JP2006316667A - 複数燃料内燃機関のノッキング判定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 吸気噴射用インジェクタと筒内噴射用インジェクタとを備える複数燃料内燃機関において、ノッキングの判定結果の信頼性の低下を抑制する。
【解決手段】 吸気系に複数燃料のいずれか一方を噴射する吸気噴射用インジェクタ122と、燃焼室に複数燃料のいずれか他方を直接噴射する筒内噴射用インジェクタ112とを備えた複数燃料内燃機関のノッキングを所定のノック判定期間におけるノックセンサ148の出力信号に基づいて判定する複数燃料内燃機関のノッキング判定装置において、各インジェクタから噴射される燃料噴射量の噴射割合の変更に基づき、ノック判定期間を変更する判定期間変更手段を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複数燃料のいずれか一方を噴射するインジェクタと、複数燃料のいずれか他方を噴射するインジェクタとを備えた複数燃料内燃機関、特に、吸気系に複数燃料のいずれか一方を噴射する吸気噴射用インジェクタと、燃焼室に複数燃料のいずれか他方を直接に噴射する筒内噴射用インジェクタとを備える複数燃料内燃機関のノッキング判定装置に関する。
一般に、低オクタン価燃料は、着火性は良好であるが耐ノック性は悪く、高オクタン価燃料は、着火性は悪いが耐ノック性は良好であるという性質を有している。そこで、例えば低オクタン価燃料タンクに低オクタン価燃料を貯留すると共に、高オクタン価燃料タンクに高オクタン価燃料を貯留し、低オクタン価燃料と高オクタン価燃料を運転条件に合う混合割合で燃焼室に供給するようにした、いわゆる複数燃料内燃機関が知られている。例えば、特許文献1等。
また、内燃機関の燃焼室に燃料を直接噴射する筒内噴射用インジェクタと、吸気ポートなどの吸気系に燃料を噴射する吸気噴射用インジェクタとを備える内燃機関も知られている。例えば、特許文献2等。
この内燃機関では、筒内噴射用インジェクタによる燃料噴射と吸気噴射用インジェクタによる燃料噴射とを機関運転状態に応じて適宜変更することにより、燃費の向上や機関出力の確保等を好適に行うようにしている。
他方、内燃機関では通常、ノッキング発生の有無を判定するノッキング判定が行われ、その結果に応じて点火時期等を調整するノッキング制御が実施されている。このノッキング判定は、シリンダブロック等に配設された振動検出センサであるノックセンサを用いて行われ、各気筒の着火後におけるノックセンサの出力信号に基づき、ノッキング発生の有無が判定される。例えば、特許文献3および特許文献4等。
特開2001−050070号公報 特開平7-103048号公報 特公平3−21748号公報 特開2004−251218号公報
ところで、上述したような複数燃料内燃機関においては、低オクタン価燃料と高オクタン価燃料とが運転条件に合う基本混合割合で燃焼室に供給されるが、各々の燃料タンクに貯留されている燃料残量の違いやノッキングの発生度合等に応じて、かかる基本混合割合を徐々に変更することもある。このように基本混合割合を徐々に変更するような場合、筒内噴射用インジェクタからの燃料のクランク角に関する適切な噴射時期と吸気噴射用インジェクタからの燃料のクランク角に関する適切な噴射時期とは異なるので、クランク角に関するメカニカルノイズ(バックグランドノイズ)の発生態様、例えばその発生時期や機関振動のレベル等も変化することがある。その結果としてノッキングの判定が正確に行なわれず、上述したような各インジェクタを備える複数燃料内燃機関で実施されるノッキングの判定結果について、その信頼性が低下するおそれがある。
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、特に、吸気噴射用インジェクタと筒内噴射用インジェクタとを備える複数燃料内燃機関において、ノッキングの判定結果の信頼性の低下を抑制することのできる複数燃料内燃機関のノッキング判定装置を提供することにある。
上記目的を達成する本発明に係る複数燃料内燃機関のノッキング判定装置の一形態は、複数燃料のいずれか一方を噴射するインジェクタと、複数燃料のいずれか他方を噴射するインジェクタとを備えた複数燃料内燃機関のノッキングを所定のノック判定期間におけるノックセンサの出力信号に基づいて判定する複数燃料内燃機関のノッキング判定装置において、前記各インジェクタから噴射される燃料噴射量の噴射割合の変更に基づき、前記ノック判定期間を変更する判定期間変更手段を備えることを特徴とする。
なお、前記複数燃料のいずれか一方を噴射するインジェクタは吸気噴射用インジェクタであり、前記複数燃料のいずれか他方を噴射するインジェクタは燃焼室に直接に噴射する筒内噴射用インジェクタであることが好ましい。
ここで、前記判定期間変更手段は、前記ノック判定期間の前記ノックセンサの出力信号に前記筒内噴射用インジェクタの開閉動作により発生するノイズが重畳しないように、前記筒内噴射用インジェクタの燃料噴射期間に応じて前記ノック判定期間を変更することが好ましい。
また、前記筒内噴射用インジェクタの燃料噴射期間と前記ノック判定期間とが重なるときは、該重なり具合に合わせてノック判定S/N比を変更するノック判定S/N比変更手段を備えてもよい。
なお、前記筒内噴射用インジェクタの燃料噴射期間と前記ノック判定期間とが重なるときは、該重なり具合に合わせてノック検出周波数帯域を変更するノック検出周波数変更手段を備えてもよい。
さらに、前記ノック判定期間と重ならないように前記筒内噴射用インジェクタの燃料噴射期間を変更する噴射期間変更手段をさらに備えてもよい。
