JP2005113883A - 内燃機関の過渡時制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 オクタン価の異なる多種燃料使用時の過渡時点火時期制御を適切に行う。
【解決手段】 内燃機関100の吸気ポートに燃料噴射弁110Hと110Lとから高オクタン価ガソリンと低オクタン価ガソリンとを任意の供給割合で噴射する機関の、機関負荷増大初期の点火時期遅角操作において点火時期遅角量、開始終了タイミングを高オクタン価ガソリンと低オクタン価ガソリンとの供給割合に応じて設定する。これにより、燃料供給割合の変化にかかわらず正確に過渡時点火時期制御を行うことが可能となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内燃機関の過渡時制御方法に関し、詳細にはオクタン価の異なる複数種類の燃料を用いて運転する内燃機関の過渡時制御方法に関する。
機関の定常運転または減速運転から加速が行われたときに、ノッキングの発生や加速開始時の急激なトルク増大を抑制するために加速開始初期に所定の期間機関点火時期を遅角する加速過渡時制御が知られている。
また、上記加速時の点火時期遅角制御の際に燃料のオクタン価に応じて点火時期遅角量を変更する加速過渡時制御も公知である。
この種の加速過渡時制御の例としては、例えば特許文献1に記載されたものがある。
特許文献1は、オクタン価の高い燃料が使用されているかオクタン価の低い燃料が使用されているかを判断し、加速時の点火時期遅角量を燃料のオクタン価の増大に伴なって減少させるようにした加速時過渡時制御を開示している。
加速時に点火時期を遅角する際に、燃料のオクタン価から見て必要以上に点火時期遅角量を大きく設定すると機関出力の低下により機関加速性能の悪化が生じる。また、逆に燃料のオクタン価から見て必要とする値より実際の点火時期遅角量が不足するとノッキングの発生を抑制することができない。従って、加速過渡時制御における点火時期遅角量は燃料のオクタン価に応じて最適な値に設定される必要がある。
特許文献1の装置は燃料のオクタン価検出手段を用いて現在オクタン価の高い燃料が使用されているかオクタン価の低い燃料が使用されているかを判断し、使用燃料のオクタン価に応じた加速過渡時制御の点火時期を設定することによりこの問題を解決することを意図したものである。
特開平3−105065号公報
特開平11−315733号公報
実開昭60−164677号公報
上特許文献1の装置では、燃料のオクタン価を判断しオクタン価に応じて加速過渡時制御における点火時期遅角量を設定しているが、燃料のオクタン価の判断は例えば、使用ガソリンがレギュラーかプレミアムかに応じて手動スイッチを切り換えることによりなされたり、或いは機関運転中に点火時期を実際にノッキングが生じるまで変化させてノッキングが生じた点火時期により使用ガソリンがレギュラーからプレミアムかを判断している。
特許文献1の装置は、使用燃料が低オクタン価燃料か高オクタン価燃料であるかを判断し、オクタン価に応じた加速過渡時制御を行っているものの機関運転中に燃料のオクタン価が高い頻度で変化する場合については考慮していない。
例えば、高オクタン価ガソリンと低オクタン価ガソリンのようなオクタン価の異なる複数種類の燃料を任意の供給割合で機関に供給する燃料供給装置を備え、機関運転中に機関の運転条件、或いは他の適宜な条件に応じて燃料供給割合を変更することにより機関に供給する燃料全体としてのオクタン価を機関運転条件に応じて変更するような場合には、燃料オクタン価は機関運転条件に応じて頻繁に変更される。
このような場合には、上記特許文献1のような方法では燃料オクタン価を正確に判定することはできず、加速過渡時制御における点火時期遅角量を正確に設定することは困難である。
本発明は上記問題に鑑み、オクタン価の異なる複数種類の燃料を機関に供給する機関で、機関運転中に燃料の供給割合が変更される場合にも加速過渡時制御を適切に行うことが可能な内燃機関の過渡時制御方法を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明によれば、オクタン価の異なる少なくとも2種類の燃料を任意の供給割合で機関に供給可能であり、かつ機関運転中に前記供給割合を変更可能な内燃機関の過渡時制御方法であって、機関負荷増大時に機関点火時期を所定の遅角量だけ遅角させる際に、遅角量を前記燃料の供給割合に基づいて変更する、内燃機関の過渡時制御方法が提供される。
