JP2005112903A - 複合材料、複合材料成形体、及びこれを用いた電子部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】靭性が高く、良好なハンドリングが行え、硬化物の耐熱性や耐湿性が優れ、さらに電気的特性の発現性にも優れた複合材料を提供する。
【解決手段】 加工温度において液状を示す液状有機樹脂成分と、分子量が3000以上であり、かつ加工温度において固形の熱硬化性樹脂である固形有機樹脂成分と、無機粉末とを、含有してなる複合材料であり、前記液状有機樹脂成分は、液状熱硬化性樹脂及び/または液状硬化剤から構成されるとともに、前記液状有機樹脂成分は、有機樹脂成分全体のうち20〜50wt%を占め、前記無機粉末が前記有機樹脂成分100重量部に対して50〜1600重量部である、ことを特徴とする複合材料。
【選択図】 図1

Description

本発明は、多層基板や積層型電子部品の絶縁層を形成するのに好適な複合材料、複合材料成形体、及びこれを用いた電子部品に関する。
多層基板、コイル等の積層型電子部品において絶縁層を形成する複合材料シートは、従来、ガラスファイバのような補強材を含有せずに、高い靭性を有し、後工程におけるハンドリングが良好で、かつ、シートを硬化した後、製品としての耐湿性や耐熱性といった信頼性を十分満足するものが存在しなかった。
例えば、特許文献1には、フェライトと絶縁樹脂とを混合した複合材料内部にコイルを埋設したチップビーズが開示されている。このチップビーズは、フェライトと絶縁樹脂とを混合し、混合して得られた複合材料をドクターブレード等の印刷技術によってシート状に成形する。そして、このシートを複数積み重ねて加温することによって得られる。この複合材料に含まれる絶縁樹脂として、特許文献1にはエポキシ、フェノールの少なくとも1種にゴムが添加されている。また、特許文献2には特許文献1と同様のチップビーズにおいて、絶縁樹脂としてエポキシ、フェノールの少なくとも1種にゴムを添加したものが用いられている。また、特許文献3においては、セラミック粉末と結合剤とからなる複合シート上に導体を形成し、熱圧着により薄型コイルを形成することが開示されている。この結合剤としてポリビニルブチラールを単独で用いることが開示されている。
特開平10−270255号公報 特開平11−154611号公報 特開2000−269037号公報
しかしながら、特許文献1のように絶縁樹脂としてエポキシやフェノールを単独で使用して得られたシートは脆く、後工程におけるシートの切断、キャリアフィルムからの剥離などのハンドリングを行う際に、例えばクラックが入ったりするなどシートが破損しやすいという問題があった。また、特許文献2のように絶縁樹脂としてエポキシやフェノールにゴムを充填したものを用いた場合には層分離が発生し易く、それによってシート自体の強度が低くなるため、キャリアフィルムからの剥離の際に破断し易い。また、特許文献3のように、結合剤としてポリビニルブチラールを単独で使用した場合、リフロー時に変形が生じやすく、湿中での吸収率が高く加水分解しやすいため、十分な信頼性が得られないという問題があった。
したがって、特許文献1〜3に示されるような従来の材料では、靭性が高くハンドリングが良好に行えるもので、湿中での信頼性が高い複合材料シートが得られなかった。
本発明は、絶縁樹脂に無機粉末を充填した複合材料に関して、靭性が高く、良好なハンドリングが行え、硬化物の耐熱性や耐湿性が優れ、さらに電気的特性の発現性にも優れた複合材料、およびこれを用いた複合材料成形体、並びにこれを用いた電子部品を提供することを目的としている。
本発明に係る複合材料は、加工温度において液状を示す液状有機樹脂成分と、分子量が3000以上であり、かつ加工温度において固形の熱硬化性樹脂である固形有機樹脂成分と、無機粉末とを、含有してなる複合材料であり、前記液状有機樹脂成分は、液状熱硬化性樹脂及び/または液状硬化剤から構成されるとともに、前記液状有機樹脂成分は、有機樹脂成分全体のうち20〜50wt%を占め、前記無機粉末が前記有機樹脂成分100重量部に対して50〜1600重量部である、ことを特徴とする。
ここで、加工温度とは、複合材料をシート状に成形した後に、シートを積層、又はカッティングする加工段階の温度を示す。具体的には0℃〜60℃の範囲に含まれる温度であって、一般に常温の範囲とされる。また、この加工温度において液状有機樹脂成分、固形有機樹脂成分および無機粉末が混合される加工工程を経ることにより複合材料が作製される。