本発明に係る複数燃料内燃機関のノッキング判定装置の一形態によれば、一方のインジェクタ及び他方のインジェクタから噴射される燃料噴射量の噴射割合の変更に関連づけて上記ノック判定期間が変更される。従って、上記噴射割合の変更に伴って他方のインジェクタからのノイズの発生時期が変化する場合でも、その変化に追従してノック判定期間は変更されるようになる。従って、上記噴射割合が可変設定される複数燃料内燃機関のノッキング発生を好適に検出することができ、もってノッキングの判定結果にかかる信頼性の低下を抑制することができるようになる。
なお、前記複数燃料のいずれか一方を噴射するインジェクタは吸気噴射用インジェクタであり、前記複数燃料のいずれか他方を噴射するインジェクタは燃焼室に直接に噴射する筒内噴射用インジェクタである形態によれば、吸気噴射用インジェクタ及び筒内噴射用インジェクタから噴射される燃料噴射量の噴射割合の変更に関連づけて上記ノック判定期間が変更される。従って、上記噴射割合の変更に伴って筒内噴射用インジェクタからのノイズの発生時期が変化する場合でも、その変化に追従してノック判定期間は変更されるようになる。従って、上記噴射割合が可変設定される複数燃料内燃機関のノッキング発生を好適に検出することができ、もってノッキングの判定結果にかかる信頼性の低下を抑制することができるようになる。
ここで、前記判定期間変更手段は、前記ノック判定期間の前記ノックセンサの出力信号に前記筒内噴射用インジェクタの開閉動作により発生するノイズが重畳しないように、前記筒内噴射用インジェクタの燃料噴射期間に応じて前記ノック判定期間を変更する形態によれば、筒内噴射用インジェクタの燃料噴射期間に応じてノイズが重畳しないようにノック判定期間が変更されるので、誤判定が抑制される。
一般に、内燃機関で燃料噴射を行うインジェクタは、電磁ソレノイドヘの通電によりノズルニードルをバルブシートから離間させるように駆動することで、バルブを開いて燃料噴射を開始し、電磁ソレノイドヘの通電停止によりノズルニードルをバルブシートに着座させることで、バルブを閉じて燃料噴射を停止する構造となっている。こうしたインジェクタは、その開閉動作に伴い、例えばノズルニードルのバルブシートヘの着座時の着打音などの振動が発生する。そして、そのインジェクタの開閉動作に応じて発生する振動が、動作ノイズとしてノックセンサの出力信号に乗ってしまうことがある。特に、筒内噴射用インジェクタは吸気噴射用インジェクタと比較して、ノックセンサにより近い位置に配設されるため、インジェクタの開閉動作により発生する動作ノイズがノックセンサの出力信号に与える影響もより大きくなる傾向にある。そのため、筒内噴射用インジェクタの開閉動作により発生する振動をノッキングによるものと誤判定し、実際にはノッキングが発生していなくても、ノッキングが発生していると判定されてしまうおそれがある。
この点、上記構成では、ノック判定期間のノックセンサの出力信号に筒内噴射用インジェクタの動作ノイズが乗ってしまうといったことを極力抑えることができ、これにより筒内噴射用インジェクタの開閉動作により発生するノイズがノッキングの判定に与える悪影響を、好適に抑制することができるようになる。
ここで、前記筒内噴射用インジェクタの燃料噴射期間と前記ノック判定期間とが重なるときは、該重なり具合に合わせてノック判定S/N比を変更するノック判定S/N比変更手段を備える形態によれば、仮に、筒内噴射用インジェクタの燃料噴射期間とノック判定期間とが重なったとしても、重なり具合に合わせてノック判定S/N比が変更されるので、ノッキング発生を好適に検出することができ、もってノッキングの判定結果にかかる信頼性の低下を抑制することができる。
一般に、筒内噴射用インジェクタからの燃料噴射割合が増大する程ノイズレベルは大きくなる傾向にあり、これに起因して、バックグランドノイズレベルの増大をノッキングによるものと誤判定するなどといった不具合が生じるおそれがある。そこで、上述のノック判定S/N比をこのバックグランドノイズレベルに合わせて変更することにより、ノッキング発生を好適に検出することができる。
また、前記筒内噴射用インジェクタの燃料噴射期間と前記ノック判定期間とが重なるときは、該重なり具合に合わせてノック検出周波数帯域を変更するノック検出周波数変更手段を備える形態によれば、仮に、筒内噴射用インジェクタの燃料噴射期間とノック判定期間とが重なったとしても、重なり具合に合わせてノック検出周波数帯域が変更されるので、運転状態に特有な代表値が適正に求められノッキング発生を好適に検出することができ、もってノッキングの判定結果にかかる信頼性の低下を抑制することができる。
さらに、前記ノック判定期間と重ならないように前記筒内噴射用インジェクタの燃料噴射期間を変更する噴射期間変更手段をさらに備える形態によれば、前述の場合と同様に、ノック判定期間と筒内噴射用インジェクタの燃料噴射期間とが重ならないので、ノッキング信号にインジェクタからのノイズが重畳せず、誤判定が抑制される。
以下、この発明にかかる複数燃料内燃機関のノッキング判定装置を具体化した実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態にかかる複数燃料内燃機関のノッキング判定装置が適用される複数燃料内燃機関100の概略構成を示している。この装置は、4サイクルの多気筒内燃機関100を中心として構成されている。この複数燃料内燃機関100は、複数の気筒102(図1ではそのうちの1つのみを図示)内にピストン104を備えている。ピストン104は、内燃機関100の出力軸であるクランクシャフト106にコネクティングロッド108を介して連結され、そのコネクティングロッド108によりピストン104の往復運動がクランクシャフト106の回転運動に変換されるようになっている。