すなわち、請求項1の発明では加速過渡時制御における点火時期の遅角量が機関への各燃料の供給割合に応じて定められる。燃料全体としてのオクタン価はそれぞれの燃料の供給割合(混合割合)に応じて定まる。また、燃料供給割合は機関運転状態または他の条件に応じて変化するが、供給割合自体は短時間で正確に知ることができる。このため、燃料の供給割合に応じて加速過渡時運転の点火時期遅角量を設定する事により、実際の燃料オクタン価に応じた適切な加速過渡時運転制御を行うことが可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、更に、前記機関負荷増大時の点火時期遅角の際に、遅角量に加えて負荷増大時の点火時期遅角を開始する時期と期間とを前記燃料の供給割合に基づいて変更する、請求項1に記載の内燃機関の過渡時制御方法。
すなわち、請求項2の発明では遅角量に加えて負荷増大時の点火時期遅角開始時期と機関とが燃料の供給割合に応じて設定されるため、更に適切な加速過渡時運転制御を行うことが可能となる。
各請求項に記載の発明によれば、オクタン価の異なる複数種類の燃料を機関に供給し,機関運転中に各燃料の供給割合を変更する場合にも加速過渡時制御を適切に行うことが可能となる共通の効果を奏する。
以下、添付図面を用いて本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の加速過渡時制御方法を実施する自動車用内燃機関の概略構成を説明する図である。
図1において、100は車両用内燃機関、110H、110Lは内燃機関1の各気筒吸気ポートに燃料を噴射する燃料噴射弁を示す。本実施形態では、各気筒の吸気ポートに対して燃料噴射弁110Hと110Lとが1つずつ設けられている。すなわち、図1の例では4気筒ガソリン機関が使用されているため、燃料噴射弁110Hと110Lとがそれぞれ4つずつ、合計8つの燃料噴射弁が設けられている。
後述するように、燃料噴射弁110Hは各気筒に高オクタン価燃料を供給する高オクタン価燃料用噴射弁、110Lは各気筒に低オクタン価燃料を供給する低オクタン価燃料用燃料噴射弁とされている。高オクタン価燃料用噴射弁110Hと低オクタン価燃料用噴射弁110Lは、それぞれ高オクタン価燃料用デリバリパイプ20Hと低オクタン価燃料用デリバリパイプ20Lに接続されており、デリバリパイプ20H、20L内の燃料を各気筒吸気ポートにそれぞれ噴射する。
図1において、11H、11Lで示すのは機関1の燃料タンクである。本実施形態では、性状の異なる2つの燃料油を燃料噴射弁110Hと110Lとから機関に噴射するために、それぞれの燃料タンクを別個に設けている。図1の例では高オクタン価ガソリンと低オクタン価ガソリンとを使用する場合を示しているが、本実施形態では、オクタン価の異なる2種類のガソリンの他、ガソリンと他の種類の液体燃料等を使用することが可能である。
図1において、燃料タンク11Hには高オクタンガソリンが、11Lには低オクタンガソリンがそれぞれ貯留されている。高オクタン価ガソリンと低オクタン価ガソリンとは、それぞれ外部からタンク11Hと11Lとに別々に補給するようにしても良いし、例えば車両上で分離膜などの適宜な手段を用いて市販のガソリンを高オクタン価成分を多く含むガソリンと低オクタン価成分を多く含むガソリンとに分離することにより生成することも可能である。
燃料タンク11Hと11Lとに貯留された燃料は、吐出容量制御機構を備えた燃料噴射ポンプ21H、21Lにより昇圧され、個別の燃料供給配管25H、25Lを介して燃料噴射弁110H、110Lに供給され、それぞれの燃料噴射弁から機関100の各気筒吸気ポートに噴射される。
すなわち、本実施形態では、高オクタン価ガソリンと低オクタン価ガソリンとは、互いに独立した供給経路を通って吸気ポートに供給され、それぞれの燃料噴射弁の燃料噴射量を個別に制御することにより、機関に供給する高オクタン価ガソリンと低オクタン価ガソリンとの供給割合を任意に設定することができる。
