,SiO,SiO,In,Al,GeO,GeO,PbO,SnO,SnO,Bi,TeO,Ta,Sc,Y,TiO,ZrO,V,Nb,Cr,CrO,CoO,Co,Fe,Fe,WO,WO,CdS,ZnS,CdSe,ZnSe,In,InSe,Sb,SbSe,Ga,GaSe,GeS,GeSe,GeSe,SnS,SnS,SnSe,SnSe,PbS,PbSe,BiSe,Bi,MoS,MoSe,MgF,CeF,CaF,TaN,Si,AlN,BN,CrN,Si,Ge,TiB,BC,SiC,B,Cのうちの少なくともひとつに置き換えても,同様の結果が得られた。Coを用いると記録レーザ光の照射によってCoOに変化しその際に放出する酸素が記録のきっかけになり記録に必要なパワーが約1mW低下した。同様の効果はFe、Feなどや、GeN、CrNなどの窒化物でも表われた。
中間層と界面層の材料を変えた場合,たとえば中間層としてZnS−SiO2,界面層としてGeあるいはSiを用いた場合,両者の屈折率の関係は
||na*|−|ns*||>||na*|−|nm*||
となった,このとき,反射率が5%向上した。
また,逆に中間層としてGeあるいはSi,界面層としてZnS−SiO2を用いた場合,両者の屈折率の関係は
||na*|−|ns*||<||na*|−|nm*||
となった。このとき,信号変調度が10%向上した。
界面層としてAg,Auやこれらを主成分とする,熱伝導率1W/cm・Kを超えるような金属反射層を用いた場合記録感度が著しく低下し,15mWのパワーを投入しても記録が出来なかった。
本発明の実施形態に係る光情報記録媒体の一部断面図である。
符号の説明
1 塗布型色素記録膜用基板
2 中間層
3 塗布型色素記録膜
4 界面層
5 紫外線硬化樹脂保護層
6 接着剤層
7 ダミー基板
520 中間層膜厚(dm)
530 塗布型色素記録膜厚(案内溝部)(da)
530' 塗布型色素記録膜厚(案内溝間部)(da')
540 界面層膜厚(ds)

Claims (8)

  1. 案内溝を有する基板上に,中間層を介して有機色素を主成分とする記録層を積層し,さらに該記録膜上に界面層を有し,該界面層の上に,他の層を介しあるいは直接,樹脂製の保護層を有する,波長λのレーザー光にて記録および再生が行われる情報記録媒体において,前記基板の複素屈折率nb*と,前記中間層の複素屈折率nm*および膜厚dmと,前記有機色素の複素屈折率na*および膜厚daと,前記界面層の複素屈折率ns*および膜厚dsが以下の関係を満足することを特徴とする情報記録媒体。
    nb*=nb−i・kb
    nm*=nm−i・km
    na*=na−i・ka
    ns*=ns−i・ks
    na≧1.8
    ka・da≧1.5
    km≦0.5
    ks≦0.5
    λ・(N+1/4)≦2・(nm・dm+na・da+ns・ds)G≦λ・(N+3/4)(Nは0および自然数)
    λ・N≦2・(nm・dm+na・da+ns・ds)L≦λ・(N+1/2)(Nは0および自然数)
    ||na*|−|ns*||≧0.15かつ||na*|−|nm*||≧0.15
    ||nb*|−|nm*||≦0.70
    ただし,da'は上記案内溝と案内溝の間(溝間)での前記有機色素の膜厚daを示しており,(nm・dm+na・da+ns・ds)Gは上記案内溝部におけるnm・dm+na・da+ns・dsの値,(nm・dm+na・da'+ns・ds)Lは上記案内溝と案内溝の間(溝間)でのnm・dm+na・da+ns・dsの値,|na*|は√(na2+ka2)
  2. 前記案内溝における凹みの深さDが以下の関係を満足することを特徴とする請求項1に記載の情報記録媒体。
    λ/(3・na)≦D≦2λ/(3・na)
  3. 前記基板上に記録層と界面層とが順次形成され,記録および再生が前記基板側から行われることを特徴とする請求項1から2に記載の情報記録媒体。
  4. 前記有機色素が薄層状態の吸収スペクトルにおいて400nm以下に極大値を有することを特徴とする請求項1に記載の情報記録媒体。
  5. 前記界面層の熱伝導率が1W/cm・K以下であることを特徴とする請求項1から4に記載の情報記録媒体。
  6. 前記界面層は,非金属物質からなることを特徴とする請求項1から5に記載の情報記録媒体。
  7. 前記界面層は,SiO2を主成分とする誘電体からなることを特徴とする請求項1から6に記載の記載の情報記録媒体。
  8. 前記中間層は融点もしくは分解温度を有し、上記融点もしくは分解温度と、記録層の融点もしくは分解温度との差が400℃以下であることを特徴とする請求項1から7に記載の記載の情報記録媒体。
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