上記各気筒102内にあってピストン104の上方には、燃焼室110が区画形成されている。この燃焼室110には、筒内噴射用インジェクタ112が気筒102毎に取り付けられている。筒内噴射用インジェクタ112には、低オクタン価燃料タンク114から燃料供給通路116を通じて所定圧力の低オクタン価燃料(以下、低R0N燃料と称す)が供給される。そして、この筒内噴射用インジェクタ112の開弁駆動により、低R0N燃料が燃焼室110内に直接噴射供給される。
また、燃焼室110には、その内部に形成される燃料と空気とからなる混合気に対して点火を行う点火プラグ118が取り付けられている。この点火プラグ118による上記混合気への点火タイミングは同点火プラグ118の上方に設けられたイグナイタによって調整される。
更に、上記燃焼室110には、吸気通路120及び排気通路140が連通されている。そして、燃焼室110と吸気通路120との連通部分、すなわち吸気ポートに燃料を噴射する吸気噴射用インジェクタ122がこれも気筒毎に設けられている。この吸気噴射用インジェクタ122には、高オクタン価燃料タンク124から燃料供給通路126を通じて所定圧の高オクタン価燃料(以下、高R0N燃料と称す)が供給される。なお、この所定圧は上記筒内噴射用インジェクタ112に供給される燃料の圧力よりも低く設定されている。そして、この吸気噴射用インジェクタ122の開弁駆動に伴って、燃料が吸気ポ一トに噴射される。また、吸気通路120には燃焼室110に導入される空気量を調量するスロットルバルブ128がサージタンク130の上流に設けられている。因みに、スロットルバルブ128は、本実施の形態では、後述のアクセルペダル150とは機械的に連結されておらず、独立したアクチュエータ132により操作される、いわゆる電子制御スロットルとして構成されている。さらに、スロットルバルブ128の上流には吸入空気量を検出するエアフローメータ136およびエアクリーナ138が設けられている。
複数燃料内燃機関100の機関制御は、電子制御ユニット(以下、ECUと称す)200により行われる。ECU200は、機関制御に係る各種処理を実施する中央演算処理装置(CPU)、制御用のプログラムや機関制御に必要な情報を記憶するメモリ、筒内噴射用インジェクタ112や吸気噴射用インジェクタ122の駆動回路、並びにイグナイタ等の駆動回路等を備えて構成されている。
ECU200には、機関運転状態を検出する各種のセンサが接続されている。例えばクランクセンサ142によっては、機関出力軸であるクランクシャフト106の回転角が、ひいては機関回転速度が検出される。またアクセル開度センサ144によってアクセルペダル150の操作量およびスロットル開度センサ146によってスロットルバルブ128の開度が検出される。更に、気筒102を構成するシリンダブロックに配設されたノックセンサ148によっては、各気筒の燃焼室110内からシリンダブロックに伝達された振動が検出される。
これ以外にも、ECU200には、低オクタン価燃料タンク114内の低R0N燃料および高オクタン価燃料タンク124内の高R0N燃料の残量を検出する低R0N燃料残量センサ115および高R0N燃料残量センサ125、吸入空気量を検出する上述のエアフローメータ136や機関冷却水の温度を検出する水温センサ149等、機関制御に必要なセンサの検出信号が入力されている。そしてECU200は、そうした各種センサの検出信号によって把握される機関100の運転状況に応じて、燃料噴射制御や点火時期制御を始めとする各種機関制御を実施する。
次に、ECU200による複数燃料内燃機関100の燃料噴射制御について説明する。まず始めに、本実施形態における燃料噴射の基本制御態様を図2(A)に示す。図2(A)に示すように、本実施形態では、機関100の回転速度及びトルクによって吸気噴射用インジェクタ122を用いるか、筒内噴射用インジェクタ112を用いるか、あるいはこれら双方を所定の噴射割合の下に用いるかが設定される。なお、ここで機関100のトルクとは、例えば複数燃料内燃機関100の1回転あたりの吸入空気量等によって定義される量である。
図2(A)に示すように、本実施形態では、機関100の各回転速度において、スロットルバルブ128を全開〜略全開としたときの高負荷の領域になる程、上記吸気噴射用インジェクタ122を用いて燃焼室110に高R0N燃料を供給する割合が大となるように基本混合割合が設定されている。より詳細には、図2(A)において、高速・低負荷のA・R0N領域から低速・高負荷のF・R0N領域に向かうに連れて、吸気噴射用インジェクタ122からの高R0N燃料の噴射割合が増大されている。因みに、A・R0N領域では、筒内噴射用インジェクタ112からの低R0N燃料がほぼ100%の割合で噴射されるのに対し、F・R0N領域においては、吸気噴射用インジェクタ122からの高R0N燃料がほぼ100%の割合で噴射され、例えば、中間の中速・中負荷のC・R0N領域においては、筒内噴射用インジェクタ112からの低R0N燃料と吸気噴射用インジェクタ122からの高R0N燃料とがほぼ50%の割合で噴射される。
このように本実施形態では、機関運転状態に応じて噴射形態と共に基本混合割合を変更することにより、高負荷領域で主に吸気噴射用インジェクタ122を用いて、混合気の均質性確保と燃料全体のオクタン価を上昇させ、MBT近くまで点火時期を進角させた運転を可能とすることでの機関出力の向上を図っている。一方、高速・低負荷領域では主に筒内噴射用インジェクタ112を用いて、気化潜熱による充填効率の増大と燃料全体のオクタン価の低下による着火性を向上させることでの燃焼の安定化、排気性状の向上を図っている。
また、一般に、複数燃料内燃機関では、給油での便宜上、複数燃料のほぼ同時の消費終了が要請されることがある。このような場合には、低オクタン価燃料タンク114および高オクタン価燃料タンク124における燃料残量のバランスをとるために、機関の運転状態に拘わらず、残量が多い方の燃料の供給(噴射)割合を増大するようにしている。そこで、本実施形態では、図2(B)に示すように、例えば、高R0N燃料の残量または低R0N燃料に対する比率が所定値以下のときは、機関の運転のほぼ全領域において、筒内噴射用インジェクタ112から低R0N燃料がほぼ100%の割合で噴射されるA・R0N領域とされている。