図1に30で示すのは機関100の電子制御ユニット(ECU)である。本実施形態では、ECU30は、リードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、演算ユニット(CPU)及び入出力ポートを双方向性バスで接続した公知の構成のマイクロコンピュータとして構成され、例えば機関の各気筒の点火時期、各気筒への燃料噴射量などの基本制御を行っている他、本実施形態では、後述するように機関負荷に応じて供給する高オクタン価ガソリンと低オクタン価ガソリンとの比率(供給割合)を設定したり、機関負荷増大時の点火時期遅角量を両ガソリンの供給割合に応じて設定する加速過渡時制御を行う。
これらの制御のため、ECU30の出力ポートは、図示しない駆動回路を介して各気筒の燃料噴射弁110H、110Lに接続されそれぞれの燃料噴射弁の燃料噴射量を制御している他、図示しない点火回路を介して各気筒の点火プラグ(図示せず)に接続され、機関の点火時期を制御している。また、ECU30の入力ポートには、燃料タンク11H、11Lに設けられた燃料残量センサ12H、12Lから、それぞれタンク11H内の高オクタン価ガソリンの残量とタンク11L内の低オクタン価ガソリンの残量とが入力されているほか、回転数センサ33から機関1の回転数が、機関吸気通路に設けられたエアフローメータ35から機関の吸入空気量が、また、機関シリンダブロックに設けられたノックセンサ37からノック信号(ノッキングに関連する周波数の振動の振幅)が、それぞれ入力されている。
本実施形態では、ECU30は機関負荷条件(例えば機関1回転当たりの吸入空気量と機関回転数)に応じて予め定めた関係に基づいて機関に供給する高オクタン価ガソリンと低オクタン価ガソリンとの合計量と供給割合とを設定する。例えば機関が高負荷で運転されるような場合には、ECU30は負荷が低い場合に較べて高オクタン価ガソリンの供給割合を増大させる。これにより、機関に供給される燃料の全体としてのオクタン価が上昇するため、点火時期を最大出力点火時期近くまで十分に進角させた運転を行い機関出力を増大させることが可能となる。
ところで、機関の定常運転や減速運転からの加速運転開始等のような機関負荷増大時には一般に負荷増大初期に点火時期を遅延させる加速過渡時制御が行われる。加速過渡時制御は、例えば車両走行中運転者が急激にアクセルペダルを踏み込んだような場合や、アクセルペダルを離してエンジンブレーキ走行後再加速を行うような場合に急激な負荷増大によるノッキングの発生やアクセルペダルの急激な踏み込みに伴った急激な機関出力トルクの増大によるトルクショックの発生を抑制するために行われる。
通常の単一の燃料を使用する機関では、加速過渡時制御における点火時期遅角量や遅角開始と終了のタイミングなどは機関回転数に応じて予め定められた値に設定されている。すなわち、機関回転数が同じ値であれば加速過渡時制御の点火時期遅角量、遅角開始と終了のタイミングは一律に同じ値に設定される。
ところが、本実施形態のようにオクタン価の異なる複数の燃料を機関の負荷条件に応じた供給割合で機関に供給するような場合には供給割合に応じて燃料全体としてのオクタン価も変化する。しかも、この場合機関の負荷条件のみによって燃料の供給割合が定まるのであれば、同一の機関運転条件では常に燃料の供給割合も同一になり、加速過渡時制御の点火時期遅角量や遅角開始終了タイミングなどは機関負荷条件(例えば機関1回転当たりの吸入空気量と機関回転数)に応じて予め設定しておくことも可能であるが、実際には機関負荷条件以外の要因で燃料供給割合が変化する場合がある。
例えば、本実施形態では高オクタン価ガソリンと低オクタン価ガソリンとはそれぞれ別個のタンク11Hと11Lとから供給されているが、一方のタンクが空になってしまうとオクタン価の調整が全くできなくなる。このため、本実施形態ではECU30は燃料残量センサ12H、12Lで常時それぞれの燃料タンク11H、11Lの燃料残量を監視しており、両方のタンクの燃料残量の差が所定以上になると燃料供給割合を補正して残量が多い方の燃料の供給割合を増大させるようにしている。これにより、本実施形態では両方の燃料の残量に大きな差が生じることが防止されるが、このような残量バランスの調整が行われると燃料の供給割合は同一の負荷条件であっても通常の供給割合とは異なった値になる。
また、例えば機関温度が低い場合には、例えばECU30は機関温度が高い場合に較べて低オクタン価ガソリンの供給割合を増大させる。低オクタン価ガソリンは高オクタン価ガソリンに較べて着火性が良好であるため機関の低温運転時に低オクタン価ガソリンの供給割合を増大することにより、冷間時の機関燃焼が安定するようになる。