本発明に係る複合材料によれば、この複合材料から作製されるシートはその強度が高められ、特にシートとして靭性の高いものとなる。また、ハンドリングを行う際にシートが破損するおそれが従来に比して低いものとなり、ハンドリングしやすくなる。さらに、その耐湿性や耐熱性が高められるという利点がある。また、このように強度が高められることで、従来のように強度を向上するために含有されるガラスなどの補強材を不要とする分、無機粉末の混合量の割合が高められる。このため、無機粉末による電気的特性の発現性が高められる。また、この複合材料をバルクとして用いても、曲げ強度が大きく、耐熱性・耐湿性・磁気特性の優れたバルクが得られる。
また、本発明に係る複合材料は、前記液状有機樹脂成分全体のうち50wt%以下の液状有機樹脂成分が液状シランカップリング剤により置換されていることが好ましい。このような複合材料からシートもしくはバルクを作製した場合、ともに耐湿性をより優れたものにできる。
また、本発明に係る複合材料成形体は、本発明の複合材料を成形し、硬化することを特徴とする。具体的には本発明の複合材料を用いてスラリーにし、キャリアフィルム上に塗布して乾燥させて得られるシートがある。または、バルク状のものも挙げられる。このようにして得られた複合材料成形体は、強度が高められるとともに、可撓性にも優れ、安価で多量に得られる。
また、本発明に係る電子部品は、複合材料成形体がシート状であり、前記複合材料成形体に導電部が形成されることを特徴とする。また、本発明に係る別の電子部品は、複合材料成形体がシート状で、かつ積層されており、前記複合材料成形体に導電部が形成されていることを特徴とする。
こうした場合、耐湿性、耐熱性に優れた電子部品が得られるとともに、電気的特性の発現性も高められ、電子部品としての信頼性を高いものにできる。
以上説明したように、加工温度において液状を示す液状有機樹脂成分と、分子量が3000以上であり、かつ加工温度において固形の熱硬化性樹脂である固形有機樹脂成分と、無機粉末とを、含有して構成されており、液状熱硬化性樹脂及び/または液状硬化剤から構成されるとともに、前記液状有機樹脂成分は、有機樹脂成分全体のうち20〜50wt%を占め、前記無機粉末が前記有機樹脂成分100重量部に対して50〜1600重量部である場合、シートとしての靭性が高く、ハンドリングが良好に行えるとともに、硬化物の耐熱性や耐湿性が優れている複合材料が得られる。また、この複合材料を用いて得られる成形体を電子部品とした時の電気的特性の範囲の広いものが得られる。また、シートを積層した電子部品についても基板に実装した際の撓み強度が高く信頼性が高いものが得られる。
以下、本発明の詳細を実施の形態に基づいて説明する。
本発明の複合材料は、加工温度において液状を示す有機樹脂成分と、分子量が3000以上で加工温度において固形の熱硬化性樹脂からなる固形有機樹脂成分と、無機粉末と、を含む複合材料から構成され、必要に応じて適当な添加剤の配合ができる。
本発明における加工温度は、0℃〜60℃の範囲に含まれる温度をいう。
本発明において使用可能な無機粉末は、製品に要求される電気・磁気特性を満足するものであれば特に制限されるものではなく、前記電気・磁気特性に支障のない範囲で材料強度の補強材や熱伝導を改良する粉末を添加することが可能である。また、無機粉末はシート成形に際して所望するシート厚みより形状が大きくなければ、特に制約を受けない。
無機粉末の例として、磁性粉末、誘電体粉末、その他のセラミック粉末やガラス粉末があり、積層基板や積層電子部品において要求される特性を満足していれば、一種類の無機粉末を単独で使用してもよいとともに、複数種類の無機粉末を適宜な組み合わせで使用してもよい。
具体的に、磁性粉末にはフェライト粉末と磁性金属粉末があり、フェライト粉末としては、Niフェライト、Ni−Znフェライト、Ni−Cu−Znフェライト、Ni−Coフェライト、Ni−Co−Znフェライト、M−Znフェライト、Mn−Mg−Znフェライト、フェロックスプレーナーフェライト等の材料を挙げることができる。また、磁性金属粉末としては、鉄、ニッケル、コバルト、希土類金属、それらの合金、アモルファス等が含まれる。なお、磁性金属粉末は、適当な処理により表面を絶縁処理したものが望ましい。
誘電体粉末には、酸化チタン系、チタン酸バリウム系、チタン酸ストロンチウム系、チタン酸カルシウム系、チタン酸ビスマス系、チタン酸マグネシウム系、チタン−バリウム−希土類元素系、アルミナ系、ジルコニア系等のセラミック粉末がある。