次に、本実施形態にかかる燃料噴射制御の処理手順について、図3のフローチャートを参照して説明する。因みに、図3に示す処理は、所定周期で繰り返し実行される処理である。まずステップS301では、アクセル操作量や吸入空気量等から算出されるトルク、及び機関回転速度に基づいて基本燃料噴射量Qが算出される。ここでの燃料噴射量の算出は、ECU200のメモリにあらかじめ記憶された噴射量算出用の演算マップを参照して行われる。そして、ステップS302では、吸気噴射用インジェクタ122と筒内噴射用インジェクタ112とのそれぞれにより上記燃焼室110に供給される燃料の割合、すなわち各インジェクタから噴射される燃料噴射量の噴射割合を定めるポート噴射用噴射割合Rpと筒内噴射用噴射割合Rdとが機関運転状態に基づいて設定される。先の図2(A)に示した「A・R0N領域」ではRp=1、Rd=0となり、「F・R0N領域」ではRp=0、Rd=1となり、「ポート+筒内噴射の領域」では0<Rp<1、0<Rd<1、Rp+Rd=1を満たす範囲内で可変設定される。
ステップS302では、ポート噴射用噴射割合Rp及び基本燃料噴射量Qに基づいて次式(1)から、吸気噴射用インジェクタ122によるポート噴射用最終燃料噴射量Qpが算出される。なお、補正係数Kは内燃機関100の冷却水温や空燃比制御等に基づいて設定される各種補正項である。
Qp=Rp×Q×K…(1)
ステップS303では、筒内噴射用噴射割合Rd及び基本燃料噴射量Qに基づいて次式(2)から、筒内噴射用インジェクタ112による筒内噴射用最終燃料噴射量Qdが算出される。なお、補正係数Kは上述の補正項である。
Qd=Rd×Q×K…(2)
この式(2)に示されるように、筒内噴射用噴射割合Rdが大きくなるほど、筒内噴射用インジェクタ112から噴射される低R0N燃料噴射量は増大される。
ステップS304では、機関回転速度、トルク等に基づいて吸気噴射用インジェクタ122の燃料噴射時期が算出される。ここで算出される燃料噴射時期は、各気筒で吸気噴射用インジェクタ122から燃料噴射を開始させる時期を、各気筒の圧縮上死点を基準とするクランク角で表したものである。また、上記算出されたポート噴射用最終燃料噴射量Qp、及び機関回転速度に基づいて、その算出された燃料噴射量分の燃料の吸気噴射用インジェクタ122からの噴射に必要な期間(クランク角)が算出される。ここでの燃料噴射時期及び噴射期間の算出についても、基本燃料噴射量Qと同様に、ECU200のメモリにあらかじめ記憶された噴射時期及び噴射期間算出用の演算マップを参照して行われる。
次のステップS305では、機関回転速度、トルク等に基づいて筒内噴射用インジェクタ112の1燃料噴射時期が算出される。ここで算出される燃料噴射時期も、各気筒で筒内噴射用インジェクタ112から燃料噴射を開始させる時期を、各気筒の圧縮上死点を基準とするクランク角で表したものである。また、上記算出された筒内噴射用最終燃料噴射量Qd、及び機関回転速度に基づいて、その算出された燃料噴射量分の燃料の筒内噴射用インジェクタ112からの噴射に必要な期間(クランク角)が算出される。ここでの燃料噴射時期及び噴射期間の算出についても、基本燃料噴射量Qと同様に、ECU200のメモリにあらかじめ記憶された噴射時期及び噴射期間算出用の演算マップを参照して行われる。
そして、ステップS306では、インジェクタ毎に算出された燃料噴射時期及び燃料噴射期間に基づいて、燃料噴射信号が気筒毎に生成され、各気筒に対応して設けられた吸気噴射用インジェクタ122及び筒内噴射用インジェクタ112にその燃料噴射信号が各々出力される。なお、この燃料噴射信号は、燃料噴射時期により示される時期から燃料噴射期間により示される期間オンとなる。
なお、燃料噴射信号がオンになると、吸気噴射用インジェクタ122や筒内噴射用インジェクタ112の電磁ソレノイドヘの通電が開始され、それにより発生する電磁吸引力によりノズルニードルがバルブシートから離間されるように駆動される。これにより、吸気噴射用インジェクタ122や筒内噴射用インジェクタ112の噴口が開かれて燃料噴射が開始される。一方、燃料噴射信号がオフにされると、電磁ソレノイドヘの通電が停止され、ノズルニードルがバルブシートに着座される。これにより噴口が閉ざされ、燃料噴射が停止される。
こうして燃料噴射信号がオンとされている期間、吸気噴射用インジェクタ122や筒内噴射用インジェクタ112からの燃料噴射が行われる。そしてこれにより、各気筒の燃焼室110には、機関運転状況に応じた適切な時期に、適切な量の燃料が噴射供給されるようになる。
次に、ECU200による複数燃料内燃機関100の点火時期制御について説明する。ECU200は上記ノックセンサ148の検出結果に基づいて、各気箇でのノッキング発生の有無を判定するノック判定を行い、その結果に応じて点火時期を調整するノック制御を実施している。
詳しくは、ノック判定においてノッキングの発生有りとの判定がなされると、最終点火時期AOPを所定量遅角させ、ノッキングの発生無しとの判定がなされると、最終点火時期AOPを徐々に進角させる。最終点火時期AOPは、各気筒で点火を実施させる時期を、各気筒の圧縮上死点を基準としたクランク角(BTDC)で表したものであり、次式(3)に基づいて算出される。
AOP=ABASE−(AKMAX-AGKNK+AKCS)…(3)
AOP:最終点火時期
ABASE:基本点火時期
AKMAX:最大遅角量
AGKNK:ノッキング学習量
AKCS:フィードバック補正量