更に、例えば通常はノッキングが生じない負荷条件であっても気圧や気温の相違によってノッキングが発生しやすくなる場合がある。本実施形態では、ECU30はノックセンサ37で機関のノッキング発生の有無を監視しており、ノッキングが発生した場合には通常よりも高オクタン価ガソリンの供給割合を増大させる。これにより、ノッキングが生じやすい状況においてもノッキング発生が抑制されるようになる。
上述のように、本実施形態では機関への燃料供給割合は機関負荷以外の種々の条件で変化する、このため、一律に機関回転数、或いは機関負荷条件に応じて加速過渡時制御の点火時期遅角量等を定めたのでは適切な加速過渡時制御を行うことができない。例えば、点火時期遅角量等を一律に機関回転数に応じて設定したのでは、低オクタン価ガソリンの供給割合が通常より増大されているような場合には加速時にノッキングが発生する。また、逆に低オクタン価ガソリンの供給割合が通常より低減されているような場合(高オクタン価ガソリンの供給割合が通常より増大されている場合)には、実際に必要な量以上に加速時の点火時期が遅角されるために本来得ることができる加速性能が得られない問題が生じる。
そこで、本実施形態では加速過渡時制御開始時の燃料のオクタン価、すなわち高オクタン価ガソリンと低オクタン価ガソリンの供給割合に応じて機関点火時期の遅角量と遅角開始終了時期を設定するようにしている。
図2は本実施形態の加速過渡時制御操作を説明するフローチャートである。本操作はECU30により一定時間毎に実行される。
図2において操作がスタートする毎にステップ201では機関回転数NEと機関吸入空気量GAとがそれぞれ回転数センサ33とエアフローメータ35から読み込まれ、ステップ203では現在の供給燃料に占める低オクタン価ガソリンの割合RL(すなわち、各燃料の供給割合)が読み込まれる。前述したように、本実施形態では低オクタン価ガソリンの供給割合(低オクタン価ガソリンと高オクタン価ガソリンとの供給割合)はECU30により別途実行される図示しない操作により機関負荷状態と他の要因(ノッキング抑制、低温時の燃焼安定、燃料の消費バランス調節)とにより定められる。ステップ203では、現在ECU30により設定されている実際の低オクタン価ガソリンの供給割合が読み込まれる。
そして、ステップ205では現在加速過渡時制御を実行する条件が成立しているか否かが判断される。本実施形態では、(1)機関負荷(機関1回転当たりの吸入空気量)が所定値aより大きく、かつ(2)負荷の変化率(増加率)が所定値bより大きい場合、に加速過渡時制御を行う。
ステップ205で上記の条件(1)、(2)のいずれか一方もしくは両方が成立しなかった場合には、次にステップ207が実行され、過渡時制御実行フラグAXの値がゼロにセットされる。
過渡時制御実行フラグAXの値がゼロにセットされると、別途ECU30で実行される図示しない操作により、実行中の場合には過渡時制御が中止され点火時期は通常の値に復帰する。これにより、過渡時制御実行中にステップ205の条件が成立しなくなった場合(例えば過渡時制御実行中に加速が終了した場合)には、点火時期遅角は行われない。
ステップ205で上記の条件(1)、(2)の両方が成立した場合には、次にステップ209が実行され、フラグXの値が1にセットされているか否かが判定される。フラグXは、ステップ211から215の操作をステップ205の条件成立後に1回だけ実行するためのフラグであり、ステップ205の条件が成立しない場合にはステップ221で1にセットされ、ステップ205の条件成立後にステップ211から215を1回だけ実行した後にステップ217でゼロにリセットされる。
なお、本実施形態では上記条件(1)における判定値a及び(2)における判定値bは、それぞれステップ201と203で読み込んだ機関回転数NEと機関負荷(機関1回転当たりの吸入空気量)とに応じて予め最適な値が設定されており、後述する図3の二次元数値マップと同様な形式の数値マップとしてECU30のROMに格納されている。
ステップ211からステップ215は加速過渡時制御の各パラメータを設定するステップである。ステップ211からステップ215では、それぞれ初期遅角量EAI、遅角量ガード値EAGD、遅角量減衰値EARDがそれぞれ設定される。各パラメータについては後述するが、ステップ211から215の各ステップではステップ201で読み込んだ機関回転数NEとステップ203で読み込んだ加速開始時の低オクタン価ガソリン供給割合に応じて設定される。