無機粉末は、有機樹脂成分100重量部に対して50〜1600重量部の範囲が好ましい。無機粉末が50重量部より少ない場合は十分な電気・磁性特性が得られず、1600重量部より多い場合は十分なシート強度が得られない。
液状有機樹脂成分としては、硬化の際に固形有機樹脂成分や無機粉末と化学反応し、結合を生成するものが耐湿性や機械的強度を低下させないことから好ましく、液状熱硬化性樹脂、液状硬化剤、及びカップリング剤等がこれに相当する。液状熱硬化性樹脂としては、液状エポキシ樹脂、液状フェノール樹脂、液状ポリイミド樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アモルファスポリオレフィン樹脂などが使用できる。液状硬化剤としては、脂肪酸アミン、芳香族アミン、酸無水物などが使用できる。カップリング剤としては、固形有機樹脂成分と反応可能な官能基を有するアミノシラン、エポキシシラン、メルカプトシラン、イミダゾールシランなどのシランカップリング剤がある。熱硬化性樹脂成分中に占める液状有機樹脂成分は20〜50wt%が良く、液状有機樹脂成分が20wt%よりも比率が低い場合はシートの柔軟性が低下し、50wt%より比率が高い場合ではシートにタック(表面の粘着性)が生じたり、機械的強度の低下が発生してしまう。
また、シランカップリング剤は、液状有機樹脂成分の50wt%まで置き換えが可能である。このようにシランカップリング剤に置き換えることにより、耐湿性が向上するという効果が得られる。50wt%を超えると固形有機樹脂成分や無機粉末と化学反応に寄与しないシランカップリング剤が増えるため、硬化物の強度、耐熱性および耐湿性が低下する恐れがある。
固形有機樹脂成分に関して、分子量が3000以上のものでは、シート加工するのに必要なシート強度および可撓性を付与することが好適に行なえる。このような固形有機樹脂成分の例としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、シリコーン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、共重合ポリエステル樹脂、アモルファスポリオレフィン樹脂等がある。本発明に係る複合材料を構成するのに、これら固形有機樹脂成分を一種類単独で用いても、複数種類の固形有機樹脂成分を組み合わせて用いてもよい。液状有機樹脂成分と相溶性の良い固形有機樹脂成分がシートの強度を低下させないため望ましい。また、有機樹脂成分中に占める固形有機樹脂成分の範囲は50〜80wt%が好ましい。固形有機樹脂成分が50wt%より比率が低い場合は、シートの機械的強度が低下し、80wt%よりも比率が高い場合はシートが脆くなってしまう。
溶剤は、有機樹脂成分の良溶媒となるものを選定することが望ましい。そのような例として、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、ブチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤、酢酸エチル等のエステル系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、テトラヒドロフラン等の溶媒が樹脂に合わせて使用でき、これらは単独でも混合溶媒でも良い。
添加剤としては、硬化促進剤、分散剤、難燃剤、湿潤剤、帯電防止剤、相溶化剤等が使用可能であり、誘電特性および磁気特性を大幅に低下させなければ、どのような添加剤しても良い。これらの例として、硬化促進剤には、トリフェニルホスフィン、イミダゾール化合物等、分散剤には、ポリアルキレンオキサイド系やポリカルボン酸系等、難燃剤には、リン系、水酸化アルミ等、湿潤剤には、フタル酸エステル等が使用できる。
無機粉末の作製方法、および無機粉末と樹脂との混合・混練方法については、無機粉末および複合材料の諸特性に著しい影響を及ぼさない方法であれば限定しない。
以下に本発明の複合材料成形体の一実施例として、シートの好ましい製造方法の一例を示す。
溶剤中に無機粉末、液状有機樹脂成分および固形有機樹脂成分の有機樹脂成分を添加し、ボールミルを用いて粉砕・分散および混合する。さらに、必要に応じてはニーダー等を使用して混練し、スラリーを作製する。ここで、無機粉末を分散する際に分散剤を使用してもよい。また、有機樹脂成分はあらかじめ溶剤に溶かしたものを加えてもよい。