ここで、式(3)において、基本点火時期ABASEは、ノッキングが発生しないといった前提条件のもとで、最大機関出力が得られる点火時期である。また最大遅角量AKMAXは、基本点火時期ABASEについてこれをノッキングの発生が確実に防止できる遅角側の時期に補正するための補正量である。これら基本点火時期ABASE及び最大遅角量AKMAXは、機関回転速度及びトルク等といった機関運転状態に基づいて設定される。
また、式(3)において、フィードバック補正量AKCS及びノッキング学習量AGKNKは、ノッキングの発生に応じて同ノッキングを抑制すべく最終点火時期AOPを遅角補正する補正量であって、ノッキング発生の有無に応じて増減する値である。
上記フィードバック補正量AKCSは、ノッキング発生有りのときには最終点火時期AOPを遅角側に移行させるように変更され、ノッキング発生無しのときには最終点火時期AOPを進角側に移行させるように変更される。
一方、ノッキング学習量AGKNKは、上記フィードバック補正量AKCSが予め定められた所定範囲内に収束するように変更される。そして、フィードバック補正量AKCSが上記所定範囲に対して最終点火時期AOPを遅角させる側に外れていれば、ノッキング学習量AGKNKは最終点火時期AOPを遅角側に移行させるように変更される。また、フィードバック補正量AKCSが上記所定範囲に対して最終点火時期AOPを進角させる側に外れていれば、ノッキング学習量AGKNKは最終点火時期AOPを進角側に移行させるように変更される。
ECU200は、こうして算出される最終点火時期AOPにより示される時期にオンとなる点火信号を各気筒のイグナイタに出力し、点火を実施する。これにより、ノッキングの発生限界近傍に点火時期が調整される。
次に、上記ノック制御におけるノック判定の処理手順を図4に示すフローチャートを参照して説明する。これらの一連の処理は、機関始動後にノック制御の開始条件が成立したときから開始される。このノック判定処理が開始されると、まずステップS401において、ゲート信号のオン時期及びオフ時期が設定される。ゲート信号は、ノック判定にかかるノックセンサ148の出力信号についてサンプリングを実施する期間を決定する信号であり、ノック判定は、ゲート信号がオンとなっている期間のノックセンサ148の出力信号を参照して行われる。すなわち、ここでは、ゲート信号がオンとなっている期間が、ノックセンサ148の出力信号に基づくノック判定が行われる「ノック判定期間」となっている。因みに、ゲート信号のオン時期及びオフ時期は、各気筒の圧縮上死点を基準としたクランク角(ATDC
)で表される。
ここでのゲート信号のオン時期及びオフ時期の設定は、ECU200のメモリに予め記憶された判定期間算出用の演算マップを参照して行われる。この判定期間算出用の演算マップは、機関回転速度とトルクとの二次元マップとして設定されている。この判定期間算出用の演算マップの設定態様については後述する。
ノック判定期間の設定がなされると、気筒毎にノック判定が実施される。本実施形態では、ノック判定期間におけるノックセンサ148の出力信号のピーク値(最大値)に基づいてノック判定が行われる。そして、そのピークホールド値VKPEAKの対数変換値LVPKが図5に示すような正規分布を示すとの前提に基づき、今回サンプリングされた対数変換値LVPKのその分布内での位置によりノッキング発生の有無の判定を行うノック判定方式が採用されている。
さて、ゲート信号がオンとされ、ノック判定用のゲートがオープンされると(ステップS402:YES)、対象となる気筒のノックセンサ148の出力信号についてそのピークホールドが開始される(ステップS403)。すなわち、ゲート信号がオンとされてからのノックセンサ148の出力信号の最大値であるピークホールド値VKPEAKが求められる。
ゲート信号がオフとされて同ゲートがクローズされると(ステップS404:YES)、その時点でのピークホールド値VKPEAK、すなわちノック判定期間におけるノックセンサ148の出力信号の最大値が読み込まれる(ステップS405)。
そしてそのピークホールド値VKPEAKに基づいて、ノック判定レベルが更新される(ステップS406)。ここでのノック判定レベルの更新は、以下の態様で行われる。まず、今回サンプリングされたピークホールド値VKPEAKの対数変換値LVPKに基づき、その対数変換値LVPKの分布パラメータ、すなわち図5に示される分布中央値Vm及び標準偏差値SGMの更新が行われる。ここでは、それらの更新は、次式(4)〜(7)に基づき行われる。すなわちここでは、分布中央値Vm及び標準偏差値SGMの更新前の値を、今回サンプリングされたピークホールド値VKPEAKの対数変換値LVPKとの対比に基づき増減することで、分布中央値Vm及び標準偏差値SGMが概算により求められている。
(LVPK>Vmのとき) Vm←Vm+△M…(4)
(LVPK≦Vmのとき) Vm←Vm−△M…(5)
(Vm−SGM<LVPK<Vmのとき:LVPKが図5に示す領域Aにあるとき) SGM←SGM−2・△S…(6)
(LVPK≦Vm−SGM、またはLVPK≧Vmのとき: LVPKが図5に示す領域Bにあるとき)
SGM←SGM+△S…(7)
なお、分布中央値Vmの更新量△Mは、今回サンプリングされた対数変換値LVPKと更新前の分布中央値Vmとの差を所定値n1(例えば「4」)で除算した値とされている。また標準偏差値SGMの更新量△Sは、分布中央値Vmの更新量△Mを所定値n2(例えば「8」)で除算した値とされている。
ノック判定レベルVkdは、こうして更新される分布中央値Vm及び標準偏差値SGMに基づき次式(8)より求められる。
Vkd=Vm+U×SGM…(8)
なお、このU値は、機関回転速度等に基づいて可変設定され、基本的には、上記燃焼室110内における混合気の燃焼圧力が高い状態にあるときほど大きな値が設定される。