本実施形態では、各回転数からの加速時における最適なEAI、EAGD、EARDのパラメータの値を、燃料の供給割合(低オクタン価ガソリンの供給割合RL)毎に予め実験的に求めてあり、図3に示すような形式の低オクタン価ガソリン供給割合RLと機関回転数NEとに基づく2次元数値マップ(図3は初期遅角量EAIについて示しているが、他のパラメータについても同様な形式とされる)としてECU30のROMに格納してあり、ステップ211から215では、ステップ201と203とで求めた機関回転数NE、低オクタン価ガソリン供給割合RLとを用いてこの数値マップからEAI、EAGD、EARDの各パラメータの値が設定される。
次いでステップ219では過渡時制御実行フラグAXの値が1にセットされ、別途ECU30により実行される操作によりステップ211から215で設定されたパラメータの値を用いた加速過渡時制御が実行される。これにより、加速過渡時制御の点火時期初期遅角量EAI、遅角量ガード値EAGD、遅角量減衰値EARDのパラメータは燃料の供給割合に応じた値に設定されるようになり、燃料供給割合毎に最適な加速過渡時制御が実行される。
なお、ステップ205の条件が成立した後本操作が最初に実行されるときはフラグXの値は常に1にセットされているが、その後ステップ211から215が実行されるとステップ217でフラグXの値が0にセットされるため、次回からはステップ209の次にステップ219が実行されるようになる。これにより、ステップ211からステップ215によるパラメータの設定操作はステップ205の条件成立後1回のみ行われるようになる。
図4は、上記により設定された点火時期初期遅角量EAI、遅角量ガード値EAGD、遅角量減衰値EARDの各パラメータを用いた加速時過渡制御を説明するタイミング図である。
図4において(A)は加速時の機関負荷の変化を、(B)は加速過渡時制御による点火時期の変化を示している。
図4、(A)(B)に示すように、本実施形態では機関負荷LDがある程度以上大きい状態で(LD>a)、かつ機関負荷の増加率が大きく(図3、(A)の直線の傾きがbより大)なった場合に加速過渡時制御が開始される。判定値a、bの値は機関回転数が同一であれば低オクタン価ガソリンの供給割合が増大するほど小さな値となる。
本実施形態の加速過渡時制御では、点火時期遅角量ΔEAは下記の式で与えられる。
ΔEA=EAI−EARD×t (t:時間)
但し、上記の計算式でΔEA≧EAGDとなった場合にはΔEA=EAGD、ΔEA≦0となった場合にはΔEA=0とされる。すなわち、ΔEAは最大値EAGD最小値0に制限されている。
また、本実施形態では同一回転数では初期遅角量EAIと遅角量ガード値EAGDとは低オクタン価ガソリンの供給割合が増大する程大きく、減衰値EARDは低オクタン価ガソリンの供給割合が増大するほど小さく設定される。
この結果、加速過渡時制御が開始されると点火時期は図4に示すように変化する。すなわち、ガード値EAGDは実際の遅角量の大きさを規定し、初期値EAI及び減衰値EARDは遅角期間の長さを規定する。図4(B)のカーブ1から3は低オクタン価ガソリンの割合が異なる場合の点火時期の変化を示しており、カーブ3から1に向かって低オクタン価ガソリンの供給割合が増大している(カーブ3は通常の供給割合の場合を示す)。
すなわち、本実施形態では燃料の供給割合に応じて点火時期遅角量(EAGD)、開始タイミング(a、b)、遅角終了タイミング(EAI、EARD)が決定されるようになり、実際の燃料オクタン価に応じた適切な加速過渡時制御が行われる。
なお、図2の実施形態では燃料中の低オクタン価ガソリンの供給割合に基づいて加速過渡時制御の各パラメータ(a、b、EAI、EAGD、EARD)の値を決定しているが、低オクタン価ガソリンの供給割合に代えて高オクタン価ガソリンの供給割合に基づいて各パラメータの値を決定するようにすることも可能である。