次に、上記スラリーをドクターブレードコートやグラビア印刷工法等の公知の方法を用いて、キャリアフィルム上に所定厚みとなるように塗布し、その後、加熱により溶剤を乾燥させ、シートを形成する。キャリアフィルムは、スラリーを塗布する前に、スラリーとの濡れと弾きとの関係から適当な表面処理を行なっておくことが望ましい。キャリアフィルムにはポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系フィルム、ポリプロピレン等の炭化水素系フィルム等が使用可能である。
次に、本願発明の電子部品の一実施形態の説明をする。図1は本願発明の一実施形態である電子部品の概略断面図である。
図1の電子部品は、本願発明の電子部品の一実施形態である概略断面図である。この電子部品1は、多層基板2は、複合材料層3と導体パターン4と外部電極5とからなり、複合材料層3にはビアホール6が形成されている。
この電子部品1の製造方法を以下に説明する。まず上記に示したように、キャリアフィルム上に複合材料を塗布し、シート成形法にて、複合材料シートを形成する。次に、加工温度において、この複合材料シートを所定サイズにカットし、複合材料シートの所定の位置に、レーザーやパンチングによりビアホール6の形成を行う。次に複合材料シートの主面上に導体パターン4を形成するため、導電性ペーストをスクリーン印刷することによって、所望の配線パターンとなるように形成する。このとき、ビアホール6と導体パターン4とが接続されるようにビアホール6内にも導電性ペーストを充填する。このようにして導体パターン4及びビアホール6が形成された複合材料シートを複数枚用意し、積層して積層体を得る。積層体はプレス等により圧着した後、ダイシング等により所定サイズにカットし、所定の温度で焼結させて、複合材料層3と導体パターン4とビアホール6とを有する多層基板2を得る。得られた多層基板2の両端面に引き出されている導体パターン4と導通が取れるように、多層基板2の両端面に外部電極用導電性ペーストを塗布焼付し外部電極5を形成する。上記のようにして電子部品1が得られる。ここで、導体パターン4は導電性ペーストをスクリーン印刷することによって作製しているが、例えばスパッタ、蒸着等の方法を用いてもよい。外部電極5の作製についても同様である。
以下に、本発明の実施例について説明する。実施例として、無機粉末としてフェライト粉末を使用したものを中心に示す。表1および表2にシート組成、シートの材料特性および硬化物の材料特性を示す。
まず、ボールミルに、表1および表2に示される実施例1〜14、比較例1〜7のような材料を秤量投入し、玉石とトルエンを適量加えた後に、粉砕、分散および混合してスラリーを作製した。玉石と分離したスラリーの粘度を調整し、ドクターブレードを使ってスラリーをPETフィルム上に所定厚みで塗布し、その後、60℃で溶剤を飛ばし、所定厚みのPETフィルム付き複合材料シートを得た。
次に25℃において、得られたPETフィルム付き複合材料シートを所定サイズにカットした後、続いて炭酸ガスレーザーによるビアホール加工を行い、ビアホール導電性ペーストをスクリーン印刷により充填した。その後に、別のPETフィルム上で所定パターンにエッチングした銅箔を複合材料シートの主面にプレスを用いて転写する。このようにして、ビアホールおよび銅箔による内部導体を形成した。次に、内部導体が形成された複合材料シートからPETフィルムを剥離し、金型に積層する順に詰め、プレスを行って積層体を得た。このようにして得られた積層体をダイシングにより所定サイズにカットし、焼成した。焼成後、上記積層体の端面に導電性ペーストを塗布し、焼き付けて外部電極を形成した。上記のようにして実施例1〜14、比較例1〜7の積層型電子部品を得た。
このようにして得られた実施例1〜14、比較例1〜7のシートについて、JIS規格K7113に準拠して特性評価を行った。ただし、タックが生じたり、強度が脆くシート化できなかったものについては、部品特性の欄に−で示し、シートに代えてプレス成形することにより試験用の試料を作製して、その試料によって試験および評価を行った。
また、シート特性評価で引張り強度が1MPa以上であれば複合材料として好適であるとした。シート特性のハンドリング試験では、複合材料で構成されたシートをカットした際、並びにキャリアフィルムよりシートを剥離した際に、破断や亀裂のないものを、表1、表2で○としている。シート特性のタック試験については、シートに対する触診により確認し、粘着性がない場合を○、粘着性がある場合を×として、表1、表2に示している。