そして、ノック判定レベルVkdと上記対数変換値LVPKとの比較を通じて複数燃料内燃機関100におけるノッキングの発生の有無が判定される(ステップS407)。すなわち、上記対数変換値LVPKが「ノック判定レベルVkd<対数変換値LVPK」といった範囲にある場合には、ノッキングが発生していると判定される。これとは逆に、上記対数変換値LVPKが「ノック判定レベルVkd≧対数変換値LVPK」といった範囲にある場合には、ノッキングが発生していないと判定される。
続いて、本実施形態における上記ノック判定期間の設定ないしは変更態様について説明する。上述したように、本実施形態における複数燃料内燃機関100には、吸気噴射用インジェクタ122と筒内噴射用インジェクタ112とが設けられており、これらの噴射割合は機関運転状態に応じて変更される。
ここで、筒内噴射用インジェクタ112から主に燃料が噴射される場合には、吸気噴射用インジェクタ122から主に燃料が噴射される場合と比較してクランク角に関するメカニカルノイズの発生態様、すなわちその発生時期や機関振動のレベル等も変化する。そこで本実施形態では、このような各インジェクタからの燃料噴射割合の変更に伴うメカニカルノイズ発生時期の変化に対応させてノック判定期間を変更するようにしている。
図6は、本実施形態におけるノック判定期間の設定処理について、その処理手順を示すフローチャートである。なお、この処理は判定期間変更手段を構成する。本処理が開始されると、まずステップS601において機関運転状態が判別される。例えば、先の図2(A)に示した高速・低負荷の「A・R0N領域」側にあるか低速・高負荷の「F・R0N領域」側にあるかが判別され、筒内噴射用インジェクタ112からの低R0N燃料の噴射割合が大きい領域か、吸気噴射用インジェクタ122からの高R0N燃料の噴射割合が大きい領域かが判断される。そして、吸気噴射用インジェクタ122からの高R0N燃料の噴射割合が大きい領域(「ポート噴射割合大」領域)に該当する状態にある旨判断された場合には、ステップS602に進み、ポート噴射割合大用ノック判定期間Tkdpが設定される。なお、このポート噴射割合大用ノック判定期間Tkdpは、ECU200のメモリに予め記憶されたポート噴射割合大用判定期間算出マップを参照し、機関回転速度とトルクとに基づく前述の「D・RON〜F・RON領域」に対応させてゲート信号のオン時期及びオフ時期の設定が行われる。
一方、ステップS601において現在の機関運転状態が筒内噴射用インジェクタ112からの低R0N燃料の噴射割合が大きい領域に該当する状態にある旨判断された場合には、ステップS603に進み、筒内噴射割合大用ノック判定期間Tkddが設定される。ここでは、機関回転速度とトルクとに基づく「A・RON〜C・RON領域」に対応させた筒内噴射用判定期間設定マップを参照してゲート信号のオン時期及びオフ時期が筒内噴射割合大用ノック判定期間Tkddとして設定される。より具体的には「ポート噴射」の割合が大きいときと比較してオン時期がより早い時期になるように、すなわち、オン時期がより進角側の時期になるようにオン時期は設定される。なお、筒内噴射用噴射割合Rdが大きくなるほど、オン時期はより進角側の時期に変更される。
このように、燃料噴射割合の違いに起因するノイズ発生時期の変化に対応させて、ノック判定期間は変更される。図7は、本実施形態におけるノック判定期間の設定態様を例示している。なお、図7において、ノックセンサ148の出力信号(ノックセンサ信号)は、1番(#1)気筒において圧縮行程終期に発せられた点火信号による燃焼に起因するノッキング発生時に、ノックセンサによって検出される出力信号(ノッキング信号)を示している。また、ゲート信号がオンとされている期間がノック判定期間に対応している。なお、以下の説明では、#1、#3、#4、#2気筒の順で点火が行われる例の場合につき述べる。
この図7に示されるように、#1気筒の燃焼に対応するノック判定に大きく影響を及ぼすノイズは、#4気筒におけるインジェクタの作動に起因するインジェクタ(メカニカル)ノイズである。本実施形態では、ポート噴射割合が大であるときには、この#4気筒に対して、吸気非同期噴射によりその排気行程にその主たる噴射が吸気噴射用インジェクタ122から行われ、この噴射態様に応じたポート噴射割合大用ノック判定期間Tkdpがポート噴射用判定期間設定マップを参照して設定される。一方、ポート噴射割合が小であるときには、その噴射割合に応じた吸気噴射用インジェクタ122からの高R0N燃料の噴射がその排気行程に行われると共に、筒内噴射用インジェクタ112からの低R0N燃料の噴射がその#4気筒の吸気行程に行われ、この噴射態様に応じた筒内噴射割合大用ノック判定期間Tkddに変更して設定される。
従って、本実施形態では上記ノック判定期間設定処理によって、ポート噴射割合が大であるときのポート噴射割合大用ノック判定期間Tkdpに対して、ポート噴射割合が小であるときは筒内噴射用噴射割合Rdに対応して変更されているノック判定期間が筒内噴射割合大用ノック判定期間Tkddとして設定される。具体的には筒内噴射用噴射割合Rdが増大するほど、筒内噴射用インジェクタ112からのノイズ信号とノッキング信号とが重ならないように、ゲート信号のオン時期はより早い時期に、換言すればより進角側の時期に変更される。そのため、ノッキングが発生した場合には、これに対応するノッキング信号をインジェクタノイズの影響を受けることなくノック判定期間内で捕らえることができ、誤判定の発生を抑えることができる。
なお、上記実施形態では機関運転状態に応じて、噴射形態と共に基本混合割合を変更するようにしたが、低オクタン価燃料タンク114および高オクタン価燃料タンク124における燃料残量のバランスをとるために、機関の運転状態に拘わらず、残量が多い方の燃料の供給(噴射)割合を増大するようにした形態では、低R0N燃料残量センサ115および高R0N燃料残量センサ125からの検出信号に基づき、例えば、高R0N燃料の残量または低R0N燃料に対する比率が所定値以下のとき、図2(B)に示すように、機関の運転のほぼ全領域において筒内噴射用インジェクタ112から低R0N燃料がほぼ100%の割合で噴射される。この形態では、図7に示されるように、筒内噴射用インジェクタ112からの低R0N燃料全量の噴射がその吸気行程に行われる。