また、前述したように本実施形態では燃料消費量バランスの調整等による供給割合変更を行っていない場合には燃料供給割合は機関負荷と機関回転数とに応じて定まる。この通常運転時の機関負荷と機関回転数とに応じて定まる燃料供給割合を基本供給割合と称すると、前述の実施形態のように低オクタン価ガソリンの実際の供給割合に基づいて加速過渡時制御の各パラメータを定める代わりに、例えば低オクタン価ガソリン(または高オクタン価ガソリン)の実際の供給割合と加速過渡時制御開始時の機関負荷と機関回転数から定まる低オクタン価ガソリン(高オクタン価ガソリン)の上記基本供給割合との比に基づいて加速過渡時制御の各パラメータ(a、b、EAI、EAGD、EARD)の値を決定するようにしても良い。
図5は上記した低オクタン価ガソリンの実際の供給割合と基本供給割合との比に基づいて加速過渡時制御の各パラメータ(a、b、EAI、EAGD、EARD)の値を決定する場合の加速過渡時制御操作を示すフローチャートである。
図5の操作は、図2の操作のステップ203の代わりにステップ503から507が行われる点のみが図2のフローチャートと相違している。
すなわち、本実施形態ではステップ501で読み込まれた機関回転数NEと吸入空気量GAとに基づいて現在の低オクタン価ガソリンの基本供給割合RLBSEが算出される。基本供給割合RLBSEは、機関回転数NEと機関負荷(GA/NE)とを用いた二次元数値マップとして予めECU30のROMに格納されている。
また、ステップ505では現在の低オクタン価ガソリンの供給割合RLが読み込まれ、ステップ507では現在の低オクタン価ガソリンの供給割合の基本供給割合からの変更度合いとしての供給割合比RLR=RL/RLBSEが算出される。
本実施形態では、ステップ501で読み込んだ機関回転数NEと供給割合比RLRを用いてステップ511の判定値a、bが決定される他、加速過渡時制御の各パラメータ(EAI、EAGD、EARD)の値がステップ515から521で決定される。
本実施形態では、判定値a、b及び各パラメータ(EAI、EAGD、EARD)の値は、供給割合比RLRと機関回転数NEとを用いた図2と同様な2次元数値マップとして与えられている。
本実施形態によっても、図2の実施形態と同様、燃料の供給割合に応じて点火時期遅角量(EAGD)、開始タイミング(a、b)、遅角終了タイミング(EAI、EARD)が決定されるため、実際の燃料オクタン価に応じた適切な加速過渡時制御が行われる。
なお、上述の各実施形態では、図1に示したように低オクタン価ガソリンと高オクタン価ガソリンとは個別の燃料噴射弁から吸気ポートに噴射されているが、本発明はこの実施形態に限定されるわけではなく、例えば低オクタン価ガソリンと高オクタン価ガソリンとを任意の割合で混合し、その後単一の燃料噴射弁から混合燃料を噴射する場合や、両方の燃料を個別にまたは混合して気筒内に直接噴射する場合についても適用可能である。
本発明の加速過渡時制御方法を実施する自動車用内燃機関の概略構成を説明する図である。 加速過渡時制御操作の一例を説明するフローチャートである。 図2の操作に使用する数値マップの形式を示す図である。 加速時過渡制御における点火時期の変化を説明するタイミング図である。 加速過渡時制御操作の他の例を説明するフローチャートである。
符号の説明
11H…高オクタン価ガソリン用燃料タンク
11L…低オクタン価ガソリン用燃料タンク
30…電子制御ユニット(ECU)
100…内燃機関本体
110H…高オクタン価ガソリン用燃料噴射弁
110L…低オクタン価ガソリン用燃料噴射弁

Claims (2)

  1. オクタン価の異なる少なくとも2種類の燃料を任意の供給割合で機関に供給可能であり、かつ機関運転中に前記供給割合を変更可能な内燃機関の過渡時制御方法であって、
    機関負荷増大時に機関点火時期を所定の遅角量だけ遅角させる際に、遅角量を前記燃料の供給割合に基づいて変更する、内燃機関の過渡時制御方法。
  2. 更に、前記機関負荷増大時の点火時期遅角の際に、遅角量に加えて負荷増大時の点火時期遅角を開始する時期と期間とを前記燃料の供給割合に基づいて変更する、請求項1に記載の内燃機関の過渡時制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006316667A (ja) * 2005-05-11 2006-11-24 Toyota Motor Corp 複数燃料内燃機関のノッキング判定装置

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