また、本発明者は、JIS規格K7171に準拠して、実施例1〜14、比較例1〜7の複合材料を用いてバルクを作製し、バルク特性に関しても試験を行った。その結果が表1、表2に示されている。ここで、バルク特性試験で曲げ強度は80MPa以上であれば、複合材料として好適であるとした。バルク特性の耐熱性試験は、260℃の恒温下において60秒間の熱履歴を与え、その前後で変形がないものにつき、表1、表2に○で示している。バルク特性の耐湿性試験は、沸騰した純水に7時間浸漬した際に溶出成分のないものにつき、表1、表2に○で示している。バルク特性の磁気特性は、MHz帯における透磁率が1.1以上のものにつき、表1、表2に○で示している。
また、実施例1〜14、比較例1〜7の複合材料を用いて形成された積層型電子部品の部品特性のたわみ強度試験は、上記の方法で得られた実施例1〜14、比較例1〜7の積層型電子部品をガラスエポキシ基板にはんだ付けし、その基板を撓ませた際の積層型電子部品の破壊の有無を確認した。その破壊がないものにつき、表1および表2に○で示している。
上記の全ての条件を満たしたものに関して、本発明の範囲とした。
Figure 2005112903
Figure 2005112903
表1および表2からわかるように、本願発明の範囲にあたる実施例1〜14はシート特性として引張強度が1MPa以上であることがわかった。また、ハンドリングが良好で、タックが生じないことがわかった。また、バルク特性試験における曲げ強度は80MPa以上であることがわかった。耐熱性、耐湿性、磁気特性ともに良好であることがわかった。また、電子部品特性としてのたわみ強度も、はんだ接合部の強度よりも積層型電子部品の強度の方が高いことがわかった。
一方、固形有機樹脂成分としての熱硬化性樹脂の分子量が3000以下である比較例1は、引張強度が弱く、ハンドリング性が劣ることがわかった。また、液状有機樹脂成分が本願発明の範囲よりも多い比較例2はシート強度が低く、かつタックが生じシート化ができなかった。また、液状有機樹脂成分の本願発明の範囲よりも少ない比較例3は、シートがもろく破損しやすくなっており、シート化できないことがわかった。また、無機粉末が本願発明の範囲よりも多い比較例4については、シート強度に欠け、シート化できなかった。また、無機粉末が本願発明の範囲よりも少ない比較例5については、複合材料自体の磁気特性が低い。また、タックがわずかに生じることがわかった。また、固形有機樹脂成分としてアクリルゴムのみを用いた比較例6は、シート特性の引張強度が極端に悪く、バルク特性の耐熱性と耐湿性が特に低いことがわかった。また、固形有機樹脂成分としてPVBのみを用いた比較例7は、ハンドリング性が悪く、バルク特性の耐熱性と耐湿性が特に低いことがわかった。
本発明の電子部品の一実施の形態の概略斜視図である。
符号の説明
1 電子部品
2 多層基板
3 複合材料層
4 導体パターン
5 外部電極
6 ビアホール

Claims (5)

  1. 加工温度において液状を示す液状有機樹脂成分と、
    分子量が3000以上であり、かつ加工温度において固形の熱硬化性樹脂である固形有機樹脂成分と、無機粉末とを、含有してなる複合材料であり、
    前記液状有機樹脂成分は、液状熱硬化性樹脂及び/または液状硬化剤から構成されるとともに、前記液状有機樹脂成分は、有機樹脂成分全体のうち20〜50wt%を占め、
    前記無機粉末が前記有機樹脂成分100重量部に対して50〜1600重量部である、ことを特徴とする複合材料。
  2. 請求項1のいずれかに記載の複合材料において、
    前記液状有機樹脂成分全体のうち50wt%以下の液状有機樹脂成分が、液状シランカップリング剤により置換されている、ことを特徴とする複合材料。
  3. 請求項1または2に記載の複合材料を成形し、硬化されてなる複合材料成形体。
  4. 請求項3に記載の複合材料成形体がシート状であり、前記複合材料成形体に導電部が形成されることを特徴とする電子部品。
  5. 請求項3に記載の複合材料成形体がシート状で、かつ積層されており、前記複合材料成形体に導電部が形成されていることを特徴とする電子部品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007027353A (ja) * 2005-07-15 2007-02-01 Toko Inc 積層型電子部品の製造方法
JP2014179621A (ja) * 2010-03-05 2014-09-25 Murata Mfg Co Ltd セラミック電子部品

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