この場合にも、上述のように、筒内噴射用インジェクタ112からのノイズ信号とノッキング信号とが極力重ならないように、ノック判定期間が筒内噴射割合大用ノック判定期間Tkddとして変更して設定される。しかしながら、このような場合には、筒内噴射用インジェクタ112からの噴射期間が長いので、筒内噴射用インジェクタ112の燃料噴射期間と前記ノック判定期間とが重なるのを避けるのが困難となる。
そこで、かかる問題を解決した第2または第3の実施形態について、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
この第2または第3の実施形態においては、筒内噴射用インジェクタ112の燃料噴射期間と前記ノック判定期間との重なり具合に合わせてノック判定S/N比またはノック検出周波数を変更する、ノック判定S/N比変更手段またはノック検出周波数変更手段を備えている。そこで本第2または第3の実施形態では、筒内噴射用インジェクタ112からの燃料噴射割合に基づいてノック判定期間を変更するのに併せて、筒内噴射用インジェクタ112の燃料噴射期間と前記ノック判定期間との重なり具合に合わせて、ノック判定レベルVkdをも変更することによるノック判定S/N比変更手段またはノック信号の検出周波数帯域を変更することによるノック検出周波数変更手段を備えている点において、第1の実施形態と異なる。
以下、そうしたノック判定S/N比またはノック検出周波数帯域を変更する処理について図8に示すフローチャートを併せ参照して説明する。なお、本処理は第1の実施形態において記述したノック判定処理(図4)におけるステップS406の処理の1つとして実行される処理である。また本処理はノック判定S/N比変更手段またはノック検出周波数変更手段を構成する。
そこで、本処理が開始されるとまずステップS801において、現在の機関運転状態および低R0N燃料残量センサ115、高R0N燃料残量センサ125からの検出信号に基づく高R0N燃料の残量または低R0N燃料に対する比率により、吸気噴射用インジェクタ122または筒内噴射用インジェクタ112からの燃料噴射割合、すなわち混合割合が変更中であるか否かが判定される。そして、変更中であると判定されたときには(ステップS801:YES)、ステップS802に進み、筒内噴射用インジェクタ112からの燃料噴射期間と、前実施形態の処理で得られる変更されたノック判定期間とに重なりがあるか否かが判定される。そして、この燃料噴射期間とノック判定期間とが重なる場合には(ステップS802:YES)、さらにステップS803に進み、この重なりが小、すなわち上述のノック判定期間の変更がノック判定に大きな影響を与えるか否かが判定される。換言すると、筒内噴射用インジェクタ112からのインジェクションノイズがノック判定に影響を与えるか否かが判定されるのである。
ここで、重なりが小であるときには、ステップS804に進み、上述の変更されたノック判定期間にそのまま変更する。そして、ステップS803の判定で燃料噴射期間とノック判定期間との重なりが大きく、筒内噴射用インジェクタ112からのインジェクションノイズがノック判定に大きく影響を与えるときは(ステップS803:YES)、ステップS805に進み、ノック判定S/N比またはノック検出周波数帯域が変更される。
なお、かかるノック判定S/N比やノック検出周波数帯域は、上述の運転条件に対応する燃料噴射期間とノック判定期間との重なり具合に応じて、ノック判定をより正確に行なうという本来の目的に合うように、予め実験等により求められてマップとして設定されている。
かかる実施形態によれば、仮に、筒内噴射用インジェクタ112の燃料噴射期間とノック判定期間とが重なったとしても、重なり具合に合わせてノック判定S/N比またはノック検出周波数が変更されるので、ノッキング発生を好適に検出することができ、もってノッキングの判定結果にかかる信頼性の低下を抑制することができるのである。一般に、筒内噴射用インジェクタ112からの燃料噴射割合が増大する程ノイズレベルは大きくなる傾向にあり、これに起因して、バックグランドノイズレベルの増大をノッキングによるものと誤判定するなどといった不具合が生じるおそれがあるが、上述のようにノック判定S/N比またはノック検出周波数帯域をこのバックグランドノイズレベルに大きく影響する重なり具合に合わせて変更することにより、ノッキング発生をより正確に検出することができる。
次に、本発明の第4の実施形態について、上記実施形態と異なる点を中心に説明する。第1の実施形態では、筒内噴射用インジェクタ112の燃料噴射期間とノック判定期間との重なり具合に合わせて、ノック判定期間を変更するようにしたが、本実施形態では燃料噴射期間変更手段を備えている点において、第1の実施形態と異なる。
そこで、燃料噴射期間を変更する処理について図9に示すフローチャートを併せ参照して説明する。そこで、本処理が開始されると、まずステップS901において、現在の機関運転状態および低R0N燃料残量センサ115、高R0N燃料残量センサ125からの検出信号に基づく高R0N燃料の残量または低R0N燃料に対する比率により、吸気噴射用インジェクタ122または筒内噴射用インジェクタ112からの燃料噴射割合、すなわち混合割合が変更中であるか否かが判定される。そして、変更中であると判定されたときには(ステップS901:YES)、ステップS902に進み、筒内噴射用インジェクタ112からの燃料噴射期間と、前実施形態の処理で得られる変更されたノック判定期間とに重なりがあるか否かが判定される。そして、この燃料噴射期間とノック判定期間とが重なる場合には(ステップS902:YES)、さらにステップS903に進み、上述の変更されたノック判定期間に対し燃料噴射期間が重ならないように、筒内噴射用インジェクタ112からの燃料噴射期間が変更される。換言すると、このノック判定期間での筒内噴射用インジェクタ112からの燃料噴射が禁止される。この燃料噴射期間の変更は、ノック判定期間が通常上死点付近であるから、筒内噴射用インジェクタ112からの燃料噴射を吸入行程後半や圧縮行程前半に遅らせるようにすることにより可能である。
一方、ステップS902で、燃料噴射期間とノック判定期間とが重ならないと判定された場合きには、ステップS904に進み、上述の変更されたノック判定期間と共に、筒内噴射用インジェクタ112からの燃料噴射期間が変更されることなくそのまま維持される。
この実施形態によれば、前述の場合と同様に、ノック判定期間と筒内噴射用インジェクタの燃料噴射期間とが重ならないので、ノッキング信号にインジェクタからのノイズが重畳せず、誤判定が抑制される。
なお、上述した実施形態では、複数燃料内燃機関100に対して1個のノックセンサ148を備える形態(例えば、上述の4気筒機関の場合、#2気筒と#3気筒の間に1個)に、このノックセンサ148の出力信号に上記インジェクタの動作ノイズが乗ってしまう場合について説明した。ところで、このノックセンサ148に対する複数の吸気噴射用インジェクタ122または筒内噴射用インジェクタ112の位置関係により、かかる複数燃料の基本混合割合、すなわち基本燃料噴射割合からさらに混合割合が変更された際に、これらのインジェクタの動作ノイズが大きく変わるときには、ノックセンサを複数個(例えば、上述の4気筒機関の場合、#1気筒と#2気筒の間および#3気筒と#4気筒の間に1個ずつ)設置し、各センサがこの動作ノイズを避けてノック検出を行なうようにしてもよい。
また、上述した複数燃料内燃機関では、筒内噴射用インジェクタ112から低R0N燃料を、吸気噴射用インジェクタ122から高R0N燃料を噴射供給するようにしたが、この噴射形態は複数燃料内燃機関の使用目的によっては逆にしてもよい。すなわち、筒内噴射用インジェクタ112から高R0N燃料を吸気噴射用インジェクタ122から低R0N燃料を噴射供給するようにしてもよい。
本発明に係る複数燃料内燃機関のノッキング判定装置についてその実施形態の全体構成を示す概略図である。 複数燃料内燃機関の運転状態と複数燃料の混合割合の一例を示すグラフであり、(A)は基本混合割合、(B)は変更後の混合割合を示す。 実施形態における燃料噴射制御の処理手順の一例を示すフローチャートである。 実施形態におけるノック判定の処理手順の一例を示すフローチャートである。 ノック判定処理において設定される正規分布の一例を示すグラフである。 実施形態におけるノック判定期間の設定ないしは変更処理についてその手順の一例を示すフローチャートである。 実施形態におけるノック判定期間の設定ないしは変更態様を示すタイムチャートである。 第2または第3の実施形態におけるノック判定S/N比またはノック検出周波数の変更処理についてその手順の一例を示すフローチャートである。 第4の実施形態における燃料噴射期間の変更処理についてその手順の一例を示すフローチャートである。
符号の説明
100 複数燃料内燃機関
112 筒内噴射用インジェクタ
114 低オクタン価燃料タンク
115 低R0N燃料残量センサ
122 吸気噴射用インジェクタ
124 高オクタン価燃料タンク
125 高R0N燃料残量センサ
136 エアフローメータ
142 クランクセンサ
148 ノックセンサ
200 電子制御ユニット(ECU)

Claims (6)

  1. 複数燃料のいずれか一方を噴射するインジェクタと、複数燃料のいずれか他方を噴射するインジェクタとを備えた複数燃料内燃機関のノッキングを所定のノック判定期間におけるノックセンサの出力信号に基づいて判定する複数燃料内燃機関のノッキング判定装置において、前記各インジェクタから噴射される燃料噴射量の噴射割合の変更に基づき、前記ノック判定期間を変更する判定期間変更手段を備えることを特徴とする複数燃料内燃機関のノッキング判定装置。
  2. 前記複数燃料のいずれか一方を噴射するインジェクタは吸気噴射用インジェクタであり、前記複数燃料のいずれか他方を噴射するインジェクタは燃焼室に直接に噴射する筒内噴射用インジェクタであることを特徴とする請求項1に記載の複数燃料内燃機関のノッキング判定装置。
  3. 前記判定期間変更手段は、前記ノック判定期間の前記ノックセンサの出力信号に前記筒内噴射用インジェクタの開閉動作により発生するノイズが重畳しないように、前記筒内噴射用インジェクタの燃料噴射期間に応じて前記ノック判定期間を変更することを特徴とする請求項2に記載の複数燃料内燃機関のノッキング判定装置。
  4. 前記筒内噴射用インジェクタの燃料噴射期間と前記ノック判定期間とが重なるときは、該重なり具合に合わせてノック判定S/N比を変更するノック判定S/N比変更手段を備えることを特徴とする請求項2または3に記載の複数燃料内燃機関のノッキング判定装置。
  5. 前記筒内噴射用インジェクタの燃料噴射期間と前記ノック判定期間とが重なるときは、該重なり具合に合わせてノック検出周波数帯域を変更するノック検出周波数変更手段を備えることを特徴とする請求項2または3に記載の複数燃料内燃機関のノッキング判定装置。
  6. 前記ノック判定期間と重ならないように前記筒内噴射用インジェクタの燃料噴射期間を変更する噴射期間変更手段をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の複数燃料内燃機関のノッキング判定装置。
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